JP3340420B2 - 垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents
垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置Info
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- JP3340420B2 JP3340420B2 JP2000158925A JP2000158925A JP3340420B2 JP 3340420 B2 JP3340420 B2 JP 3340420B2 JP 2000158925 A JP2000158925 A JP 2000158925A JP 2000158925 A JP2000158925 A JP 2000158925A JP 3340420 B2 JP3340420 B2 JP 3340420B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生ノイズが小さ
く、記録磁化の安定性に優れた超高密度磁気記録に好適
な垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置に関する。
く、記録磁化の安定性に優れた超高密度磁気記録に好適
な垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、実用的に用いられている磁気記録
方式は、磁気記録媒体面に平行に、かつ磁極のN極とN
極、S極とS極を互いに突き合わせる方向に磁化して磁
気記録を行う面内磁気記録方式である。面内磁気記録方
式において線記録密度を向上するには、記録時の反磁界
の影響を減少するために記録媒体である磁性膜の残留磁
化Brと磁性膜厚tの積Br・tを小さくし、保磁力を
増大する必要がある。また、磁化遷移から発生する媒体
ノイズを減少するために、磁性膜の磁化容易軸を基板面
に平行に配向させると共に、結晶粒径の制御が必要であ
る。
方式は、磁気記録媒体面に平行に、かつ磁極のN極とN
極、S極とS極を互いに突き合わせる方向に磁化して磁
気記録を行う面内磁気記録方式である。面内磁気記録方
式において線記録密度を向上するには、記録時の反磁界
の影響を減少するために記録媒体である磁性膜の残留磁
化Brと磁性膜厚tの積Br・tを小さくし、保磁力を
増大する必要がある。また、磁化遷移から発生する媒体
ノイズを減少するために、磁性膜の磁化容易軸を基板面
に平行に配向させると共に、結晶粒径の制御が必要であ
る。
【0003】面内磁気記録用の磁性膜としては、Coを
主成分とし、これにCr,Ta,Pt,Rh,Pd,T
i,Ni,Nb,Hfなどを添加したCo合金薄膜が用
いられる。磁性薄膜を構成するCo合金は、主として六
方稠密格子構造(以下、hcp構造という)の材料を用
いる。この結晶のc軸は<00.1>方向に磁化容易軸
を持ち、この磁化容易軸を面内方向に配向させる。磁性
薄膜の結晶配向性や粒径を制御するために、基板と磁性
膜の間に構造制御用の下地層を形成する。下地層として
は、Crを主成分とし、これにTi,Mo,V,W,P
t,Pdなどを添加した材料を用いる。磁性薄膜は真空
蒸着法やスパッタリング法により形成する。またガラス
基板などを用いたとき面内磁化膜の結晶配向や磁気特性
改善のために前記Cr合金下地層の下層にNi−Al合
金やCo−Cr−Zr合金などのプリコートを形成した
媒体が用いられる。前記したように、面内磁気記録にお
いて媒体ノイズを小さくし線記録密度を向上するには、
磁性膜の残留磁化Brと磁性膜厚tの積を小さくする必
要があり、このために磁性膜の膜厚を20nm以下まで
薄くし、結晶粒径を10〜15nmまで微細化すること
が必要である。しかし、このような磁性結晶粒を微細化
した媒体では、熱揺らぎにより記録磁化が減少するとい
う極めて重大な問題があり、高密度記録の障害となって
いる。
主成分とし、これにCr,Ta,Pt,Rh,Pd,T
i,Ni,Nb,Hfなどを添加したCo合金薄膜が用
いられる。磁性薄膜を構成するCo合金は、主として六
方稠密格子構造(以下、hcp構造という)の材料を用
いる。この結晶のc軸は<00.1>方向に磁化容易軸
を持ち、この磁化容易軸を面内方向に配向させる。磁性
薄膜の結晶配向性や粒径を制御するために、基板と磁性
膜の間に構造制御用の下地層を形成する。下地層として
は、Crを主成分とし、これにTi,Mo,V,W,P
t,Pdなどを添加した材料を用いる。磁性薄膜は真空
蒸着法やスパッタリング法により形成する。またガラス
基板などを用いたとき面内磁化膜の結晶配向や磁気特性
改善のために前記Cr合金下地層の下層にNi−Al合
金やCo−Cr−Zr合金などのプリコートを形成した
媒体が用いられる。前記したように、面内磁気記録にお
いて媒体ノイズを小さくし線記録密度を向上するには、
磁性膜の残留磁化Brと磁性膜厚tの積を小さくする必
要があり、このために磁性膜の膜厚を20nm以下まで
薄くし、結晶粒径を10〜15nmまで微細化すること
が必要である。しかし、このような磁性結晶粒を微細化
した媒体では、熱揺らぎにより記録磁化が減少するとい
う極めて重大な問題があり、高密度記録の障害となって
いる。
【0004】一方、垂直磁気記録方式は、記録媒体面に
垂直に、かつ隣り合う記録ビットが互いに反平行になる
ように磁区を形成する磁気記録方式であり、記録ビット
の境界での反磁界が小さくなり高密度記録ほど磁化が安
定に保たれ易い利点があり、高密度磁気記録の有力な手
段の一つである。面内磁気記録による高密度記録のため
には、前記したように磁性膜の厚さを20nm以下に
し、磁性結晶粒径の微細化と均一化をする必要がある
が、この場合、熱的緩和により記録磁化が消失する問題
がある。これに対して垂直磁気記録では、面内磁気記録
に比べて磁性膜厚を厚くでき、記録磁化を安定に保持で
きる利点がある。垂直磁気記録により線記録密度を向上
するためには、記録ビット内部及び磁化遷移領域に形成
される不規則構造の磁区から発生する媒体ノイズを減少
することが必要である。このためには、磁性膜の磁化容
易軸を基板面に垂直に配向させると共に、磁化容易軸の
配向分散を小さくし、結晶粒径を制御することが必要で
ある。
垂直に、かつ隣り合う記録ビットが互いに反平行になる
ように磁区を形成する磁気記録方式であり、記録ビット
の境界での反磁界が小さくなり高密度記録ほど磁化が安
定に保たれ易い利点があり、高密度磁気記録の有力な手
段の一つである。面内磁気記録による高密度記録のため
には、前記したように磁性膜の厚さを20nm以下に
し、磁性結晶粒径の微細化と均一化をする必要がある
が、この場合、熱的緩和により記録磁化が消失する問題
がある。これに対して垂直磁気記録では、面内磁気記録
に比べて磁性膜厚を厚くでき、記録磁化を安定に保持で
きる利点がある。垂直磁気記録により線記録密度を向上
するためには、記録ビット内部及び磁化遷移領域に形成
される不規則構造の磁区から発生する媒体ノイズを減少
することが必要である。このためには、磁性膜の磁化容
易軸を基板面に垂直に配向させると共に、磁化容易軸の
配向分散を小さくし、結晶粒径を制御することが必要で
ある。
【0005】垂直磁化膜としては、Coを主成分とし、
これにCr,Ta,Pt,Rh,Pd,Ti,Ni,N
b,Hfなどを添加したCo合金薄膜、またはCoに希
土類元素を添加した例えばTe−Fe−Co非晶質材
料、CoとPtやPdの多層膜材料などが用いられる。
磁性薄膜を構成するCo合金としては、主としてhcp
構造の材料を用いる。Co合金薄膜は、この結晶のc
軸、<00.1>方向に磁化容易軸を持ち、この磁化容
易軸を記録媒体面に垂直方向に配向させる。磁性薄膜は
真空蒸着法やスパッタリング法により形成する。磁気記
録したときの線記録密度や再生出力を向上し、再生ノイ
ズを減少させて磁気記録特性を向上するために、上記の
Co合金薄膜のc軸の垂直配向性を向上すると共に、結
晶粒径の制御が必要であり、このために基板と磁性膜の
間に構造制御用の下地層を形成するなどの改善策が従来
から行われている。
これにCr,Ta,Pt,Rh,Pd,Ti,Ni,N
b,Hfなどを添加したCo合金薄膜、またはCoに希
土類元素を添加した例えばTe−Fe−Co非晶質材
料、CoとPtやPdの多層膜材料などが用いられる。
磁性薄膜を構成するCo合金としては、主としてhcp
構造の材料を用いる。Co合金薄膜は、この結晶のc
軸、<00.1>方向に磁化容易軸を持ち、この磁化容
易軸を記録媒体面に垂直方向に配向させる。磁性薄膜は
真空蒸着法やスパッタリング法により形成する。磁気記
録したときの線記録密度や再生出力を向上し、再生ノイ
ズを減少させて磁気記録特性を向上するために、上記の
Co合金薄膜のc軸の垂直配向性を向上すると共に、結
晶粒径の制御が必要であり、このために基板と磁性膜の
間に構造制御用の下地層を形成するなどの改善策が従来
から行われている。
【0006】垂直磁気記録媒体には、基板上に構造制御
層を介して垂直磁化膜を形成した単層垂直磁気記録媒体
と、基板上に軟磁性膜を形成し、この上に構造制御層を
介して垂直磁化膜を形成した2層垂直磁気記録媒体があ
る。前者の場合、媒体ノイズの主因は、反磁界の影響に
より記録ビット内部及び磁化遷移領域に形成される不規
則構造の磁区である。一方、後者の2層垂直磁気記録媒
体の場合、媒体ノイズは、記録ビット内部及び磁化遷移
領域に形成される不規則構造の磁区に加えて、垂直磁化
膜の下層に設けた軟磁性膜など裏打磁性層の磁区構造の
乱れによっても発生する。
層を介して垂直磁化膜を形成した単層垂直磁気記録媒体
と、基板上に軟磁性膜を形成し、この上に構造制御層を
介して垂直磁化膜を形成した2層垂直磁気記録媒体があ
る。前者の場合、媒体ノイズの主因は、反磁界の影響に
より記録ビット内部及び磁化遷移領域に形成される不規
則構造の磁区である。一方、後者の2層垂直磁気記録媒
体の場合、媒体ノイズは、記録ビット内部及び磁化遷移
領域に形成される不規則構造の磁区に加えて、垂直磁化
膜の下層に設けた軟磁性膜など裏打磁性層の磁区構造の
乱れによっても発生する。
【0007】軟磁性膜の磁区構造を制御する方式とし
て、例えば特開平11−191217号公報「垂直磁気
記録媒体の製造方法」のように、軟磁性膜の下層に磁化
容易磁区が面内方向に配向した硬磁性膜を形成する方法
が提案されている。この方法によれば、外部磁界による
軟磁性膜の磁区構造の変化をある程度低下できる効果は
認められるが、軟磁性膜の下層に直接面内配向の硬磁性
膜を接して形成することにより硬磁性膜の磁区構造がこ
の上の軟磁性膜に転写され、その結果、軟磁性膜から発
生したノイズが垂直磁化膜の再生信号の中に含まれて高
密度記録の障害になる問題がある。
て、例えば特開平11−191217号公報「垂直磁気
記録媒体の製造方法」のように、軟磁性膜の下層に磁化
容易磁区が面内方向に配向した硬磁性膜を形成する方法
が提案されている。この方法によれば、外部磁界による
軟磁性膜の磁区構造の変化をある程度低下できる効果は
認められるが、軟磁性膜の下層に直接面内配向の硬磁性
膜を接して形成することにより硬磁性膜の磁区構造がこ
の上の軟磁性膜に転写され、その結果、軟磁性膜から発
生したノイズが垂直磁化膜の再生信号の中に含まれて高
密度記録の障害になる問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】垂直磁気記録媒体、特
に2層垂直磁気記録媒体により超高密度磁気記録を実現
するには、線記録密度の向上の他に再生信号に含まれる
ノイズ、特に媒体の微細構造に起因する媒体ノイズを低
減し、かつ記録磁化を安定に保つことが重要である。本
発明は、このような問題認識のもとに、従来技術の欠点
を解消し、優れた低ノイズ特性と記録磁化の安定性を有
し超高密度磁気記録に好適な垂直磁気記録媒体及び磁気
記憶装置を提供することを目的とする。
に2層垂直磁気記録媒体により超高密度磁気記録を実現
するには、線記録密度の向上の他に再生信号に含まれる
ノイズ、特に媒体の微細構造に起因する媒体ノイズを低
減し、かつ記録磁化を安定に保つことが重要である。本
発明は、このような問題認識のもとに、従来技術の欠点
を解消し、優れた低ノイズ特性と記録磁化の安定性を有
し超高密度磁気記録に好適な垂直磁気記録媒体及び磁気
記憶装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、裏打磁性
層を備えた垂直磁気記録媒体における記録磁化の安定性
を妨げる要因及び媒体ノイズの原因について詳細に検討
した結果、裏打磁性層表面の磁区構造が磁気記録したと
きの垂直磁気記録媒体表面の漏洩磁界分布に影響し、媒
体ノイズを増大させ、記録磁化の安定性を阻害している
ことを見出した。
層を備えた垂直磁気記録媒体における記録磁化の安定性
を妨げる要因及び媒体ノイズの原因について詳細に検討
した結果、裏打磁性層表面の磁区構造が磁気記録したと
きの垂直磁気記録媒体表面の漏洩磁界分布に影響し、媒
体ノイズを増大させ、記録磁化の安定性を阻害している
ことを見出した。
【0010】裏打磁性層を備えた垂直磁気記録媒体にお
いて、裏打磁性層は、(1)垂直磁気記録の際の記録ヘ
ッドの記録効率向上のためのリターンパスの役割と、
(2)垂直磁化膜からの再生信号出力向上の役割とを主
たる目的として従来用いられている。本発明では、裏打
磁性層の構造と表面の磁区構造の関係、および裏打磁性
層と垂直磁化膜の相互作用による磁区構造の関係、特に
裏打磁性層に含まれる硬磁性膜の結晶配向と磁区構造の
関係を系統的に調べ、垂直磁気記録媒体の媒体ノイズ低
減に好適な手段を見い出した。
いて、裏打磁性層は、(1)垂直磁気記録の際の記録ヘ
ッドの記録効率向上のためのリターンパスの役割と、
(2)垂直磁化膜からの再生信号出力向上の役割とを主
たる目的として従来用いられている。本発明では、裏打
磁性層の構造と表面の磁区構造の関係、および裏打磁性
層と垂直磁化膜の相互作用による磁区構造の関係、特に
裏打磁性層に含まれる硬磁性膜の結晶配向と磁区構造の
関係を系統的に調べ、垂直磁気記録媒体の媒体ノイズ低
減に好適な手段を見い出した。
【0011】本発明においては、垂直磁化膜の結晶配向
及び結晶粒径制御に加えて垂直磁化膜の下層に形成する
裏打磁性層の構造を制御することによって、特に裏打磁
性層表面の磁区構造を制御し、磁気記録したとき垂直磁
化膜表面に形成される不規則構造の磁区を低減すること
により、前記目的を達成する。具体的には、基板上に裏
打磁性層、垂直磁化膜、保護膜の順に形成した垂直磁気
記録媒体において、裏打磁性層を組成もしくは保磁力の
異なる磁性膜を積層した構造とし、裏打磁性層の構造と
表面の磁区構造の関係を系統的に調べることにより、媒
体ノイズの小さい記録磁化の安定性に優れた超高密度磁
気記録に好適な垂直磁気記録媒体を提供する。
及び結晶粒径制御に加えて垂直磁化膜の下層に形成する
裏打磁性層の構造を制御することによって、特に裏打磁
性層表面の磁区構造を制御し、磁気記録したとき垂直磁
化膜表面に形成される不規則構造の磁区を低減すること
により、前記目的を達成する。具体的には、基板上に裏
打磁性層、垂直磁化膜、保護膜の順に形成した垂直磁気
記録媒体において、裏打磁性層を組成もしくは保磁力の
異なる磁性膜を積層した構造とし、裏打磁性層の構造と
表面の磁区構造の関係を系統的に調べることにより、媒
体ノイズの小さい記録磁化の安定性に優れた超高密度磁
気記録に好適な垂直磁気記録媒体を提供する。
【0012】すなわち、本発明による垂直磁気記録媒体
は、基板上に裏打磁性層を介して垂直磁化膜を設けた垂
直磁気記録媒体において、裏打磁性層は基板に近い側に
形成した磁化容易軸が垂直配向した硬磁性膜と、硬磁性
膜の上に形成した軟磁性膜とを含むことを特徴とする。
は、基板上に裏打磁性層を介して垂直磁化膜を設けた垂
直磁気記録媒体において、裏打磁性層は基板に近い側に
形成した磁化容易軸が垂直配向した硬磁性膜と、硬磁性
膜の上に形成した軟磁性膜とを含むことを特徴とする。
【0013】硬磁性膜は保磁力が1kOe以上であり、
軟磁性膜は保磁力が1Oe以下の非晶質軟磁性膜とする
ことができる。また、硬磁性膜は保磁力が1kOe以上
であり、軟磁性膜は多結晶性軟磁性膜上に非晶質軟磁性
膜が形成された積層構造を有し保磁力が1Oe以下であ
る膜とすることができる。
軟磁性膜は保磁力が1Oe以下の非晶質軟磁性膜とする
ことができる。また、硬磁性膜は保磁力が1kOe以上
であり、軟磁性膜は多結晶性軟磁性膜上に非晶質軟磁性
膜が形成された積層構造を有し保磁力が1Oe以下であ
る膜とすることができる。
【0014】非晶質軟磁性膜はCo−Nb−Zr系非晶
質合金、Co−Mo−Zr系非晶質合金、Co−W−Z
r系非晶質合金、Co−Ta−Zr系非晶質合金、Co
−Ni−Zr系非晶質合金から選ばれる何れかの材料で
構成することができ、多結晶性軟磁性膜はFe−Al−
Si−M合金(M:Cr,Ti)、Fe−Ta−C−M
合金(M:Al,Cr)、Fe−Hf−C−M合金
(M:Al,Cr)、Fe−Ta−N−M合金(M:A
l,Cr)、Ni−Fe−M合金(M:Nb,Mo)か
ら選ばれる何れかの材料で構成することができ、硬磁性
膜はCoを主成分としこれにCr,Pt,Ta,Hf,
Smの何れかを添加した合金で構成することができる。
ここで、表記(M:a,b)は、Mがa又はbであるこ
とを表す。裏打磁性層と垂直磁化膜の間に膜厚1〜10
nmの非磁性の構造制御層を含むことが好ましい。
質合金、Co−Mo−Zr系非晶質合金、Co−W−Z
r系非晶質合金、Co−Ta−Zr系非晶質合金、Co
−Ni−Zr系非晶質合金から選ばれる何れかの材料で
構成することができ、多結晶性軟磁性膜はFe−Al−
Si−M合金(M:Cr,Ti)、Fe−Ta−C−M
合金(M:Al,Cr)、Fe−Hf−C−M合金
(M:Al,Cr)、Fe−Ta−N−M合金(M:A
l,Cr)、Ni−Fe−M合金(M:Nb,Mo)か
ら選ばれる何れかの材料で構成することができ、硬磁性
膜はCoを主成分としこれにCr,Pt,Ta,Hf,
Smの何れかを添加した合金で構成することができる。
ここで、表記(M:a,b)は、Mがa又はbであるこ
とを表す。裏打磁性層と垂直磁化膜の間に膜厚1〜10
nmの非磁性の構造制御層を含むことが好ましい。
【0015】本発明による磁気記憶装置は、磁気記録媒
体と、磁気記録媒体を駆動する駆動手段と、記録部と再
生部とを備える磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気記録媒
体に対して相対的に移動させる磁気ヘッド駆動手段と、
磁気ヘッドの記録信号及び再生信号を処理する信号処理
手段とを備える磁気記憶装置において、磁気記録媒体と
して前述の垂直磁気記録媒体を用いたことを特徴とす
る。磁気ヘッドの記録部は、リング型もしくは単磁極型
の磁気記録用ヘッドで構成することができる。また、磁
気ヘッドの再生部は、磁気抵抗効果型、スピンバルブ型
もしくは磁気トンネル型の信号再生用ヘッドで構成する
ことができる。
体と、磁気記録媒体を駆動する駆動手段と、記録部と再
生部とを備える磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気記録媒
体に対して相対的に移動させる磁気ヘッド駆動手段と、
磁気ヘッドの記録信号及び再生信号を処理する信号処理
手段とを備える磁気記憶装置において、磁気記録媒体と
して前述の垂直磁気記録媒体を用いたことを特徴とす
る。磁気ヘッドの記録部は、リング型もしくは単磁極型
の磁気記録用ヘッドで構成することができる。また、磁
気ヘッドの再生部は、磁気抵抗効果型、スピンバルブ型
もしくは磁気トンネル型の信号再生用ヘッドで構成する
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を挙げ、図
面を参照しながら詳細に説明する。図において、同一の
符号を付した部分は、同じ性能特性を有する部分を示
す。
面を参照しながら詳細に説明する。図において、同一の
符号を付した部分は、同じ性能特性を有する部分を示
す。
【0017】〔実施例1〕本発明による垂直磁気記録媒
体は、基板面の片面もしくは両面に記録層を設けること
が可能であり、図1は、本発明による垂直磁気記録媒体
の基本構造の一例を示す断面模式図である。図1に示す
垂直磁気記録媒体は、基板11上に裏打磁性層12、垂
直磁化膜の構造制御層15、垂直磁化膜16、及び保護
膜17を有する。裏打磁性層12は、高保磁力の硬磁性
膜13と軟磁性膜14とで構成される積層構造である。
高保磁力の硬磁性膜13は、この上に形成する軟磁性膜
14の磁区構造が外部磁界によって変化するのを防止す
る役割があり、その保磁力は上部に形成する軟磁性膜1
4より大きく20〜4000Oeの範囲、望ましくは1
000〜4000Oeの範囲が良い。高保磁力の硬磁性
膜13は、磁化容易軸が基板面に垂直方向に配向した材
料を用いる。また軟磁性膜14の保磁力は、20Oe以
下が良く、望ましくは1Oe以下が望ましい。更に軟磁
性膜14は保磁力の異なる材料を積層して用いることも
可能である。
体は、基板面の片面もしくは両面に記録層を設けること
が可能であり、図1は、本発明による垂直磁気記録媒体
の基本構造の一例を示す断面模式図である。図1に示す
垂直磁気記録媒体は、基板11上に裏打磁性層12、垂
直磁化膜の構造制御層15、垂直磁化膜16、及び保護
膜17を有する。裏打磁性層12は、高保磁力の硬磁性
膜13と軟磁性膜14とで構成される積層構造である。
高保磁力の硬磁性膜13は、この上に形成する軟磁性膜
14の磁区構造が外部磁界によって変化するのを防止す
る役割があり、その保磁力は上部に形成する軟磁性膜1
4より大きく20〜4000Oeの範囲、望ましくは1
000〜4000Oeの範囲が良い。高保磁力の硬磁性
膜13は、磁化容易軸が基板面に垂直方向に配向した材
料を用いる。また軟磁性膜14の保磁力は、20Oe以
下が良く、望ましくは1Oe以下が望ましい。更に軟磁
性膜14は保磁力の異なる材料を積層して用いることも
可能である。
【0018】高真空DCマグネトロンスパッタリング装
置により、図1に断面構造を示す媒体を作製した。洗浄
したガラス基板11をスパッタリング装置に設置し、続
いて基板11を約300℃に加熱した。高保磁力の硬磁
性膜13として磁化容易軸が基板面に垂直方向に配向し
た試料を作製した。まず上記基板上にプリコート層を形
成した。プリコート層は、この上に形成する垂直配向の
硬磁性膜13の結晶配向を促進するために用いるもの
で、Ti,Hf,Ti−Cr合金、Hf−Cr合金、非
磁性のCo−Cr合金あるいはSi,Ge,Cなどの非
晶質材料を用いることができる。本実施例では膜厚30
nmのTi−10at%Cr合金を用いた。
置により、図1に断面構造を示す媒体を作製した。洗浄
したガラス基板11をスパッタリング装置に設置し、続
いて基板11を約300℃に加熱した。高保磁力の硬磁
性膜13として磁化容易軸が基板面に垂直方向に配向し
た試料を作製した。まず上記基板上にプリコート層を形
成した。プリコート層は、この上に形成する垂直配向の
硬磁性膜13の結晶配向を促進するために用いるもの
で、Ti,Hf,Ti−Cr合金、Hf−Cr合金、非
磁性のCo−Cr合金あるいはSi,Ge,Cなどの非
晶質材料を用いることができる。本実施例では膜厚30
nmのTi−10at%Cr合金を用いた。
【0019】このプリコート層の上に膜厚20nmの非
磁性Co−35at%Cr合金膜を介して膜厚25nm
の磁化容易軸が垂直配向した硬磁性膜13を形成した。
硬磁性膜13としては、Coを主成分とし、これにC
r,Ta,Pt,Rh,Pd,Ti,Ni,Nb,Hf
などを添加したCo合金薄膜、またはCoに希土類元素
を添加した材料を用いることができるが、本実施例では
Co−18at%Cr−14at%Pt−3at%Ta
合金を用いた例で説明する。硬磁性膜13の膜面垂直方
向の保磁力は3000Oe、角型比(SQ=残留磁化と
飽和磁化の比)は0.82であった。続いて、この硬磁
性膜13の上に軟磁性膜14としてCo−10at%T
a−5at%Zr非晶質合金膜を形成した。軟磁性膜1
4の保磁力は0.3Oe、初透磁率は500であった。
軟磁性膜14の磁区構造に及ぼす硬磁性膜13の影響を
調べるために、軟磁性膜の膜厚を0〜400nmの範囲
で変化させた試料を作製した。
磁性Co−35at%Cr合金膜を介して膜厚25nm
の磁化容易軸が垂直配向した硬磁性膜13を形成した。
硬磁性膜13としては、Coを主成分とし、これにC
r,Ta,Pt,Rh,Pd,Ti,Ni,Nb,Hf
などを添加したCo合金薄膜、またはCoに希土類元素
を添加した材料を用いることができるが、本実施例では
Co−18at%Cr−14at%Pt−3at%Ta
合金を用いた例で説明する。硬磁性膜13の膜面垂直方
向の保磁力は3000Oe、角型比(SQ=残留磁化と
飽和磁化の比)は0.82であった。続いて、この硬磁
性膜13の上に軟磁性膜14としてCo−10at%T
a−5at%Zr非晶質合金膜を形成した。軟磁性膜1
4の保磁力は0.3Oe、初透磁率は500であった。
軟磁性膜14の磁区構造に及ぼす硬磁性膜13の影響を
調べるために、軟磁性膜の膜厚を0〜400nmの範囲
で変化させた試料を作製した。
【0020】軟磁性膜14の上に構造制御層15を形成
し、その上に膜厚20nmの垂直磁化膜16、膜厚5n
mの保護膜17を順次形成した。構造制御層15は、こ
の上に形成する垂直磁化膜16の結晶配向を向上する役
割と結晶粒径を制御する役割があり、Ti,Hf,Ti
−Cr合金、Hf−Cr合金、あるいは非磁性のCo−
Cr合金などのhcp構造の材料、Si,Ge,Cなど
の非晶質材料を用いることができる。ここでは、構造制
御層15として、膜厚5nmのTi−10at%Cr合
金を用いた例で説明する。垂直磁化膜16としてはCo
−18at%Cr−12at%Pt−3at%Ta合金
を用い、保護膜17としてはカーボンを用いた。垂直磁
化膜16の膜面垂直方向の保磁力は3100Oe、角型
比は0.9であった。
し、その上に膜厚20nmの垂直磁化膜16、膜厚5n
mの保護膜17を順次形成した。構造制御層15は、こ
の上に形成する垂直磁化膜16の結晶配向を向上する役
割と結晶粒径を制御する役割があり、Ti,Hf,Ti
−Cr合金、Hf−Cr合金、あるいは非磁性のCo−
Cr合金などのhcp構造の材料、Si,Ge,Cなど
の非晶質材料を用いることができる。ここでは、構造制
御層15として、膜厚5nmのTi−10at%Cr合
金を用いた例で説明する。垂直磁化膜16としてはCo
−18at%Cr−12at%Pt−3at%Ta合金
を用い、保護膜17としてはカーボンを用いた。垂直磁
化膜16の膜面垂直方向の保磁力は3100Oe、角型
比は0.9であった。
【0021】比較のために、硬磁性膜13として磁化容
易軸が基板面に平行に配向した試料を作製した。まず上
記基板上にプリコート層として膜厚50nmのNi−5
0at%Al合金膜を形成し、この上に高保磁力の硬磁
性膜13の結晶配向制御用の下地層として膜厚20nm
のCr膜を形成した。このCr膜は<110>もしくは
<100>方位に配向していた。硬磁性膜13の結晶配
向を向上するために、上記のCr膜の上にCrTi
x(x=10〜20at%)やCrMox(x=10〜
20at%)、あるいはCrVx(x=10〜20at
%)膜を形成して用いることも可能である。
易軸が基板面に平行に配向した試料を作製した。まず上
記基板上にプリコート層として膜厚50nmのNi−5
0at%Al合金膜を形成し、この上に高保磁力の硬磁
性膜13の結晶配向制御用の下地層として膜厚20nm
のCr膜を形成した。このCr膜は<110>もしくは
<100>方位に配向していた。硬磁性膜13の結晶配
向を向上するために、上記のCr膜の上にCrTi
x(x=10〜20at%)やCrMox(x=10〜
20at%)、あるいはCrVx(x=10〜20at
%)膜を形成して用いることも可能である。
【0022】この下地層の上に高保磁力の硬磁性膜13
として膜厚25nmのCo−18at%Cr−14at
%Pt−3at%Ta薄膜を形成した。この硬磁性膜1
3は、hcp構造のc軸が基板面にほぼ平行に配向して
いた。硬磁性膜13の面内方向の保磁力は2500O
e、角型比(SQ=残留磁化と飽和磁化の比)は0.8
2であった。続いて、この硬磁性膜13の上に軟磁性膜
14としてCo−10at%Ta−5at%Zr非晶質
合金膜を形成した。軟磁性膜14の磁区構造に及ぼす硬
磁性膜13の影響を調べるために、軟磁性膜の膜厚を0
〜400nmの範囲で変化させた試料を作製した。軟磁
性膜14の上に構造制御層15を形成し、その上に膜厚
20nmの垂直磁化膜16、膜厚5nmの保護膜17を
順次形成した。垂直磁化膜16としてはCo−18at
%Cr−12at%Pt−3at%Ta合金を用い、保
護膜17としてはカーボンを用いた。垂直磁化膜16の
膜面垂直方向の保磁力は3080Oe、角型比は0.8
9であった。
として膜厚25nmのCo−18at%Cr−14at
%Pt−3at%Ta薄膜を形成した。この硬磁性膜1
3は、hcp構造のc軸が基板面にほぼ平行に配向して
いた。硬磁性膜13の面内方向の保磁力は2500O
e、角型比(SQ=残留磁化と飽和磁化の比)は0.8
2であった。続いて、この硬磁性膜13の上に軟磁性膜
14としてCo−10at%Ta−5at%Zr非晶質
合金膜を形成した。軟磁性膜14の磁区構造に及ぼす硬
磁性膜13の影響を調べるために、軟磁性膜の膜厚を0
〜400nmの範囲で変化させた試料を作製した。軟磁
性膜14の上に構造制御層15を形成し、その上に膜厚
20nmの垂直磁化膜16、膜厚5nmの保護膜17を
順次形成した。垂直磁化膜16としてはCo−18at
%Cr−12at%Pt−3at%Ta合金を用い、保
護膜17としてはカーボンを用いた。垂直磁化膜16の
膜面垂直方向の保磁力は3080Oe、角型比は0.8
9であった。
【0023】図2は、磁区構造比較用テスト試料の構成
を示す。図中の(イ)〜(ニ)はその高さ位置まで成膜
したことを示しており、(イ)は硬磁性膜13までを形
成した試料、(ロ)は硬磁性膜13の上に膜厚40nm
のCo−Ta−Zr軟磁性膜14を形成した試料、
(ハ)は硬磁性膜13の上に膜厚400nmのCo−T
a−Zr軟磁性膜14を形成した試料、(ニ)は前記軟
磁性膜14の上に構造制御層15と膜厚20nmのCo
−18at%Cr−12at%Pt−3at%Ta合金
垂直磁化膜16、膜厚5nmのカーボン保護膜17を順
次形成した試料である。硬磁性膜13としては、磁化容
易軸が膜面に垂直方向に配向した本発明の媒体と磁化容
易軸が膜面に平行に配向した比較用の試料を作製した。
を示す。図中の(イ)〜(ニ)はその高さ位置まで成膜
したことを示しており、(イ)は硬磁性膜13までを形
成した試料、(ロ)は硬磁性膜13の上に膜厚40nm
のCo−Ta−Zr軟磁性膜14を形成した試料、
(ハ)は硬磁性膜13の上に膜厚400nmのCo−T
a−Zr軟磁性膜14を形成した試料、(ニ)は前記軟
磁性膜14の上に構造制御層15と膜厚20nmのCo
−18at%Cr−12at%Pt−3at%Ta合金
垂直磁化膜16、膜厚5nmのカーボン保護膜17を順
次形成した試料である。硬磁性膜13としては、磁化容
易軸が膜面に垂直方向に配向した本発明の媒体と磁化容
易軸が膜面に平行に配向した比較用の試料を作製した。
【0024】図3に、上記テスト試料の残留磁化状態に
おける磁区構造を比較して示す。磁区構造は磁気力顕微
鏡で計測した。図において、(a)の列は本発明による
媒体の磁区構造を示し、(b)の列は比較用媒体の磁区
構造を示している。(a)の列及び(b)の列の(イ)
〜(ニ)は、図2に示した媒体構成に対応する。例え
ば、(イ)は硬磁性膜13の表面(軟磁性膜厚0nm)
の磁区構造を示し、同様に、(ロ)は硬磁性膜13の上
に形成された膜厚40nmの軟磁性膜表面の磁区構造
を、(ハ)は硬磁性膜13の上に形成された膜厚400
nmの軟磁性膜表面の磁区構造を、(ニ)は保護膜17
の表面の磁区構造をそれぞれ示している。
おける磁区構造を比較して示す。磁区構造は磁気力顕微
鏡で計測した。図において、(a)の列は本発明による
媒体の磁区構造を示し、(b)の列は比較用媒体の磁区
構造を示している。(a)の列及び(b)の列の(イ)
〜(ニ)は、図2に示した媒体構成に対応する。例え
ば、(イ)は硬磁性膜13の表面(軟磁性膜厚0nm)
の磁区構造を示し、同様に、(ロ)は硬磁性膜13の上
に形成された膜厚40nmの軟磁性膜表面の磁区構造
を、(ハ)は硬磁性膜13の上に形成された膜厚400
nmの軟磁性膜表面の磁区構造を、(ニ)は保護膜17
の表面の磁区構造をそれぞれ示している。
【0025】この磁区構造において、明暗のコントラス
トで磁区構造の乱れが示されている。図において黒いコ
ントラストで観察される領域が、媒体ノイズの原因とな
る不規則構造の磁区であり、不規則構造磁区の寸法が小
さいほど、また磁区から発生する信号が小さいほどノイ
ズが小さい。本発明のように垂直配向した硬磁性膜13
の上に軟磁性膜14を形成した媒体では、図3(a)の
(イ)〜(ハ)に示すように、軟磁性膜表面の不規則構
造磁区の寸法が小さい。一方、面内配向した硬磁性膜の
上に軟磁性膜を形成した比較用媒体(b)では、軟磁性
膜表面の不規則構造磁区の寸法が大きく、磁気ヘッドで
再生したとき特に長波長成分のノイズ信号の源となる。
また、図3から分かるように、比較用媒体では、軟磁性
膜厚と共に表面の磁区構造が大きく変化する。すなわち
軟磁性膜厚が薄いときは下層の硬磁性膜表面の磁区構造
の乱れが強調されて現れ、軟磁性膜厚が厚くなると大き
なサイズの磁区が表面に形成され易い傾向が認められ
る。一方、本発明の媒体では磁区構造の軟磁性膜厚依存
性が小さく、また磁区サイズも小さく媒体ノイズ低減効
果が大きい。
トで磁区構造の乱れが示されている。図において黒いコ
ントラストで観察される領域が、媒体ノイズの原因とな
る不規則構造の磁区であり、不規則構造磁区の寸法が小
さいほど、また磁区から発生する信号が小さいほどノイ
ズが小さい。本発明のように垂直配向した硬磁性膜13
の上に軟磁性膜14を形成した媒体では、図3(a)の
(イ)〜(ハ)に示すように、軟磁性膜表面の不規則構
造磁区の寸法が小さい。一方、面内配向した硬磁性膜の
上に軟磁性膜を形成した比較用媒体(b)では、軟磁性
膜表面の不規則構造磁区の寸法が大きく、磁気ヘッドで
再生したとき特に長波長成分のノイズ信号の源となる。
また、図3から分かるように、比較用媒体では、軟磁性
膜厚と共に表面の磁区構造が大きく変化する。すなわち
軟磁性膜厚が薄いときは下層の硬磁性膜表面の磁区構造
の乱れが強調されて現れ、軟磁性膜厚が厚くなると大き
なサイズの磁区が表面に形成され易い傾向が認められ
る。一方、本発明の媒体では磁区構造の軟磁性膜厚依存
性が小さく、また磁区サイズも小さく媒体ノイズ低減効
果が大きい。
【0026】前記軟磁性膜の上に垂直磁化膜を形成した
試料、すなわち図3(ニ)に対応する試料のノイズスペ
クトラムを測定し、不規則磁区からの信号を定量的に比
較した。その結果を図4に示す。図4において、横軸は
ノイズ信号の波長もしくは波長の逆数、縦軸はノイズ信
号の強度を相対値で示す。図において、(a)は本発明
による垂直磁気記録媒体のノイズ特性、(b)は比較用
媒体のノイズ特性を示す。媒体と磁気ヘッド間のスペー
シングが一定の状態で再生信号を比較したとき、磁気ヘ
ッドのスペーシングロスやギャップロスのために、不規
則磁区の寸法が小さいほどノイズ信号が小さくなる。図
から明らかなように、ほぼ全波長領域において本発明の
媒体は比較用媒体に比べてノイズ信号の強度が小さい。
特に比較用媒体は、波長0.2μm以上の長波長成分の
ノイズ信号が大きい。即ち比較用媒体は、大きな寸法の
不規則磁区が媒体に多く含まれ、媒体ノイズが大きいこ
とを示している。図4のノイズスペクトラムにおいて、
0.06〜10μmの全波長成分を含むノイズを本発明
の媒体と比較用媒体とで比較すると、約1dB本発明の
媒体が低ノイズ特性を示した。
試料、すなわち図3(ニ)に対応する試料のノイズスペ
クトラムを測定し、不規則磁区からの信号を定量的に比
較した。その結果を図4に示す。図4において、横軸は
ノイズ信号の波長もしくは波長の逆数、縦軸はノイズ信
号の強度を相対値で示す。図において、(a)は本発明
による垂直磁気記録媒体のノイズ特性、(b)は比較用
媒体のノイズ特性を示す。媒体と磁気ヘッド間のスペー
シングが一定の状態で再生信号を比較したとき、磁気ヘ
ッドのスペーシングロスやギャップロスのために、不規
則磁区の寸法が小さいほどノイズ信号が小さくなる。図
から明らかなように、ほぼ全波長領域において本発明の
媒体は比較用媒体に比べてノイズ信号の強度が小さい。
特に比較用媒体は、波長0.2μm以上の長波長成分の
ノイズ信号が大きい。即ち比較用媒体は、大きな寸法の
不規則磁区が媒体に多く含まれ、媒体ノイズが大きいこ
とを示している。図4のノイズスペクトラムにおいて、
0.06〜10μmの全波長成分を含むノイズを本発明
の媒体と比較用媒体とで比較すると、約1dB本発明の
媒体が低ノイズ特性を示した。
【0027】ここでは、軟磁性膜14としてCo−10
at%Ta−5at%Zr非晶質合金膜を用いた例で説
明したが、他にCo−Nb−Zr系非晶質合金、Co−
Mo−Zr系非晶質合金、Co−W−Zr系非晶質合
金、Co−Ta−Zr系非晶質合金、あるいはCo−N
i−Zr系非晶質合金を用いてもよい。これらの軟磁性
膜はいずれも非晶質構造の膜であることがX線回折法と
TEM(透過電子顕微鏡)観察により確認された。ま
た、基板11としてガラス基板を用いた例により説明し
たが、ガラス基板の他にSiディスク基板、NiP被服
アルミニウム基板、カーボン基板、あるいは高分子基板
などを用いてもよい。更に、硬磁性膜13としてCo−
18at%Cr−14at%Pt−3at%Ta薄膜を
用いた例で説明したが、Coを主成分としこれにCr,
Pt,Ta,Hf,Smの何れかを添加した他の合金を
用いてもよい。
at%Ta−5at%Zr非晶質合金膜を用いた例で説
明したが、他にCo−Nb−Zr系非晶質合金、Co−
Mo−Zr系非晶質合金、Co−W−Zr系非晶質合
金、Co−Ta−Zr系非晶質合金、あるいはCo−N
i−Zr系非晶質合金を用いてもよい。これらの軟磁性
膜はいずれも非晶質構造の膜であることがX線回折法と
TEM(透過電子顕微鏡)観察により確認された。ま
た、基板11としてガラス基板を用いた例により説明し
たが、ガラス基板の他にSiディスク基板、NiP被服
アルミニウム基板、カーボン基板、あるいは高分子基板
などを用いてもよい。更に、硬磁性膜13としてCo−
18at%Cr−14at%Pt−3at%Ta薄膜を
用いた例で説明したが、Coを主成分としこれにCr,
Pt,Ta,Hf,Smの何れかを添加した他の合金を
用いてもよい。
【0028】〔実施例2〕図5は、本発明による垂直磁
気記録媒体の他の例を示す断面模式図である。図5に示
す垂直磁気記録媒体は、基板11上に裏打磁性層12、
垂直磁化膜の構造制御層15、垂直磁化膜16、及び保
護膜17を積層して構成される。裏打磁性層12は、高
保磁力の硬磁性膜13と軟磁性膜14とで構成される積
層構造を有する。軟磁性膜14は、2種類の材料から構
成する。
気記録媒体の他の例を示す断面模式図である。図5に示
す垂直磁気記録媒体は、基板11上に裏打磁性層12、
垂直磁化膜の構造制御層15、垂直磁化膜16、及び保
護膜17を積層して構成される。裏打磁性層12は、高
保磁力の硬磁性膜13と軟磁性膜14とで構成される積
層構造を有する。軟磁性膜14は、2種類の材料から構
成する。
【0029】即ち軟磁性膜14は、下層に形成する多結
晶性の軟磁性膜14−1と、この上に形成する非晶質の
軟磁性膜14−2で構成する。多結晶性軟磁性膜14−
1は、例えばFe−Al−Si−M合金(M:Cr,T
i)、Fe−Ta−C−M合金(M:Al,Cr)、F
e−Hf−C−M合金(M:Al,Cr)、Fe−Ta
−N−M合金(M:Al,Cr)、Ni−Fe−M合金
(M:Nb,Mo)から選ばれる。非晶質軟磁性膜14
−2は、例えばCo−Nb−Zr系非晶質合金、Co−
Mo−Zr系非晶質合金、Co−W−Zr系非晶質合
金、Co−Ta−Zr系非晶質合金、Co−Ni−Zr
系非晶質合金から選ばれる。非晶質性の軟磁性膜14−
2は、下層に形成した多結晶性の軟磁性膜14−1の結
晶配向性の乱れ等によって軟磁性膜表面にミクロな磁区
が形成されるのを防止する役割がある。また下層の多結
晶性軟磁性膜14−1は、硬磁性膜13との磁気的相互
作用により上層の非晶質軟磁性膜14−2の磁区固定効
果を促進する役割がある。本実施例では、軟磁性膜14
−1としてFe−8at%Ta−12at%C合金膜、
軟磁性膜14−2としてCo−4at%Ta−9at%
Zr非晶質合金膜を用いた例で説明する。
晶性の軟磁性膜14−1と、この上に形成する非晶質の
軟磁性膜14−2で構成する。多結晶性軟磁性膜14−
1は、例えばFe−Al−Si−M合金(M:Cr,T
i)、Fe−Ta−C−M合金(M:Al,Cr)、F
e−Hf−C−M合金(M:Al,Cr)、Fe−Ta
−N−M合金(M:Al,Cr)、Ni−Fe−M合金
(M:Nb,Mo)から選ばれる。非晶質軟磁性膜14
−2は、例えばCo−Nb−Zr系非晶質合金、Co−
Mo−Zr系非晶質合金、Co−W−Zr系非晶質合
金、Co−Ta−Zr系非晶質合金、Co−Ni−Zr
系非晶質合金から選ばれる。非晶質性の軟磁性膜14−
2は、下層に形成した多結晶性の軟磁性膜14−1の結
晶配向性の乱れ等によって軟磁性膜表面にミクロな磁区
が形成されるのを防止する役割がある。また下層の多結
晶性軟磁性膜14−1は、硬磁性膜13との磁気的相互
作用により上層の非晶質軟磁性膜14−2の磁区固定効
果を促進する役割がある。本実施例では、軟磁性膜14
−1としてFe−8at%Ta−12at%C合金膜、
軟磁性膜14−2としてCo−4at%Ta−9at%
Zr非晶質合金膜を用いた例で説明する。
【0030】高真空DCマグネトロンスパッタリング装
置により、図5に断面構造を示す垂直磁気記録媒体を作
製した。洗浄したガラス基板11をスパッタリング装置
に設置し、続いて基板11を約300℃に加熱した。高
保磁力の硬磁性膜13として磁化容易軸が基板面に垂直
方向に配向した試料を作製した。まず上記基板上に膜厚
30nmのTi−10at%Cr合金プリコート層を形
成した。このプリコート層の上に膜厚20nmの非磁性
Co−35at%Cr合金膜を介して膜厚25nmの磁
化容易軸が垂直配向したCo−16at%Cr−14a
t%Pt−3at%Ta合金硬磁性膜13を形成した。
硬磁性膜13の膜面垂直方向の保磁力は3300Oe、
角型比(SQ=残留磁化と飽和磁化の比)は0.89で
あった。
置により、図5に断面構造を示す垂直磁気記録媒体を作
製した。洗浄したガラス基板11をスパッタリング装置
に設置し、続いて基板11を約300℃に加熱した。高
保磁力の硬磁性膜13として磁化容易軸が基板面に垂直
方向に配向した試料を作製した。まず上記基板上に膜厚
30nmのTi−10at%Cr合金プリコート層を形
成した。このプリコート層の上に膜厚20nmの非磁性
Co−35at%Cr合金膜を介して膜厚25nmの磁
化容易軸が垂直配向したCo−16at%Cr−14a
t%Pt−3at%Ta合金硬磁性膜13を形成した。
硬磁性膜13の膜面垂直方向の保磁力は3300Oe、
角型比(SQ=残留磁化と飽和磁化の比)は0.89で
あった。
【0031】続いて、この硬磁性膜13の上に軟磁性膜
14として前記の軟磁性膜14−1と軟磁性膜14−2
を順次形成した。軟磁性膜14−1としてFe−8at
%Ta−12at%C合金膜、軟磁性膜14−2として
Co−4at%Ta−9at%Zr非晶質合金膜を用い
た。軟磁性膜14は、磁気記録時に記録ヘッド磁束のリ
ターンパスとしての役割と信号再生時に垂直磁化膜から
の出力向上の役割をもつ。軟磁性膜14−1と軟磁性膜
14−2の膜厚の効果を調べるために、軟磁性膜14の
全膜厚を400nm一定として、軟磁性膜14−2の膜
厚を0〜400nmの範囲で変化させた試料を作製し
た。軟磁性膜14の保磁力は0.2〜0.8Oe、初透
磁率は200〜800であった。
14として前記の軟磁性膜14−1と軟磁性膜14−2
を順次形成した。軟磁性膜14−1としてFe−8at
%Ta−12at%C合金膜、軟磁性膜14−2として
Co−4at%Ta−9at%Zr非晶質合金膜を用い
た。軟磁性膜14は、磁気記録時に記録ヘッド磁束のリ
ターンパスとしての役割と信号再生時に垂直磁化膜から
の出力向上の役割をもつ。軟磁性膜14−1と軟磁性膜
14−2の膜厚の効果を調べるために、軟磁性膜14の
全膜厚を400nm一定として、軟磁性膜14−2の膜
厚を0〜400nmの範囲で変化させた試料を作製し
た。軟磁性膜14の保磁力は0.2〜0.8Oe、初透
磁率は200〜800であった。
【0032】軟磁性膜14の上に膜厚5nmのTi−1
0at%Cr合金からなる構造制御層15を形成し、そ
の上に膜厚20nmの垂直磁化膜16、膜厚5nmの保
護膜17を順次形成した。垂直磁化膜16としてはCo
−18at%Cr−12at%Pt−3at%Ta合金
を用い、保護膜17としてはカーボンを用いた。垂直磁
化膜16の膜面垂直方向の保磁力は3150Oe、角型
比は0.91であった。
0at%Cr合金からなる構造制御層15を形成し、そ
の上に膜厚20nmの垂直磁化膜16、膜厚5nmの保
護膜17を順次形成した。垂直磁化膜16としてはCo
−18at%Cr−12at%Pt−3at%Ta合金
を用い、保護膜17としてはカーボンを用いた。垂直磁
化膜16の膜面垂直方向の保磁力は3150Oe、角型
比は0.91であった。
【0033】比較のために、硬磁性膜13の磁化容易軸
が基板面に平行に配向した試料を作製した。まず上記基
板11上にプリコート層として膜厚50nmのNi−5
0at%Al合金膜を形成し、この上に高保磁力の硬磁
性膜13の結晶配向制御用の下地層として膜厚20nm
のCr膜を形成した。このCr膜は<110>もしくは
<100>方位に配向していた。この下地層の上に高保
磁力の硬磁性膜13として膜厚25nmのCo−16a
t%Cr−14at%Pt−3at%Ta合金薄膜を形
成した。この硬磁性膜13は、hcp構造のc軸が基板
面にほぼ平行に配向していた。硬磁性膜13の面内方向
の保磁力は2800Oe、角型比(SQ=残留磁化と飽
和磁化の比)は0.81であった。
が基板面に平行に配向した試料を作製した。まず上記基
板11上にプリコート層として膜厚50nmのNi−5
0at%Al合金膜を形成し、この上に高保磁力の硬磁
性膜13の結晶配向制御用の下地層として膜厚20nm
のCr膜を形成した。このCr膜は<110>もしくは
<100>方位に配向していた。この下地層の上に高保
磁力の硬磁性膜13として膜厚25nmのCo−16a
t%Cr−14at%Pt−3at%Ta合金薄膜を形
成した。この硬磁性膜13は、hcp構造のc軸が基板
面にほぼ平行に配向していた。硬磁性膜13の面内方向
の保磁力は2800Oe、角型比(SQ=残留磁化と飽
和磁化の比)は0.81であった。
【0034】続いて、この硬磁性膜13の上に軟磁性膜
14を形成した。軟磁性膜14は、硬磁性膜13の上に
軟磁性膜14−1と軟磁性膜14−2を順次形成してな
る。軟磁性膜14−1としてFe−8at%Ta−12
at%C合金膜、軟磁性膜14−2としてCo−4at
%Ta−9at%Zr非晶質合金膜を用いた。軟磁性膜
14−1と軟磁性膜14−2の膜厚の効果を調べるため
に、軟磁性膜14の全膜厚を400nm一定として、軟
磁性膜14−2の膜厚を0〜400nmの範囲で変化し
た試料を作製した。軟磁性膜14の保磁力は0.2〜
0.8Oe、初透磁率は200〜800であった。軟磁
性膜14の上に膜厚5nmのTi−10at%Cr合金
からなる構造制御層15を形成し、その上に膜厚20n
mの垂直磁化膜16、膜厚5nmの保護膜17を順次形
成した。垂直磁化膜16としてはCo−18at%Cr
−12at%Pt−3at%Ta合金を用い、保護膜1
7としてはカーボンを用いた。垂直磁化膜16の膜面垂
直方向の保磁力は3100Oe、角型比は0.90であ
った。
14を形成した。軟磁性膜14は、硬磁性膜13の上に
軟磁性膜14−1と軟磁性膜14−2を順次形成してな
る。軟磁性膜14−1としてFe−8at%Ta−12
at%C合金膜、軟磁性膜14−2としてCo−4at
%Ta−9at%Zr非晶質合金膜を用いた。軟磁性膜
14−1と軟磁性膜14−2の膜厚の効果を調べるため
に、軟磁性膜14の全膜厚を400nm一定として、軟
磁性膜14−2の膜厚を0〜400nmの範囲で変化し
た試料を作製した。軟磁性膜14の保磁力は0.2〜
0.8Oe、初透磁率は200〜800であった。軟磁
性膜14の上に膜厚5nmのTi−10at%Cr合金
からなる構造制御層15を形成し、その上に膜厚20n
mの垂直磁化膜16、膜厚5nmの保護膜17を順次形
成した。垂直磁化膜16としてはCo−18at%Cr
−12at%Pt−3at%Ta合金を用い、保護膜1
7としてはカーボンを用いた。垂直磁化膜16の膜面垂
直方向の保磁力は3100Oe、角型比は0.90であ
った。
【0035】軟磁性膜14の表面磁区構造に及ぼす硬磁
性膜13の結晶配向の影響を、残留磁化状態における磁
区構造観察により比較した。図6に、磁気力顕微鏡で観
察した磁区構造を示す。図6において、(a)の列は硬
磁性膜13の磁化容易軸が膜面垂直方向に配向した本発
明による媒体の軸構造を示し、(b)の列は硬磁性膜1
3の磁化容易軸が膜面平行方向に配向した比較用媒体の
磁区構造を示す。また、同図において(イ)、(ロ)
は、図5に矢印で示したように、(イ)は硬磁性膜13
表面の磁区構造、(ロ)は軟磁性膜14−2表面の磁区
構造である。ここで(ロ)は、一例として軟磁性膜14
−1の膜厚を360nmとし、軟磁性膜14−2の膜厚
を40nmとしたときの結果を示す。
性膜13の結晶配向の影響を、残留磁化状態における磁
区構造観察により比較した。図6に、磁気力顕微鏡で観
察した磁区構造を示す。図6において、(a)の列は硬
磁性膜13の磁化容易軸が膜面垂直方向に配向した本発
明による媒体の軸構造を示し、(b)の列は硬磁性膜1
3の磁化容易軸が膜面平行方向に配向した比較用媒体の
磁区構造を示す。また、同図において(イ)、(ロ)
は、図5に矢印で示したように、(イ)は硬磁性膜13
表面の磁区構造、(ロ)は軟磁性膜14−2表面の磁区
構造である。ここで(ロ)は、一例として軟磁性膜14
−1の膜厚を360nmとし、軟磁性膜14−2の膜厚
を40nmとしたときの結果を示す。
【0036】この磁区構造において、明暗のコントラス
トで磁区構造の乱れが示されている。図6において、黒
いコントラストで観察される領域が媒体ノイズの原因と
なる不規則構造の磁区であり、不規則構造磁区の寸法が
小さいほど、また磁区から発生する信号が小さいほど、
ノイズが小さい。垂直配向した硬磁性膜の上に軟磁性膜
を形成した本発明の媒体(a)では、図6(a)に示す
ように、硬磁性膜表面の不規則構造磁区の寸法が小さ
く、更に軟磁性膜表面の磁区構造の乱れも少ない。一
方、面内配向した硬磁性膜の上に軟磁性膜を形成した比
較用媒体(b)では、硬磁性膜表面の不規則構造磁区の
寸法が大きく、更に軟磁性膜表面に縞状の磁区が形成さ
れ大きな磁区構造の乱れが観察される。これは磁気ヘッ
ドで再生したとき特に長波長成分のノイズ信号の源とな
る。
トで磁区構造の乱れが示されている。図6において、黒
いコントラストで観察される領域が媒体ノイズの原因と
なる不規則構造の磁区であり、不規則構造磁区の寸法が
小さいほど、また磁区から発生する信号が小さいほど、
ノイズが小さい。垂直配向した硬磁性膜の上に軟磁性膜
を形成した本発明の媒体(a)では、図6(a)に示す
ように、硬磁性膜表面の不規則構造磁区の寸法が小さ
く、更に軟磁性膜表面の磁区構造の乱れも少ない。一
方、面内配向した硬磁性膜の上に軟磁性膜を形成した比
較用媒体(b)では、硬磁性膜表面の不規則構造磁区の
寸法が大きく、更に軟磁性膜表面に縞状の磁区が形成さ
れ大きな磁区構造の乱れが観察される。これは磁気ヘッ
ドで再生したとき特に長波長成分のノイズ信号の源とな
る。
【0037】図7に、図5に断面構造を示した本発明に
よる垂直磁気記録媒体と比較用媒体において、軟磁性膜
14−2の膜厚と媒体ノイズの関係を比較して示す。前
記垂直磁気記録媒体に単磁極ヘッド(トラック幅1.2
μm、磁極の飽和磁束密度1.6テスラ)により垂直磁
気記録を行い、GMRヘッド(巨大磁気抵抗効果型ヘッ
ド、トラック幅0.8μm、ギャップ長0.12μm)
で再生した。磁気記録再生時の媒体・ヘッド間のスペー
シングは約16nmとした。記録電流とオーバーライト
特性(254kFCIの上に45kFCIの信号を記
録)の関係を測定し、オーバーライトS/Nが35dB
以上が確保される記録電流で磁気記録を行った。磁気記
録の後、媒体ノイズは前記GMRヘッドを用いて0〜4
0MHzの範囲のノイズスペクトルを測定し、この範囲
の積算強度を測定した。図7の媒体ノイズは相対値で示
した。
よる垂直磁気記録媒体と比較用媒体において、軟磁性膜
14−2の膜厚と媒体ノイズの関係を比較して示す。前
記垂直磁気記録媒体に単磁極ヘッド(トラック幅1.2
μm、磁極の飽和磁束密度1.6テスラ)により垂直磁
気記録を行い、GMRヘッド(巨大磁気抵抗効果型ヘッ
ド、トラック幅0.8μm、ギャップ長0.12μm)
で再生した。磁気記録再生時の媒体・ヘッド間のスペー
シングは約16nmとした。記録電流とオーバーライト
特性(254kFCIの上に45kFCIの信号を記
録)の関係を測定し、オーバーライトS/Nが35dB
以上が確保される記録電流で磁気記録を行った。磁気記
録の後、媒体ノイズは前記GMRヘッドを用いて0〜4
0MHzの範囲のノイズスペクトルを測定し、この範囲
の積算強度を測定した。図7の媒体ノイズは相対値で示
した。
【0038】図7から明らかなように、多結晶性の軟磁
性膜14−1の上に非晶質性の軟磁性膜14−2を形成
することにより媒体ノイズが低減できる。さらに硬磁性
膜13として磁化容易軸が面内配向した比較用媒体に比
べて、硬磁性膜13の磁化容易軸が膜面に垂直配向した
本発明の媒体はいずれの膜厚においても優れた低ノイズ
特性が得られた。
性膜14−1の上に非晶質性の軟磁性膜14−2を形成
することにより媒体ノイズが低減できる。さらに硬磁性
膜13として磁化容易軸が面内配向した比較用媒体に比
べて、硬磁性膜13の磁化容易軸が膜面に垂直配向した
本発明の媒体はいずれの膜厚においても優れた低ノイズ
特性が得られた。
【0039】図8に、軟磁性膜14−1の膜厚を360
nm、軟磁性膜14−2の膜厚を40nmとした前記本
発明の媒体と比較用媒体について、直流消去後の媒体ノ
イズをスペクトラムアナライザ測定した結果を示す。比
較用媒体は、特に25MHz以下の長波長成分のノイズ
信号強度が本発明の媒体に比べて大きい。図6の軟磁性
膜表面の磁区構造に示したように、比較用媒体の軟磁性
膜の表面には縞状の磁区構造が形成されており、このよ
うな軟磁性膜の磁区の乱れが上層に形成した垂直磁化膜
の磁区構造に影響し長波長成分の媒体ノイズを増加させ
たと考えられる。
nm、軟磁性膜14−2の膜厚を40nmとした前記本
発明の媒体と比較用媒体について、直流消去後の媒体ノ
イズをスペクトラムアナライザ測定した結果を示す。比
較用媒体は、特に25MHz以下の長波長成分のノイズ
信号強度が本発明の媒体に比べて大きい。図6の軟磁性
膜表面の磁区構造に示したように、比較用媒体の軟磁性
膜の表面には縞状の磁区構造が形成されており、このよ
うな軟磁性膜の磁区の乱れが上層に形成した垂直磁化膜
の磁区構造に影響し長波長成分の媒体ノイズを増加させ
たと考えられる。
【0040】〔実施例3〕図9は、本発明による磁気記
憶装置の概略図である。磁気記憶装置は、磁気ディスク
31、磁気ディスク31を回転駆動するモータ、記録再
生用の磁気ヘッド32、磁気ヘッド32を支持するサス
ペンジョン33、磁気ヘッド32を磁気ディスクに対し
て相対的に駆動するアクチュエータ34、ボイスコイル
モータ35、記録信号や再生信号を処理する記録再生回
路36、磁気ヘッドの位置決め回路37、インターフェ
ース制御回路38などで構成される。磁気ディスク31
は上記実施例1あるいは実施例2にて説明した垂直磁気
記録媒体からなり、保護膜上には潤滑膜が被覆されてい
る。磁気ヘッド32は、スライダーの上に設けられた磁
気記録用ヘッド及び信号再生用の磁気抵抗効果型、巨大
磁気抵抗効果型もしくはスピンバルブ型素子あるいは磁
気トンネル型素子からなる再生用ヘッドで構成される。
記録信号再生用の磁気ヘッドのギャップ長は、高分解能
の再生信号を得るために0.25μm以下とし、望まし
くは0.08〜0.15μmとする。磁気記録用のヘッ
ドは、単磁極型ヘッドもしくはリング型ヘッドのいずれ
を用いても良い。再生用ヘッドのトラック幅は、記録用
ヘッド磁極のトラック幅より狭くし、記録トラック両端
部から生じる再生ノイズを低減する。
憶装置の概略図である。磁気記憶装置は、磁気ディスク
31、磁気ディスク31を回転駆動するモータ、記録再
生用の磁気ヘッド32、磁気ヘッド32を支持するサス
ペンジョン33、磁気ヘッド32を磁気ディスクに対し
て相対的に駆動するアクチュエータ34、ボイスコイル
モータ35、記録信号や再生信号を処理する記録再生回
路36、磁気ヘッドの位置決め回路37、インターフェ
ース制御回路38などで構成される。磁気ディスク31
は上記実施例1あるいは実施例2にて説明した垂直磁気
記録媒体からなり、保護膜上には潤滑膜が被覆されてい
る。磁気ヘッド32は、スライダーの上に設けられた磁
気記録用ヘッド及び信号再生用の磁気抵抗効果型、巨大
磁気抵抗効果型もしくはスピンバルブ型素子あるいは磁
気トンネル型素子からなる再生用ヘッドで構成される。
記録信号再生用の磁気ヘッドのギャップ長は、高分解能
の再生信号を得るために0.25μm以下とし、望まし
くは0.08〜0.15μmとする。磁気記録用のヘッ
ドは、単磁極型ヘッドもしくはリング型ヘッドのいずれ
を用いても良い。再生用ヘッドのトラック幅は、記録用
ヘッド磁極のトラック幅より狭くし、記録トラック両端
部から生じる再生ノイズを低減する。
【0041】磁気ヘッド32は、サスペンジョン33に
よって支持される。本装置を用いて、前記実施例1,2
で説明した垂直磁気記録媒体の媒体ノイズ特性や記録再
生特性の評価を行った。本発明の垂直磁気記録媒体によ
り、出力半減線記録密度D5 0:280kFCI、この
密度における媒体ノイズ:8μVrms/μVpp、エ
ラーレート:10−6以下の高密度特性が得られた。前
記実施例では、垂直磁化膜、構造制御層、軟磁性膜、硬
磁性膜の一例を挙げて内容の説明を行ったが、実施例に
記述した他の材料のいずれを組み合わせて用いても同様
の効果が得られることは言うまでもない。
よって支持される。本装置を用いて、前記実施例1,2
で説明した垂直磁気記録媒体の媒体ノイズ特性や記録再
生特性の評価を行った。本発明の垂直磁気記録媒体によ
り、出力半減線記録密度D5 0:280kFCI、この
密度における媒体ノイズ:8μVrms/μVpp、エ
ラーレート:10−6以下の高密度特性が得られた。前
記実施例では、垂直磁化膜、構造制御層、軟磁性膜、硬
磁性膜の一例を挙げて内容の説明を行ったが、実施例に
記述した他の材料のいずれを組み合わせて用いても同様
の効果が得られることは言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】本発明によると、媒体ノイズの原因とな
る軟磁性膜表面の縞状磁区の形成を抑止して垂直磁化膜
媒表面における不規則磁区の寸法の微細化を可能とし、
媒体ノイズの小さい記録磁化の安定性に優れた超高密度
磁気記録に好適な垂直磁気記録媒体を得ることができ
る。
る軟磁性膜表面の縞状磁区の形成を抑止して垂直磁化膜
媒表面における不規則磁区の寸法の微細化を可能とし、
媒体ノイズの小さい記録磁化の安定性に優れた超高密度
磁気記録に好適な垂直磁気記録媒体を得ることができ
る。
【図1】本発明による垂直磁気記録媒体の基本構造の一
例を示す断面模式図。
例を示す断面模式図。
【図2】実施例1の垂直磁気記録媒体の説明図。
【図3】磁区構造の比較説明図。
【図4】本発明の媒体と比較用媒体のノイズスペクトル
の比較説明図。
の比較説明図。
【図5】実施例2の垂直磁気記録媒体の説明図。
【図6】磁区構造の比較説明図。
【図7】軟磁性膜厚と媒体ノイズの関係の説明図。
【図8】本発明の媒体と比較用媒体のノイズスペクトラ
ムの説明図。
ムの説明図。
【図9】磁気記憶装置の説明図。
11:基板、12:裏打磁性層、13:硬磁性膜、1
4:軟磁性膜、14−1:多結晶軟磁性膜、14−2:
非晶質軟磁性膜、15:構造制御層、16:垂直磁化
膜、17:保護層、31:磁気ディスク、32:磁気ヘ
ッド、33:サスペンジョン、34:アクチュエータ、
35:ボイスコイルモータ、36:記録再生回路、3
7:位置決め回路、38:インターフェース制御回路。
4:軟磁性膜、14−1:多結晶軟磁性膜、14−2:
非晶質軟磁性膜、15:構造制御層、16:垂直磁化
膜、17:保護層、31:磁気ディスク、32:磁気ヘ
ッド、33:サスペンジョン、34:アクチュエータ、
35:ボイスコイルモータ、36:記録再生回路、3
7:位置決め回路、38:インターフェース制御回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01F 10/16 H01F 10/16 41/18 41/18 (72)発明者 菊川 敦 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社 日立製作所 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平11−191217(JP,A) 特開 平7−129946(JP,A) 特開 平9−16940(JP,A) 特開 昭60−83218(JP,A) 特開 昭61−120333(JP,A) 特開 平4−269814(JP,A) 特開 平4−337519(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/62 - 5/858
Claims (6)
- 【請求項1】 基板上に裏打磁性層を介して垂直磁化膜
を設けた垂直磁気記録媒体において、前記裏打磁性層は
基板に近い側に形成した磁化容易軸が垂直配向した硬磁
性膜と、前記硬磁性膜の上に形成した軟磁性膜とを含む
ことを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 【請求項2】 請求項1記載の垂直磁気記録媒体におい
て、前記硬磁性膜の保磁力は1kOe以上であり、前記
軟磁性膜は保磁力が1Oe以下の非晶質軟磁性膜である
ことを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 【請求項3】 請求項1記載の垂直磁気記録媒体におい
て、前記硬磁性膜の保磁力は1kOe以上であり、前記
軟磁性膜は多結晶性軟磁性膜上に非晶質軟磁性膜が形成
された積層構造を有し保磁力が1Oe以下であることを
特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 【請求項4】 請求項3記載の垂直磁気記録媒体におい
て、前記非晶質軟磁性膜はCo−Nb−Zr系非晶質合
金、Co−Mo−Zr系非晶質合金、Co−W−Zr系
非晶質合金、Co−Ta−Zr系非晶質合金、Co−N
i−Zr系非晶質合金から選ばれる何れかの材料で構成
され、前記多結晶性軟磁性膜はFe−Al−Si−M合
金(M:Cr,Ti)、Fe−Ta−C−M合金(M:
Al,Cr)、Fe−Hf−C−M合金(M:Al,C
r)、Fe−Ta−N−M合金(M:Al,Cr)、N
i−Fe−M合金(M:Nb,Mo)から選ばれる何れ
かの材料で構成され、前記硬磁性膜はCoを主成分とし
これにCr,Pt,Ta,Hf,Smの何れかを添加し
た合金からなることを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の垂直
磁気記録媒体において、前記裏打磁性層と前記垂直磁化
膜の間に膜厚1〜10nmの非磁性の構造制御層を含む
ことを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 【請求項6】 磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を駆
動する駆動手段と、記録部と再生部とを備える磁気ヘッ
ドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対
的に移動させる磁気ヘッド駆動手段と、磁気ヘッドの記
録信号及び再生信号を処理する信号処理手段とを備える
磁気記憶装置において、 前記磁気記録媒体として請求項1〜5のいずれか1項記
載の垂直磁気記録媒体を用いたことを特徴とする磁気記
憶装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000158925A JP3340420B2 (ja) | 2000-05-29 | 2000-05-29 | 垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000158925A JP3340420B2 (ja) | 2000-05-29 | 2000-05-29 | 垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001344726A JP2001344726A (ja) | 2001-12-14 |
| JP3340420B2 true JP3340420B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=18663325
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000158925A Expired - Fee Related JP3340420B2 (ja) | 2000-05-29 | 2000-05-29 | 垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3340420B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9978413B2 (en) | 2006-06-17 | 2018-05-22 | Dieter Suess | Multilayer exchange spring recording media |
| JP4771222B2 (ja) * | 2006-09-13 | 2011-09-14 | 富士電機デバイステクノロジー株式会社 | 垂直磁気記録媒体 |
| JP5631659B2 (ja) * | 2010-08-24 | 2014-11-26 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 垂直磁気記録媒体用軟磁性合金およびスパッタリングターゲット材並びに磁気記録媒体 |
-
2000
- 2000-05-29 JP JP2000158925A patent/JP3340420B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
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|---|---|
| JP2001344726A (ja) | 2001-12-14 |
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