JP3341822B2 - 耐震性平面フレーム、耐震性建築物、及び耐震性建築物の構築方法 - Google Patents
耐震性平面フレーム、耐震性建築物、及び耐震性建築物の構築方法Info
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Description
適な耐震性平面フレーム、耐震性建築物、及び耐震補強
方法に関し、更に詳細には、経済的な手段で耐震補強し
てなる耐震性平面フレーム及び耐震性建築物、及び、既
存の建築物から使用者が退去することなく耐震補強する
ことができる耐震補強方法に関するものである。
的要請が高まってきており、耐震性能の劣る既設の建築
物に耐震補強をすることが強く求められてきている。耐
震性能は、一般的に、建物の強度及び変形性能により評
価されている。従って、耐震補強は、柱や梁を補強又は
増設して建物の強度や変形性能を向上させることにより
行われている。これらの耐震補強方法は、強度依存型補
強法又は靭性依存型補強法と呼ばれている。尚、本明細
書では、柱と梁とから構成される骨組をフレームと称
し、フレームのうち平面状のものを平面フレーム、立体
状のものを立体フレームと称する。また、立体フレーム
に耐震壁を付加したものを主体構造と称する。
従来の耐震性フレームの一例の正面図である。既設のフ
レーム10は、図18に示すように、3階立てのフレー
ムであって、正面の左右両側に設けられた柱16A、B
と、上部から順に設けられた横梁18A〜Cとから構成
されており、各階を形成する骨組は、長方形状の枠12
A、B及びCである。従来の耐震性フレーム11は、フ
レーム10と、枠12A、B及びC内にそれぞれ設けら
れた長方形状の枠体13A、B及びCと、枠体13A、
B及びC内にそれぞれ設けられたブレース14A、B、
14C、D、及び14E、Fとを備えている。ブレース
14Aは、枠体13Aの上角部20及び下辺の中央位置
22とを結合するブレース14A1と、枠体13Aの下
角部21とブレース14A1の中央やや下部とを結合す
るブレース14A2とから構成される。ブレース14B
は、枠体13A内に、中央位置22を通る垂直線に対
し、ブレース14A1に対称なように設けられている。
ブレース14C、D及び14E、Fも同様である。
水平方向に歪みエネルギーが加えられると、図19に示
すように、柱16A、Bが傾き、各ブレースは、圧縮力
又は引張り力を受けて耐震性フレーム11を支える。
の構成概念を示す正面図である。従来の別の耐震性フレ
ーム24は、図20に示すように、耐震性フレーム11
で、枠体13A〜Cを有さないで、枠12Aの対角線上
にX状にブレースを設けたX型ブレースをV型ブレース
に代えて有している。枠12B、Cも同様である。この
場合、フレーム内に窓を設けることはできない。耐震性
フレーム24は、地震時に、耐震性フレーム11と同様
に傾く。
で耐震補強してなる耐震性フレームには、以下の問題が
あった。第1には、建築物の内装材を取り外してフレー
ムを露出させて補強工事を行う必要がある。このため、
補強工事の期間、建築物の使用者は、建築物を使用でき
ないので、一時的に引っ越さなければならない場合があ
り、更には、工事期間が制限される。第2には、フレー
ムの枠に枠体を結合するために、アンカーを枠に打ち込
むなどの煩雑な作業を行う必要があり、また、耐震性フ
レームが枠体を有するので、構成が大がかりになり、外
観が良くない。第3には、建築物のフレームの強度や変
形性能を向上させるためにブレースなどの補強材を取り
付けると、地震時に、補強しなかった部位に過大な力が
加わって破断する虞がある。このことは、主体構造が充
分な変形性能を有していないときに特に顕著である。こ
のため、場合によっては、フレーム全体にわたって補強
材を取り付ける必要が生じてコストが嵩むことがある。
以上のような事情に照らして、本発明の目的は、建築物
の使用者が、耐震補強工事の期間に建築物を継続して使
用することができ、しかも経済的な手段により耐震補強
してなる外観の良い耐震性平面フレーム及び耐震性建築
物、更にはこれらを施工する耐震補強方法を提供するこ
とを目的とする。
結果、フレームに加えられる歪みエネルギーを吸収する
エネルギー吸収ダンパを用い、建築物のフレームを補強
して耐震性平面フレームを形成することを考えついた。
上記目的を達成するために、本発明に係る耐震性平面フ
レームは、既設の建築物を補強する平面状の構造の耐震
性平面フレームであって、 既設の建築物の外壁を構成す
る柱及び梁からなる平面フレームと、平面フレームの外
側に取り付けられ、平面フレームの1つの枠の対向する
枠角部同士を結ぶブレース、又は平面フレームの外側に
取り付けられ、平面フレームの1つの枠を形成している
枠辺部の中間点と枠辺部の中間点の斜め方向の2個の枠
角部とを結ぶV型ブレースと、枠とブレースとの間に配
置されているか、又は1本のブレースを構成する2本の
ブレース部材間に配置され、ブレースの軸方向に加えら
れた歪みエネルギーを吸収する少なくとも1個のエネル
ギー吸収ダンパとを備え、 エネルギー吸収ダンパは、軸
方向がブレースの軸方向に一致するようにブレース又は
ブレース部材の一端に結合された摩擦棒と、 摩擦棒を貫
通させている貫通孔を有し、かつ、貫通孔内周面に、摩
擦棒との間で摩擦摺動する摩擦壁を有する摩擦部材と、
一端で摩擦部材を保持し、摩擦部材を介して摩擦棒に接
続し、他端でブレース部材又は耐震性平面フレームの枠
に結合している摩擦部材保持体と から構成され、 平面フ
レームの歪み発生時に、摩擦棒が貫通孔に対し進行又は
退行して摩擦部材との間に摩擦熱を発生させることによ
り歪みエネルギーを吸収するようにしたことを特徴とし
ている。
は、既設の建築物の外壁を構成する柱及び梁により形成
された建築物補強用耐震性立体フレームであって、少な
くとも一つの耐震性平面フレームを耐震性立体フレーム
の一部として備え、 耐震性平面フレームは、既設の建築
物の外壁を構成する柱及び梁からなる平面フレームと、
平面フレームの外側に取り付けられ、平面フレームの1
つの枠の対向する枠角部同士を結ぶブレース、又は平面
フレームの外側に取り付けられ、平面フレームの1つの
枠を形成している枠辺部の中間点と枠辺部の中間点の斜
め方向の2個の枠角部とを結ぶV型ブレースと、枠とブ
レースとの間に配置されているか、又は1本のブレース
を構成する2本のブレース部材間に配置され、ブレース
の軸方向に加えられた歪みエネルギーを吸収する少なく
とも1個のエネルギー吸収ダンパと を備え、 エネルギー
吸収ダンパは、軸方向がブレースの軸方向に一致するよ
うにブレース又はブレース部材の一端に結合された摩擦
棒と、 摩擦棒を貫通させている貫通孔を有し、かつ、貫
通孔内周面に、摩擦棒との間で摩擦摺動する摩擦壁を有
する摩擦部材と、 一端で摩擦部材を保持し、摩擦部材を
介して摩擦棒に接続し、他端でブレース部材又は耐震性
平面フレームの枠に結合している摩擦部材保持体と から
構成され、 平面フレームの歪み発生時に、摩擦棒が貫通
孔に対し進行又は退行して摩擦部材との間に摩擦熱を発
生させることにより歪みエネルギーを吸収するようにし
たことを特徴としている。
物の少なくとも1面の外壁が耐震性平面フレームで補強
された既設の建築物であって、耐震性平面フレームが、
建築物の外壁を構成する柱及び梁の外側にそれぞれ取り
付けられた柱及び梁からなる平面状の構造の平面フレー
ムと、平面フレームの1つの枠の対向する枠角部同士を
結ぶブレース、又は平面フレームの1つの枠を形成して
いる枠辺部の中間点と枠辺部の中間点の斜め方向の2個
の枠角部との間を結ぶV型ブレースと、枠とブレースと
の間に配置されているか、又は1本のブレースを構成す
る2本のブレース部材間に配置され、ブレースの軸方向
に加えられた歪みエネルギーを吸収する少なくとも1個
のエネルギー吸収ダンパとを備え、 エネルギー吸収ダン
パは、軸方向がブレースの軸方向に一致するようにブレ
ース又はブレース部材の一端に結合された摩擦棒と、 摩
擦棒を貫通させている貫通孔を有し、かつ、貫通孔内周
面に、摩擦棒との間で摩擦摺動する摩擦壁を有する摩擦
部材と、 一端で摩擦部材を保持し、摩擦部材を介して摩
擦棒に接続し、他端でブレース部材又は耐震性平面フレ
ームの枠に結合している摩擦部材保持体と から構成さ
れ、 平面フレームの歪み発生時に、摩擦棒が貫通孔に対
し進行又は退行して摩擦部材との間に摩擦熱を発生させ
ることにより歪みエネルギーを吸収するようにしたこと
を特徴としている。
い壁体でも良い。窓は、通常、サッシ内に窓ガラスを組
み込んだものである。以上の構成により、既設の建築物
を耐震補強して本発明に係る耐震性建築物にする場合、
窓ガラスやサッシの付いた窓を従来のように取り外さな
くて済む。また、建築物の使用者は、工事の間、建築物
を継続して使用することができ、しかも取り付け部は簡
素で、外観が良い。
とブレース部材とを結合する結合方式の一例としては、
複数枚の鋼板を溶接してなる箱形状の定着台を介し、ブ
レース端部又は摩擦部材保持体をフレームにPC鋼棒に
より締め付けて剛接するPC鋼棒締め付け方式である。
また、別の一例としては、あと施工アンカーを用いて剛
接するあと施工アンカー方式である。ブレースは、一例
としては、一般構造用炭素鋼管であり、また、別の一例
としては、機械構造用炭素鋼鋼管である。機械構造用炭
素鋼鋼管であると、肉厚が厚いゆえ外径が細く、デザイ
ンの点で優れている。耐震性平面フレームは、V型ブレ
ース形式でもX型ブレース形式でもよく、特に限定しな
い。摩擦棒、摩擦部材、及び摩擦部材保持体の寸法形状
は、摩擦力(摩擦棒を摩擦壁に対して進行又は退行させ
るのに必要な力。以下、ダンパ強度と記載)が摩擦棒の
軸方向に加わっても、摩擦棒が座屈や圧縮破壊しないよ
うな充分な強度を有するように決定する。これにより、
地震時に耐震性フレーム又は耐震性建築物に加えられる
歪みエネルギーは、摩擦により発生する熱に変換される
ので、耐震性フレームに加わる歪みエネルギーが低減さ
れる。
筋の本数の少ない柱は、層間変形角Rが所定値(1/1
00から1/200程度)に達すると、せん断破壊する
ことが知られている。ここで、層間変形角Rとは、 R=rδmax/L rδmax:ある階の床と、その1階上の階の床との水平
方向最大変位差(その階の層間変位) L:上記のある階の床と、その1階上の階の床との高さ
差 である。ある階とは、1階から最上階までのうち、何れ
かの階である。
性建築物を形成するには、地震波形の水平成分を想定
し、フレーム又は建築物の想定される層間変形角Rが所
定値以下になるように、本発明に係る耐震性平面フレー
ムを立体フレーム又は建築物に形成する。立体フレーム
及び建築物は、既設のものでも、新規に製作するもので
も、どちらでもよい。
定される層間変形角Rが所定値以下になるようにする一
例の方法(以下、第1方法と記載)を以下に記載する。
先ず、ブレースの断面形状及び断面寸法と、エネルギー
吸収ダンパのダンパ強度とをパラメータとして与える。
次いで、地震波形の水平成分を想定し、立体フレーム又
は建築物の形状及び寸法に基づいて、立体フレーム又は
建築物に加わる地震外力の重心(以下、地震重心と記
載)の水平方向の最大変位δmax値を解析計算により求
め、立体フレーム又は建築物が、下記に示す変形角R’
を所定値以下にする本発明に係る耐震性平面フレームを
備えているようにする。 R’=δmax/h h:地面と立体フレーム又は建築物の地震重心との高さ
差 建築物が破壊するまでは、上記の変形角と層間変形角と
は同じ値を示すことが知られている。よって、想定した
地震波形が仮に生じても、第1方法によって耐震補強さ
れた本発明に係る耐震性立体フレーム又は耐震性建築物
は、水平揺れにより倒壊することはない。
物の想定される層間変形角Rが所定値以下になるように
する別の一例の方法(以下、第2方法と記載)を以下に
記載する。先ず、立体フレーム又は建築物の構造から下
記に示すM、Qstr、αstr、の値を算出する。 M:エネルギー吸収ダンパ付きブレースも含めた立体フ
レーム又は建築物の全重量 Qstr:立体フレーム又は建築物の最大許容負担せん断
力 αstr:Qstr/M・g (gは重力加速度) 次いで、地震波形の水平成分を想定し、そのときの下記
に示すA及びBの所定値を与える。 A:立体フレーム又は建築物のエネルギー消費効率 B:エネルギー吸収ダンパのエネルギー消費効率 次いで、上記地震波形の水平成分を想定したときの、エ
ネルギー吸収ダンパの負担せん断力Qdev値をパラメー
タとして与え、各Qdev値について、(1)式から立体
フレーム又は建築物の地震重心の水平方向の最大変位δ
max値を求める。 δmax=VEK 2/{2g(A・αstr+B・αdev)} (1)式 αdev=Qdev/M・g VEKは、履歴消費エネルギー等価速度と呼ばれる値で、
解析計算により求められ、地震強度により決定される一
定の値である。VEKは、想定した地震波形の水平成分に
より耐震性平面フレームに加えられる歪みエネルギーE
Kにより以下の式で表される値である。 EK=(M・VEK 2)/2 次いで、下記に示す変形角R’を所定値以下にするQ
dev値を選定し、このQd ev値を満たすブレース及びエネ
ルギー吸収ダンパを有する耐震性平面フレームを立体フ
レーム又は建築物に形成する。 R’=δmax/h h:地面と立体フレーム又は建築物の地震重心との高さ
差
ても、第2方法によって耐震補強された本発明に係る耐
震性立体フレーム又は耐震性建築物は、水平揺れにより
倒壊することはない。尚、主体構造に耐震性平面フレー
ムを設けて耐震性主体構造を形成するには、耐震性立体
フレームを形成するのと同様にして行う。
析計算例及び第2方法による計算例 本発明者は、既設の校舎の主体構造に本発明に係る好適
な耐震性平面フレームを形成した耐震性主体構造につい
て、第1方法による解析計算(以下、この解析計算値を
解析値と言う)と、第2方法による計算(以下、この計
算値を予測値と言う)とを行った。ここで、既設の校舎
とは耐震補強のされていない校舎を意味する。尚、後述
の実施例は、本解析値及び本予測値に基づいて実施して
いる。
析対象の既設校舎の主体構造を示す正面図及び平面図で
あり、図15は、既設校舎の主体構造を耐震補強してな
る耐震性主体構造39の正面図である。既設の校舎30
の主体構造31は、図14(a)に示すように、地上4
階建てで8×1スパンのRC造ラーメン構造であり、
柱、梁及び耐震壁とから構成される。尚、校舎30の建
設年代は、昭和30年代である。各階の柱34は、柱せ
い(桁行き方向の横幅)Dが65cm、柱幅(はり間方向
の横幅)bが60cm(M/QD=2.17、帯筋:9φ
−ピッチ250、ここで、Mは曲げモーメント、Qはせ
ん断力を示す)である(図3参照)。また、柱34Aと
桁行き方向に隣り合う柱34Bとの中間位置には、横梁
32Aに直交する横梁33が設けられている。柱34A
と柱34Bとの距離d1は7000mm、柱34Aと梁間
方向に隣り合う柱34Cとの距離d2は8600mmであ
る。校舎30の桁行き方向の全長d3は49000mmで
ある。桁行き方向の横梁32Aは、断面形状がT型の梁
で、梁せい(梁の高さ)が800mm、梁幅(はり間方向
の横幅)が350mm(中央肋筋:9φ−ピッチ300、
pw=0.12%)である。桁行き方向の横梁32A
と、その直ぐ下に平行に位置する横梁32B(図2参
照)との距離d4は、3600mmである。柱34と横梁
32とにより、平面フレーム47が形成されている。ま
た、柱と横梁によって形成される枠の内側には、サッシ
付き窓ガラス43が設けられている。尚、主体構造31
の地震重心の高さhは、4階床の高さ10800mmとほ
ぼ同じになっている。よって、δmaxは、4階床の水平
方向の最大変位と同じである。
吸収ダンパ付きブレース40は、図15に示すように、
平面フレーム47が耐震性平面フレームに形成されるよ
うに、平面フレーム47の各枠内にV型ブレースとして
設けられている。
S>波(最大加速度が534gal、地面の振動している
時間が53.9secの横揺れ)で地動最大速度50cm/s
の地震(震度6〜7程度に相当)が生じた場合を想定し
て解析計算した。地震による主体構造及びエネルギー吸
収ダンパの荷重変位関係の履歴モデルは、それぞれ、武
田モデル及びバイリニアモデルとした。柱については、
1階柱壁脚を固定とし、柱のせん断力がせん断耐力に達
したとき柱頭、柱脚に曲げヒンジを発生させ、その耐力
を保持させる擬似せん断降伏モデルを採用した。柱及び
梁の曲げ耐力は日本建築学会略算式、せん断耐力は荒川
min式で算定し、降伏時の剛性低下率は管野式とし
た。また、Newmark-β法(β=1/6)を用い、解析で
の時間刻み幅は0.005秒とした。尚、本明細書で
は、主体構造の剛性とは、地震重心に水平方向の単位力
を加えたときに、主体構造の地震重心に生じる水平方向
の変位と前記単位力との比P1(t/cm)である。また、
耐震性主体構造の剛性とは、地震重心に水平方向の単位
力を加えたときに、耐震性主体構造の地震重心に生じる
水平方向の変位と前記単位力との比P2(t/cm)であ
る。更に、両者の剛性比とは、(P2−P1)/P1の値
のことである。
擦棒をダイスに対して進退動させるのに必要な力(以
後、ダンパ強度と記載)をパラメータとして変化させ
た。エネルギー吸収ダンパ付きブレースを取り付ける前
の主体構造31についても、ダンパ強度0tfとして解析
した。解析条件及び解析値を表1に示す。
で、黒丸は4階床についての解析値であり、白丸は2階
床についての解析値である。また、応答予測式による予
測値も、4階床についての予測値を太破線で、2階床に
ついての予測値を細破線で、併せて図16に示す。2階
床についての予測値は、4階床についての予測値を1/
3倍したものである。尚、図16で、1階の層間変形角
の値は、解析値では白丸で、予測値では細破線で示され
た値である。図16から判るように、解析値と予測値と
はよく一致した。また、ダンパ強度を10.2tf以上
にすると、耐震性主体構造39のδmaxを1.8cm以内
に、すなわち層間変形角を18mm/3600mm以内、つ
まり所定値以内に抑えることが可能なことも判った。
にし、ブレース断面積をパラメータとして、すなわち主
体構造31の剛性と耐震性主体構造39の剛性との剛性
比をパラメータとして変化させて解析した。主体構造3
1についても、ブレース断面積を0cm2として解析し
た。解析条件及び解析値を表2に示す。
同様、図17では、黒丸は4階床についての、白丸は2
階床についての解析値を示し、1階の層間変形角の解析
値は、白丸で示す。図17に示すように、ブレース断面
積が28cm2以上、すなわち前記剛性比が0.63以上
あれば、δmaxは、無補強時に比べて半分程度に低減さ
れ、よって、層間変形角も無補強時に比べて半分程度に
低減されることが判った。また、剛性比が0.63以上
に上がっても層間変形角はあまり変化しないことも判っ
た。
6.8gal、地面の振動している時間が54.6secの水
平揺れ)、Hachinohe<EW>波(最大加速度が25
5.4gal、地面の振動している時間が36.1secの水
平揺れ)で地動最大速度50cm/sの地震が生じた場合を
想定して、エネルギー吸収ダンパ付きブレース40を取
り付ける前の主体構造31について、同様にして、解析
値及び予測値を求めた。この結果、EL Centro<NS>
波での計算結果と同様に、解析値と予測値とがよく一致
した。よって、応答予測式(1)は、EL Centro<NS
>波だけでなく、Taft<EW>波、Hachinohe<EW>
波でも、正しい予測値が求められることが確認された。
築方法は、請求項3に記載の耐震性建築物の構築方法で
あって、複数本の柱及び梁を既設の集合住宅の外側に設
けて剛接することにより平面フレームを形成する第1工
程と、次いで、平面フレームの1つの枠の対向する枠角
部同士を結ぶブレース、又は平面フレームの1つの枠を
形成している枠辺部の中間点と枠辺部の中間点の斜め方
向の2個の枠角部とを結ぶV型ブレースと、枠とブレー
スとの間に配置されているか、又は1本のブレースを構
成する2本のブレース部材間に配置され、ブレースの軸
方向に加えられた歪みエネルギーを吸収する少なくとも
1個のエネルギー吸収ダンパとを設ける第2工程とを備
えたことを特徴としている。柱及び梁としては、それぞ
れ、鉄骨柱及び鉄骨梁を用いることが多い。本発明方法
により、耐震補強工事の期間、居住者は、建築物を継続
して使用することができ、退去する必要がない。好適に
は、第2工程では、平面フレームの1つの枠の対向する
枠角部同士を結ぶブレース、又は平面フレームの1つの
枠を形成している枠辺部の中間点と枠辺部の中間点の斜
め方向の2個の枠角部との間に、ブレース及びエネルギ
ー吸収ダンパを予め一体に製作してなるエネルギー吸収
ダンパ付きブレースを設ける。これにより、施工時間が
短縮される。
を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつより詳細
に説明する。実施例1 本実施例は、第1又は第2方法により、本発明に係る耐
震性平面フレームを既設の建築物に形成してなる本発明
に係る耐震性建築物の例である。本実施例では、建築物
は既設の校舎30で、耐震性建築物は校舎30を耐震補
強してなる耐震性校舎であり、エネルギー吸収ダンパ及
びブレースの仕様は、前述の解析値及び予測値に基づき
決定する。図1は、本実施例の耐震性校舎38の正面図
である。耐震性校舎38は、EL Centro<NS>波の5
0cm/s程度の水平揺れ成分を有する地震が生じても倒壊
しないように、前述の解析値及び予測値に基づいて設計
された耐震用平面フレームを、校舎30の主体構造31
にV型ブレースで形成したものである。尚、校舎30の
サッシ付き窓ガラス43は正面の外壁を形成しており、
サッシ付き窓ガラス43の外側にベランダ35(図1及
び図4参照)を有している。
震性校舎を正面から見た部分側面拡大図、矢視I−I断
面図、矢視II−II断面図、及び矢視III−III
断面図である。耐震性校舎38の外壁を形成しているサ
ッシ付き窓ガラス43の外側には、エネルギー吸収ダン
パ付きブレース40が設けられており、平面フレーム4
7は耐震性平面フレーム47’にされている。エネルギ
ー吸収ダンパ付きブレース40Aは、図2に示すよう
に、ブレース41の一端41Aにエネルギー吸収ダンパ
42が設けられたものであり、エネルギー吸収ダンパ4
2の端部は、横梁32Bの、柱34A、Bの中間に位置
する中央位置37に剛接されている。ブレース41のも
う一方の端部41A’は、横梁32Aと柱34Aとの接
合部36Aに剛接されている。エネルギー吸収ダンパ付
きブレース40Aに対となってV型ブレースを構成する
エネルギー吸収ダンパ付きブレース40Bは、エネルギ
ー吸収ダンパ付きブレース40Aと同様の構成であり、
両端部が、中央位置37、及び横梁32Aと柱34Bと
の接合部36Bに、それぞれ、剛接されている。
ンパ42の構成を示す正面断面図及び側面図である。エ
ネルギー吸収ダンパ42は、軸方向がブレースの軸方向
に一致するようにブレースの一端に結合された摩擦棒4
4を有する雄部46と、摩擦棒44を貫通させて保持す
る雌部48とから構成される。摩擦棒44の材質はステ
ンレス鋼又はリン青銅で、直径D1が49.3mm、長さ
l1が300mmである。雄部46は、摩擦棒44と、ブ
レース41の一端に4本のボルトにより固定され、中心
に摩擦棒44の端部がねじ結合される矩形平板50と、
後述する筒状保持部を案内するように矩形平板50に溶
接された筒状案内部52とから構成される。筒状案内部
52は、エネルギー吸収ダンパ40に地震により荷重が
加わっても変形することがないように、外径D2が19
0mmφ、内径D3が160mmφの一般構造用炭素鋼管で
製造されている。
貫通孔54を有し、かつ、貫通孔内周面に、摩擦棒との
間で摩擦摺動する摩擦壁45を有する摩擦部材56と、
一端で摩擦部材56を保持し、摩擦部材56を介して摩
擦棒44に接続し、他端で主体構造31のフレームに結
合している摩擦部材保持体62とを備えている。摩擦部
材56の材質は機械構造用炭素鋼鋼材又は炭素工具鋼鋼
材である。摩擦部材56の形状は円柱状で、軸方向高さ
h’は80mmである。摩擦部材保持体62の材質は一般
構造用圧延鋼材である。摩擦部材保持体62は、筒状
で、内側に摩擦部材56を保持し、筒状案内部52の内
側に係合して挿入される保持部64を有している。保持
部64の内側には、摩擦部材56の上面57を保持部6
4の先端から深さdep=40mmだけ深く位置するように
摩擦部材56の底面を支える摩擦部材押さえ部63が形
成されている。保持部64の寸法は、外径D3が160m
m、摩擦部材押さえ部63を形成している部分の肉厚t3
が22.5mmである。また、摩擦部材保持体62は、保
持部64の先端にねじ結合され、摩擦部材56が保持部
64から抜け出ることを防止する摩擦部材押さえ65を
備えている。摩擦部材押さえ65は、その中心に摩擦棒
44が貫通する貫通穴を有している。更に、摩擦部材保
持体62は、保持部64の基端に溶接され、矩形平板5
0と同じ構成の矩形平板66を備えている。ブレース4
1、摩擦棒44、摩擦部材56、保持部64、及び摩擦
部材押さえ63の中心軸は、全て一致している。
ス41と同じ断面形状を有する鋼管68が、その中心軸
を上記中心軸に一致するようにして接合されている。
尚、鋼管68の端部67と、ブレース41のエネルギー
吸収ダンパ40を有しない側の端部69とには、それぞ
れ、半球70が接合されている(図7(a)参照)。
端71と摩擦部材56の底面との間隔d5が100mmに
なるように係合して挿入されている。尚、先端71と矩
形平板66との間隔、及び摩擦部材押さえ65の先端と
矩形平板50との間隔d6は、何れも100mmである。
摩擦棒44と摩擦壁45とに作用しているダンパ強度
は、前述の解析値及び予測値に基づき、柱34をせん断
破壊させないのに充分な20tfとする。
造との剛接手段 図7(a)から(c)は、それぞれ、エネルギー吸収ダ
ンパ40と中央位置37との剛接手段を示す側面部分拡
大図、矢視IV−IVから見た図、及び矢視V−Vから
見た図であり、図8は、矢視VI−VIから見た図であ
る。剛接手段は、横梁32に4本のPC鋼棒72により
剛接された定着台74、及び、定着台74と鋼管68と
を剛接するガセットプレート部76から構成される。
Bと、両ブラケットの中央位置に接合された鋼板79と
を有し、断面形状がH形鋼に似たようなものである(図
7(a)、図8参照)。ブラケット78Aは、矩形平板
で、横梁32から距離d7=20mmだけ離れて位置して
おり、定着台74と横梁32との間には、グラウト材7
5が入れられている。また、ブラケット78Bは、矩形
平板の上部両端を斜めにカットしたもので、ブラケット
78Aとの間隔d8は、図8に示すように、150mmで
ある。
に、定着台74を貫通して、横梁32に定着台74を剛
接する4本の鋼棒からなる。貫通位置は、地震が発生し
ても剛接状態を保つように、桁行き方向に互いに距離d
9=490mm、高さ方向に互いに距離d10=150mmだ
け離れ、定着台74の中心線77に対して左右対称の位
置である。定着台74は、ブラケット78Aと横梁32
との間に作用する圧縮応力が20kgf/cm2になるよう
に、PC鋼棒72により締め付けられている。
示すように、半球70を貫通し、鋼管68の矩形平板6
6近傍に至るまで挿入されて溶接された第1プレート8
2と、第1プレートとブラケット78Bとを剛接する第
2プレート84とから構成される。第2プレート84
A、Bは、第1プレート82の端部及びブラケット78
Bの該カット部の両面を挟むようにして4本のボルト8
3により結合されている。
端部と校舎の主体構造との剛接手段 図9は、ブレース41のエネルギー吸収ダンパを有しな
い端部41A’と接合部36Aとの剛接手段を示す側面
部分拡大図である。剛接手段は、4本のPC鋼棒85に
より横梁32に剛接された第2定着台86、及び、ガセ
ットプレート部76と同じ構成であって第2定着台86
とブレース41とを剛接するガセットプレート部88と
から構成される。
枚のブラケット76A、Bと、両ブラケットに等間隔で
接合された複数枚の鋼板(図示せず)と、ブラケット7
6A、Bを貫通して横梁32に剛接するPC鋼棒85と
から構成される。ブラケット76Aは、矩形平板であ
り、ブラケット76Bは、図9に示すように、ブラケッ
ト76Aに比べ、中心位置37に近い端部が中心位置3
7に向けて長いように形成された平板である。PC鋼棒
85の貫通位置は、図9に示すように、地震が発生して
も剛接状態を保つように、桁行き方向に互いに距離d11
=212mm、高さ方向に互いに距離d 12=250mmだけ
離れ、左右対称になるような位置である。
図2に示すように、エネルギー吸収ダンパ付きブレース
40A、Bの互いの中心軸の交点P1と、PC鋼棒85
のうちブレース40の端部41A’に最も遠くに位置す
るPC鋼棒85Aとの距離l2が4754mm、鋼管68
の端部67とブレース41の端部69との距離l3が3
569mmになるようにされている。また、ブレース41
の管径は、前述の解析値及び予測値により、断面積が2
8cm2以上の一般構造用炭素鋼管を用いることを考慮
し、外径165.2mmφ、肉厚7mmで、断面積が34.
79cm2のブレースを用いる。
度6〜7程度)の地震が発生して耐震性校舎38に歪み
エネルギーが加えられると、柱34が傾斜し、この結
果、摩擦棒44は、摩擦部材56に対し進行又は退行し
て摩擦熱が発生する。よって、歪みエネルギーの一部は
摩擦熱に変換され、耐震性校舎38に加えられる歪みエ
ネルギーは減少し、耐震性校舎38の耐震性平面フレー
ム47’の層間変形角は所定値以下となる。よって、上
記程度の規模の地震が仮に発生しても、耐震性校舎38
は倒壊しない。
るサッシ付き窓ガラス43の外側にエネルギー吸収ダン
パ付きブレースを取り付けているので、サッシ付き窓ガ
ラス43を取り外すことなく容易に工事を行うことがで
き、取り付け部は簡素で、外観が良い。また、工事の
間、校舎30を継続して使用することができる。また、
エネルギー吸収ダンパ付きブレースはV型ブレースなの
で、違和感を抑えることができ、しかも、耐震性校舎3
8の傾斜時に歪みエネルギーが効率よくエネルギー吸収
ダンパ42に吸収される。
ムの解析例 本実験例及び本解析例は、実施例1のエネルギー吸収ダ
ンパ40に比べ、構成部位の材質及び構成原理は同じで
寸法形状が小さいエネルギー吸収ダンパ90を用い、解
析値と実験値とがよい対応を示すことを確認した例であ
る。図10は、本実験例及び本解析例に用いた耐震性平
面フレームの平面図である。耐震性平面フレーム92
は、図10に示すように、3本の柱93A〜Cに3本の
横梁94A〜Cを、柱間距離及び横梁間距離が均等にな
るように剛接した鉄筋コンクリート造試験体95に、実
施例1と同様に、エネルギー吸収ダンパ90をV型ブレ
ース形式で縦2段、横2段に剛接したものである。最下
段に位置する横梁94Cは、その下のコンクリート体9
6に固定されている。
間距離d14は何れも1225mmである。柱93は、断面
寸法が200mm×220mm、主筋(pg(%))が14
−D10(2.27)、せん断補強筋(pw(%))が
φ4−ピッチ150(0.08)である。2階の横梁9
4Bは、断面寸法が160mm×290mm、主筋(pg
(%))が7−D10(1.20)、せん断補強筋(p
w(%))がφ4−ピッチ80(0.20)である。鉄
筋コンクリート造試験体95の剛性と、エネルギー吸収
ダンパ付きブレース91を有する鉄筋コンクリート造試
験体の剛性との剛性比は、1.35である。
説明する。尚、構成部位は、エネルギー吸収ダンパ40
と同じ名称を用いる。エネルギー吸収ダンパ90は、エ
ネルギー吸収ダンパ40に比べ、摩擦棒はリン青銅製
で、外径は20mmφである。雄部の筒状案内部は、一般
構造用圧延鋼材で、外径が100mm、内径が85mmであ
る。摩擦部材保持体は、摩擦部材上面が先端から距離2
5mmだけ深く位置して摩擦部材を保持するようにされて
いる。保持部の外径は85mmである。
NS>波の50cm/sの水平揺れ地震が発生したことに相
当するように、3階の横梁94Aの両端に、横梁94A
に水平方向すなわち紙面に向かって左右に水平方向の荷
重Qtfを加え、耐震性平面フレーム92の柱93Bと横
梁94Aとの交点P2の水平方向変位xmmを測定及び解
析計算した。図11、図12は、それぞれ、水平方向荷
重Qtfと水平方向変位xmmとの関係を示す履歴曲線の実
験値及び解析値を示す図である。また、図13は、時刻
と水平方向変位xmmとの関係を示す図である。図13
で、実線曲線は実験値、破線曲線は解析値を示す。図1
2、図13により、解析値と実験値は良く対応している
ことが確認された。
住宅のバルコニー外側に耐震性平面フレームを設ける耐
震補強例である。本実施例で耐震性集合住宅とは、既設
の集合住宅のバルコニー外側に耐震性平面フレームを設
けたものを言う。図21(a)から(c)は、それぞ
れ、本実施例で施工された耐震性集合住宅の部分正面
図、バルコニーの構成を示す部分平面断面図、及び、矢
視VII−VIIから見たエネルギー吸収ダンパ付きブ
レースの部分平面図である。また、図22及び図23
は、それぞれ、剛接された鉄骨柱及び鉄骨梁を示す側面
断面図である。図21(a)では、簡単のため耐震性平
面フレームのみ描いている。図21(b)は、図23の
矢視VIII−VIIIの部分平面断面図であり、溝9
6(図22、図23参照)に相当する箇所を一点鎖線で
描いている。ケミカルアンカーは、後施工アンカーとも
呼ばれ、アンカーを固定する際に接着剤が用いられてい
る。また、簡単のため、図21(b)では耐震性平面フ
レームを構成するV型ブレースを省略して、図21
(c)では鉄骨柱及び鉄骨梁を省略して、それぞれ描い
ている
に示すように、等間隔に設けられた複数本の垂直な鉄骨
柱102、及び、鉄骨柱102に水平に接合された複数
本の鉄骨梁104と、鉄骨柱102及び鉄骨梁104に
よって形成される各平面フレーム内に設けられたV型ブ
レース106とから構成される。耐震性平面フレーム9
9は、前述のケミカルアンカー100(以下、アンカー
100と言う)により、バルコニー98の下端部外側に
剛接されている。アンカー100の高さ位置は、バルコ
ニー98の手摺97の下端に設けられた溝96よりも低
い(図22、図23参照)。V型ブレース106は、図
21(a)に示すように、各平面フレームの枠を形成し
ている枠下辺部中央108と枠角部110A、Bとの間
をそれぞれ結ぶエネルギー吸収ダンパ付きブレース11
2A、Bと、エネルギー吸収ダンパ付きブレース112
A、Bを枠下辺部中央108にそれぞれ剛接する下端剛
接部114A、B、及び、枠角部110A、Bにそれぞ
れ剛接する上端剛接部116A、Bとを備えている。
Aは、ブレース120と、ブレース120の下端に接合
されたエネルギー吸収ダンパ42(実施例1と同じも
の)とから構成される(図21(a)及び(c)参
照)。エネルギー吸収ダンパ付きブレース112Bの構
成も同様である。
すように、エネルギー吸収ダンパ42の一端に接合され
た鋼管122と、鋼管122の下端に付けられた半球1
24と、鋼管122及び枠下辺部中央108に溶接接合
されたプレート部125とから構成される。プレート部
125は、半球124を貫通し、エネルギー吸収ダンパ
42の近傍にまで鋼管122に挿入されて溶接接合され
た第1プレート126と、枠下辺部中央108に下端で
溶接接合された第2プレート128と、第1プレート1
26の下端部及び第2プレート128の上端部を両面か
ら挟んで結合する2枚のプレートからなる第3プレート
130とから構成される。第1から第3プレートは何れ
も互いに平行な矩形板であって、第1プレート126と
第3プレート130、及び、第2プレート128と第3
プレート130は、それぞれボルト132A、B及びボ
ルト134A、Bにより相互に結合されている。プレー
ト部125の幅方向U(図21(c)参照)は、鉄骨梁
104の幅方向U(図21(b)参照)と同じ方向であ
る。下端剛接部114Bは下端剛接部114Aと同様の
構成である。
114Aとほぼ同様であり、図21(a)に示すよう
に、ブレース120の上端に付けられた、半球124と
同様の半球135と、枠角部110Aに上端で溶接接合
され、半球135を貫通してブレースの上端部に挿入さ
れて溶接接合された、プレート部125と同様のプレー
ト部136とから構成される。プレート部136は、第
1、第2及び第3プレートとそれぞれ同様の第4、第5
及び第6プレートから構成される。上端剛接部116B
の構成は、上端剛接部116Aと同じである。
性平面フレーム99を設けて耐震性集合住宅を施工する
には、先ず、バルコニー98の下端部外側138で、隣
り合うアンカーとの間隔が300mm以内の所定位置
に、径16mmφのアンカー100を配設する(図2
2、図23参照)。次いで、鉄骨柱102及び鉄骨梁1
04を固定する後打コンクリート梁148を地盤140
の中に施工する(図22参照)。その際、既設の集合住
宅の既設柱144の基礎部145のコンクリートを削っ
て内部の鉄筋を露出させ、後打ちコンクリート148の
鉄筋と基礎部145の鉄筋とを接合し、更に、鉄骨柱1
02の固定用のアンカーボルト146を所定位置に配置
した上でコンクリートを固化する。次いで、鉄骨柱10
2及び鉄骨梁104をバルコニー98の下端部外側13
8から30mm離した状態にして設け、仮止めする。
尚、予め工場で、第2プレート128を枠下辺部中央1
08に、第5プレートを枠角部116A、Bに、それぞ
れ、何れも所定の向きにして溶接接合しておく。続い
て、鉄骨柱102又は鉄骨梁104とバルコニー98の
下端部外側138との間にグラウト材を入れて固化し、
平板状で厚さ30mmのグラウト材142を形成する。
更に、ナット143で締め付けることにより、グラウト
材142を介して鉄骨柱102及び鉄骨梁104をバル
コニー98に剛接する(図22、図23参照)。
ス112Aに、鋼管122、半球124、第1プレート
126、半球135及び第4プレートが接合されたもの
を設置位置にまで運搬する。続いて、第1プレート12
6と第2プレート128とを第3プレート130及びボ
ルト132、134により剛接して下端剛接部114A
を形成し、また、同様にして上端剛接部116Aを形成
する。エネルギー吸収ダンパ付きブレース112Bも同
様にして剛接する。
住者は、建築物を継続して使用することができ、退去す
る必要がない。
示す側面断面図である。ケミカルアンカー100を配設
する代わりに、バルコニー98の手摺97の除去工事を
行い、続いて、例えば径16mmφの通常のアンカー1
50を所定位置に配置した上で後打コンクリート材15
2及び手摺154を施工し、その後、本実施例と同様に
して耐震性集合住宅を形成してもよい。アンカー150
を配置する際、隣り合うアンカーとの間隔(ピッチ)を
例えば600mm以内にする。
レースの軸方向に加えられた歪みエネルギーを吸収する
少なくとも1個のエネルギー吸収ダンパを、平面フレー
ムを構成する枠と枠内のブレースとの間、又はブレース
を構成する2本のブレース部材間に備えている。また、
本発明に係る耐震性建築物は、外壁が、平面フレーム
と、平面フレームの枠の内側に設けられた窓又は壁体
と、窓又は壁体の外側に位置し、枠に結合されているブ
レースと、上記と同様のエネルギー吸収ダンパとを備え
ている。これにより、地震時にブレースに作用する力を
従来に比べて遥かに抑えることができるので、ブレース
断面積を従来に比べて遥かに小さくすることができる。
既設の建築物を耐震補強して本発明に係る耐震性建築物
にする場合には、サッシの付いた窓ガラスや内装材を従
来のように取り外さなくて済み、また、建築物の使用者
は、工事の間、建築物を継続して使用することができ、
更に、取り付け部は簡素で、外観が良い。
ースの一端に結合された摩擦棒と、摩擦棒との間で摩擦
摺動する摩擦壁を有する摩擦部材と、一端で摩擦部材を
介して摩擦棒に接続し、他端で平面フレームの枠又はブ
レース部材に結合している摩擦部材保持体とから構成さ
れている。これにより、平面フレームの歪み発生時に、
摩擦棒が貫通孔に対し進行又は退行して摩擦部材との間
に摩擦熱を発生させることにより歪みエネルギーが吸収
されるので、耐震性平面フレームに加えられる歪みエネ
ルギーが減少する。
る。
のエネルギー吸収ダンパの構成を示す正面断面図及び側
面図である。
のエネルギー吸収ダンパと既設の校舎の主体構造との剛
接手段を示す側面部分拡大図、矢視IV−IVから見た
図、及び矢視V−Vから見た図である。
を有しない端部と既設の校舎の主体構造との剛接手段を
示す側面部分拡大図である。
である。
位xmmとの関係を示す実験値である。
の、水平方向荷重Qtfと水平方向変位xmmとの関係を示
す解析値である。
の解析例での、時刻と水平方向変位xmmとの関係を示す
図である。
校舎の主体構造を示す平面図及び正面図である。
性校舎の主体構造の正面図である。
ータとして変化させて得られた解析値を示す図である。
レース剛性との剛性比をパラメータとして変化させて得
られた解析値を示す図である。
てなる耐震性フレームの正面図である。
態を示す正面図である。
てなる耐震性フレームの構成概念を示す正面図である。
例2で施工された耐震性集合住宅の部分正面図、バルコ
ニーの構成を示す矢視VIII−VIIIから見た部分
平面断面図、及び、矢視VII−VIIから見たエネル
ギー吸収ダンパ付きブレースの部分平面図である。
図である。
図である。
す側面断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 既設の建築物を補強する平面状の構造の
耐震性平面フレームであって、 既設の建築物の外壁を構成する 柱及び梁からなる平面フ
レームと、平面フレームの外側に取り付けられ、 平面フレームの1
つの枠の対向する枠角部同士を結ぶブレース、又は平面
フレームの外側に取り付けられ、平面フレームの1つの
枠を形成している枠辺部の中間点と枠辺部の中間点の斜
め方向の2個の枠角部とを結ぶV型ブレースと、 枠とブレースとの間に配置されているか、又は1本のブ
レースを構成する2本のブレース部材間に配置され、ブ
レースの軸方向に加えられた歪みエネルギーを吸収する
少なくとも1個のエネルギー吸収ダンパとを備え、 エネルギー吸収ダンパは、軸方向がブレースの軸方向に
一致するようにブレース又はブレース部材の一端に結合
された摩擦棒と、 摩擦棒を貫通させている貫通孔を有し、かつ、貫通孔内
周面に、摩擦棒との間で摩擦摺動する摩擦壁を有する摩
擦部材と、 一端で摩擦部材を保持し、摩擦部材を介して摩擦棒に接
続し、他端でブレース部材又は耐震性平面フレームの枠
に結合している摩擦部材保持体と から構成され、 平面フレームの歪み発生時に、摩擦棒が貫通孔に対し進
行又は退行して摩擦部材との間に摩擦熱を発生させるこ
とにより歪みエネルギーを吸収するようにした ことを特
徴とする耐震性平面フレーム。 - 【請求項2】 既設の建築物の外壁を構成する柱及び梁
により形成された建築物補強用耐震性立体フレームであ
って、少なくとも一つの耐震性平面フレームを耐震性立
体フレームの一部として備え、 耐震性平面フレーム は、既設の建築物の外壁を構成する柱及び梁からなる平面フ
レームと 、平面フレームの外側に取り付けられ、 平面フレームの1
つの枠の対向する枠角部同士を結ぶブレース、又は平面
フレームの外側に取り付けられ、平面フレームの1つの
枠を形成している枠辺部の中間点と枠辺部の中間点の斜
め方向の2個の枠角部とを結ぶV型ブレースと、枠とブレースとの間に配置されているか、又は1本のブ
レースを構成する2本のブレース部材間に配置され、ブ
レースの軸方向に加えられた歪みエネルギーを吸収する
少なくとも1個のエネルギー吸収ダンパと を備え、 エネルギー吸収ダンパは、軸方向がブレースの軸方向に
一致するようにブレース又はブレース部材の一端に結合
された摩擦棒と、 摩擦棒を貫通させている貫通孔を有し、かつ、貫通孔内
周面に、摩擦棒との間で摩擦摺動する摩擦壁を有する摩
擦部材と、 一端で摩擦部材を保持し、摩擦部材を介して摩擦棒に接
続し、他端でブレース部材又は耐震性平面フレームの枠
に結合している摩擦部材保持体と から構成され、 平面フレームの歪み発生時に、摩擦棒が貫通孔に対し進
行又は退行して摩擦部材との間に摩擦熱を発生させるこ
とにより歪みエネルギーを吸収するようにした ことを特
徴とする耐震性立体フレーム。 - 【請求項3】 建築物の少なくとも1面の外壁が耐震性
平面フレームで補強された既設の建築物であって、 耐震性平面フレームが、建築物の外壁を構成する柱及び
梁の外側にそれぞれ取り付けられた柱及び梁からなる平
面状の構造の平面フレームと、平面フレームの1つの枠の対向する枠角部同士を結ぶブ
レース、又は平面フレームの1つの枠を形成している枠
辺部の中間点と枠辺部の中間点の斜め方向の2個の枠角
部との間を結ぶV型ブレースと、 枠とブレースとの間に配置されているか、又は1本のブ
レースを構成する2本のブレース部材間に配置され、ブ
レースの軸方向に加えられた歪みエネルギーを吸収する
少なくとも1個のエネルギー吸収ダンパとを備え、 エネルギー吸収ダンパは、軸方向がブレースの軸方向に
一致するようにブレース又はブレース部材の一端に結合
された摩擦棒と、 摩擦棒を貫通させている貫通孔を有し、かつ、貫通孔内
周面に、摩擦棒との間で摩擦摺動する摩擦壁を有する摩
擦部材と、 一端で摩擦部材を保持し、摩擦部材を介して摩擦棒に接
続し、他端でブレース部材又は耐震性平面フレームの枠
に結合している摩擦部材保持体と から構成され、 平面フレームの歪み発生時に、摩擦棒が貫通孔に対し進
行又は退行して摩擦部材との間に摩擦熱を発生させるこ
とにより歪みエネルギーを吸収するようにした ことを特
徴とする耐震性建築物。 - 【請求項4】 請求項3に記載の耐震性建築物の構築方
法であって、 複数本の柱及び梁を既設の集合住宅の外側に設けて剛接
することにより平面フレームを形成する第1工程と、 次いで、平面フレームの1つの枠の対向する枠角部同士
を結ぶブレース、又は平面フレームの1つの枠を形成し
ている枠辺部の中間点と枠辺部の中間点の斜め方向の2
個の枠角部とを結ぶV型ブレースと、枠とブレースとの
間に配置されているか、又は1本のブレースを構成する
2本のブレース部材間に配置され、ブレースの軸方向に
加えられた歪みエネルギーを吸収する少なくとも1個の
エネルギー吸収ダンパとを設ける第2工程とを備えたこ
とを特徴とする耐震性建築物の構築方法。 - 【請求項5】 第2工程では、平面フレームの1つの枠
の対向する枠角部同士を結ぶブレース、又は平面フレー
ムの1つの枠を形成している枠辺部の中間点と枠辺部の
中間点の斜め方向の2個の枠角部との間に、ブレース及
びエネルギー吸収ダンパを予め一体に製作してなるエネ
ルギー吸収ダンパ付きブレースを設けることを特徴とす
る請求項4に記載の耐震性建築物の構築方法。
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|---|---|---|---|
| JP05682598A JP3341822B2 (ja) | 1997-03-26 | 1998-03-09 | 耐震性平面フレーム、耐震性建築物、及び耐震性建築物の構築方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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|---|---|---|---|
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| JP9-73181 | 1997-03-26 | ||
| JP05682598A JP3341822B2 (ja) | 1997-03-26 | 1998-03-09 | 耐震性平面フレーム、耐震性建築物、及び耐震性建築物の構築方法 |
Publications (2)
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1998
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