JP3342563B2 - 脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents
脂肪族ポリエステルの製造方法Info
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Description
造方法に関するものである。さらには、80℃以下の低
温で溶融し、成形体として利用可能な低融点で結晶性の
脂肪族ポリエステルの製造方法に関するものである。
は、例えばポリカプロラクトンがあり、50〜80℃の
低温で軟化し、室温で固化するという特徴を生かして、
歯科用印象採取材料、ギブス材料、かつら型取り用材料
等に利用されている。
カプロラクトンに替えて相対的に低コストであるエチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレ
ングリコール等のグリコールとアジピン酸とを主原料と
する脂肪族ポリエステルを提供することが種々試みられ
たが、一般的にα,ω−グリコールとα,ω−ジカルボ
ン酸の融解重縮合によって製造される脂肪族ポリエステ
ルは熱安定性に乏しいため、高分子量のポリマーを工業
的に安定して製造することは極めて困難であった。
ブタンジオール、ヘキサメチレングリコールの中より選
ばれる1種以上のグリコールとアジピン酸又はその低級
アルキルエステルとを150〜230℃でエステル化し
て得られる低分子量体をテトラブチルチタネート等の重
合触媒の存在下、200〜250℃、0.5mmHg以
下の高減圧下で重縮合させた場合、得られた重合体の還
元比粘度ηsp/C(クロロホルム中、濃度0.5g/デシ
リットル、30℃で測定)が0.5を越えることはなか
った。
媒としてステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネ
シウムのような飽和脂肪族モノカルボン酸の金属塩をテ
トラ−n−ブチルチタネートのごとき重合触媒と併用す
るポリブチレンアジペートの製造法が記載されている
が、この方法では還元比粘度ηsp/C(クロロホルム中、
濃度0.5g/デシリットル、30℃で測定)が0.6
に近いポリマーが得られたものの、着色が大きく、実用
上問題がある。
には、重合触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートと
ジブチルスズオキシドを併用することにより、数平均分
子量が少なくとも10,000以上であるポリブチレン
アジペート、ポリヘキサメチレンアジペート及びその製
造方法が記載されているが、この方法では製造過程でポ
リマーが着色しやすく、生成したポリマーは実用に耐え
るものではなかった。
では、分子量が上がりにくく、着色しやすいという問題
があった。一般的に、脂肪族ポリエステルの分子量が上
がりにくく、着色しやすい原因として、このような反応
系において、重合度の上昇につながる重縮合反応に比較
して、重合度低下につながる熱分解反応等の分解反応が
優勢であることが推測される。つまり、従来方法で得ら
れる前記した程度の還元比粘度(ηsp/Cが0.6以下)
しか有さない脂肪族ポリエステルでは、例えば引張強さ
が2.0kg/mm2 以下であり、強度面についても実
用に耐えるものではなかった。
解消して、着色を防止し、しかも成形体として利用する
ことのできる高分子量で低融点の脂肪族ポリエステルの
製造方法を提供することを目的とするものである。
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の触媒と
着色防止剤を用いることにより、1,4−ブタンジオー
ル又はヘキサメチレングリコールとアジピン酸とから高
分子量で低融点の脂肪族ポリエステルを製造することが
できるという知見を得、この知見に基づいて本発明に到
達した。
ール又はヘキサメチレングリコールとアジピン酸とを反
応させてオリゴマーを得、次いで得られたオリゴマーを
チタン、アンチモン及びゲルマニウム系触媒の中から選
ばれる1種以上の触媒と、特定のリン化合物との存在下
で重縮合することを特徴とする脂肪族ポリエステルの製
造方法を要旨とするものである。
発明においては、1,4−ブタンジオール又はヘキサメ
チレングリコールとアジピン酸とを反応させてオリゴマ
ーを得ることが必要である。このとき、グリコールとア
ジピン酸の仕込比率としては、モル比で通常1:1〜
1:2.2にするのが好ましく、1:1.05〜1:
1.6にするのがより好ましい。
作るときの反応条件としては、120〜250℃で1〜
10時間の範囲で行うのが好ましく、150〜220℃
で2〜5時間の範囲で、大気圧下、窒素気流下で行うの
がより好ましい。
ポリエステルの物性(例えば、高い結晶性や80℃以下
で溶融し、室温で固化するという熱的性質)を損なわな
い範囲であれば、グリコール類、例えばエチレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジオール、ペンタメチ
レングリコール、ヘプタメチレングリコール等とジカル
ボン酸類、例えばシュウ酸、コハク酸、マロン酸、グル
タル酸、ピメリン酸、セバシン酸等を併用したものであ
ってもよい。
ゴマーを作る際には、通常は無触媒で行うが、触媒とし
て金属化合物を加えることもできる。その際の金属は、
有機金属化合物、有機酸塩、金属錯体、金属アルコキシ
ド、金属酸化物、金属水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、硫
酸塩、硝酸塩、塩化物等の形態として用いられるが、そ
の中でも酢酸塩、アセチルアセトン金属錯体金属酸化物
の形態で用いるのが好ましい。
オリゴマーを触媒と、リン化合物との存在下で重縮合さ
せるが、その触媒としては、チタン、アンチモン及びゲ
ルマニウム系触媒の中から選ばれる1種以上の触媒を用
いることが必要である。これらはその金属アルコキシ
ド、金属酸化物、金属錯体、金属水酸化物、炭酸塩、硫
酸塩、硝酸塩、塩化物等の形態で用いられる。特に好ま
しい触媒の例を挙げれば、テトラ−n−ブチルチタネー
ト、テトライソプロピルチタネート、チタンオキシアセ
チルアセトネート、トリブトキシアンチモン、三酸化ア
ンチモン、テトラ−n−ブトキシゲルマニウム、酸化ゲ
ルマニウム等であり、これらの触媒は1種又は2種以上
使用してもよい。その際に使用する触媒量としては、生
成する脂肪族ポリエステル100重量部あたり、0.0
1〜2重量部が好ましく、0.05〜0.5重量部の範
囲で用いるのがより好ましい。触媒量が0.01重量部
未満では触媒としての効果が弱くなり、目的とする分子
量のポリマーが得られにくく、2重量部以上用いてもそ
の効果は大きく変わることがなく、逆に生成したポリマ
ーが着色し、好ましくない。また、これらの触媒は脱グ
リコール化する直前に加えてもよいし、エステル化の前
に加えても差し支えない。
リン化合物としては、ビス(2,4−ジブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスフェート、ポリリン酸
が挙げられる。これらのリン化合物は単独で用いてもよ
いし、2種以上を混合して用いてもよい。また、その際
に使用するリン化合物の量としては、生成する脂肪族ポ
リエステル100重量部あたり0.001〜1重量部が
好ましく、0.01〜0.5重量部の範囲がより好まし
い。使用量が0.001重量部未満では、着色防止剤と
してのリン化合物の添加効果が弱くなり、1重量部以上
では重合に要する時間が長くなり好ましくない。また、
これらのリン化合物は脱グリコール化する直前に加えて
もよいし、エステル化の前に加えても差し支えない。
0.01〜10mmHgの減圧下、180〜260℃で
1〜10時間行うのが好ましく、0.1〜1mmHgの
減圧下、200〜240℃で1〜6時間の範囲で行うの
がより好ましい。
は、着色がなく、80℃以下の温度で溶融し、室温で固
化するという熱的特性を有し、高分子量(ηsp/Cが1.
0以上)で、しかも結晶性が高く、成形加工性を有して
いるので、歯科用印象採取材料、ギブス材料、かつら型
取り用材料等の用途に利用することができる。
に対する関心が高まる中、α,ω−脂肪族グリコールと
α,ω−脂肪族ジカルボン酸との溶融重縮合によって製
造される脂肪族ポリエステルが土中で微生物により生分
解されるという報告がなされ〔インターナショナルバイ
オディテリオレイション ブルティン(Int. Biodetet
n. Bull. )、11巻、127頁(1975)及びポリ
マー サイエンス テクノロジー(Polym. Sci. Techno
l.)、3巻、61頁(1973)参照〕、環境適合性材
料や新しいタイプの機能性材料として大きな期待が寄せ
られている。従って、本発明によって得られた脂肪族ポ
リエステルも生分解性ポリマーとして、フィルム、繊
維、あるいはシート等に加工して、各種ボトル、ショッ
ピングバッグ、包装材料、合成糸、釣り糸、漁網、不織
布、農業用マルチフィルム等として利用することも可能
である。
する。なお、各値は次のようにして求めた。 (1)還元比粘度(ηsp/C) ウベローデ型粘度計を用いて、濃度0.5g/デシリッ
トルでのポリマーの溶液粘度を測定することにより、分
子量の目安とした。なお、溶媒としてはクロロホルムを
用い、30℃で測定した。 (2)融点 パーキン・エルマー社製の示差走査熱量計(DSC−
7)を用い、昇温速度20℃/minで測定した。 (3)引張強さ及び破断伸び 引張試験ASTM D−882の方法に従い、測定し
た。 (4)GPCより求めたポリスチレン換算での数平均分
子量(Mn) ウォーターズ(Waters) 社製のGPC測定装置を用い、
平均孔径103 及び104 AのWaters ultrastyragelを
各々1本ずつ、計2本接続した7.8mmφ×30cm
長のカラムを用いて、溶出剤としてテトラヒドロフラン
を用いることにより35℃で測定した。なお、スタンダ
ードとして、ポリスチレンを使用した。
つ口フラスコに、アジピン酸43.85g(0.30モ
ル)、1,4−ブタンジオール35.18g(0.39
モル)を入れ、油浴中に浸した。この油浴を200℃に
昇温し、窒素をゆっくり溶解液中に流し、200℃の温
度で3時間要して生成する水と過剰の1,4−ブタンジ
オールを留去して、オリゴマーを得た。
ル)ペンタエリスリトールジホスフェート(GE speci
alty chemicals社製 ウルトラノックス(商標)62
6)0.16gとテトラ−n−ブチルチタネート0.1
1g(3.0×10-4モル)を加え、温度を210℃に
保って、0.5mmHgの減圧下で1時間、さらに22
0℃、0.5mmHgの減圧下で、3時間加熱すること
により、数平均分子量(Mn)53000、重量平均分
子量(Mw)123000の白色のポリマーを得た。得
られたポリマーの物性を表1に示す。
ルジホスフェート0.16gの代わりに、ポリリン酸
0.10gを用いること以外は、実施例1と全く同様に
して白色ポリマーを得た。得られたポリマーの物性を表
1に示す。
リブトキシアンチモン0.11g(0.3×10-4モ
ル)を用いること以外は実施例1と全く同様にして白色
ポリマーを得た。得られたポリマーの物性を表1に示
す。
トラ−n−ブトキシゲルマニウム0.11g(0.3×
10-4モル)を用いること以外は実施例1と全く同様に
して白色ポリマーを得た。得られたポリマーの物性を表
1に示す。
つ口フラスコに、アジピン酸43.85g(0.30モ
ル)、ヘキサメチレングリコール39.06g(0.3
3モル)を入れ、油浴中に浸した。この油浴を200℃
に昇温し、窒素をゆっくり溶解液中に流し、200℃の
温度で3時間要して生成する水と過剰のエチレングリコ
ールを留去して、オリゴマーを得た。
ル)ペンタエリスリトールジホスフェート(GE speci
alty chemicals社製 ウルトラノックス(商標)62
6)0.16gとテトラ−n−ブチルチタネート0.1
1g(3.0×10-4モル)を加え、温度を210℃に
保って、0.5mmHgの減圧下で1時間、さらに22
0℃、0.5mmHgの減圧下で、3時間加熱すること
により、数平均分子量(Mn)46000、重量平均分
子量(Mw)130000の白色のポリマーを得た。得
られたポリマーの物性を表1に示す。
ルジホスフェート0.16gの代わりに、ポリリン酸
0.10gを用いること以外は、実施例5と全く同様に
して白色ポリマーを得た。得られたポリマーの物性を表
1に示す。
リブトキシアンチモン0.11g(0.3×10-4モ
ル)を用いること以外は実施例5と全く同様にして白色
ポリマーを得た。得られたポリマーの物性を表1に示
す。
トラ−n−ブトキシゲルマニウム0.11g(0.3×
10-4モル)を用いること以外は実施例5と全く同様に
して白色ポリマーを得た。得られたポリマーの物性を表
1に示す。
びケルマニウム系触媒の中から選ばれる1種以上の触媒
と、リン化合物との存在下で重縮合を行うと、白色でか
つ実用に耐える強度を有する高分子量のポリマーを得る
ことができることがわかる。
つ口フラスコに、アジピン酸43.85g(0.30モ
ル)、1,4−ブタンジオール35.18g(0.39
モル)を入れ、油浴中に浸した。この油浴を200℃に
昇温し、窒素をゆっくり溶解液中に流し、200℃の温
度で3時間要して生成する水と過剰の1,4−ブタンジ
オールを留去して、オリゴマーを得た。
0.11g(3.0×10-4モル)を加え、温度を21
0℃に保って、0.5mmHgの減圧下で1時間、さら
に220℃、0.5mmHgの減圧下で、3時間加熱す
ることによりポリマーを得たが、このポリマーは褐色に
着色していた。得られたポリマーの物性を表2に示す。
55g(3×10-4mol/アジピン酸1mol)を添
加したこと以外は比較例1と同様にしてポリマーを得た
が、このポリマーも褐色に着色していた。得られたポリ
マーの物性を表2に示す。
リン酸マグネシウム0.055g(3×10-4mol/
アジピン酸1mol)を用いる以外は比較例2と同様に
してポリマーを得たが、このポリマーも褐色に着色して
いた。得られたポリマーの物性を表2に示す。
メチレングリコール39.06gを用いる外は比較例1
と同様にして、ポリマーを得たが、このポリマーも褐色
に着色していた。得られたポリマーの物性を表2に示
す。
つ口フラスコに、アジピン酸43.85g(0.30モ
ル)、1,4−ブタンジオール27.36g(0.30
3モル)を入れ、油浴中に浸した。この油浴を200℃
に昇温し、窒素をゆっくり溶解液中に流し、200℃の
温度で3時間要して生成する水と過剰の1,4−ブタン
ジオールを留去して、オリゴマーを得た。
0.011g(3.0×10-5モル)を加え、温度を2
10℃に保って、0.5mmHgの減圧下で1時間、さ
らに220℃、0.5mmHgの減圧下で、3時間加熱
することによりポリマーを得たが、このポリマーは黄色
に着色していた。
メチレングリコール35.86gを用いる以外は比較例
5と同様にしてポリヘキサメチレンアジペートを得た
が、このポリマーも黄色に着色していた。
物を添加しないと、得られたポリマーは着色しており、
しかも実用に耐える強度を有していないことがわかる。
成形体として利用することのできる高分子量で低融点の
脂肪族ポリエステルを安価に製造することが可能とな
る。したがって、本発明によって得られた脂肪族ポリエ
ステルは、歯科用印象採取材料、ギブス材料、かつら型
取り用材料等に利用することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 1,4−ブタンジオール又はヘキサメチ
レングリコールとアジピン酸とを反応させてオリゴマー
を得、次いで得られたオリゴマーをチタン、アンチモン
及びゲルマニウム系触媒の中から選ばれる1種以上の触
媒と、ビス(2,4−ジブチルフェニル)ペンタエリス
リトールジホスフェート及び/又はポリリン酸との存在
下で重縮合することを特徴とする脂肪族ポリエステルの
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06571394A JP3342563B2 (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | 脂肪族ポリエステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06571394A JP3342563B2 (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | 脂肪族ポリエステルの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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| JP3342563B2 true JP3342563B2 (ja) | 2002-11-11 |
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ID=13294942
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP06571394A Expired - Fee Related JP3342563B2 (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | 脂肪族ポリエステルの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
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-
1994
- 1994-03-08 JP JP06571394A patent/JP3342563B2/ja not_active Expired - Fee Related
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