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JP3344155B2 - 樹脂組成物の製造方法、樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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JP3344155B2 - 樹脂組成物の製造方法、樹脂組成物および成形品 - Google Patents

樹脂組成物の製造方法、樹脂組成物および成形品

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JP3344155B2
JP3344155B2 JP10522995A JP10522995A JP3344155B2 JP 3344155 B2 JP3344155 B2 JP 3344155B2 JP 10522995 A JP10522995 A JP 10522995A JP 10522995 A JP10522995 A JP 10522995A JP 3344155 B2 JP3344155 B2 JP 3344155B2
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレン系樹脂
着色用の樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン系樹脂を含むポリ
オレフィン系樹脂着色用組成物には、顔料と分散剤とを
混合した粉末状のドライカラー、常温で液状の分散剤中
に顔料を分散させたリキッドカラーまたはペーストカラ
ー、常温で固体の樹脂中に顔料を分散させたペレット
状、フレーク状あるいはビーズ状のマスターバッチなど
がある。これらの着色用組成物は、用途によって、その
特徴を生かして使い分けられているが、これらのうち、
取扱いの容易さ、使用時の作業環境保全の面からマスタ
ーバッチが好んで用いられている。そして、マスターバ
ッチとして要求される性能も、顔料濃度が高いこと、着
色される熱可塑性樹脂の耐熱性や強度などの諸物性に与
える影響が小さいことなどと共に、ポリオレフィン系樹
脂の成形の精密化、高速化にともない以前にもまして顔
料の高分散性や高分配性が求められるようになった。
【0003】マスターバッチの顔料分散性を付与する分
散剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸カルシウム、エチレンビスアマイド、ポリエ
チレンワックス、ポリプロピレンワックス、およびこれ
らの誘導体、例えば酸変性体や水酸基変性体からなるワ
ックス等が1種または2種以上が一般的に用いられてい
る。しかし、例えば、熱可塑性樹脂を10数ミクロン径
で高速紡糸したり、フィルム化する場合など高度な顔料
分散が求められる場合には、上述の分散剤では満足され
ないことがある。すなわち、顔料分散不良による紡糸時
の糸切れ、溶融紡糸機のフィルターの目詰まり、フィル
ムでの成形不良などである。これらの問題を解決するた
めに、マスターバッチの加工方法の改良や強力混練機に
より顔料分散性を向上させる努力が行われてきた。しか
し、上述の分散剤は、上記の問題を解決するために十分
な顔料分散能を発揮するものではなかった。
【0004】また、着色のコストダウンを目的に推進さ
れてきたマスターバッチの顔料含有率を上げた、いわゆ
る高濃度マスターバッチの出現による被着色樹脂へのマ
スターバッチの添加量の減少化で、この色ムラやフロー
マークの発生はより起こり易くなってきた。
【0005】この問題は、各種熱可塑性樹脂で認められ
るが、家電や自動車部品で使用量が増えてきたポリプロ
ピレン系の樹脂で顕著であり、早急な解決が求められて
きた。この問題を解決するため、マスターバッチの主要
3成分(顔料、分散剤及びベースレジン)のうち、分散
剤の含有量を増やしたり、あるいはベースレジンを被着
色樹脂の粘度より小さいものを使用するなどマスターバ
ッチの溶融粘度をより低くすることで色ムラを解消する
ことが行われてきた。また、熱可塑性樹脂全般について
この問題を解消するため、極性官能基含有熱可塑性樹脂
を水系分散体や水溶液として用いる方法も提案されてい
る。しかしながら、例えば、ポリプロピレン系の樹脂に
無機フィラーを充填したものや、薄肉成形を目的にメル
トフローレート(以下MFRという)が25を超えるも
のは、色ムラやフローマークが発生し易く、この問題の
解決が待たれていた。この解決方法として特許公開公報
平5-202234には二塩基酸との共重合体からなる樹脂組成
物を用いることが極めて有効であることが示されてい
る。しかし、更に高度な顔料分散性を要求されるに至っ
て、更なる改良が求められるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を改良し、ポリプロピレン系樹脂の引張強度や曲げ弾性
率、曲げ強度、衝撃強度、熱変形温度等の機械物性の各
強度値に対し5%以上の物性阻害を与えず、顔料分散性
に優れ色ムラのない均一な着色が可能、かつ生産性に優
れたポリプロピレン系樹脂着色用の樹脂組成物(マスタ
ーバッチ)を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リプロピレン系樹脂水性分散体および/またはポリプロ
ピレン系樹脂水溶液(a)と顔料(b)を混練、脱水し
てなる樹脂組成物の製造方法であって、ポリプロピレン
系樹脂水性分散体および/またはポリプロピレン系樹脂
水溶液(a)が、プロピレン単位を5重量%以上含有す
る極性官能基含有ポリプロピレン系樹脂(a1)を1種
類あるいは2種類以上、水性媒体中に分散および/また
は溶解せしめてなることを特徴とする樹脂組成物の製造
方法である。
【0008】 また、上記の ポリプロピレン系樹脂水性分
散体および/またはポリプロピレン系樹脂水溶液(a)
と顔料(b)に、さらにポリプロピレン系樹脂(c)を
加え、混練、脱水してなることを特徴とする第1の発明
に記載の樹脂組成物の製造方法である。
【0009】極性官能基含有ポリプロピレン系樹脂(a
1)中のプロピレン単位が5重量%未満だと、被着色プ
ロピレン系樹脂と相溶する部位が少なすぎるため、色む
らやフローマーク、機械物性等が改善されない。
【0010】極性官能基含有ポリプロピレン系樹脂(a
1)中の極性官能基としては、特に制限はなく、例え
ば、一塩基酸や二塩基酸ないしはその無水物、グリシジ
ル基、水酸基、アミノ基、アミド基、エチレンイミン
基、イソシアネート基、アルキレンオキサイド結合基等
の水性化可能な極性官能基が挙げられる。
【0011】極性官能基含有ポリプロピレン系樹脂(a
1)は、プロピレン単独重合体(以下、単独重合体と略
す)や、共重合体(以下、共重合体と略す)に不飽和二
重結合と前記の極性官能基とを有する化合物を付加した
誘導体あるいは、不飽和二重結合と前記の極性官能基と
を有する化合物をプロピレンと共重合せしめてなる共重
合体(以下、極性官能基含有共重合体と略す)である。
【0012】共重合体、および極性官能基含有共重合体
としては、結晶性や非結晶性樹脂、ランダムやブロック
あるいはグラフト共重合体、またはその熱分解によって
得られる低重合体やワックスなどが挙げられる。
【0013】該共重合体は、プロピレンと共重合し得る
モノマー例えば、エチレン、2−ブテン、1−ヘキセ
ン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン、クロロトリフ
ルオロエチレン、2−クロロ−1−プロピレン、3−ク
ロロ−1−プロピレン、シクロオクテン、1,3−シク
ロヘキサジエン、シクロペンテン−1,3−ジエン、
3,4−ジメチル−1,3−ブタジエン、テトラフルオ
ロエチレン、1,3−ブタジエン等を共重合せしめたも
のである。
【0014】該単独重合体や該共重合体に付加せしめる
不飽和二重結合と極性官能基とを有する化合物として
は、不飽和二重結合を有する一塩基酸や二塩基酸あるい
はその無水物、不飽和二重結合の他にグリシジル基を有
する化合物、不飽和二重結合の他に水酸基を有する化合
物、不飽和二重結合の他にアミノ基あるいはアミド基を
有する化合物等が挙げられる。不飽和二重結合を有する
一塩基酸や二塩基酸あるいはその無水物としては、具体
的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、クロトン
酸、シトラコン酸、ハイミック酸、アリルコハク酸、メ
サコン酸、グルタコン酸、テトラヒドロフタール酸、メ
チルヘキサヒドロフタール酸、アコニット酸、無水マレ
イン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ハイ
ミック酸無水アリルコハク酸、無水グルタコン酸、無水
テトラヒドロフタール酸、無水メチルヘキサヒドロフタ
ール酸、無水アコニット酸等が挙げられ、特にアクリル
酸や無水マレイン酸が工業的に有利であり、後述する水
性化も施しやすい。
【0015】不飽和二重結合の他にグリシジル基を有す
る化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル
酸グリシジル、マレイン酸ジグリシジル、マレイン酸メ
チルグリシジル、マレイン酸イソプロピルグリシジル、
マレイン酸−t−ブチルグリシジル、フマル酸ジグリシ
ジル、フマル酸イソプロピルグリシジル、イタコン酸ジ
グリシジル、イタコン酸メチルグリシジル、イタコン酸
イソプロピルグリシジル、2−メチレングルタン酸メチ
ルグリシジル、ブテンジカルボン酸モノグリシジル、
3,4ーエポキシブテン、3,4−エポキシ−3−メチ
ル−1−ブテン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、
p−グリシジルスチレン等の不飽和基を有するグリシジ
ル基含有モノマーが挙げられる。
【0016】不飽和二重結合の他に水酸基を有する化合
物としては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエ
チレングリコールメタクリレート、モノ−(2−ヒドロ
キシエチル−α−クロロアクリレート)アシッドホスフ
ェート等の不飽和基を有する水酸基含有モノマーが挙げ
られる。
【0017】不飽和二重結合の他にアミノ基あるいはア
ミド基を有する化合物としては、例えば、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、
N−メチルアミノエチルアクリレート、N−トリブチル
アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエ
チルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブトキ
シメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリル
アミド、アリルアミン、ジメチルアミノプロピルメタク
リルアミド、ジアリルアミン、トリアリルアミン、4−
ビニルピリジン、2−メチル−6−ビニルピリジン、4
−ブテニルピリジン、ビニルピロリドン等の不飽和基を
有するアミノ基あるいはアミド基含有モノマーが挙げら
れる。
【0018】その他、例えば、2−(1−アジリジニ
ル)エチルメタクリレート、メタクリル酸イソシアネー
トエチル等の不飽和基を有するエチレンイミン基あるい
はイソシアネート基含有モノマーが挙げられる。
【0019】単独重合体や共重合体に前記の不飽和二重
結合と極性官能基とを有する化合物をグラフト重合せし
めることによって極性官能基含有ポリプロピレン系樹脂
(a1)を得ることができる。例えば、溶融させたポリ
プロピレンワックスに無水マレイン酸を加えながら、同
時にジアルキルパーオキサイド等の触媒を加えること
で、容易に無水マレイン酸グラフトポリプロピレンを得
ることができる。
【0020】極性官能基含有ポリプロピレン系樹脂(a
1)は、プロピレンと、前記した不飽和二重結合と極性
官能基とを有する化合物を必須成分とし、さらに必要に
応じてその他のモノマーとを共重合せしめることによっ
ても得られる。
【0021】プロピレン等と共重合し得る、その他のモ
ノマーとしては、前記した共重合体のモノマー成分とし
て例示したものの他に、アクリル酸やメタクリル酸等の
酸エステル、酸アミド、酸イミド、酸クロリド、酸金属
塩、酸無水物、あるいはその他のビニルやアリル部位を
分子中に持つ分子、あるいは上記のモノマー分子中の1
つまたは2つ以上の水素がフッ素や塩素、臭素、ヨウ素
に置換したもの挙げられる。
【0022】より具体的には、酸エステルとしては、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
2,3−エポキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,
2,2,2−テトラクロロエチル、(メタ)アクリル酸
2−メルカプトベンゾチアゾリル、(メタ)アクリル酸
p−ブロモフェニル、(メタ)アクリル酸フェロセニル
メチル、チオアクリル酸メチルケイヒ酸ビニル、ケイ
ヒ酸tert−ブチル、α−シアノアクリル酸メチル、α−
シアノケイヒ酸メチル、ソルビン酸2,3−エポキシプ
ロピル、マレイン酸モノメチル、アトロバ酸2−クロロ
エチル、ムコン酸ジエチル、酢酸アリル、フタル酸ジア
リル、安息香酸ビニル、メサコン酸ジシクロヘキシル、
エチレンスルフォン酸ブチル、イタコン酸ジエチル、
1,3−ブタジエン−1−カルボン酸2,3−エポキシ
プロピル、クロトン酸メチル等が挙げらる。
【0023】酸アミドとしては、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミド、N−アリルアセトアミド等が挙げらる。酸イ
ミドとしては、マレイミド、N−アセトキシマレイミ
ド、N−ビニルスクシニミド等が挙げらる。酸クロリド
としては、(メタ)アクリル酸クロリド、イタコン酸ク
ロリド等が挙げらる。酸金属塩としては、(メタ)アク
リル酸ナトリウム、メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸ペ
ンタアミンコバルト、トリビニルブチルスズ、エチレン
スルフォン酸ナトリウム等が挙げらる。酸無水物として
は、無水アクリル酸、無水メタクリル、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、無水マレイン酸等が挙げられ
る。
【0024】あるいはその他のビニルやアリル部位を分
子中に持つ分子としては、スチレン、塩化ビニル、フッ
化ビニル、ヨウ化ビニル、イソプレン、エチルビニルエ
ーテル、エチルビニルケトン、エチルビニルスルフィ
ド、エチルビニルスルフォキシド、塩化ビニリデン、ク
ロロ酢酸ビニル、トリエトキシビニルシラン、リン酸ジ
エチルビニル、ビニルフェノール、1−ビニルアントラ
セン、シス−スチルベン、炭酸ビニレン、アリルフェニ
ルエーテル等が挙げられる。
【0025】あるいは上記のモノマー分子中の1つまた
は2つ以上の水素がフッ素や塩素、臭素、ヨウ素に置換
したもとしては、クロロトリフルオロエチレン、2−ク
ロロ−1−プロピレン、3−クロロ−1−プロピレン、
ヘキサクロロ−1,3−ブタジエン、ヘキサフルオロ−
1,3−ブタジエン、クロロスチレン、臭化ビニル
ロロプレン、テトラフルオロホウ酸ジメチル−p−フェ
ニルスルフォニウム、2,3,4,6−ペンタフルオロ
スチレン等が挙げられる。
【0026】あるいはその他のモノマーとして1,3−
ブタジエン−1−カルボン酸、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、クロトンニトリル、クロトンアルデヒ
ド、マレオニトリル、アクロレイン等が挙げられる。
【0027】本発明において用いられる極性官能基含有
ポリプロピレン系樹脂(a1)としては、MFRが0.
1〜400の範囲にあるものが好ましく、さらに好まし
くは10〜250の範囲にある樹脂である。なお、本発
明において、MFRとは JIS K 7210 に準拠して測定さ
れたMFRである。極性官能基含有ポリプロピレン系樹
脂(a1)の、MFRが0.1未満の時は分子量が大き
いため水性化が極めて困難となり、またMFRが400
を超える場合には、マスターバッチ自体の機械的強度や
耐熱性が低くなり、マスターバッチの製造が困難になる
とともに、着色されるポリプロピレン系樹脂の耐熱性
や、強度などの諸物性に悪影響を与え易くなる。
【0028】また、これらの極性官能基含有ポリプロピ
レン系樹脂(a1)のうち、カルボキシル基含有ポリプ
ロピレンにおいて、酸価は重要であり、酸価は5〜60
0、好ましくは20〜100の範囲のものが好適に用い
られる。酸価が5未満では、水性化が困難となり、また
良好な顔料分散性、発色性が得られ難く、更に着色成形
品に色ムラやフローマークが生じ易い。また酸価が60
0を越えると吸湿しやすく成形品表面のシルバーストー
クや発泡の原因となるばかりでなく、被着色樹脂の耐候
性、耐熱性等に悪影響を及ぼす。
【0029】また、本発明においては、極性官能基とし
て一塩基酸、二塩基酸ないしその無水物をポリプロピレ
ン系樹脂に導入した場合には、一塩基酸、二塩基酸ある
いはその無水物にさらに、水酸基やアミノ基を有する化
合物を反応せしめて、エステル化、アミド化、イミド化
せしめたものを、極性官能基含有ポリプロピレン系樹脂
(a1)として用いてもよい。
【0030】本発明のポリプロピレン系樹脂水性分散体
および/またはポリプロピレン系樹脂水溶液(a)は、
上記のようにして得られた極性官能基含有ポリプロピレ
ン系樹脂(a1)を溶融し、そこへそのまま水を加える
か、あるいは中和剤と水とを加えるか、あるいは溶剤を
加えた後に中和剤と水とを加えることによって水性化、
その後ストリッピングにより脱溶剤し、水溶液あるいは
水性分散体としたものである。
【0031】本発明における極性官能基含有ポリプロピ
レン系樹脂の水性化(a1)は、水を樹脂分子中に介在
させるための手段であり、必ずしも中和をして水性化す
る必要はない。すなわち、水性化しにくい樹脂は中和す
ることで水性化しやすくなり、そうでない樹脂は温水で
環流、撹拌しているだけで水性化できる。なお、中和剤
を用いることにより着色成型物の機械物性や顔料の分散
等に悪い影響を及ぼすことはない。
【0032】極性官能基含有ポリプロピレン系樹脂(a
1)を水性化するために用いられる中和剤としては、有
機酸、無機酸、水酸化物、有機アミンなどが挙げられ、
具体的には、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、
硼酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム、アンモニア水、モノエタノールアミン、イソプロ
ピルアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジ
メチルエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタ
ノ−ルアミン、などが挙げられるが必ずしもこれらに限
定されるものではない。酸価やMFRの高い樹脂は、中
和後容易に水で希釈して水性化できる。また酸価やMF
Rの低い樹脂の場合は、溶剤と少量の水、中和剤を加え
溶液とし、その後ストリッピングにより水と置換するこ
とにより容易に水性化できる。
【0033】本発明におけるポリプロピレン系樹脂水性
分散体(a)および/またはポリプロピレン系樹脂水溶
液(a)は、混練に支障がない限り特に形態に制限はな
く、極めて低粘度のものでも、極めて高粘度で流動性を
ほとんど示さない(ゲル状)ようなものでもよく、樹脂
固形分としては1〜80%が好ましく、さらに好ましく
は20〜60%である。
【0034】本発明において用いられる顔料(b)とし
ては、有機顔料および無機顔料があり、従来から熱可塑
性樹脂の着色に使用されている公知の顔料が使用でき
る。このような顔料としては、アゾ系、アントラキノン
系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリ
ノン系、ジオキサン系、ベリレン系、キノフタロン系、
ベリノン系などの有機顔料およびそれらの湿潤プレスケ
ーキ、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、群青、二
酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム酸塩、カーボンブラッ
クなどの無機顔料がある。
【0035】本発明において用いられるポリプロピレン
系樹脂(c)としては、被着色プロピレン系樹脂と相溶
性のあるものがよい。具体的には、極性官能基含有ポリ
プロピレン系樹脂(a1)の項で説明した単独重合体、
共重合体、および該単独重合体や該共重合体に極性官能
基を付加せしめたもの、極性官能基含有共重合体等が挙
げられ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。
ポリプロピレン系樹脂(c)と極性官能基含有ポリプロ
ピレン系樹脂(a1)との相違点は、ポリプロピレン系
樹脂(c)は、極性官能基を必須とはしていないこと、
すなわちプロピレン単独重合体(ポリプロピレン)や、
プロピレンとエチレンとの共重合体等の極性官能基を有
さないものをも使用できるという点である。本発明にお
いて用いられるポリプロピレン系樹脂(c)は、プロピ
レン単位を5重量%以上含有することが望ましい。5重
量%未満だと、(a)や被着色ポリプロピレンとの相溶
が悪くなり、ポリプロピレン系樹脂(c)が相分離を起
こすこともある。
【0036】本発明の樹脂組成物は、ポリプロピレン系
樹脂水性分散体および/またはポリプロピレン系樹脂水
溶液(a)と顔料(b)を混練、脱水するか、あるいは
ポリプロピレン系樹脂水性分散体および/またはポリプ
ロピレン系樹脂水溶液(a)と顔料(b)とポリプロピ
レン系樹脂(c)を混練、脱水するものであり、(a)
1〜90重量%と(b)0.01〜90重量%を用いる
ことが望ましく、(c)を用いる場合、その使用量は1
〜90重量%であることが好ましい。(a)が1重量%
よりも少ないと、(a)が顔料(b)を十分に被覆でき
なく、被着色ポリプロピレン中での(b)の分散が不十
分となったり、一方、90重量%より多いと、含水率が
多くなるために混練や脱水の過程で弊害がでることがあ
る。一方(b)が0.01重量%よりも少ないと、高濃
度マスターバッチを得ることは難しく、一方、90重量
%より多いと、(a)や(c)が相対的に少なくなるた
め(b)の分散が不十分となり機械物性等にも悪影響が
でることがある。
【0037】本発明の樹脂組成物は、ポリプロピレン系
樹脂水性分散体および/またはポリプロピレン系樹脂水
溶液(a)が顔料(b)に対する親和性に富むため、顔
料(b)の表面を極性官能基含有ポリプロピレン系樹脂
(a1)が被覆するので、被着色体に樹脂組成物を混合
・混練する際に、被着色体に対する顔料の分散性及び着
色力が優れるようになったものである。単に極性官能基
含有ポリプロピレン系樹脂(a1)と顔料(b)とを混
合した従来の樹脂組成物を用いた場合よりも、本発明の
樹脂組成物を用いた場合の方が、被着色体に対する顔料
の分散性及び着色力に優れるのは、極性官能基含有ポリ
プロピレン系樹脂(a1)を水性媒体に溶解あるいは分
散せしめることによって、(a1)が水性媒体中で分子
状態で存在するため、顔料(b)との間に極性的な結合
が形成されやすくなったためと考えられる。
【0038】さらに、本発明においてポリプロピレン系
樹脂およびその誘導体(c)を用いると、極性的な結合
が形成されやすくなった(a1)と(b)との回りを
(c)が保護コロイド的に包む構造を取るために、顔料
の分散性、着色力がさらに向上したものと考えられる。
【0039】また、本発明ではポリプロピレン系樹脂
(c)の他に、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−EPDM
−スチレン(AES)樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン
等の熱可塑性樹脂を併用しても良い。またこれら熱可塑
性樹脂は混練に支障がない限り特に形態に制限はなく、
液状、粉体あるいはペレット状であっても良い。
【0040】本発明の樹脂組成物を得るためには、
(a)と(b)、あるいは(a)と(b)と(c)をニ
ーダーで予備混練し、さらに3本ロールミルで顔料を分
散し、単軸押出成形機でペレット化される。ここでニー
ダーによる予備混練の過程は省くこともできる。また、
これらの3程あるいは2工程を2軸押出成形機を用い
て1程で行う方法も可能である。3本ロールミルや単
軸押出成型機、2軸押出成形機で混練する際に温度を1
00℃以上に設定することによって、混練と同時に脱水
が行われる。
【0041】本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を
阻害しない範囲で、少量の酸化防止剤、紫外線吸収剤等
の安定剤や界面活性剤などの各種の添加剤を添加するこ
ともできる。また、さらに必要に応じて、充填剤、可塑
剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤、レベリング剤等の添加剤
も併用することができる。
【0042】本発明の樹脂組成物は、ほとんどすべての
ポリプロピレン系樹脂の着色に供することができ、物性
の向上を目的に無機フィラーやガラス繊維、有機繊維な
どの強化材を含むものであっても良い。例えば、従来の
マスターバッチを用いた着色では実現不可能であった強
度などの機械物性や耐熱性などへの影響なしに色ムラの
ない均一な着色が、無機充填剤や繊維強化材最大50重
量%程度含むポリプロピレン系樹脂組成物100重量部
に対して本発明の樹脂組成物を4重量部程度少量添加す
ることで実現可能である。
【0043】また、本発明の樹脂組成物は、ポリプロピ
レン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂にはもちろんの
こと、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
(ABS)樹脂、アクリロニトリル−EPDM−スチレ
ン(AES)樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン等の熱可
塑性樹脂にも配合することができる。また、本発明の樹
脂組成物は、滑材、印刷インキ、感熱インキ、トナー、
塗料、接着剤、粘着剤などの用途にも使用することが出
来る。
【0044】
【実施例】以下、本発明を具体的に実施例を持って説明
する。例中の%とは重量%を、部とは重量部を表す。ま
た実施例中の配合における水性樹脂分散体は、固形分2
5%に調製したものを用い、配合割合の%はその固形分
の割合を示している。
【0045】〔製造例1〕酸価51 のマレイン酸変性ポリプロピレンワックス「ユ
ーメックス1010」(三洋化成工業(株)製)15
0.0gをフラスコ内でキシレン450.0gで溶解
し、さらに水10.0gを加え、窒素置換した後、撹拌
しながら130℃に加熱した。樹脂が十分に溶解したと
ころでペレット状の水酸化カリウム15.9gを投入
し、2時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、メチル
エチルケトン1000.0gでキシレンを洗浄し、水4
00.0gを加え、ストリッピングにより水に置換し、
固形分27.0%、pH8.0の水性樹脂分散体を得
た。
【0046】〔製造例2〕 熱分解ポリプロピレンワックス「ビスコール660P」
(三洋化成工業(株)製)884.4gをフラスコに仕
込み、窒素置換した後、180℃に加熱、溶融させ、無
水マレイン酸(東京化成工業(株)製)115.6gを
1時間で添加、同時に2,5−ジメチル−2,5−ジ−
t−ブチルパーオキシヘキシン−3「パーヘキシン25
B」(日本油脂(株)製)4.00gを13等分して1
0分毎に滴下した。その後、系の温度を180℃に保ち
3時間撹拌した。反応終了後、未反応物を減圧により留
去し、内容物を熱時に取り出して冷却、固化させた。酸
価63.3のマレイン化ポリプロピレンワックスが得ら
れた。得られた樹脂400.0gをフラスコに入れ、窒
素置換した後、100℃に加熱し、水酸化カリウム2
6.6g添加、400.0gの水を1時間で滴下、その
後3時間撹拌し、pH10.3、固形分31.5%の水
性樹脂分散体を得た。
【0047】〔製造例3〕 製造例2と同様の方法で得た酸価63.3のマレイン化
ポリプロピレンワックス728.8gをフラスコにて、
窒素気流下、150℃に加熱し、ポリ(エチレングリコ
ール)メチルエーテル(平均分子量750)308.3
gを添加し、1時間撹拌した。その後、触媒としてp−
トルエンスルフォン酸ナトリウム0.73gを添加し、
4時間撹拌した。反応終了後、内容物を熱時に取り出し
て冷却、固化させ、酸価29.9の変性率47%の樹脂
を得た。得られた樹脂400.0gをフラスコに入れ、
窒素置換した後、100℃に加熱し、水酸化ナトリウム
9.0g添加、400.0gの水を1時間で滴下、その
後3時間撹拌し、pH9.9、固形分42.8%の水性
樹脂分散体を得た。
【0048】〔製造例4〕 ポリプロピレン・エチレン共重合体「APAO UT2
215」(宇部レキセン(株)製)800.0gをフラ
スコに入れ、窒素置換した後、200℃に加熱、溶融さ
せ、無水マレイン酸(東京化成工業(株)製)84.2
gを9等分して10分毎に添加、同時に2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキシン−3
「パーヘキシン25B」(日本油脂(株)製)29.5
gを20等分し10分毎に滴下した。滴下後、系の温度
を200℃に保ち3時間撹拌した。反応終了後、未反応
物を減圧により留去し、内容物を熱時に取り出して冷
却、固化させた。酸価27.0の樹脂が得られた。得ら
れた樹脂400.0gをフラスコに入れ、窒素置換した
後、100℃に加熱し、水酸化カリウム13.3g添
加、400.0gの水を1時間で滴下、その後3時間撹
拌し、pH8.6、固形分48.0%の水性樹脂分散体
を得た。
【0049】〔製造例5〕 ポリプロピレン・エチレン共重合体「APAO UT2
780」(宇部レキセン(株)製)800.0gをフラ
スコに入れ、窒素置換した後、200℃に加熱、溶融さ
せ、無水マレイン酸(東京化成工業(株)製)84.2
gを40分で添加、同時に2,5−ジメチル−2,5−
ジ−t−ブチルパーオキシヘキシン−3「パーヘキシン
25B」(日本油脂(株)製)29.5gを190分で
滴下した。滴下後、系の温度を200℃に保ち3時間撹
拌した。反応終了後、未反応物を減圧により留去し、内
容物を熱時に取り出して冷却、固化させた。酸価32.
0の樹脂が得られた。得られた樹脂400.0gをフラ
スコ内でキシレン450.0gで溶解し、さらに水1
0.0gを加え、窒素置換した後、撹拌しながら130
℃に加熱した。樹脂が十分に溶解したところで、イソプ
ロピルアミン14.2gを加え2時間撹拌した。その
後、室温まで冷却し、メチルエチルケトン1000.0
gでキシレンを洗浄し、水400.0gを加え、ストリ
ッピングにより水に置換し、固形分26.5%、pH
7.5のゲル状の水性樹脂分散体を得た。
【0050】〔製造例6〕 αオレフィン「ダイアレン208」(三菱化成(株)
製)1276g、ジ−t−ブチルパーオキサイド3.6
g、トルエン14gをフラスコに仕込み、窒素置換した
後、150℃で加熱、撹拌しながら、無水マレイン酸4
12gを2分毎に13.7gずつ、またジt−ブチルパ
ーオキサイド1.8gを20分毎に0.9gずつ添加し
た。添加終了後、さらにジ−t−ブチルパーオキサイド
を1g加え、系の温度を160℃に保ち、さらに6時間
反応させた。反応終了後、内容物を熱時に取り出して冷
却、固化させた。酸価234の樹脂が得られた。得られ
た樹脂30g、水70g、水酸化カリウム28.5gを
フラスコに仕込み、95℃で2時間撹拌し、pH8.
1、固形分29.8%の水性樹脂分散体を得た。
【0051】〔製造例7〕 エチレンメタクリル酸コポリマー「ニュクレルN206
0」(三井・デュポンケミカル(株))400gをフラ
スコに仕込み、窒素気流下180℃に加熱、溶融し、ポ
リ(エチレングリコール)メチルエーテル(平均分子量
750)353.4gを添加し、1時間撹拌した。その
後、触媒としてp−トルエンスルフォン酸ナトリウム
0.40gを添加し、4時間撹拌した。反応終了後、内
容物を熱時に取り出して冷却、固化させ、酸価66.1
の変性率50%の樹脂を得た。得られた樹脂270.0
gをフラスコに入れ、窒素置換した後、100℃に加熱
し、水酸化カリウム18.7g添加、400.0gの水
を1時間で滴下、その後6時間撹拌し、pH8.1、固
形分41.9%のゲル状の水性樹脂分散体を得た。
【0052】〔実施例1〜4〕 製造例1〜4で得られた水性樹脂分散体 10% フタロシアニンブルー「リオノーブルー7110V」 50% (東洋インキ製造(株)製) ポリプロピレン「三井ノーブレンJ−HG」 40% (三井東圧化学(株)製) 上記3成分を3本ロールミルで混練し、スクリュー直径
65mmの押出成形機でペレット化し、マスターバッチ
(1) を得た。この際ストランド切れや脈流を生じること
なしに順調にマスターバッチを得ることができた。ポリ
プロピレン「ハイポールJ400」(三井石油化学工業
(株)製)100重量部に、得られたマスターバッチ3
部を混合して、縦型テスト紡糸機(富士フィルター
(株)製スピニングテスター)にて、ホッパー下230
℃、混練部、ダイス部230℃にて紡糸後3倍延伸を行
い、ポリプロピレン繊維を得た。何れも紡糸性、目詰ま
り性、延伸性共問題なく良好な分散性を示した。また上
記マスターバッチ(1) とは別に、上記3成分をヘンシェ
ルミキサーでプレミックスし、スクリュー径50mm、L
/D値38の二軸同方向回転スクリュー押出機を用い、
回転数350rpm、設定温度140℃の条件で練肉・
押出した後、ペレタイザーでカットして、マスターバッ
チ(2) を得ることができた。得られたマスターバッチ
(2) 3部を、それぞれタルク20%を含有するポリプロ
ピレン組成物100部と混合して、射出成形機にて背圧
0kg/cm2でプレートに成形した。その成型品を用いて機
械的物性、表面の色ムラ、顔料の分散度、マスターバッ
チの生産性を評価した。結果を表1に示す。得られたマ
スターバッチ(2) 10部を、それぞれポリプロピレン
「ノーブレンJ−HG」100部に混合し、先端に50
0メッシュの金網を装着したスクリュー径30mmの単軸
押出機で混合物を3kg押し出し、先端部での圧力上昇値
を測定し、顔料の未分散度合いの尺度とした。結果を表
1に示す。
【0053】〔実施例5〕 製造例1で得られた水性樹脂分散体 50% フタロシアニンブルー「リオノーブルー7110V」 5% (東洋インキ製造(株)製) キナクリドンレッド「ファストゲンスーパーマゼンタRE03」 5% (大日本インキ化学工業(株)製) ポリプロピレン「三井ノーブレンJ−HG」 40% (三井東圧化学(株)製) 上記4成分を実施例1〜4と同様にしてマスターバッチ
(1) を得た。この際、ストランド切れや脈流を生じるこ
となしに、順調にマスターバッチを得ることができた。
得られたマスターバッチ(1) を実施例1〜4と同様にし
て紡糸し、ポリプロピレン繊維を得た。紡糸性、目詰ま
り性、延伸性共問題なく良好な分散性を示した。また、
実施例1〜4と同様にしてマスターバッチ(2) を得、実
施例1〜4と同様に各種の評価をし、その結果を表1に
示す。
【0054】〔実施例6〕 製造例2で得られた水性樹脂分散体 10% キナクリドンレッド「ファストゲンスーパーマゼンタRE03」 50% (日本インキ化学工業(株)製) プロピレン・エチレン共重合体「APAO UT2585」 20% (宇部レキセン(株)製) アクリル酸変性ポリプロピレン「PB1001」 20% (大日本インキ化学工業(株)製) 上記4成分を実施例1〜4と同様にしてマスターバッチ
(1) を得た。この際、ストランド切れや脈流を生じるこ
となしに、順調にマスターバッチを得ることができた。
得られたマスターバッチ(1) を実施例1〜4と同様にし
て紡糸し、ポリプロピレン繊維を得た。紡糸性、目詰ま
り性、延伸性共問題なく良好な分散性を示した。また、
実施例1〜4と同様にしてマスターバッチ(2) を得、実
施例1〜4と同様に各種の評価をし、その結果を表1に
示す。
【0055】〔実施例7〕 製造例2で得られた水性樹脂分散体 5% カーボンブラック「三菱カーボンMA−100」 50% (三菱化成工業(株)製) ポリプロピレン「三井ノーブレンJ−HG」 45% (三井東圧化学(株)製) 上記3成分を実施例1〜4と同様にしてマスターバッチ
(1) を得た。この際、ストランド切れや脈流を生じるこ
となしに、順調にマスターバッチを得ることができた。
得られたマスターバッチ(1) を実施例1〜4と同様にし
て紡糸し、ポリプロピレン繊維を得た。紡糸性、目詰ま
り性、延伸性共問題なく良好な分散性を示した。また、
実施例1〜4と同様にしてマスターバッチ(2) を得、実
施例1〜4と同様に各種の評価をし、その結果を表1に
示す。
【0056】〔実施例8〕 製造例4で得られた水性樹脂分散体 50% 縮合アゾイエロー「クロモフタルイエローGR」 50% (チバガイギー(株)製) 上記2成分を実施例1〜4と同様にしてマスターバッチ
(1) を得た。この際、ストランド切れや脈流を生じるこ
となしに、順調にマスターバッチを得ることができた。
得られたマスターバッチ(1) を実施例1〜4と同様にし
て紡糸し、ポリプロピレン繊維を得た。紡糸性、目詰ま
り性、延伸性共問題なく良好な分散性を示した。また、
実施例1〜4と同様にしてマスターバッチ(2) を得、実
施例1〜4と同様に各種の評価をし、その結果を表1に
示す。
【0057】〔実施例9〕 製造例4で得られた水性樹脂分散体 20% 縮合アゾイエロー「クロモフタルイエローGR」 40% (チバガイギー(株)製) アクリル酸変性ポリプロピレン「PB1001」 40% (大日本インキ化学工業(株)製) 上記3成分を実施例1〜4と同様にしてマスターバッチ
(1) を得た。この際、ストランド切れや脈流を生じるこ
となしに、順調にマスターバッチを得ることができた。
得られたマスターバッチ(1) を実施例1〜4と同様にし
て紡糸し、ポリプロピレン繊維を得た。紡糸性、目詰ま
り性、延伸性共問題なく良好な分散性を示した。また、
実施例1〜4と同様にしてマスターバッチ(2) を得、実
施例1〜4と同様に各種の評価をし、その結果を表1に
示す。
【0058】〔実施例10〕 製造例3で得られた水性樹脂分散体 5% 製造例5で得られた水性樹脂分散体 15% 弁柄「トダカラー180ED」(戸田工業(株)製) 45% 酸化チタン「タイピュアR−101」(E.I.デュポン(株)製) 5% アクリル酸変性ポリプロピレン「PB1001」 30% (大日本インキ化学工業(株)製) 上記5成分をニーダーで混練し、スクリュー直径65mm
の押出成形機でペレット化し、マスターバッチを得た。
この際、ストランド切れや脈流を生じることなしに順調
にマスターバッチを得ることができた。ポリプロピレン
「ハイポールJ400」(三井石油化学工業(株)製)
100重量部に、得られたマスターバッチ3部を混合し
て、縦型テスト紡糸機(富士フィルター(株)製スピニ
ングテスター)にて、ホッパー下230℃、混練部、ダ
イス部230℃にて紡糸後3倍延伸を行い、ポリプロピ
レン繊維を得た。何れも紡糸性、目詰まり性、延伸性共
問題なく良好な分散性を示した。また、得られたマスタ
ーバッチを用いて、実施例1〜4と同様に各種の評価を
し、その結果を表1に示す。
【0059】〔実施例11〕 製造例5で得られた水性樹脂分散体 30% 弁柄「トダカラー180ED」(戸田工業(株)製) 5% 酸化チタン「タイピュアR−101」(E.I.デュポン(株)製) 45% プロピレン・エチレンランダム共重合体「F655P」 10% (三井石油化学工業(株)) プロピレン・ブテン共重合体「APAO UT2780」 10% (宇部レキセン(株)製) 上記5成分を実施例10と同様にしてマスターバッチを
得た。この際、ストランド切れや脈流を生じることなし
に、順調にマスターバッチを得ることができた。得られ
たマスターバッチを実施例10と同様にして紡糸し、ポ
リプロピレン繊維を得た。紡糸性、目詰まり性、延伸性
共問題なく良好な分散性を示した。また、得られたマス
ターバッチを用いて、実施例1〜4と同様に各種の評価
をし、その結果を表1に示す。
【0060】〔比較例1〕 実施例1〜4で用いた水性樹脂分散体の代わりに熱分解
ポリエチレンワックス「サンワックス131P」(三洋
化成工業(株)製)を用い、それ以外は実施例1〜4と
同様の組成と方法でマスターバッチ(1) を得た。この
際、多少の脈流を生じたが、ストランド切れを起こすこ
となくマスターバッチを得ることができた。続いて、実
施例1〜4と同様に紡糸を行ったが、目詰まりによる糸
切れが発生した。また、実施例1〜4と同様にしてマス
ターバッチ(2) を得、実施例1〜4と同様に各種の評価
をし、その結果を表1に示す。
【0061】〔比較例2〕 実施例6で用いた水性樹脂分散体の代わりに、製造例6
で得られたαオレフィン・無水マレイン酸共重合体を用
い、それ以外は実施例6同様の組成と方法でマスターバ
ッチ(1) を得た。この際、著しいストランド切れや脈流
を生じ、連続して順調にペレット形状の良好なマスター
バッチを得ることができなかった。続いて、実施例1〜
4と同様に紡糸を行ったが、目詰まりによる糸切れが発
生した。また、実施例1〜4と同様にしてマスターバッ
チ(2) を得、実施例1〜4と同様に各種の評価をし、そ
の結果を表1に示す。
【0062】〔比較例3〕 実施例9で用いた水性樹脂分散体の代わりに、製造例7
の水性樹脂分散体、それ以外は実施例6と同様の組成と
方法でマスターバッチ(1) を得た。この際、多少の脈流
を生じたが、ストランド切れを起こすことなくマスター
バッチを得ることができた。続いて、実施例1〜4と同
様に紡糸を行ったが、目詰まりによる糸切れが発生し
た。また、実施例1〜4と同様にしてマスターバッチ
(2) を得、実施例1〜4と同様に各種の評価をし、その
結果を表1に示す。
【0063】〔比較例4〕 実施例11で用いた水性樹脂分散体の代わりに、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル・無水マレイン酸共重合体「ビニライ
トVMCH」(ユニオンカーバイト(株)製)を用い、
それ以外は実施例6と同様の組成と方法でマスターバッ
チを得た。この際、著しいストランド切れを起こし、連
続して順調にペレット形状の良好なマスターバッチを得
ることができなかった。続いて、実施例1〜4と同様に
紡糸を行ったが、目詰まりによる糸切れが発生した。ま
た、得られたマスターバッチを用いて、実施例1〜4と
同様に各種の評価をし、その結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、顔料含有率が非
常に高いにもかかわらず、ポリプロピレン系樹脂に対す
る顔料分散性に優れており、高度な顔料分散が要求され
る繊維製品の着色において、その着色力および加工性に
大きな効果を発揮するものである。また従来、マスター
バッチによる均一な着色が困難であり、機械的物性や耐
熱性などの物性が特に重視される無機フィラーや繊維強
化材を高い割合で含有するポリプロピレン系樹脂組成物
の着色に対しても極めて有効であり、色ムラのない着色
を可能とするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井口 昭義 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋 インキ製造株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−244671(JP,A) 特開 平2−175770(JP,A) 特開 平2−43243(JP,A) 特開 平7−216097(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/20 - 3/22 C08L 23/00 - 23/36

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂水性分散体および
    /またはポリプロピレン系樹脂水溶液(a)と顔料
    (b)を混練、脱水してなる樹脂組成物の製造方法であ
    って、ポリプロピレン系樹脂水性分散体および/または
    ポリプロピレン系樹脂水溶液(a)が、プロピレン単位
    を5重量%以上含有する極性官能基含有ポリプロピレン
    系樹脂(a1)を1種類あるいは2種類以上、水性媒体
    中に分散および/または溶解せしめてなることを特徴と
    する樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 さらにポリプロピレン系樹脂(c)を加
    え、混練、脱水してなることを特徴とする請求項1記載
    の樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系樹脂水性分散体および
    /またはポリプロピレン系樹脂水溶液(a)の固形分が
    1〜80重量%であることを特徴とする請求項1または
    記載の樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリプロピレン系樹脂(c)が、プロピ
    レン単独重合体、またはプロピレン単位を5重量%以上
    含有する共重合体、あるいはその誘導体を1種類あるい
    は2種類以上含むことを特徴とする請求項2または3
    載の樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4いずれか記載の樹脂組
    成物の製造方法により得られる樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項5記載の樹脂組成物を用いて得られ
    る成形品。
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