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JP3346884B2 - 立体音響受聴装置 - Google Patents
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JP3346884B2 - 立体音響受聴装置 - Google Patents

立体音響受聴装置

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JP3346884B2
JP3346884B2 JP09094194A JP9094194A JP3346884B2 JP 3346884 B2 JP3346884 B2 JP 3346884B2 JP 09094194 A JP09094194 A JP 09094194A JP 9094194 A JP9094194 A JP 9094194A JP 3346884 B2 JP3346884 B2 JP 3346884B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘッドホン,イヤホン
等を利用し、受聴者の頭部周りの各方向から到来する音
の音波伝達特性を伝達フィルタとしてソース音に畳み込
むことにより、音像の方向定位を得る立体音響受聴装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人間が音を受聴するとき、音源位置の方
向により頭部の形状や耳介の影響を受けて伝達特性が変
化する。そこで、従来のこの種の立体音響受聴装置で
は、この伝達特性をデジタルフィルタで再現し、これを
もとの原音(以下、ソース音と称す)に畳み込むことに
よって、音像の方向定位を実現している。
【0003】例えば、図5に示すように、受聴者の頭部
Mを含む空間中の音源位置Sで音S0 が発せられている
場合、音源位置Sより空間中の音波伝搬特性を受けて受
聴者の左右の耳El,Erに届く音はSl,Srとな
る。このとき、音源位置Sより左右の耳El,Erに至
る音の伝達特性をHl,Hrとすると、
【0004】
【数1】
【0005】で表され、伝達特性はそれぞれ、
【0006】
【数2】
【0007】となる。
【0008】通常、この伝達特性を測定する一手法とし
て、音源位置Sよりインパルスを出力し、受聴者の左右
の耳El,Erにマイクロホンを設置するか、受聴者の
頭部形状を模したダミーヘッドを用いてその両耳にマイ
クロホンを設置し、音源位置Sからの応答Sl,Srを
測定する。これにより、数式2から伝達特性Hl,Hr
を算出し、ソース音に畳み込むことによって、音に伝達
特性を付加することができる。ここで、図6はインパル
スレスポンスの一例を示す時間領域の波形図である。
【0009】また、基本的な畳み込み演算部の構成は、
図7に示すように、原信号に複数の1サンプル遅延素子
- 1 が従属に接続され、原信号及び各遅延信号に伝達
特性フィルタの係数h1 ,h2 ,…,hn が乗じられて
その総和が出力されるデジタルフィルタからなる。
【0010】さらに、この音像の定位を受聴者の周り全
方向に対して実現するためには、受聴者の頭部周り全て
の角度について上述した伝達特性フィルタを用意する必
要があるが、これは事実上困難であるため、実際には一
定間隔毎に伝達特性フィルタを保持し、それを近似的に
使用することによって全方向の定位を実現している。
【0011】図8は伝達特性フィルタの保持間隔の一例
を示す説明図であり、図8において、伝達特性フィルタ
を保持している位置は黒点で表しており、受聴者の頭部
Mの周り全方向に等間隔で伝達特性フィルタを保持して
いる。尚、図8中、仰角のみ等間隔と表示しているが、
方位角も同様に等間隔で伝達特性フィルタを保持してい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の立体音
響受聴装置においては、伝達特性フィルタを一定間隔毎
に保持しているが、より精度の高い音像の定位を得よう
とすると、より多くの方向の伝達特性フィルタが必要と
なり、従って、そのための多数の伝達特性フィルタ(デ
ータ)の作成やそれらを記憶するための大量の記憶領域
を必要とするという問題があった。
【0013】一方、受聴者が音の到達する方向を識別す
る能力(音の弁別限)は、図9及び図10方向に示すよ
うに、方向によって異なる。しかしながら、従来の立体
音響受聴装置の場合、弁別限の大きい方向も小さい方向
も同じ間隔で保持された伝達特性フィルタにより近似し
たフィルタ係数を用いており、音に全方向同程度の伝達
特性情報を付加することになっている。このため、各方
向によって音像の定位にバラつきが生じ、特に弁別限が
小さい方向で音像の定位が不明瞭になりやすいという問
題もあった。
【0014】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであり、必要以上に大量のデータを必要とせず、各
方向に対して一定した定位感を得、安定した音像の定位
を実現可能とした立体音響受聴装置を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明にかかる立体音響受聴装置は、受聴者の頭
部周りの各方向から到来する音の音波伝達特性を伝達
フィルタとしてソース音に畳み込むことにより、音像
の方向定位を得る立体音響受聴装置において、上記伝達
特性フィルタの間隔、より細かく弁別が可能な受聴者
の正面方向では狭く、分別限が大きくなる受聴者の横方
向では広く設定することにより、全方向に対して一定し
た安定感を得ることを特徴とする
【0016】
【作用】本発明にかかる立体音響受聴装置では、伝達フ
ィルタを人間の音の弁別限に対応した間隔で保持してい
るので、全方向に対して同程度の定位感を得、安定した
音像の定位を実現することが可能となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の立体音響受聴装置の一実施例
を、図1乃至図4とともに説明する。
【0018】本実施例の立体音響受聴装置は、図1に示
すように、再生する音信号の出力と音を再生する位置情
報の出力を行う音源出力部1と、該音源出力部1より出
力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するための
D/A変換器2と、伝達特性フィルタを記憶する記憶部
3と、上記音源出力部1から出力された音源位置情報に
基づき上記記憶部3から伝達特性フィルタを読み出して
左右の信号処理を行うフィルタの係数を決定する情報処
理部4と、左右それぞれで決定されたフィルタ係数をソ
ース音に畳み込む信号処理を行う信号処理部5と、該信
号処理部5で処理された後のデジタル信号をアナログ信
号に変換するD/A変換器6と、音の再生を行うヘッド
ホン7とを備えている。
【0019】上記構成において、音源出力部1は、ソー
ス音の出力制御とソース音を定位させる空間中の位置と
を、内部のメモリ(図示せず)に記憶し、この出力を行
う。さらに、磁気センサー(図示せず)を受聴者の頭部
に付けて、受聴者の頭部の位置及び傾きを検知し、この
情報を音源出力部1に入力することにより、受聴者の頭
部の動きを考慮した受聴者に対するソース音の位置情報
を出力することも可能である。
【0020】また、記憶部3は、人間の音の弁別限に対
応した間隔で左右両耳分の伝達特性フィルタを保持し記
憶している。ここで、音の弁別限とは、人間の周りから
到来する音の到来方向の差を判別できる最小の角度差の
ことで、図9及び図10に示すように、各方向で異なっ
ている。図9及び図10において、円の中心からの距離
が弁別限を表し、斜線内は弁別できない範囲である。
【0021】図9によると、水平面において、正面が一
番良く音の弁別ができ、約1°の弁別が可能であり、正
面から横方向になるのにしたがって急激に弁別できる角
度が大きくなり、90°方向で最大になる。さらに後方
では正面方向に比べて弁別が悪くなっている。また、図
10によると、正中面において、水平面から離れるにし
たがって弁別できる角度が広がっており、さらに下方で
は上方よりも弁別できる角度差が大きくなっている。
【0022】従って、記憶部3では、図2に示すよう
に、より細かく弁別が可能な正面方向などでは伝達特性
フィルタをより狭い間隔で保持し、弁別限が大きくなる
横方向などでは伝達特性フィルタの保持間隔を広くとっ
て記憶している。このように、弁別限に比した間隔で伝
達特性フィルタを保持することにより、全方向に対して
一定した安定感を得ることが可能となる。尚、図2中、
黒点で表した位置が伝達特性フィルタを保持している位
置を示している。
【0023】尚、この伝達特性フィルタの保持間隔は、
正面方向等の狭い部分で約5°間隔、上下横方向等の広
い部分で約20〜30°間隔に設定することにより、効
果が現れることがわかっている。
【0024】情報処理部4は、音源位置情報を基に記憶
部3から伝達特性フィルタを読み出し、信号処理を行う
フィルタ係数を決定するが、その動作について図3及び
図4とともに説明する。音源位置Sより発せられた音は
点Sxの方向から受聴者の左耳Elに到達することにな
る。このため、情報処理部4は、点Sxの周りに点在す
る4つの伝達特性フィルタを記憶部3から読み出し、そ
れらより信号処理を行う伝達特性フィルタを合成する。
【0025】このとき、点Sxから4つの伝達特性フィ
ルタまでの距離に比例した0から1までの実数Ra,R
b,Rc,Rdを用いて、
【0026】
【数3】
【0027】により、合成後の伝達特性フィルタのフィ
ルタ係数Hxを求める。さらに、音源位置Sからの音の
遅延時間も考慮した上でフィルタ係数を決定する。
【0028】そして、上述のように情報処理部4で決定
した伝達特性フィルタを、信号処理部5の上記従来例で
説明した畳み込み演算部(図7参照)にて畳み込み演算
し、音像の定位を行った後、D/A変換器6でアナログ
信号に戻して、ヘッドホン7にて立体音響を再生する。
【0029】
【発明の効果】本発明にかかる立体音響受聴装置は、上
記のような構成としているので、全ての方向に対して一
定した定位感を得ることができ、音像定位のバラツキを
無くし、音の弁別限の狭い方向で定位感が不明瞭になる
のを防止して、受聴者に安定した定位感を与えることが
可能となる。
【0030】また、受聴者に同じ定位感を感じさせるに
しても、従来のものに比べて伝達特性フィルタの数量を
減らすことができ、伝達特性フィルタ作成の手間が省け
るとともに、これを記憶するための記憶容量を大幅に減
少させることができる。換言すると、従来と同じデータ
量で、より精度の高い定位感を得ることができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体音響受聴装置の一実施例の構成を
示すブロック図である。
【図2】本発明の立体音響受聴装置の一実施例における
伝達特性フィルタの保持間隔を示す概略説明図である。
【図3】本発明の立体音響受聴装置の一実施例における
伝達特性フィルタの選択方法を示す概略説明図である。
【図4】本発明の立体音響受聴装置の一実施例における
伝達特性フィルタ係数の求め方を示すが説明図である。
【図5】音源と受聴者との位置関係を示す概略説明図で
ある。
【図6】時間領域におけるインパルスレスポンスの一例
を示す波形図である。
【図7】従来の立体音響受聴装置における畳み込み演算
部の構成を示す説明図である。
【図8】従来の立体音響受聴装置における伝達特性フィ
ルタの保持間隔を示す概略説明図である。
【図9】人間の水平面における音の弁別限を示す説明図
である。
【図10】人間の正中面における音の弁別限を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 音源出力部 2 A/D変換器 3 記憶部 4 情報処理部 5 信号処理部 6 D/A変換器 7 音再生ヘッドホン

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受聴者の頭部周りの各方向から到来する
    音の音波伝達特性を伝達特性フィルタとしてソース音に
    畳み込むことにより、音像の方向定位を得る立体音響受
    聴装置において、 上記伝達特性フィルタの間隔、より細かく弁別が可能
    な受聴者の正面方向では狭く、分別限が大きくなる受聴
    者の横方向では広く設定することにより、全方向に対し
    て一定した安定感を得ることを特徴とする立体音響受聴
    装置。
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