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JP3348964B2 - 希土類金属アルコキシアルコラートの製造法 - Google Patents
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JP3348964B2 - 希土類金属アルコキシアルコラートの製造法 - Google Patents

希土類金属アルコキシアルコラートの製造法

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JP3348964B2
JP3348964B2 JP07763194A JP7763194A JP3348964B2 JP 3348964 B2 JP3348964 B2 JP 3348964B2 JP 07763194 A JP07763194 A JP 07763194A JP 7763194 A JP7763194 A JP 7763194A JP 3348964 B2 JP3348964 B2 JP 3348964B2
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子 公 良 金
立 千 秋 御
田 邦 俊 吉
井 明 義 永
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、希土類金属アルコキシア
ルコラートの製造法に関し、さらに詳しくは、希土類金
属酸化物の微粉末、薄膜、ファイバー、コーティング材
等を製造する際の有用な前駆体となる希土類金属アルコ
キシアルコラートの製造法に関するものである。この希
土類金属酸化物の微粉末、薄膜、ファイバー、コーティ
ング材等は、蛍光体、触媒、セラミックス、光学ガラ
ス、研磨材、磁石または機能性電子材料として幅広い分
野で用いられる。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、希土類金属、Cu等のアル
コキシアルコラートあるいはこれらの金属アルコキシア
ルコラートの製造方法としては下記に示すようにいくつ
か知られている。 (1) 特開昭62−281835号公報には、下記一般式
で示される金属アルコキシアルコキシドが記載されてい
る。
【0003】
【化6】
【0004】(式中、M3はスカンジウム、イットリウ
ムおよびランタンより選ばれた金属を表し、n、mおよ
びpは同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ
1〜12の正の整数より選ばれ、Zは(R10)−また
は(R1)−を表し、R1およびR2は同一のもしくは相
異なる1〜20個の炭素原子を含むアルキル基を表
す。) また、上記公報には、このような金属アルコキシアルコ
キシドは、アルコール反応体を含むアルコキシアルコー
ルと金属との直接反応によって合成されることが記載さ
れている。 (2) 特開平3−285827号公報には、上記と同様な
反応によりLa(OC24OCH33が得られることが
記載されている。 (3) ケミカル アブトスラクト第117巻102829
dには、Ndとアルコールを原料とし、電解反応により
Nd(OC24OCH33が得られることが記載されて
いる。 (4) ケミカル アブトスラクト 12th コレクティブ イ
ンデックス フォーミュラズには、C1227ErO6に相
当する化合物として、
【0005】
【化7】
【0006】が記載され、また、C1227EuO6に相
当する化合物として、 Eu(OCH2CH2CH2OCH33 が記載されている。 (5) 特開昭63−270688号公報には、下記反応式
で示すように有機カルボン酸銅とアルコキシアルコール
とをアルカリ金属Aの存在下で反応させる銅(II)アル
コキシアルコレートの合成法が記載されている。
【0007】
【化8】
【0008】[式中、R1、R3は水素原子または低級ア
ルキル基を示し、R2は低級アルキル基を示し、nは1
または2の整数を示し、Aはアルカリ金属を示す。] 一方、希土類金属アルコキシドの製造方法としては、下
記のような方法が知られている。 (6) 無水塩化スカンジウムとメタノールを反応させて、
メトキシスカンジウムを合成する方法[ツァイトシュリ
フト フィル アノーガニッシュ ウンド アルゲマイネ
ケミー,第67〜71頁第325巻(1−2)1963
年]:
【0009】
【化9】
【0010】(7) 希土類金属塩化物の無水物とアルカリ
金属アルコキシドとを反応させて、希土類金属のアルコ
キシ化合物を合成する方法[プロシーディング ヌクレ
ア ラジエイション ケミカル シンポジウム(Proceedin
g Nuclear Radiation ChemicalSymposium)第15〜1
9頁(1964年)]:
【0011】
【化10】
【0012】(式中、M"はPr、Nd、Laを示
す。) (8) 希土類金属のイットリウム(Y)とアルコールと
を、塩化第2水銀触媒の存在下で反応させて、プロポキ
シイットリウムを合成する方法[インオーガニックケミ
ストリー(Inorganic Chemistry)第5(3)巻第34
2〜346頁(1966年)]:
【0013】
【化11】
【0014】(9) 希土類金属カルボン酸塩とアルカリ金
属アルコキシドとを反応させて、希土類金属のアルコキ
シドを合成する方法[特公昭62−6694号公報]:
【0015】
【化12】
【0016】(式中、Mは希土類金属を示し、Xはカル
ボン酸残基を示し、Rはアルキル基を示し、Aはアルカ
リ金属を示す。) (10) ハロゲン化ランタンとアルカリ金属アルコキシド
とを、反応溶剤としてトルエンを使用し研磨攪拌を行い
つつ反応させて、アルコキシランタンを合成する方法
[特開平6−1737号公報]:
【0017】
【化13】
【0018】しかしながら、希土類金属のアルコキシア
ルコラートを、容易に高収率かつ高純度で工業的に量産
しうるような希土類金属のアルコキシアルコラートの製
造法および、上記La、Sc、Nd、Er、Euおよび
Y以外の希土類金属のアルコキシアルコラートについて
は、未だ知られていない。
【0019】なお、上記した公知技術のうち、希土類金
属のアルコキシアルコラートの合成法としては、上記
(1)においてランタンにメトキシエタノールを反応させ
てLa(OC24OCH33を得る方法が記載されてい
るが、この出発原料のランタンは他の希土類金属と同様
に非常に高価であり、かつこの反応を完結させるために
は24時間もの長時間の加熱還流を必要とし、しかもそ
の収率は62%と低いとの問題点があった。したがっ
て、希土類金属のアルコキシアルコラートを工業的に大
量に製造する方法としては、コスト的にも問題がある。
【0020】
【発明の目的】本発明は上記のような従来技術に伴う問
題点を解決しようとするものであって、種々の希土類金
属アルコキシアルコラートを、容易に高収率かつ高純度
で工業的に量産しうるような希土類金属アルコキシアル
コラートの製造法を提供することを目的としている。
【0021】本発明は、希土類金属酸化物の微粉末、薄
膜、ファイバー、コーティング材等を製造する際の有用
な前駆体となるような新規な希土類金属アルコキシアル
コラートを提供することを目的としている。この希土類
金属酸化物の微粉末、薄膜、ファイバー、コーティング
材等は、蛍光体、触媒、セラミックス、光学ガラス、研
磨材、磁石または機能性電子材料として幅広い分野での
利用が期待できる。
【0022】
【発明の概要】本発明に係る希土類金属アルコキシアル
コラートの第1の製造法は、 一般式(II): M1 b3 …(II) [式中、M1は希土類金属を示し、Xはカルボン酸残基
を示し、bは1または2を示す。但し、bが1の場合、
Xは1価のカルボン酸残基を示し、bが2の場合、Xは
2価のカルボン酸残基を示す。]で表される希土類金属
カルボン酸塩と、 一般式(III):
【0023】
【化14】
【0024】[式中、Aはアルカリ金属を示し、R1
水素原子または低級アルキル基を示し、R2は低級アル
キル基を示し、aは1〜3の整数を示す。]で表される
アルカリ金属アルコキシアルコラートとを反応させるこ
とを特徴としており、このような反応により、 一般式(I-a):
【0025】
【化15】
【0026】[式中、M1およびR1、R2、aは上記に
同じ。]で表される希土類金属アルコキシアルコラート
を製造している。本発明に係る希土類金属アルコキシア
ルコラートの第2の製造法は、 一般式(II): M1 b3 …(II) [式中、M1、Xおよびbは上記に同じ。]で表される
希土類金属カルボン酸塩と、 一般式(IV):
【0027】
【化16】
【0028】[式中、R1、R2およびaは上記に同
じ。]で表されるアルコキシアルコールとを、アルカリ
金属(A)の存在下で反応させることを特徴としてお
り、このような反応により、 一般式(I-a):
【0029】
【化17】
【0030】[式中、M1、R1、R2およびaは上記に
同じ。]で表される希土類金属アルコキシアルコラート
を製造している。本発明によれば、下記一般式(I)で
表わされるような希土類金属アルコキシアルコラートが
得られる。
【0031】一般式(I):
【0032】
【化18】
【0033】[式中、MはCe、Pr、Sm、Dy、H
o、Tm、YbまたはLuを示し、R1は水素原子また
は低級アルキル基を示し、R2は低級アルキル基を示
し、aは1〜3の整数を示す。]上記のような本発明に
よれば、種々の希土類金属アルコキシアルコラートを、
容易に高収率かつ高純度で工業的に量産しうるような希
土類金属アルコキシアルコラートの製造法が提供され
る。
【0034】上記のような本発明により得られる希土類
金属アルコキシアルコラートは、希土類金属酸化物の微
粉末、薄膜、ファイバー、コーティング材等を製造する
際の前駆体として用いられる。この希土類金属酸化物の
微粉末、薄膜、ファイバー、コーティング材などは、蛍
光体、触媒、セラミックス、光学ガラス、研磨材、磁
石、機能性電子材料等として幅広い分野での利用が期待
される。
【0035】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る希土類金属ア
ルコキシアルコラートの製造法および新規な希土類金属
アルコキシアルコラートについて具体的に説明する。
【0036】なお、以下の説明において、例えば、式
(A)で表わされる化合物を、「化合物(A)」のように
表わすことがある。 [希土類金属アルコキシアルコラートの第1の製造法]
本発明においては、下記一般式(II)で表される希土類
金属カルボン酸塩と、下記一般式(III)で表されるア
ルカリ金属アルコキシアルコラートとを反応させること
により、下記一般式(I-a)で表わされる希土類金属ア
ルコキシアルコラートを製造している。
【0037】 一般式(II): M1 b3 …(II) [式中、M1は希土類金属を示し、Xはカルボン酸残基
を示し、bは1または2を示す。但し、bが1の場合、
Xは1価のカルボン酸残基を示し、bが2の場合、Xは
2価のカルボン酸残基を示す。] 一般式(III):
【0038】
【化19】
【0039】[式中、Aはアルカリ金属を示し、R1
水素原子または低級アルキル基を示し、R2は低級アル
キル基を示し、aは1〜3の整数を示す。] 一般式(I-a):
【0040】
【化20】
【0041】[式中、M1は希土類金属を示し、R1は水
素原子または低級アルキル基を示し、R2は低級アルキ
ル基を示し、aは1〜3の整数を示す。] さらに具体的に説明すると下記のとおりである。
【0042】
【化21】
【0043】(式中、M1、X、A、R1,R2、a、b
は前記に同じ。) すなわち、上記式(II)で表わされる希土類金属カルボ
ン酸塩と後述するような有機溶媒とからなる混合液に、
式(III)で表わされるアルカリ金属のアルコキシアル
コラート溶液を例えば約10分間かけて徐々に滴下す
る。次いで、得られた上記希土類金属カルボン酸塩(I
I)およびアルカリ金属アルコキシアルコラート(III)
を含む混合液を、室温から用いられる有機溶媒の還流温
度である80〜180℃、好ましくは100〜140℃
に加温し、この溶媒の還流温度にて通常、2〜4時間程
度攪拌する。このように希土類金属カルボン酸塩(II)
およびアルカリ金属アルコキシアルコラート(III)を
含む混合液を、溶媒の還流温度で上記のような時間攪拌
すると、上記式(I-a)で表わされる希土類金属アルコ
キシアルコラートおよび副生物であるアルカリ金属のカ
ルボン酸塩(XAb)が含まれた有機溶媒溶液(反応
液)が得られる。
【0044】得られた反応液を濾過することにより、副
生物であるアルカリ金属のカルボン酸塩(XAb)を除
去すると、均一透明な希土類金属アルコキシアルコラー
ト(I-a)の有機溶媒溶液が得られる。次いで、この希
土類金属アルコキシアルコラート(I-a)の有機溶媒溶
液から有機溶媒を蒸発させ希土類金属アルコキシアルコ
ラート(I-a)を乾燥固化させれば、所望の希土類金属
アルコキシアルコラート(I-a)が得られる。
【0045】なお、このようにして得られた希土類金属
アルコキシアルコラート(I-a)の有機溶媒溶液中に、
アルカリ金属のカルボン酸塩(XAb)が含まれている
場合には、下記のようにして除去すればよい。すなわ
ち、この希土類金属アルコキシアルコラートの有機溶媒
溶液から有機溶媒を蒸発させることにより、希土類金属
アルコキシアルコラートの析出乾固物を得る。次いで、
この析出乾固物に後述するようなトルエン、キシレン等
の有機溶媒を加えて希土類金属アルコキシアルコラート
(I-a)の析出乾固物を再び溶解させ、この有機溶媒に
対する不溶分を再度濾別することにより、副生物(XA
b)等の不純物をほとんど含まない均一透明な希土類金
属アルコキシアルコラート(I-a)の有機溶媒溶液(濾
液)を得ることができる。
【0046】上記式(II)で表わされる希土類金属のカ
ルボン酸塩としては、従来公知のものが用いられる。例
えば、「化学大辞典」共立出版1989年8月15日発行の例
えば第3巻第819B頁には、スカンジウムの酢酸塩無水
物が記載されており、また特開昭59-186935号公報など
にも種々の希土類金属カルボン酸塩が記載されており、
このような希土類金属のカルボン酸塩(II)は、従来公
知の合成方法により得られる。
【0047】希土類金属カルボン酸塩は通常無水塩の他
に数分子の結晶水を有する含水塩が知られている。本発
明で用いられる希土類金属カルボン酸塩は全て無水塩で
あり、この無水塩は必要に応じて希土類金属カルボン酸
の含水塩を熱処理し結晶水を除くことにより容易に得ら
れる。
【0048】式(II)で表わされる希土類金属のカルボ
ン酸塩を製造する際には、希土類金属酸化物とカルボン
酸を反応させる方法が用いられ、希土類金属元素
(M1)としては、具体的には、スカンジウム(S
c)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウ
ム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(N
d)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガ
ドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシ
ウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(E
r)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ル
テチウム(Lu)が挙げられる。
【0049】カルボン酸としては、1価または2価のカ
ルボン酸が用いられ、具体的には、例えば、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、安息香酸等の1価のカルボン酸、シ
ュウ酸等の2価のカルボン酸が挙げられ、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸が好ましく用いられる。
【0050】このような希土類金属カルボン酸塩(II)
としては、具体的には、例えば、Sc(OCOC
33、Y(OCOCH33、La(OCOCH33
La(OCOH)3、La(OCOC253、La(O
COC653、Ce(OCOCH33、Pr(OCO
CH33、Nd(OCOCH33、Sm(OCOC
33、Eu(OCOCH33、Gd(OCOC
33、Tb(OCOCH33、Dy(OCOC
33、Ho(OCOCH33、Er(OCOC
33、Tm(OCOCH33、Yb(OCOC
33、Lu(OCOCH33等のように式(II)にお
いてXが1価のカルボン酸残基である化合物、La
2(C243等のように式(II)においてXが2価のカ
ルボン酸残基である化合物が挙げられる。
【0051】上記式(III)で表わされるアルカリ金属
アルコキシアルコラートは、特開昭63−270688
号公報などに記載され、従来公知の合成法により得られ
る。この式(III)で表わされる化合物:
【0052】
【化22】
【0053】において、Aは、アルカリ金属を示し、具
体的には、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等
が挙げられるが、入手の容易さ、経済性等を考慮する
と、ナトリウムが最も好ましく用いられる。R1は水素
原子または低級アルキル基を示し、このような低級アル
キル基として、具体的には、例えば、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、n-ブチル基等の炭素数が1〜4程度
の直鎖状アルキル基、i-プロピル基等の炭素数が1〜4
程度の分岐鎖状アルキル基等が挙げられる。これらのう
ちでは特にメチル基、エチル基が好ましい。R2は、低
級アルキル基を示し、R1と同一であってもよく、aは
1〜3の整数を示す。
【0054】このようなアルカリ金属アルコキシアルコ
ラート(III)としては、具体的には、例えば、リチウ
ムエトキシエチレート、ナトリウムエトキシエチレー
ト、ナトリウムメトキシエチレート、ナトリウム1-メ
トキシ2-プロピレート、ナトリウム4-メトキシ1-ブ
チレート、ナトリウムn-ブトキシ2-エチレート、ナト
リウム3-エトキシ1-プロピレート、ナトリウム2-i
プロポキシエチレート、カリウムエトキシエチレート等
が挙げられ、ナトリウムエトキシエチレート、ナトリウ
ムメトキシエチレート、ナトリウム1-メトキシ2-プロ
ピレート、ナトリウム4-メトキシ1-ブチレート、ナト
リウムn-ブトキシ2-エチレート、ナトリウム3-エト
キシ1-プロピレート、ナトリウム2-iプロポキシエチ
レート等のナトリウムアルコキシアルコラートが好まし
く用いられる。
【0055】このようなアルカリ金属アルコキシアルコ
ラート(III)を形成する際に用いられるアルコキシア
ルコール(IV)としては、「溶剤ハンドブック」(第12
2頁,昭和41年5月,産業図書発行)に記載されているもの
が用いられ、具体的には、例えば、エチレングリコール
のモノエーテル類(例:メトキシエタノール、エトキシ
エタノール、ブトキシエタノール等)、2級アルコキシ
アルコール(例:1-メトキシ-2-プロパノール)等が挙
げられる。このようなアルコキシアルコールのうちで
は、沸点が180℃以下のものが好ましい。このような
沸点のアルコキシアルコールを用いると、希土類金属カ
ルボン酸塩(II)と、アルカリ金属のアルコキシアルコ
ラート(III)を反応させてなる反応液から有機溶媒を
容易かつ効率的に回収し、再利用することができる。
【0056】本発明においては、上記のような希土類金
属カルボン酸塩(II)と、アルカリ金属アルコキシアル
コラート(III)とを反応させて、希土類金属アルコキ
シアルコラート(I-a)を製造する際には、希土類金属
カルボン酸塩(II)1モルに対してアルカリ金属アルコ
キシアルコラート(III)は、通常理論量で用いられ
る。すなわち、アルカリ金属アルコキシアルコラート
(III)は、1価の希土類金属カルボン酸塩(II)1モ
ルに対して3.0モル、2価の希土類金属カルボン酸塩
(II)1モルに対して6.0モルの量で用いられ、有機
溶媒は0.6〜7リットル程度の量で用いられる。
【0057】有機溶媒としては、原料の希土類金属カル
ボン酸塩(II)およびアルカリ金属アルコキシアルコラ
ート(III)と反応しないような不活性有機溶媒が用い
られる。このような有機溶媒のうちでは、特に上記原料
(II,III)を良好に溶解させることができ、しかも還流
・留去等の操作性に優れたベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素が好ましく用いられる。
【0058】上記のような希土類金属アルコキシアルコ
ラートの第1の製造法によれば、式(I-a)で表わされ
る希土類金属アルコキシアルコラート、例えば、La
(OC24OC253、La(OC24OCH33
La[OCH(CH3)CH2OC 253、La(OC4
8OCH33、La(OC24On-C493、Sc
(OC24OC253、Nd(OC24OC253
Er(OC24OC25 3、Eu(OC24OC
253、Y(OC24OC253等は勿論のこと、下
記一般式(I)で表わされる本発明に係る新規な希土類
金属アルコキシアルコラート(I)も高収率かつ高純度
で得られる。
【0059】この一般式(I)、(I-a)で表わされる
希土類金属アルコキシアルコラートは、希土類金属酸化
物の微粉末、薄膜、ファイバー、コーティング材等を製
造する際の前駆体として好適であり、この希土類金属酸
化物の微粉末、薄膜、ファイバー、コーティング材等
は、蛍光体、触媒、セラミックス、光学ガラス、研磨
材、磁石、機能性電子材料等として幅広い分野での利用
が期待される。 [新規な希土類金属アルコキシアルコラート]この新規
な希土類金属アルコキシアルコラートは、下記一般式
(I)で表わされる。
【0060】一般式(I):
【0061】
【化23】
【0062】[式中、Mは、Ce、Pr、Sm、Gd、
Tb、Dy、Ho、Tm、YbまたはLuを示してい
る。R1は水素原子または低級アルキル基を示し、R2
低級アルキル基を示し、aは1〜3の整数を示す。] このような一般式(I)で表わされる希土類金属アルコ
キシアルコラートとしては、例えば、MがCeであり、
1が水素原子または低級アルキル基であり、R2は炭素
数1〜4程度の直鎖状または分岐鎖状の低級アルキル基
であり、aは1〜3の整数であるような化合物が挙げら
れ、具体的には、Ce[OCH2CH2−OC253
Ce[OCHCH3CH2OCH33等が挙げられる。
【0063】MがPrである上記希土類金属アルコキシ
アルコラートとしては、具体的には、例えば、Pr[O
CH2CH2OC253等が挙げられる。MがSmであ
る希土類金属アルコキシアルコラートとしては、具体的
には、例えば、Sm[OCH2CH2OC253、Sm
[OCH2CH2OiC373等が挙げられる。
【0064】MがGdである希土類金属アルコキシアル
コラートとしては、具体的には、例えば、Gd[OCH
2CH2OC253等が挙げられる。MがTbである希
土類金属アルコキシアルコラートとしては、具体的に
は、例えば、Tb[OCH2CH2OC253等が挙げ
られる。
【0065】MがDyである希土類金属アルコキシアル
コラートとしては、具体的には、例えば、Dy[OCH
2CH2OC253等が挙げられる。MがHoである希
土類金属アルコキシアルコラートとしては、具体的に
は、例えば、Ho[OCH2CH2OC253等が挙げ
られる。
【0066】MがTmである希土類金属アルコキシアル
コラートとしては、具体的には、例えば、Tm[OCH
2CH2OC253等が挙げられる。MがYbである希
土類金属アルコキシアルコラートとしては、具体的に
は、例えば、Yb[OCH2CH2OC253等が挙げ
られる。
【0067】MがLuである希土類金属アルコキシアル
コラートとしては、具体的には、例えば、Lu[OCH
2CH2OC253等が挙げられる。このような新規希
土類金属アルコキシアルコラートの構造は、元素分析、
IR、NMR、マススペクトル等により求められる。 [希土類金属アルコキシアルコラートの第2の製造法]
本発明の上記のような新規の希土類金属アルコキシアル
コラート(I)を含む、上記の希土類金属アルコキシア
ルコラート(I-a)は、上記の希土類金属カルボン酸塩
(II)と、下記一般式(IV)で表わされるアルコキシア
ルコールとを、上記したアルカリ金属(A)の存在下で
反応させることにより製造することもできる。
【0068】一般式(IV):
【0069】
【化24】
【0070】[式中、R1は水素原子または低級アルキ
ル基を示し、R2は低級アルキル基を示し、aは1〜3
の整数を示す。] この希土類金属アルコキシアルコラート(I-a)の第2
の製造法についてさらに具体的に説明すると、下記のと
おりである。
【0071】
【化25】
【0072】(式中、M1、X、A、R1、R2、a、b
は前記に同じ。) すなわち、反応器内に上記式(II)で表わされる希土類
金属カルボン酸塩と、式(IV)で表わされるアルコキシ
アルコールと、上記と同様の有機溶媒とを入れる。得ら
れた反応器内容物[希土類金属カルボン酸塩(II)とア
ルコキシアルコール(IV)との有機溶媒溶液]を攪拌し
ながら、該内容物にアルカリ金属(A)を30分〜2時
間かけて徐々に加える。
【0073】このようにして得られたアルカリ金属
(A)を含む混合液を、室温から有機溶媒の還流温度で
ある80〜180℃、好ましくは100〜140℃に加
温し、この温度で2〜6時間攪拌する。
【0074】このように希土類金属カルボン酸塩(I
I)、アルコキシアルコール(IV)、およびアルカリ金
属(A)を含む有機溶媒溶液を、溶媒の還流温度で上記
のような時間攪拌すると、反応の進行に伴って水素が発
生し、上記式(I-a)で表わされる希土類金属アルコキ
シアルコラートおよび副生物であるアルカリ金属のカル
ボン酸塩(XAb)が含まれた有機溶媒溶液(反応液)
が得られる。
【0075】このようにして得られた反応液を、上記第
1の製造法と同様に濾過することにより、アルカリ金属
のカルボン酸塩(XAb)を除去すると、均一透明な希
土類金属アルコキシアルコラート(I-a)の有機溶媒溶
液が得られる。次いでこの有機溶媒溶液を蒸発乾固させ
れば、所望の希土類金属アルコキシアルコラート(I-
a)が得られる。なお、このようにして得られた希土類
金属アルコキシアルコラート(I-a)の有機溶媒溶液
に、アルカリ金属のカルボン酸塩(XAb)が溶解して
いる場合には、上記第1の製造法と同様にして除去すれ
ばよい。
【0076】なお、希土類金属カルボン酸塩(II)、ア
ルコキシアルコール(IV)、アルカリ金属(A)、有機
溶媒、およびアルコキシアルコール(IV)としては、上
記第1の製造法において用いたと同様のものが用いられ
る。
【0077】この第2の製造法においては、上記のよう
な希土類金属カルボン酸塩(II)とアルコキシアルコー
ル(IV)とアルカリ金属(A)とを反応させて、希土類
金属アルコキシアルコラート(I-a)を製造する際に
は、希土類金属カルボン酸塩(II)1モルに対してアル
コキシアルコール(IV)は、通常0.1〜2リットル
[3.6〜14モル程度]の量で用いられ、アルカリ金
属(A)は、通常3.0〜6.0モル程度(例:3.0
モル)の量で用いられ、有機溶媒は0.5〜5リットル
程度の量で用いられる。
【0078】このような希土類金属アルコキシアルコラ
ート(I-a)の第2の製造法によれば、上記第1の製造
法と同様の希土類金属アルコキシアルコラートが高収率
かつ高純度で得られる。
【0079】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、種々の希
土類金属アルコキシアルコラートを、容易に高収率かつ
高純度で工業的に量産しうるような希土類金属アルコキ
シアルコラートの製造法が提供される。
【0080】また、本発明によれば新規な希土類金属ア
ルコキシアルコラートが提供される。この新規な希土類
金属アルコキシアルコラートは、希土類金属酸化物の微
粉末、薄膜、ファイバー、コーティング材等を製造する
際の前駆体として好適に用いられる。この希土類金属酸
化物の微粉末、薄膜、ファイバー、コーティング材など
は、蛍光体、触媒、セラミックス、光学ガラス、研磨
材、磁石、機能性電子材料等として幅広い分野で用いら
れる。
【0081】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら制
限されるものではない。
【0082】
【実施例1】イットリウムエトキシエチレートの製造[第1の製造
法] 容量100mlの丸底フラスコに酢酸イットリウム無水物
8.0g(0.03モル)およびトルエン50mlを入れ、
このフラスコ内容物を攪拌しながら、予め調製されたナ
トリウムエトキシエチレートのエトキシエタノール溶液
50g[ナトリウムとして0.09モルに相当]を約1
0分間かけて徐々に滴下した。その後、フラスコ内容物
をマントルヒーターにて110℃に加温して4時間加熱
還流した。 次いで、得られた反応液を室温まで冷却し
た後、反応液中の副生した塩を濾過により除去した。次
いで、得られた濾液より溶媒を留去させ、蒸発乾固し
た。得られた乾固物に、トルエン30ml加えて溶解させ
たのち、再度濾過することにより均一透明なイットリウ
ムエトキシエチレートのトルエン溶液が得られた。この
トルエン溶液を蒸発乾固してイットリウムエトキシエチ
レートを得た。イットリウムエトキシエチレート収量は
10.30gであり、収率は96.4%であった。 元素
分析値を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
【実施例2〜28】上記実施例1と同様にして、第1表
に示すような種々の希土類金属アルコキシアルコラート
を製造した。用いた希土類金属カルボン酸塩、溶媒、ア
ルカリ金属ルコキシアルコラート並びに、反応条件、生
成物および元素分析結果を表2〜5に示す。
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
【表4】
【0088】
【表5】
【0089】
【実施例29】イットリウムメトキシエチレートの製造[第2の製造
法] 容量100mlの丸底フラスコにギ酸イットリウム無水物
6.7g(0.03モル)およびトルエン40ml、メトキ
シエタノール20g(0.29モル)を入れ、このフラ
スコ内容物を攪拌しながら金属ナトリウム2.1g(0.
09モル)を約30分間かけて約0.5gずつ徐々に添
加した。このようにフラスコ内に金属ナトリウムを添加
したところ、発熱し、水素ガスが発生した。金属ナトリ
ウムの添加終了後、マントルヒーターにて100℃に加
温し、4時間加熱還流した後、実施例1と同様に処理し
てイットリウムメトキシエチレートを得た。イットリウ
ムメトキシエチレートの収量は9.1gであり、収率は
96.2%であった。
【0090】元素分析値を表6に示す。
【0091】
【表6】
【0092】なお、この実施例29記載の方法に準じ
て、表2〜5に記載の種々の生成物を得ることができ
る。
【0093】
【比較例1】特開昭62−281835号公報に記載の
希土類金属アルコキシアルコラートの合成法に準じてラ
ンタンにエトキシエタノールを直接反応させてLa(O
24OC253を以下のようにして製造した。
【0094】すなわち、容量200mlの丸底フラスコに
金属La:1.28g(0.0092モル相当、関東化学
試薬製、直径約1mm×長さ1cm)およびエトキシエタノ
ール50ml[50g(0.05モル)]を入れ、マント
ルヒーターで加温することにより130〜135℃の温
度で合計14時間加熱還流した。このように加熱還流し
たところフラスコ中の金属Laの大部分は消失し、反応
液は褐色で濁りのある溶液となった。次いで反応液を冷
却した後、不溶分を濾別し、トルエン約20mlにて不溶
分を洗ったところLa(OC24OC253のエトキ
シエタノール/トルエン溶液が得られた。この溶液より
溶媒を留去するとランタンエトキシエチラートが得られ
た。ランタンエトキシエチラートの収量は2.32gで
あり、収率は62.0%であった。
【0095】元素分析値を表7に示す。
【0096】
【表7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永 井 明 義 神奈川県厚木市岡田4−29−2 オリオ ンハイツ105 (56)参考文献 特開 平2−36137(JP,A) 特開 平6−25036(JP,A) 特開 昭59−186935(JP,A) 特開 昭59−186936(JP,A) カナダ国特許出願公開第2002606号公 報(1990年) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 5/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(II): M1 b3 …(II) [式中、M1は希土類金属を示し、Xはカルボン酸残基
    を示し、bは1または2を示す。但し、bが1の場合、
    Xは1価のカルボン酸残基を示し、bが2の場合、Xは
    2価のカルボン酸残基を示す。]で表される希土類金属
    カルボン酸塩と、一般式(III): 【化1】 [式中、Aはアルカリ金属を示し、R1は水素原子また
    は低級アルキル基を示し、R2は低級アルキル基を示
    し、aは1〜3の整数を示す。]で表されるアルカリ金
    属アルコキシアルコラートとを反応させることを特徴と
    する、一般式(I-a): 【化2】 [式中、M1、R1、R2およびaは上記に同じ。]で表
    される希土類金属アルコキシアルコラートの製造法。
  2. 【請求項2】一般式(II): M1 b3 …(II) [式中、M1、Xおよびbは上記に同じ。]で表される
    希土類金属カルボン酸塩と、一般式(IV): 【化3】 [式中、R1、R2およびaは上記に同じ。]で表される
    アルコキシアルコールとを、アルカリ金属(A)の存在
    下で反応させることを特徴とする、一般式(I-a): 【化4】 [式中、M1、R1、R2およびaは上記に同じ。]で表
    される希土類金属アルコキシアルコラートの製造法。
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