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JP3350459B2 - 複合砥石の製造方法 - Google Patents
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JP3350459B2 - 複合砥石の製造方法 - Google Patents

複合砥石の製造方法

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JP3350459B2
JP3350459B2 JP30707198A JP30707198A JP3350459B2 JP 3350459 B2 JP3350459 B2 JP 3350459B2 JP 30707198 A JP30707198 A JP 30707198A JP 30707198 A JP30707198 A JP 30707198A JP 3350459 B2 JP3350459 B2 JP 3350459B2
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健二 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被研削材を研削す
る研削表面が、複数のビトリファイド砥石部とその複数
のビトリファイド砥石部の間の空間を埋めるように設け
られたレジノイド砥石部とによって構成されている複合
石の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ビトリファイド砥石を用いて、例
えば刃物の厚み研削の場合のように研削砥石の接触面積
が大きくなる被研削材やアルミニウム等に代表される難
削材を平面研削するに際しては、加工に伴って発生する
研削熱によって被研削材の研削面に焼けが発生し易い。
そのため、このような加工に用いられる研削砥石は、通
常セグメント状のビトリファイド砥石を金属円盤などの
基台上に所定の間隔で貼り付けた構造や、円盤上のビト
リファイド砥石の研削平面に溝を入れた構造の砥石が用
いられている。このような構造をもった砥石の欠点の一
つは、セグメント状のビトリファイド砥石部分や溝を入
れた構造の砥石のエッジ部分が研削抵抗で欠け易いこと
であり、この欠けによって被研削材を安定的に削ること
ができないという問題があった。
【0003】これに対し、ビトリファイド砥石の溝部分
やセグメント状のビトリファイド砥石の周りをレジノイ
ド砥石で補強した構造の複合砥石が提案されている。例
えば、特開平2−292178号公報に記載されている
砥石はその一例である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来用
いられてきたレジノイド砥石は流動性が高いため、この
部分が緻密化し、研削時に研削焼けや切粉の目詰まり、
溶着等が発生し易く、ビトリファイド砥石の優れた研削
性能を充分に引き出すことができないという問題があっ
た。これを防止するために、無機化合物や樹脂等から成
る中空の気孔材(バルーン或いはバブルと称されるも
の)、或いは軟質の造粒フィラーや発砲スチレンビーズ
のような気孔形成材を、砥粒や液状樹脂結合剤から成る
流動性砥石材料に混合し、砥石中に多数の気孔を形成す
ることが考えられているが、このような気孔形成材を使
用する方法では、液状樹脂中に固形物を均一に分散させ
る上で気孔形成材の添加量が制限され、充分に気孔率を
高めることができず、例えばアルミニウムとSiCとの
複合材料(MMC)などの難削材の研削加工において
は、相変わらず研削焼けやビトリファイド砥石の溶着、
欠けが生じ易く、必ずしもビトリファイド砥石の性能を
充分に引き出すことができなかった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、ビトリファイド砥石
の溶着や欠けを効果的に防止することによりビトリファ
イド砥石の優れた研削性能が充分に得られるようにする
ことにある。
【0006】
【0007】
【0008】
【課題を解決するための手段】 かかる目的を達成するた
めに、第1発明 は、被研削材を研削する研削表面が、ビ
トリファイド砥石部とそのビトリファイド砥石部の周り
を埋めるように設けられた多孔質のレジノイド砥石部と
によって構成されている複合砥石の製造方法であって、
(a) 前記ビトリファイド砥石部を製作するビトリファイ
ド砥石製作工程と、(b) 砥粒、結合剤として作用する液
状樹脂、および界面活性剤を含む流動性砥石材料を攪拌
し、多数の気泡を創成した状態で前記ビトリファイド砥
石部の周りに流し込んで硬化させることにより、その気
泡による多数の気孔を有する前記多孔質のレジノイド砥
石部を製作すると同時にそのビトリファイド砥石部に一
体的に固着するとともに、流し込まれた流動性砥石材料
の液状樹脂がビトリファイド砥石部の気孔内に含浸して
硬化することによりそのビトリファイド砥石部を補強す
るレジノイド砥石製作・固着工程とを有し、且つ、その
レジノイド砥石製作・固着工程は、(b-1) 攪拌により多
数の気泡が創成された前記流動性砥石材料を前記ビトリ
ファイド砥石部と略同じ高さまで流し込んで、そのビト
リファイド砥石部の側面から気孔内に前記液状樹脂を含
浸させる第1流込み工程と、(b-2) その液状樹脂が前記
ビトリファイド砥石部の側面から略含浸した状態で、そ
のビトリファイド砥石部が上面まで埋まるように前記流
動性砥石材料を更に流し込む第2流込み工程と、(b-3)
前記ビトリファイド砥石部の上面が露出するとともにそ
のビトリファイド砥石部および前記レジノイド砥石部の
上面が略面一になるように、余分なレジノイド砥石を除
去する除去工程とを有するものであることを特徴とす
る。
【0009】第2発明は、被研削材を研削する研削表面
が、ビトリファイド砥石部とそのビトリファイド砥石部
の周りを埋めるように設けられた多孔質のレジノイド砥
石部とによって構成されている複合砥石の製造方法であ
って、(a) 前記ビトリファイド砥石部を製作するビトリ
ファイド砥石製作工程と、(b) 砥粒、結合剤として作用
する液状樹脂、および界面活性剤を含む流動性砥石材料
を攪拌し、多数の気泡を創成した状態で前記ビトリファ
イド砥石部の周りに流し込んで硬化させることにより、
その気泡による多数の気孔を有する前記多孔質のレジノ
イド砥石部を製作すると同時にそのビトリファイド砥石
部に一体的に固着するとともに、流し込まれた流動性砥
石材料の液状樹脂が真空脱泡処理によりビトリファイド
砥石部の気孔内に強制的に含浸させられて硬化すること
によりそのビトリファイド砥石部を補強するレジノイド
砥石製作・固着工程とを有することを特徴とする。
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の効果】発明では、レジノイド砥石部を構成
する流動性砥石材料を攪拌して多数の気泡を創成した状
態でビトリファイド砥石部の周りに流し込んで硬化、固
着するとともに、流し込まれた流動性砥石材料の液状樹
脂がビトリファイド砥石部の気孔内に含浸して補強する
ようになっているため、レジノイド砥石部を別体に製作
して接着剤などでビトリファイド砥石部と固着したり、
別工程でビトリファイド砥石部に液状樹脂を含浸させた
りする場合に比較して工程数が少なくなり、製造コスト
が低減される。
【0013】また、ビトリファイド砥石部の気孔内に液
状樹脂が含浸して硬化することにより、そのビトリファ
イド砥石部が補強されるため、溶着などによるビトリフ
ァイド砥石部の欠け(チッピングなど)が効果的に防止
されるとともに研削加工に伴う砥石の摩耗が抑制され、
砥石寿命が向上する。これにより、多孔質のレジノイド
砥石部と相まって複合砥石の研削性能がバランス良く向
上させられ、例えばアルミニウムとSiCとの複合材料
等の難削材の研削加工においても、研削焼けや砥石の溶
着が抑制されるとともに、溶着などに起因するビトリフ
ァイド砥石部の欠けが効果的に防止され、実用上充分に
満足できる研削性能や耐久性(砥石寿命)が得られるよ
うになる。
【0014】また、第1流込み工程で流動性砥石材料を
ビトリファイド砥石部と略同じ高さまで流し込み、その
ビトリファイド砥石部の側面から気孔内に液状樹脂を含
浸させた後、第2流込み工程でビトリファイド砥石部が
上面まで埋まるように流動性砥石材料を更に流し込むよ
うにしているため、第1流込み工程ではビトリファイド
砥石部内の空気が上面から逃げ出すことが可能で、液状
樹脂が気孔内に良好に含浸させられるとともに、第2流
込み工程で、その上面近傍の気孔内に液状樹脂が含浸さ
せられる。これにより、ビトリファイド砥石部の気孔内
に充分に液状樹脂が含浸させられるようになり、所望す
る強度や耐摩耗性などが得られるようになる。また、ビ
トリファイド砥石部とレジノイド砥石部との境界に気泡
が混入することも抑制される。
【0015】
【発明の実施の形態】ここで、ビトリファイド砥石部
は、砥粒としてCBN(立方晶窒化硼素)やダイヤモン
ド、或いはこれ等の混合物等の超砥粒を用いることが望
ましい。超砥粒はヌープ硬度3000以上のものが好ま
しく、砥粒の集中度は10〜230、好ましくは20〜
180の範囲内が適当で、気孔率は20%〜75%、好
ましくは30%〜65%の範囲内が適当である。超砥粒
の粒度は使用目的に応じて適宜選択できるが、♯60
(平均粒径220μm)〜♯800(平均粒径20μ
m)の範囲内が望ましい。多数の気孔は互いに連通させ
られており、液状樹脂が良好に含浸させられる。
【0016】ビトリファイド結合剤は、砥粒として超砥
粒を用いた場合に適するもの、例えばホウ珪酸ガラス、
結晶化ガラスを用いることが望ましい。結晶化ガラスと
しては、例えばウィレマイトを析出するものなどがあ
る。保持力を充分なものとするため、超砥粒の熱膨張係
数に対して、室温〜500℃程度の温度範囲で±2×1
-6(1/°K)程度であることが望ましい。結合剤率
は適宜選択でき、例えば砥石の状態で15〜35容積%
の範囲内となるようにすると良い。また、骨材として無
機中空物質を含んでいることが望ましいが、ビトリファ
イド結合剤より高い軟化点を有するセラミックス粒子を
骨材として混入するようにしても良い。
【0017】ビトリファイド砥石部は、例えば基台の平
坦な砥石固着面上に互いに離間してエポキシ樹脂等の接
着剤で固着された略同じ高さの多数のビトリファイド砥
石にて構成されるが、単一のビトリファイド砥石の研削
表面に溝が設けられたものでも良い。
【0018】レジノイド砥石部の砥粒や結合剤の種類
は、例えばビトリファイド砥石部と同程度の速度で摩耗
し、段差が生じないように定められ、砥粒としてはアル
ミナ質や炭化ケイ素質などの通常砥粒が好適に用いら
れ、結合剤としてはビスフェノールA等のエポキシ樹脂
主剤とポリアミド系樹脂等のエポキシ樹脂硬化剤とを混
合した二液性エポキシ樹脂などが好適に用いられる。レ
ジノイド砥石部の砥粒は、ビトリファイド砥石部と同程
度の適度な摩耗速度が得られるように混入されるもの
で、必ずしも高い研削性能は必要でなく、研削は主とし
てビトリファイド砥石部で行われれば良い。なお、レジ
ノイド砥石部の砥粒として、ダイヤモンド砥粒やCBN
砥粒などの超砥粒を用いることができるし、液状樹脂と
して一液性のエポキシ樹脂、液状のフェノールレゾール
やウレタン樹脂、ポリビニルアルコール等を用いること
もできる。
【0019】界面活性剤としては、液状樹脂がエポキシ
樹脂から構成される場合、陽イオン性或いは非イオン性
のものが好適に用いられ、例えばノニオンタイプ(非イ
オン性)である濃度70%程度のポリオキシエチレンス
チチウルフェニルエーテル等が用いられる。エポキシ樹
脂は、陰イオン性界面活性剤と反応して硬化が促進され
るため、攪拌時に十分な量の気泡が形成され難いことか
ら、それ以外の界面活性剤すなわち陽イオン性或いは非
イオン性の界面活性剤が好ましいのである。すなわち、
本発明に用いられる界面活性剤の種類は特に限定され
ず、脂肪酸系、非脂肪酸系、アミド系等のノニオン(非
イオン)系の界面活性剤や、アルキルベンゼンスルホン
酸塩等のアニオン(陰イオン)系、カチオン(陽イオ
ン)系、両性イオン系等の種々の界面活性剤を用いるこ
とができるが、液状樹脂の種類を考慮して、それとの反
応性が可及的に低いものを用いることが望ましいのであ
る。
【0020】また、流動性砥石材料は、例えば40〜8
0重量%の砥粒、20〜60重量%の液状樹脂、および
それらの合計に対する割合で1〜10重量%の界面活性
剤を混合したものが好適に用いられる。このようにすれ
ば、所望の砥粒率で40〜60容積%程度の高い気孔率
を有する多孔質レジノイド砥石が得られる。このとき、
多孔質レジノイド砥石の比重は、0.8〜1.8程度に
なる。なお、研削表面におけるビトリファイド砥石部と
レジノイド砥石部との面積比は、レジノイド砥石部の気
孔内に切粉が充分に収容されて研削焼けや溶着などが実
用上問題とならないように、気孔率などを考慮して設定
することが望ましい。
【0021】第1発明の第1流込み工程では、毛細管現
象などにより自然含浸させるだけでも良いが、必要に応
じて真空脱泡処理などを行って液状樹脂を気孔内に強制
的に含浸させることも可能である。ビトリファイド砥石
部に対する含浸の程度は適宜定められ、必ずしもビトリ
ファイド砥石の内部まで均一に含浸している必要はな
い。
【0022】また、本発明の複合砥石は、例えばアルミ
ニウムとSiC、アルミニウムとアルミナなどの複合材
料(MMC)、アルミニウム、高シリコンアルミニウム
等のアルミニウム合金、ステンレス鋼など、研削焼けや
溶着が生じ易い難削材に研削加工を行う場合に好適に用
いられるが、研削焼けや溶着が比較的生じ難い被研削材
の研削加工にも使用できることは勿論である。
【0023】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳
細に説明する。なお、以下の説明において各部の寸法比
等は必ずしも正確に描かれていない。図1は、本発明の
一実施例である複合砥石10の斜視図で、図2は平面図
および縦断面図である。この複合砥石10は、例えばナ
イフの厚み研削加工等の両頭平面研削に用いられるもの
であって厚肉円筒形状を成しており、その外径は355
mm程度、内径は250mm程度、厚さ(高さ)は12
0mm程度で、基台である円環形状の台金12と、その
台金12の平坦な砥石固着面12s上に互いに離間して
固着された略同じ高さ寸法の多数のビトリファイド砥石
14と、そのビトリファイド砥石14の周りの空間を埋
めるように設けられたビトリファイド砥石14と略同じ
高さ寸法の多孔質のレジノイド砥石16とから構成され
ている。上側の端面である平坦な研削表面10sは、そ
れ等の多数のビトリファイド砥石14、およびその周り
を埋めているレジノイド砥石16によって構成されてお
り、多数のビトリファイド砥石14の上面の円形部分が
ビトリファイド砥石部で、その周囲を埋めているレジノ
イド砥石16の上面部分がレジノイド砥石部に相当す
る。台金12の砥石固着面12sと反対側の端部には小
さな外向きフランジ12fが一体に設けられている。台
金12としては、例えば低熱膨張アルミニウムが好適に
用いられるが、通常のスチール製のものを採用しても良
い。
【0024】ビトリファイド砥石14は、 (a) ダイヤモンド砥粒(♯100/♯120); 31.3容積% (b) 無機中空物質バルーン(110〜150μm); 14.6容積% (c) ビトリファイド結合剤; 26.7容積% (d) 気孔; 残 から成るもので、互いに連通している多数の気孔には二
液性エポキシ樹脂が含浸させられている。ダイヤモンド
砥粒は、ヌープ硬度が3000以上で、砥粒の集中度は
125程度、気孔率は27%程度である。ビトリファイ
ド結合剤としては、ホウ珪酸ガラス、結晶化ガラスなど
があり、ダイヤモンド砥粒の熱膨張係数に対して、室温
〜500℃程度の温度範囲で±2×10-6(1/°K)
程度のものが用いられる。このビトリファイド砥石14
は、何れも外径が20mm程度で厚さ(高さ)が5mm
程度の円柱形状を成しており、その一端面においてエポ
キシ樹脂接着剤により砥石固着面12sに固着されてい
る。
【0025】多孔質のレジノイド砥石16は、図3の
(a) に表面の一部を拡大して示すように、♯220程度
のアルミナ砥粒(WA)20が結合剤としてのエポキシ
樹脂22によって結合された構成で、その組織中に略均
一に分布する直径0.1〜1mm程度の球形の多数の独
立した気孔24を備えている。この多孔質レジノイド砥
石16の砥粒率はVg≒25%程度、結合剤率はVb=
30%程度、気孔率はVp=45%程度で、比重は1.
2程度である。図3の(b) は、通常のレジノイド砥石の
組織図である。
【0026】次に、このような複合砥石10の製造方法
を説明する。図4は基本製造工程を説明する図で、工程
1のビトリファイド砥石製作工程では、前記ダイヤモン
ド砥粒(♯100/♯120)、骨材としての無機中空
物質バルーン、ビトリファイド結合剤などが所定の混合
割合で配合された砥石材料をプレス成形し、900℃で
5時間焼成することにより、多数のビトリファイド砥石
14を作製する。図5は、1個のビトリファイド砥石1
4を示す斜視図である。
【0027】工程2のビトリファイド砥石固着工程で
は、工程1で製作した多数のビトリファイド砥石14
を、図6に示すように、台金12の砥石固着面12s上
の所定の位置にそれぞれエポキシ樹脂接着剤で貼り付け
る。この工程2は、工程1と共にビトリファイド砥石製
作工程に相当する。なお、図6の(a) は平面図で、(b)
は縦断面図であり、多数のビトリファイド砥石14は台
金12の中心線まわりに一定の間隔で規則的に配置され
る。
【0028】工程3のレジノイド砥石製作・固着工程で
は、図7に示すように円環形状の台金12の外周側およ
び内周側にそれぞれ型枠36、38を取り付けて、砥石
固着面12s上に環状の溝を形成し、その中にレジノイ
ド砥石16の流動性砥石材料40を流し込んでビトリフ
ァイド砥石14の周りを埋めるとともに、硬化した後に
ビトリファイド砥石14の上面と面一になるように余分
なレジノイド砥石16を除去する。図8は、このレジノ
イド砥石製作・固着工程を更に具体的に説明する工程図
で、先ず、 (a) アルミナ砥粒(WA)(♯220); 70.0重量% (b) エポキシ樹脂主剤; 21.0重量% (c) エポキシ樹脂硬化剤; 8.0重量% (d) 界面活性剤; 1.0重量% を用意し、工程3−1の攪拌工程で攪拌機中に投入して
例えば3分間程度の所定時間攪拌・混合する。これによ
り、エポキシ樹脂主剤およびエポキシ樹脂硬化剤から成
る液状樹脂(エポキシ樹脂22)中にアルミナ砥粒20
および界面活性剤が混合された流動性砥石材料40が形
成されるとともに、その流動性砥石材料40中に空気が
巻き込まれて多数の気泡が発生し、流動性砥石材料40
は固体(砥粒20)、液体(樹脂および界面活性剤)、
および気体(気泡)から成る三相状態となる。
【0029】上記エポキシ樹脂主剤としては例えばビス
フェノールA等が用いられ、エポキシ樹脂硬化剤として
は例えばポリアミド系樹脂等が用いられる。界面活性剤
としては、例えばノニオンタイプ(非イオン性)である
濃度70%程度のポリオキシエチレンスチチウルフェニ
ルエーテル等が用いられる。なお、エポキシ樹脂22と
してこのような二液性のものが用いられる場合には、攪
拌工程に先立って主剤および硬化剤が攪拌機中で混合さ
れ、その後、界面活性剤およびアルミナ砥粒20が順次
投入される。但し、界面活性剤とアルミナ砥粒20の投
入順序は何れが先でもよい。なお、上記の攪拌時間は、
アルミナ砥粒20が均一に分散し、且つ所望の泡立ち状
態が得られるように設定されたものである。
【0030】工程3−2の第1流込み工程では、前記図
7の(a) に示すように型枠36、38で囲まれた環状溝
内に流動性砥石材料40をビトリファイド砥石14と略
同じ高さまで流し込む。この時、ビトリファイド砥石1
4の上面まで埋まることが無いようにし、その上面から
ビトリファイド砥石14の気孔内の空気が逃げ出すこと
を許容することにより、流動性砥石材料40の液状樹脂
すなわち二液性エポキシ樹脂22がビトリファイド砥石
14の側面から気孔内に良好に含浸する。
【0031】続く工程3−3の第2流込み工程では、上
記第1流込み工程でエポキシ樹脂22がビトリファイド
砥石14の側面から毛細管現象などにより略含浸する所
定時間経過後に、図7の(b) に示すようにビトリファイ
ド砥石14が上面まで埋まるように流動性砥石材料40
を更に流し込む。この第2流込み工程を行う前のエポキ
シ樹脂22の含浸状態は、必ずしもビトリファイド砥石
14の内部まで均一に含浸している必要はなく、本実施
例では第1流込み工程後30分程度経過した後に第2流
込み工程を行っている。第2流込み工程でビトリファイ
ド砥石14の上面まで流動性砥石材料40が流し込まれ
ることにより、その上面からもエポキシ樹脂22がビト
リファイド砥石14の気孔に含浸する。
【0032】このように2工程で流動性砥石材料40が
流し込まれることにより、ビトリファイド砥石14の気
孔内に充分にエポキシ樹脂22が含浸させられ、次の硬
化工程(工程3−4)などで硬化することにより、ビト
リファイド砥石14が補強されて所定の強度や耐摩耗性
が得られるようになる。また、ビトリファイド砥石14
とレジノイド砥石16との境界、特に砥石固着面12s
側(底部側)の内角部分などに気泡が混入することも良
好に回避される。
【0033】工程3−4の硬化工程では、常温で12時
間程度放置することによってエポキシ樹脂22を硬化さ
せる。ここで、攪拌工程で発泡させられた流動性砥石材
料40は、界面活性剤を含んでいることから、前記第1
流込み工程、第2流込み工程および硬化工程の過程にお
いても気泡が消失せず、攪拌終了時の発泡状態を保って
いる。そのため、硬化終了時において、多孔質レジノイ
ド砥石16の組織中(厳密にはエポキシ樹脂22中)に
は、前記図3(a) に示されるように気泡に由来する多数
の気孔24が形成される。なお、流動性砥石材料40に
は、流込みから硬化の過程において何ら圧力が加えられ
ないことから、気孔24は、上記の攪拌工程において発
生させられた気泡そのままの形状で形成されている。
【0034】上記のように硬化が終了した後、工程3−
5の熱処理工程において例えば150℃程度の温度で加
熱処理(アフタキュア)する。また、工程3−6の面一
除去工程では、図7(c) に示すようにビトリファイド砥
石14の上面が露出し且つそのビトリファイド砥石14
およびレジノイド砥石16の上面が面一(連続する平坦
面)になるように、余分なレジノイド砥石16を研削な
どで除去することにより、目的とする複合砥石10が得
られる。なお、工程3−5の熱処理工程を省略すること
も可能である。
【0035】図9は、上記複合砥石10を両頭平面研削
盤に取り付けて使用する状態を説明する図である。図に
おいて、両頭平面研削盤には一対の回転軸42a、42
b(以下、特に区別しないときは単に回転軸42とい
う)が設けられており、それぞれの対向する先端部側に
は複合砥石10を取り付けるためのホルダ44a、44
b(以下、特に区別しないときは単にホルダ44とい
う)が備えられている。一対のホルダ44a、44bに
は、研削表面10sが所定の間隔を隔てて互いに向かい
合うように一対の複合砥石10が取り付けられており、
複合砥石10は、それぞれその研削表面10sに垂直な
回転軸42によってその軸心回りに回転駆動される。そ
して、複合砥石10が回転させられた状態で、例えばナ
イフ等の被研削材46が回転軸42の軸心よりも下側位
置において研削表面10s間を通過させられることによ
り、その被研削材46の厚さ方向の両面が研削加工され
る。この場合の実質的な研削面の幅は、(外径−内径)
/2=(355−250)/2=52.5(mm)とな
る。
【0036】このような本実施例の複合砥石10におい
ては、砥粒および液状樹脂の他に界面活性剤を含む流動
性砥石材料40を攪拌して多数の気泡を創成した状態で
ビトリファイド砥石14の周りに流し込んで硬化させる
ことにより、その気泡による多数の気孔24を有する多
孔質のレジノイド砥石16が設けられるため、従来より
も気孔率が大幅に高くなって目詰まりや溶着等の発生が
抑制され、ビトリファイド砥石14が長期間に亘って研
削に有効に寄与し、優れた研削性能が得られるようにな
る。研削表面10sにおけるビトリファイド砥石14と
レジノイド砥石16との面積比は、レジノイド砥石16
の気孔24内に切粉が充分に収容されて研削焼けや溶着
などが実用上問題とならないように、気孔率などを考慮
して設定される。
【0037】また、ビトリファイド砥石14の気孔内に
流動性砥石材料40の液状樹脂(エポキシ樹脂22)が
含浸して硬化することにより、そのビトリファイド砥石
14が補強されているため、溶着などによるビトリファ
イド砥石14の欠け(チッピングなど)が効果的に防止
されるとともに研削加工に伴う砥石の摩耗が抑制され、
砥石寿命が向上する。これにより、多孔質のレジノイド
砥石16と相まって複合砥石10の研削性能がバランス
良く向上させられ、例えばアルミニウムとSiCとの複
合材料等の難削材の研削加工においても、研削焼けや砥
石の溶着が抑制されるとともに、溶着などに起因するビ
トリファイド砥石14の欠けが効果的に防止され、実用
上充分に満足できる研削性能や耐久性(砥石寿命)が得
られるようになる。
【0038】一方、上記レジノイド砥石16の多数の気
孔24は互いに独立しているため、気孔が連通している
場合のように研削液が内部まで浸透して樹脂結合剤を劣
化させる恐れがないとともに、多数の気孔24はレジノ
イド砥石16の組織中に略均一に分散させられるため、
略均一な研削性能が長時間に亘って保持される。また、
気孔形成材を用いて気孔を形成する従来の多孔質のレジ
ノイド砥石に比較して、その気孔形成材に由来する異物
が存在しないため、異物に起因して研削性能が阻害され
る恐れがない。
【0039】また、本実施例では、流動性砥石材料40
をビトリファイド砥石14の周りに流し込んでレジノイ
ド砥石16を製作すると同時に固着するとともに、流し
込まれた流動性砥石材料40の液状樹脂(エポキシ樹脂
22)がビトリファイド砥石14の気孔内に含浸して補
強するようになっているため、レジノイド砥石16を別
体に製作して接着剤などでビトリファイド砥石14に固
着したり、別工程でビトリファイド砥石14に液状樹脂
を含浸させたりする場合に比較して工程数が少なくな
り、製造コストが低減される。
【0040】更に、流動性砥石材料40を2工程で流し
込むようになっているため、ビトリファイド砥石14の
気孔内に充分に液状樹脂(エポキシ樹脂22)が含浸さ
せられ、所望する強度や耐摩耗性などが得られるととも
に、ビトリファイド砥石14とレジノイド砥石16との
境界に気泡が混入することも抑制される。
【0041】因みに、上記複合砥石10(本発明品)
と、その複合砥石10に比較して、界面活性剤を含んで
いない (a) アルミナ砥粒(WA)(♯220); 70.0重量%、 (b) エポキシ樹脂主剤; 22.0重量% (c) エポキシ樹脂硬化剤; 8.0重量% から成る流動性砥石材料を用いてレジノイド砥石を製
作、固着した点のみが異なる比較品1と、レジノイド砥
石を備えていない多数のビトリファイド砥石14のみか
ら成る比較品2(図6に示す砥石)とを、それぞれ一対
ずつ用意し、以下の研削条件で研削加工を行って研削性
能を調べたところ、表1に示す結果が得られた。表1の
「研削比」は、砥石の摩耗量に対する被研削材の研削量
の体積比である。なお、前記図3の(b) は、比較品1に
おけるレジノイド砥石の組織を示す図である。 (研削条件) ・砥石寸法; φ355×φ250×120(mm) ・使用機械; 両頭平面研削盤 ・研削方式; 湿式両頭平面研削 ・砥石周速度; 1340m/min ・被研削材; MMC(Al70%−SiC30%) ・被研削材寸法; 長さ100(mm)×幅20(mm) ・切込み寸法; 0.7(mm/pass)
【0042】
【表1】
【0043】かかる表1から明らかなように、本発明品
は比較品1に比べて研削比が2倍程度と摩耗が少なく、
加工物(被研削材)の面状態も研削焼けが無い。比較品
2は、研削比が本発明品の1/2以下と小さく、研削焼
けや溶着が生じるとともに、溶着などに起因する欠けも
見られる。
【0044】なお、上例では独立に構成された多数のビ
トリファイド砥石14によってビトリファイド砥石部が
構成されていたが、例えば図10に示すように、単一の
ビトリファイド砥石50の上面52に溝54や切欠56
を設け、その溝54内や切欠56に多孔質のレジノイド
砥石58を埋め込んだ形態の複合砥石60に本発明を適
用することも可能である。この場合、上面52は研削表
面に相当し、ビトリファイド砥石50およびレジノイド
砥石58のうち上面52に露出している部分がビトリフ
ァイド砥石部、レジノイド砥石部を構成している。
【0045】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であ
り、両頭平面研削加工以外の研削加工に使用する複合砥
石にも適用され得るなど、本発明は当業者の知識に基づ
いて種々の変更,改良を加えた態様で実施することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である複合砥石の斜視図であ
る。
【図2】図1の複合砥石の平面図および縦断面図を示す
図である。
【図3】図1の複合砥石における多孔質のレジノイド砥
石の組織を通常のレジノイド砥石と比較して示す図であ
る。
【図4】図1の複合砥石の製造工程を示す工程図であ
る。
【図5】図4の工程1で製作されるビトリファイド砥石
を示す斜視図である。
【図6】図4の工程2で台金に多数のビトリファイド砥
石が固着された状態を示す図である。
【図7】図4の工程3のレジノイド砥石製作・固着工程
を説明する図である。
【図8】図4の工程3を具体的に詳しく説明する工程図
である。
【図9】図1の複合砥石の使用形態の一例を説明する図
である。
【図10】本発明の他の実施例を説明する図である。
【符号の説明】
10,60:複合砥石 10s:研削表面 14,50:ビトリファイド砥石(ビトリファイド砥石
部) 16,58:レジノイド砥石(レジノイド砥石部) 20:アルミナ砥粒(砥粒) 22:エポキシ樹脂(液状樹脂) 24:気孔 40:流動性砥石材料 46:被研削材 52:上面(研削表面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B24D 3/32 B24D 3/32 7/14 7/14 (56)参考文献 特開 平2−292178(JP,A) 特開 平10−138148(JP,A) 特開 平10−138149(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24D 3/02 B24D 3/02 310 B24D 3/00 320 B24D 3/00 340 B24D 3/32 B24D 7/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被研削材を研削する研削表面が、ビトリ
    ファイド砥石部と該ビトリファイド砥石部の周りを埋め
    るように設けられた多孔質のレジノイド砥石部とによっ
    て構成されている複合砥石の製造方法であって、 前記ビトリファイド砥石部を製作するビトリファイド砥
    石製作工程と、 砥粒、結合剤として作用する液状樹脂、および界面活性
    剤を含む流動性砥石材料を攪拌し、多数の気泡を創成し
    た状態で前記ビトリファイド砥石部の周りに流し込んで
    硬化させることにより、該気泡による多数の気孔を有す
    る前記多孔質のレジノイド砥石部を製作すると同時に該
    ビトリファイド砥石部に一体的に固着するとともに、流
    し込まれた該流動性砥石材料の液状樹脂が該ビトリファ
    イド砥石部の気孔内に含浸して硬化することにより該ビ
    トリファイド砥石部を補強するレジノイド砥石製作・固
    着工程とを有し、且つ、前記レジノイド砥石製作・固着
    工程は、 攪拌により多数の気泡が創成された前記流動性砥石材料
    を前記ビトリファイド砥石部と略同じ高さまで流し込ん
    で、該ビトリファイド砥石部の側面から気孔内に前記液
    状樹脂を含浸させる第1流込み工程と、 該液状樹脂が前記ビトリファイド砥石部の側面から略含
    浸した状態で、該ビトリファイド砥石部が上面まで埋ま
    るように前記流動性砥石材料を更に流し込む第2流込み
    工程と、 前記ビトリファイド砥石部の上面が露出するとともに該
    ビトリファイド砥石部および前記レジノイド砥石部の上
    面が略面一になるように、余分なレジノイド砥石を除去
    する除去工程と を有することを特徴とする複合砥石の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 被研削材を研削する研削表面が、ビトリ
    ファイド砥石部と該ビトリファイド砥石部の周りを埋め
    るように設けられた多孔質のレジノイド砥石部とによっ
    て構成されている複合砥石の製造方法であって、 前記ビトリファイド砥石部を製作するビトリファイド砥
    石製作工程と、 砥粒、結合剤として作用する液状樹脂、および界面活性
    剤を含む流動性砥石材料を攪拌し、多数の気泡を創成し
    た状態で前記ビトリファイド砥石部の周りに流 し込んで
    硬化させることにより、該気泡による多数の気孔を有す
    る前記多孔質のレジノイド砥石部を製作すると同時に該
    ビトリファイド砥石部に一体的に固着するとともに、流
    し込まれた該流動性砥石材料の液状樹脂が真空脱泡処理
    により該ビトリファイド砥石部の気孔内に強制的に含浸
    させられて硬化することにより該ビトリファイド砥石部
    を補強するレジノイド砥石製作・固着工程と を有するこ
    とを特徴とする複合砥石の製造方法。
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