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JP3355243B2 - トーチ位置制御方法及び制御装置 - Google Patents
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JP3355243B2 - トーチ位置制御方法及び制御装置 - Google Patents

トーチ位置制御方法及び制御装置

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JP3355243B2
JP3355243B2 JP05316694A JP5316694A JP3355243B2 JP 3355243 B2 JP3355243 B2 JP 3355243B2 JP 05316694 A JP05316694 A JP 05316694A JP 5316694 A JP5316694 A JP 5316694A JP 3355243 B2 JP3355243 B2 JP 3355243B2
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torch
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克弥 久貝
茂徳 松浦
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アークを発生する前
に、消耗電極(以下、ワイヤという)の先端を被溶接物
(以下、加工用ワークという)に接触させて加工用ワー
クの位置を検出(以下、タッチセンシングという)し
て、検出した加工用ワークの溶接開始位置に溶接トーチ
(以下、トーチという)を移動して溶接を開始し、予め
定めた位置で溶接を終了するトーチ位置制御方法及び制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
[従来技術1]図1は、特開昭62−114771号公
報に開示された「溶接ロボットのタッチセンシング空振
り防止式制御方法」(以下、従来技術1という。)の自
動溶接装置の構成図である。
【0003】同図において、1は自動溶接装置であっ
て、トーチ4と、このトーチ4にワイヤ5を送給するワ
イヤ送給装置6と、ワイヤ5に給電する電源装置3と、
自動溶接装置1を総合的に制御するマイクロコンピュー
タ内蔵の制御装置2とから成る。電源装置3は、溶接用
電源装置3aと検出用補助電源装置3bと接触電流検出
装置3cと検出・溶接用電源切換えスイッチ3dとを含
んでいる。加工用ワーク7の近傍又はトーチ4のワイヤ
先端5aの近傍の任意の空間の一点を原点とするX方
向、Y方向及びZ方向から成る直交座標系(以下、基準
直交座標系という)XYZを設定する。
【0004】図2の加工用ワーク配置図に示すように、
加工用ワーク7は、溶接開始位置Aと溶接終了位置Bと
から成る溶接線Wyを含み、加工用ワークの垂直面7a
と加工用ワークの水平面7bと加工用ワークの板厚面7
cとは互いに直交する3つの面である。以下、基準直交
座標系XYZにおいて、溶接線方向をY方向、加工用ワ
ークの垂直面7aの方向をX方向及び加工用ワークの水
平面7bの方向をZ方向とする。
【0005】図3は、予め定めたワイヤ突出し長(以
下、固定ワイヤ長という)Ltのときのトーチ先端の断
面図であり、図4は、実際に変化するワイヤ突き出し長
Laのときのトーチ先端の断面図である。
【0006】図3及び図4のトーチ先端の断面図に示す
ように、トーチ4は、シールドガスノズル(以下、ノズ
ルという)4aと、ノズルの中心線に沿ってワイヤ5を
挿通する貫通孔を形成するコンタクトチップ4bとから
成っており、コンタクトチップ4bの先端からワイヤ先
端5aまでのワイヤ突出し長(以下、変動ワイヤ長とい
う)は変動する。この変動ワイヤ長をLaで示す。
【0007】このように、従来の制御装置2は、固定ワ
イヤ長Ltに限定したときに、加工用ワーク7に対する
ワイヤ先端位置(以下、固定ツール点という)TCP及
び加工用ワーク7に対する角度を制御している。この固
定ツール点TCPの位置は、トーチ4を支持する機械的
構成部品の形状及び寸法とトーチ4を支持する機械的構
成部品の予め定めた位置とから算出される。
【0008】例えば、トーチ4を支持する機械的構成部
品が、多関節ロボットのときは、機械的構成部品の形状
及び寸法は、各関節を結合しているリンクの長さで定ま
り、機械的構成部品の予め定めた位置は、各関節の回転
角度を検出するエンコーダの出力値で定まる。リンクの
寸法と検出した各関節の回転角度と予め定めた固定ワイ
ヤ長Ltとから固定ツール点TCPの位置を算出するこ
とができる。
【0009】従来の制御装置2においては、変動ワイヤ
長Laが予め定めた固定ワイヤ長Ltと等しい場合にの
み、実際のワイヤ先端5aが固定ツール点TCPに一致
する。したがって上記のように、変動ワイヤ長Laが固
定ワイヤ長Ltに等しい場合は、固定ツール点TCPを
予め定めた位置に移動させる制御をすれば、ワイヤ先端
5aの位置を移動させる制御をしたこになる。
【0010】図2に示す加工用ワーク7を溶接する前
に、図5乃至図8に示す教示用ワーク70の予め定めた
位置の座標値を記憶(以下、教示という)しておく。図
5乃至図8は、ワークずれ量演算処理を説明する図であ
り、図5は、トーチ4をX方向及びZ方向に移動させた
ときの教示位置及び検出位置を示す図である。図6は、
トーチ4をZ方向及びY方向に移動させたときの教示位
置及び検出位置を示す図である。図7は、ワイヤ先端を
加工用ワークに接触させることによって検出する第1の
従来技術のワークずれ量演算処理の説明図である。図8
は、教示された溶接開始位置及び溶接終了位置と溶接時
の溶接開始位置及び溶接終了位置とを示す図である。
【0011】図5及び図7に示す教示位置は、X方向の
検出開始位置Px0の座標値(Xx0,Yx0,Zx
0)及びZ方向の検出開始位置Pz0の座標値(Xz
0,Yz0,Zz0)である。図6に示す教示位置は、
Y方向の検出開始位置Py0の座標値(Xy0,Yy
0,Zy0)である。図8に示す教示位置は、溶接開始
教示位置A0の座標値(Ax0,Ay0,Az0)及び
溶接終了教示位置B0の座標値(Bx0,By0,Bz
0)である。
【0012】図9は、従来技術1の図1の自動溶接装置
の動作を説明するフローチャートである。同図におい
て、処理開始前の教示の手順は図5乃至図8の教示の手
順と同じであり、次に2つの処理を行う。その第1の処
理は、最初の教示用ワークの教示位置とそれ以後の加工
用ワークの実際の位置とのワークの位置ずれ量を演算す
るワークずれ量演算処理(ステップST100乃至ステ
ップST300)であり、第2の処理は、このずれ量を
補正したトーチを加工用ワークの溶接開始位置まで移動
した後に溶接を行い、溶接終了位置で溶接を終了するト
ーチ位置制御処理(ステップST400)である。
【0013】まず、第1の処理であるワークずれ量演算
処理は、X方向ワークずれ量演算処理(ステップST1
00)とZ方向ワークずれ量演算処理(ステップST2
00)とY方向ワークずれ量演算処理(ステップST3
00)とから成る。
【0014】図10は、X方向ワークずれ量演算処理の
動作順序を示すフローチャートであり、同図を参照して
X方向ワークずれ量演算処理の動作を説明する。最初
に、図1に示すように、検出・溶接電源用切換えスイッ
チ3dを検出用補助電源装置3b側に切換える(ステッ
プST101)。
【0015】図8において、教示用ワーク70は、溶接
開始教示位置A0と溶接終了教示位置B0とを結ぶ線分
から成る教示溶接線Wy0を含んでいる。加工用ワーク
7は、図5及び図6に示すように、教示用ワーク70よ
りもずれた位置に配置されており、溶接開始位置Aと溶
接終了位置Bとを結ぶ線分から成る溶接線Wyを含んで
いる。また、そのずれ量をX軸方向にΔX、Y軸方向に
ΔY及びZ軸方向にΔZとして、これらのずれ量を次の
とおり演算する。
【0016】まず最初に、図5及び図7に示す教示され
たX方向検出開始位置Px0の座標値(Xx0,Yx
0,Zx0)に、固定ツール点TCPが位置するよう
に、ワイヤ先端5aを移動する(ステップST10
2)。検出用補助電源装置3bによって、ワイヤ先端5
aと加工用ワーク7との接触を検出する電圧(以下、接
触検出用電圧という)を印加する(ステップST10
3)。
【0017】ワイヤ先端5aが加工用ワークの垂直面7
aに接触したことを接触電流検出装置3cが検出するま
で、X軸方向にトーチ4を移動して、加工用ワーク7と
の接触位置(以下、加工用ワークの接触位置という)P
x1の座標値(Xx1,Yx0,Zx0)を検出する
(ステップST104乃至ステップST107)。検出
後に、接触検出用電圧を遮断する(ステップST10
8)。
【0018】ワイヤ先端5aが教示用ワーク70に接触
する接触位置(以下、教示用ワーク接触位置という)P
x2の座標値を(Xx2,Yx0,Zx0)とする。上
記の加工用ワーク接触位置Px1の座標値と教示用ワー
ク接触位置の座標値Px2とから、次の(1)式によっ
てX軸方向のワーク位置ずれ量ΔXを演算して記憶する
(ステップST109)。 ΔX=Xx1−Xx2 ・・・(1)
【0019】図11は、Z方向のワークずれ量演算処理
の動作順序を示すフローチャートであり、同図を参照し
てZ方向のワークずれ量演算処理の動作を説明する。図
5に示す教示されたZ方向の検出開始位置Pz0の座標
値(Xz0,Yz0,Zz0)をX方向にΔXだけシフ
トして、Z方向の検出開始位置Pzs0の座標値(Xz
0+ΔX,Yz0,Zz0)を算出する(ステップST
201)。このZ方向検出開始位置Pzs0に固定ツー
ル点TCPが位置するようにワイヤ先端5aを移動する
(ステップST202)。
【0020】検出用補助電源装置3bによって、ワイヤ
先端5aと加工用ワーク7との間に、接触検出用電圧を
印加する(ステップST203)。
【0021】加工用ワークの水平面7bにワイヤ先端5
aが接触したことを接触電流検出装置3cが検出するま
で、Z軸方向にトーチ4を移動して、接触位置Pzs1
の座標値(Xz0+ΔX,Yz0,Zz1)を検出する
(ステップST204乃至ステップST207)。検出
後に、接触検出用電圧を遮断する(ステップST20
8)。
【0022】教示用ワーク70の接触位置(以下、教示
位置という。)Pz2の座標値(Xz0,Yz0,Zz
2)と加工用ワーク接触位置Pzs1の座標値(Xz0
+ΔX,Yz0,Zz1)とから、次の(2)式によっ
てZ軸方向のワーク位置ずれ量ΔZを演算して記憶する
(ステップST209)。 ΔZ=Zz1−Zz2 ・・・(2)
【0023】図12は、Y方向のワークずれ量演算処理
の動作順序を示すフローチャートであり、同図を参照し
てY方向のワークずれ量演算処理の動作を説明する。図
6に示す教示されたY方向の検出開始位置Py0の座標
値(Xy0,Yy0,Zy0)をX方向にΔX、Z方向
にΔZだけシフトしてY方向の検出開始位置Pys0の
座標値(Xy0+ΔX,Yy0,Zy0+ΔZ)を算出
する(ステップST301)。このY方向検出開始位置
Pys0に固定ツール点TCPが位置するようにワイヤ
先端5aを移動する(ステップST302)。
【0024】検出用補助電源装置3bによって、ワイヤ
先端5aと加工用ワーク7との間に、接触検出用電圧を
印加する(ステップST303)。加工用ワークの板厚
面7cにワイヤ先端5aが接触したことを接触電流検出
装置3cが検出するまでY軸方向にトーチ4を移動し
て、接触点Pys1の座標値(Xy0+ΔX,Yy1,
Zy0+ΔZ)を検出する(ステップST304乃至ス
テップST307)。検出後に、接触検出用電圧を遮断
する(ステップST308)。
【0025】教示位置Py2の座標値(Xy0,Yy
2,Zy0)と、加工用ワーク接触位置Pys1の座標
値(Xy0+ΔX,Yy1,Zy0+ΔZ)とから、次
の(3)式によってY軸方向のワーク位置ずれ量ΔYを
演算して記憶する(ステップST309)。 ΔY=Yy1−Yy2 ・・・(3)
【0026】図13は、トーチ位置制御処理の動作順序
を示すフローチャートであり、同図を参照してトーチ位
置制御処理開始から終了までの動作を説明する。まず、
図1に示す検出・溶接電源用切換えスイッチ3dを溶接
用電源装置3a側へ切換えて、ワイヤ5と加工用ワーク
7との間に溶接用電源を接続する(ステップST40
1)。
【0027】図8に示す教示溶接線Wy0は、溶接開始
教示位置A0の座標値(Ax0,Ay0,Az0)と溶
接終了教示位置B0の座標値(Bx1,By1,Bz
1)とを結ぶ線分である。この溶接開始教示位置A0と
溶接終了教示位置B0とを、ワークずれ量演算処理によ
って算出する。この算出されたワーク位置のずれ量(Δ
X,ΔY,ΔZ)だけシフトした溶接開始位置Aの座標
値(Ax0+ΔX,Ay0+ΔY,Az0+ΔZ)と溶
接終了位置Bの座標値(Bx1+ΔX,By1+ΔY,
Bz1+ΔZ)とを算出する(ステップST402及び
ステップST403)。
【0028】算出された溶接開始位置Aにトーチ4を移
動して溶接を開始し、溶接終了位置Bまで溶接を行う
(ステップST404)。
【0029】上述した従来技術1においては、図5乃至
図8で説明したように、Y方向のタッチセンシング時の
空振りを防ぐために、Z方向の検出開始位置Pz0の座
標値(Xz0,Yz0,Zz0)を、ΔXだけシフトし
たPzs0の座標値(Xz0+ΔX,Yz0,Zz0)
から検出を開始し、さらにY軸方向の検出開始位置Py
0の座標値(Xy0,Yy0,Zy0)をΔXだけシフ
トしたPys0の座標値(Xy0+ΔX,Yy0,Zy
0)さらにΔYだけシフトしたPys2の座標値(Xy
0+ΔX,Yy0+ΔY,Zy0)から検出を開始して
いる。
【0030】[従来技術2]特開昭62−142079
号公報に開示された「自動溶接装置におけるワーク面検
出方法」(以下、従来技術2という)の構成図は、図1
と同じである。図15は、コンタクトチップ先端を加工
用ワークに接触させて検出する第2の従来技術のワーク
ずれ量演算処理の説明図である。
【0031】図14は、従来技術2の自動溶接装置の動
作を説明するフローチャートである。同図において、処
理開始前の教示手順は図5乃至図8の教示手順と同じで
あり、処理開始から処理終了までに次の4つの処理を行
う。
【0032】その第1の処理は、ワイヤ送給ローラ6b
を逆転させてワイヤ5をコンタクトチップ4b内に引き
込む処理(ステップST50)である。第2の処理は、
教示用ワーク70の教示位置とそれ以後の加工用ワーク
7の実際の位置とのワークずれ量を演算するワークずれ
量演算処理(ステップST100乃至ステップST30
0)である。
【0033】第3の処理は、ワイヤ送給ローラ6bを正
転させワイヤ5をコンタクトチップ4bから出す処理
(ステップST350)である。第4の処理は、検出し
て演算したワークずれ量を補正した加工用ワーク7の溶
接開始位置A及び溶接終了位置Bを演算する処理と、こ
の演算した溶接開始位置Aまでトーチ4を移動して溶接
を開始し、演算した溶接終了位置Bまで溶接をする処理
とを実行するトーチ位置制御処理(ステップST40
0)である。
【0034】前述したように、従来技術1が、図5に示
すように、ワイヤ先端5aを接触させて検出を行ってい
るのに対して、従来技術2は、図15に示すように、コ
ンタクトチップ先端を加工用ワーク7に接触させて検出
をしている。したがって、従来技術2は、従来技術1の
空振りを防止する利点の他に、ワイヤ突出し長の変動の
影響を受けない特徴を有している。なお、従来技術2の
第2のワークずれ量演算処理及び第4のトーチ位置制御
処理は、従来技術1の処理と同じである。
【0035】従来技術2は、従来技術1に比べて利点も
あるが、下記の3つの処理をしなければこの利点が得ら
れないために、ワークずれ量演算処理に時間がかかる欠
点にもなる。 (1)ワイヤ先端5aにスパッタが付着したり溶融球が
生じるために、検出時にワイヤ5をコンタクトチップ4
b内に引き込むことができない場合は、溶接終了毎に、
ワイヤ5の先端部を切断しなければならない。 (2)加工用ワーク7の任意の水平面に対して垂直にコ
ンタクトチップ4bを接触させ、接触位置から予め定め
た固定ワイヤ長Ltに相当する距離だけトーチ4を上昇
させ、ワイヤ5を加工用ワークの水平面7bに接触する
まで送給することでワイヤ突出し長を正確に固定ワイヤ
長Ltの長さに規正することが必要である。 (3)トーチ4内にコンタクトチップ4bを軸線方向に
移動自在に取付けて溶接時にノズル4a内に引き込み、
タッチセンシング時に先端方向に移動することが必要で
ある。
【0036】[従来技術3]図16は、特開昭62−7
2486号公報に開示された「溶接ワイヤによるセンシ
ング装置」(以下、従来技術3という)の構成を示す図
である。
【0037】同図において、従来技術1の自動溶接装置
の構成を示す図1と同一機能は同一名称及び符号で示
す。ただし、後述するワイヤ曲がりずれ量ΔMとワイヤ
の曲がり量(以下、曲がり量という)ΔRとを演算して
矯正するワイヤ矯正ゲージ(以下、ゲージという)8
と、ワイヤ5の先端部を切断するワイヤ切断装置9とが
追加されている。
【0038】図17は、従来技術3の自動溶接装置の動
作を説明するフローチャートである。同図において、処
理開始前の教示の手順は図5乃至図8で説明した教示の
手順と同じであり、処理開始から処理終了までに次の3
つの処理を行う。
【0039】その第1の処理は、ワイヤの曲がりによっ
て見かけ上減少したワイヤ突出し長さ(以下、ワイヤ曲
がりずれ量という。)ΔMを演算するワイヤ曲がりずれ
量演算処理とワイヤ5の曲がり量ΔRを測定して、曲が
り量ΔRを矯正する曲がり量矯正処理とを実行するワイ
ヤ曲がり演算矯正処理(ステップST1)である。
【0040】第2の処理は、教示用ワークの教示位置と
それ以後の加工用ワークの実際の位置とのワークずれ量
を演算するワークずれ量演算処理(ステップST100
乃至ステップST300)である。
【0041】第3の処理は、このワークずれ量を補正し
た加工用ワークの溶接開始位置A及び溶接終了位置Bを
演算する処理と、この演算した溶接開始位置Aまでトー
チ4を移動して溶接を開始し、演算した溶接終了位置B
までトーチ4を移動して溶接する処理とを実行するトー
チ位置制御処理(ステップST400)である。
【0042】図18は、従来技術3のワイヤ曲がり演算
矯正処理を説明するフローチャートである。このワイヤ
曲がり演算矯正処理は、ワイヤ5の先端部を切断して溶
融球を除去し、ワイヤが曲がっているときの固定ツール
点の位置を測定してワイヤ曲がりずれ量ΔMを演算する
ワイヤ曲がりずれ量演算処理(ステップST10)と、
曲がり量ΔRを演算してこの曲がり量を矯正する曲がり
量矯正処理(ステップST30)とが実行される。
【0043】図19は、従来技術3のワイヤ曲がりずれ
量演算処理時のワイヤ5及びゲージ8の位置を示すXZ
平面の断面図である。同図(A)は、ワイヤ曲がりずれ
量検出開始時のワイヤ5及びゲージ8の位置を示すXZ
平面の断面図であり、同図(B)は、ワイヤ先端5aが
ゲージ8に接触した時の両者の位置を示すXZ平面の断
面図である。
【0044】図19(A)において、8は底面付き中空
円筒体のゲージであって、その底面はX座標値Xtの位
置に設定されており、5tはワイヤが曲がっていないと
仮定したときのワイヤであり一点鎖線で示す。4tはワ
イヤ先端がゲージ8の底面に接触すると仮定したときの
位置(ワイヤ曲がりずれ量検出開始時のワイヤ先端位
置)TCP0までトーチを移動して停止させたときのト
ーチ位置であり、Ltは固定ワイヤ長であり、実線5は
実際の曲がったワイヤであり、4は上記のトーチ4tと
同じ位置にある実際のトーチであり、Laは変動ワイヤ
長であり、ΔMはワイヤ曲がりずれ量である。
【0045】つぎに図19(B)において、ゲージ8の
底面に接触するまでトーチ4を移動させた時の一点鎖線
で示すワイヤ5tの先端は、ワイヤ曲がりずれ量検出時
のワイヤ先端位置TCP1に移動し、その位置TCP1
のX座標値XΔMを検出する。
【0046】図20は、従来技術3のワイヤ曲がりずれ
量演算処理を説明するフローチャートであり、処理順序
は次のとおりである。
【0047】最初に、検出・溶接用電源切換えスイッチ
3dを検出用補助電源装置3b側に切換える(ステップ
ST11)。次に、前回の溶接終了時にワイヤ5の先端
に溶融球が生じているので、ワイヤ5を突出して、ワイ
ヤ先端5aをワイヤ切断装置9で切断する(ステップS
T12)。
【0048】図19(A)に示すように、ワイヤ曲がり
ずれ量検出開始時のワイヤ先端位置TCP0の座標値X
tに、トーチ4を移動して停止する(ステップST1
3)。同図において、トーチ4tのように、ワイヤ5t
の曲がりを生じていないときは、ワイヤ突出し長は固定
ワイヤ長Ltであるが、トーチ4のようにワイヤ5が下
方へ曲がると、X方向の見かけのワイヤ5の突出し長即
ち変動ワイヤ長Laは固定ワイヤ長Ltよりもワイヤ曲
がりずれ量ΔMだけ短くなる。ステップST13におい
てトーチを停止させた位置で、検出用補助電源装置3b
によって、ワイヤ5とゲージ8との間に接触検出用電圧
を印加する(ステップST14)。
【0049】図19(B)に示すように、ワイヤ曲がり
ずれ量ΔMを演算するために、接触電流検出装置3cに
よって、ワイヤ5の先端とゲージ8の底面とが接触する
ときの固定ツール点の座標値が検出されるまで、トーチ
4をX方向に移動する(ステップST15乃至ステップ
ST17)。ワイヤ5の先端とゲージ8の底面との接触
が検出されたときの固定ツール点(ワイヤ曲がりずれ量
検出時のワイヤ先端位置)TCP1の座標位置XΔMを
記憶する(ステップST18)。
【0050】接触検出用電圧を遮断する(ステップST
19)。ワイヤ曲がりずれ量ΔMと変動ワイヤ長Laと
を、次の(4)及び(5)式によって演算する(ステッ
プST20)。 ΔM=XΔM−Xt ・・・(4) La=Lt−ΔM ・・・(5)
【0051】ここで、ゲージ8の底面の座標値Xtと固
定ワイヤ長Ltとは既知であり、またワイヤ曲がりずれ
量検出位置TCP1の座標値XΔMは検出値である。演
算された変動ワイヤ長Laが適正範囲内であるか否かを
判断し、適正範囲内でないときは、ワイヤ切断の処理
(ステップST12)に戻り、ワイヤ曲がりずれ量演算
処理を繰り返す(ステップST21)。
【0052】図21は、従来技術3の曲がり量を演算す
るための曲がり量検出位置TCP3のZ方向座標値ZΔ
Rを検出するときのワイヤ5及びゲージ8の位置を示す
XZ平面の断面図である。同図において、曲がり量検出
開始時のワイヤ先端位置TCP2は座標値Xrの位置に
設定され、またゲージ8の内周面は座標値Ztの位置に
設定されている。
【0053】TCP2は、曲がり量検出開始位置であ
り、TCP3は、曲がり量検出時にワイヤ5がゲージ8
の内周面に接触する点をワイヤ曲がり量検出時のワイヤ
先端位置(以下、ワイヤ曲がり量検出位置という)であ
って、曲がり量検出開始位置TCP2から曲がり量検出
位置TCP3までワイヤ先端を移動させる。TCP4
は、曲がり量矯正時のワイヤ先端位置(以下、曲がり矯
正位置という)であって、曲がり矯正位置のZ方向座標
値Zcまでトーチ4を移動させる。
【0054】図22は、従来技術3の曲がり量矯正処理
を説明するフローチャートであって、処理順序は次のと
おりである。
【0055】ワイヤ曲がりずれ量演算処理の後、図21
に示すように、ワイヤ先端5aがゲージ8の底面からX
方向に数mm離れた曲がり量検出開始位置(例えば、X座
標値Xr)にワイヤ先端5aを移動する(ステップST
31)。次に、検出用補助電源装置3bによって、ワイ
ヤ5とゲージ8との間に接触検出用電圧を印加する(ス
テップST32)。
【0056】図21に示すように、曲がり量ΔR演算す
るために、接触電流検出装置3cによって、ワイヤ5の
先端とゲージ8の内周面との接触点(ワイヤ曲がり検出
位置)が検出されるまで、トーチ4をZ方向に移動する
(ステップST33乃至ステップST35)。ワイヤ5
の先端とゲージ8の内周面との接触が検出されたときの
固定ツール点(ワイヤ曲がり量検出位置)TCP3の座
標位置ZΔRを記憶する(ステップST36)。
【0057】接触検出用電圧を遮断する(ステップST
37)。曲がり量ΔRを、次の(6)式によって演算す
る(ステップST38)。
【0058】 ΔR=Zt−ZΔR ・・・(6) ここで、Z方向座標値Ztは、ゲージ8の内周面のZ方
向の設置位置であって既知であり、また曲がり量検出位
置TCP3のZ方向座標値ZΔRは、ワイヤ先端5aが
ゲージ8の内周面に接触したときの固定ツール点の座標
値の検出値である。
【0059】次に、曲がり量検出位置TCP3からZ方
向にトーチ4を移動させて、曲がり量ΔRを矯正する。
曲がり量矯正位置TCP4までトーチ4を移動させるた
めのZ方向座標値Zcを、次の(7)式によって演算す
る(ステップST39)。
【0060】 Zc=Zt+α1・ΔR ・・・(7) ただし、α1は、ワイヤの種類(材質、直径等)による
定数である。この演算したZ方向の座標値がZcの曲が
り矯正位置TCP4までトーチ4を移動させて曲がりを
矯正する(ステップST40及びステップST41)。
【0061】ここまでの処理をZ軸の正負両方向(上下
方向)で繰り返し、さらにY軸の正負両方向(左右方
向)でも繰り返す。
【0062】このように、従来技術3においては、曲が
り量を矯正することによって、固定ツール点TCPに実
際のワイヤ先端5aを一致させて、ワイヤ5の突出し長
のバラツキによる加工用ワーク7の検出位置のバラツキ
(以下、位置検出誤差という)をなくしている。
【0063】
【発明が解決しようとする課題】ワイヤ突出し長は、溶
接中のワイヤの溶融状態によって各溶接終了時ごとに異
なり、バラツキを生じるので、従来技術においては下記
の問題点がある。
【0064】従来技術1では、前述したように、変動ワ
イヤ長Laと固定ワイヤ長Ltとが等しい場合のみを想
定しているので、固定ツール点TCPと実際のワイヤ先
端5aの位置とが一致しているときのみ、位置検出誤差
がなく空振りを防止することができる。しかし変動ワイ
ヤ長Laと固定ワイヤ長Ltとが異なるときは、固定ツ
ール点TCPと実際のワイヤ先端5aの位置とが一致し
ないために、タッチセンシング時において位置検出誤差
を発生する。この位置検出誤差が大きくなるとワイヤ突
出し長が短いときはタッチセンシング時に空振りをし、
ワイヤ突出し長が長いときは検出開始時にすでにワイヤ
先端が接触してしまっていて、ワイヤ先端の接触位置の
検出が不能になる問題点があり、以下これについて説明
する。
【0065】図23は、変動ワイヤ長Laが固定ワイヤ
長Ltよりも長い場合に、従来技術のタッチセンシング
における位置検出誤差の発生を説明する図である。前述
した図5の加工用ワークの垂直面7aについて、X軸方
向にタッチセンシングを行うとき、変動ワイヤ長Laが
固定ワイヤ長Ltよりもずれ量ΔLだけ長い場合、タッ
チセンシングによって得られる加工用ワークの垂直面7
aのX軸方向位置にΔLxの検出誤差を生じる。トーチ
4をX軸に対して角度θだけ傾けたとき、ワイヤずれ量
ΔLのX方向の検出誤差ΔLxは、次の(8)式によっ
て演算される。
【0066】 ΔLx=(La−Lt)×cosθ=ΔL×cosθ ・・・(8) したがって、実際のワイヤ先端5aが垂直面7aに接触
した位置にあるにもかかわらず、ワイヤ先端5aが固定
ツール点TCPの位置にあるとして検出してしまうの
で、ワイヤ先端のX方向の位置はΔLxだけ検出誤差が
生じる。同様にして、加工用ワークの水平面7bのZ軸
方向にタッチセンシングを行ったときの検出誤差及び厚
板面7cのY軸方向にタッチセンシングを行ったときの
検出誤差はそれぞれΔLz及びΔLyである。
【0067】図24は、変動ワイヤ長Laが固定ワイヤ
長Ltよりも短い場合に、従来技術のワークずれ量演算
処理における空振りを説明する図である。変動ワイヤ長
Laが固定ワイヤ長Ltよりもずれ量ΔLだけ短い場合
に、固定ツール点TCPは加工用ワークの上端面7dよ
りも下方にあっても、ワイヤ先端5aが加工用ワークの
上端面7dよりも上方にあれば、空振りとなって加工用
ワーク位置の検出をすることができない。
【0068】これに対して、従来技術2においては、前
述したように、ワイヤ5をコンタクトチップ4bの内部
に引き込み、コンタクトチップ4bの先端によってタッ
チセンシングを行うので、ワイヤ突出し長の差異による
検出値のバラツキ及び空振りを防ぐことができる。しか
し、溶接後には通常、ワイヤ先端5aに溶融球が生じる
ので、ワイヤ5をコンタクトチップ4b内に引き込むた
めには、従来技術2の欠点として前述の[0035]に
記載した(1)に示すように、ワイヤ切断手段が必要で
ある。さらに、検出に使用するコンタクトチップ4bが
ノズル4aよりも突出していなければならないために、
例えばMAG溶接、MIG溶接等のようにコンタクトチ
ップ4bの先端が、ノズル4aの内側に位置する必要が
ある場合は、従来技術2の前述の[0035]の(3)
に示すように、コンタクトチップ可動のトーチが必要で
ある。
【0069】また、従来技術3においても、図16乃至
図22において前述したように、ワイヤ切断の手段及び
ワイヤの曲がり量矯正手段が必要である。
【0070】
【課題を解決するための手段】請求項1のトーチ位置制
御方法は、図29のクレーム対応図に示すように、加工
用ワーク7の近傍又はトーチ4のワイヤ先端5aの近傍
の任意の空間の一点を原点とするX方向、Y方向及びZ
方向から成る直交座標系XYZを設定して、加工用ワー
ク7の位置を検出してワークずれ量の補正の演算をした
溶接開始位置Aまでトーチ4を移動させ溶接を開始し、
さらに補正の演算をした溶接終了位置Bまでトーチを移
動させて溶接を終了するトーチ位置制御方法において、
【0071】(1)図26に示すように、実際のワイヤ
突出し長(変動ワイヤ長)Laの先端位置(以下、可変
ツール点VTCPという)を演算するために、トーチ4
を移動させることによって、固定ツール点TCPを検出
開始位置のZ座標値Zjに移動する。次に、固定ツール
点TCPを移動させ、図27に示すように、ワイヤ先端
5aが基準ゲージ10の基準面Zkに接触したときの固
定ツール点TCPのZ座標値Zvを検出して、基準面の
Z座標値Zkと固定ツール点TCPのZ座標値Zvとか
らワイヤずれ量ΔLを演算して記憶する図30のフロー
チャートに示すワイヤずれ量演算処理と、
【0072】(2)固定ワイヤ長Ltとワイヤずれ量Δ
Lとから変動ワイヤ長Laを演算して、変動ワイヤ長L
aの先端位置のZ座標値即ち可変ツール点Z座標値を記
憶する図31のフローチャートに示す可変ツール点演算
処理と、
【0073】(3)ワイヤずれ量演算処理で演算した可
変ツール点VTCPの位置及び可変ツール点を支点とす
るトーチ角度θを制御することによって、実際のワイヤ
先端5aの位置とその実際のワイヤ先端を支点とするト
ーチ角度θとを制御しながら、教示用ワーク70の教示
位置とそれ以後に溶接する加工用ワーク7の実際位置と
のワークずれ量ΔX、ΔY及びΔZを演算する図5乃至
図8及び図10乃至図12に示したワークずれ量演算処
理と、
【0074】(4)ワークずれ量演算処理で演算したワ
ークずれ量ΔX、ΔY及びΔZだけトーチ移動量を加算
又は減算して、ワイヤずれ量のない溶接開始位置Aに、
トーチの移動によって可変ツール点の位置を移動させて
溶接を開始し、ワイヤずれ量のない溶接終了位置Bまで
トーチの移動によって可変ツール点の位置を移動させて
溶接を終了するトーチ位置制御処理とからなるトーチ位
置制御方法である。
【0075】請求項2のトーチ位置制御装置は、図25
及び図32に示すように、加工用ワーク7の近傍又はト
ーチ4のワイヤ先端5aの近傍の任意の空間の一点を原
点とするX方向、Y方向及びZ方向から成る直交座標系
XYZを設定して、加工用ワーク7の位置を検出してワ
ークずれ量の補正の演算をした溶接開始位置Aまでトー
チ4を移動させて溶接を開始し、さらに補正の演算をし
た溶接終了位置Bまでトーチ4を移動させて溶接を終了
するトーチ位置制御装置において、
【0076】溶接用電源装置3aの出力と検出用補助電
源装置3bの出力とを切換える検出・溶接用電源切換え
スイッチ3dと、直交座標系XYZ内の予め定めた位置
に配置された基準ゲージ10の基準面Zkに相当する基
準面信号Zksを予め設定する基準面設定回路ZKと、予
め定めたワイヤ突出し長である固定ワイヤ長Ltに相当
する固定ワイヤ長信号Ltsを設定する固定ワイヤ長設定
回路LTと、
【0077】トーチ4を支持する機械的構成部品の形状
及び寸法に相当する信号と機械的構成部品の予め定めた
位置に相当する信号と固定ワイヤ長信号Ltsとを入力し
て、固定ワイヤ長Ltの先端位置である固定ツール点T
CPに相当する固定ツール点演算信号Tpsを出力する固
定ツール点演算回路TPと、ワイヤ先端5aが基準面Z
k又は教示用ワーク70又は加工用ワーク7に接触した
ときに検出用補助電源装置3bから接触電流検出信号I
cを出力する接触電流検出装置3cと、
【0078】トーチ4を移動させる1つ以上の駆動源を
有するトーチ駆動源MTと、トーチ4の移動の開始及び
停止を指令するトーチ移動指令信号Dtsを出力するトー
チ移動指令回路DTと、
【0079】トーチ移動指令信号Dtsによってトーチ4
を移動させてることによってワイヤ先端を移動させて固
定ツール点TCPを移動して、ワイヤ先端5aが基準面
Zkに接触して接触電流検出信号Icが入力されたとき
の固定ツール点演算信号Tpsを入力して、固定ツール点
の位置に相当する固定ツール点基準面信号Zvsを記憶す
る固定ツール点基準面記憶回路ZVと、基準面のZ座標
値Zkに相当する基準面信号Zksと固定ツール点TCP
のZ座標値Zvに相当する固定ツール点基準面信号Zvs
とからワイヤずれ量ΔLに相当するワイヤずれ量信号D
wsを演算して記憶するワイヤずれ量演算回路DWと、
【0080】固定ツール点TCPに相当する固定ツール
点演算信号Tpsとワイヤずれ量ΔLに相当するワイヤず
れ量信号Dwsとから変動ワイヤ長Laの先端位置である
可変ツール点Z座標値に相当する可変ツール点信号Vps
を演算して記憶する可変ツール点演算回路VPと、トー
チ移動指令信号Dtsと可変ツール点Z座標値に相当する
可変ツール点信号Vpsとを入力して、可変ツール点VT
CPの位置及び可変ツール点を支点とするトーチ角度θ
を制御するトーチ位置角度制御信号Qtsを出力するトー
チ位置角度制御回路QTと、
【0081】トーチ移動指令信号Dtsによってトーチ4
を移動させることによってワイヤ先端を移動させて、ワ
イヤ先端5aが教示用ワーク70の教示位置に接触して
接触電流検出信号Icが入力されたときのトーチ位置角
度制御信号Qtsを入力して教示用ワーク70の教示位置
に相当するワーク教示位置信号Rpsを記憶するワーク教
示位置記憶回路RPと、トーチ移動指令信号Dtsによっ
てトーチ4を移動させることによってワイヤ先端を移動
させて、ワイヤ先端5aが実際に溶接する加工用ワーク
7の実際位置に接触して接触電流検出信号Icが入力さ
れたときのトーチ位置角度制御信号Qtsを入力して加工
用ワークの実際位置に相当するワーク位置信号Wpsを記
憶するワーク位置記憶回路WPと、
【0082】教示用ワーク70の教示位置に相当するワ
ーク教示位置信号Rpsと溶接する加工用ワーク7の実際
位置に相当するワーク位置信号Wpsとを入力して、ワー
クずれ量ΔX、ΔY及びΔZに相当するワークずれ量信
号Wdsを演算して記憶するワークずれ量演算回路WD
と、トーチ位置角度制御信号Qtsとワークずれ量信号W
dsとを入力して、ワークずれ量ΔX、ΔY及びΔZだけ
トーチ移動量を加算又は減算して、ワイヤずれ量のない
溶接開始位置Aに、トーチ4の移動によって可変ツール
点VTCPの位置を移動させて溶接を開始し、ワイヤず
れ量のない溶接終了位置Bまでトーチ4の移動によって
可変ツール点VTCPの位置を移動させて溶接を終了す
る溶接開始終了位置信号Spsをトーチ駆動源MTに出力
するトーチ移動量補正回路SPとからなるトーチ位置制
御装置である。
【0083】
【実施例】図25は、請求項1のトーチ位置制御方法を
実施するトーチ位置制御装置の概略構成図である。同図
において、図1に示す従来技術1の自動溶接装置と同一
機能は、同一名称及び同一記号で示す。
【0084】1は自動溶接装置、3は溶接用電源装置3
aと検出用補助電源装置3bと接触電流検出装置3cと
検出・溶接用電源切換えスイッチ3dとを含む電源装
置、4はトーチ、5はワイヤ、6はワイヤ送給装置、7
は加工用ワークである。ただし、変動ワイヤ長Laと固
定ワイヤ長Ltとの差のワイヤずれ量ΔLを演算するた
めの固定ツール点の座標値を検出するための基準面Zk
を有する基準ゲージ10と後述する図32に示す制御装
置20とが異なる。
【0085】図26は、後述する図29に記載するワイ
ヤずれ量演算処理において、変動ワイヤ長Laと固定ワ
イヤ長Ltとの差のワイヤずれ量ΔLを演算するための
固定ツール点の座標値の検出を開始する時点におけるワ
イヤ先端5aと基準面Zkとの位置関係を示す図であ
る。同図において、前述した図2の説明と同様に、加工
用ワーク7の近傍又はワイヤ先端5aの近傍の任意の空
間の一点を原点とするX方向、Y方向及びZ方向から成
る基準直交座標系XYZを設定している。この基準直交
座標系XYZ内に、本発明に適用する変動ワイヤ長La
と固定ワイヤ長Ltとの差のワイヤずれ量ΔLを検出す
るための基準面Zkを有する基準ゲージ10が、予め設
定された位置に配置されている。この基準面Zkは、ト
ーチ4の軸方向と直交する面であれば、図26に示すX
Y平面の他に、YZ平面又はZX平面であってもよい。
【0086】ここで、固定ワイヤ長Ltは予め定めた値
であり、また固定ツール点TCPの位置は、[000
7]乃至[0009]において前述したとおり、トーチ
4を支持する機械的構成部品の形状及び寸法と機械的構
成部品の予め定めた位置とから算出することができる既
知の位置である。さらに、変動ワイヤ長Laは、後述す
るように、既知の固定ワイヤ長Ltと検出して演算した
ワイヤずれ量ΔLとから算出する。したがって、可変ツ
ール点VTCPは、既知の固定ツール点TCPの位置に
検出して演算したワイヤずれ量ΔLを加算した位置とな
り、この可変ツール点VTCPの位置を制御することに
よって実際のワイヤ長の先端の位置を制御することがで
きる。
【0087】Zjは、後述する固定ツール点TCPとワ
イヤずれ量ΔLとから可変ツール点VTCPを算出する
ための予め定めた可変ツール点検出開始位置のZ座標値
(以下、可変ツール点検出開始Z座標値という)であっ
て、この可変ツール点検出開始Z座標値Zjに、固定ツ
ール点TCPのZ座標値(以下、固定ツール点Z座標値
という)が来るようにトーチ4を移動させる。
【0088】図27は、後述する図29に記載するワイ
ヤずれ量演算処理において、変動ワイヤ長Laと固定ワ
イヤ長Ltとの差のワイヤずれ量ΔLを演算するための
固定ツール点の座標値を検出した時点におけるワイヤ先
端5aと基準面Zkとの位置関係を示す図である。図2
6において、可変ツール点検出開始Z座標値Zjの位置
からトーチ4をZ方向に移動して、ワイヤ先端5aが基
準面Zkに接触したときにトーチ4を停止する。このと
き、トーチ4が移動量ΔZmだけ移動するので、ワイヤ
先端5aが図27に示すとおり基準面Zkに接触し、固
定ツール点TCPも、トーチ4の移動量ΔZmだけ移動
してZvに示す位置になる。この移動後の固定ツール点
Z座標値Zvを記憶しておく。
【0089】図26及び図27において、固定ツール点
TCPのZ座標値に注目すると、可変ツール点検出開始
Z座標値Zjから移動量ΔZmだけトーチ4を移動させ
ると、移動後の固定ツール点Z座標値Zvは、 Zj+ΔZm=Zv…(9a) となる。
【0090】次に、可変ツール点VTCPのZ座標値に
注目すると、可変ツール点検出開始Z座標値Zjとワイ
ヤずれ量ΔLとを加算した位置から移動量ΔZmだけト
ーチ4が移動すると、可変ツール点Z座標値は基準面の
Z座標値Zkに一致して、 Zj+ΔZm+ΔL=Zk…(9b) となる。
【0091】したがって、ワイヤずれ量ΔLは、上記の
式(9b)−(9a)から、 ΔL=Zk−Zv…(9) となる。このように、ワイヤずれ量ΔLを、記憶した基
準面のZ座標値Zkと記憶した固定ツール点TCPのZ
座標値Zvとから、(9)式によって算出して記憶す
る。
【0092】次に、後述する図29に記載する可変ツー
ル点演算処理において、変動ワイヤ長Laは、記憶した
固定ワイヤ長Ltと(9)式によって算出したワイヤず
れ量ΔLとから、次の(10)式によって演算されるの
で、変動ワイヤ長Laの先端位置のZ座標値即ち可変ツ
ール点Z座標値を記憶する。 La=Lt+ΔL…(10)
【0093】図28は、変動ワイヤ長Laが固定ワイヤ
長Ltよりも長い場合の可変ツール点VTCPを使用し
たワークずれ量演算処理の説明図である。同図は、加工
用ワーク7の垂直面7aにワイヤ先端5aが接触するま
でトーチ4を移動させたときの説明図である。同図にお
いて、θは、トーチ4をXY平面に対して傾けた角度
(以下、移動目標角度という)であり、ΔLxは、トー
チ4がXY平面に対して傾いているときのワイヤずれ量
ΔLのX方向の成分である。
【0094】このΔLxは、前述した従来技術の図23
においては、検出誤差になっていたが、本発明において
は、ワイヤ先端5aを可変ツール点VTCPとして制御
しているので、このΔLxは誤差にならないで、ワイヤ
先端5aを制御する可変ツール点VTCPの制御の中に
含まれる。同様にして、トーチ4が、YZ平面又はZX
平面に対して傾いているときのワイヤずれ量ΔLのY方
向の成分ΔLy又はワイヤずれ量ΔLのZ方向の成分Δ
Lzも誤差にならないで、ワイヤ先端5aを制御する可
変ツール点VTCPの制御の中に含まれる。
【0095】図29は、本発明のトーチ位置制御方法を
説明するフローチャートである。同図において、処理開
始前の教示の手順は、図9で説明した教示の手順と同じ
であり、処理開始から処理終了までに次の4つの処理を
行う。
【0096】第1の処理ST60は、図30のフローチ
ャートで後述するワイヤずれ量演算処理(ステップST
61乃至ST69)である。図26において前述した可
変ツール点検出開始Z座標値Zjに、固定ツール点TC
Pを移動させるステップと、図27で前述したように、
ワイヤ先端5aが基準面Zkに接触したときの固定ツー
ル点TCPのZ座標値Zvを検出するステップと、基準
面のZ座標値Zkと固定ツール点TCPのZ座標値Zv
とからワイヤずれ量ΔLを演算して記憶するステップと
から構成される。
【0097】第2の処理ST80は、図31のフローチ
ャートで後述する可変ツール点演算処理(ステップST
81)であり、固定ワイヤ長Ltとワイヤずれ量ΔLと
から変動ワイヤ長Laを演算して、変動ワイヤ長Laの
先端位置のZ座標値即ち可変ツール点Z座標値を記憶す
る処理である。
【0098】第3の処理ST100乃至ST300は、
前述した図5乃至図8及び図10乃至図12に示したワ
ークずれ量演算処理(図9の第1の処理のステップST
100乃至ST300)であり、教示用ワーク70の教
示位置とそれ以後に溶接する加工用ワーク7の実際位置
とのワークずれ量ΔX、ΔY及びΔZを演算する。
【0099】この第3の処理において、第1の処理で演
算した可変ツール点VTCPの位置及び可変ツール点を
支点とするトーチ角度θを制御することによって、実際
のワイヤ先端5aの位置とその実際のワイヤ先端を支点
とするトーチ角度θとを制御している。したがって、本
発明の第3の処理は図9の第1の処理と異なり、ワーク
ずれ量ΔX、ΔY及びΔZの中に、ワイヤずれ量ΔLの
補正値が含まれている。
【0100】第4の処理ST400は、前述した図13
に示したトーチ位置制御処理(ステップST401乃至
ST404)であり、ワークずれ量演算処理で演算した
ワークずれ量ΔX、ΔY及びΔZだけトーチ移動量を加
算又は減算して溶接開始位置A及び溶接終了位置Bを算
出する処理と、ワイヤ先端5aの位置を加工用ワーク7
のワイヤずれ量のない溶接開始位置Aに移動させて溶接
を開始し、加工用ワーク7のワイヤずれ量のない溶接終
了位置Bまで溶接する処理とを実行する。
【0101】本発明の第4処理においては、[図28の
説明]において前述したとおり、ワイヤずれ量は図9の
従来技術のように誤差にならないで、ワイヤ先端5aを
制御する可変ツール点VTCPの制御の中に含まれる。
図示していない曲線又は曲面を溶接するときは、溶接開
始位置と同様に、溶接線上の任意の位置の教示位置を補
正することができる。
【0102】図30は、本発明の第1の処理のワイヤず
れ量演算処理を説明するフローチャートである。以下、
同図を参照して、ワイヤずれ量演算処理の手順を説明す
る。最初に、検出・溶接用電源切換えスイッチ3dを検
出用補助電源装置3b側に切換える(ステップST6
1)。
【0103】トーチ4を移動させることによって、図2
6で前述した可変ツール点検出開始Z座標値Zjに、固
定ツール点TCPを移動させる(ステップST62)。
検出用補助電源装置3bによって、ワイヤ5と基準ゲー
ジ10との間に接触検出用電圧を印加する(ステップS
T63)。
【0104】図27で前述したように、ワイヤ先端5a
が基準面Zkに接触するまでトーチ4を移動させて(ス
テップST64)、ワイヤ先端5aが基準面Zkに接触
したことを検出して(ステップST65及びST6
6)、固定ツール点TCPのZ座標値Zvを記憶(ステ
ップST67)した後に、接触検出用電圧を遮断する
(ステップST68)。
【0105】記憶した基準面のZ座標値Zk及び記憶し
た固定ツール点Z座標値Zvから、ワイヤずれ量ΔL
を、演算式ΔL=Zk−Zvによって演算して記憶する
(ステップST69)。
【0106】図31は、本発明の第2の処理の可変ツー
ル点演算処理及び後述する第3の処理のワークずれ量演
算処理及び第4の処理のトーチ位置制御処理を説明する
フローチャートである。この可変ツール点演算処理(ス
テップST81)は、固定ワイヤ長Ltとワイヤずれ量
ΔLとから変動ワイヤ長Laを演算式La=Lt+ΔL
によって演算して、変動ワイヤ長Laの先端位置のZ座
標値即ち可変ツール点Z座標値を記憶する処理である。
【0107】次に、第3処理のワークずれ量演算処理
は、[0098]において説明したとおりであるので、
説明を省略する。さらに、第4の処理のトーチ位置制御
処理は、[0100]において説明したとおり、ワーク
ずれ量演算処理で演算したワークずれ量ΔX、ΔY及び
ΔZだけトーチ移動量を加算又は減算して、ワイヤ先端
5aの位置を加工用ワーク7のワイヤずれ量のない溶接
開始位置Aに移動させて溶接を開始し、加工用ワーク7
の溶接終了位置Bにおいて溶接を終了する。
【0108】図32は、請求項2の制御装置のブロック
図であり、以下、同図を参照して説明する。
【0109】請求項2の制御装置は、加工用ワーク7の
近傍又はトーチ4のワイヤ先端5aの近傍の任意の空間
の一点を原点とするX方向、Y方向及びZ方向から成る
直交座標系XYZを設定して、加工用ワーク7位置を検
出してワークのずれ量の補正の演算をした溶接開始位置
Aまでトーチ4の移動によって可変ツール点VTCPの
位置を移動させて溶接を開始し、さらに補正の演算をし
た溶接終了位置Bまでトーチ4の移動によって可変ツー
ル点VTCPの位置を移動させて溶接を終了するトーチ
位置制御装置である。
【0110】1は自動溶接装置、20は本発明を実施す
る回路を配置した制御装置、3は溶接用電源装置3aと
検出用補助電源装置3bと接触電流検出装置3cと検出
・溶接用電源切換えスイッチ3dを含む電源装置、4は
トーチ、5はワイヤ、6はワイヤ送給装置、7は加工用
ワークである。
【0111】接触電流検出装置3cは、ワイヤ先端5a
が後述する基準ゲージ10の基準面Zk又は教示用ワー
ク70又は加工用ワーク7に接触したときに検出用補助
電源装置3bから接触電流検出信号Icを出力する。
【0112】検出・溶接用電源切換えスイッチ3dは、
溶接用電源装置3aの出力と検出用補助電源装置3bの
出力とを切換える。
【0113】基準ゲージ10は、後述する可変ツール点
VTCPを算出するためのワイヤ先端位置5aの位置
(例えば、Z座標値)の接触を検出するための基準面
(例えば、Zk)を有している。
【0114】基準面設定回路ZKは、直交座標系XYZ
内の予め定めた位置に配置された基準ゲージ10の基準
面Zkに相当する基準面信号Zksを予め設定して記憶す
る。
【0115】固定ワイヤ長設定回路LTは、予め定めた
ワイヤ突出し長である固定ワイヤ長Ltに相当する固定
ワイヤ長信号Ltsを設定する。
【0116】固定ツール点演算回路TPは、トーチ4を
支持する機械的構成部品の形状及び寸法に相当する信号
と機械的構成部品の予め定めた位置に相当する信号と固
定ワイヤ長信号Ltsとを入力して、固定ワイヤ長Ltの
先端位置である固定ツール点TCPに相当する固定ツー
ル点演算信号Tpsを出力する。
【0117】トーチ駆動源MTは、トーチ4を移動させ
る1つ以上の駆動源を備えている。トーチ移動指令回路
DTは、トーチ4の移動の開始及び停止を指令するトー
チ移動指令信号Dtsを出力する。
【0118】固定ツール点基準面記憶回路ZVは、トー
チ移動指令信号Dtsによってトーチ4を移動させて固
定ツール点TCPを移動して、ワイヤ先端5aが基準面
Zkに接触して接触電流検出信号Icが入力されたとき
の固定ツール点演算信号Tpsを入力して、固定ツール点
の位置に相当する固定ツール点基準面信号Zvsを記憶す
る。
【0119】ワイヤずれ量演算回路DWは、基準面のZ
座標値Zkに相当する基準面信号Zksと固定ツール点T
CPのZ座標値Zvに相当する固定ツール点基準面信号
Zvsとからワイヤずれ量ΔLに相当するワイヤずれ量信
号Dwsを演算して記憶する。このワイヤずれ量ΔLを演
算式ΔL=Zk−Zvによって演算する。
【0120】可変ツール点演算回路VPは、固定ツール
点TCPに相当する固定ツール点演算信号Tpsとワイヤ
ずれ量ΔLに相当するワイヤずれ量信号Dwsとから変動
ワイヤ長Laの先端位置である可変ツール点Z座標値に
相当する可変ツール点信号Vpsを演算して記憶する。こ
の変動ワイヤ長Laを演算式La=Lt+ΔLによって
演算する。
【0121】トーチ位置角度制御回路QTは、トーチ移
動指令信号Dtsと可変ツール点Z座標値に相当する可変
ツール点信号Vpsとを入力して、可変ツール点VTCP
の位置及び可変ツール点を支点とするトーチ角度θを制
御するトーチ位置角度制御信号Qtsを出力する。
【0122】ワーク教示位置記憶回路RPは、トーチ移
動指令信号Dtsによってトーチ4を移動させ、ワイヤ先
端5aが教示用ワーク70の教示位置に接触して接触電
流検出信号Icが入力されたときのトーチ位置角度制御
信号Qtsを入力して教示用ワーク70の教示位置に相当
するワーク教示位置信号Rpsを記憶する。
【0123】ワーク位置記憶回路WPは、トーチ移動指
令信号Dtsによってトーチ4を移動させ、ワイヤ先端5
aが実際に溶接する加工用ワーク7の実際位置に接触し
て接触電流検出信号Icが入力されたときのトーチ位置
角度制御信号Qtsを入力して加工用ワーク7の実際位置
に相当するワーク位置信号Wpsを記憶する。
【0124】ワークずれ量演算回路WDは、教示用ワー
ク70の教示位置に相当するワーク教示位置信号Rpsと
溶接する加工用ワーク7の実際位置に相当するワーク位
置信号Wpsとを入力して、ワークずれ量ΔX、ΔY及び
ΔZに相当するワークずれ量信号Wdsを演算して記憶す
る。
【0125】トーチ移動量補正回路SPは、トーチ位置
角度制御信号Qtsとワークずれ量信号Wdsとを入力し
て、ワークずれ量ΔX、ΔY及びΔZだけトーチ移動量
を加算又は減算して、ワイヤずれ量のない溶接開始位置
Aにトーチ4の移動によって可変ツール点VTCPの位
置を移動させて溶接を開始し、ワイヤずれ量のない溶接
終了位置Bまでトーチ4の移動によって可変ツール点V
TCPの位置を移動させて溶接を終了する溶接開始終了
位置信号Spsをトーチ駆動源MTに出力する。
【0126】このトーチ移動量補正回路SPにおいて、
可変ツール点演算回路VPで演算した可変ツール点VT
CPの位置及び可変ツール点を支点とするトーチ角度θ
を制御することによって、実際のワイヤ先端5aの位置
とその実際のワイヤ先端を支点とするトーチ角度θとを
制御している。
【0127】実施例においては、基準面の座標値として
Z方向の座標値Zkを使用したが、X方向の座標値Xk
又はY方向の座標値Ykを使用してもよい。また、可変
ツール点検出開始座標値としてZ方向の座標値Zjを使
用したが、X方向の座標値Xj又はY方向の座標値Yj
を使用してもよい。また、本発明の制御装置はそれぞれ
独立した専用回路、一部を共有する複合回路、専用回路
と同一機能を有するプログラムによって制御されるコン
ピュータ回路等を使用することができる。
【0128】
【本発明の効果】請求項1のトーチ位置制御方法及び請
求項2のトーチ位置制御装置は、加工用ワークの位置を
検出するときの実際のワイヤ突出し長が予め定めた長さ
でない場合でも、実際のワイヤ先端を可変ツール点とし
てそのワイヤ先端の位置を制御するので、ワイヤ長の矯
正をする手段なしに、加工用ワークの位置を検出すると
きの空振り、ワイヤ突出し長のバラツキによる加工用ワ
ーク7の検出位置のバラツキ等を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術1の自動溶接装置の構成図である。
【図2】加工用ワークの配置図である。
【図3】予め定めたワイヤ突出し長(固定ワイヤ長)の
ときのトーチ先端の断面図である。
【図4】実際に変化するワイヤ突出し長(変動ワイヤ
長)のときのトーチ先端の断面図である。
【図5】ワークずれ量演算処理時に、トーチ4をX方向
及びZ方向に移動させたときの教示位置及び検出位置を
示す図である。
【図6】ワークずれ量演算処理時に、トーチ4をZ方向
及びY方向に移動させたときの教示位置及び検出位置を
示す図である。
【図7】ワイヤ先端を加工用ワークに接触させることに
よって検出する第1の従来技術のワークずれ量演算処理
の説明図である。
【図8】教示された溶接開始位置及び溶接終了位置と溶
接時の溶接開始位置及び溶接終了位置とを示す図であ
る。
【図9】従来技術1の図1の自動溶接装置の動作を説明
するフローチャートである。
【図10】X方向ワークずれ量演算処理の動作順序を示
すフローチャートである。
【図11】Z方向ワークずれ量演算処理の動作順序を示
すフローチャートである。
【図12】Y方向ワークずれ量演算処理の動作順序を示
すフローチャートである。
【図13】トーチ位置制御処理の動作順序を説明するフ
ローチャートである。
【図14】従来技術2の自動溶接装置の動作を説明する
フローチャートである。
【図15】コンタクトチップの先端を加工用ワークに接
触させて検出する第2の従来技術のワークずれ量演算処
理の説明図である。
【図16】従来技術3の自動溶接装置の構成を示す図で
ある。
【図17】従来技術3の自動溶接装置の動作を説明する
フローチャートである。
【図18】従来技術3のワイヤ曲がり演算矯正処理を説
明するフローチャートである。
【図19】従来技術3のワイヤ曲がりずれ量演算処理時
のワイヤ及びゲージの位置を示すXZ平面の断面図であ
る。
【図20】従来技術3のワイヤ曲がりずれ量演算処理を
説明するフローチャートである。
【図21】従来技術3の曲がり量を演算するための曲が
り量検出位置TCP3のZ方向の座標値ZΔRを検出す
る時のワイヤ及びゲージの位置を示すXZ平面の断面図
である。
【図22】従来技術3の曲がり量矯正処理を説明するフ
ローチャートである。
【図23】変動ワイヤ長Laが固定ワイヤ長Ltよりも
長い場合に、従来技術のタッチセンシングにおける位置
検出誤差の発生を説明する図である。
【図24】変動ワイヤ長Laが固定ワイヤ長Ltよりも
短い場合に、従来技術のワークずれ量演算処理における
空振りを説明する図である。
【図25】請求項1のトーチ位置制御方法を実施するト
ーチ位置制御装置の概略構成図である。
【図26】ワイヤずれ量演算処理において、変動ワイヤ
長Laと固定ワイヤ長Ltとの差のワイヤずれ量ΔLを
演算するための固定ツール点の座標値の検出を開始する
時点におけるワイヤ先端5aと基準面Zkとの位置関係
を示す図である。
【図27】ワイヤずれ量演算処理において、変動ワイヤ
長Laと固定ワイヤ長Ltとの差のワイヤずれ量ΔLを
演算するための固定ツール点の座標値を検出した時点に
おけるワイヤ先端5aと基準面Zkとの位置関係を示す
図である。
【図28】変動ワイヤ長Laが固定ワイヤ長Ltよりも
長い場合の可変ツール点VTCPを使用したワークずれ
量演算処理の説明図である。
【図29】本発明のトーチ位置制御方法を説明するフロ
ーチャートである。
【図30】本発明の第1の処理のワイヤずれ量演算処理
を説明するフローチャートである。
【図31】本発明の第2の処理の可変ツール点演算処理
及び第3の処理のワークずれ量演算処理及び第4の処理
のトーチ位置制御処理を説明するフローチャートであ
る。
【図32】請求項2の制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 自動溶接装置 2 制御装置 20 制御装置 3 電源装置 3a 溶接用電源装置 3b 検出用補助電源装置 3c 接触電流検出装置 3d 検出・溶接用電源切換えスイッチ 4 溶接トーチ(トーチ) 4a シールドガスノズル(ノズル) 4b コンタクトチップ 5 消耗電極(ワイヤ) 5a ワイヤ先端 6 ワイヤ送給装置 6a ワイヤリール 6b ワイヤ送給ローラ 6c 送給ローラ駆動用モータ 7 被溶接物(加工用ワーク) 7a 加工用ワークの垂直面 7b 加工用ワークの水平面 7c 加工用ワークの板厚面 7d 加工用ワークの上端面 70 教示時のワーク(教示用ワーク) 7a0 教示時の垂直表面 7b0 教示時の水平表面 7c0 教示時の板厚面 8 ワイヤ矯正ゲージ(ゲージ) 9 ワイヤ切断装置 10 基準ゲージ ΔX X軸方向のワーク位置ずれ量 ΔY Y軸方向のワーク位置ずれ量 ΔZ Z軸方向のワーク位置ずれ量 A 溶接開始位置 A0 溶接開始教示位置 B 溶接終了位置 B0 溶接終了教示位置 Wy 溶接線 Wy0 教示溶接線 TCP 固定ツール点 VTCP 可変ツール点 Lt 予め定めたワイヤ突出し長(固定ワイヤ長) La 実際のワイヤ突出し長(変動ワイヤ長) TCP0 ワイヤ曲がりずれ量検出開始時のワイヤ先端
位置 TCP1 ワイヤ曲がりずれ量検出時のワイヤ先端出位
置 TCP2 ワイヤ曲がり量検出開始時のワイヤ先端位置 TCP3 ワイヤ曲がり量検出時のワイヤ先端位置 TCP4 ワイヤ曲がり量矯正時のワイヤ先端位置 ΔM ワイヤ曲がりずれ量 ΔL ワイヤ先端X方向のずれ量(ワイヤずれ量) ΔR ワイヤ先端Z方向のずれ量(曲がり量) ΔLx X方向の検出誤差 XΔM TCP1のX方向の座標値 ZΔR TCP3のZ方向の座標値 Xt ゲージ8のX方向座標値 Zt ゲージ8のZ方向座標値 Xr TCP2のX方向座標値 Zj 可変ツール点検出開始Z座標値 Zk 基準ゲージ10の上端面のZ方向座標値(基
準面) ΔZm ワイヤ先端が可変ツール点検出開始Z座標
Zjから基準面Zkに接触するまでのトーチの移動量 Zv 移動後の固定ツール点Z座標値 θ トーチ4の直交座標系の平面となす角度(ト
ーチ角度) MT トーチ駆動源 ZK 基準面設定回路 LT 固定ワイヤ長設定回路 TP 固定ツール点演算回路 DT トーチ移動指令回路 ZV 固定ツール点基準面記憶回路 DW ワイヤずれ量演算回路 VP 可変ツール点演算回路 QT トーチ位置角度制御回路 RP ワーク教示位置記憶回路 WP ワーク位置記憶回路 WD ワークずれ量演算回路 SP トーチ移動量補正回路 Zks 基準面信号 Lts 固定ワイヤ長信号 Tps 固定ツール点演算信号 Dts トーチ移動指令信号 Zvs 固定ツール点基準面信号 Dws ワイヤずれ量信号 Vps 可変ツール点信号 Dts トーチ移動指令信号 Qts トーチ位置角度制御信号 Rps ワーク教示位置信号 Wps ワーク位置信号 Wds ワークずれ量信号 Sps 溶接開始終了位置信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉橋 孝治 大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式 会社ダイヘン内 (56)参考文献 特開 昭55−14150(JP,A) 特開 昭61−95779(JP,A) 特開 昭60−261676(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/127 G05B 19/404

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工用ワークの近傍又はトーチのワイヤ
    先端の近傍の任意の空間の一点を原点とするX方向、Y
    方向及びZ方向から成る直交座標系XYZを設定して、
    加工用ワークの位置を検出してワークずれ量の補正の演
    算をした溶接開始位置までトーチを移動させて溶接を開
    始し、溶接終了位置までトーチを移動させて溶接を終了
    するトーチ位置制御方法において、トーチを移動させる
    ことによって、予め定めたワイヤ突出し長を固定ワイヤ
    長とするワイヤの先端位置である固定ツール点を移動さ
    せ、ワイヤ先端が予め定めた位置に配置された基準ゲー
    ジの基準面に接触したときの前記固定ツール点の座標値
    を検出して、前記基準面の座標値と前記固定ツール点の
    座標値とからワイヤずれ量を演算して記憶するワイヤず
    れ量演算処理と、前記固定ワイヤ長と前記ワイヤずれ量
    とから変動ワイヤ長を演算して、変動ワイヤ長の先端位
    置の座標値である可変ツール点座標値を記憶する可変ツ
    ール点演算処理と、前記可変ツール点の位置及び可変ツ
    ール点を支点とするトーチ角度を制御することによっ
    て、実際のワイヤ先端の位置とその実際のワイヤ先端を
    支点とするトーチ角度とを制御しながら、教示用ワーク
    の教示位置とそれ以後に溶接する加工用ワークの実際位
    置とのワークずれ量を演算するワークずれ量演算処理
    と、前記ワークずれ量だけトーチ移動量を加算又は減算
    して、ワイヤずれ量のない溶接開始位置に、トーチの移
    動によって可変ツール点の位置を移動させて溶接を開始
    し、ワイヤずれ量のない溶接終了位置までトーチの移動
    によって可変ツール点の位置を移動させて溶接を終了す
    るトーチ位置制御処理とからなるトーチ位置制御方法。
  2. 【請求項2】 加工用ワークの近傍又はトーチのワイヤ
    先端の近傍の任意の空間の一点を原点とするX方向、Y
    方向及びZ方向から成る直交座標系XYZを設定して、
    加工用ワークの位置を検出してワークずれ量の補正の演
    算をした溶接開始位置までトーチを移動させて溶接を開
    始し、溶接終了位置までトーチを移動させて溶接を終了
    するトーチ位置制御装置において、溶接用電源装置の出
    力と検出用補助電源装置の出力とを切換える検出・溶接
    用電源切換えスイッチと、直交座標系内の予め定めた位
    置に配置された基準ゲージの基準面に相当する基準面信
    号を予め設定する基準面設定回路と、予め定めたワイヤ
    突出し長である固定ワイヤ長に相当する固定ワイヤ長信
    号を設定する固定ワイヤ長設定回路と、トーチを支持す
    る機械的構成部品の形状及び寸法に相当する信号と機械
    的構成部品の予め定めた位置に相当する信号と固定ワイ
    ヤ長信号とを入力して、固定ワイヤ長の先端位置である
    固定ツール点に相当する固定ツール点演算信号を出力す
    る固定ツール点演算回路と、ワイヤ先端が前記基準面又
    は前記教示用ワーク又は前記加工用ワークに接触したと
    きに前記検出用補助電源装置から接触電流検出信号を出
    力する接触電流検出装置と、トーチを移動させる1つ以
    上の駆動源を有するトーチ駆動源と、トーチの移動の開
    始及び停止を指令するトーチ移動指令信号を出力するト
    ーチ移動指令回路と、前記トーチ移動指令信号によって
    トーチを移動させることによってワイヤ先端を移動させ
    て前記固定ツール点を移動して、ワイヤ先端が基準面に
    接触して前記接触電流検出信号が入力されたときの前記
    固定ツール点演算信号を入力して、前記固定ツール点の
    位置に相当する固定ツール点基準面信号を記憶する固定
    ツール点基準面記憶回路と、前記基準面信号と前記固定
    ツール点基準面信号とからワイヤずれ量に相当するワイ
    ヤずれ量信号を演算して記憶するワイヤずれ量演算回路
    と、前記固定ツール点演算信号と前記ワイヤずれ量信号
    とから前記変動ワイヤ長の先端位置である可変ツール点
    Z座標値に相当する可変ツール点信号を演算して記憶す
    る可変ツール点演算回路と、前記トーチ移動指令信号と
    前記可変ツール点信号とを入力して、前記可変ツール点
    の位置及び可変ツール点を支点とするトーチ角度を制御
    するトーチ位置角度制御信号を出力するトーチ位置角度
    制御回路と、前記トーチ移動指令信号によってトーチを
    移動させることによってワイヤ先端を移動させて、ワイ
    ヤ先端が前記教示用ワークの教示位置に接触して前記接
    触電流検出信号が入力されたときの前記トーチ位置角度
    制御信号を入力して教示用ワークの教示位置に相当する
    ワーク教示位置信号を記憶するワーク教示位置記憶回路
    と、前記トーチ移動指令信号によってトーチを移動させ
    せることによってワイヤ先端を移動させて、ワイヤ先端
    が実際に溶接する加工用ワークの実際位置に接触して前
    記接触電流検出信号が入力されたときの前記トーチ位置
    角度制御信号を入力して加工用ワークの実際位置に相当
    するワーク位置信号を記憶するワーク位置記憶回路と、
    前記ワーク教示位置信号と前記加工用ワーク位置信号と
    を入力して、ワークずれ量に相当するワークずれ量信号
    を演算して記憶するワークずれ量演算回路と、トーチ位
    置角度制御信号とワークずれ量信号とを入力して、ワー
    クずれ量だけトーチ移動量を加算又は減算して、ワイヤ
    ずれ量のない溶接開始位置に、トーチの移動によって可
    変ツール点の位置を移動させて溶接を開始し、ワイヤず
    れ量のない溶接終了位置までトーチの移動によって可変
    ツール点の位置を移動させて、溶接を終了する溶接開始
    終了位置信号をトーチ駆動源に出力するトーチ移動量補
    正回路とからなるトーチ位置制御装置。
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