JP3361838B2 - 携帯無線機用マイクロストリップアンテナ - Google Patents
携帯無線機用マイクロストリップアンテナInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、携帯形電話機、コード
レス電話機、パーソナル通信用電話機等の携帯無線機用
のアンテナに係り、特に、小形携帯無線機に好適なアン
テナの構成に関する。
レス電話機、パーソナル通信用電話機等の携帯無線機用
のアンテナに係り、特に、小形携帯無線機に好適なアン
テナの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話用無線回線を例にとると従来ア
ナログ回線として800MHz、デジタル回線として将
来の問題を含めると900MHz、1.5GHz等の帯
域が考えられている。このような帯域で使用する携帯無
線機としては、携帯して使用する利便性をもとより考慮
し、ますます軽量、小形化を追及する傾向にあり、1例
として現在230g、150ccのものがある。この携
帯無線機の場合、アンテナとしてはホイップアンテナと
内蔵逆Fアンテナが搭載されているが、内蔵アンテナは
小形化によりアンテナ利得が低減し、なお一層の小形化
を実現するには、内蔵逆Fアンテナに代わる高効率アン
テナの発明が必要であった。このため、本発明者等は、
さきに筐体の一部をアンテナとして利用する、筐体との
一体化アンテナを発明し出願した(特願平3−1203
12号)。さきの発明は、誘電率の波長短縮効果を利用
した発明であり、そのため誘電体基板として、誘電率が
5以上のものを用いたマイクロストリップアンテナに関
する発明であった。なお、その誘電正接は2.5×10
~3である。しかし将来の周波数帯域での使用を考慮し、
一層の小形化が要望されている。
ナログ回線として800MHz、デジタル回線として将
来の問題を含めると900MHz、1.5GHz等の帯
域が考えられている。このような帯域で使用する携帯無
線機としては、携帯して使用する利便性をもとより考慮
し、ますます軽量、小形化を追及する傾向にあり、1例
として現在230g、150ccのものがある。この携
帯無線機の場合、アンテナとしてはホイップアンテナと
内蔵逆Fアンテナが搭載されているが、内蔵アンテナは
小形化によりアンテナ利得が低減し、なお一層の小形化
を実現するには、内蔵逆Fアンテナに代わる高効率アン
テナの発明が必要であった。このため、本発明者等は、
さきに筐体の一部をアンテナとして利用する、筐体との
一体化アンテナを発明し出願した(特願平3−1203
12号)。さきの発明は、誘電率の波長短縮効果を利用
した発明であり、そのため誘電体基板として、誘電率が
5以上のものを用いたマイクロストリップアンテナに関
する発明であった。なお、その誘電正接は2.5×10
~3である。しかし将来の周波数帯域での使用を考慮し、
一層の小形化が要望されている。
【0003】なお、誘電率、誘電正接の値は一般的に周
波数によって異なる値を示すが、上記の800MHz乃
至1.5GHzの帯域で大きな変動はないので、本明細
書ではすべて900MHzでの特性値で代表するものと
する。
波数によって異なる値を示すが、上記の800MHz乃
至1.5GHzの帯域で大きな変動はないので、本明細
書ではすべて900MHzでの特性値で代表するものと
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アンテナの一部を筐体
と共通にして用いる筐体との一体化アンテナにおいて
は、筐体がある程度大きいときには、アンテナも大きく
できるし、大きな利得が取れるが、筐体が小さくなる
と、アンテナが小さくなり、利得が低下してくる。一
方、誘電正接が大きいとアンテナの効率が低下する。し
たがって携帯無線機として一層小型化するためには誘電
正接が小さいことが特に重要になってくる。
と共通にして用いる筐体との一体化アンテナにおいて
は、筐体がある程度大きいときには、アンテナも大きく
できるし、大きな利得が取れるが、筐体が小さくなる
と、アンテナが小さくなり、利得が低下してくる。一
方、誘電正接が大きいとアンテナの効率が低下する。し
たがって携帯無線機として一層小型化するためには誘電
正接が小さいことが特に重要になってくる。
【0005】本発明者等は利得の低減しない誘電正接の
小さな基板材料の探索を行ったところ、いくつかのセラ
ミックスがあることがわかった。しかしセラミックスは
重量が重い、成形加工性に劣るなどの欠点があるため、
従来からマイクロストリップアンテナ用基板材料として
は実用になっていない。また、数百MHzから数GHzの
範囲で、比誘電率が5以上で、誘電正接が、2.5×1
0~3以下の高分子材料および複合材料は、これまで存在
していない。本発明の第1の目的は、800MHz乃至
1.5GHzの帯域で、誘電率が5以上で、誘電正接が
2.5×10~3以下の誘電材料を作り出し、これを用い
た高利得の携帯無線機用マイクロストリップアンテナを
提供することにある。さらに本発明の第2の目的は、第
1の目的に加えて、通話に際し特に手の指が触れること
によるアンテナ利得の低減の妨げの少ないアンテナ一体
化の携帯無線機用マイクロストリップアンテナを提供す
ることにある。
小さな基板材料の探索を行ったところ、いくつかのセラ
ミックスがあることがわかった。しかしセラミックスは
重量が重い、成形加工性に劣るなどの欠点があるため、
従来からマイクロストリップアンテナ用基板材料として
は実用になっていない。また、数百MHzから数GHzの
範囲で、比誘電率が5以上で、誘電正接が、2.5×1
0~3以下の高分子材料および複合材料は、これまで存在
していない。本発明の第1の目的は、800MHz乃至
1.5GHzの帯域で、誘電率が5以上で、誘電正接が
2.5×10~3以下の誘電材料を作り出し、これを用い
た高利得の携帯無線機用マイクロストリップアンテナを
提供することにある。さらに本発明の第2の目的は、第
1の目的に加えて、通話に際し特に手の指が触れること
によるアンテナ利得の低減の妨げの少ないアンテナ一体
化の携帯無線機用マイクロストリップアンテナを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明の携帯無線機用マイクロストリップアン
テナは、800MHz乃至1.5GHzの帯域で使用す
るマイクロストリップアンテナであって、該アンテナの
誘電体基板として、Srを含有するBaTiO3のセラ
ミックス粒子を重量比率で主成分とし、これとポリオレ
フィン系高分子マトリックスとを混合してなる複合材料
で構成することとし、これにより例えば図1の特性A上
の材料1によるA1で示されるような高利得を得るもの
である。
るため、本発明の携帯無線機用マイクロストリップアン
テナは、800MHz乃至1.5GHzの帯域で使用す
るマイクロストリップアンテナであって、該アンテナの
誘電体基板として、Srを含有するBaTiO3のセラ
ミックス粒子を重量比率で主成分とし、これとポリオレ
フィン系高分子マトリックスとを混合してなる複合材料
で構成することとし、これにより例えば図1の特性A上
の材料1によるA1で示されるような高利得を得るもの
である。
【0007】あるいは上記第1の目的を達成するため、
本発明の携帯無線機用マイクロストリップアンテナは、
800MHz乃至1.5GHzの帯域で使用するマイク
ロストリップアンテナであって、該アンテナの誘電体基
板として、チタニアTiO2のセラミックス粒子を重量
比率で主成分とし、これとポリオレフィン系高分子マト
リックスとを混合してなる複合材料で構成することとす
る。この場合は、例えば図1の特性A上の材料2による
A2で示されるように、上記のA1より若干利得が劣る
ことにはなるものの、高利得は確保しながら後述するよ
うに軽量化の利点を有するものである。
本発明の携帯無線機用マイクロストリップアンテナは、
800MHz乃至1.5GHzの帯域で使用するマイク
ロストリップアンテナであって、該アンテナの誘電体基
板として、チタニアTiO2のセラミックス粒子を重量
比率で主成分とし、これとポリオレフィン系高分子マト
リックスとを混合してなる複合材料で構成することとす
る。この場合は、例えば図1の特性A上の材料2による
A2で示されるように、上記のA1より若干利得が劣る
ことにはなるものの、高利得は確保しながら後述するよ
うに軽量化の利点を有するものである。
【0008】ここで、上記の何れの場合でも、複合材料
としては、重量比率でセラミックスを90%以下、ポリ
オレフィン系高分子マトリックスを10%以上の構成を
有するもので実現をする。
としては、重量比率でセラミックスを90%以下、ポリ
オレフィン系高分子マトリックスを10%以上の構成を
有するもので実現をする。
【0009】上記第2の目的を達成するための本発明の
携帯無線機用マイクロストリップアンテナは、折り畳み
部を筐体の一部に有する携帯無線機の折り畳み部の外面
に配置し、かつ、該アンテナの一部を筐体と一体化する
構成とする。これにより後述するように、例えば図1の
上記特性A1、A2にそれぞれ対応し、通話時は後述のよ
うに人体の近接による利得の低減はあるものの特性B上
のB1、B2の高利得が確保される。
携帯無線機用マイクロストリップアンテナは、折り畳み
部を筐体の一部に有する携帯無線機の折り畳み部の外面
に配置し、かつ、該アンテナの一部を筐体と一体化する
構成とする。これにより後述するように、例えば図1の
上記特性A1、A2にそれぞれ対応し、通話時は後述のよ
うに人体の近接による利得の低減はあるものの特性B上
のB1、B2の高利得が確保される。
【0010】
【作用】セラミックスは粒子状のもの自体では実用的で
はなく、特性評価もできず、通常は焼結した状態で使用
される。そして、焼結されたものとしては、誘電率が大
きく誘電正接の小さいものもあるが、前記したように、
重量が重く成形加工性が悪いのが欠点である。
はなく、特性評価もできず、通常は焼結した状態で使用
される。そして、焼結されたものとしては、誘電率が大
きく誘電正接の小さいものもあるが、前記したように、
重量が重く成形加工性が悪いのが欠点である。
【0011】本発明で、Srを含有するBaTiO3の
セラミックス粒子を重量比率で主成分とし、これとポリ
オレフィン系高分子マトリックスとを混合し複合材料と
することは次のような作用的意味がある。(ここで、マ
トリックスとは、概念的にはA材料をB材料の中に混入
するとき、混入されるB側のことをBマトリックスとい
う。またこれに対して混入する側のAをAフィラーとい
う。) (1)誘電率が大きく誘電正接の小さいセラミックスの
粉末と、誘電率が小さく誘電正接も小さい高分子材料
を、上記のようにセラミックス粒子を重量比率で主成分
とするよう混合複合化することにより、誘電率が大きく
誘電正接が小さい複合材料を形成し得る。 (2)この場合に、Srは誘電正接を下げる働きをす
る。 (3)上記のようにセラミックス粒子を重量比率で主成
分とするよう混合複合化することにより、射出成形や圧
縮成形や孔あけ等の2次加工性が向上し、アンテナの誘
電体基板としても形成し易くなる。 (4)高分子材料は比重が約1であり、セラミックスの
比重は4乃至7なので、複合材料として例えば重量を半
分程度にすることも可能になる。 (5)そして上記のように優れた誘電体特性や成形加工
性等のある複合材料を誘電体基板として用いることによ
り前記のような高利得のアンテナの構成が可能になる。
セラミックス粒子を重量比率で主成分とし、これとポリ
オレフィン系高分子マトリックスとを混合し複合材料と
することは次のような作用的意味がある。(ここで、マ
トリックスとは、概念的にはA材料をB材料の中に混入
するとき、混入されるB側のことをBマトリックスとい
う。またこれに対して混入する側のAをAフィラーとい
う。) (1)誘電率が大きく誘電正接の小さいセラミックスの
粉末と、誘電率が小さく誘電正接も小さい高分子材料
を、上記のようにセラミックス粒子を重量比率で主成分
とするよう混合複合化することにより、誘電率が大きく
誘電正接が小さい複合材料を形成し得る。 (2)この場合に、Srは誘電正接を下げる働きをす
る。 (3)上記のようにセラミックス粒子を重量比率で主成
分とするよう混合複合化することにより、射出成形や圧
縮成形や孔あけ等の2次加工性が向上し、アンテナの誘
電体基板としても形成し易くなる。 (4)高分子材料は比重が約1であり、セラミックスの
比重は4乃至7なので、複合材料として例えば重量を半
分程度にすることも可能になる。 (5)そして上記のように優れた誘電体特性や成形加工
性等のある複合材料を誘電体基板として用いることによ
り前記のような高利得のアンテナの構成が可能になる。
【0012】本発明でTiO2のセラミックス粒子を重
量比率で主成分とし、これとポリオレフィン系高分子マ
トリックスとを混合し複合材料とする場合は、Srの作
用効果の点を除けば上記と同様な意味の作用がある。そ
の上、特にこの場合には、TiO2のセラミックス粒子
自体がBaTiO3のセラミックス粒子より軽いので、
誘電材料としては電気的には若干特性として劣るもの
の、軽量をむしろ利点とするアンテナの形成が可能にな
る。
量比率で主成分とし、これとポリオレフィン系高分子マ
トリックスとを混合し複合材料とする場合は、Srの作
用効果の点を除けば上記と同様な意味の作用がある。そ
の上、特にこの場合には、TiO2のセラミックス粒子
自体がBaTiO3のセラミックス粒子より軽いので、
誘電材料としては電気的には若干特性として劣るもの
の、軽量をむしろ利点とするアンテナの形成が可能にな
る。
【0013】アンテナ用の誘電基板としての複合材料と
しては、電気的な誘電特性のほか上記のような加工性や
重量等の問題は重要で、このような観点で、重量比率で
セラミックスを90%以下、ポリオレフィン系高分子マ
トリックスを10%以上の構成を有するもので実現が可
能である。しかし、セラミックスの高誘電率性を十分利
用し、高分子材料による加工性の向上を利用する観点で
一例として後述するように、(a)Srを含有するBa
TiO3のセラミックス粒子を重量比率で83%とし、
これとポリオレフィン系高分子マトリックス17%とを
混合し複合材料としたものでは、誘電率15.8、誘電
正接4.4×10~4のものが得られようになり、(b)
TiO2のセラミックス粒子を重量比率で83%とし、
これとポリオレフィン系高分子マトリックス17%とを
混合し複合材料としたものでは、誘電率10.3、誘電
正接2.4×10~3のものが得られるようになる。すな
わち、本発明の第1の目的の達成を上回る優れた特性が
得られるようになる。
しては、電気的な誘電特性のほか上記のような加工性や
重量等の問題は重要で、このような観点で、重量比率で
セラミックスを90%以下、ポリオレフィン系高分子マ
トリックスを10%以上の構成を有するもので実現が可
能である。しかし、セラミックスの高誘電率性を十分利
用し、高分子材料による加工性の向上を利用する観点で
一例として後述するように、(a)Srを含有するBa
TiO3のセラミックス粒子を重量比率で83%とし、
これとポリオレフィン系高分子マトリックス17%とを
混合し複合材料としたものでは、誘電率15.8、誘電
正接4.4×10~4のものが得られようになり、(b)
TiO2のセラミックス粒子を重量比率で83%とし、
これとポリオレフィン系高分子マトリックス17%とを
混合し複合材料としたものでは、誘電率10.3、誘電
正接2.4×10~3のものが得られるようになる。すな
わち、本発明の第1の目的の達成を上回る優れた特性が
得られるようになる。
【0014】アンテナを無線機の筐体と一体化すると取
扱いの利便性が極めて高くなることはいうまでもない
が、この種のものでもいわば単純に箱形形式の携帯無線
機にあっては、通話の際に手がアンテナ部に触れたり、
アンテナ部を蔽うようなことになりがちで、これにより
容易に通話が妨げられるような不安定性がある。しか
し、本発明の携帯無線機用マイクロストリップアンテナ
は、折り畳み部を筐体の一部に有する携帯無線機の折り
畳み部の外面に配置し、かつ、該アンテナの一部を筐体
と一体化する構成とすることにより、例えば図3の構成
からわかるように、折り畳み部を立てた状態で使用する
よう構成することが可能で、これにより、通話中でもア
ンテナに手を触れることなく通信することがむしろ自然
的になる。このことにより、人体の近接効果による不可
避的な若干の利得低減はあるものの、例えば図1の
B1、B2特性に示されるような高利得特性が安定度が高
く得られるようになる。
扱いの利便性が極めて高くなることはいうまでもない
が、この種のものでもいわば単純に箱形形式の携帯無線
機にあっては、通話の際に手がアンテナ部に触れたり、
アンテナ部を蔽うようなことになりがちで、これにより
容易に通話が妨げられるような不安定性がある。しか
し、本発明の携帯無線機用マイクロストリップアンテナ
は、折り畳み部を筐体の一部に有する携帯無線機の折り
畳み部の外面に配置し、かつ、該アンテナの一部を筐体
と一体化する構成とすることにより、例えば図3の構成
からわかるように、折り畳み部を立てた状態で使用する
よう構成することが可能で、これにより、通話中でもア
ンテナに手を触れることなく通信することがむしろ自然
的になる。このことにより、人体の近接効果による不可
避的な若干の利得低減はあるものの、例えば図1の
B1、B2特性に示されるような高利得特性が安定度が高
く得られるようになる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明の実施例の誘電正接とアンテ
ナ利得の特性図を示すものであり、図2は本発明のマイ
クロストリップアンテナの構造図を、図3は、本発明の
携帯無線機用マイクロストリップアンテナと折り畳み式
携帯無線機の外観例図を示すものである。図2はセラミ
ックス粒子とポリオレフィン系高分子マトリックスとの
複合材料からなり、比誘電率が5以上で、かつ誘電正接
が2.5×10~3以下の誘電体基板を用いた時のマイク
ロストリップアンテナの構成を示したものである。放射
板導体1および基板導体3(アース)は低損失金属で構
成し、これらの導体間に上記の誘電体基板2を挿入し、
放射板導体1は同軸ケーブルの給電線4の内導体と接続
されている。図3は上記の図2のマイクロストリップア
ンテナの基板導体3を筐体の一部として用い、筐体と一
体化したマイクロストリップアンテナ付の携帯電話機と
しての携帯無線機の外観構成例を示したものである。細
部についてはさらに後述するが、折り畳み部の構造を一
部に有し、その折り畳み部の外面に本発明のアンテナを
装着したことが特徴である。
ナ利得の特性図を示すものであり、図2は本発明のマイ
クロストリップアンテナの構造図を、図3は、本発明の
携帯無線機用マイクロストリップアンテナと折り畳み式
携帯無線機の外観例図を示すものである。図2はセラミ
ックス粒子とポリオレフィン系高分子マトリックスとの
複合材料からなり、比誘電率が5以上で、かつ誘電正接
が2.5×10~3以下の誘電体基板を用いた時のマイク
ロストリップアンテナの構成を示したものである。放射
板導体1および基板導体3(アース)は低損失金属で構
成し、これらの導体間に上記の誘電体基板2を挿入し、
放射板導体1は同軸ケーブルの給電線4の内導体と接続
されている。図3は上記の図2のマイクロストリップア
ンテナの基板導体3を筐体の一部として用い、筐体と一
体化したマイクロストリップアンテナ付の携帯電話機と
しての携帯無線機の外観構成例を示したものである。細
部についてはさらに後述するが、折り畳み部の構造を一
部に有し、その折り畳み部の外面に本発明のアンテナを
装着したことが特徴である。
【0016】図1で横軸は上記誘電体基板2の誘電体の
誘電正接を、縦軸にアンテナとしての利得を示す。利得
は(1/2)波長のダイポールアンテナの利得を規準と
してそれとの相対利得をdBで表したものとしてdBd
で表示している。また図中に特性Aと特性Bの表示があ
る。特性Aは図3の携帯無線機の折り畳み部を垂直に立
ててアンテナの特性を特に妨害するようなもののない自
由空間中に置いた場合の特性であり、特性Bは、この携
帯無線機を手で持って通話した通話時状態の特性を示
す。さらに、特性A中の点特性A1、A2がそれぞれ本発
明実施例1および実施例2の特性であり、点特性A3は
実施例と異なる特性事例にすぎないものである。B1、
B2、B3はそれぞれA1、A2、A3に対応する。図1の
特性において、本発明者等の所望する利得特性は−11
dBd以上を目標とし、これに適合する利得を有する場
合、本明細書では高利得として扱う。
誘電正接を、縦軸にアンテナとしての利得を示す。利得
は(1/2)波長のダイポールアンテナの利得を規準と
してそれとの相対利得をdBで表したものとしてdBd
で表示している。また図中に特性Aと特性Bの表示があ
る。特性Aは図3の携帯無線機の折り畳み部を垂直に立
ててアンテナの特性を特に妨害するようなもののない自
由空間中に置いた場合の特性であり、特性Bは、この携
帯無線機を手で持って通話した通話時状態の特性を示
す。さらに、特性A中の点特性A1、A2がそれぞれ本発
明実施例1および実施例2の特性であり、点特性A3は
実施例と異なる特性事例にすぎないものである。B1、
B2、B3はそれぞれA1、A2、A3に対応する。図1の
特性において、本発明者等の所望する利得特性は−11
dBd以上を目標とし、これに適合する利得を有する場
合、本明細書では高利得として扱う。
【0017】図1において、注目すべき特徴は概要次の
とおりである。 (1)A1、A2、A3のそれぞれに使用した誘電体基板
の誘電率を付記しているが、特性Aから、利得特性の向
上に誘電正接が効果的に寄与している。 (2)通話時には人体がアンテナに近接するのでその影
響で利得が数dBd低下する。図中には表示していない
が通話に伴い手がアンテナに触れると特性Bはさらに数
dBd以上簡単にかつ不安定に特性劣化をもたらす。本
発明の場合は携帯無線機が小形にも拘らず、上記のよう
にアンテナを折り畳み部に装着しているので通話に際し
手がアンテナ部に触れることが自然に除かれ、特性Bの
ように安定な特性が得られる。 (3)実施例1、2のいずれの場合も、通話時の人体の
近接効果による利得の低下を考慮しても高利得特性が得
られている。
とおりである。 (1)A1、A2、A3のそれぞれに使用した誘電体基板
の誘電率を付記しているが、特性Aから、利得特性の向
上に誘電正接が効果的に寄与している。 (2)通話時には人体がアンテナに近接するのでその影
響で利得が数dBd低下する。図中には表示していない
が通話に伴い手がアンテナに触れると特性Bはさらに数
dBd以上簡単にかつ不安定に特性劣化をもたらす。本
発明の場合は携帯無線機が小形にも拘らず、上記のよう
にアンテナを折り畳み部に装着しているので通話に際し
手がアンテナ部に触れることが自然に除かれ、特性Bの
ように安定な特性が得られる。 (3)実施例1、2のいずれの場合も、通話時の人体の
近接効果による利得の低下を考慮しても高利得特性が得
られている。
【0018】次に実施例1および実施例2について図1
とともに説明する。 実施例1:セラミックスフィラーとしてSrを含有する
BaTiO3系粉末を83wt%用い、ポリママトリックス
としてポリプロピレンコポリマを17wt%用いてロー
ル混練りし、長さ10mm、内径3mm、外径7mmの
誘電特性測定試料を作製し、Sパラメータ法により80
0MHzから1.5GHzの誘電特性を測定した。その結
果、900MHzの代表値として誘電率は15.8、誘
電正接は4.4×10~4となった。この複合材料を用い
て、厚さ2mm、幅35mm、長さ45mmのマイクロ
ストリップアンテナ基板を作製した。これに放射板導体
と基板導体(アース板)を形成し、給電線をつけてマイ
クロストリップアンテナを作製した。これを筐体無線機
の筐体と一体化し、そのアンテナ利得を測定した。その
結果、自由空間の垂直保持の場合には、アンテナ利得
は、−4.9dBdとなり、人間が手で保持した通話時
には、アンテナ利得は、−9.0dBdとなり、高利得
の良好な特性を示した。
とともに説明する。 実施例1:セラミックスフィラーとしてSrを含有する
BaTiO3系粉末を83wt%用い、ポリママトリックス
としてポリプロピレンコポリマを17wt%用いてロー
ル混練りし、長さ10mm、内径3mm、外径7mmの
誘電特性測定試料を作製し、Sパラメータ法により80
0MHzから1.5GHzの誘電特性を測定した。その結
果、900MHzの代表値として誘電率は15.8、誘
電正接は4.4×10~4となった。この複合材料を用い
て、厚さ2mm、幅35mm、長さ45mmのマイクロ
ストリップアンテナ基板を作製した。これに放射板導体
と基板導体(アース板)を形成し、給電線をつけてマイ
クロストリップアンテナを作製した。これを筐体無線機
の筐体と一体化し、そのアンテナ利得を測定した。その
結果、自由空間の垂直保持の場合には、アンテナ利得
は、−4.9dBdとなり、人間が手で保持した通話時
には、アンテナ利得は、−9.0dBdとなり、高利得
の良好な特性を示した。
【0019】実施例2:セラミックスフィラーとしてT
iO2粉末を83wt%用い、ポリママトリックスとして
ポリプロピレンコポリマを17wt%用いてロール混練
りし、長さ10mm、内径3mm、外径7mmの誘電特
性測定試料を作製し、Sパラメータ法により800MH
zから1.5GHzの誘電特性を測定した。その結果、9
00MHzの代表値として誘電率は10.3、誘電正接
は2.4×10~3となった。この複合材料を用いて、厚
さ2mm、幅55mm、長さ60mmのマイクロストリ
ップアンテナ基板を作製した。これに放射板導体と基板
導体(アース板)を形成し、給電線をつけてマイクロス
トリップアンテナを作製した。これを筐体と一体化し、
アンテナ利得を測定した。その結果、自由空間の垂直保
持の場合には、アンテナ利得は、−6.5dBdとな
り、人間が手で保持し、通話時には、アンテナ利得は、
−10.9dBdとなり、高利得の良好な特性を示し
た。この場合の利得は実施例1の場合よりは誘電体基板
の誘電正接が大きいだけに利得特性が劣っているが、T
iO2粉末材料がBaTiO3系粉末より軽いので軽量アン
テナが構成できる利点がある。
iO2粉末を83wt%用い、ポリママトリックスとして
ポリプロピレンコポリマを17wt%用いてロール混練
りし、長さ10mm、内径3mm、外径7mmの誘電特
性測定試料を作製し、Sパラメータ法により800MH
zから1.5GHzの誘電特性を測定した。その結果、9
00MHzの代表値として誘電率は10.3、誘電正接
は2.4×10~3となった。この複合材料を用いて、厚
さ2mm、幅55mm、長さ60mmのマイクロストリ
ップアンテナ基板を作製した。これに放射板導体と基板
導体(アース板)を形成し、給電線をつけてマイクロス
トリップアンテナを作製した。これを筐体と一体化し、
アンテナ利得を測定した。その結果、自由空間の垂直保
持の場合には、アンテナ利得は、−6.5dBdとな
り、人間が手で保持し、通話時には、アンテナ利得は、
−10.9dBdとなり、高利得の良好な特性を示し
た。この場合の利得は実施例1の場合よりは誘電体基板
の誘電正接が大きいだけに利得特性が劣っているが、T
iO2粉末材料がBaTiO3系粉末より軽いので軽量アン
テナが構成できる利点がある。
【0020】なお、上記実施例ではセラミックスフィラ
ーを83wt%、ポリママトリックスを17wt%用いて
ロール混練りした構成のものを用いたが、この構成比は
これに限定されるものではなく、セラミックスフィラー
を90wt%以下、ポリママトリックスを10wt%以上
の構成の中で選択すればよい。
ーを83wt%、ポリママトリックスを17wt%用いて
ロール混練りした構成のものを用いたが、この構成比は
これに限定されるものではなく、セラミックスフィラー
を90wt%以下、ポリママトリックスを10wt%以上
の構成の中で選択すればよい。
【0021】図3の(a)は、一体化アンテナを装着し
ている折り畳み部を閉じた状態の外観図、同図の(b)
は通話のために折り畳み部を開いたときの外観図であ
る。電話機としての例示で、プッシュボタン部とマイク
が固定部に装置され、折り畳み部の内面に表示部とスピ
ーカが装着されている。このような構造にしているた
め、携帯無線機としての全体の大きさが小さくても通話
中にアンテナに手が触れることが自然的に少なく安定な
通話が確保される。
ている折り畳み部を閉じた状態の外観図、同図の(b)
は通話のために折り畳み部を開いたときの外観図であ
る。電話機としての例示で、プッシュボタン部とマイク
が固定部に装置され、折り畳み部の内面に表示部とスピ
ーカが装着されている。このような構造にしているた
め、携帯無線機としての全体の大きさが小さくても通話
中にアンテナに手が触れることが自然的に少なく安定な
通話が確保される。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、誘
電率が5以上で、誘電正接が2.5×10~3以下の誘電
材料が得られ、これを用いて800MHzから1.5G
Hzの周波数帯域に対応できる小形携帯無線機用の高利
得の筐体との一体型マイクロストリップアンテナが実現
できる。アンテナ用の誘電体基板は成形性、加工性、重
量の点で実用上優れた特性が得られる。このアンテナを
小形筐体の折り畳み部を有するその外面に装着している
ので、小形にも拘らず安定な高利得の通話特性が得られ
る。またアンテナの利得向上により、アンテナからの出
力を低減できるので、電池の小容量化、小形化、長寿命
化等の利点が生じ、携帯無線機としての小形軽量化に役
立つ。
電率が5以上で、誘電正接が2.5×10~3以下の誘電
材料が得られ、これを用いて800MHzから1.5G
Hzの周波数帯域に対応できる小形携帯無線機用の高利
得の筐体との一体型マイクロストリップアンテナが実現
できる。アンテナ用の誘電体基板は成形性、加工性、重
量の点で実用上優れた特性が得られる。このアンテナを
小形筐体の折り畳み部を有するその外面に装着している
ので、小形にも拘らず安定な高利得の通話特性が得られ
る。またアンテナの利得向上により、アンテナからの出
力を低減できるので、電池の小容量化、小形化、長寿命
化等の利点が生じ、携帯無線機としての小形軽量化に役
立つ。
【図1】本発明の実施例の誘電正接とアンテナ利得の特
性図。
性図。
【図2】マイクロストリップアンテナの構造図。
【図3】本発明の携帯無線機用マイクロストリップアン
テナと折り畳み式携帯無線機の外観例図。
テナと折り畳み式携帯無線機の外観例図。
1…放射板導体
2…誘電体基板
3…基板導体
4…給電線
5…マイクロストリップアンテナ
6…スピーカ
7…表示部
8…プッシュボタン部
9…マイク
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 西 史郎
東京都千代田区内幸町一丁目1番6号
日本電信電話株式会社内
(56)参考文献 特開 平3−162003(JP,A)
特開 平3−216910(JP,A)
実開 平4−85836(JP,U)
電子情報通信学会技術研究報告,Vo
l.90,No.258(1990)p.113〜
118「複合誘電体
Journal of Applie
d Polymer Science,
Vol.22,No.8(197
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01B 3/00
H01Q 13/08
H04Q 7/32
Claims (4)
- 【請求項1】基板導体と放射板導体とこれらの間の媒体
として誘電体基板を有するマイクロストリップアンテナ
を携帯無線機の一部に配置し、800MHz乃至1.5
GHzの帯域で使用する携帯無線機用マイクロストリッ
プアンテナであって、上記誘電体基板は、Srを含有す
るBaTiO3のセラミックス粒子を重量比率で主成分
とし、これとポリオレフィン系高分子マトリックスとを
混合してなる複合材料で構成することを特徴とする携帯
無線機用マイクロストリップアンテナ。 - 【請求項2】基板導体と放射板導体とこれらの間の媒体
として誘電体基板を有するマイクロストリップアンテナ
を携帯無線機の一部に配置し、800MHz乃至1.5
GHzの帯域で使用する携帯無線機用マイクロストリッ
プアンテナであって、上記誘電体基板は、TiO2のセ
ラミックス粒子を重量比率で主成分とし、これとポリオ
レフィン系高分子マトリックスとを混合してなる複合材
料で構成することを特徴とする携帯無線機用マイクロス
トリップアンテナ。 - 【請求項3】請求項1または請求項2記載の携帯無線機
用マイクロストリップアンテナにおいて、上記複合材料
は、重量比率でセラミックスを90%以下、ポリオレフ
ィン系高分子マトリックスを10%以上の構成を有する
ものであることを特徴とする携帯無線機用マイクロスト
リップアンテナ。 - 【請求項4】請求項1乃至請求項3の何れかに記載の携
帯無線機用マイクロストリップアンテナにおいて、該マ
イクロストリップアンテナは、折り畳み部を筐体の一部
に有する携帯無線機の折り畳み部の外面に配置し、か
つ、該アンテナの一部を筐体と一体化する構成を特徴と
する携帯無線機用マイクロストリップアンテナ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28468592A JP3361838B2 (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 携帯無線機用マイクロストリップアンテナ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28468592A JP3361838B2 (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 携帯無線機用マイクロストリップアンテナ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06140830A JPH06140830A (ja) | 1994-05-20 |
| JP3361838B2 true JP3361838B2 (ja) | 2003-01-07 |
Family
ID=17681657
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28468592A Expired - Fee Related JP3361838B2 (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 携帯無線機用マイクロストリップアンテナ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3361838B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3782761B2 (ja) * | 2001-07-31 | 2006-06-07 | 日立マクセル株式会社 | 平面アンテナ及び製造方法 |
| CN100454661C (zh) | 2001-07-31 | 2009-01-21 | 日立麦克赛尔株式会社 | 平面天线及其制造方法 |
| JP2005216518A (ja) * | 2004-01-27 | 2005-08-11 | Mitsubishi Materials Corp | 高誘電率誘電体及び該誘電体を使用したアンテナ |
| GB2444750B (en) * | 2006-12-14 | 2010-04-21 | Sarantel Ltd | An antenna arrangement |
| JP2013089995A (ja) * | 2011-10-13 | 2013-05-13 | Nippon Valqua Ind Ltd | 平面アンテナ |
| CN115041088A (zh) * | 2022-07-25 | 2022-09-13 | 广州天极电子科技股份有限公司 | 一种介电材料的混合方法 |
-
1992
- 1992-10-22 JP JP28468592A patent/JP3361838B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
| Title |
|---|
| Journal of Applied Polymer Science,Vol.22,No.8(197 |
| 電子情報通信学会技術研究報告,Vol.90,No.258(1990)p.113〜118「複合誘電体 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06140830A (ja) | 1994-05-20 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |