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JP3365074B2 - 電子写真用有機感光体および円筒状支持体の製造方法 - Google Patents
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JP3365074B2 - 電子写真用有機感光体および円筒状支持体の製造方法 - Google Patents

電子写真用有機感光体および円筒状支持体の製造方法

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JP3365074B2
JP3365074B2 JP22688894A JP22688894A JP3365074B2 JP 3365074 B2 JP3365074 B2 JP 3365074B2 JP 22688894 A JP22688894 A JP 22688894A JP 22688894 A JP22688894 A JP 22688894A JP 3365074 B2 JP3365074 B2 JP 3365074B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真用有機感光
体に関し、詳しくはその導電性の円筒状支持体に関す
る。また、その導電性の円筒状支持体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術を応用した複写機やプリン
タなどの電子写真装置に用いられる電子写真用有機感光
体は、導電性の支持体とその上に設けられた有機光導電
性材料を含む有機材料からなる感光層とから構成されて
いる。導電性支持体は装置設計上の利点から通常円筒状
とされ、その外表面に感光層が塗布形成される。
【0003】円筒状支持体の材料としては、従来、比較
的軽量であり,機械加工性の良いアルミニウムまたはア
ルミニウム合金が多用されてきた。一方、特公平2−1
7026号公報には、より軽量であり、耐薬品性,耐熱
性にも優れ、大気中でも酸化など変質を起こさず、有機
感光体に好適な円筒状支持体として、ポリフェニレンサ
ルファイド樹脂(以下、PPS樹脂と略記する)を主成
分とする材料を用い射出成形法で製造した支持体が開示
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、アルミニウ
ムまたはアルミニウム合金からなる支持体は、支持体に
要求される厳しい寸法精度(真円度±50μm以下,直
径の寸法精度±40μm以下)や好適な表面粗さ(最大
高さRmax で0.5μm〜1.2μm)を得るために個
々に高精度の機械加工を施す必要があり、さらに、感光
体を回転駆動させるためのフランジを嵌合するインロー
加工を個々に行う必要もあり、また、大気中の水分や酸
素の影響を受けて表面が酸化したり変質する問題があ
り、表面に陽極酸化皮膜を形成するなどの変質防止策を
採る必要があり、製造工数がかかり製造コストが高いと
いう問題があった。
【0005】また、PPS樹脂を主成分とする材料から
なる支持体においては、次に述べるような問題点があ
る。すなわち、PPS樹脂の体積抵抗率は通常1010Ω
・cm〜1013Ω・cmと高いために、例えばカーボン
ブラックをPPS樹脂に添加して導電性を付与すること
が行われている。近年、画像品質,印字特性に対する市
場要求が厳しくなってきているが、実用上必要とされる
程度の良好な画質の画像あるいは良好な印字特性を得る
ために必要な支持体の導電性について調べたところ、支
持体の体積抵抗率を少なくとも104 Ω・cm以下とす
ることが必要であり、105 Ω・cm程度以上になる
と、感光体を露光したときおよび除電するときの支持体
への電荷の抜けが悪く残留電位が大きくなり、良好な画
像,印字が得られなくなることが判った。カーボンブラ
ックの体積抵抗率は通常導電性カーボンブラックと言わ
れているファーネスカーボンで1Ω・cm〜10Ω・c
mであり、支持体の体積抵抗率を104 Ω・cm以下と
するためには20重量%を超えるカーボンブラックを添
加することが必要となるが、そのような多量のカーボン
ブラックを添加すると材料の粘度が高くなり、射出成形
が難しくなるなるという問題が生じる。特に最近では小
径(外径30mm程度以下),薄肉(肉厚3mm程度以
下)でしかも長尺(長さ数百mm)の形状の支持体が必
要とされるようになってきたが、このような形状の支持
体を射出成形することは極めて困難である。また、支持
体の機械的強度が低下するという不具合も生じてくる。
さらにまた、薄肉,長尺の支持体となるほど寸法精度を
保つことが難しくなり、通常のリニアタイプのPPS樹
脂を主成分とする材料からなる支持体では、その上に有
機材料の層を塗布形成する過程で塗液の溶剤,加熱によ
り生じる,通常では問題とならないような僅かな変形が
問題となり、支持体に要求される寸法精度を得ることが
難しい。また、PPS樹脂の良好な耐薬品性のために、
その上に塗布形成される有機材料の層の密着性が悪く、
感光体使用時に感光層の剥離が生じ易く実用寿命が短い
という問題もあった。
【0006】この発明は、上述の点に鑑みてなされたも
のであって、第一に軽量でかつ好適な導電性を有し、耐
薬品性および耐熱性に優れていて薄肉,長尺の形状でも
寸法精度を良好に保つことができ、大気中でも酸化など
変質を起こさず安定した品質を維持できる円筒状支持体
を有する有機感光体を提供すること、第二にさらに適切
な粗さの均一な表面粗さの円筒状支持体を有する有機感
光体を提供すること、第三にさらに機械的強度が大きく
て薄肉,長尺の形状でも変形しにくい円筒状支持体を有
する有機感光体を提供すること、第四にさらに接着性に
優れ、その上に有機材料からなる層を密着性良く塗布形
成できる円筒状支持体を有する有機感光体を提供するこ
とを課題とする。また、このような第一,第二,第三の
課題の円筒状支持体、特に薄肉,小径,長尺の形状の支
持体を生産性よく製造する方法を提供することを第五の
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、上記
の第一の課題は、架橋タイプのPPS樹脂を主成分と
し、これに体積抵抗率10-1Ω・cm以下の高導電性の
カーボンブラックを配合して体積抵抗率が104 Ω・c
m以下にした材料からなるとともに、カーボンブラック
の分散剤を含む円筒状支持体を用い、その上に有機感光
層を設けた感光体とすることによって解決される。カー
ボンブラックの分散剤を添加すると、支持体材料中にカ
ーボンブラックを均一に含ませることができて好適であ
る。分散剤としては、炭酸カルシュウムまたはクレーを
挙げることができる。
【0008】上記の第二の課題は、円筒状支持体に含ま
れるカーボンブラックの平均粒径を20nmないし50
nmとすることによって解決される。
【0009】第三の課題は、円筒状支持体に補強材とし
てガラス繊維を含ませることによって解決される。上述
のように支持体材料は架橋タイプのPPS樹脂にカーボ
ンブラック,カーボンブラック分散剤,ガラス繊維など
をそれぞれ添加したものであるが、架橋タイプのPPS
樹脂の特長を生かすために少なくとも樹脂量は40重量
%以上とされる。
【0010】第四の課題は、円筒状支持体の表面が波長
180nmないし255nmの紫外線で照射処理をされ
ていることにより,あるいはコロナ放電処理をされてい
ることにより解決される。第五の課題は、架橋タイプの
PPS樹脂を主成分とし、これに体積抵抗率10 -1Ω・
cm以下の高導電性のカーボンブラックを配合して体積
抵抗率が104 Ω・cm以下にした材料、またはさらに
カーボンブラックの平均粒径を20nmないし50nm
とした材料、またはさらにガラス繊維を添加した材料を
射出成形することにより解決される。
【0011】射出成形するための金型の温度は120℃
ないし150℃の範囲内とし、成形材料温度は280℃
ないし330℃の範囲内とすると好適である。また、材
料の充填時間は0.05秒ないし2.5秒の範囲内とす
ると好適である。また、成形金型としては、芯型は表面
粗さが最大高さRmax で1μm以下に仕上げられてお
り、かつ、片側0.15°ないし0.25°の範囲内の
抜き勾配を有すること、キャビテイー型は内面が抜き勾
配を持たず、ニッケル合金による電鋳加工が施されて表
面粗さが最大高さRmax で1μm以下に仕上げられてお
り、固定型に接する端面内側に段差部が形成されていて
この段差部を介してサイドゲート方式によりキャビティ
ー内に成形材料を充填する構造とされていること、固定
型はキャビティー型に接する端面にキャビティー型の円
周方向に少なくとも3等分して各ヵ所にスプリングノッ
クが設けられており、型開きのときに射出成形された成
形品がこのスプリングノックの作用によりキャビティー
側に必ず残るような構造とされていることを特長とする
金型を用いると好適である。
【0012】
【作用】表1は、架橋タイプのPPS樹脂とリニアタイ
プのPPS樹脂につて、それぞれの円筒状成形品を用い
て、アセトン,塩化メチレン,ジクロロエタンにそれぞ
れ24時間浸漬後の質量変化(%)で評価した耐薬品性
および120℃加熱48時間後の直径方向,長さ方向の
寸法変化(%)で評価した耐熱性を示したものである。
【0013】
【表1】
【0014】表1に見られるように、架橋タイプのPP
S樹脂はリニアタイプのPPS樹脂より耐薬品性,耐熱
性ともに優れている。架橋タイプのPPS樹脂を主成分
とする材料で支持体を形成することにより、支持体の熱
的変形および感光層などの有機材料からなる層を塗布形
成する際の塗液溶剤による膨潤がより少なくなり、支持
体の変形が低減されて、薄肉,小径,長尺の支持体を用
いた感光体でも実用上充分な寸法精度を得ることが可能
となる。
【0015】また、このような架橋タイプのPPS樹脂
を主成分とする材料に導電性を付与するために添加する
カーボンブラックを体積抵抗率が10-1Ω・cm以下の
高導電性のカーボンブラック,例えば高導電性ファーネ
スカーボン,あるいはより高導電性のチャンネルブラッ
クとすることにより、支持体の体積抵抗率を要求される
104 Ω・cm以下とするために支持体材料に添加する
カーボンブラックの量を20重量%以下と少なくするこ
とができ、支持体の材料の粘度を小径,薄肉,長尺の形
状のものでも射出成形可能な範囲内、例えば温度300
℃でのメルトフローレイト(MFR)を20g/10分
〜50g/10分に保つことが可能となる。
【0016】また、当然のことながら、カーボンブラッ
クは支持体材料内にできるだけ均一に分散していること
が望ましい。そのためには分散剤を添加することが望ま
しく、分散剤としては炭酸カルシュウム,クレーが挙げ
られる。分散剤の添加量はカーボンブラックの添加量に
よるが、支持体材料の10重量%〜30重量%とされ
る。10重量%未満では効果が少なく、30重量%を超
えると材料の導電性などに悪影響がでてくるので好まし
くない。
【0017】また、支持体の表面粗さは成形金型のキャ
ビティー型内面の表面粗さにより決まるが、材料に添加
されるカーボンブラックの粒径にも大きく左右される。
カーボンブラックの平均粒径を20nmないし50nm
とすることにより、支持体表面粗さをRmax で0.5μ
m〜1.2μmの範囲内にすることが可能となる。さら
にまた、支持体材料にガラス繊維を添加することによ
り、カーボンブラック添加による機械的強度の低下を補
強し、肉厚1mm程度の支持体に必要とされる0.49
×108 N/m2 以上の強度を得ることができる。ガ
ラス繊維は径が20μm程度で長さが3mm程度のもの
が好ましい。ガラス繊維の添加量はカーボンブラックの
添加量によるが、支持体材料の10重量%〜30重量%
とされる。10重量%未満では効果が少なく、30重量
%を超えると材料の導電性,支持体の表面粗さなどに悪
影響がでてくるので好ましくない。
【0018】上述のように、支持体材料は架橋タイプの
PPS樹脂にカーボンブラック,カーボンブラック分散
剤,ガラス繊維などを添加したものであるが、少なくと
も樹脂量を40重量%以上とすることにより、架橋タイ
プのPPS樹脂の特長を損なうことなく活用することが
できる。また、PPS樹脂は接着性が劣るという難点が
ある。エンジニアリングプラスチックスとしてPPS樹
脂を用いる電子機器や自動車関連分野では、これを改良
するために紫外線を照射したりコロナ放電を行って表面
を改質して、接着性の向上を図る方法が知られている
(日本接着学会31回年次大会(1993年6月):P
PS接着性の改良、日本接着学会誌Vol.29,N
o.4(1993):紫外線による表面改質)。ところ
が、感光体の支持体におけるような機能性材料として架
橋タイプのPPS樹脂を用いた場合において、これらの
方法がその支持体としての機能を阻害することなく有効
であるかどうかは明らかにされていなかった。本発明者
らは波長180nm〜255nmの紫外線を照射するこ
とにより紫外線エネルギーにより大気中の酸素からオゾ
ンが生成して架橋タイプのPPS樹脂の最表面の分子鎖
が切断され、大気中の水分などの作用も加わって、−O
H基,−COOH基などが生成されて表面が活性化し、
支持体としての必要な機能を損なうことなく表面の濡れ
性が大幅に改善され接着性が向上することを見出した。
コロナ放電処理の場合にも、コロナ放電エネルギーによ
りオゾンが生成し、紫外線照射のときと同様の効果が得
られる。
【0019】この発明の感光体用の支持体は、架橋タイ
プのPPS樹脂を主成分とし、これにカーボンブラッ
ク,さらにカーボンブラックの分散剤やガラス繊維を添
加した材料を射出成形して作製される。成形金型を適切
な構造とし、適切な成形条件で一体成形することにより
所要の形状,表面粗さを有する支持体を寸法精度よく,
生産性良く製造することが可能となる。アルミニウム合
金で支持体を製作する場合のように、個々に機械加工,
表面粗さ加工などを行う必要はなくなる。射出成形する
ための金型の温度を120℃ないし150℃の範囲内と
し、成形材料温度を280℃ないし330℃の範囲内と
し、充分な射出圧力を加えて、材料の充填時間を0.0
5秒ないし2.5秒の範囲内とすると、3mm以下の薄
肉で長さ数百mmの長尺の支持体を射出成形する場合で
も、キャビティー(材料充填部)内で樹脂が固化しはじ
める前に材料の充填を完全に終えて良好な形状の支持体
を得ることができ、また、樹脂の結晶化が充分に進んで
架橋タイプのPPS樹脂の特性を活かすことが可能とな
る。
【0020】つぎに、この発明の支持体の製造に用いる
成形金型について、その作用を図面を参照しながら説明
する。図3ないし図5は、この発明の成形金型の一実施
例を説明する部分断面図で、図3はキャビティー型6の
端面と固定型8の端面とが密着している型締めの状態を
示し、7は芯型、9は成形材料が充填され成形品が形成
さるキャビティーである。図4は成形後のキャビティー
型6と固定型8が離れた型開きの状態を示し、14は成
形品である。芯型7は固定型8に嵌め込んで固定されて
いる。図5は図3のスプリングノック11およびその周
辺の部分拡大断面図で、12はスプリング、13はノッ
クアウトピンである。
【0021】キャビティー型6の固定型8に接する端面
内側には段差部10が形成されている。段差部10の寸
法は、図5に示した段差部10のhを1mm〜3mm,
wを2mm〜5mmとするとよい。図3の型締めの状態
で、この段差部10を介してサイドゲート方式により成
形材料をキャビティー9に充填することにより、成形材
料はまず段差部10を満たした後薄肉円筒状のキャビテ
ィー9を充填することになり、円周方向均一にかつ速や
かにウエルドなどの欠陥を生じることなくキャビティー
9の先端まで充填することが可能となる。なお、成形材
料を0.05秒ないし2.5秒の高速で充填するために
は、キャビティー9の先端部にガスベントを設け、さら
に必要に応じて真空ガス抜きが可能な構造とすることが
好ましい。また、キャビティー型6の内面は転写性,離
型性を良くするためにニッケル合金による電鋳加工が施
こされ、表面粗さが最大高さRmax で1μm以下となる
ように仕上げられている。このような表面状態のキャビ
ティー型6を用い、充分な射出圧力で材料をキャビティ
ー9に充填し固化することにより、射出成形で得られる
支持体の表面を最大高さRmax で1μm以下の粗さにす
ることができる。
【0022】ところで、感光体としては外径が一様であ
ることが要求され、従って成形品の外径に抜き勾配を付
けることは許されない。このような成形品,特に薄肉の
成形品を表面を損傷することなくキャビティー型6から
離型することは極めて難しいことになる。そこで、芯型
7の表面を表面粗さが最大高さRmax で1μm以下であ
るような滑らかな面に仕上げ、かつ、片側0.15°な
いし0.25°の範囲内の抜き勾配を有する構造とし、
さらに、固定型8の端面のキャビティー型6に接する部
分でキャビティー型6の円周方向を少なくとも3等分す
る各ヵ所に、ノックアウトピン13,スプリング12か
ら構成されるスプリングノック11を設ける。このよう
な構造を採ることにより、型締め時には図5に示すよう
に圧縮されているスプリング12が型開き時には開放さ
れて伸びてノックアウトピン13の先端が図4に示した
ように固定型8の端面から突き出る。ノックアウトピン
13の先端の突き出る長さは、図5に示したmに相当す
る長さである。従って、成形後固定型8からキャビティ
ー型6を離して開く過程では、両者が長さmに相当する
距離に離れるまではノックアウトピン13の先端がキャ
ビティー型6および成形品14の端面を押しているの
で、キャビティー型6と成形品14は一体となって動
き、型開き後は図4に示すように成形品14は芯型7か
ら抜けてキャビティー型6側に固定して残っている。芯
型7に抜き勾配が形成されており、また表面が滑らかに
仕上げられているので、型開き時には芯型7は成形品1
4からスムーズに抜ける。芯型7が抜けることによって
成形品14は直径方向に収縮し、成形品14をキャビテ
ィー型6から表面を損傷することなく,例えばノックア
ウトして,取り出すことが可能となる。芯型7の抜き勾
配が片側で0.15°未満になると芯型が抜けにくく、
一方、抜き勾配が片側で0.25°を超えて大きくなる
と、成形品である支持体の肉厚が3mm程度以下の薄肉
の場合には薄い方の肉厚が薄くなり過ぎて成形ができな
くなることが見いだされた。例えば抜き勾配が片側で
0.25°の場合、外径30mm,長さ300mm,肉
厚1.5mm〜3mmの支持体においては、厚い方の肉
厚を1.5mm〜3mmとすると薄い方の肉厚が0.3
mm〜0.6mmとなり、成形が極めて難しくなる。従
って、抜き勾配は、片側で0.15°ないし0.25°
の範囲内とする必要がある。
【0023】図6は、金型から取り出した状態の成形品
を示す斜視図で、円筒状の支持体1の一端にキャビティ
ー型6の段差部10に対応してリング状凸部15が形成
されている。16はサイドゲートである。
【0024】
【実施例】図1は、この発明の感光体の支持体の一実施
例の模式的断面で、図1(a)は支持体1の縦断面図,
図1(b)は図1(a)のX−X断面図を示す。また、
図2は感光体の一実施例の層構成を示す模式的断面図
で、図1に示したような支持体1上に下引き層2を介し
て電荷発生層4,電荷輸送層5を順次積層した感光層3
が設けられている。なお、下引き層2は必要に応じて設
けられるもので必ずしも必要ではない。
【0025】実施例1 表2に示すような配合の材料1−1〜1−4を用い、図
3〜図5に示した金型を用いて、表3に示すように支持
体No.1〜支持体No.3は同一成形条件で、材料の
樹脂がリニアタイプのPPS樹脂である材料1−4を用
いた支持体No.4は金型温度を変えて、外径30m
m、長さ260.5mm、内径が薄肉側で28.5m
m,厚肉側で26.5mmとなるような抜き勾配(片側
で約0.23°)のある支持体1−1〜1−4を射出成
形した。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】これらの各支持体の上に、以下に述べる感
光層を同一条件で形成して感光体を作製した。すなわ
ち、アルコール可溶性ポリアミド樹脂(東レ(株)製;
アミランCM8000)5重量部をメタノール95重量
部に溶解した塗液を浸漬塗布法で塗布し、温度120℃
で15分間乾燥して膜厚約0.5μmの下引き層を形成
した。この下引き層の上に、X型無金属フタロシアニン
(大日本インキ化学工業(株)製;FASTGEN B
LUE 8120)10重量部と塩化ビニル系樹脂(日
本ゼオン(株)製;MR−110)10重量部とをジク
ロロメタン686重量部と1,2−ジクロロエタン29
4重量部とともに混合機で1時間混合分散し、さらに超
音波分散機で30分分散して作製した塗液を浸漬塗布法
で塗布し、温度80℃で30分間乾燥して膜厚約0.5
μmの電荷発生層を形成した。この電荷発生層上に、下
記構造式(I)に示すヒドラゾン化合物(富士電機
(株)製)100重量部,ポリカーボネート樹脂(三菱
瓦斯化学(株)製;ユーピロンPCZ)100重量部,
ジクロロメタン800重量部よりなる塗液を浸漬塗布法
で塗布し、温度90℃で1時間乾燥して膜厚約20μm
の電荷輸送層を形成して感光体を作製した。
【0029】
【化1】
【0030】このようにして作製した各感光体につい
て、支持体材料の温度300℃でのMFR,体積抵抗
率,射出成形性,機械的強度,耐薬品性(塩化メチレン
に2時間浸漬時の質量変化率で評価)、支持体の表面粗
さ(最大高さRMAX ),外径寸法精度,温度120℃で
48時間加熱処理後の寸法変化率、および感光体の暗所
帯電後5秒放置後の電位保持率Vk5,波長780nmの
単色光を10μJ/cm2照射後の残留電位Vr ,市販
の半導体レーザプリンタに実装して評価した印字特性を
表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】表4に見られるように、リニアタイプのP
PS樹脂を主成分とする材料1−4を用いた支持体1−
4は架橋タイプのPPS樹脂を主成分とする材料1−
1,1−2 1−3を用いた支持体1−1,1−2 1
−3に比して耐薬品性が劣り、寸法変化率が大きい。ま
た、体積抵抗率が106 Ω・cmと高い支持体1−3を
用いた感光体1−3は印字特性が悪い。架橋タイプのP
PS樹脂を主成分とし、体積抵抗率が104 Ω・cm以
下である材料からなる支持体の効果は明らかである。
【0033】実施例2 実施例1の支持体1−1に、センエンジニアリング
(株)製の紫外線照射装置(型式SUV200NS)を
使用し、低圧水銀灯と支持体との間隔を20mmとし、
200Wの低圧水銀灯より波長184.9nmおよび2
53.7nmの紫外線を支持体表面に照射する。照射時
間10秒のものを支持体2−1,照射時間20秒のもの
を支持体2−2とする。
【0034】また、同じく支持体1−1を用い、回転さ
せながらその表面にコロナ放電(放電電圧約10kv,
放電電極と支持体のギャップ2mm〜3mm,放電時間
30秒)を行い、支持体2−3とする。比較のために、
同じく支持体1−1で紫外線照射,コロナ放電を施され
ていないものを支持体2−4とする。
【0035】これらの支持体について、表面の純水に対
する接触角を調べ、また、ゴバン目試験(JIS K5
400 8.5.1,)を行って接着性を評価した。次
に、これらの各支持体を用いて実施例1と同様にして感
光体2−1,2−2,2−3,2−4を作製し、市販の
半導体レーザプリンタに実装して、感光層が剥離しはじ
めて問題となるまでの連続印字寿命を調べた。
【0036】得られた結果を表5に示す。
【0037】
【表5】
【0038】表5より、紫外線照射を行った支持体2−
1,2−2を用いた感光体2−1,2−2、およびコロ
ナ放電を行った支持体2−3を用いた感光体2−3がこ
れらの処理を行っていない支持体2−4を用いた感光体
2−4よりゴバン目試験,連続印字寿命において優れて
いることは明らかである。200Wの低圧水銀灯の紫外
線を照射する場合には照射時間20秒の場合が特に優れ
てり、照射時間15秒〜25秒が好ましいと推定され
る。
【0039】実施例3 表2の材料1−3を用い、また、図3〜図5の金型を用
いて、表6に示すように成形条件のうち金型温度を変え
て射出成形を行い、支持体3−1,3−2,3−3を作
製した。金型温度を変えるにあたってノズル温度を若干
変えた。また、支持体3−3では金型温度を高くしたこ
とにより材料の充填時間が短くなった。このようにして
成形したもののうち、支持体3−3はバリが多発し、成
形不良で支持体として使用不能であった。続いて、支持
体3−1,3−2を用いて、実施例1と同様にして感光
体3−1,3−2を作製し、それぞれVk5,Vr および
印字特性を調べた。その結果を表7に示す。
【0040】
【表6】
【0041】
【表7】
【0042】表6,表7に見られるように、同一材料で
も、射出成形条件が適切でないと良好な支持体が得られ
ず、金型温度は、150℃が良好で、100℃では印字
不良となり、170℃ではバリ不良となる。金型温度と
しては100℃超〜170℃未満で、約120℃から約
160℃の範囲内が望ましいと推定される。
【0043】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので以下に述べる効果が得られる。架橋タイプ
のPPS樹脂を主成分とし、これに体積抵抗率10-1Ω
・cm以下の高導電性のカーボンブラックを配合して体
積抵抗率が104 Ω・cm以下にした材料からなるとと
もに、カーボンブラックの分散剤を含む円筒状支持体を
用いることにより、軽量でかつ好適な導電性を有し、
薬品性,耐熱性に優れていて薄肉,長尺の形状でも寸法
精度を良好に保つことができ、大気中でも酸化などの変
質を起こさず特別な表面安定化処理を行う必要がない円
筒状支持体を有する有機感光体が得られる。カーボンブ
ラックの添加に際してカーボンブラックの分散剤を一緒
に添加することによりカーボンブラックを均一に添加す
ることができ、支持体が均質となり、また表面粗さを均
一にすることにも寄与するので好適である。
【0044】また、支持体材料に配合するカーボンブラ
ックの平均粒径を20nmないし50nmとすることに
より、表面粗さがRmax で0.5μmないし1.2μm
の好適な範囲で均一な円筒状支持体を有する有機感光体
が得られる。
【0045】さらにまた、支持体材料にガラス繊維を添
加することにより機械的強度が大きくて薄肉,長尺の形
状でも変形しにくい円筒状支持体を有する有機感光体が
得られる。ガラス繊維は直径20μm程度,長さ3mm
程度の形状のものが支持体の表面粗さに悪影響を及ぼさ
ず好適である。そうして、このように種々のものを添加
しても、支持体材料の少なくとも40重量%以上を架橋
タイプのPPS樹脂とすると、その特長を損なうことな
く発揮させることができる。
【0046】また、支持体の表面を波長180nm〜2
55nmの紫外線で照射することにより、または、表面
にコロナ放電を行うことにより、接着性に優れ、その上
に有機材料からなる層を密着性良く形成できる円筒状支
持体を有し使用寿命が向上した有機感光体を得ることが
できる。また、上述のような円筒状支持体は、架橋タイ
プのPPS樹脂を主成分とし、これに体積抵抗率10-1
Ω・cm以下の高導電性のカーボンブラックを配合して
体積抵抗率が104 Ω・cm以下にした材料、またはさ
らにカーボンブラックの平均粒径を20nmないし50
nmとした材料、またはさらにガラス繊維を添加した材
料を射出形成することにより生産性良く製造することが
できる。
【0047】射出成形に際しては、金型温度は120℃
ないし150℃の範囲内とし、成形材料温度は280℃
ないし330℃の範囲内とすると上記成形材料を良好に
成形できて、しかも、樹脂の結晶化が充分に進んで架橋
タイプのPPS樹脂の特性を活かした支持体が得られ
る。また、材料の充填時間を0.05秒ないし2.5秒
の範囲内とすると、薄肉,長尺の形状の円筒状支持体を
良好に成形できて好適である。また、成形金型について
は、固定型に嵌め込まれている芯型は表面粗さが最大高
さRmax で1μm以下に仕上げられており、かつ、片側
0.15°ないし0.25°の範囲内の抜き勾配を有す
ること、キャビテイー型は内面が抜き勾配を持たず、ニ
ッケル合金による電鋳加工が施されて表面粗さが最大高
さRmax で1μm以下に仕上げられており、固定型に接
する端面内側に段差部が形成されていてこの段差部を介
してサイドゲート方式により成形材料を充填する構造と
されていること、固定型はキャビティー型に接する端面
にキャビティー型の円周方向に少なくとも3等分して各
ヵ所にスプリングノックが設けられており、成形後の型
開きのときに射出成形された成形品がこのスプリングノ
ックの作用によりキャビティー側に必ず残るような構造
とされていることを特長とする成形金型を用いる。この
ような構成の金型を用いることにより、成形材料の充填
時間を容易に0.05秒ないし2.5秒と速くすること
ができ、材料が固化しはじめる前にキャビティーの先端
まで円周方向も均一に充分材料を充填することができ、
薄肉,長尺の形状の支持体も良好に成形できる。また、
キャビティー型内面の粗さに対応して、表面粗さが最大
高さRmax で1μm以下の支持体が得られる。また、射
出成形後、型開きするときには芯型の表面が滑らかでか
つ抜き勾配がついているので、成形品から芯型をスムー
ズに抜くことができ、その後、成形品をキャビティー型
から,例えばノックアウトして成形品である支持体を表
面を損傷することなく取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の支持体の一実施例の模式的断面図
で、図1(a)は縦断面図,図1(b)は図1(a)の
X−X断面図
【図2】この発明の感光体の一実施例の模式的断面図
【図3】この発明に係わる金型の一実施例を説明する型
締めの状態の部分断面図
【図4】この発明に係わる金型の一実施例を説明する型
開きの状態の部分断面図
【図5】図3のスプリングノック部およびその周辺の部
分拡大断面図
【図6】金型から取り出した状態の成形品を示す斜視図
【符号の説明】
1 支持体 2 下引き層 3 感光層 4 電荷発生層 5 電荷輸送層 6 キャビティー型 7 芯型 8 固定型 9 キャビティー 10 段差部 11 スプリングノック 12 スプリング 13 ノックアウトピン 14 成形品 15 リング状凸部 16 サイドゲート
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−154460(JP,A) 特開 昭58−63945(JP,A) 特開 平5−40355(JP,A) 特開 昭61−203460(JP,A) 特開 昭62−157110(JP,A) 特開 平5−303228(JP,A) 高分子学会・高分子辞書編集委員会, 新版高分子辞典,日本,株式会社朝倉書 店,1988年11月25日,初版第1刷,第61 頁、第335頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00 - 5/16

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋タイプのポリフェニレンサルファイド
    樹脂を主成分とし、これに体積抵抗率10-1Ω・cm以
    下の高導電性カーボンブラックを配合して体積抵抗率が
    104 Ω・cm以下にした材料からなるとともに、カー
    ボンブラックの分散剤を含む円筒状支持体上に有機感光
    層を備えたことを特徴とする電子写真用有機感光体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の感光体において、円筒状支
    持体に含まれるカーボンブラックの平均粒径が20nm
    ないし50nmであることを特徴とする電子写真用有機
    感光体。
  3. 【請求項3】請求項記載の感光体において、分散剤が
    炭酸カルシュウムまたはクレーであることを特徴とする
    電子写真用有機感光体。
  4. 【請求項4】請求項1ないしのうちのいずれかに記載
    の感光体において、円筒状支持体が補強材としてガラス
    繊維を含むことを特徴とする電子写真用有機感光体。
  5. 【請求項5】請求項1ないしのうちのいずれかに記載
    の感光体において、円筒状支持体の架橋タイプのポリフ
    ェニレンサルファイド樹脂の量が少なくとも40重量%
    以上であることを特徴とする電子写真用有機感光体。
  6. 【請求項6】請求項1ないしのうちのいずれかに記載
    の感光体において、円筒状支持体の表面が波長180n
    mないし255nmの紫外線で照射処理をされているこ
    とを特徴とする電子写真用有機感光体。
  7. 【請求項7】請求項1ないしのうちのいずれかに記載
    の感光体において、円筒状支持体の表面がコロナ放電処
    理をされていることを特徴とする電子写真用有機感光
    体。
  8. 【請求項8】請求項1ないしのうちのいずれかに記載
    の感光体において、円筒状支持体の肉厚を3mm以下と
    したことを特徴とする電子写真用有機感光体。
  9. 【請求項9】架橋タイプのポリフェニレンサルファイド
    樹脂を主成分とし、これに体積抵抗率10-1Ω・cm以
    下の高導電性のカーボンブラックを配合して体積抵抗率
    を104 Ω・cm以下にした材料を、円筒状支持体の金
    型で射出成形することを特徴とする円筒状支持体の製造
    方法。
  10. 【請求項10】請求項記載の円筒状支持体の製造方法
    において、射出成形するための金型の温度を120℃な
    いし150℃の範囲内としたことを特徴とする円筒状支
    持体の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項または10記載の円筒状支持体
    の製造方法において、射出成形する際の材料の充填時間
    を0.05秒ないし2.5秒の範囲内としたことを特徴
    とする円筒状支持体の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項ないし11のうちのいずれかに
    記載の円筒状支持体の製造方法において、金型の芯型は
    表面粗さが最大高さRmax で1μm以下に仕上げられて
    おり、かつ、片側0.15°ないし0.25°の範囲内
    の抜き勾配を有すること、金型のキャビテイー型内面は
    抜き勾配を持たず、ニッケル合金による電鋳加工が施さ
    れて、表面粗さが最大高さRmax で1μm以下に仕上げ
    られており、固定型に接する端面内側に段差部が形成さ
    れていて、この段差部を介してサイドゲート方式により
    材料を充填する構造とされていること、金型の固定型は
    キャビティー型に接する端面にキャビティー型の円周方
    向に少なくとも3等分して各ヵ所にスプリングノックが
    設けられており、型開きのときに射出成形された成形品
    がこのスプリングノックの作用によりキャビティー型側
    に必ず残るような構造とされていることを特長とする金
    型を用いることを特徴とする円筒状支持体の製造方法。
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