JP3370352B2 - ガス放出量の少い超高真空用チタン合金 - Google Patents
ガス放出量の少い超高真空用チタン合金Info
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Description
特性を有する超高真空用容器材として最適なチタン合金
に関する。
ンバーの材料としては、従来、特開平1−316439
及び特開平3−31451に開示されているように鋼中
の不純物を極度に低減させた超清浄鋼が用いられたり、
加藤らの報告(真空vol.34 1(1991)p.
56)に示されるようにガス放出量を抑えるために内面
に特殊な表面処理を施したステンレス鋼などが用いられ
ている。
場合であっても、ターボポンプのみでは10-11 tor
r以上の極高真空を得ることは難しく、チタンサブリメ
ーションポンプやクライオポンプなどを用いる必要があ
る。さらに、ステンレス鋼を用いたチャンバーは重量が
大きくなる欠点を有している。
ミニウム合金が用いられることもあるが、この場合には
ガス放出量が多く10-11 torr以上の極高真空を得
るのは極めて困難である。
ンレス鋼を超高真空用のチャンバ材として用いた場合、
ステンレス鋼からガスが放出されるため、10-11 to
rr以上の極高真空を得るためにはチャンバ内面を電解
研磨したり、鋼中の不純物を極度に低減させた超清浄鋼
が必要となる。さらに、上述したように、このような材
料を用いてもイオンポンプやチタンサブリメーションポ
ンプ、クライオポンプ等の複雑な真空排気系が必要とな
る。
行うことが考えられており、このような場合、チャンバ
材料の重量が問題となる。軽量なチャンバ材料として、
アルミ合金が用いられることもあるが、アルミ合金はガ
ス放出量が多く10-11 torr以上の極高真空を得る
ことは容易ではない。
ものであって、イオンポンプやチタンサブリメーション
ポンプ、クライオポンプなどの複雑な真空排気装置を用
いずターボポンプのみの比較的単純な真空排気系で10
-11 torrの極高真空を得ることが可能であり、かつ
軽量なチャンバを得ることができるガス放出量の少い超
高真空用チタン合金を提供することを目的とする。
Rh,Ru,Re及びOsからなる群から選択される少
なくとも1種の白金系金属を0.02〜1.0重量%、
Co,Fe,Cr,Ni,Mn及びCuからなる群から
選択される少なくとも1種の遷移金属を0.1〜3.0
重量%、La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,
Dy,Ho,Erの希土類元素及びYからなる群から選
択される少なくとも1種を0.02〜0.50重量%の
範囲で含有し、不純物元素としてのC,N及びOを夫々
C:0.05重量%以下、N:0.05重量%以下、
O:0.08重量%以下に規定し、残部Ti及び不可避
的不純物よりなるガス放出特性の優れた超高真空用チタ
ン合金を提供する。また、上記合金にさらにAlを0.
2〜1.5重量%の範囲で含有するガス放出特性の優れ
た超高真空用チタン合金を提供する。
前提として、超高真空中で、材料内部に固溶するガス成
分が真空側に拡散して表面から放出される現象を抑える
べく検討を加えた結果、C,N,Oを低減させたチタン
合金において、白金系金属であるPd,Pt,Ru,R
h,Os及びReのうちの一種以上と遷移金属であるC
o,Fe,Cr,Ni,Mn及びCuの一種以上および
希土類金属であるLa,Ce,Pr,Nd,Sm,G
d,Tb,Dy,Ho及びEr並びにYの一種以上を所
定量添加することによって、超高真空下でのこのような
ガス放出を低減することができることを見出した。ま
た、添加物系をこのような範囲にすることにより高加工
性が付与されることも見出した。さらに、このような合
金系にAlを所定量添加することによって上記特性を損
なわずに高強度化が図れることも併せて見出した。上記
構成を有する本発明は、本願発明者らのこのような知見
に基づいて成されたものである。以下、この発明につい
て詳細に説明する。先ず添加元素の限定理由について述
べる。 Pd,Pt,Ru,Rh,Re,Os;
バ内部に残留する分子状の水素を、材料表面でトラップ
し原子状の水素に分離する触媒の働きをする極めて重要
な元素である。本機能が発揮されるためには、上記元素
の少なくとも1種を合計で0.02重量%以上添加する
ことが必要である。しかしながら、合計で1.0重量%
を越えて添加された場合には、加工性が著しく低下する
ため、真空容器への冷間成形が極めて困難になる。 Co,Fe,Ni,Cr,Mn,Cu;
素によって表面に吸着した原子状の水素を固定する能力
の極めて高いTi2 Co,TiFe,Ti2 Ni,T
iCr2 ,TiMn,Ti2 Cu等の金属間化合物を
生成させるために必要である。このような金属間化合物
を生成させるためには上記の元素の少なくとも1種を合
計で0.1重量%以上添加することが必要である。しか
しながら、3.0重量%を越えて過剰に添加した場合に
は生成された金属間化合物によって材料の延性および加
工性が低下する。 La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,H
o,ErおよびY;
部酸化により酸化物として固定することによって固体内
部から表面への固溶酸素の拡散を抑制する働きをする。
このような働きは、La,Ce,Pr,Nd,Sm,T
b,Dy,Ho,ErおよびYを単独で添加しても得ら
れるし、あるいは、ミッシュメタルのような形での複合
添加した場合においても変わらずに得られ、合計で0.
02重量%以上添加した場合に有効に発揮される。しか
しながら、これらの1種または2種以上を合計で0.5
0重量%を越えて添加した場合には、析出した酸化物に
よって延性および加工性が著しく低下する。 C;
留ガス中の酸素と結合してCOガスを生成するためでき
るだけ低減させる必要がある。しかしながら、0.05
重量%以下の含有量では、このような固体内部からの拡
散によるCOガス放出量は、対象とする10-11 〜10
-12 torrではほとんど影響しない。従ってCは0.
05重量%以下に規定する。 N;
してN2 ガスとなり放出される恐れがある。しかしなが
ら、本発明において対象とする10-11 〜10-12 to
rrのような真空度では、0.05重量%以下のNを含
有した場合では、N2 ガスによる著しい真空度の低下は
認められない。従ってNは0.05重量%以下とする。 O;
め、真空中へのガス放出といった観点から最も管理が必
要な不純物である。材料中に固溶するOは、表面からO
2 などの形で放出され、真空度の低下を招く。このた
め本発明では、上述のように、La,Ce,Pr,N
d,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,ErおよびYの1
種又は2種以上の添加によって酸素を固定するのである
が、酸素が0.08重量%を越えて含有された場合は、
上記の元素による固定の効果が充分ではなく、ガス放出
が著しくなる。さらに、固定されたOは酸化物の形とな
って、冷間成形性を著しく低下させる。 Al;
い変化を生じさせず、材料の強度を上昇させるために有
効である。特に0.2重量%以上添加した場合、この効
果は著しい。しかしながら、1.5重量%を越えて添加
すると冷間成形性が低下し、真空容器への冷間加工が難
しくなる。即ち、Alの添加は0.2〜1.5重量%が
望ましい。
て用いた場合、真空容器内部に残留するガスは、ステン
レス鋼中に固溶していた酸素や、介在物とマトリックス
界面にトラップされた水素、表面変質層に残留する酸素
などと鋼中の炭素と結びついたCO,CO2 ガスなどよ
り構成されている。
したチタン合金に所定量のPdなどの白金系金属、Co
などの遷移金属、Yやミッシュメタルなどの希土類金属
を添加したので、本発明のチタン合金を超真空容器とし
て用いた場合に、以下のメカニズムによって材料からの
ガス放出を抑制し、残留ガス固定を行うことができる。 (1)チタン合金中からの酸素の放出をYやミッシュメ
タルなどの希土類金属により酸化物の形で材料内部に固
定し、低減させる。 (2)チャンバ内の残留ガス大部分を占めるH2 ガス
を、Pdなどの白金系金属により、H原子として合金表
面に物理吸着させる。 (3)吸着されたH原子は、チタンとCoなどの遷移金
属よりなる水素トラップ能力の高い金属間化合物により
強く固定される。 また、本発明合金のガス放出特性を付与する各元素の添
加量の適正化を図ることにより、冷間成形性の高いチタ
ン合金を得ることが可能となる。
合金に、所定量のAlを添加することにより、Alの固
溶強化によって加工性、ガス放出特性を損なうことなく
強度を上昇させることができる。
りボタンインゴットに溶製し、熱間圧延・熱処理を施し
た後に各種試験に供した。なお、表1中番号1〜9は本
発明の範囲内の実施例であり、番号10〜19はその範
囲から外れる比較例である。また、番号20は従来材で
あるステンレス鋼である。
を把握した。
置(TDS)を用い、供試材を400℃で昇温加熱して
ベーキング処理とし、その後室温におけるガス放出率を
求めた。ガス放出率は四重極質量分析装置(QMS)の
測定強度にQMSの各気体毎の感度係数、各気体毎の排
気速度を乗じることによって求め、番号20の従来材と
の比の値とした。さらに一部の材料については、VAR
インゴットにより板材を試材し、小型真空容器を作成
し、ターボ分子ポンプ(180 l/s)によりテスト
を行った。
曲げ試験を行い、ベンドファクタ=曲げポンチの半径/
板厚で整理を行った。さらに、各材料の引張試験を行
い、引張強さの比較もあわせて行った。表2にそれらの
結果を示す。
号1〜9の合金は、H2 ,CO+N2 ,CO2 いずれの
ガスも従来材であるステンレス鋼と比較して1/10以
下であり、特に質量数28のCO+N2 ガスは非常に少
ない特徴を示した。また、冷間成形性も極めて高く、板
厚と同等程度までの曲げ半径においても割れが生じなか
った。さらに、Alを添加した番号1,3,4,6,
8,9については、引張強さが45kgf/mm2 を越
える高い値を示した。一方、比較例である番号10〜1
9は、ガス放出特性または加工性が劣っていることが確
認された。
発明の範囲よりも少ない例であるが、加工性は優れてい
るものの、ガス放出特性が優れているとはいい難い。一
方、番号11は、白金系金属を本発明の範囲よりも過剰
に添加した場合であるが、優れたガス放出特性を有する
ものの、ベントファクターが5.5と冷間加工性に乏し
いことが確認された。
の範囲から外れる例である。遷移金属が本発明の範囲よ
り少ない番号13の場合には、ガス放出量がステンレス
鋼と比べて著しく少ないとはえない。一方、本発明の範
囲よりも過剰に添加した番号12の場合には、加工性が
低下した。
量が本発明の範囲から外れる例である。希土類またはY
が本発明の範囲よりも少ない番号14では、酸素を含ん
だガス成分が多く放出され、ステンレス鋼とほぼ同等の
ガス放出特性しか得られなかった。一方、これらが本発
明の範囲よりも過剰に含まれた番号15では、生成され
た酸化物により加工性が低下した。さらに、ガス放出特
性も損なわれた。
範囲を越えて含有された場合である。いずれの場合も、
ガス放出特性が著しく低下し、ステンレス鋼並となって
しまうことが確認された。番号19は、Alが本クレー
ム範囲を越えて含有された場合である。ガス放出特性は
優れた結果を有するものの、冷間成形性に劣っていた。
器(φ200×300)を試作した結果、180 l/
sのターボポンプのみで6.8×10−11torrの
超高真空を得ることができた。これは、同等のステンレ
ス製の超高真空容器の場合1.0×10−8torrと
比べ著しく到達真空度に差異があり、本発明材の優れた
ガス放出特性を裏付けるものといえる。なお、この真空
度の実験はいずれも200℃×72時間ベーク後、室温
にて24時間冷却した後に行った。 (比較例)
のである。一定のチタン合金をベースとした表3に示す
組成の合金をアーク溶解炉によりボタンインゴットに溶
製し、熱間圧延・熱処理を施した後に各種試験に供し
た。なお、表1中番号21〜34は比較例である。
値を用い、さらに一部の材料については、VARインゴ
ットにより板材を試材し、小型真空容器を作成し、ター
ボ分子ポンプ(800 l/s)によりテストを行なっ
た。また、熱間加工性の指標として、熱間圧延後の材料
の割れを把握し、熱間加工性の評価を行った。それらの
結果を表4に示す。
号21〜25の合金は、H2 ,CO+N2 ,CO2 いず
れのガスも従来材であるステンレス鋼と比較して1/1
0以下であり、特に質量数28のCO+N2 ガスは非常
に少ない特徴を示した。また、熱間加工性も良好であ
り、耳割れが生じた場合であっても1cmを越えなかっ
た。一方、比較例である番号26〜34は、ガス放出特
性または熱間加工性が劣っていることが確認された。例
えば、番号26は、白金系金属の量が本発明の範囲より
も少ない例であるが、加工性は優れているものの、ガス
放出特性が優れているとはいい難い。
属、希土類金属またはYの量が本発明の範囲よりも少な
い例である。いずれも実施例に比較してガス放出特性が
劣っていた。
金系金属、遷移金属、及び希土類金属またはYが本発明
の範囲を越える場合である。いずれも優れたガス放出特
性を有するものの、耳割れが大きく熱間加工が困難であ
った。
範囲を越えて含有された場合である。いずれの場合も、
ガス放出特性が著しく低下し、ステンレス鋼並となって
しまうことが確認された。
を用いずターボポンプのみの比較的単純な真空排気系で
10−11torrの極高真空を得ることが可能であ
り、かつ軽量な超真空容器を得ることができるガス放出
量の少ない超高真空用チタン合金が提供される。本発明
のチタン合金を超真空容器に用いることによって、従来
のステンレス鋼製容器と比較して、高い到達真空度を比
較的容易に得ることができる。また、この発明の合金は
加工性に優れており、比較的容易に超真空容器に加工す
ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 Pd,Pt,Rh,Ru,Re及びOs
からなる群から選択される少なくとも1種の白金系金属
を0.02〜1.0重量%、 Co,Fe,Cr,Ni,Mn及びCuからなる群から
選択される少なくとも1種の遷移金属を0.1〜3.0
重量%、 La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,H
o,Erの希土類元素及びYからなる群から選択される
少なくとも1種を0.02〜0.50重量%の範囲で含
有し、 不純物元素としてのC,N及びOを夫々C:0.05重
量%以下、N:0.05重量%以下、O:0.08重量
%以下に規定し、 残部Ti及び不可避的不純物よりなるガス放出特性の優
れた超高真空用チタン合金。 - 【請求項2】 Pd,Pt,Rh,Ru,Re及びOs
からなる群から選択される少なくとも1種の白金系金属
を0.02〜1.0重量%、 Co,Fe,Cr,Ni,Mn及びCuからなる群から
選択される少なくとも1種の遷移金属を0.1〜3.0
重量%、 La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,H
o,Erの希土類元素及びYからなる群から選択される
少なくとも1種を0.02〜0.50重量%、Alを
0.2〜1.5重量%の範囲で含有し、 不純物元素としてのC,N及びOを夫々C:0.05重
量%以下、N:0.05重量%以下、O:0.08重量
%以下に規定し、 残部Ti及び不可避的不純物よりなるガス放出特性の優
れた超高真空用チタン合金。
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