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JP3370596B2 - 高密度防振ゴムとその製造方法 - Google Patents
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JP3370596B2 - 高密度防振ゴムとその製造方法 - Google Patents

高密度防振ゴムとその製造方法

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JP3370596B2
JP3370596B2 JP07636498A JP7636498A JP3370596B2 JP 3370596 B2 JP3370596 B2 JP 3370596B2 JP 07636498 A JP07636498 A JP 07636498A JP 7636498 A JP7636498 A JP 7636498A JP 3370596 B2 JP3370596 B2 JP 3370596B2
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四方太 峰村
憲正 北村
一男 安田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度防振ゴムと
その製造方法に関し、特に電器や自動車やその他の産業
機械に取り付けられた振動体に密着して前記振動体を固
定し、その質量効果および特性によって配管や熱交換器
等の防振や防音を行う目的で使用される高密度防振ゴム
とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電器、自動車、その他の産業機
械に取り付けられた振動体には、その騒音や振動を防止
するために多種多様の防振ゴムが使用されている。特に
電器分野においては近年、省エネルギー化などの経済性
の追求と同時にコストの低減、環境の改善が重要な課題
となっている。
【0003】それにともなって振動、騒音等の点から防
振ゴムの重要性が一段と増してきており、それに対する
要求特性も次第に硬度なものへと変化している。防振ゴ
ムに対する要求特性としては、 1)大きな静的荷重を支える必要上、所定の硬度と密度
を有すること 2)振動伝達率が小さいこと 3)長期間の繰り返し外力に対して、耐屈曲疲労性およ
び耐久性が優れること などがあげられる。
【0004】このような要求特性を満たすために、従来
より、クロロプレンゴムにカーボンブラック等の充填剤
や、フィラーを配合した高密度防振ゴム材が用いられて
いる。このように充填剤やフィラーを配合することで、
必要な強度が得られ、またその配合割合を調整すること
で、硬度や引張強度や伸度などの物理物性を調整するこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような高密度防振
ゴム材に配合されるフィラーとしては、一般に、安価で
密度の大きいという利点を有することから鉛系のものが
使用されている。
【0006】ところで、高密度防振ゴム材は電器、自動
車、その他の産業機械に用いられるのであるが、これら
の製品を廃棄処理する際には、粗大ゴミとして埋め立て
ることが一般的である。
【0007】しかしながら、鉛系のフィラーを含有する
高密度防振ゴムを使用した製品を埋め立てにより廃棄処
理すると、高密度防振ゴムが次第に劣化して土中に鉛が
溶出し、環境汚染を引き起こすという問題がある。特
に、近年では環境問題への規制などが急速に強化されて
いるため、製品に対して含まれる環境負荷物質を極力削
減することが求められている。
【0008】本発明は前記問題点を解決し、廃棄処理す
る際に環境汚染を引き起こすことがなく、しかも従来と
同等の特性の得られる高密度防振ゴムとその製造方法を
提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の高密度防振ゴム
は、その組成を特殊な構成としたことを特徴とする。こ
の本発明によると、環境を汚染することなく、強度や密
度や伸度などのさまざまな要求特性を満たす高密度防振
ゴムを提供することができる。
【0010】また、本発明の高密度防振ゴムの製造方法
は、加硫遅延剤を配合する工程を規定したことを特徴と
する。この本発明によると、各成分が均一に分散した高
密度防振ゴムを量産性良く製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】請求項1記載の高密度防振ゴム
は、クロロプレンゴム100重量部に対し、フィラーと
しての金属亜鉛92〜97wt%と、加硫剤としての酸化
亜鉛3〜8wt%と、残部1wt%以下とからなる、充填密
度6〜7g/ccの亜鉛粉末300〜600重量部が少な
くとも配合されてなることを特徴とする。
【0012】この構成によると、クロロプレンゴムに亜
鉛粉末を混入させることによって、所望の高密度を得る
ことができ、その他の必要物性である損失係数や、圧縮
永久歪みや、引っ張り強度や、伸度なども実用レベルに
達することができる。また、金属亜鉛と酸化亜鉛とを同
時にクロロプレンゴムと混合して所望の物性を有するも
のが得られる。
【0013】また、亜鉛は鋼板への耐食性向上などいろ
いろな分野で使われており、現時点では環境影響に問題
ないとされている物質であるため、高密度防振ゴムを廃
棄処理する際に土中に埋蔵して成分が溶出しても、環境
汚染の発生を防止することができる。
【0014】
【0015】
【0016】請求項2記載の高密度防振ゴムは、請求項
1において、亜鉛粉末の平均粒径が3〜10μmである
ことを特徴とする。この構成によると、金属亜鉛と酸化
亜鉛との比率が管理でき易くなる。また、上記のような
平均粒径を有する粉末をフィラーとすることで、原材料
の成形流動性が向上し、効率が良く、量産性に優れたイ
ンジェクション成形が適用できる。
【0017】請求項3記載の高密度防振ゴムは、請求項
1において、アルキメデス法にて測定したゴム密度が
2.6〜3.6g/ccであることを特徴とする。この
構成によると、振動物に密着して固定する際の優れた防
振特性を得ることができる。
【0018】請求項4記載の高密度防振ゴムは、請求項
1において、JIS−K6301記載のスプリング硬度
A形にて測定したゴム硬度がHs60〜80°であるこ
とを特徴とする。この構成によると、防振ゴムを繰り返
し使用できる耐久性を得ることができる。
【0019】請求項5記載の高密度防振ゴムの製造方法
は、少なくとも、クロロプレンゴムと、フィラーとして
の金属亜鉛92〜97wt%と、加硫剤としての酸化亜鉛
3〜8wt%と、残部1wt%以下とで構成された亜鉛粉末
加硫遅延剤とからなる原材料を混合して高密度防振
ゴムを製造するに際し、加硫遅延剤をクロロプレンゴム
に混合した後に亜鉛粉末を混合して混合物を作成する
、あるいは加硫遅延剤と亜鉛粉末とを同時にクロロプ
レンゴムに混合して混合物を作成し、作成した混合物を
リボン状に加工し、所定の形状に型成形した後、加硫す
ることを特徴とする。
【0020】この構成によると、高密度化用フィラーと
する亜鉛粉末をクロロプレンゴム中に均一に分散するこ
とができる。また、亜鉛粉末中に含まれる酸化亜鉛量が
管理でき、所望の物性を有する高密度防振ゴムを量産性
よく製造することができる。
【0021】請求項6記載の高密度防振ゴムの製造方法
は、請求項5において、平均粒径が3〜10μmである
亜鉛粉末を使用することを特徴とする。この構成による
と、量産性を向上することができる。
【0022】請求項7記載の高密度防振ゴムの製造方法
は、請求項5において、スルフェンアミド系の加硫遅延
剤を使用することを特徴とする。この構成によると、酸
化亜鉛の含有率が変動した場合にも効率的に製造工程の
途上での加硫を遅延することができる。
【0023】以下、本発明の実施の形態について、図1
〜図3を用いて説明する。
【0024】(実施の形態)図1〜図3は本発明の(実
施の形態)を示す。ゴム組成物を製造するに際し、クロ
ロプレンゴムに対する亜鉛粉末の好適な配合割合を比較
検討するために、以下の実施例1〜3、比較例1〜3で
は各成分の配合割合を変化させて各種のゴム組成物を作
成した。
【0025】実施例1 ゴム組成物の材料として、クロロプレンゴムと、フィラ
ーおよび加硫剤としての亜鉛粉末と、スルフェンアミド
系の加硫遅延剤と、加硫助剤としての酸化マグネシウム
と、加工助剤としてのステアリン酸と、補強剤としての
カーボンブラックSRFと、軟化剤としてのアロマ系オ
イルと、老化防止剤と、加工助剤としてのエステル化合
物とを用い、その配合割合を表1に示すようにした。
【0026】
【表1】
【0027】なお、亜鉛粉末は、金属亜鉛92重量%
と、酸化亜鉛7重量%と、残部1重量%とからなり、平
均粒径が5μm、充填密度が6.3g/ccのものを用
いた。上記の材料を用いて、図1に示す製造工程にて高
密度防振ゴムを作成した。
【0028】まず、工程1で原料ゴムとしてのクロロプ
レンゴムを素練りした。そして工程2では、上記のクロ
ロプレンゴム以外の材料を配合して混練りし、工程5で
ファイナルバッチである配合ゴムを得た。
【0029】得られた配合ゴムを、工程6では、リボン
状に加工し、熟成した後で厚さ5〜8mm、幅50〜8
0mmのリボン形状に成形した後、195℃で3分間、
加硫処理を施して試験片を作成し、各種の物性を測定し
た。
【0030】得られた試験片の物性を表2に示す。な
お、以下の各実施例および比較例において、硬度は通常
のJIS−K6301に記載のスプリング硬度A形の測
定法に準じて測定し、圧縮永久歪みは100℃×72h
の条件下で求めた。また、損失係数tanδは、JIS
−K6394に記載の方法に準じて15Hz、振幅1.
0%の条件下で測定した。
【0031】
【表2】
【0032】実施例2、3 各成分の配合割合を表1に示すようにした。そしてそれ
以外は実施例1と同様にして試験片を作成し、各種の物
性を測定した。
【0033】得られた試験片の物性を表2に示す。
【0034】また、実施例3で作成した試験片を、ディ
スクレオメータ(東洋精機製作所製)を使用して180
℃の温度で加硫曲線を測定した。得られた加硫曲線を図
3に示す。図3に示すように、この実施例3では、量産
に適した加硫曲線が得られた。
【0035】加硫曲線は、加硫の状態を連続的に測定し
てゴムの加硫条件を最適化するものである。すなわち、
加硫されて到達する最終的な最大トルクMH∞から最小
トルクMLを引いた値MEを求める。次に10%MEおよ
び90%MEになるt10およびt90を求め、t90とt10
との差Δt80を求めてこれを加硫速度の指数とする。
【0036】比較例1 クロロプレンゴムに対する亜鉛粉末の配合割合を、本発
明の範囲よりも少なくし、残部の配合割合を表1に示す
ようにした。そしてそれ以外は実施例1と同様にして試
験片を作成した。
【0037】得られた試験片の物性を表2に示す。
【0038】比較例2、3 クロロプレンゴムに対する亜鉛粉末の配合割合を、本発
明の範囲よりも多くし、残部の配合割合を表1に示すよ
うにした。そしてそれ以外は、実施例1と同様にして試
験片を作成した。
【0039】実施例1〜3から明らかなように、クロロ
プレンゴム100重量部に対する亜鉛粉末の配合割合を
300〜600重量部とすると、所望の高密度を得るこ
とができた。また、その他の必要物性である損失係数
や、圧縮永久歪みや、引っ張り強度や、伸度なども実用
レベルに達することができた。
【0040】なお、亜鉛粉末の充填密度は、亜鉛粉末の
組成や粒径によって変化するが、本発明においては、充
填密度が6〜7g/ccのものを使用することで、本発
明の目的とする2.6〜3.6g/ccの高密度ゴムを
得ることができた。
【0041】また、亜鉛粉末には、フィラーとしての金
属亜鉛92〜97wt%と、加硫剤としての酸化亜鉛3
〜8wt%と、残部を1wt%以下として構成されたも
のを用いたため、金属亜鉛と酸化亜鉛とを同時にクロロ
プレンゴムと混合しても所望の物性を有するものが得ら
れた。
【0042】さらに、亜鉛は、例えば鋼板の耐食性を向
上させる目的などで現在さまざまな分野で使用されてお
り、現時点では環境を汚染する物質とはされていない。
従って、上記の実施例にて得られた高密度防振ゴムを土
中に埋めて廃棄処理しても、環境を汚染することがない
ものと考えられる。
【0043】一方、比較例1に示すように、クロロプレ
ンゴムに対する亜鉛粉末の配合割合が少な過ぎると、硬
度が低くなり、また高密度化されなくなった。なお、こ
のゴムを実機試験において防振特性を測定したところ、
所望の防振特性は得られなかった。
【0044】また、比較例2、3に示すように、クロロ
プレンゴムに対する亜鉛粉末の配合割合が多過ぎると、
硬度が高くなりすぎて柔軟性に劣るものとなる。すなわ
ち、引張強度や伸度といったゴム弾性に劣るものとな
り、実使用に耐えうるものが得られなくなる。
【0045】従って、本発明においては、クロロプレン
ゴム100重量部に対する亜鉛粉末の配合割合を、30
0〜600重量部とする必要がある。また、上記の実施
例1〜3は、図1に示す製造工程にてゴム組成物を製造
したが、これは本発明における亜鉛粉末は、フィラーの
役割だけでなく加硫剤としても作用する酸化亜鉛を含ん
だものを使用しているためである。
【0046】このような亜鉛粉末では、予めクロロプレ
ンゴム全体に加硫遅延剤が分散した状態で亜鉛粉末中に
含まれる酸化亜鉛がクロロプレンゴムと混合されるほう
が部分的に局在した加硫反応が起こりにくいため好まし
い。すなわち、クロロプレンゴムに亜鉛粉末を混合する
よりも先の工程で加硫遅延剤を添加することが好まし
い。
【0047】しかし、上記実施例1〜3に示すように、
亜鉛粉末に含まれる酸化亜鉛量が少ない場合には、工程
2において、亜鉛粉末と加硫遅延剤とを同時に混合して
も大きな問題にはならないことがわかった。
【0048】従って、本発明においては、加硫遅延剤を
クロロプレンゴムに混合した後に亜鉛粉末を混合して混
合物を作成する、あるいは加硫遅延剤と亜鉛粉末とを同
時にクロロプレンゴムに混合して混合物を作成して、前
記混合物をリボン状に加工し、所定の形状に型成形した
後、加硫する製造方法とすることで、亜鉛粉末がクロロ
プレンゴム中に均一に分散した高密度防振ゴムを得るこ
とができる。
【0049】次に、クロロプレンゴムに配合するフィラ
ーの種類による影響を調べるために、比較例4,5で
は、亜鉛粉末以外のものをフィラーとして用いゴム組成
物を作成した。
【0050】比較例4 本発明の亜鉛粉末の代わりに、従来より使用されている
酸化鉛を主成分とするリサージをフィラーとして用い、
各成分の配合割合を表3に示すようにした。
【0051】
【表3】
【0052】そして、図2に示す製造工程にて高密度防
振ゴムを作成した。まず、工程1で原料ゴムとしてのク
ロロプレンゴムを素練りした。そして工程2では、上記
のクロロプレンゴム、加硫剤、加硫促進剤以外の材料を
配合して混練りし、工程3でマスターバッチを作成し
た。
【0053】得られたマスターバッチに、工程4では加
硫剤と加硫促進剤とを配合し、混練りして、工程5でフ
ァイナルバッチである配合ゴムを得た。得られた配合ゴ
ムを、工程6では、リボン状に加工し、熟成した後で所
定の形状に成形し、195℃で3分間、加硫処理して試
験片を作成し、各種の物性を測定した。
【0054】得られた試験片の物性を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】比較例5 フィラーとして亜鉛粉末の代わりに鉄の粉末を用い、各
成分の配合割合を表3に示すようにした。そしてそれ以
外は比較例4と同様にして試験片を作成した。
【0057】得られた試験片の各種の物性を表4に示
す。
【0058】比較例4は、従来より使用されている高密
度防振ゴムの例を示し、各種の物性は本発明の高密度防
振ゴムとほぼ同様のものである。しかし、上記の実施例
1〜3とは異なり、フィラーとしての酸化鉛には加硫剤
としての働きがない。従って、各成分を均一に分散させ
るためには、図2に示すように、加硫剤と加硫促進剤以
外の材料を先に配合し、その後、得られたマスターバッ
チに加硫剤と加硫促進剤とを配合する必要があり、工程
が煩雑なものとなった。
【0059】また、鉛を含むため廃棄処理をする際に土
中に鉛が溶出して環境を汚染するという問題があった。
比較例5は、フィラーとして鉄の粉末を用いたため、上
記実施例1〜3で得られた本発明の高密度防振ゴムに比
べ、引張強度や伸度といったゴム特性に劣るものとなっ
た。
【0060】また、鉄の粉末はクロロプレンゴムとの密
着結合性が悪いためか、35℃、相対湿度90%の高温
多湿の雰囲気下では、容易にフィラーである鉄が酸化し
て鉄錆状態となった。
【0061】なお、参考のために、実施例1〜3で得ら
れた高密度防振ゴムを同様の高温多湿の雰囲気下に晒し
たところ、1ヶ月以上たっても経時変化することはなく
実使用に好適な高密度防振ゴムが得られた。
【0062】次に、亜鉛粉末の組成の影響を調べた。な
お、亜鉛粉末の平均粒径は、いずれも5μmのものを用
いた。
【0063】実施例4,5 亜鉛粉末の組成と、加硫遅延剤としてのスルフェンアミ
ドの配合割合とを表5に示すようにした。そしてそれ以
外は実施例3と同様にして試験片を作成した。
【0064】
【表5】
【0065】得られた試験片の物性を表6に示す。
【0066】
【表6】
【0067】比較例6 亜鉛粉末の組成と、加硫遅延剤の配合割合とを表5に示
すようにした。すなわち、亜鉛粉末の組成は、フィラー
としての金属亜鉛の配合割合を本発明の範囲よりも少な
くし、加硫剤としての酸化亜鉛の配合割合を本発明の範
囲よりも多くした。そしてそれ以外は実施例3と同様に
して試験片を作成した。
【0068】得られた試験片の物性を表6に示す。
【0069】表5より明らかなように、亜鉛粉末中に含
まれる酸化亜鉛の量が多くなるにしたがって、加硫遅延
剤の量を多くする必要があった。しかし、比較例6に示
すように、加硫遅延剤の量を多くしすぎると最終工程で
ある加硫処理に時間がかかり、195℃で3分間の加硫
処理では十分な加硫が行われなかった。その結果、表6
に示すように、加硫不足により引張強度や伸度といった
ゴム特性に劣るだけでなく、圧縮永久歪みも大きくなっ
た。なお、加硫処理に充分な時間をかければ物性を向上
させることは可能であるが、量産性が低下するため好ま
しくない。
【0070】また、亜鉛粉末中に含まれる酸化亜鉛の量
が多くなると、防振ゴムの密度が低下する傾向にある。
逆に、亜鉛粉末中の金属亜鉛の比率を多くすると、最終
でも加硫不足となるため、所望の物性を得るためには、
再度ファイナルバッチに酸化亜鉛(亜鉛華)を混合する
必要があり、最終的にクロロプレンゴムに添加する酸化
亜鉛量の比率は大差なくなった。
【0071】上記の事柄から、高密度防振ゴムの物性や
量産効率やコストや管理の容易さなどを考慮すると、亜
鉛粉末の組成を金属亜鉛が92〜97重量%、酸化亜鉛
が3〜8重量%、残部が1重量%以下となるように調整
しつつ、その製造方法においては、亜鉛粉末と加硫遅延
剤とを同時に混合するようにすることが好ましい。
【0072】また、上記実施例1〜5では、亜鉛粉末と
して平均粒径が5μmのものを用いたが、本発明の亜鉛
粉末の平均粒径は3〜10μmであることが好ましい。
亜鉛粉末の粒径が小さすぎると、保管時あるいはゴム混
練時に微粒成分や亜鉛粉末の表面層が大気中で酸化して
ゴムへの加硫剤として作用し、所定の形状に加工する以
前に流動性を失ってしまう。
【0073】また、これを阻害する目的で配合における
加硫遅延剤量を多く添加することもできるが、加硫遅延
剤を多く入れすぎると最終の加硫工程で充分加硫するの
に時間がかかりすぎ、量産性が低下することとなる。
【0074】また、亜鉛粉末が大きすぎると、インジェ
クション成形を行う際に流動性が悪くなり、やはり量産
性に劣るものとなる。したがって、亜鉛粉末の平均粒径
は3〜10μmのものを選択することが好ましく、さら
に好ましくは5〜8μmである。この場合でも平均粒径
が大きくなるにしたがって加工助剤の添加量を増やし、
生産性を最適化する必要がある。
【0075】本発明において得られる高密度防振ゴムの
密度は、2.6〜3.6g/ccである。本発明の高密
度防振ゴムは、比較例4で得られる従来の酸化鉛をフィ
ラーとして含有した高密度防振ゴムと同等の物性を有す
る必要がある。従って、従来の高密度防振ゴムの密度
3.4g/ccよりも密度が小さくなりすぎると、同等
の性能を得るためには防振ゴムの体積を大きくする必要
が生じ、実使用での不具合が生じることとなる。
【0076】また、密度が大きい分にはそれによる不具
合はないが、引っ張り強度や伸度といったゴム特性の充
分なものが得られず、また過剰に固いため実用での繰り
返し性に劣るものとなる。
【0077】本発明において得られる防振ゴムの硬度は
Hs60〜80°である。防振ゴムの硬度が80°以上
となると、固くなりすぎて実用での繰り返し性に劣るも
のとなり、硬度が60°以下となると、フィラーとして
亜鉛粉末を添加する方法では所望の性能を得ることがで
きなくなる。
【0078】高密度防振ゴムを製造する際に使用される
加硫遅延剤としては、一般に、スルフェンアミド系、無
水フタル酸、N−ニトロソジフェニルアミン、N−シク
ロヘキシルチオフタルイミドが挙げられるが、本発明に
おいては、亜鉛粉末に含まれる酸化亜鉛の量が変動した
場合にもそれほど大きく添加量を変更することなく対応
できることから、スルフェンアミド系の加硫遅延剤が好
適に使用できる。
【0079】このようなスルフェンアミド系の加硫遅延
剤を用いることにより、亜鉛粉末を保管する際の酸化亜
鉛量の増加、あるいはマスターバッチを保管する時の流
動性の低下といった量産性に伴う問題点の解決に有効で
ある。
【0080】本発明の高密度防振ゴムの防振効果を確認
するために、実施例3で作成した高密度防振ゴムを、セ
パレート型空気調和機の室外機における圧縮機吸入側の
アキュムレートを固定する高密度防振ゴムとして用い
た。そして、意図的に15〜150Hzまでの振動を加
えて防振効果を確認した。
【0081】その結果、従来の鉛系防振ゴムと同様の優
れた効果を、本発明の亜鉛系防振ゴムでも得ることがで
きた。
【0082】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、クロロプレンゴムにフィラーとして充填密度6〜
7g/ccの亜鉛粉末を混入させることによって、所望
の高密度を得ることができる。また、限られた組成範囲
の亜鉛粉末を使用することによって、クロロプレンゴム
の加硫と同時に高密度化も行うことができる。また、そ
の他の必要物性である損失係数、圧縮永久歪み、引張強
度、伸度も実用レベルとすることができ、さらに、環境
汚染を防止することもできる。
【0083】請求項2記載の発明によれば、亜鉛粉末に
おける金属亜鉛と酸化亜鉛との比率が管理でき易くな
る。また、成形流動性も向上し、量産性に優れたインジ
ェクションを適用することができる。
【0084】請求項3、4記載の発明によれば、高密度
防振ゴムの密度および硬度を限定することにより、振動
物に密着して固定する際に、優れた防振特性を得ること
ができる。また、耐久性に優れ繰り返し使用することが
できる防振ゴムを得ることができる。
【0085】請求項5記載の発明によれば、クロロプレ
ンゴムに加硫遅延剤を先行して混合する、あるいは同時
に混合することによって、亜鉛粉末が均一に分散した高
密度防振ゴムを得ることができる。
【0086】また、限られた組成範囲の亜鉛粉末を使用
することによって、亜鉛粉末に含まれる酸化亜鉛の量を
管理しやすくなり、所望の物性を有する高密度防振ゴム
が量産性よく製造することができる。
【0087】請求項6記載の発明によれば、亜鉛粉末の
平均粒径を規定することによって、過剰な金属亜鉛の酸
化を防止でき、量産性よく製造することができる。ま
た、請求項7記載の発明によれば、加硫遅延剤としてス
ルフェンアミド系を選択することによって、酸化亜鉛の
含有率が変動した場合にも効率的に製造工程の途上にお
ける熱履歴からの加硫を遅延することができる。
【0088】上記のように構成された高密度防振ゴム
は、特に電器や自動車やその他の産業機械に取り付けら
れた振動体に密着して前記振動体を固定し、その質量効
果および特性によって配管や熱交換器等の防振や防音を
行う目的で使用される高密度防振ゴムととして好適に使
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(実施の形態)における高密度防振ゴムの製造
工程を示す図
【図2】比較例4,5における高密度防振ゴムの製造工
程を示す図
【図3】実施例3における高密度防振ゴムの加硫曲線を
示す図
【符号の説明】
1 原料ゴム 2 配合材料、薬品 3 配合ゴム
フロントページの続き (72)発明者 北村 憲正 大阪府大阪市東成区東小橋3丁目9番13 号 岡安ゴム株式会社内 (72)発明者 安田 一男 大阪府大阪市東成区東小橋3丁目9番13 号 岡安ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−344230(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 11/00 C08K 3/08 C08K 3/18 - 3/22 F16F 1/36 F16F 15/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロロプレンゴム100重量部に対し
    フィラーとしての金属亜鉛92〜97wt%と、加硫剤と
    しての酸化亜鉛3〜8wt%と、残部1wt%以下とからな
    る、充填密度6〜7g/ccの亜鉛粉末300〜600重
    量部が少なくとも配合されてなる高密度防振ゴム。
  2. 【請求項2】 亜鉛粉末の平均粒径が3〜10μmであ
    る請求項1記載の高密度防振ゴム。
  3. 【請求項3】 アルキメデス法にて測定したゴム密度が
    2.6〜3.6g/ccである請求項1記載の高密度防振
    ゴム。
  4. 【請求項4】 JIS−K6301記載のスプリング硬
    度A形にて測定したゴム硬度がHs60〜80°である
    請求項1記載の高密度防振ゴム。
  5. 【請求項5】 少なくとも、クロロプレンゴムと、フィ
    ラーとしての金属亜鉛92〜97wt%と、加硫剤として
    の酸化亜鉛3〜8wt%と、残部1wt%以下とで構成され
    た亜鉛粉末と、加硫遅延剤とからなる原材料を混合して
    高密度防振ゴムを製造するに際し、 クロロプレンゴムに加硫遅延剤を混合した後に亜鉛粉末
    を混合して混合物を作成するか、あるいはクロロプレン
    ゴムに加硫遅延剤と亜鉛粉末とを同時に混合して混合物
    を作成し、作成した混合物をリボン状に加工し、所定の
    形状に型成形した後、加硫する高密度防振ゴムの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 亜鉛粉末の平均粒径が3〜10μmであ
    る請求項5記載の高密度防振ゴムの製造方法。
  7. 【請求項7】 スルフェンアミド系の加硫遅延剤を使用
    する請求項5記載の高密度防振ゴムの製造方法。
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