JP3380429B2 - オフセット処理加工方法 - Google Patents
オフセット処理加工方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、棒状加工具を移
動させて被加工物を切削加工することにより、所定の造
形物を得る方法に関するものであり、特に、オフセット
形状における干渉ループの処理に特徴を有するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】従来から、造形物を切削加工により作成
する場合、コンピューター制御によりドリル等の棒状加
工具を駆動させて切削加工を行う切削装置を用いて、造
形用材料を切削加工することが行われている。 【0003】このような場合、たとえば、図9に示すよ
うに、切削部の輪郭形状1が上面視瓢箪形でその内部側
を平面状に切削除去するようなときには、棒状加工具2
の太さを考慮して、棒状加工具2の半径分だけ輪郭形状
1の内部側に、棒状加工具2の中心を、オフセットした
工具経路3のプログラムが作成される。 【0004】そして、さらに、輪郭形状1の内部側を切
削除去するために工具経路4,・・nのプログラムが作
成され、これらの工具経路3,4,・・に沿って、棒状
加工具2を移動させることにより切削加工が行われる。 【0005】しかしながら、この場合、工具経路が図示
の下方になるに従って、棒状加工具2が輪郭形状1の対
向側の突出部(瓢箪形のくびれた部分)5に近づいて、
棒状加工具2が非切削領域を切削してしまうという問題
がある。このため、各工具経路3,4,・・nについて
それぞれ交差する点a ,b があるかどうかを判断し、
さらに交差する点がある場合には、棒状加工具2と非切
削領域が干渉するかどうかの判断を行う。 【0006】そして、棒状加工具2と非切削領域が干渉
する場合には、交差点a ,b 間で工具経路6を直線に
して、棒状加工具2による非切削領域の切り崩しを防止
することが行われている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、各工具経路3,4,・・nのすべてについて
交差する点a,bがあるかどうかを判断しなければなら
ず、さらに棒状加工具2と非切削領域が干渉するかどう
かの判断をしたのち、棒状加工具2と非切削領域が干渉
する最短距離や、棒状加工具2と非切削領域が干渉しな
い直線経路を算出する必要がある等、多くの複雑な演算
処理をしなければならないという問題がある。 【0008】また、輪郭形状が図9の輪郭形状1のよう
な単純なものでなく、互いに離れた複数の切削部を有す
るものや複雑なものになると、これに要する処理は、ま
すます複雑なものとなり大変な手間がかかるという問題
も有している。 【0009】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、複数の切削部における工具経路のうちあらか
じめ干渉が生じないと判断できる工具経路については、
干渉が生じるかどうかの詳細な判断をすることを省略す
ることにより、演算処理を大幅に簡略でき、かつ、非切
削領域を切削するようなことを確実に防止できるオフセ
ット処理加工方法の提供をその目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明にかかるオフセット処理加工方法では、ま
ず、輪郭形状のデータとオフセット形状のデータをそれ
ぞれ複数の辺からなるループの集合体のデータとして作
成する。すなわち、直線状の小さな辺を複数個繋ぎ合わ
せてループ(閉領域)を形成し、このループが複数個集
合して、輪郭形状またはオフセット形状が構成されるよ
うになっている。 【0011】ついで、座標上において、上記輪郭形状を
構成する各ループに外接する四角形とオフセット形状を
構成する各ループに外接する四角形をそれぞれ対比し、
その対比した両四角形が互いに交差するか、またはその
四角形間の距離が棒状加工具の半径以内であるかどうか
を判断する。 【0012】これは、上記両四角形が互いに交差する場
合には、当然にその輪郭形状のループとオフセット形状
のループは干渉を生じる可能性があるためである。ま
た、上記両四角形が互いに交差しなくとも、その間の最
短距離が棒状加工具の半径以内であれば、輪郭形状のル
ープにはオフセットが考慮されてないため、実際の加工
時には、干渉が生じる可能性がある。このため、干渉が
生じる可能性がなくなるためには、上記両四角形の間に
棒状加工具の半径以上の距離があることが必要となる。 【0013】つぎに、上記四角形のうち互いに交差しな
いものや、その内部のループに干渉が生じる可能性のな
いものは除き、対応する各ループについて干渉が生じる
可能性のあるものだけについて、その輪郭形状のループ
を構成する各辺とオフセット形状のループを構成する各
辺のうち交差するものがあるか、または、そのオフセッ
ト形状のループの各辺の始点と輪郭形状のループの各辺
とのうち互いの最短距離が上記棒状加工具の半径よりも
短いものがあるかどうかを判断する。 【0014】そして、輪郭形状のループを構成する各辺
とオフセット形状のループを構成する各辺のうち互いに
交差するものがあれば、そのループ同士は干渉するた
め、その辺を含むオフセット形状のループのデータを除
去してその部分については切削加工が行われないように
する。 【0015】また、輪郭形状のループを構成する各辺と
オフセット形状のループを構成する各辺が互いに交差し
ないものでも、そのうちの一方のループの辺の始点と、
他方のループの辺との最短距離が棒状加工具の半径より
も短い場合には、干渉が生じる。 【0016】したがって、この場合にも、その辺を含む
オフセット形状のループのデータを除去して切削加工を
行う。このように、干渉が生じるオフセット形状のルー
プのデータはすべて除去し、干渉が生じる可能性のない
オフセット形状のループのみに対して切削加工を行うこ
とにより、非切削領域への切り崩しの生じない切削加工
ができるようになる。 【0017】また、この場合、最初から各ループの各辺
についての交点を求めて演算処理等より判断するといっ
た複雑な処理をすることなく、大雑把な外接四角形の交
差により、干渉が生じる可能性のあるものだけについ
て、詳細な判断を行っていくため、処理が大幅に簡単に
なる。つぎに、この発明によるオフセット処理加工方法
を図面を用いて詳しく説明する。 【0018】 【発明の実施の形態】図1は、この発明にかかるオフセ
ット処理加工方法を行うための切削装置の一例を示して
いる。すなわち、図1において、11は入力装置であ
り、切削部の形状データや工具速度等、切削に必要な情
報などのデータが入力され、そのデータを、連結された
CPU12を介してメモリ13に送り記憶させる。 【0019】上記CPU12は、各種のデータや情報に
基づいて演算処理をしながら、メモリ13が記憶するプ
ログラムに沿って作動し、連結された切削加工部14の
棒状加工具15を駆動させ、被加工物16を切削加工す
るようになっている。 【0020】また、上記メモリ13には、各種のデータ
を記憶する記憶部が備わっているが、このメモリ13で
は、特に、切削部の輪郭形状のデータを記憶する輪郭形
状データ記憶部17および輪郭形状データに基づいてC
PU12がオフセット処理することにより算出されるオ
フセット形状データを記憶するオフセット形状データ記
憶部18が設けられている。 【0021】このような切削装置を用いて、この発明に
かかるオフセット処理加工方法は、図2に示したフロー
チャートに沿って行われる。ここでは、図3に示したよ
うな文字「は」の形状データを用いて、文字「は」の外
部側を平面状に切削除去することにより、文字「は」を
浮き立たせる切削加工について説明する。 【0022】この場合、まず最初に、文字「は」の輪郭
形状データをメモリ13の輪郭形状データ記憶部17に
記憶させておく。ここで、上記輪郭形状のデータは、閉
じられたループj1,j2,j3の3個のループで構成
され、それぞれのループj1,j2,j3は、図4に示
すように短い直線状の辺l複数個を繋ぎ合わせて構成さ
れている。上記文字「は」の場合、100個から200
個程度の辺lで構成される。 【0023】ついで、上記輪郭形状データをもとに、C
PU12でオフセット処理を行うことにより、文字
「は」の輪郭よりも、棒状加工具15の半径分外側に工
具経路を移動させたオフセット形状データを作成し、こ
れをオフセット形状データ記憶部18に記憶させる。 【0024】この場合、オフセット形状のデータも輪郭
形状データと同様、閉じられたループの集合体として求
められ、図示のように、ループi1,i2,i3,i
4,i5,i6,i7,i8,i9,i10,i11と
なる。これらのループもループj1,j2,j3と同
様、短い辺を繋ぎ合わせて構成されている。このうち、
ループi4,i5,i6,i7,i8,i9,i10,
i11は、後述するように、輪郭形状との間で干渉を生
じる部分で、そのままこのデータに基づいて切削加工を
行うと非切削領域の切り崩しをしてしまう部分である。 【0025】この状態で、図2に示したフローチャート
をスタートする。まず、図示のステップ1で、オフセッ
ト形状を構成するループのうちの最初の一個のループの
ループ番号iを1とする。ついで、ステップ2で、オフ
セット形状のループ数nLがループ番号の1より小さい
かどうかを判断する。オフセット形状のループ数は11
で、1よりも大であるため、ここではNOとなり、ステ
ップ3に進む。 【0026】ステップ3では輪郭形状を構成するループ
のうちの最初のループのループ番号jを1とし、ステッ
プ4で、輪郭形状のループ数nBがループ番号の1より
も小さいかどうかを判断する。輪郭形状のループ数は3
で、1よりも大であるため、ここでもNOとなり、ステ
ップ5に進む。 【0027】ここで、以後、オフセット形状のループ番
号が1の場合は、ループi1を差し、2の場合には、ル
ープi2、・・・、また、輪郭形状のループ番号が1の
場合は、ループj1を差し、2の場合には、ループj
2、・・・を差すものとする。 【0028】ステップ5では、輪郭形状のループj1と
オフセット形状のループi1が交差する可能性があるか
どうかを判断する。これは、図5に示すように、XY座
標上において、ループj1に外接する四角形19と、ル
ープi1に外接する四角形20を求め、この2個の四角
形19,20の位置関係によって、ループj1とループ
i1が交差する可能性があるかどうかを判断する。 【0029】この場合、ループj1に外接する四角形1
9は、ループi1に外接する四角形20内に完全に入っ
てしまうため、ループj1とループi1は交差する可能
性があり、YESとなって、ステップ6に進む。ステッ
プ6では、オフセット形状のループi1を構成する辺の
うちの最初の一個の辺の番号kを1とし、ステップ7に
進む。 【0030】ついで、ステップ7では、ループi1を構
成する辺kの個数mLが辺kの番号の1よりも小さいか
どうかを判断する。ループi1を構成する辺kの数mL
が、たとえば、50であるとすると、NOとなりステッ
プ8に進む。ステップ8では、輪郭形状のループj1を
構成する辺のうちの最初の一個の辺の番号lを1とし、
ステップ9に進む。 【0031】ステップ9では、ループj1を構成する辺
lの個数mBが1よりも小さいかどうかを判断する。こ
の場合も、ループi1と同様、50個の辺lで構成され
ているとすると、mBは50となり1よりも大きいた
め、ステップ10に進む。 【0032】つぎに、ステップ10では、オフセット形
状のループi1の辺k(=1)と輪郭形状のループj1
の辺l(=1)が交差するかどうかを判断する。これ
は、辺kと辺lが交差すれば、ループi1とループj1
に干渉が生じるためであり、その判断は、それぞれ辺k
と辺lを直線の方程式として表し、その2個の方程式が
交差する条件に、辺kと辺lが当てはまるかどうかで判
断する。 【0033】すなわち、辺kと辺lをそれぞれ次のよう
な 【数1】 で表すとすると、その辺kと辺lが交差するための条件
は、 【数2】 を満足すればよいことになる。この場合、辺kと辺lが
交差することはないため、NOとなり、ステップ11に
進む。 【0034】そして、ステップ11で、辺kの始点と辺
lの最短距離が棒状加工具15の半径の長さよりも短い
かどうかを判断する。これは、辺kと辺lが交差しなく
ともその最短距離が棒状加工具15の半径の長さよりも
短い場合には、ループi1とループj1に干渉が生じる
ため、辺kと辺lが交差はしないがループi1とループ
j1に干渉が生じる場合を判断するために行う。 【0035】なお、辺kの終点は、この辺kに繋がる次
の辺kの始点となるため、各辺kの始点とは、すべての
辺kの端点となる。したがって、辺kの始点と辺lの距
離を求めれば十分に辺kと辺lの最短距離を求めること
ができる。 【0036】この判断は、図6に示すように、辺lの端
点の座標をP0 (x0 ,y0 ),P1 (x1 ,y1 )と
し、辺kの始点の座標をP2 (x2 ,y2 )とするとと
もに、P2 から辺lに延ばした垂線と辺lとの交点の座
標をP(x,y)とした場合、P2 −P0 間の距離,P
2 −P1 間の距離,P2 −P間の距離のうちの最小値
が、棒状加工具15の半径の長さよりも短いかどうかで
行う。 【0037】これは次のような方法で行う。辺lのパラ
メトリック線分の式は、 【数3】 であり、Pを表すパラメータtの値は、 【数4】 で求まる。なお、tを式(3)に代入すればPの座標が
求まる。ここで、tの値に応じて、t≦0なら、P2 −
P0 間の距離を求め、t≧1なら、P2 −P1 間の距離
を求める。また、0<t<1なら、P2 −P間の距離を
求める。これによって、辺kの始点と辺lの最短距離が
算出できる。 【0038】上記オフセット形状のループi1は輪郭形
状のループj1から棒状加工具15の半径分外側に移動
した位置に位置するものであるから、辺kの始点と辺l
の最短距離が棒状加工具15の半径の長さ未満になるこ
とはない。したがって、この場合、NOとなり、ステッ
プ12に進み、辺lは2になる。 【0039】ついで、ステップ9に戻り、辺l(=2)
がmB(=50)より大きいかどうかを判断し、ステッ
プ10,11,12と進んで行く。これを輪郭形状のル
ープj1を構成する50個の辺lすべてについて行うた
め、lが50になるまで50回同様の操作を繰り返し、
51回目で、l>mBとなって、ステップ9からステッ
プ13に進む。この段階で、オフセット形状のループi
1の最初の辺kは、輪郭形状のループj1を構成するす
べての辺lと干渉しないことがわかる。 【0040】つぎに、ステップ13で辺kは2になり、
ステップステップ7に進む。ここで、辺kはmL(=5
0)より小さいため、ステップ8に進み、辺lは再び1
になる。そして、上記と同様に、ステップ9,ステップ
10,ステップ11,ステップ12、そして、また、ス
テップ9に戻るといったことを50回繰り返し、51回
目に、ステップ13に進んで辺kは3になる。 【0041】辺kについても、上記の操作を50回繰り
返し、51回目にステップ7で、YESとなり、ステッ
プ14に進む。これで、オフセット形状のループi1と
輪郭形状のループj1とはすべての辺において互いに干
渉しないことがわかる。 【0042】そして、ステップ14において、輪郭形状
のループ番号jは2となり、ステップ4において、この
ループ番号の2が、輪郭形状のループ数3よりも大きい
かどうかが判断される。ループ番号は、ループ数よりも
小さいためNOとなって、ステップ5に進み、輪郭形状
のループj2とオフセット形状のループi1が交差する
可能性があるかどうかを判断する。 【0043】この場合、図7に示すように、ループi1
に外接する四角形20とループj2に外接する四角形2
1とは、完全に離れた状態であるからNOとなり、ステ
ップ14に進む。この場合、単に、四角形20と21が
離れているだけでなく、その間隔が、棒状加工具15の
半径以上に離れていることが必要である。 【0044】ステップ14において、輪郭形状のループ
番号jは3となるが、ループj3に外接する四角形22
はループi1に外接する四角形20と交差する可能性
も、棒状加工具15の半径以内の距離に接近する可能性
もないため、再度、ステップ4,ステップ5,ステップ
14と進み、ループ番号jが4になると、ステップ4
で、ループ番号jがループ数nBよりも大きくなってY
ESとなり、ステップ15に進む。 【0045】ステップ15では、オフセット形状のルー
プiが2になり、ステップ2に進む。すなわち、この段
階で、オフセット形状のループi1は、輪郭形状のどの
ループとも干渉が生じる可能性がないことがわかるた
め、それ以上の判断は行わず、ループi2の処理に移
る。 【0046】そして、図2のフローチャートに沿って、
上記と同様の操作を、ループi2について行い、さら
に、ループi3についても行う。その結果、ループi
2,ループi3ともに、ループj1との関係において
は、ステップ5の段階で互いに干渉する可能性がないこ
とがわかり、ループj2,j3との関係においては、ス
テップ5の段階では干渉する可能性があるが、ステップ
10,11では干渉が生じないことがわかる。したがっ
て、ループi2,ループi3はともに、輪郭形状のどの
ループとも干渉することがない。 【0047】つぎに、再度、ステップ15に進み、オフ
セット形状のループ番号iが4のループi4についての
処理を行い、さらに、ループ番号が5から11までの各
ループについても同様の処理を行う。 【0048】その結果、図3からもわかるように、ルー
プi5,i6,i8,i11については、ループj2と
交差し、ループi4,i7,i9については、輪郭形状
のどのループとも交差はしないが、ループj2との関係
において、棒状加工具15の半径の長さ以内の距離に接
近するため干渉が生じる。また、ループi10は、ルー
プj3との関係において、棒状加工具15の半径の長さ
以内の距離に接近し干渉が生じる。 【0049】したがって、ループi5,i6,i8,i
11の処理の際には、ループj2との関係において、ス
テップ10でYESとなり、ステップ16に進んでこれ
らのループi5,i6,i8,i11のデータは除去さ
れる。 【0050】また、ループi4,i7,i9はループj
2との関係において、ループi10はループj3との関
係において、それぞれ、ステップ11でYESとなり、
ステップ16に進んでこれらのデータは除去される。そ
して、オフセット形状のループ番号iがステップ15で
12になり、ステップ2において、YESとなったとき
にすべての処理が終了する。 【0051】なお、上記の処理の結果を、別紙の表1に
記している。 【表1】この表1は、オフセット形状のループi1,i2,i
3,i4,i5,i6,i7,i8,i9,i10,i
11をそれぞれ輪郭形状のループj1,j2,j3と対
比した場合、ステップ5,ステップ10,ステップ11
でどのような結果がでるかをまとめたものである。この
表1では、図2のフローチャートにおいて、干渉が生じ
る可能性がある、または、干渉が生じるYESの場合に
は、○と記し、干渉が生じる可能性がないか干渉が生じ
ないNOの場合には、×と記している。 【0052】そして、ステップ5において、干渉が生じ
る可能性がなく×となった場合には、それ以上の処理を
行わないためステップ10,ステップ11の部分は空欄
にしている。また、ステップ5,ステップ10で○とな
った場合には、干渉が生じると判断し、ステップ11の
処理は行わないためステップ11の部分は空欄になって
いる。 【0053】これらの処理の結果、表1のステップ10
またはステップ11のいずれかにおいて○が記載されて
いるオフセット形状のループi4,i5,i6,i7,
i8,i9,i10,i11の8個のループのデータが
すべて除去され、切削加工時には、干渉が生じないルー
プi1,i2,i3についてのみ切削加工が行われる。 【0054】その結果、図8に示すように、オフセット
形状におけるループi4,i5,i6,i7,i8,i
9,i10,i11に対応する部分は切削されることな
く、被加工物16に切削される輪郭形状は、干渉のため
データが除去された部分が棒状加工具15の周面に沿っ
た曲面に加工される。 【0055】なお、上記の説明においては、文字「は」
の輪郭部分の切削のみについて説明しているが、その他
の切削部分については干渉が生じる可能性がないため説
明を省略している。 【0056】このように、この発明にかかる方法を用い
て文字「は」を切削加工する場合には、まず、オフセッ
ト形状を構成する11個のループと、輪郭形状を構成す
る3個のループを、それぞれそのループに外接する四角
形を対比して、干渉が生じる可能性があるかどうかの判
断を行う。 【0057】このような簡単な操作で、オフセット形状
を構成するループと輪郭形状を構成するループの33通
りの組み合わせのうち19通りのものを、干渉の可能性
がないと判断して、それ以後の処理から省略することが
できる。 【0058】つぎに、干渉の可能性が残っている残りの
14通りのものについて、オフセットのループと輪郭形
状のループをそれぞれ構成する辺同士が交差するかどう
かの判断を行う。そして、辺同士が交差する4通りのも
のを除いた、残り10通りのものについてのみ、棒状加
工具15の太さを考慮した判断を行う。 【0059】このように、簡単な操作から順次複雑な操
作へと進み、その間に干渉の生じる可能性のないもの
や、干渉が生じることがはっきりしているものについて
は、それ以後の処理をしないため、操作が効率的に行え
るようになる。また、干渉を生じるオフセットのループ
についてはデータを削除した状態で、切削加工を行うた
め、非切削領域を切り崩してしまうといったことは生じ
ない。 【0060】なお、前記において、辺kと辺lの最短距
離を求める方法として、辺kの始点と辺lの間の距離を
求めるようにしているが、これを逆にして、辺lの始点
と辺kの間の距離から求めるようにしてもよい。 【0061】 【発明の効果】以上のように、この発明によるオフセッ
ト処理加工方法では、まず、輪郭形状を構成する各ルー
プに外接する四角形とオフセット形状を構成する各ルー
プに外接する四角形をそれぞれ対比し、その対比によっ
て両ループが干渉する可能性があるかどうかを判断し、
干渉する可能性のないものについては、それ以後の処理
を省略するようにしている。これによって、演算等の処
理が大幅に簡単になる。 【0062】そして、干渉が生じる可能性のあるものだ
けについてだけ、次の処理を行うことにより、オフセッ
ト形状を構成する各ループについて干渉が生じるかどう
かの判断をし、干渉が生じるループのデータは削除して
切削加工を行う。このように、干渉が生じるオフセット
形状のループはすべて除去し、干渉が生じる可能性のな
いオフセット形状のループのみに対して切削加工を行う
ことにより、非切削領域への切り崩しを確実に防止でき
るようになる。
動させて被加工物を切削加工することにより、所定の造
形物を得る方法に関するものであり、特に、オフセット
形状における干渉ループの処理に特徴を有するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】従来から、造形物を切削加工により作成
する場合、コンピューター制御によりドリル等の棒状加
工具を駆動させて切削加工を行う切削装置を用いて、造
形用材料を切削加工することが行われている。 【0003】このような場合、たとえば、図9に示すよ
うに、切削部の輪郭形状1が上面視瓢箪形でその内部側
を平面状に切削除去するようなときには、棒状加工具2
の太さを考慮して、棒状加工具2の半径分だけ輪郭形状
1の内部側に、棒状加工具2の中心を、オフセットした
工具経路3のプログラムが作成される。 【0004】そして、さらに、輪郭形状1の内部側を切
削除去するために工具経路4,・・nのプログラムが作
成され、これらの工具経路3,4,・・に沿って、棒状
加工具2を移動させることにより切削加工が行われる。 【0005】しかしながら、この場合、工具経路が図示
の下方になるに従って、棒状加工具2が輪郭形状1の対
向側の突出部(瓢箪形のくびれた部分)5に近づいて、
棒状加工具2が非切削領域を切削してしまうという問題
がある。このため、各工具経路3,4,・・nについて
それぞれ交差する点a ,b があるかどうかを判断し、
さらに交差する点がある場合には、棒状加工具2と非切
削領域が干渉するかどうかの判断を行う。 【0006】そして、棒状加工具2と非切削領域が干渉
する場合には、交差点a ,b 間で工具経路6を直線に
して、棒状加工具2による非切削領域の切り崩しを防止
することが行われている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、各工具経路3,4,・・nのすべてについて
交差する点a,bがあるかどうかを判断しなければなら
ず、さらに棒状加工具2と非切削領域が干渉するかどう
かの判断をしたのち、棒状加工具2と非切削領域が干渉
する最短距離や、棒状加工具2と非切削領域が干渉しな
い直線経路を算出する必要がある等、多くの複雑な演算
処理をしなければならないという問題がある。 【0008】また、輪郭形状が図9の輪郭形状1のよう
な単純なものでなく、互いに離れた複数の切削部を有す
るものや複雑なものになると、これに要する処理は、ま
すます複雑なものとなり大変な手間がかかるという問題
も有している。 【0009】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、複数の切削部における工具経路のうちあらか
じめ干渉が生じないと判断できる工具経路については、
干渉が生じるかどうかの詳細な判断をすることを省略す
ることにより、演算処理を大幅に簡略でき、かつ、非切
削領域を切削するようなことを確実に防止できるオフセ
ット処理加工方法の提供をその目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明にかかるオフセット処理加工方法では、ま
ず、輪郭形状のデータとオフセット形状のデータをそれ
ぞれ複数の辺からなるループの集合体のデータとして作
成する。すなわち、直線状の小さな辺を複数個繋ぎ合わ
せてループ(閉領域)を形成し、このループが複数個集
合して、輪郭形状またはオフセット形状が構成されるよ
うになっている。 【0011】ついで、座標上において、上記輪郭形状を
構成する各ループに外接する四角形とオフセット形状を
構成する各ループに外接する四角形をそれぞれ対比し、
その対比した両四角形が互いに交差するか、またはその
四角形間の距離が棒状加工具の半径以内であるかどうか
を判断する。 【0012】これは、上記両四角形が互いに交差する場
合には、当然にその輪郭形状のループとオフセット形状
のループは干渉を生じる可能性があるためである。ま
た、上記両四角形が互いに交差しなくとも、その間の最
短距離が棒状加工具の半径以内であれば、輪郭形状のル
ープにはオフセットが考慮されてないため、実際の加工
時には、干渉が生じる可能性がある。このため、干渉が
生じる可能性がなくなるためには、上記両四角形の間に
棒状加工具の半径以上の距離があることが必要となる。 【0013】つぎに、上記四角形のうち互いに交差しな
いものや、その内部のループに干渉が生じる可能性のな
いものは除き、対応する各ループについて干渉が生じる
可能性のあるものだけについて、その輪郭形状のループ
を構成する各辺とオフセット形状のループを構成する各
辺のうち交差するものがあるか、または、そのオフセッ
ト形状のループの各辺の始点と輪郭形状のループの各辺
とのうち互いの最短距離が上記棒状加工具の半径よりも
短いものがあるかどうかを判断する。 【0014】そして、輪郭形状のループを構成する各辺
とオフセット形状のループを構成する各辺のうち互いに
交差するものがあれば、そのループ同士は干渉するた
め、その辺を含むオフセット形状のループのデータを除
去してその部分については切削加工が行われないように
する。 【0015】また、輪郭形状のループを構成する各辺と
オフセット形状のループを構成する各辺が互いに交差し
ないものでも、そのうちの一方のループの辺の始点と、
他方のループの辺との最短距離が棒状加工具の半径より
も短い場合には、干渉が生じる。 【0016】したがって、この場合にも、その辺を含む
オフセット形状のループのデータを除去して切削加工を
行う。このように、干渉が生じるオフセット形状のルー
プのデータはすべて除去し、干渉が生じる可能性のない
オフセット形状のループのみに対して切削加工を行うこ
とにより、非切削領域への切り崩しの生じない切削加工
ができるようになる。 【0017】また、この場合、最初から各ループの各辺
についての交点を求めて演算処理等より判断するといっ
た複雑な処理をすることなく、大雑把な外接四角形の交
差により、干渉が生じる可能性のあるものだけについ
て、詳細な判断を行っていくため、処理が大幅に簡単に
なる。つぎに、この発明によるオフセット処理加工方法
を図面を用いて詳しく説明する。 【0018】 【発明の実施の形態】図1は、この発明にかかるオフセ
ット処理加工方法を行うための切削装置の一例を示して
いる。すなわち、図1において、11は入力装置であ
り、切削部の形状データや工具速度等、切削に必要な情
報などのデータが入力され、そのデータを、連結された
CPU12を介してメモリ13に送り記憶させる。 【0019】上記CPU12は、各種のデータや情報に
基づいて演算処理をしながら、メモリ13が記憶するプ
ログラムに沿って作動し、連結された切削加工部14の
棒状加工具15を駆動させ、被加工物16を切削加工す
るようになっている。 【0020】また、上記メモリ13には、各種のデータ
を記憶する記憶部が備わっているが、このメモリ13で
は、特に、切削部の輪郭形状のデータを記憶する輪郭形
状データ記憶部17および輪郭形状データに基づいてC
PU12がオフセット処理することにより算出されるオ
フセット形状データを記憶するオフセット形状データ記
憶部18が設けられている。 【0021】このような切削装置を用いて、この発明に
かかるオフセット処理加工方法は、図2に示したフロー
チャートに沿って行われる。ここでは、図3に示したよ
うな文字「は」の形状データを用いて、文字「は」の外
部側を平面状に切削除去することにより、文字「は」を
浮き立たせる切削加工について説明する。 【0022】この場合、まず最初に、文字「は」の輪郭
形状データをメモリ13の輪郭形状データ記憶部17に
記憶させておく。ここで、上記輪郭形状のデータは、閉
じられたループj1,j2,j3の3個のループで構成
され、それぞれのループj1,j2,j3は、図4に示
すように短い直線状の辺l複数個を繋ぎ合わせて構成さ
れている。上記文字「は」の場合、100個から200
個程度の辺lで構成される。 【0023】ついで、上記輪郭形状データをもとに、C
PU12でオフセット処理を行うことにより、文字
「は」の輪郭よりも、棒状加工具15の半径分外側に工
具経路を移動させたオフセット形状データを作成し、こ
れをオフセット形状データ記憶部18に記憶させる。 【0024】この場合、オフセット形状のデータも輪郭
形状データと同様、閉じられたループの集合体として求
められ、図示のように、ループi1,i2,i3,i
4,i5,i6,i7,i8,i9,i10,i11と
なる。これらのループもループj1,j2,j3と同
様、短い辺を繋ぎ合わせて構成されている。このうち、
ループi4,i5,i6,i7,i8,i9,i10,
i11は、後述するように、輪郭形状との間で干渉を生
じる部分で、そのままこのデータに基づいて切削加工を
行うと非切削領域の切り崩しをしてしまう部分である。 【0025】この状態で、図2に示したフローチャート
をスタートする。まず、図示のステップ1で、オフセッ
ト形状を構成するループのうちの最初の一個のループの
ループ番号iを1とする。ついで、ステップ2で、オフ
セット形状のループ数nLがループ番号の1より小さい
かどうかを判断する。オフセット形状のループ数は11
で、1よりも大であるため、ここではNOとなり、ステ
ップ3に進む。 【0026】ステップ3では輪郭形状を構成するループ
のうちの最初のループのループ番号jを1とし、ステッ
プ4で、輪郭形状のループ数nBがループ番号の1より
も小さいかどうかを判断する。輪郭形状のループ数は3
で、1よりも大であるため、ここでもNOとなり、ステ
ップ5に進む。 【0027】ここで、以後、オフセット形状のループ番
号が1の場合は、ループi1を差し、2の場合には、ル
ープi2、・・・、また、輪郭形状のループ番号が1の
場合は、ループj1を差し、2の場合には、ループj
2、・・・を差すものとする。 【0028】ステップ5では、輪郭形状のループj1と
オフセット形状のループi1が交差する可能性があるか
どうかを判断する。これは、図5に示すように、XY座
標上において、ループj1に外接する四角形19と、ル
ープi1に外接する四角形20を求め、この2個の四角
形19,20の位置関係によって、ループj1とループ
i1が交差する可能性があるかどうかを判断する。 【0029】この場合、ループj1に外接する四角形1
9は、ループi1に外接する四角形20内に完全に入っ
てしまうため、ループj1とループi1は交差する可能
性があり、YESとなって、ステップ6に進む。ステッ
プ6では、オフセット形状のループi1を構成する辺の
うちの最初の一個の辺の番号kを1とし、ステップ7に
進む。 【0030】ついで、ステップ7では、ループi1を構
成する辺kの個数mLが辺kの番号の1よりも小さいか
どうかを判断する。ループi1を構成する辺kの数mL
が、たとえば、50であるとすると、NOとなりステッ
プ8に進む。ステップ8では、輪郭形状のループj1を
構成する辺のうちの最初の一個の辺の番号lを1とし、
ステップ9に進む。 【0031】ステップ9では、ループj1を構成する辺
lの個数mBが1よりも小さいかどうかを判断する。こ
の場合も、ループi1と同様、50個の辺lで構成され
ているとすると、mBは50となり1よりも大きいた
め、ステップ10に進む。 【0032】つぎに、ステップ10では、オフセット形
状のループi1の辺k(=1)と輪郭形状のループj1
の辺l(=1)が交差するかどうかを判断する。これ
は、辺kと辺lが交差すれば、ループi1とループj1
に干渉が生じるためであり、その判断は、それぞれ辺k
と辺lを直線の方程式として表し、その2個の方程式が
交差する条件に、辺kと辺lが当てはまるかどうかで判
断する。 【0033】すなわち、辺kと辺lをそれぞれ次のよう
な 【数1】 で表すとすると、その辺kと辺lが交差するための条件
は、 【数2】 を満足すればよいことになる。この場合、辺kと辺lが
交差することはないため、NOとなり、ステップ11に
進む。 【0034】そして、ステップ11で、辺kの始点と辺
lの最短距離が棒状加工具15の半径の長さよりも短い
かどうかを判断する。これは、辺kと辺lが交差しなく
ともその最短距離が棒状加工具15の半径の長さよりも
短い場合には、ループi1とループj1に干渉が生じる
ため、辺kと辺lが交差はしないがループi1とループ
j1に干渉が生じる場合を判断するために行う。 【0035】なお、辺kの終点は、この辺kに繋がる次
の辺kの始点となるため、各辺kの始点とは、すべての
辺kの端点となる。したがって、辺kの始点と辺lの距
離を求めれば十分に辺kと辺lの最短距離を求めること
ができる。 【0036】この判断は、図6に示すように、辺lの端
点の座標をP0 (x0 ,y0 ),P1 (x1 ,y1 )と
し、辺kの始点の座標をP2 (x2 ,y2 )とするとと
もに、P2 から辺lに延ばした垂線と辺lとの交点の座
標をP(x,y)とした場合、P2 −P0 間の距離,P
2 −P1 間の距離,P2 −P間の距離のうちの最小値
が、棒状加工具15の半径の長さよりも短いかどうかで
行う。 【0037】これは次のような方法で行う。辺lのパラ
メトリック線分の式は、 【数3】 であり、Pを表すパラメータtの値は、 【数4】 で求まる。なお、tを式(3)に代入すればPの座標が
求まる。ここで、tの値に応じて、t≦0なら、P2 −
P0 間の距離を求め、t≧1なら、P2 −P1 間の距離
を求める。また、0<t<1なら、P2 −P間の距離を
求める。これによって、辺kの始点と辺lの最短距離が
算出できる。 【0038】上記オフセット形状のループi1は輪郭形
状のループj1から棒状加工具15の半径分外側に移動
した位置に位置するものであるから、辺kの始点と辺l
の最短距離が棒状加工具15の半径の長さ未満になるこ
とはない。したがって、この場合、NOとなり、ステッ
プ12に進み、辺lは2になる。 【0039】ついで、ステップ9に戻り、辺l(=2)
がmB(=50)より大きいかどうかを判断し、ステッ
プ10,11,12と進んで行く。これを輪郭形状のル
ープj1を構成する50個の辺lすべてについて行うた
め、lが50になるまで50回同様の操作を繰り返し、
51回目で、l>mBとなって、ステップ9からステッ
プ13に進む。この段階で、オフセット形状のループi
1の最初の辺kは、輪郭形状のループj1を構成するす
べての辺lと干渉しないことがわかる。 【0040】つぎに、ステップ13で辺kは2になり、
ステップステップ7に進む。ここで、辺kはmL(=5
0)より小さいため、ステップ8に進み、辺lは再び1
になる。そして、上記と同様に、ステップ9,ステップ
10,ステップ11,ステップ12、そして、また、ス
テップ9に戻るといったことを50回繰り返し、51回
目に、ステップ13に進んで辺kは3になる。 【0041】辺kについても、上記の操作を50回繰り
返し、51回目にステップ7で、YESとなり、ステッ
プ14に進む。これで、オフセット形状のループi1と
輪郭形状のループj1とはすべての辺において互いに干
渉しないことがわかる。 【0042】そして、ステップ14において、輪郭形状
のループ番号jは2となり、ステップ4において、この
ループ番号の2が、輪郭形状のループ数3よりも大きい
かどうかが判断される。ループ番号は、ループ数よりも
小さいためNOとなって、ステップ5に進み、輪郭形状
のループj2とオフセット形状のループi1が交差する
可能性があるかどうかを判断する。 【0043】この場合、図7に示すように、ループi1
に外接する四角形20とループj2に外接する四角形2
1とは、完全に離れた状態であるからNOとなり、ステ
ップ14に進む。この場合、単に、四角形20と21が
離れているだけでなく、その間隔が、棒状加工具15の
半径以上に離れていることが必要である。 【0044】ステップ14において、輪郭形状のループ
番号jは3となるが、ループj3に外接する四角形22
はループi1に外接する四角形20と交差する可能性
も、棒状加工具15の半径以内の距離に接近する可能性
もないため、再度、ステップ4,ステップ5,ステップ
14と進み、ループ番号jが4になると、ステップ4
で、ループ番号jがループ数nBよりも大きくなってY
ESとなり、ステップ15に進む。 【0045】ステップ15では、オフセット形状のルー
プiが2になり、ステップ2に進む。すなわち、この段
階で、オフセット形状のループi1は、輪郭形状のどの
ループとも干渉が生じる可能性がないことがわかるた
め、それ以上の判断は行わず、ループi2の処理に移
る。 【0046】そして、図2のフローチャートに沿って、
上記と同様の操作を、ループi2について行い、さら
に、ループi3についても行う。その結果、ループi
2,ループi3ともに、ループj1との関係において
は、ステップ5の段階で互いに干渉する可能性がないこ
とがわかり、ループj2,j3との関係においては、ス
テップ5の段階では干渉する可能性があるが、ステップ
10,11では干渉が生じないことがわかる。したがっ
て、ループi2,ループi3はともに、輪郭形状のどの
ループとも干渉することがない。 【0047】つぎに、再度、ステップ15に進み、オフ
セット形状のループ番号iが4のループi4についての
処理を行い、さらに、ループ番号が5から11までの各
ループについても同様の処理を行う。 【0048】その結果、図3からもわかるように、ルー
プi5,i6,i8,i11については、ループj2と
交差し、ループi4,i7,i9については、輪郭形状
のどのループとも交差はしないが、ループj2との関係
において、棒状加工具15の半径の長さ以内の距離に接
近するため干渉が生じる。また、ループi10は、ルー
プj3との関係において、棒状加工具15の半径の長さ
以内の距離に接近し干渉が生じる。 【0049】したがって、ループi5,i6,i8,i
11の処理の際には、ループj2との関係において、ス
テップ10でYESとなり、ステップ16に進んでこれ
らのループi5,i6,i8,i11のデータは除去さ
れる。 【0050】また、ループi4,i7,i9はループj
2との関係において、ループi10はループj3との関
係において、それぞれ、ステップ11でYESとなり、
ステップ16に進んでこれらのデータは除去される。そ
して、オフセット形状のループ番号iがステップ15で
12になり、ステップ2において、YESとなったとき
にすべての処理が終了する。 【0051】なお、上記の処理の結果を、別紙の表1に
記している。 【表1】この表1は、オフセット形状のループi1,i2,i
3,i4,i5,i6,i7,i8,i9,i10,i
11をそれぞれ輪郭形状のループj1,j2,j3と対
比した場合、ステップ5,ステップ10,ステップ11
でどのような結果がでるかをまとめたものである。この
表1では、図2のフローチャートにおいて、干渉が生じ
る可能性がある、または、干渉が生じるYESの場合に
は、○と記し、干渉が生じる可能性がないか干渉が生じ
ないNOの場合には、×と記している。 【0052】そして、ステップ5において、干渉が生じ
る可能性がなく×となった場合には、それ以上の処理を
行わないためステップ10,ステップ11の部分は空欄
にしている。また、ステップ5,ステップ10で○とな
った場合には、干渉が生じると判断し、ステップ11の
処理は行わないためステップ11の部分は空欄になって
いる。 【0053】これらの処理の結果、表1のステップ10
またはステップ11のいずれかにおいて○が記載されて
いるオフセット形状のループi4,i5,i6,i7,
i8,i9,i10,i11の8個のループのデータが
すべて除去され、切削加工時には、干渉が生じないルー
プi1,i2,i3についてのみ切削加工が行われる。 【0054】その結果、図8に示すように、オフセット
形状におけるループi4,i5,i6,i7,i8,i
9,i10,i11に対応する部分は切削されることな
く、被加工物16に切削される輪郭形状は、干渉のため
データが除去された部分が棒状加工具15の周面に沿っ
た曲面に加工される。 【0055】なお、上記の説明においては、文字「は」
の輪郭部分の切削のみについて説明しているが、その他
の切削部分については干渉が生じる可能性がないため説
明を省略している。 【0056】このように、この発明にかかる方法を用い
て文字「は」を切削加工する場合には、まず、オフセッ
ト形状を構成する11個のループと、輪郭形状を構成す
る3個のループを、それぞれそのループに外接する四角
形を対比して、干渉が生じる可能性があるかどうかの判
断を行う。 【0057】このような簡単な操作で、オフセット形状
を構成するループと輪郭形状を構成するループの33通
りの組み合わせのうち19通りのものを、干渉の可能性
がないと判断して、それ以後の処理から省略することが
できる。 【0058】つぎに、干渉の可能性が残っている残りの
14通りのものについて、オフセットのループと輪郭形
状のループをそれぞれ構成する辺同士が交差するかどう
かの判断を行う。そして、辺同士が交差する4通りのも
のを除いた、残り10通りのものについてのみ、棒状加
工具15の太さを考慮した判断を行う。 【0059】このように、簡単な操作から順次複雑な操
作へと進み、その間に干渉の生じる可能性のないもの
や、干渉が生じることがはっきりしているものについて
は、それ以後の処理をしないため、操作が効率的に行え
るようになる。また、干渉を生じるオフセットのループ
についてはデータを削除した状態で、切削加工を行うた
め、非切削領域を切り崩してしまうといったことは生じ
ない。 【0060】なお、前記において、辺kと辺lの最短距
離を求める方法として、辺kの始点と辺lの間の距離を
求めるようにしているが、これを逆にして、辺lの始点
と辺kの間の距離から求めるようにしてもよい。 【0061】 【発明の効果】以上のように、この発明によるオフセッ
ト処理加工方法では、まず、輪郭形状を構成する各ルー
プに外接する四角形とオフセット形状を構成する各ルー
プに外接する四角形をそれぞれ対比し、その対比によっ
て両ループが干渉する可能性があるかどうかを判断し、
干渉する可能性のないものについては、それ以後の処理
を省略するようにしている。これによって、演算等の処
理が大幅に簡単になる。 【0062】そして、干渉が生じる可能性のあるものだ
けについてだけ、次の処理を行うことにより、オフセッ
ト形状を構成する各ループについて干渉が生じるかどう
かの判断をし、干渉が生じるループのデータは削除して
切削加工を行う。このように、干渉が生じるオフセット
形状のループはすべて除去し、干渉が生じる可能性のな
いオフセット形状のループのみに対して切削加工を行う
ことにより、非切削領域への切り崩しを確実に防止でき
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一例で使用する切削装置の構成図で
ある。 【図2】処理の順序を示すフローチャート図である。 【図3】輪郭形状およびオフセット形状の各ループを示
す説明図である。 【図4】ループを構成する辺を示す説明図である。 【図5】交差するループ同士の交差状態を判断するため
の四角形を示す説明図である。 【図6】辺kの始点と辺lの最短距離を求める方法を説
明する説明図である。 【図7】交差しないループ同士の交差の有無を判断する
ための四角形を示す説明図である。 【図8】切削後の被加工物を示す平面図である。 【図9】従来例を示す説明図である。 【符号の説明】 11・・・・・・・・・・・入力装置 12・・・・・・・・・・・CPU 13・・・・・・・・・・・メモリ 14・・・・・・・・・・・切削加工部 15・・・・・・・・・・・棒状加工具 19,20,21,22・・四角形 i1,i2,i3,i4,i5,i6,i7,i8,i
9,i10,i11・・・・・・・・・・・・・・・オ
フセット形状を構成するループ j1,j2,j3・・・・・輪郭形状を構成するループ k・・・・・・・・・・・・オフセット形状のループの
辺 l・・・・・・・・・・・・輪郭形状のループの辺 P2 ・・・・・・・・・・・オフセット形状のループの
辺の始点 d・・・・・・・・・・・・オフセット形状のループの
辺の始点と輪郭形状のループの辺の最短距離
ある。 【図2】処理の順序を示すフローチャート図である。 【図3】輪郭形状およびオフセット形状の各ループを示
す説明図である。 【図4】ループを構成する辺を示す説明図である。 【図5】交差するループ同士の交差状態を判断するため
の四角形を示す説明図である。 【図6】辺kの始点と辺lの最短距離を求める方法を説
明する説明図である。 【図7】交差しないループ同士の交差の有無を判断する
ための四角形を示す説明図である。 【図8】切削後の被加工物を示す平面図である。 【図9】従来例を示す説明図である。 【符号の説明】 11・・・・・・・・・・・入力装置 12・・・・・・・・・・・CPU 13・・・・・・・・・・・メモリ 14・・・・・・・・・・・切削加工部 15・・・・・・・・・・・棒状加工具 19,20,21,22・・四角形 i1,i2,i3,i4,i5,i6,i7,i8,i
9,i10,i11・・・・・・・・・・・・・・・オ
フセット形状を構成するループ j1,j2,j3・・・・・輪郭形状を構成するループ k・・・・・・・・・・・・オフセット形状のループの
辺 l・・・・・・・・・・・・輪郭形状のループの辺 P2 ・・・・・・・・・・・オフセット形状のループの
辺の始点 d・・・・・・・・・・・・オフセット形状のループの
辺の始点と輪郭形状のループの辺の最短距離
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】棒状加工具を備えた切削装置を用いてオフ
セット処理をしながら切削加工を行う方法であって、切
削しようとする輪郭形状のデータとそれに対応するオフ
セット形状のデータをそれぞれ複数の辺を繋ぎ合わせて
構成されるループの集合体のデータとして作成し、座標
上において、上記輪郭形状を構成する各ループに外接す
る四角形とオフセット形状を構成する各ループに外接す
る四角形をそれぞれ対比し、この対比した二個の四角形
のうち互いに交差するかまたは棒状加工具の半径の距離
以内に接近する四角形に対応する二個のループで、か
つ、その二個のループを構成する各辺のうち互いに交差
する辺があるか、または、その二個のループにおいて、
一方のループの辺の始点と他方のループの辺の間の距離
のうち互いの最短距離が上記棒状加工具の半径よりも短
いものがあるときには、その辺を含むオフセット形状の
ループのデータを除去して切削加工を行うことを特徴と
するオフセット処理加工方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15446997A JP3380429B2 (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | オフセット処理加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15446997A JP3380429B2 (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | オフセット処理加工方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10333728A JPH10333728A (ja) | 1998-12-18 |
| JP3380429B2 true JP3380429B2 (ja) | 2003-02-24 |
Family
ID=15584938
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15446997A Expired - Fee Related JP3380429B2 (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | オフセット処理加工方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3380429B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10118378B2 (en) | 2015-11-20 | 2018-11-06 | Roland Dg Corporation | Cross-section data generating device and cross-section data generating method |
-
1997
- 1997-05-27 JP JP15446997A patent/JP3380429B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10118378B2 (en) | 2015-11-20 | 2018-11-06 | Roland Dg Corporation | Cross-section data generating device and cross-section data generating method |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10333728A (ja) | 1998-12-18 |
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