JP3385985B2 - 歪量子井戸結晶の製造方法 - Google Patents
歪量子井戸結晶の製造方法Info
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Description
その製造方法ならびに歪量子井戸結晶及びその製造方法
に関する。
来の歪量子井戸型半導体レーザを説明する。このような
歪量子井戸型半導体レーザは、例えば、テムキン他、シ゛ャーナル
オフ゛クリスタル ク゛ロース J. Cryst. Growth,93,353(1988)に開
示されている。
体レーザは、InP単結晶基板1と、基板1上に設けら
れたストライプ状の積層構造と、積層構造の両側面を覆
うFe−InP電流ブロック層7とを備えている。半導
体レーザの底面にはn側電極9が、上面にはp側電極8
が設けられ、半導体レーザの端面にはSiO2及びSi
の両方または一方を含む誘電体膜が設けられている。
層2、歪井戸層3とバリア層4よりなる多重量子井戸部
5、及び第2の光導波路層6を含んでいる。この部分の
エネルギーバンドギャップは、図15(a)に示されて
いる。
と、多重量子井戸部5にホールと電子が閉じ込められ、
そこでホールと電子とは再結合し発光する。その結果、
レーザ発振が生ずる。この従来例においては、歪井戸層
3は、In0.7Ga0.3Asの混晶組成を持ち、1%の圧
縮歪を有するように形成されている。井戸層3に圧縮歪
を導入することで、ホールのバンド構造を電子のバンド
構造と同様にしている。その結果、キャリア注入量が低
くとも、レーザ発振が生じる。
うな半導体レーザでは、半導体レーザの温度が上昇する
に従ってレーザ発振波長が長波長側にシフトする。この
ため、環境温度の変化によって発振波長が変動するとい
う問題がある。
くすると半導体レーザの温度が上昇するために、レーザ
発振波長が注入電流に依存して大きく変動するという問
題点もある。
布帰還型)レーザに適用した場合には、半導体レーザの
環境温度が変化することにより単一モード性が劣化す
る。つまり、サイドモードが出現し、発振波長のピーク
とサイドモードとの抑圧比がとれないといった問題点を
有していた。この現象は歪量子井戸レーザにおいて特に
顕著に観測された。原因としては、格子歪を導入するこ
とで閾値キャリア密度が低下するためにレーザの利得が
急峻になるためである。
W)構造の半導体レーザにおける利得プロファイルの温
度依存性を示し、図12(b)は、歪MQW構造の半導
体レーザにおける利得プロファイルの温度依存性を示
す。図12(a)及び(b)のグラフの縦軸は利得で、
横軸は波長である。
Wの場合には、利得が大きくないために、広い波長領域
においてほぼフラットな利得分布が存在する。この利得
分布のピーク波長はレーザの温度(T)を、高温にする
ほど(T大)長波長側にシフトする。ただし、無歪MQ
Wの場合には利得分布が平坦であるために、温度が変化
して利得のピーク波長とDFB発振波長が離れても、D
FB発振波長において利得を有しているためにDFB波
長において優先的にレーザ発振し、サイドモード抑圧比
は大きくなる。したがって、単一モード性は高くなる。
に示されるように、歪を導入することにより利得が特定
範囲の波長領域で局所的に大きくなる。温度が低いとき
(T小)、利得ピークとDFB発振波長が多少ずれた場
合、DFB発振してサイドモード抑圧比は大きくなるし
かしながら、温度が高くなると(T大)、利得ピークは
無歪MQWの場合と同様に長波長側にシフトするため
に、DFB発振波長における利得は殆どなくなる。その
結果、DFB発振波長における利得が減少するととも
に、利得ピークにおいてもレーザ発振するようになり、
単一モード抑圧比が減少して単一モード性が劣化するこ
ととなる。すなわち、歪量子井戸レーザの場合は特に利
得が急峻であるためにDFB発振波長と利得ピーク波長
の差(ディチューニング)が小さくてもサイドモード抑
圧比が減少して単一モード性は劣化することになる。従
って、歪量子井戸レーザは無歪量子井戸レーザに比べ
て、小さいディチューニング量であっても単一モード性
が劣化するため利得波長の温度依存性が小さいことが強
く望まれる。
依存性が小さく、広い温度範囲や注入電流範囲で高い単
一モード特性を有する半導体レーザおよびその製造方
法、並びに半導体結晶を提供することを目的とする。
は、井戸層及び障壁層を含む歪量子井戸構造と、該歪量
子井戸構造を支持する半導体基板とを備えた半導体レー
ザであって、該井戸層及び該障壁層のうちの少なくとも
一方が、オーダリングしている混晶から形成されてお
り、そのことにより上記目的が達成される。
層と第2の光導波路層とを更に備えていてもよい。
nPから形成されており、前記井戸層及び前記障壁層の
各々は、エネルギバンドギャップの異なるInGaAs
P結晶から形成されている。
層及び障壁層を含む歪量子井戸構造を備えた半導体レー
ザの製造方法であって、該歪量子井戸構造を形成する工
程は、該井戸層及び該障壁層のうちの少なくとも一方
を、オーダリングしている混晶から形成する工程を含ん
でおり、そのことにより上記目的が達成される。
工程は、歪量(%)=1.0−0.10×(井戸層数)
で示される歪量以上の格子歪を該井戸層に導入し、58
0度以下で結晶成長を行う。
=1.2−0.02×(井戸層数)で示される歪量以上
の格子歪を導入し、600度以下で結晶成長を行っても
よい。
=1.6−0.02×(井戸層数)で示される歪量以上
の格子歪を導入し、700度以下で結晶成長を行っても
よい。
と、該半導体結晶の格子定数とは異なる格子定数を持つ
InGaAsP結晶とを備えた歪量子井戸結晶であっ
て、該InGaAsP結晶がオーダリングしており、そ
のことにより上記目的が達成される。
導体結晶と、該半導体結晶の格子定数とは異なる格子定
数を持つInGaAsP結晶とを備えた歪量子井戸結晶
の製造方法であって、前記井戸層を形成する工程は、該
井戸層に1%以上の歪みを与え、620度以上で結晶成
長を行い、そのことにより上記目的が達成される。
ちの少なくとも一方にオーダリングを導入することで、
利得ピーク波長の温度変動依存性の小さい半導体レーザ
等の発光素子に適した歪量子井戸結晶を提供する。
BCで表現される2原子化合物の混晶を作成した場合に
は、A原子とB原子とが均一に混合した(AB)C2と
いう混晶が得られる。しかしながら、低温で混晶を作成
した場合、A原子とB原子とが均一に混合されず、AC
化合物とBC化合物が層状に積層された混晶が得られる
場合がある。その結果、AC化合物の格子面とBC化合
物の格子面が交互に配列された超格子構造が観察され
る。また、低温の結晶成長では、超格子が自動的に作成
されるため、量子井戸構造などの人工超格子と区別し
て、自然超格子と呼ばれている。このような自然超格子
が部分的にでも形成されることを、本願明細書では、
「オーダリングを有する」あるいは「オーダリングが生
じた」と称することとする。以下に、本発明をInGa
AsP結晶について説明する。620℃以上で成長した
InGaAsP結晶は、無歪ではオーダリングを生じな
かった。今回、この結晶において、歪量、井戸層数及び
成長温度を変えて実験していくうちに、ある条件下でオ
ーダリングが生じることがわかった。
量が大きいとき、(2)井戸層数が多いとき、(3)成長温度
が低いとき、にオーダリングをおこしやすいことを実験
により確認した。上記(1)〜(3)のいずれかの条件下でオ
ーダリングが発生しやすいことがわかったが、初めは結
晶中に転位が入っているのではないかと考えられた。透
過型電子顕微鏡による観察で、結晶中には転位は観測さ
れず、InGaAsP結晶にオーダリングが生じている
ことがわかった。また、この結晶のPL発光強度の温度
依存性は、図1(b)のグラフに示されるように、室温
でのPL強度のピークと77Kでのピークとの差が小さ
いこともわかった。オーダリングの無い場合は、図1
(a)に示されるように、室温でのPL強度のピークと
77Kでのピークとの差は大きい。従来、図1(b)の
グラフに基づき、歪量子井戸構造体にオーダリングが発
生するとPL特性が劣化すると考えられていた。これに
対して、本発明者は、オーダリング現象を積極的に利用
することによって、発振波長の温度変動や注入電流依存
性が小さい半導体レーザを提供できることを見いだし
た。
sP結晶を用いた実施例について、本発明を説明する。
しながら、本発明による歪量子井戸結晶の実施例を説明
する。
結晶基板1と、SnドープInP半導体単結晶基板1上
に設けられた積層構造体とを備えた歪量子井戸結晶の断
面を模式的に示している。この積層構造体は、InGa
AsP(λg=1.05μm)第1の光導波路層2、多
重量子井戸構造5、及びInGaAsP(λg=1.0
5μm)第2の光導波路層6が、この順序でInP半導
体単結晶基板1上に成長させられたものである。多重量
子井戸構造5は、交互に積層された7層のInGaAs
P歪井戸層(0.8%圧縮歪)3とオーダリングしたI
nGaAsP(λg=1.15μm)障壁層4とを含ん
でいる。多重量子井戸構造5のフォトルミネッセンス
(PL)発光波長は、1.3μmであった。本実施例で
は、歪井戸層3に0.8%の圧縮歪を導入するととも
に、その結晶成長温度を580度とすることで、障壁層
4にオーダリングを発生させた。なお、前記積層構造体
のエネルギバンドギャップは、図2(b)に模式的に示
されている。
在していることを透過型電子顕微鏡観察によって確認し
た。しかし、井戸層3内にもオーダリングの影響が及ん
でいることが十分に考えられる。この実施例では、圧縮
歪を井戸層3に導入したために、障壁層4には引っ張り
歪が発生している。したがって、オーダリングは引っ張
り歪のほうが発生しやすいと考えられる。井戸層3内に
優先的にオーダリングを発生させるためには、井戸層の
組成を調整して、井戸層に引っ張り歪を発生させればよ
いと考えられる。
を測定した。図3(a)は、オーダリングの無い歪量子
井戸結晶のPL発光ピークを示し、図3(b)は、オー
ダリングを有する歪量子井戸結晶のPLピークを示す。
オーダリングの無い場合には、温度を室温(T=300
K)から77Kへ低下させることで60meVの短波長
シフトを生じているが、オーダリングがある場合には1
0meV程度と短波長シフトは殆ど認められない。ま
た、室温の場合はオーダリングがあってもオーダリング
が無い場合に対して発光強度が低下していないことが分
かる。このように、オーダリングのある歪量子井戸結晶
は、温度依存性の低い発光特性を示す。
を示す。オーダリングがある場合は、オーダリングの無
い場合に比べて、PL発光ピーク波長の温度依存性が1
/5以下に低減していることが分かる。
Tを低下させることにより、オーダリングが生じやすく
なる理由について、発明者の見解は以下の通りである。
歪を導入した場合には、歪のエネルギーの分だけ結晶の
内部エネルギーが上昇する。しかしながら、格子定数の
大きいIn−Asの結合が結晶成長方向に自然に配向
し、オーダリングが生じると、歪量子井戸層の持つ歪エ
ネルギーは小さくなる。
で示される。
度、Sはエントロピー(S<0)である。内部エネルギ
ーUが小さいほど結晶は安定である。結晶に歪を導入す
ると、エンタルピーHが大きくなるため、エントロピー
Sを小さくして、それによつて内部エネルギUを低下さ
せる傾向を持つと考えられる。言い換えると、大きな歪
を量子井戸に導入して、エンタルピHを大きくしてSを
小さくする必要があることがわかる。一方、結晶の成長
温度とオーダリングの関係は次のように考えられる。U
とHがTの2乗に比例して変化するために、結晶の成長
温度Tが減少した場合にはSもTに比例して変化して減
少することとなり、Sの減少すなわちオーダリングを発
生し易くなる。
存性が小さくなる理由としては、発明者は次のように考
える。オーダリングを起こしてエントロピーSが小さく
なると、内部エネルギーUの温度依存性が小さくなる。
発振波長を決めるエネルギーバンドギャップEgは内部
エネルギーUによって変わるため、内部エネルギーUの
温度依存性を小さくすることによってバンドギャップE
gの温度変動を小さくすることができる。こうして、オ
ーダリングによって波長の温度変動を小さくすることが
できる。
及び700℃とした場合に、オーダリングを発生させる
歪量と量子井戸層数の関係を示している。歪量を大きく
し、かつ、井戸層数を大きくすると、オーダリングが発
生し易くなることがわかる。この実験から、成長温度T
gが580℃のとき、オーダリングが起こる歪量580は、
井戸層数を用いて以下の式1で表現される。
与えると、オーダリングが起こり、式1で求められる歪
量580よりも小さな歪量を与えると、オーダリングがお
こらないといえる。
きくしていくと、オーダリングが起こりにくくなる傾向
がある。したがって、成長温度Tgが580℃未満の場
合でも、歪量(%)≧1.0−0.10×井戸層数の不
等式で示される領域では、オーダリングが起こると考え
られる。
℃のときは、それぞれ、以下の式2、式3で示される領
域で、オーダリングが生じる。
℃程度以上の温度で実行されることが多く、また、半導
体レーザの光出力を低下させない最適条件の範囲として
は、井戸層数を10層以下にする必要がある。このた
め、600℃程度で結晶成長を行う場合にオーダリング
を発生させるには、1%程度の圧縮歪を形成することが
必要となる。他方、結晶成長温度を580℃に低下させ
た場合には、井戸層数を7層とすれば、0.7%程度の
圧縮歪を与えることでオーダリングを発生させることが
できる。
を調整することにより、所望の格子定数を持つ結晶を成
長させればよい。
バアンプの励起用光源などに使用される半導体レーザの
発光領域に特に適している。ファイバアンプで充分な利
得を得るには、特定の波長を持つレーザ光を用いる必要
がある。しかしながら、半導体レーザに500mA以上
の大きな駆動電流を印加する場合、駆動電流の大きさを
変調することによって半導体レーザの発熱量が大きく変
化するため、レーザ発振波長が変化してしまうという問
題がある。本発明の半導体レーザによれば、発振波長の
温度依存性が小さい。このため、駆動電流を増加しても
発振波長をファイバアンプの要求する所定範囲内に維持
することが容易である。
に変化し、それによって同じ駆動電流(注入電流)に対
する発熱量が個々のレーザで異なったとしても、発振波
長は一定に維持される。このため、本発明によれば、所
望の仕様を満たす半導体レーザの製造歩留まりを著しく
向上させることができる。
10の場合のオーダリングを起こす歪量(%)と結晶成
長温度(℃)との関係を示すグラフである。図6のグラ
フ中の曲線が示す歪よりも大きな歪みを示す領域では、
オーダリングが発生する。InGaAsP歪量子井戸層
の結晶成長は、約600から620℃までの範囲で行わ
れるのが通常である。このため、オーダリングを起こさ
ないようにするためには、領域Aの条件で結晶成長を行
う必要があった。これに対して、InGaAsP歪量子
井戸層の結晶成長を620℃以上で行う場合、グラフの
領域Bで示される条件を採用すれば、オーダリングは起
きない。
こすことによって、温度に依存して変化しにくい発光特
性を持つ歪量子井戸結晶を提供することを目的としてい
る。しかしながら、オーダリングを引き起こす条件を見
いだす過程で、逆にオーダリングを引き起こさない条件
を明確化した。大きな歪を量子井戸層に与えながら、図
1(a)のPL特性を発揮させようとする場合、図6の
グラフの領域Bの条件で結晶成長を行えばよいことがわ
かる。
しながら、本発明による歪量子井戸半導体レーザの実施
例を説明する。図7(a)は、ストライプ状リッジ
(幅:1.2〜1.5μm、高さ:1.5〜2.5μ
m)を有するSnドープInP半導体単結晶基板1と、
SnドープInP半導体単結晶基板1のリッジ上に設け
られたストライプ状積層構造体とを備えた半導体レーザ
の構造を模式的に示している。このストライプ状積層構
造体は、InGaAsP(λg=1.05μm)第1の
光導波路層2、多重量子井戸構造5、及びInGaAs
P(λg=1.05μm)第2の光導波路層6が、この
順序でInP半導体単結晶基板1上に成長させられたも
のである。第1の光導波路層2及び第2の光導波路層6
の厚さは、それぞれ、30及び150nmに設定され
る。
sP歪井戸層(0.8%圧縮歪)3と、オーダリングし
たInGaAsP(λg=1.15μm)障壁層4とが
交互に積層されたものである。InGaAsP歪井戸層
3の厚さは、3〜6nmに、InGaAsP障壁層4の
厚さは、5〜20nmに設定される。この多重量子井戸
構造5から得られるフォトルミネッセンス(PL)発光
波長は、1.3μmであった。本実施例では、歪井戸層
3に0.8%の圧縮歪を導入するとともに、その結晶成
長温度を580度とすることで、障壁層4にオーダリン
グを発生させた。なお、図7(b)は、積層構造体のエ
ネルギバンド構造を示している。
状積層構造の両側には、厚さが3〜6μmのp−InG
aAsP/p−InP/n−InP/p−InP電流狭
窄構造7が設けられており、その電流狭窄層7の一部に
は、溝が設けられている。溝の表面は、SiO2層で覆
われている。半導体レーザの上部には、p側電極8が設
けられ、下部にはn側電極9が設けられている。
ながら、図7(a)の歪量子井戸レーザの製造方法を説
明する。まず、図8(a)に示すように、InP基板1
上に、第1のInGaAsP光導波路層2、InGaA
sP歪井戸層3、InGaAsP障壁層4、多重量子井
戸構造5、第2のInGaAsP光導波路層6を成長す
る第1の結晶成長工程を行う。次に、図8(b)に示す
ように、これらの層をストライプ状にエッチングするエ
ッチング工程を行う。
窄構造7を成長する第2の結晶成長工程を行った後、図
8(d)に示すように、p側電極8及びn側電極9を形
成する電極形成工程を行う。
に0.8%の歪を導入するとともに、成長温度を580
℃とし、V族およびIII族ガスの供給比V/IIIを250
とした。この結晶成長条件は、図5のグラフ上では、点
Aで示される。このように、本実施例の半導体レーザ
は、ストライプ状積層構造体中に実施例1の歪量子井戸
結晶と同様の結晶を含んでいる。このような歪み量子井
戸結晶は、実施例1について説明した条件で作成され
る。
する半導体レーザの発振波長は1.3μmで、最高光出
力は300mWを示した。これは、オーダリングの無い
半導体レーザのレーザ出力と同レベルであり、また、同
程度のしきい値電流でレーザ発振が生じた。
す。半導体レーザの温度を−40℃から100℃に変化
させた場合、オーダリングの無い歪量子井戸型半導体レ
ーザの発振波長が1.26μmから1.44μmに変化
するのに対して、オーダリングを有する歪量子井戸型半
導体レーザの発振波長は1.29μmから1.31μm
に変化する。このように、オーダリングによって、波長
変動量が1/5以下に低減した。温度に対する発振波長
の変化量が低減したことで、半導体レーザの温度を特に
コントロールしなくとも、−40℃から100℃までの
温度範囲で安定してレーザ発振する半導体レーザを提供
することができる。
0に示す。通常、半導体レーザへの注入電流が増大する
ことにより、半導体レーザの内部抵抗によってジュール
熱が発生して半導体レーザの温度が上昇する。このため
に発振波長が変動する。しかしながら、本実施例の半導
体レーザによれば、発振波長の温度依存性が小さいため
に、注入電流を変化させても殆ど発振波長が変化してい
ない。特に、大電流を注入する高出力半導体レーザに
は、発振波長の変化が小さいことが要望されている。ま
た、高出力時の発振波長をPL発光波長から容易に推定
できるという利点もある。
の温度依存性や注入電流依存性が小さい半導体レーザが
提供される。
照しながら、本発明による他の歪量子井戸半導体レーザ
の実施例を説明する。図11(a)は、ストライプ状リ
ッジを有するSnドープInP半導体単結晶基板1と、
SnドープInP半導体単結晶基板1のリッジ上に設け
られたストライプ状積層構造体とを備えた半導体レーザ
の構造を模式的に示している。ストライプ状リッジの上
面には、ピッチが180nmの回折格子10が形成され
ている。ストライプ状積層構造体は、InGaAsP
(λg=1.05μm)第1の光導波路層2、多重量子
井戸構造5、及びInGaAsP(λg=1.05μ
m)第2の光導波路層6が、この順序でInP半導体単
結晶基板1上に成長させられたものである。多重量子井
戸構造5は、7層のInGaAsP歪井戸層(0.8%
圧縮歪)3とオーダリングしたInGaAsP(λg=
1.15μm)障壁層4とを含んでいる。各半導体層の
厚さは、実施例3について説明した厚さの範囲内にあれ
ばよい。多重量子井戸構造5のフォトルミネッセンス
(PL)発光波長は、1.3μmであった。本実施例で
は、歪井戸層3に0.8%の圧縮歪を導入するととも
に、その結晶成長温度を580度とすることで、障壁層
4にオーダリングを発生させた。なお、図11(b)
は、積層構造体のエネルギバンド構造を示している。
プ状積層構造の両側には、p−InGaAsP/p−I
nP/n−InP/p−InP電流狭窄構造7が設けら
れており、その電流狭窄構造7の一部には、溝が設けら
れている。溝の表面は、SiO2層で覆われている。半
導体レーザの上部には、p側電極8が設けられ、下部に
はn側電極9が設けられている。
によって決められた発振波長で発振することを特徴とし
ており、分布帰還型レーザ(DFBレーザ)と呼ばれて
いる。
たは注入電流依存性は、実施例2の半導体レーザと同様
である。
発振する。しかし、図12(b)に示したように、回折
格子のピッチで決まる「DFB発振波長」と「利得ピー
ク波長」との差が20nmより大きい場合には、レーザ
の単一モード発振の確率は急激に低下する。図13は、
単一モード特性の出現率の温度依存性を示す。オーダリ
ングの無い半導体レーザを温度コントロールしないで駆
動した場合、単一モード発振が実現できる温度範囲は0
℃から40℃になる。他方、オーダリングを有する歪量
子井戸結晶を用いて半導体レーザを試作した場合、−8
0℃から120℃までの範囲内で半導体レーザの温度を
変化させても、単一モード発振が維持される。この結
果、温度コントロール用のペルチェ素子を使用する必要
がなくなり、レーザモジュールの価格を大きく低減でき
る。
となる。図14に示すように、オーダリングが無い場合
には300mA以上で単一モードの出現率が減少する
が、オーダリングを有する場合には、600mA以上で
も単一モード性が維持されており、低い光出力から高い
光出力まで単一モード発振を示す高出力DFBレーザを
高歩留まりで実現することができる。
ド特性が周囲温度や注入電流に影響されにくいDFBレ
ーザを提供することができるとともに、ペルチェ素子を
必要としない安価なレーザモジュールを提供することが
できる。
4をInGaAsP(λg=1.15μm)から形成し
たが、InGaAsP(λg=1.05μm)から形成
すれば、よりオーダリングが発生しやすくなるために、
更に効果的にオーダリングを障壁層内に発生させること
ができる。また、SCH(spectrum confinment hetero
structure)構造を持つ半導体レーザを説明してきたが、
その他の半導体レーザにも本発明は適用される。また、
InGaAsP/InP系以外にも、AlGaAs/G
aAsおよびInGaP/AlGaInP、ZnSe
系、GaN系でも同様な効果が実現される。
イプやDFBタイプに限定されず、DBRタイプなどの
高い付加価値を持つ半導体レーザであってもよい。さら
に、半導体レーザ等の発光素子のみならず、受光素子
や、HFETなど高速電子素子に本発明の歪量子井戸結
晶を応用しても、それらの素子の温度変動特性が向上す
る。
歪量子井戸層にオーダリングを発生させることで環境温
度や注入電流によって発振波長が影響されない半導体レ
ーザを提供するとともに、ペルチェ素子等の温度制御素
子が不要な低価格DFBレーザモジュールを提供するこ
とができ、その実用的効果はきわめて大きい。
の温度によるシフトを示すグラフ、(b)は、オーダリ
ングのある場合のPL発光の温度によるシフトを示すグ
ラフ。
の実施例の構造断面図、(b)は、歪量子井戸構造体の
エネルギーバンドダイヤグラム。
るPL発光強度の差異を説明するグラフ。
ト量の差異を説明するグラフ。
ングの有無と井戸層数及び格子歪の量との関係を示すグ
ラフ。
オーダリングを起こす歪量(%)と結晶成長温度(℃)
との関係を示すグラフである。
ザの実施例の構造断面図、(b)は、歪量子井戸構造の
エネルギーバンドダイヤグラム。
レーザの製造方法を示す工程断面図。
異を説明するグラフ。
電流依存性を示すグラフ。
ーザの他の実施例の構造断面図、(b)は、歪量子井戸
構造のエネルギーバンドダイヤグラム。
子井戸構造の発光強度の差異を説明するグラフ。
出現率の温度依存性の差異を説明するグラフ。
出現率の注入電流依存性の差異を説明するグラフ。
の歪量子井戸構造のエネルギーバンドダイヤグラム、
(b)は、その半導体レーザの斜視図。
Claims (4)
- 【請求項1】 InPによって構成された半導体結晶
と、該半導体結晶とは異なる格子定数を有するInGa
AsP結晶と、を備えた歪量子井戸結晶の製造方法であ
って、 該歪量子井戸結晶は井戸層及び障壁層を含んでおり、 該井戸層を形成する工程では、該井戸層に1%を超える
量の歪を与えて620度以上の温度で結晶成長を行うこ
とにより、該井戸層及び該障壁層のそれぞれをオーダリ
ングさせないことを特徴とする歪量子井戸結晶の製造方
法。 - 【請求項2】 前記井戸層の数は10層である、請求項
1に記載の歪量子井戸結晶の製造方法。 - 【請求項3】 前記井戸層の歪量が、 歪量(%)=(1.0345×10-6)×(成長温度)
3 −0.0021252×(成長温度)2 +1.4575×(成長温度)一332.27 なる関数で与えられる値以下である、請求項1に記載の
歪量子井戸結晶の製造方法。 - 【請求項4】 InPによって構成された半導体結晶
と、該半導体結晶とは異なる格子定数を有するInGa
AsP結晶と、を備えた歪量子井戸結晶の製造方法であ
って、 該歪量子井戸結晶は井戸層及び障壁層を含んでおり、 該井戸層の数は10層以下であり、 該井戸層を形成する工程では、該井戸層に、歪量(%)
=1.2−0.02×(井戸層数)で示される歪量より
も大きく、且つ歪量(%)=1.6−0.02×(井戸
層数)で示される歪量よりも小さな歪を与えて、620
度〜700度の範囲の温度で結晶成長を行うことによ
り、該井戸層及び該障壁層の各々をオーダリングさせな
いことを特徴とする歪量子井戸結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35358098A JP3385985B2 (ja) | 1994-08-29 | 1998-12-11 | 歪量子井戸結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20384494 | 1994-08-29 | ||
| JP6-203844 | 1994-08-29 | ||
| JP35358098A JP3385985B2 (ja) | 1994-08-29 | 1998-12-11 | 歪量子井戸結晶の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7219169A Division JP2905123B2 (ja) | 1994-08-29 | 1995-08-28 | 半導体レーザ及びその製造方法ならびに歪量子井戸結晶 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11261175A JPH11261175A (ja) | 1999-09-24 |
| JP3385985B2 true JP3385985B2 (ja) | 2003-03-10 |
Family
ID=26514142
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP35358098A Expired - Fee Related JP3385985B2 (ja) | 1994-08-29 | 1998-12-11 | 歪量子井戸結晶の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3385985B2 (ja) |
-
1998
- 1998-12-11 JP JP35358098A patent/JP3385985B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11261175A (ja) | 1999-09-24 |
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