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JP3387739B2 - アルミニウム又はアルミニウム合金の曲げ加工部材及び曲げ加工方法並びに曲げ金型 - Google Patents
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JP3387739B2 - アルミニウム又はアルミニウム合金の曲げ加工部材及び曲げ加工方法並びに曲げ金型 - Google Patents

アルミニウム又はアルミニウム合金の曲げ加工部材及び曲げ加工方法並びに曲げ金型

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車のバンパーや
フレーム及び建築構造物等の構造用として使用されるア
ルミニウム又はアルミニウム合金製曲げ加工部材及びそ
の曲げ加工方法並びに曲げ金型に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保全の観点から大気中の
炭酸ガス等の増加を抑制するために自動車の軽量化や電
気自動車の導入が本格的に検討されている。この軽量化
手段の1つとして材料の置換、すなわち従来自動車構造
材として主として使用されてきた鋼板の代わりに、アル
ミニウム合金製の押出形材を使用する試みがなされてい
る。実際、バンパーは実用化されており、自動車の車体
フレームに対するアルミニウム合金押出材の使用検討が
増加している。
【0003】このように、バンパーや車体フレームにア
ルミニウム合金押出形材を使用する場合、バンパーでは
曲げ内側に取付部があり、フレームでは曲げ側面で溶接
等の接合が必要となる。ところが、例えば図1(a)の
従来例に示すように、マルチベンダー(圧縮側ローラ
2、外周側ローラ3、側面押えローラ4を図示)等を用
いて形材1を曲げ加工すると、曲げの圧縮側に座屈によ
るしわ(曲げ内側のしわS1、曲げ側面のしわS2を破線
で図示)が発生するという問題点があった。この曲げ加
工時のしわが曲げ部材の取付け精度や外観及び溶接の信
頼性に影響し、また、逆にしわの発生により曲げ加工限
界(曲げ半径)が決定されるという場合も多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、曲げ加工時のし
わの発生を防止するため、低融点金属を中子として入れ
たり(特開平5ー104152号公報)、数珠中子を使
用したり(特開平6ー170449号公報)、形材の肉
厚を増すなどの対応がなされている。しかしながら、上
述の低融点金属はしわ抑制には効果があるものの、挿入
や溶出に時間がかかりコストアップとなり、また、数珠
中子ではしわの抑制が充分ではなく、さらに肉厚増加は
しわ抑制に効果があるものの重量アップとなり、軽量化
効果が薄れてしまうという問題がある。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、低融点金属や複雑な中子等を使用すること
なく、形材の曲げ加工時におけるしわの発生を抑制する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に関わる曲げ加工
部材は、長さ方向に垂直な断面において曲げの圧縮側に
コーナー部を有するアルミニウム又はアルミニウム合金
形材からなり、曲げ加工を受けた部分において曲げ加工
後の該コーナー半径が曲げ加工前の半径より小さく成形
されていることを特徴とする。本発明において、曲げ加
工部材とは長さ方向の少なくとも一部に曲げ加工を受け
た形材を意味し、コーナー部とは形材の長さ方向に垂直
な断面におけるコーナー部を意味し、コーナー半径とは
当該コーナー部の曲率半径を意味する。なお、本発明に
関わる曲げ加工部材が長さ方向の一部に曲げ加工を受け
た場合においては、曲げ加工を受けた部分のコーナー半
径は曲げ加工を受けていない部分のコーナー半径より小
さい。つまり当該コーナー部のコーナー半径が長さ方向
の途中で変化する。
【0007】また、本発明に関わる曲げ加工方法は、
さ方向に垂直な断面にコーナー部を有するアルミニウム
又はアルミニウム合金形材を曲げ加工する際、曲げ加工
と同時に曲げの圧縮側のコーナー半径を曲げ加工前より
小さく成形することを特徴とし、本発明に関わる曲げ金
型はその曲げ加工に使用するものであって、形材の圧縮
側コーナー部に接触する部分を該コーナー半径より小さ
い半径に形成したことを特徴とする。ここで、金型の当
該部分は半径0、つまり角(かど)をつけた場合も含む
ものとする。なお、形材の曲げ加工前の圧縮側のコーナ
ー半径をR、曲げ加工後の圧縮側のコーナー半径をR
としたとき、R/Rが0.7以下のとき本発明の
効果が顕著に現れる。金型の該当部分のコーナー半径は
目標とするR/Rの値に合わせて設定すればよい。
【0008】本発明に関わる曲げ加工部材は例えば自動
車のフレームに適用すると好適である。つまり、自動車
のフレームは溶接箇所が多く、溶接の信頼性を要求され
る構造部材であるが、本発明を適用することで溶接の信
頼性が向上し、構造部材としての信頼度が増す。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、曲げ金型の形
材の圧縮側コーナー部に接触する部分を該コーナー半径
より小さい半径に形成する、つまり、その部分を曲げ加
工前の形材のコーナー半径より小さく、鋭利にしてお
き、これに沿わせて曲げ加工するものである。曲げ加工
時には、図1(b)に矢印で示すように曲げの圧縮側へ
変形しようとする力が働き、この力により形材1のコー
ナー部の肉が圧縮側ローラ2のコーナーに向かって移動
し、曲げ加工後の形材1のコーナー部は圧縮側ローラ2
のコーナー半径に応じて所定のコーナー半径に仕上げら
れる。いいかえれば、圧縮側ローラ2のコーナーに、形
材の曲げの圧縮側で余ってしまう肉が逃げるスペースが
予め形成されているともいうことができる。これがしわ
を延ばす効果となり、しわの発生が抑制される。
【0010】従来の図1(a)において形材1の高さを
Hとすると、アルミニウム又はアルミニウム合金の場
合、曲げ半径(内径)がおよそ(7×H)以下のとき曲
げ加工時の圧縮側のしわ発生が問題となっていた。本発
明では、このような小さい曲げ半径でも、前記の金型を
使用して曲げ加工を行うことにより圧縮側のしわ発生を
抑制でき、特に曲げ加工時に前記の定義によるR2/R1
が0.7以下となるようにすることで、しわ発生を抑制
する効果が顕著となる。
【0011】従来は形材の変形を少なくするため全体的
に形材1の断面形状に合わせた外形を備える金型を使用
していたが、本発明では、形材の圧縮側が接触する部分
の金型のコーナーを予め所望の小さいコーナー半径に形
成しておき、これに沿わせて形材を曲げ加工するもの
で、加工中に曲げ圧縮側へ変形しようとする力を利用し
て、曲げ加工時に形材のコーナー部を所定のコーナー半
径に仕上げることができ、前記公報に示したような複雑
な中子は必要でなく、一般的な中子で曲げ加工が可能と
なる。また、しわを抑制することでスプリングバックに
よる曲げ角度や半径のバラツキが小さくなり、組立時の
精度向上が期待できる。
【0012】本発明は、上記の角管状の形材のほか、3
角形、5角形、日形、田形、目形等、コーナー部を有す
る種々の断面の中空形材や、断面の一部に中空部を有す
る形材、あるいは開断面の形材にも適用できる。しか
し、開断面の形材の場合、曲げ加工時に形材断面の変形
(ウエブの反りやコーナー角度の変化など)が起こる
と、形材のコーナー部の肉を圧縮側コーナーに向かって
移動させる力が発生しなくなるため、断面の変形を抑え
る何らかの手段(例えば数珠中子)を用いることが好ま
しい。さらに、本発明は、上記のマルチベンダーのほ
か、押し付け曲げ、引き曲げ、プレス曲げ、ロール曲げ
等、種々の方式の曲げ装置により実施できる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。図
2に示す角管状の形材(40mm×40mm、2mm
厚、コーナー部半径5mm)を押出成形し、所定の長さ
に切断した。供試材は6063−T1材を用いた。
【0014】図3は曲げ試験方法を示す模式図であり、
図3(a)又は(b)に示すように、この曲げ試験機
(マルチベンダー)は、固定治具10、その前方に配置
された可動治具11、中子12等からなり、可動治具1
1には曲げ加工用のローラー13(13a、13b)及
び側面の押えローラ14(図4参照)が取り付けられて
いる。図3(a)に示すように、形材15が固定治具1
0内に後方から挿入され、その内側に中子12が挿入さ
れる。そして、可動治具11に設けられたローラー13
に形材15の前端部が拘束されている。この状態から図
3(b)に示すように、可動治具11を可動させつつ、
形材15を例えば50mm/秒の速度で前方に送る。こ
れにより、形材15は可動治具11の可動軌跡により決
まる所定の曲げ半径で曲げ加工される。
【0015】曲げ加工用のローラー13としては、図4
に示すように、圧縮側ローラー13aとして3種類の金
型(それぞれコーナー半径3mm、4mm、5mm)を
用い、外周側ローラー13bとしてコーナー半径5mm
の金型を用い、かつ角柱タイプの中子を用いて、曲げ半
径(内径)150mmの曲げ加工を行った。また、比較
のため、コーナー半径すべて5mmのローラー13を用
いかつ数珠中子を用いた曲げ加工も実施した。曲げ加工
後、形材の曲げ加工を受けた部分の圧縮側に発生したし
わの高さを、図5に示す要領で、内面及び側面それぞれ
の断面(a−a’及びb−b’)にて測定し、それぞれ
について最大しわ高さを求めた。その結果を表1に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示すように、本発明に基づく試験例
1及び試験例2を従来例である試験例3と比較すると、
曲げ加工時のしわを抑制する効果が認められ、曲げ加工
性が改善されていた。特に、形材のR2/R1が0.7以
下というより限定された要件を満たす試験例1では特に
効果が顕著であり、数珠タイプの中子を用いた試験例4
より曲げ加工性が良好であった。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウム又はアル
ミニウム合金形材の曲げ加工において、低融点金属や複
雑な中子を使用しなくても曲げ加工時のしわの発生を抑
制することができ、優れた曲げ加工性が得られる。特に
フレーム等の自動車部材や建築部材として最適な、精度
よく外観品質にも優れ溶接信頼性にも優れたた曲げ加工
部材を得ることができる。また、本発明は特に曲げ半径
(内径)の小さいときに顕著な効果を表す。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法によるしわ発生の説明図(a)及び本発
明法によるしわ抑制のメカニズムを説明する模式図
(b)である。
【図2】実施例の曲げ加工試験材の断面形状を説明する
図である。
【図3】実施例のマルチベンダーの概要と曲げ加工試験
の要領を説明する図である。
【図4】実施例に使用した曲げ金型の形状を説明する図
である。
【図5】しわ高さの測定方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 形材 2 圧縮側ローラー 3 外周側ローラー 10 固定治具 11 可動治具 12 中子 13(13a、13b) 曲げ加工用ローラー 15 形材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B60R 19/03 B60R 19/03 B (56)参考文献 特開 平8−187519(JP,A) 特開 平5−131238(JP,A) 特開 平5−76943(JP,A) 特開 平7−51738(JP,A) 特開 昭54−117369(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 7/08 B21D 7/024 B21D 7/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に垂直な断面において曲げの圧
    縮側にコーナー部を有するアルミニウム又はアルミニウ
    ム合金形材からなる曲げ加工部材であって、曲げ加工を
    受けた部分において曲げ加工後の該コーナー半径が曲げ
    加工前の半径より小さく成形されていることを特徴とす
    る曲げ加工部材。
  2. 【請求項2】 曲げ加工前の圧縮側のコーナー半径をR
    、曲げ加工後の圧縮側のコーナー半径をRとしたと
    き、R/Rが0.7以下であることを特徴とする請
    求項1に記載された曲げ加工部材。
  3. 【請求項3】 長さ方向に垂直な断面において曲げの圧
    縮側にコーナー部を有するアルミニウム又はアルミニウ
    ム合金形材からなる曲げ加工部材であって、曲げ加工を
    受けた部分のコーナー半径が曲げ加工を受けていない部
    分のコーナー半径より小さくされていることを特徴とす
    る曲げ加工部材。
  4. 【請求項4】 自動車用のフレーム材であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載された曲げ加工部
    材。
  5. 【請求項5】 長さ方向に垂直な断面においてコーナー
    部を有するアルミニウム又はアルミニウム合金形材を曲
    げ加工する際、曲げ加工と同時に曲げの圧縮側のコーナ
    ー半径を曲げ加工前より小さく成形することを特徴とす
    る曲げ加工方法。
  6. 【請求項6】 長さ方向に垂直な断面においてコーナー
    部を有するアルミニウム又はアルミニウム合金形材の曲
    げ金型であって、形材の圧縮側コーナー部に接触する部
    分を該コーナー半径より小さい半径に形成したことを特
    徴とする曲げ金型。
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