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JP3391253B2 - ラーメン橋脚の耐震梁 - Google Patents
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JP3391253B2 - ラーメン橋脚の耐震梁 - Google Patents

ラーメン橋脚の耐震梁

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JP3391253B2 JP8073398A JP8073398A JP3391253B2 JP 3391253 B2 JP3391253 B2 JP 3391253B2 JP 8073398 A JP8073398 A JP 8073398A JP 8073398 A JP8073398 A JP 8073398A JP 3391253 B2 JP3391253 B2 JP 3391253B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震時の水平荷重
によって倒壊する恐れのある高架橋のラーメン橋脚に関
し、特に主構造とは別に耐震補強を目的として設けられ
るラーメン橋脚の耐震梁に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は地震時の水平荷重によって倒壊す
る恐れのある従来の高架橋のラーメン橋脚を示す図であ
り、図4(a)が正面図、図4(b)が側面図である。
ここに示したラーメン橋脚は、阪神大震災において、梁
部材の側板(ウェブ)における中央3パネルにせん断座
屈が生じたものであり、論文:中井博、北田俊行、西岡
敬治、狩野正人、迫田治行、森昭紀:巨大地震による鋼
製ラーメン橋脚横梁腹板のせん断座屈損傷のシミュレー
ション、鋼製橋脚の非線形数値解析と耐震設計に関する
論文集、土木学会・構造工学委員会、構造工学震災調査
特別小委員会、pp.223-230 、1997年5 月、より引用し
たものである。
【0003】図4において、1は門形のラーメン橋脚で
あり、二層構造のものである。2は地上に所定の間隔を
離して設けられた基礎部、3は基礎部2に立設された一
対の脚部、5は一対の脚部3の上端側に両脚部3に亘っ
て設置された第1の梁部材、7は一対の脚部3に連続し
て設けられた一対の柱部、9は一対の柱部7の上端に該
柱部7の両方に亘って設置された第2の梁部材である。
21、23はそれぞれ第1の梁部材5、第2の梁部材9
に設置された橋桁である。
【0004】図5は図4に示したラーメン橋脚1の第1
の梁部材5の中央部の拡大図である。図5に示すよう
に、第1の梁部材5は複数の鋼板をBOX 状に溶接接合し
て構成され(5aは側板(ウェブ)を示す。)、内部に
は剛性を高めるためのダイアフラム5cが所定の間隔を
離して設置されている。
【0005】図6は図4に示した従来のラーメン橋脚1
が地震力を受けた場合の梁部材に生ずるせん断座屈のメ
カニズムを説明する説明図である。ラーメン橋脚1が、
図6(a)に示すように左側からの地震力31を受けた
場合、第1の梁部材5にはその端部に図6(b)の様な
曲げモーメント33が作用する。この曲げモーメント3
3は第1の梁部材5に図6(c)のようにせん断力Qを
作用させるので、ウェブにはせん断座屈29(斜め方向
の皺)に伴う斜張力Pが生じ斜張力方向の塑性変形が生
じる。
【0006】地震力が図6(a)と逆の右側から作用す
ると、図6(d)に示すような斜張力場となるので、交
番的に地震力が作用する場合には図6(e)に示すよう
なX形の皺が寄る結果となる。中井らの論文では、せん
断座屈に伴う塑性変形が効果的に地震エネルギーを吸収
した結果、橋脚基部17や隅角部15の変形を緩和し、
ラーメン橋脚は倒壊に至らなかったと結論付けている。
なお、せん断を受けるウェブの効果的なエネルギー吸収
特性は、古くから実験的に確認されている(例えばBasl
er,K.:Strength of plate girders in shear,Journal o
f the Structural Division,Proceedings of the Ameri
can Society ofCivil Engineers,ST7,pp151-180,Octobe
r,1961)。
【0007】図7は他の従来例の説明図であり、鉄道高
架橋の耐震補強法に関する学術論文(新保弘、森川昌
司、岡本裕昭、日紫喜剛啓:ブレースと鋼製ダンパーに
よるラーメン高架橋の耐震補強工法、土木学会第52回
年次学術講演会、I-BlO9,pp218-219,1997 年9 月)に掲
載されたものである。
【0008】図7に示したものは、橋脚3の間にブレー
ス材16を設置し、ブレース材16天端と横梁5との間
に鋼製ダンパー18(235Mpa程度の低降伏点鋼
製)を設けたものである。そして、地震時には、横梁5
とブレース材16天端の相対変位により鋼製ダンパー1
8にせん断力が作用し、これが主構造である橋脚3や横
梁5よりも早期に降伏するため、鋼製タンパー18が地
震エネルギーを吸収し、耐震性が向上するというもので
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の図4に関する記
述は阪神大震災後の解析によるものであるが、ここに示
したラーメン橋脚には耐震性を向上させるための措置は
特に講じられていなかった。つまり、上述の解析で示し
た側板はせん断座屈、および塑性変形することによつて
地震エネルギーを全て吸収するように設計されていた訳
ではないので、当然ながら橋脚基部17や隅角部15
(図6参照)にも過大な曲げ変形が生じ、橋脚が倒壊に
至る危険性があった。
【0010】また、倒壊を免れたとしても、地震後にラ
ーメン橋脚1の梁部材5の側板にせん断座屈が生じて、
塑性変形を受けた場合、地震力による塑性ひずみが累積
されているので、さらに塑性変形を受けると側板に亀裂
が発生してしまい、これ以上地震エネルギーを吸収でき
ない可能性がある。そのため、地震後には側板を新しい
ものに交換する必要がある。ところが、側板を取り替え
るには、足場を築いてガス切断、溶接といった作業を行
わなくてはならないため、地上の路面の交通を長期間遮
断しなければならない。また、横梁という主部材そのも
のにおいて、フランジとウェブから構成されるBOX 断面
の一部である側板が損傷するため、梁としての剛性を期
待することは難しい。
【0011】一方、図7の例では、桁下空間20がブレ
ース材16によって狭くなっているが、多くの都市高速
道路では、桁下空間は車道として供用されているので、
ブレースの無いラーメン橋脚が一般的であり、ブレース
材を使った耐震補強を都市高速道路に用いることは一般
的でない。
【0012】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたものであり、ラーメン橋脚の耐震性を向上させ、
地震エネルギーを受けた場合にもラーメン橋脚自体に大
きな損傷が生ずるのを防止できるラーメン橋脚の耐震梁
を得ることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係るラーメン橋
脚の耐震梁は、単層または多層のラーメン橋脚に主構造
とは別に耐震補強を目的として設けられるものであっ
て、梁の側板部に極軟鋼からなる側板要素を有するもの
である。
【0014】また、側板要素あるいは梁全体を交換可能
に設置したものである。
【0015】さらに、側板要素を、梁部材の軸方向中央
付近に配置したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態であ
る耐震梁を設置したラーメン橋脚の説明図であり、図1
(a)がラーメン橋脚の正面図、図1(b)が側面図で
ある。図において、1は門形のラーメン橋脚、3は基礎
部に立設されたラーメン橋脚の脚部、9はラーメン橋脚
1の上端に架設された既設横梁である。既設横梁9には
構造用鋼(普通鋼および高張力鋼)が用いられている。
ラーメン橋脚1は、脚部3及び既設横梁9によって主構
造が構成されている。
【0017】5は脚部3の高さ中程に設置された耐震梁
であり、従来例で示したのと同様のBOX 構造のものであ
る。この耐震梁5は、桁を載荷することを目的としてお
らず、その側板の中央付近には、地震時の外力により塑
性ひずみが発生容易な側板要素6が用いられている。こ
の側板要素6として、剛性が普通鋼と同じで降伏点が約
半分の極軟鋼を用いている。
【0018】ここで、耐震梁5の作用について説明す
る。図2は、地震力31が集中荷重として既設横梁位置
に作用した場合の曲げモーメント図であり、図2(a)
は耐震梁5を設置しない場合、図2(b)は耐震梁5を
高さ中央に設置した場合を表わしている。これら図2
(a)、(b)の比較から分かるように、地震力による
曲げモーメントは耐震梁5によっても分担されるので、
耐震梁5は、橋脚基部17、隅角部15の曲げモーメン
トを低減する作用がある。
【0019】曲げモーメントは既設横梁9ならびに耐震
梁5にせん断力を発生させるが、耐震梁5の剛性は既設
横梁9と同じなので、耐震梁5と既設横梁9にはほぼ等
しいせん断力が生じる。一方、耐震梁5の側板要素6の
降伏点は既設横梁9のそれよりも低いので早期にせん断
降伏が起こる。そのため、側板要素6に集中的に塑性変
形が生じ、これによって地震力が吸収されるのである。
このように、耐震梁5の中央部の側板要素6に塑性変形
を集中させることによって、既設横梁9の損傷を最小限
に止めることができる。
【0020】なお、耐震梁5を早くせん断降伏させるた
めに側板の板厚を薄くすることも考えられるが、板厚を
薄くすると耐震梁5の剛比が低下し、耐震梁5にせん断
力が有効に作用しなくなってしまう。そこで、本実施の
形態においては、上述したように剛性が普通鋼と同じで
降伏点の低い極軟鋼を側板中央部に有する耐震梁5を用
いることによって、耐震梁5に既設横梁9と同程度のせ
ん断力を生じさせ、かつ耐震梁5を早期にせん断降伏さ
せるようにしたのである。
【0021】以上のように本実施の形態によれば、地震
力という水平荷重を想定した場合、耐震梁5を設置する
ことにより、既設橋脚基部や隅角部の曲げモーメントを
低減できると共に、耐震梁5のせん断降伏後の塑性変形
により地震エネルギーを吸収できるため、既設橋脚、既
設横梁に大きい損傷を与えることがなく、耐震性を向上
することができる。また、上記の例では既設ラーメンは
1層であるが、耐震梁5を設置することにより2層ラー
メンとなるので、橋脚の有効座屈長が短くなり、設計が
合理化される。
【0022】なお、耐震梁5のせん断力は一定となるた
め、図1(a)の様に耐震梁5の中央付近にのみ極軟鋼
を用いることによって、せん断変形を集中させてもよい
し、耐震梁5全体に分散させてもよい。ただし、地震後
に耐震梁5を交換することを考えると、耐震梁5全体を
せん断降伏させ、耐震梁5全体を交換するよりも、上記
実施の形態のように中央付近に極軟鋼パネルを集中させ
て、部分的に交換する方が得策である。また、極軟鋼パ
ネルをボルト接合することによって着脱容易にすれば、
地震後の交換作業がさらに容易になる。
【0023】なお、耐震梁5の位置は必ずしも橋脚の半
分高さの位置である必要はなく、耐震梁5の剛性の調整
により設置位置を上下させることも可能である。また、
耐震梁5の断面は、フランジとウェブから構成されれ
ば、ウェブにせん断力が作用するので、必ずしもBOX 断
面である必要はなく、所要の剛性が確保できるのであれ
ば、例えば橋脚側面図である図3に示すようなI型のプ
レートガーダー8であってもよい。
【0024】また、本発明は既設のラーメン橋脚に後か
ら付加する場合のみを対象としたものではなく、新設の
ラーメン橋脚に関しても適用可能であることは言うまで
もない。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、以下のような効果を奏する。
【0026】梁の側板部に極軟鋼からなる側板要素を有
する耐震梁を設けることにより、既設橋脚の基部や隅角
部の曲げモーメントを低減することができると共に、耐
震梁のせん断降伏後の塑性変形により地震エネルギーを
吸収することができる。このため、既設橋脚、横梁の損
傷を最小限に止めることができる。
【0027】また、耐震梁のせん断降伏により塑性変形
は、ラーメン橋脚全体の変形能(ダクティリティー)を
向上させることができるため、設計における余剰耐力を
期待することができる。さらに、既設横梁のせん断降伏
を考慮しないので、主構造部分である既設横梁の断面の
一部であるウェブを損傷することがなく、損傷を耐震梁
に集中させることができる。地震後の修復も、耐震梁の
みの交換、あるいは部分的な修復により可能である。
【0028】また、従来例で示した斜めブレースによる
耐震補強デバイスは、桁下空間を狭くするため、地面上
の交通が難しくなるが、本発明は斜めブレースほど桁下
空間を狭くすることがなく、また取付位置を上下させる
ことも可能であるので、耐震梁の設置高さを工夫すする
ことにより、桁下空間を交通に供することが可能とな
る。
【0029】さらに、耐震梁を設置しない場合において
も、地震荷重以外の死荷重と活荷重に耐えるように設計
しておけば、地震により耐震梁が塑性変形した場合に
も、その修復の際に交通を遮断する必要がないので、地
震後に交通網が混乱する暫くの期間においても、一般交
通に供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の説明図である。
【図2】 本発明の一実施の形態の作用の説明図であ
る。
【図3】 本発明の一実施の形態の他の態様の説明図で
ある。
【図4】 従来のラーメン橋脚の説明図である。
【図5】 従来のラーメン橋脚の梁の構造を説明する説
明図である。
【図6】 ラーメン橋脚の梁部材における側板のせん断
座屈のメカニズムの説明図である。
【図7】 他の従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 ラーメン橋脚 3 脚部 5 耐震梁 6 側板要素 9 既設梁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−263499(JP,A) 特開 平11−81234(JP,A) 特開 平9−78533(JP,A) 特開 昭64−48695(JP,A) 特公 昭52−31103(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01D 19/00 - 19/02 E01D 2/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単層または多層のラーメン橋脚に、主構
    造とは別に耐震補強を目的として設けられる耐震梁であ
    って、 梁の側板部に極軟鋼からなる側板要素を有することを特
    徴とするラーメン橋脚の耐震梁。
  2. 【請求項2】 前記側板要素あるいは梁全体を交換可能
    に設置したことを特徴とする請求項1記載のラーメン橋
    脚の耐震梁。
  3. 【請求項3】 前記側板要素を、前記梁部材の軸方向中
    央付近に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載
    のラーメン橋脚の耐震梁。
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