JP3395353B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents
アンチスキッド制御装置Info
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- JP3395353B2 JP3395353B2 JP11153994A JP11153994A JP3395353B2 JP 3395353 B2 JP3395353 B2 JP 3395353B2 JP 11153994 A JP11153994 A JP 11153994A JP 11153994 A JP11153994 A JP 11153994A JP 3395353 B2 JP3395353 B2 JP 3395353B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制動時に各輪に配設さ
れた制動用シリンダの流体圧を最適状態に制御して車輪
のロックを防止すると共に,特に旋回時の車両運動に改
良を加えたアンチスキッド制御装置に関するものであ
る。
れた制動用シリンダの流体圧を最適状態に制御して車輪
のロックを防止すると共に,特に旋回時の車両運動に改
良を加えたアンチスキッド制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両の制動時における車輪のロックを防
止するアンチスキッド制御装置は、一般に,制御対象車
輪の車輪速を検出して,その車体速(誤差等の関係から
最大車輪速と等価であると判断される場合が多い)との
偏差の比からスリップ率を算出し、このスリップ率が,
舵取り効果や制動距離の確保に有効とされるスリップ率
の基準値である基準スリップ率を越えるような場合に
は,制動用シリンダへの流体圧を減圧し、この減圧によ
って当該車輪のスリップ率が基準スリップ率以下となる
と再び制動用シリンダへの流体圧を増圧し、所謂ポンピ
ングブレーキ的な操作を自動制御することによって制動
力を調整制御する。
止するアンチスキッド制御装置は、一般に,制御対象車
輪の車輪速を検出して,その車体速(誤差等の関係から
最大車輪速と等価であると判断される場合が多い)との
偏差の比からスリップ率を算出し、このスリップ率が,
舵取り効果や制動距離の確保に有効とされるスリップ率
の基準値である基準スリップ率を越えるような場合に
は,制動用シリンダへの流体圧を減圧し、この減圧によ
って当該車輪のスリップ率が基準スリップ率以下となる
と再び制動用シリンダへの流体圧を増圧し、所謂ポンピ
ングブレーキ的な操作を自動制御することによって制動
力を調整制御する。
【0003】このようなアンチスキッド制御装置として
は、例えば特開昭61−232952号公報(以下,第
1従来例とも記す)に示されるように,アンチスキッド
制御に用いるスリップ率の基準値を操舵状態に応じて調
整することにより、旋回性能の向上を可能とするものが
提案されている。このアンチスキッド制御装置によれ
ば、ステアリングホイルの操舵角によって車両が直進し
ているか旋回しているかを判断し、非操舵中の場合は前
記基準スリップ率を大きくして限界制動力の設定を高め
ることにより制動距離の短縮を図り、他方,操舵による
旋回中には前記基準スリップ率を小さくして横力を確保
することにより車両安定性を向上させることができる。
具体的に、スリップ率の基準値である基準スリップ率を
小さくすることによって制御対象輪のスリップ率がこの
基準スリップ率を越えるタイミングが早くなり、従って
制動用シリンダへの流体圧の減圧タイミングが早くなる
から全ての車輪の制動力は小さくなり、結果的に旋回中
の各輪のコーナリングフォースは,摩擦円の概念から,
相対的に大きくなってヨーレートの増加を抑制防止し、
旋回性能を確保しようとするものである。なお、当該公
報にはヨーレートを検出する手段が開示されているが,
この検出手段で検出されたヨーレート検出値に対して制
動力のフィードバック制御が実施されることは開示され
ていない。
は、例えば特開昭61−232952号公報(以下,第
1従来例とも記す)に示されるように,アンチスキッド
制御に用いるスリップ率の基準値を操舵状態に応じて調
整することにより、旋回性能の向上を可能とするものが
提案されている。このアンチスキッド制御装置によれ
ば、ステアリングホイルの操舵角によって車両が直進し
ているか旋回しているかを判断し、非操舵中の場合は前
記基準スリップ率を大きくして限界制動力の設定を高め
ることにより制動距離の短縮を図り、他方,操舵による
旋回中には前記基準スリップ率を小さくして横力を確保
することにより車両安定性を向上させることができる。
具体的に、スリップ率の基準値である基準スリップ率を
小さくすることによって制御対象輪のスリップ率がこの
基準スリップ率を越えるタイミングが早くなり、従って
制動用シリンダへの流体圧の減圧タイミングが早くなる
から全ての車輪の制動力は小さくなり、結果的に旋回中
の各輪のコーナリングフォースは,摩擦円の概念から,
相対的に大きくなってヨーレートの増加を抑制防止し、
旋回性能を確保しようとするものである。なお、当該公
報にはヨーレートを検出する手段が開示されているが,
この検出手段で検出されたヨーレート検出値に対して制
動力のフィードバック制御が実施されることは開示され
ていない。
【0004】また、旋回中の制動における車両の安定性
を向上させるものとしては、例えば特開平2−6825
2号公報(以下,第2従来例とも記す)に記載されるア
ンチスキッド制御装置がある。このアンチスキッド制御
装置によれば、操舵角と操舵速度,又はヨーレート等に
よって旋回の強さを判断し、これに応じて車両各軸の基
準車体速を調整して車両の安定性が向上される。具体的
にヨーレートの増加を抑制防止するためには、例えばス
リップ率の基準値となる基準スリップ率に対する旋回内
輪のスリップ率が正方向に増加されるように当該車輪速
を所定量だけ減少補正して制動用シリンダへの流体圧の
減圧タイミングを早め,同時に旋回外輪のスリップ率が
負方向に減少されるように当該車輪速を所定量だけ増加
補正して制動用シリンダへの流体圧の増圧タイミングを
早めて制動力を制御し、結果的に発生するヨーモーメン
トを打ち消す方向にコーナリングフォースの増減制御を
行う。逆にヨーレートの減少を抑制防止するためには、
例えば前記基準スリップ率に対する旋回内輪のスリップ
率が負方向に減少されるように当該車輪速を所定量だけ
増加補正して制動用シリンダへの流体圧の増圧タイミン
グを早め,同時に旋回内輪のスリップ率が正方向に増加
されるように当該車輪速を所定量だけ減少補正して制動
用シリンダへの流体圧の減圧タイミングを早めて制動力
を制御し、結果的に発生するヨーモーメントを助長する
方向にコーナリングフォースの増減制御を行う。なお、
前記車輪速の増減補正量,即ち当該車輪のスリップ率の
増減補正量は、車速及び操舵角によって一意に設定され
る。
を向上させるものとしては、例えば特開平2−6825
2号公報(以下,第2従来例とも記す)に記載されるア
ンチスキッド制御装置がある。このアンチスキッド制御
装置によれば、操舵角と操舵速度,又はヨーレート等に
よって旋回の強さを判断し、これに応じて車両各軸の基
準車体速を調整して車両の安定性が向上される。具体的
にヨーレートの増加を抑制防止するためには、例えばス
リップ率の基準値となる基準スリップ率に対する旋回内
輪のスリップ率が正方向に増加されるように当該車輪速
を所定量だけ減少補正して制動用シリンダへの流体圧の
減圧タイミングを早め,同時に旋回外輪のスリップ率が
負方向に減少されるように当該車輪速を所定量だけ増加
補正して制動用シリンダへの流体圧の増圧タイミングを
早めて制動力を制御し、結果的に発生するヨーモーメン
トを打ち消す方向にコーナリングフォースの増減制御を
行う。逆にヨーレートの減少を抑制防止するためには、
例えば前記基準スリップ率に対する旋回内輪のスリップ
率が負方向に減少されるように当該車輪速を所定量だけ
増加補正して制動用シリンダへの流体圧の増圧タイミン
グを早め,同時に旋回内輪のスリップ率が正方向に増加
されるように当該車輪速を所定量だけ減少補正して制動
用シリンダへの流体圧の減圧タイミングを早めて制動力
を制御し、結果的に発生するヨーモーメントを助長する
方向にコーナリングフォースの増減制御を行う。なお、
前記車輪速の増減補正量,即ち当該車輪のスリップ率の
増減補正量は、車速及び操舵角によって一意に設定され
る。
【0005】また、このように車両の旋回性能を向上し
ようとするアンチスキッド制御装置には,本出願人が先
に提案した特開平3−246152号公報(以下,第3
従来例とも記す)に記載されるものもある。このアンチ
スキッド制御装置は、旋回内外輪で制動力差を発生する
ことにより回頭性を向上するものであるが、更にこの制
動力差に路面摩擦係数状態に係る係数を乗じて当該路面
における制動旋回中の挙動を安定化しようとするもので
ある。具体的には、当該公報に記載される路面摩擦係数
状態検出装置によって当該路面の摩擦係数状態を検出
し、予め設定されている制動力差,即ち旋回内輪の制動
用シリンダと旋回外輪の制動用シリンダとの流体圧の差
に対して,路面摩擦係数状態が小さいほど小さく設定さ
れる係数を乗じて当該路面における流体圧の差を算出
し、この流体圧差が発生するように旋回内輪の制動用シ
リンダへの流体圧を増加方向に制御すると共に旋回外輪
の制動用シリンダへの流体圧を減少方向に制御する。従
って、当該路面の摩擦係数状態に応じた旋回内外輪の制
動力差が発生して所望するヨーレートを得ることができ
るというものである。なお、当該公報に記載されるアン
チスキッド制御装置では,このように目標したヨーレー
トに対して、実際の車両で発生するヨーレートとの偏差
を補正するフィードバック制御は開示されていない。
ようとするアンチスキッド制御装置には,本出願人が先
に提案した特開平3−246152号公報(以下,第3
従来例とも記す)に記載されるものもある。このアンチ
スキッド制御装置は、旋回内外輪で制動力差を発生する
ことにより回頭性を向上するものであるが、更にこの制
動力差に路面摩擦係数状態に係る係数を乗じて当該路面
における制動旋回中の挙動を安定化しようとするもので
ある。具体的には、当該公報に記載される路面摩擦係数
状態検出装置によって当該路面の摩擦係数状態を検出
し、予め設定されている制動力差,即ち旋回内輪の制動
用シリンダと旋回外輪の制動用シリンダとの流体圧の差
に対して,路面摩擦係数状態が小さいほど小さく設定さ
れる係数を乗じて当該路面における流体圧の差を算出
し、この流体圧差が発生するように旋回内輪の制動用シ
リンダへの流体圧を増加方向に制御すると共に旋回外輪
の制動用シリンダへの流体圧を減少方向に制御する。従
って、当該路面の摩擦係数状態に応じた旋回内外輪の制
動力差が発生して所望するヨーレートを得ることができ
るというものである。なお、当該公報に記載されるアン
チスキッド制御装置では,このように目標したヨーレー
トに対して、実際の車両で発生するヨーレートとの偏差
を補正するフィードバック制御は開示されていない。
【0006】前記のようにアンチスキッド制御で使用さ
れる基準スリップ率等の物理量,即ち制動用シリンダへ
の流体圧の増減圧タイミングの制御量を固定せずに変更
し得るようにすると,これらを固定してしまうアンチス
キッド制御装置の場合に比して旋回中の制動における車
両安定性の確保に寄与できる。
れる基準スリップ率等の物理量,即ち制動用シリンダへ
の流体圧の増減圧タイミングの制御量を固定せずに変更
し得るようにすると,これらを固定してしまうアンチス
キッド制御装置の場合に比して旋回中の制動における車
両安定性の確保に寄与できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のアンチスキッド制御装置には以下のような問題があ
る。まず、前記第1従来例では,ヨーレートの増加を抑
制防止するために各車輪のコーナリングフォースを確保
しようとするばかり,旋回中は常に基準スリップ率を小
さく補正設定するため、制御対象となる全ての車輪の制
動用シリンダの流体圧は,その減圧タイミングが常に早
めになってしまい、旋回中の制動力は常に減少傾向とな
って制動距離が増長する虞れがある。但し、旋回中の制
動力は常に減少傾向であるから,その減少量,即ち前記
減圧を早めるタイミングを調整することで、路面の摩擦
係数状態が小さい,所謂低μ路面でもコーナリングフォ
ースを確保することは可能である。
来のアンチスキッド制御装置には以下のような問題があ
る。まず、前記第1従来例では,ヨーレートの増加を抑
制防止するために各車輪のコーナリングフォースを確保
しようとするばかり,旋回中は常に基準スリップ率を小
さく補正設定するため、制御対象となる全ての車輪の制
動用シリンダの流体圧は,その減圧タイミングが常に早
めになってしまい、旋回中の制動力は常に減少傾向とな
って制動距離が増長する虞れがある。但し、旋回中の制
動力は常に減少傾向であるから,その減少量,即ち前記
減圧を早めるタイミングを調整することで、路面の摩擦
係数状態が小さい,所謂低μ路面でもコーナリングフォ
ースを確保することは可能である。
【0008】また、前記第2従来例では,前記制動用シ
リンダへの流体圧の増減圧タイミングを調整するスリッ
プ率の増減補正量は,操舵角及び車速によって一意に設
定されてしまうため、この増減補正量−操舵角及び車速
特性,つまり目標ヨーレートに対するスリップ率の増減
補正量の割合を,路面の摩擦係数状態が大きい,所謂高
μ路面で高い回頭性や走行安定性が得られるように目標
ヨーレートと検出される実ヨーレートとの偏差に対して
大きく設定すると、路面の摩擦係数状態が小さい,所謂
低μ路面でも操舵角及び車速,つまり目標ヨーレートが
同等の条件下では,スリップ率の増加補正量が高μ路面
と同等に大きくなり、従って当該制御対象輪の制動用シ
リンダへの流体圧の減圧タイミングが遅くなって制動力
は増加傾向になり、結果的に前記摩擦円の概念から当該
車輪のコーナリングフォースが低下して,車両の走行軌
跡が旋回方向外側に膨らんでしまう虞れがある。逆に、
低μ路面での制動旋回時に車両の走行軌跡が旋回方向外
側に膨らまないように,操舵角及び車速等に基づく目標
ヨーレートと実ヨーレートとの偏差に対する前記スリッ
プ率の増減補正量の割合を小さくしてしまうと、例えば
高μ路面における同等の目標ヨーレートに対してスリッ
プ率の減少補正量が低μ路面と同等に小さくなるから、
当該制御対象車輪の制動用シリンダへの流体圧の増圧タ
イミングが遅くなって制動力は減少傾向になり、例えば
当該制御対象輪が旋回内輪であってヨーレートを増加し
たい場合には,車輪減速度が小さくなって十分な回頭性
が得られず、逆に当該制御対象輪が旋回外輪であってヨ
ーレートを減少したい場合には,車輪減速度が小さくな
って十分な走行安定性が得られないという背反する矛盾
が発生する虞れがある。
リンダへの流体圧の増減圧タイミングを調整するスリッ
プ率の増減補正量は,操舵角及び車速によって一意に設
定されてしまうため、この増減補正量−操舵角及び車速
特性,つまり目標ヨーレートに対するスリップ率の増減
補正量の割合を,路面の摩擦係数状態が大きい,所謂高
μ路面で高い回頭性や走行安定性が得られるように目標
ヨーレートと検出される実ヨーレートとの偏差に対して
大きく設定すると、路面の摩擦係数状態が小さい,所謂
低μ路面でも操舵角及び車速,つまり目標ヨーレートが
同等の条件下では,スリップ率の増加補正量が高μ路面
と同等に大きくなり、従って当該制御対象輪の制動用シ
リンダへの流体圧の減圧タイミングが遅くなって制動力
は増加傾向になり、結果的に前記摩擦円の概念から当該
車輪のコーナリングフォースが低下して,車両の走行軌
跡が旋回方向外側に膨らんでしまう虞れがある。逆に、
低μ路面での制動旋回時に車両の走行軌跡が旋回方向外
側に膨らまないように,操舵角及び車速等に基づく目標
ヨーレートと実ヨーレートとの偏差に対する前記スリッ
プ率の増減補正量の割合を小さくしてしまうと、例えば
高μ路面における同等の目標ヨーレートに対してスリッ
プ率の減少補正量が低μ路面と同等に小さくなるから、
当該制御対象車輪の制動用シリンダへの流体圧の増圧タ
イミングが遅くなって制動力は減少傾向になり、例えば
当該制御対象輪が旋回内輪であってヨーレートを増加し
たい場合には,車輪減速度が小さくなって十分な回頭性
が得られず、逆に当該制御対象輪が旋回外輪であってヨ
ーレートを減少したい場合には,車輪減速度が小さくな
って十分な走行安定性が得られないという背反する矛盾
が発生する虞れがある。
【0009】また、前記第3従来例では,路面摩擦係数
状態の低下に伴って小さくなる係数を旋回に必要な制動
力差に乗じて,その結果,得られた制動力差を発生する
ように制動用シリンダへの流体圧の増減圧タイミングを
制御するようにし、しかも車両で実際に発生している実
ヨーレートとの偏差に応じて前記制動用シリンダへの流
体圧の増減圧タイミングをフィードバック制御により補
正しないため、当該低μ路面では目標とするヨーレート
を達成するための制動力差を得ることができず、結果的
に車両には十分なヨーモーメントが発生せずに十分な旋
回性能を得られない場合がある。
状態の低下に伴って小さくなる係数を旋回に必要な制動
力差に乗じて,その結果,得られた制動力差を発生する
ように制動用シリンダへの流体圧の増減圧タイミングを
制御するようにし、しかも車両で実際に発生している実
ヨーレートとの偏差に応じて前記制動用シリンダへの流
体圧の増減圧タイミングをフィードバック制御により補
正しないため、当該低μ路面では目標とするヨーレート
を達成するための制動力差を得ることができず、結果的
に車両には十分なヨーモーメントが発生せずに十分な旋
回性能を得られない場合がある。
【0010】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、必要なヨーレートを発生させると共に,
十分なコーナリングフォースを得て、あらゆる摩擦係数
状態の路面で安定した回頭性と走行安定性とを両立した
旋回性能を得ることのできるアンチスキッド制御装置を
提供することを目的とするものである。
たものであり、必要なヨーレートを発生させると共に,
十分なコーナリングフォースを得て、あらゆる摩擦係数
状態の路面で安定した回頭性と走行安定性とを両立した
旋回性能を得ることのできるアンチスキッド制御装置を
提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本件発明者等は前記諸問
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果,以下の知見を得
て本発明を開発した。即ち、路面の摩擦係数状態に関わ
らず,車両で達成したい目標ヨーレート,つまり必要な
ヨーモーメントは操舵角と車速とに基づいて一意に設定
される。そして、この目標ヨーレートを達成するために
は,例えば前後輪間や左右輪間で制動力差を発生する必
要があり、この制動力差はアンチスキッド制御による制
動用シリンダへの流体圧の増減圧タイミングで制御する
ことができるから、前述と同様に当該流体圧の増減圧タ
イミングに係る各スリップ率,つまり基準となる基準ス
リップ率か,実際の車輪のスリップ率か,或いは両者の
偏差を補正すればよい。つまり、車両全体としての減速
度,即ち全制動力が変化しないようにして必要なヨーレ
ートを達成するために、この制動用シリンダへの流体圧
の増減圧タイミングを制御するには、前後輪間又は左右
輪間で,何れかの車輪のスリップ率が基準スリップ率を
越え易くなるように所定量だけ補正して当該車輪の制動
用シリンダへの流体圧の増圧タイミングを早め,一方何
れかの車輪のスリップ率が基準スリップ率を越えにくく
なるように所定量補正して当該車輪の制動用シリンダへ
の流体圧の減圧タイミングを早めればよく、この所定補
正量を両車輪間で同等にすればよい。しかし、このとき
に問題となるのは,例えば制動用シリンダへの流体圧の
増圧タイミングが早められた或いは相対的に減圧タイミ
ングが遅れられて制動力が増加する車輪である。このよ
うに制動力が増加する車輪は、前記摩擦円の概念に従っ
て,低μ路面でコーナリングフォースが低下し、車両は
十分な旋回求心力を失って旋回方向外側に膨らんでしま
う虞れがある。そこで、路面摩擦係数状態を検出し、こ
の路面摩擦係数状態が小さい場合,即ち低μ路面では、
少なくともこのように制動力が増加する車輪の制動用シ
リンダへの流体圧の増減圧タイミングに係る補正量,即
ち当該車輪のスリップ率が基準スリップ率を越え易くな
るような所定補正量をやや小さめにすればよい。更に、
このように制動力の増加側の増加量だけを一方的に小さ
くしてしまったのでは,車両全体としての制動力,即ち
減速度が小さくなって制動距離を確保できなくなる虞れ
があるし、また前記必要なヨーレートを得るための必要
な制動力差を発生し得なくなって十分なヨーモーメント
が発生しない虞れがある。そこで、前述のようにスリッ
プ率を補正して各制動用シリンダへの流体圧の増減圧タ
イミングを補正する,その所定補正量そのものを、前記
目標ヨーレートと実際に車両に作用する実ヨーレートと
の偏差に応じて設定し、これにより常に当該流体圧の増
減圧タイミングそのものが目標ヨーレートに対してフィ
ードバック制御されるようにする。これによれば、例え
ば急激な路面摩擦係数状態の低下に伴って増加側の制動
力の増加量上限値が減少し、その結果,一時的に必要な
目標ヨーレートが達成できないとしても、当該目標ヨー
レートと実ヨーレートとの偏差に基づいて,例えば前記
増加側の制動力の増加量は前述のようにそれ以上大きく
できないとしても,減少側の制動力の減少量をそれ以上
に大きくすることによって、最終的に必要な制動力差が
発生し、実ヨーレートは目標ヨーレートに対してフィー
ドバック制御されて十分なヨーモーメントを得ることが
できる。勿論、制御対象車輪の全ての制動力は減少方向
に補正されることになるから、十分なコーナリングフォ
ースを確保して車両求心力を確保することができる。な
お、路面摩擦係数状態を,実際の路面から検出すること
は,少なくとも現時点では比較的困難であるために、当
該旋回中の路面摩擦係数状態と等価である車両の横加速
度を検出して代替えすることができる。即ち、旋回中の
横加速度は車両の求心力である各車輪のコーナリングフ
ォースに依存し、前述のようにコーナリングフォースそ
のものが,タイヤと路面との摩擦力,即ち路面摩擦係数
状態に依存しているからである。
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果,以下の知見を得
て本発明を開発した。即ち、路面の摩擦係数状態に関わ
らず,車両で達成したい目標ヨーレート,つまり必要な
ヨーモーメントは操舵角と車速とに基づいて一意に設定
される。そして、この目標ヨーレートを達成するために
は,例えば前後輪間や左右輪間で制動力差を発生する必
要があり、この制動力差はアンチスキッド制御による制
動用シリンダへの流体圧の増減圧タイミングで制御する
ことができるから、前述と同様に当該流体圧の増減圧タ
イミングに係る各スリップ率,つまり基準となる基準ス
リップ率か,実際の車輪のスリップ率か,或いは両者の
偏差を補正すればよい。つまり、車両全体としての減速
度,即ち全制動力が変化しないようにして必要なヨーレ
ートを達成するために、この制動用シリンダへの流体圧
の増減圧タイミングを制御するには、前後輪間又は左右
輪間で,何れかの車輪のスリップ率が基準スリップ率を
越え易くなるように所定量だけ補正して当該車輪の制動
用シリンダへの流体圧の増圧タイミングを早め,一方何
れかの車輪のスリップ率が基準スリップ率を越えにくく
なるように所定量補正して当該車輪の制動用シリンダへ
の流体圧の減圧タイミングを早めればよく、この所定補
正量を両車輪間で同等にすればよい。しかし、このとき
に問題となるのは,例えば制動用シリンダへの流体圧の
増圧タイミングが早められた或いは相対的に減圧タイミ
ングが遅れられて制動力が増加する車輪である。このよ
うに制動力が増加する車輪は、前記摩擦円の概念に従っ
て,低μ路面でコーナリングフォースが低下し、車両は
十分な旋回求心力を失って旋回方向外側に膨らんでしま
う虞れがある。そこで、路面摩擦係数状態を検出し、こ
の路面摩擦係数状態が小さい場合,即ち低μ路面では、
少なくともこのように制動力が増加する車輪の制動用シ
リンダへの流体圧の増減圧タイミングに係る補正量,即
ち当該車輪のスリップ率が基準スリップ率を越え易くな
るような所定補正量をやや小さめにすればよい。更に、
このように制動力の増加側の増加量だけを一方的に小さ
くしてしまったのでは,車両全体としての制動力,即ち
減速度が小さくなって制動距離を確保できなくなる虞れ
があるし、また前記必要なヨーレートを得るための必要
な制動力差を発生し得なくなって十分なヨーモーメント
が発生しない虞れがある。そこで、前述のようにスリッ
プ率を補正して各制動用シリンダへの流体圧の増減圧タ
イミングを補正する,その所定補正量そのものを、前記
目標ヨーレートと実際に車両に作用する実ヨーレートと
の偏差に応じて設定し、これにより常に当該流体圧の増
減圧タイミングそのものが目標ヨーレートに対してフィ
ードバック制御されるようにする。これによれば、例え
ば急激な路面摩擦係数状態の低下に伴って増加側の制動
力の増加量上限値が減少し、その結果,一時的に必要な
目標ヨーレートが達成できないとしても、当該目標ヨー
レートと実ヨーレートとの偏差に基づいて,例えば前記
増加側の制動力の増加量は前述のようにそれ以上大きく
できないとしても,減少側の制動力の減少量をそれ以上
に大きくすることによって、最終的に必要な制動力差が
発生し、実ヨーレートは目標ヨーレートに対してフィー
ドバック制御されて十分なヨーモーメントを得ることが
できる。勿論、制御対象車輪の全ての制動力は減少方向
に補正されることになるから、十分なコーナリングフォ
ースを確保して車両求心力を確保することができる。な
お、路面摩擦係数状態を,実際の路面から検出すること
は,少なくとも現時点では比較的困難であるために、当
該旋回中の路面摩擦係数状態と等価である車両の横加速
度を検出して代替えすることができる。即ち、旋回中の
横加速度は車両の求心力である各車輪のコーナリングフ
ォースに依存し、前述のようにコーナリングフォースそ
のものが,タイヤと路面との摩擦力,即ち路面摩擦係数
状態に依存しているからである。
【0012】而して本発明のうち請求項1に係るアンチ
スキッド制御装置は図1の基本構成図に示すように、車
輪のスリップ率が基準スリップ率に保たれるように,各
輪に備えられた制動用シリンダへの流体圧を制御して、
当該制御対象となる車輪のロックを防止するアンチスキ
ッド制御装置において、制御対象となる各輪の車輪速を
検出する車輪速検出手段と、路面の摩擦係数状態を検出
する路面摩擦係数状態検出手段と、車両の操舵状態を検
出する操舵状態検出手段と、車両の前後方向車速を検出
する車速検出手段と、少なくとも前記操舵状態検出手段
で検出された操舵状態検出値に基づいて車両の目標ヨー
レートを設定する目標ヨーレート設定手段と、車両に発
生するヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、前
記車輪速検出手段で検出された車輪速検出値及び車速検
出手段で検出された車速検出値に基づいて制御対象とな
る各輪のスリップ率を算出するスリップ率演算手段と、
前記目標ヨーレート設定手段で設定された目標ヨーレー
ト及びヨーレート検出手段で検出されたヨーレート検出
値の偏差に応じて前記スリップ率演算手段で算出される
何れかの車輪のスリップ率算出値が予め設定された前記
基準スリップ率を越え易くなる方向に所定量だけ補正す
ると共に何れかの車輪のスリップ率算出値が当該基準ス
リップ率を越えにくくなる方向に所定量だけ補正するよ
うに当該スリップ率算出値又は基準スリップ率又は両者
の偏差のうちの何れかを補正対象変数として補正するス
リップ率補正手段と、少なくとも前記スリップ率補正手
段で補正された補正対象変数及び前記スリップ率演算手
段で算出されたスリップ率に基づいて前記各輪の制動用
シリンダの流体圧を制御する制動圧制御手段とを備え、
前記スリップ率補正手段は、前記路面摩擦係数状態検出
手段で検出された路面摩擦係数状態検出値が小さいとき
に前記スリップ率算出値が基準スリップ率を越え易くな
る補正量を小さくするようにしたことを特徴とするもの
である。
スキッド制御装置は図1の基本構成図に示すように、車
輪のスリップ率が基準スリップ率に保たれるように,各
輪に備えられた制動用シリンダへの流体圧を制御して、
当該制御対象となる車輪のロックを防止するアンチスキ
ッド制御装置において、制御対象となる各輪の車輪速を
検出する車輪速検出手段と、路面の摩擦係数状態を検出
する路面摩擦係数状態検出手段と、車両の操舵状態を検
出する操舵状態検出手段と、車両の前後方向車速を検出
する車速検出手段と、少なくとも前記操舵状態検出手段
で検出された操舵状態検出値に基づいて車両の目標ヨー
レートを設定する目標ヨーレート設定手段と、車両に発
生するヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、前
記車輪速検出手段で検出された車輪速検出値及び車速検
出手段で検出された車速検出値に基づいて制御対象とな
る各輪のスリップ率を算出するスリップ率演算手段と、
前記目標ヨーレート設定手段で設定された目標ヨーレー
ト及びヨーレート検出手段で検出されたヨーレート検出
値の偏差に応じて前記スリップ率演算手段で算出される
何れかの車輪のスリップ率算出値が予め設定された前記
基準スリップ率を越え易くなる方向に所定量だけ補正す
ると共に何れかの車輪のスリップ率算出値が当該基準ス
リップ率を越えにくくなる方向に所定量だけ補正するよ
うに当該スリップ率算出値又は基準スリップ率又は両者
の偏差のうちの何れかを補正対象変数として補正するス
リップ率補正手段と、少なくとも前記スリップ率補正手
段で補正された補正対象変数及び前記スリップ率演算手
段で算出されたスリップ率に基づいて前記各輪の制動用
シリンダの流体圧を制御する制動圧制御手段とを備え、
前記スリップ率補正手段は、前記路面摩擦係数状態検出
手段で検出された路面摩擦係数状態検出値が小さいとき
に前記スリップ率算出値が基準スリップ率を越え易くな
る補正量を小さくするようにしたことを特徴とするもの
である。
【0013】本発明のうち請求項2に係るアンチスキッ
ド制御装置は、前記路面摩擦係数状態検出手段は,車両
に発生する横加速度検出値に基づいて当該路面の摩擦係
数状態を検出するものであることを特徴とするものであ
る。
ド制御装置は、前記路面摩擦係数状態検出手段は,車両
に発生する横加速度検出値に基づいて当該路面の摩擦係
数状態を検出するものであることを特徴とするものであ
る。
【0014】
【作用】本発明のうち請求項1に係るアンチスキッド制
御装置では、前記操舵状態検出手段によって車両の操舵
状態を検出し、前記車速検出手段によって車両の前後方
向車速を検出する。また、前記スリップ率演算手段で
は,前記車輪速検出手段で検出された各車輪速検出値の
前記車速検出値に対する偏差の比から、当該車輪のスリ
ップ率を演算する。そして、前記目標ヨーレート設定手
段では,少なくとも前記車両の操舵状態検出値や実質的
には車速検出値にも基づいて車両の目標ヨーレートを設
定すると共に、前記ヨーレート検出手段では,車両に発
生するヨーレートを検出する。そして、前記スリップ率
補正手段では,前記目標ヨーレート設定手段で設定され
た目標ヨーレートに対して,前記ヨーレート検出手段で
検出されたヨーレート検出値(実ヨーレート)が小さい
場合、車両のステアリング特性をオーバステア方向にし
て車両の実ヨーレートを大きくしたいから、例えば前記
摩擦円の概念から,後輪の制動力を大きくして相対的に
当該後輪のコーナリングフォースを低下するとか,或い
は旋回外輪の制動力を小さくして当該旋回外輪の車輪速
を相対的に増速し同時に旋回内輪の制動力を大きくして
当該旋回内輪の車輪速を相対的に減速し、逆に目標ヨー
レートよりも実ヨーレートが大きい場合には車両のステ
アリング特性をアンダステア方向にしたいから、例えば
前輪の制動力を大きくして相対的に当該前輪のコーナリ
ングフォースを低下するとか,或いは旋回内輪の制動力
を小さくして当該旋回内輪の車輪速を相対的に増速し同
時に旋回外輪の制動力を大きくして当該旋回外輪の車輪
速を相対的に減速するなどの目的のために、制動力を大
きくしたい車輪に対しては当該車輪の制動用シリンダへ
の流体圧の増圧のタイミングを早めるか又は減圧のタイ
ミングを遅くするように,当該車輪のスリップ率が基準
スリップ率を越えにくくし、同時に制動力を小さくした
い車輪に対しては当該車輪の制動用シリンダへの流体圧
の減圧のタイミングを早めるか又は増圧のタイミングを
遅くするように,当該車輪のスリップ率が基準スリップ
率を越え易くする如く、前記目標ヨーレートに対するヨ
ーレート検出値の偏差に応じて,前記基準スリップ率又
は車輪スリップ率算出値又は両者の偏差を補正対象変数
として補正する。そして、少なくともこのようにして補
正された補正対象変数及び各制御対象車輪のスリップ率
及び必要に応じて算出した当該車輪の車輪加減速度等を
用いて,前記制動圧制御手段では、前記各輪の制動用シ
リンダの流体圧を増減圧制御する。従って、各制御対象
車輪の制動力は,前述のように前後輪間又は左右輪間で
必要な制動力差を発生して車両の実ヨーレートが前記目
標ヨーレートに追従するようにフィードバック制御され
るから、十分なヨーモーメントを得て高い回頭性を維持
すると共に、目標ヨーレートの収束時には高い走行安定
性を確保することもできる。
御装置では、前記操舵状態検出手段によって車両の操舵
状態を検出し、前記車速検出手段によって車両の前後方
向車速を検出する。また、前記スリップ率演算手段で
は,前記車輪速検出手段で検出された各車輪速検出値の
前記車速検出値に対する偏差の比から、当該車輪のスリ
ップ率を演算する。そして、前記目標ヨーレート設定手
段では,少なくとも前記車両の操舵状態検出値や実質的
には車速検出値にも基づいて車両の目標ヨーレートを設
定すると共に、前記ヨーレート検出手段では,車両に発
生するヨーレートを検出する。そして、前記スリップ率
補正手段では,前記目標ヨーレート設定手段で設定され
た目標ヨーレートに対して,前記ヨーレート検出手段で
検出されたヨーレート検出値(実ヨーレート)が小さい
場合、車両のステアリング特性をオーバステア方向にし
て車両の実ヨーレートを大きくしたいから、例えば前記
摩擦円の概念から,後輪の制動力を大きくして相対的に
当該後輪のコーナリングフォースを低下するとか,或い
は旋回外輪の制動力を小さくして当該旋回外輪の車輪速
を相対的に増速し同時に旋回内輪の制動力を大きくして
当該旋回内輪の車輪速を相対的に減速し、逆に目標ヨー
レートよりも実ヨーレートが大きい場合には車両のステ
アリング特性をアンダステア方向にしたいから、例えば
前輪の制動力を大きくして相対的に当該前輪のコーナリ
ングフォースを低下するとか,或いは旋回内輪の制動力
を小さくして当該旋回内輪の車輪速を相対的に増速し同
時に旋回外輪の制動力を大きくして当該旋回外輪の車輪
速を相対的に減速するなどの目的のために、制動力を大
きくしたい車輪に対しては当該車輪の制動用シリンダへ
の流体圧の増圧のタイミングを早めるか又は減圧のタイ
ミングを遅くするように,当該車輪のスリップ率が基準
スリップ率を越えにくくし、同時に制動力を小さくした
い車輪に対しては当該車輪の制動用シリンダへの流体圧
の減圧のタイミングを早めるか又は増圧のタイミングを
遅くするように,当該車輪のスリップ率が基準スリップ
率を越え易くする如く、前記目標ヨーレートに対するヨ
ーレート検出値の偏差に応じて,前記基準スリップ率又
は車輪スリップ率算出値又は両者の偏差を補正対象変数
として補正する。そして、少なくともこのようにして補
正された補正対象変数及び各制御対象車輪のスリップ率
及び必要に応じて算出した当該車輪の車輪加減速度等を
用いて,前記制動圧制御手段では、前記各輪の制動用シ
リンダの流体圧を増減圧制御する。従って、各制御対象
車輪の制動力は,前述のように前後輪間又は左右輪間で
必要な制動力差を発生して車両の実ヨーレートが前記目
標ヨーレートに追従するようにフィードバック制御され
るから、十分なヨーモーメントを得て高い回頭性を維持
すると共に、目標ヨーレートの収束時には高い走行安定
性を確保することもできる。
【0015】一方、前記路面摩擦係数状態検出手段で
は、例えば本発明のうち請求項2に係るアンチスキッド
制御装置に記載されるように、旋回中のコーナリングフ
ォースの限界値に起因する路面摩擦係数状態を、車両に
発生する横加速度の大きさから検出する。そして、前記
スリップ率補正手段では、前記路面摩擦係数状態検出手
段で検出された路面摩擦係数状態検出値に基づいて、当
該路面の摩擦係数状態が小さいときには、当該車輪のス
リップ率が基準スリップ率を越え易くする方向に補正さ
れる前記基準スリップ率又は車輪スリップ率算出値又は
両者の偏差の補正対象変数の補正量を小さくする。これ
により、当該車輪の制動用シリンダへの流体圧の増圧タ
イミングはやや遅れ又は減圧タイミングがやや早まり、
当該車輪への制動力は全体的にやや減少傾向になるか
ら、当該路面摩擦係数状態の小さい、所謂低μ路面でコ
ーナリングフォースを確保し、車両の軌跡が旋回方向外
側に膨らむのを抑制防止することができる。ここで、前
述のように当該車輪のスリップ率が基準スリップ率を越
え易くする方向に補正される前記基準スリップ率又は車
輪スリップ率算出値又は両者の偏差の補正対象変数の補
正量のみを小さくし、その結果、一次的に当該車輪の制
動用シリンダへの流体圧の増圧タイミングはやや遅れ又
は減圧タイミングがやや早まって当該車輪への制動力が
全体的にやや減少傾向になり、前記必要な目標ヨーレー
ト達成のための制動力差が得られず、一次的に実ヨーレ
ートが所望する収束方向と逆方向に減少傾向又は増加傾
向を示したとしても、この実ヨーレートと目標ヨーレー
トとの偏差に応じて、例えば前記車輪のスリップ率が基
準スリップ率を越え易くする方向への補正対象変数の補
正量が限定されたとして、逆に車輪のスリップ率が基準
スリップ率を越えにくくする方向への補正対象変数の補
正量を大きくすることは可能であるから、当該車輪の制
動用シリンダへの流体圧の増圧タイミングは遅くなり或
いは減圧タイミングが早くなって当該車輪の制動力は減
少方向となり、従って前記増加側の車輪の制動力の減少
分がここで相殺されてヨーレート追従制御に必要な制動
力差が確保され、十分なヨーモーメントの発生を得て車
両は回答性が向上し、或いは走行安定性が確保される。
勿論、前記増加側の車輪の制動力の減少分を減少側の車
輪の制動力から減少して必要な制動力差が予め確保され
るようにすることも可能である。
は、例えば本発明のうち請求項2に係るアンチスキッド
制御装置に記載されるように、旋回中のコーナリングフ
ォースの限界値に起因する路面摩擦係数状態を、車両に
発生する横加速度の大きさから検出する。そして、前記
スリップ率補正手段では、前記路面摩擦係数状態検出手
段で検出された路面摩擦係数状態検出値に基づいて、当
該路面の摩擦係数状態が小さいときには、当該車輪のス
リップ率が基準スリップ率を越え易くする方向に補正さ
れる前記基準スリップ率又は車輪スリップ率算出値又は
両者の偏差の補正対象変数の補正量を小さくする。これ
により、当該車輪の制動用シリンダへの流体圧の増圧タ
イミングはやや遅れ又は減圧タイミングがやや早まり、
当該車輪への制動力は全体的にやや減少傾向になるか
ら、当該路面摩擦係数状態の小さい、所謂低μ路面でコ
ーナリングフォースを確保し、車両の軌跡が旋回方向外
側に膨らむのを抑制防止することができる。ここで、前
述のように当該車輪のスリップ率が基準スリップ率を越
え易くする方向に補正される前記基準スリップ率又は車
輪スリップ率算出値又は両者の偏差の補正対象変数の補
正量のみを小さくし、その結果、一次的に当該車輪の制
動用シリンダへの流体圧の増圧タイミングはやや遅れ又
は減圧タイミングがやや早まって当該車輪への制動力が
全体的にやや減少傾向になり、前記必要な目標ヨーレー
ト達成のための制動力差が得られず、一次的に実ヨーレ
ートが所望する収束方向と逆方向に減少傾向又は増加傾
向を示したとしても、この実ヨーレートと目標ヨーレー
トとの偏差に応じて、例えば前記車輪のスリップ率が基
準スリップ率を越え易くする方向への補正対象変数の補
正量が限定されたとして、逆に車輪のスリップ率が基準
スリップ率を越えにくくする方向への補正対象変数の補
正量を大きくすることは可能であるから、当該車輪の制
動用シリンダへの流体圧の増圧タイミングは遅くなり或
いは減圧タイミングが早くなって当該車輪の制動力は減
少方向となり、従って前記増加側の車輪の制動力の減少
分がここで相殺されてヨーレート追従制御に必要な制動
力差が確保され、十分なヨーモーメントの発生を得て車
両は回答性が向上し、或いは走行安定性が確保される。
勿論、前記増加側の車輪の制動力の減少分を減少側の車
輪の制動力から減少して必要な制動力差が予め確保され
るようにすることも可能である。
【0016】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説
明する。図2〜図7は本発明のアンチスキッド制御装置
の第1実施例を示すものである。図2中,1FL,1F
Rは左右前輪、1RL,1RRは左右後輪であって、後
輪1RL,1RRにはエンジンEGからの回転駆動力が
変速機T,プロペラシャフトPS及びディファレンシャ
ルギヤDGを介して伝達され、各車輪1FL〜1RRに
は、夫々制動用シリンダとしてのホイルシリンダ2FL
〜2RRが設けられ、更に前輪1FL,1FRにこれら
の車輪回転数に応じた正弦波信号SiFL ,SiFR を出力
する車輪速センサ3FL,3FRが取付けられ、プロペ
ラシャフトPSに後輪1RL,1RRの平均回転数に応
じた正弦波信号SiRを出力する車輪速センサ3Rが取付
けられ、更に各車輪速センサ3FL〜3Rには車輪速演
算回路15FL〜15Rが接続され、これらにより所謂
3センサ3チャンネルのアンチスキッド制御装置の車輪
速検出手段をなす。
明する。図2〜図7は本発明のアンチスキッド制御装置
の第1実施例を示すものである。図2中,1FL,1F
Rは左右前輪、1RL,1RRは左右後輪であって、後
輪1RL,1RRにはエンジンEGからの回転駆動力が
変速機T,プロペラシャフトPS及びディファレンシャ
ルギヤDGを介して伝達され、各車輪1FL〜1RRに
は、夫々制動用シリンダとしてのホイルシリンダ2FL
〜2RRが設けられ、更に前輪1FL,1FRにこれら
の車輪回転数に応じた正弦波信号SiFL ,SiFR を出力
する車輪速センサ3FL,3FRが取付けられ、プロペ
ラシャフトPSに後輪1RL,1RRの平均回転数に応
じた正弦波信号SiRを出力する車輪速センサ3Rが取付
けられ、更に各車輪速センサ3FL〜3Rには車輪速演
算回路15FL〜15Rが接続され、これらにより所謂
3センサ3チャンネルのアンチスキッド制御装置の車輪
速検出手段をなす。
【0017】各前輪側ホイルシリンダ2FL,2FRに
は、ブレーキペダル4の踏込みに応じて2系統のマスタ
シリンダ圧が前輪側アクチュエータ6FL,6FRを介
して個別に供給されると共に、後輪側ホイルシリンダ2
RL,2RRには、マスタシンダ5からのマスタシリン
ダ圧が共通の後輪側アクチュエータ6Rを介して供給さ
れる。
は、ブレーキペダル4の踏込みに応じて2系統のマスタ
シリンダ圧が前輪側アクチュエータ6FL,6FRを介
して個別に供給されると共に、後輪側ホイルシリンダ2
RL,2RRには、マスタシンダ5からのマスタシリン
ダ圧が共通の後輪側アクチュエータ6Rを介して供給さ
れる。
【0018】アクチュエータ6FL〜6Rの夫々は、図
3に示すように,マスタシリンダ5に接続される油圧配
管7とホイルシリンダ2FL〜2RRとの間に介装され
た電磁流入弁8と、この電磁流入弁8と並列に接続され
た電磁流出弁9,油圧ポンプ10及び逆止弁11の直列
回路と、流出弁9及び油圧ポンプ10間の油路に接続さ
れたアキュームレータ12とを備えている。
3に示すように,マスタシリンダ5に接続される油圧配
管7とホイルシリンダ2FL〜2RRとの間に介装され
た電磁流入弁8と、この電磁流入弁8と並列に接続され
た電磁流出弁9,油圧ポンプ10及び逆止弁11の直列
回路と、流出弁9及び油圧ポンプ10間の油路に接続さ
れたアキュームレータ12とを備えている。
【0019】そして、各アクチュエータ6FL〜6Rの
電磁流入弁8,電磁流出弁9及び油圧ポンプ10は、車
輪速センサ3FL〜3Rからの車輪速正弦波信号SiFL
〜S iRが入力されると共に、車体に取付けられた前後加
速度を検出する前後加速度センサ13の前後加速度検出
値XG 及びヨーレートセンサ14のヨーレート検出値
(実ヨーレート)ψ' 及び横加速度センサ21の横加速
度検出値YG が入力されるコントローラCRからの液圧
制御信号EV,AV及びMRによって制御される。
電磁流入弁8,電磁流出弁9及び油圧ポンプ10は、車
輪速センサ3FL〜3Rからの車輪速正弦波信号SiFL
〜S iRが入力されると共に、車体に取付けられた前後加
速度を検出する前後加速度センサ13の前後加速度検出
値XG 及びヨーレートセンサ14のヨーレート検出値
(実ヨーレート)ψ' 及び横加速度センサ21の横加速
度検出値YG が入力されるコントローラCRからの液圧
制御信号EV,AV及びMRによって制御される。
【0020】ここで前記前後加速度センサ13は、車両
に前後方向加速度が作用していないときに零電圧とな
り、前進加速度が作用したときにこれに比例した正の電
圧となり、後退加速度が作用したときにこれに比例した
負の電圧となる前後加速度検出値XG を出力する。前記
ヨーレートセンサ14は、例えば圧電振動ジャイロで構
成され、旋回時等に車両に作用するヨー運動のヨーレー
ト(回転角速度)に対応した信号として,車両の旋回方
向に関わらずヨーレートの大きさに応じた正の電圧から
なるヨーレート検出値ψ' をコントローラCRに出力す
る。前記横加速度センサ21は、車両に横方向加速度が
作用していないときに零電圧となり、左右何れかの横加
速度が作用したときにこれに比例した正の電圧からなる
横加速度検出値YG を出力する。
に前後方向加速度が作用していないときに零電圧とな
り、前進加速度が作用したときにこれに比例した正の電
圧となり、後退加速度が作用したときにこれに比例した
負の電圧となる前後加速度検出値XG を出力する。前記
ヨーレートセンサ14は、例えば圧電振動ジャイロで構
成され、旋回時等に車両に作用するヨー運動のヨーレー
ト(回転角速度)に対応した信号として,車両の旋回方
向に関わらずヨーレートの大きさに応じた正の電圧から
なるヨーレート検出値ψ' をコントローラCRに出力す
る。前記横加速度センサ21は、車両に横方向加速度が
作用していないときに零電圧となり、左右何れかの横加
速度が作用したときにこれに比例した正の電圧からなる
横加速度検出値YG を出力する。
【0021】一方、車両のステアリングホイール19の
操舵角を検出して,ステアリングホイール19が中立位
置にあるときに零の電圧,この中立位置から右切りした
ときに操舵角に応じた正の電圧,及び中立位置から左切
りしたときに操舵角に応じた負の電圧となる操舵角検出
値θを出力する操舵状態検出手段としての操舵角センサ
20が配設されている。
操舵角を検出して,ステアリングホイール19が中立位
置にあるときに零の電圧,この中立位置から右切りした
ときに操舵角に応じた正の電圧,及び中立位置から左切
りしたときに操舵角に応じた負の電圧となる操舵角検出
値θを出力する操舵状態検出手段としての操舵角センサ
20が配設されている。
【0022】コントローラCRは、車輪速センサ3FL
〜3Rからの車輪速正弦波信号SiF L 〜SiRが入力さ
れ,これらと各車輪1FL〜1RRの回転半径とから車
輪の周速度(車輪速)VwFL〜VwR を演算する前記車
輪速演算回路15FL〜15Rと、これら車輪速演算回
路15FL〜15Rの車輪速VwFL〜VwR のうち,最
も高い車輪速(セレクトハイ車輪速)VwH を選択する
セレクトハイスイッチ16と、このセレクトハイスイッ
チ16で選択されたセレクトハイ車輪速VwH と前後加
速度センサ13の前後加速度検出値XG とが入力され
て,これらに基づいて疑似車速Vi を算出する疑似車速
発生装置17と、この疑似車速発生装置17から出力さ
れる疑似車速Vi と,前記車輪速VwFL,VwFR及びV
wR と,前記ヨーレートセンサ14からのヨーレート検
出値ψ' と,前記操舵角センサ20からの操舵角検出値
θと,前記横加速度センサ21からの横加速度検出値Y
G とに基づいて制動時のアンチスキッド制御を行う制動
圧制御装置18とを備えており、制動圧制御装置18か
ら出力される制御信号が駆動回路22a〜22cを介し
て前記アクチュエータ6FL〜6Rに供給される。
〜3Rからの車輪速正弦波信号SiF L 〜SiRが入力さ
れ,これらと各車輪1FL〜1RRの回転半径とから車
輪の周速度(車輪速)VwFL〜VwR を演算する前記車
輪速演算回路15FL〜15Rと、これら車輪速演算回
路15FL〜15Rの車輪速VwFL〜VwR のうち,最
も高い車輪速(セレクトハイ車輪速)VwH を選択する
セレクトハイスイッチ16と、このセレクトハイスイッ
チ16で選択されたセレクトハイ車輪速VwH と前後加
速度センサ13の前後加速度検出値XG とが入力され
て,これらに基づいて疑似車速Vi を算出する疑似車速
発生装置17と、この疑似車速発生装置17から出力さ
れる疑似車速Vi と,前記車輪速VwFL,VwFR及びV
wR と,前記ヨーレートセンサ14からのヨーレート検
出値ψ' と,前記操舵角センサ20からの操舵角検出値
θと,前記横加速度センサ21からの横加速度検出値Y
G とに基づいて制動時のアンチスキッド制御を行う制動
圧制御装置18とを備えており、制動圧制御装置18か
ら出力される制御信号が駆動回路22a〜22cを介し
て前記アクチュエータ6FL〜6Rに供給される。
【0023】前記疑似車速発生装置17には、例えば本
出願人が先に提案した特開平4−27650号公報に記
載されるものを適用できる。この疑似車速発生装置17
について簡潔に説明すれば,前記前後加速度センサ13
の出力値,即ち前後加速度検出値XG を入力信号とし、
後述するアンチスキッド制御中の制御信号MRを制御入
力として、当該制御信号MRが論理値“1”の場合に,
当該制御信号MRの立ち上がり時点において前記セレク
トハイスイッチ16で選択されたセレクトハイ車輪速V
wH を初期値として,前後加速度検出値XG の積分値を
加算し、推定車体速度を疑似車速Vi として疑似的に求
めるように構成されている。
出願人が先に提案した特開平4−27650号公報に記
載されるものを適用できる。この疑似車速発生装置17
について簡潔に説明すれば,前記前後加速度センサ13
の出力値,即ち前後加速度検出値XG を入力信号とし、
後述するアンチスキッド制御中の制御信号MRを制御入
力として、当該制御信号MRが論理値“1”の場合に,
当該制御信号MRの立ち上がり時点において前記セレク
トハイスイッチ16で選択されたセレクトハイ車輪速V
wH を初期値として,前後加速度検出値XG の積分値を
加算し、推定車体速度を疑似車速Vi として疑似的に求
めるように構成されている。
【0024】前記制動圧制御装置18は、各車輪速Vw
FL,VwFR及びVwR と,ヨーレート検出値ψ' と,疑
似車速Vi と,操舵角検出値θと,横加速度検出値YG
とに基づいて各車輪1FL〜1RRに設けたホイルシリ
ンダ2FL〜2RRへの供給圧力を制御するアクチュエ
ータ6FL〜6Rを制御するものであり、図2に示すよ
うに例えばA/D変換機能を有する入力インターフェー
ス回路25a,D/A変換機能を有する出力インターフ
ェース25d,演算処理装置25b及び記憶装置25c
を少なくとも有するマイクロコンピュータ25で構成さ
れ、少なくとも前記操舵角センサ20で検出される操舵
角検出値θ及び前記疑似車速発生装置17で算出された
疑似車速Vi に基づいて車両で達成されるべき目標ヨー
レートψ '*を算出して,この目標ヨーレートψ'*と前記
ヨーレート検出値ψ' との偏差ε及びその微分値ε’を
求め、このヨーレート偏差ε又はその微分値ε’が発生
している場合は,前記横加速度検出値YG に応じて前記
ホイルシリンダ2FL〜2RRへの制動圧の増減圧タイ
ミングに係る基準スリップ率Sj0(j=FL〜R)を補
正し、ヨーレート偏差ε又はその微分値ε’が発生して
いない場合には基準スリップ率Sj0(j=FL〜R)を
補正しないで急増圧モード,保持モード,減圧モード及
び緩増圧モードを適宜選択する制動圧制御を行う。ここ
で簡単のために、前者の場合をヨーレート制御を行うア
ンチスキッド制御,後者の場合を通常アンチスキッド制
御と定義する。
FL,VwFR及びVwR と,ヨーレート検出値ψ' と,疑
似車速Vi と,操舵角検出値θと,横加速度検出値YG
とに基づいて各車輪1FL〜1RRに設けたホイルシリ
ンダ2FL〜2RRへの供給圧力を制御するアクチュエ
ータ6FL〜6Rを制御するものであり、図2に示すよ
うに例えばA/D変換機能を有する入力インターフェー
ス回路25a,D/A変換機能を有する出力インターフ
ェース25d,演算処理装置25b及び記憶装置25c
を少なくとも有するマイクロコンピュータ25で構成さ
れ、少なくとも前記操舵角センサ20で検出される操舵
角検出値θ及び前記疑似車速発生装置17で算出された
疑似車速Vi に基づいて車両で達成されるべき目標ヨー
レートψ '*を算出して,この目標ヨーレートψ'*と前記
ヨーレート検出値ψ' との偏差ε及びその微分値ε’を
求め、このヨーレート偏差ε又はその微分値ε’が発生
している場合は,前記横加速度検出値YG に応じて前記
ホイルシリンダ2FL〜2RRへの制動圧の増減圧タイ
ミングに係る基準スリップ率Sj0(j=FL〜R)を補
正し、ヨーレート偏差ε又はその微分値ε’が発生して
いない場合には基準スリップ率Sj0(j=FL〜R)を
補正しないで急増圧モード,保持モード,減圧モード及
び緩増圧モードを適宜選択する制動圧制御を行う。ここ
で簡単のために、前者の場合をヨーレート制御を行うア
ンチスキッド制御,後者の場合を通常アンチスキッド制
御と定義する。
【0025】ここで前記ヨーレート制御を行うアンチス
キッド制御の基本原理について説明する。まず、旋回中
に車両で発生すべきヨーレート,即ち目標ヨーレートψ
'*は、前記操舵角検出値θ及び車速Vi を用いて下記1
式で算出される。なお、ここでは操舵角検出値θが,ス
テアリングホイル19の右切りか左切りかで正負となる
ため、算出される目標ヨーレートψ'*は絶対値化する。
また、操舵角検出値θを入力として車両に発生するヨー
レートの伝達関数は(1次)/(2次)の形となって,
車速Vi が大きくなるほど振動し易くなるが、ここでは
目標ヨーレートψ'*を操舵角検出値θ入力に対してオー
バシュート及びアンダシュートのない1次遅れ系とし且
つ定常値をノーマルな車両と等しく設定することにより
下記1式を設定する。
キッド制御の基本原理について説明する。まず、旋回中
に車両で発生すべきヨーレート,即ち目標ヨーレートψ
'*は、前記操舵角検出値θ及び車速Vi を用いて下記1
式で算出される。なお、ここでは操舵角検出値θが,ス
テアリングホイル19の右切りか左切りかで正負となる
ため、算出される目標ヨーレートψ'*は絶対値化する。
また、操舵角検出値θを入力として車両に発生するヨー
レートの伝達関数は(1次)/(2次)の形となって,
車速Vi が大きくなるほど振動し易くなるが、ここでは
目標ヨーレートψ'*を操舵角検出値θ入力に対してオー
バシュート及びアンダシュートのない1次遅れ系とし且
つ定常値をノーマルな車両と等しく設定することにより
下記1式を設定する。
【0026】
ψ'*=|H0 ・θ /(1+τs)| ……… (1)
但し、τは時定数であり、H0 は定常ヨーレートゲイン
で,スタビリティファクタAを用いることにより下記2
式によって定義される。 H0 =Vi /{(1+A・Vi 2 )・B・N ……… (2) なお、Bはホイールベース長さ,Nはステアリングギヤ
比である。また、前記目標ヨーレートψ'*は,操舵角検
出値θを横軸,車速検出値Vをパラメータとして,その
縦軸に表される値を制御マップから検索してもよい。
で,スタビリティファクタAを用いることにより下記2
式によって定義される。 H0 =Vi /{(1+A・Vi 2 )・B・N ……… (2) なお、Bはホイールベース長さ,Nはステアリングギヤ
比である。また、前記目標ヨーレートψ'*は,操舵角検
出値θを横軸,車速検出値Vをパラメータとして,その
縦軸に表される値を制御マップから検索してもよい。
【0027】従って、前記目標ヨーレートψ'*と検出さ
れるヨーレート検出値ψ' との偏差εは下記3式で定義
する。なお、このヨーレート偏差の微分値ε’の算出に
ついては後段に説明する。 ε=ψ'*−ψ' ……… (3) ここで、本実施例は基本的には前記ヨーレート偏差εが
発生しているときに,このヨーレート偏差εを是正すべ
くアンチスキッド制御装置による制動力を制御するので
あるが、前記したように実際に車両に発生する実ヨーレ
ートの伝達関数は(1次)/(2次)の形であり、これ
に対して目標ヨーレートを単純な1次遅れ系に設定した
のであるから、例えば旋回の初期にあっては実ヨーレー
トは目標ヨーレートに対してアンダシュート気味になろ
うし,旋回の収束期にあっては実ヨーレートが目標ヨー
レートに対してオーバシュートとなることもあろう。つ
まり、一見,実ヨーレートが目標ヨーレートに一致した
としてもその後に再び両者の間に偏差が発生する可能性
もある。従って、本実施例では両者のヨーレート偏差ε
が零であっても,その一次進み成分であるヨーレート偏
差の微分値(即ち、ヨー角加速度偏差である)ε’が零
でない場合にもヨーレート制御を行うアンチスキッド制
御を実施して、目標ヨーレートに対して実ヨーレートが
アンダシュートしている場合には、例えば旋回内輪に対
しては制動力を増加する補正制御を行って車輪速を減速
し,旋回外輪に対しては制動力を減じる補正制御を行っ
て車輪速を増速し、これにより回頭性を向上可能とす
る。一方、目標ヨーレートに対して実ヨーレートがオー
バシュートしている場合には、これと逆な制御を行って
安定性を向上可能とする。
れるヨーレート検出値ψ' との偏差εは下記3式で定義
する。なお、このヨーレート偏差の微分値ε’の算出に
ついては後段に説明する。 ε=ψ'*−ψ' ……… (3) ここで、本実施例は基本的には前記ヨーレート偏差εが
発生しているときに,このヨーレート偏差εを是正すべ
くアンチスキッド制御装置による制動力を制御するので
あるが、前記したように実際に車両に発生する実ヨーレ
ートの伝達関数は(1次)/(2次)の形であり、これ
に対して目標ヨーレートを単純な1次遅れ系に設定した
のであるから、例えば旋回の初期にあっては実ヨーレー
トは目標ヨーレートに対してアンダシュート気味になろ
うし,旋回の収束期にあっては実ヨーレートが目標ヨー
レートに対してオーバシュートとなることもあろう。つ
まり、一見,実ヨーレートが目標ヨーレートに一致した
としてもその後に再び両者の間に偏差が発生する可能性
もある。従って、本実施例では両者のヨーレート偏差ε
が零であっても,その一次進み成分であるヨーレート偏
差の微分値(即ち、ヨー角加速度偏差である)ε’が零
でない場合にもヨーレート制御を行うアンチスキッド制
御を実施して、目標ヨーレートに対して実ヨーレートが
アンダシュートしている場合には、例えば旋回内輪に対
しては制動力を増加する補正制御を行って車輪速を減速
し,旋回外輪に対しては制動力を減じる補正制御を行っ
て車輪速を増速し、これにより回頭性を向上可能とす
る。一方、目標ヨーレートに対して実ヨーレートがオー
バシュートしている場合には、これと逆な制御を行って
安定性を向上可能とする。
【0028】それでは、このようなヨーレート偏差εを
是正すべき制動力制御をアンチスキッド制御装置で実施
するにあたって,本実施例で実行されるホイルシリンダ
2FL〜2RRへの制動圧の増減圧タイミングに係る基
準スリップ率Sj0(j=FL〜R)の補正原理について
説明する。前述のように目標ヨーレートψ'*に対してヨ
ーレート検出値ψ' が小さい場合は,車両のステアリン
グ特性をオーバステア方向に変更してヨーモーメントを
助長すればよく、目標ヨーレートψ'*に対してヨーレー
ト検出値ψ' が大きい場合は,車両のステアリング特性
をアンダステア方向に変更してヨーモーメントを抑制す
ればよい。そこで、本実施例では,このように目標ヨー
レートψ'*とヨーレート検出値ψ' とのヨーレート偏差
εが零でない場合及びヨーレート偏差の微分値ε’が零
でない場合に、まず前後輪間で所定量だけ基準スリップ
率を増減し,また左右輪間で所定量だけ基準スリップ率
を増減する。このうち、左右輪間,具体的には本実施例
のアンチスキッド制御装置が3チャンネルであることか
ら前左右輪間のみであるが,この左右輪間で増減される
左右輪間基準スリップ率基準補正量ΔSRLは下記4式
で,前後輪間で増減される前後輪間基準スリップ率基準
補正量ΔSfrは下記5式で,ヨーレート偏差εの大きさ
に基づいたフィードバック制御量として夫々与えられ
る。
是正すべき制動力制御をアンチスキッド制御装置で実施
するにあたって,本実施例で実行されるホイルシリンダ
2FL〜2RRへの制動圧の増減圧タイミングに係る基
準スリップ率Sj0(j=FL〜R)の補正原理について
説明する。前述のように目標ヨーレートψ'*に対してヨ
ーレート検出値ψ' が小さい場合は,車両のステアリン
グ特性をオーバステア方向に変更してヨーモーメントを
助長すればよく、目標ヨーレートψ'*に対してヨーレー
ト検出値ψ' が大きい場合は,車両のステアリング特性
をアンダステア方向に変更してヨーモーメントを抑制す
ればよい。そこで、本実施例では,このように目標ヨー
レートψ'*とヨーレート検出値ψ' とのヨーレート偏差
εが零でない場合及びヨーレート偏差の微分値ε’が零
でない場合に、まず前後輪間で所定量だけ基準スリップ
率を増減し,また左右輪間で所定量だけ基準スリップ率
を増減する。このうち、左右輪間,具体的には本実施例
のアンチスキッド制御装置が3チャンネルであることか
ら前左右輪間のみであるが,この左右輪間で増減される
左右輪間基準スリップ率基準補正量ΔSRLは下記4式
で,前後輪間で増減される前後輪間基準スリップ率基準
補正量ΔSfrは下記5式で,ヨーレート偏差εの大きさ
に基づいたフィードバック制御量として夫々与えられ
る。
【0029】
ΔSRL=K1 ・ε ……… (4)
ΔSfr=K2 ・ε・ψ' ……… (5)
但し、K1 ,K2 は,ヨーレートフィードバック制御に
おける比例項の制御定数であり、本実施例では予め設定
された所定値K10,K20に夫々等しいものとする。
おける比例項の制御定数であり、本実施例では予め設定
された所定値K10,K20に夫々等しいものとする。
【0030】前述のように目標ヨーレートψ'*に対して
ヨーレート検出値ψ' が小さい場合,即ちヨーレート偏
差εが正の場合は,車両のステアリング特性をオーバス
テア方向に変更してヨーモーメントを助長すればよいの
であるから、例えば後輪2RL,2RRの制動力を増加
して当該後輪2RL,2RRのコーナリングフォースを
減少し,相対的に前輪2FL,2FRの制動力を減少し
て当該前輪2FL,2FRのコーナリングフォースを増
加するものとし、更に旋回外輪である前輪2FL又は2
FRの制動力を減少して当該車輪速を増速し,相対的に
旋回内輪である前輪2FR又は2FLの制動力を増加し
て当該車輪速を減速するものとする。本実施例のアンチ
スキッド制御で実行されるホイルシリンダ2FL〜2R
Rへの制動圧の増減圧タイミングは,既存のアンチスキ
ッド制御装置と同様に,当該車輪のスリップ率が基準と
する基準スリップ率を越えるか越えないかで制御するも
のであるから、このうち、制動力を増加したい車輪に対
してはアンチスキッド制御で実行されるホイルシリンダ
2FL〜2RRへの制動圧の減圧タイミングを遅くする
か又は増圧タイミングを早くすればよいことになり、本
実施例ではこのような車輪の基準スリップ率を大きく設
定変更して,当該車輪のスリップ率がこの基準スリップ
率を越えにくくなるように補正する。逆に、制動力を減
少したい車輪に対してはアンチスキッド制御で実行され
るホイルシリンダ2FL〜2RRへの制動圧の増圧タイ
ミングを遅くするか又は減圧タイミングを早くすればよ
いことになるから、本実施例ではこのような車輪の基準
スリップ率を小さく設定変更して,当該車輪のスリップ
率が基準スリップ率を越え易くなるように補正する。こ
れらを統括すると、ヨーレート偏差εが正の場合の前旋
回内輪の基準スリップ率SFi0 は初期設定スリップ率S
0 に対して下記6’式で,前旋回外輪の基準スリップ率
SFo0 は初期設定スリップ率S0 に対して下記7’式
で,後輪の基準スリップ率SR0は初期設定スリップ率S
0 に対して下記8’式で与えられる。
ヨーレート検出値ψ' が小さい場合,即ちヨーレート偏
差εが正の場合は,車両のステアリング特性をオーバス
テア方向に変更してヨーモーメントを助長すればよいの
であるから、例えば後輪2RL,2RRの制動力を増加
して当該後輪2RL,2RRのコーナリングフォースを
減少し,相対的に前輪2FL,2FRの制動力を減少し
て当該前輪2FL,2FRのコーナリングフォースを増
加するものとし、更に旋回外輪である前輪2FL又は2
FRの制動力を減少して当該車輪速を増速し,相対的に
旋回内輪である前輪2FR又は2FLの制動力を増加し
て当該車輪速を減速するものとする。本実施例のアンチ
スキッド制御で実行されるホイルシリンダ2FL〜2R
Rへの制動圧の増減圧タイミングは,既存のアンチスキ
ッド制御装置と同様に,当該車輪のスリップ率が基準と
する基準スリップ率を越えるか越えないかで制御するも
のであるから、このうち、制動力を増加したい車輪に対
してはアンチスキッド制御で実行されるホイルシリンダ
2FL〜2RRへの制動圧の減圧タイミングを遅くする
か又は増圧タイミングを早くすればよいことになり、本
実施例ではこのような車輪の基準スリップ率を大きく設
定変更して,当該車輪のスリップ率がこの基準スリップ
率を越えにくくなるように補正する。逆に、制動力を減
少したい車輪に対してはアンチスキッド制御で実行され
るホイルシリンダ2FL〜2RRへの制動圧の増圧タイ
ミングを遅くするか又は減圧タイミングを早くすればよ
いことになるから、本実施例ではこのような車輪の基準
スリップ率を小さく設定変更して,当該車輪のスリップ
率が基準スリップ率を越え易くなるように補正する。こ
れらを統括すると、ヨーレート偏差εが正の場合の前旋
回内輪の基準スリップ率SFi0 は初期設定スリップ率S
0 に対して下記6’式で,前旋回外輪の基準スリップ率
SFo0 は初期設定スリップ率S0 に対して下記7’式
で,後輪の基準スリップ率SR0は初期設定スリップ率S
0 に対して下記8’式で与えられる。
【0031】
SFi0 =S0 −ΔSfr+ΔSRL ………(6')
SFo0 =S0 −ΔSfr−ΔSRL ………(7')
SR0 =S0 +ΔSfr ………(8')
また、ヨーレート偏差εが負の場合の前旋回内輪の基準
スリップ率SFi0 は初期設定スリップ率S0 に対して下
記9’式で,前旋回外輪の基準スリップ率SFo 0 は初期
設定スリップ率S0 に対して下記10’式で,後輪の基
準スリップ率S R0は初期設定スリップ率S0 に対して下
記11’式で与えられる。
スリップ率SFi0 は初期設定スリップ率S0 に対して下
記9’式で,前旋回外輪の基準スリップ率SFo 0 は初期
設定スリップ率S0 に対して下記10’式で,後輪の基
準スリップ率S R0は初期設定スリップ率S0 に対して下
記11’式で与えられる。
【0032】
SFi0 =S0 +ΔSfr−ΔSRL ………(9')
SFo0 =S0 +ΔSfr+ΔSRL …… (10')
SR0 =S0 −ΔSfr …… (11')
なお、本実施例では理解を容易化するために前後輪2F
L〜2RRの初期設定スリップ率S0 を一律に設定した
が、必要に応じて各輪で変更設定することも可能であ
る。
L〜2RRの初期設定スリップ率S0 を一律に設定した
が、必要に応じて各輪で変更設定することも可能であ
る。
【0033】ここまではアンチスキッド制御装置を用い
た従来のヨーレートフィードバック制御と基本的に同等
である。本実施例では,前記横加速度センサ21で検出
される横加速度検出値YG が,車両旋回中の路面摩擦係
数状態μと等価であるとし、この横加速度検出値YG の
大きさに応じて前記基準スリップ率の補正量,即ち各輪
の基準スリップ率SFi0 〜SR を変更しようとする。例
えば、当該路面の摩擦係数状態μが極めて低いと仮定す
れば当然タイヤのグリップ力は大幅に低下し、これによ
り旋回中に得られるコーナリングフォースの最大値も大
幅に低下すると考えられる。一方、前記摩擦円の概念か
ら,制動力が大きくなれば旋回中に得られるコーナリン
グフォースの最大値は小さくなる。従って、前述のよう
なアンチスキッド制御装置による制動力制御でヨーレー
トフィードバック制御を行う場合に、旋回中のコーナリ
ングフォースが得られなくなる可能性の高い車輪は,当
該車輪への制動力を増加方向に補正された車輪であり、
具体的に前記ヨーレートフィードバック制御原理によれ
ば,基準スリップ率が増加補正される車輪であると考え
られる。そこで、基準スリップ率が増加補正される場合
には,その増加補正量に対して,路面摩擦係数状態μ,
即ち横加速度検出値YG の大きさに応じた比例係数とし
て増加補正ゲインKRL,Kfrを乗じて更にその増加量を
補正する。この増加補正ゲインKRL,Kfrは,前記横加
速度検出値YG に基づいて,図5に示す制御マップから
検索設定する。このうち、KRLは左右輪間増加補正ゲイ
ンであって、図5の制御マップに示すように横加速度検
出値YG が比較的小さな所定値YG1以下では比較的小さ
な所定値KRL1 に設定され、横加速度検出値YG が比較
的大きな所定値YG2以上では比較的大きな所定値KRL0
に設定され、横加速度検出値YG が前記所定値YG1から
所定値YG2までの間であるときは,前記所定値K RL1 と
所定値KRL0 との間でリニアに増加する値に設定され
る。一方、Kfrは前後輪間増加補正ゲインであって、図
5の制御マップに示すように横加速度検出値YG が比較
的小さな所定値YG1以下では零に設定され、横加速度検
出値YG が比較的大きな所定値YG2以上では比較的大き
な所定値Kfr0 に設定され、横加速度検出値YG が前記
所定値YG1から所定値YG2までの間であるときは,前記
零と所定値Kfr0 との間でリニアに増加する値に設定さ
れる。
た従来のヨーレートフィードバック制御と基本的に同等
である。本実施例では,前記横加速度センサ21で検出
される横加速度検出値YG が,車両旋回中の路面摩擦係
数状態μと等価であるとし、この横加速度検出値YG の
大きさに応じて前記基準スリップ率の補正量,即ち各輪
の基準スリップ率SFi0 〜SR を変更しようとする。例
えば、当該路面の摩擦係数状態μが極めて低いと仮定す
れば当然タイヤのグリップ力は大幅に低下し、これによ
り旋回中に得られるコーナリングフォースの最大値も大
幅に低下すると考えられる。一方、前記摩擦円の概念か
ら,制動力が大きくなれば旋回中に得られるコーナリン
グフォースの最大値は小さくなる。従って、前述のよう
なアンチスキッド制御装置による制動力制御でヨーレー
トフィードバック制御を行う場合に、旋回中のコーナリ
ングフォースが得られなくなる可能性の高い車輪は,当
該車輪への制動力を増加方向に補正された車輪であり、
具体的に前記ヨーレートフィードバック制御原理によれ
ば,基準スリップ率が増加補正される車輪であると考え
られる。そこで、基準スリップ率が増加補正される場合
には,その増加補正量に対して,路面摩擦係数状態μ,
即ち横加速度検出値YG の大きさに応じた比例係数とし
て増加補正ゲインKRL,Kfrを乗じて更にその増加量を
補正する。この増加補正ゲインKRL,Kfrは,前記横加
速度検出値YG に基づいて,図5に示す制御マップから
検索設定する。このうち、KRLは左右輪間増加補正ゲイ
ンであって、図5の制御マップに示すように横加速度検
出値YG が比較的小さな所定値YG1以下では比較的小さ
な所定値KRL1 に設定され、横加速度検出値YG が比較
的大きな所定値YG2以上では比較的大きな所定値KRL0
に設定され、横加速度検出値YG が前記所定値YG1から
所定値YG2までの間であるときは,前記所定値K RL1 と
所定値KRL0 との間でリニアに増加する値に設定され
る。一方、Kfrは前後輪間増加補正ゲインであって、図
5の制御マップに示すように横加速度検出値YG が比較
的小さな所定値YG1以下では零に設定され、横加速度検
出値YG が比較的大きな所定値YG2以上では比較的大き
な所定値Kfr0 に設定され、横加速度検出値YG が前記
所定値YG1から所定値YG2までの間であるときは,前記
零と所定値Kfr0 との間でリニアに増加する値に設定さ
れる。
【0034】従って、前記6’式〜8’式で設定される
ヨーレート偏差εが正の場合の前旋回内輪の基準スリッ
プ率SFi0 ,前旋回外輪の基準スリップ率SFo0 ,後輪
の基準スリップ率SR0は、夫々,各増加補正ゲイン
KRL,Kfrを加味した下記6式〜8式で得られることに
なる。 SFi0 =S0 −ΔSfr+KRL・ΔSRL ……… (6) SFo0 =S0 −ΔSfr−ΔSRL ……… (7) SR0 =S0 +Kfr・ΔSfr ……… (8) また、前記9’式〜11’式で設定されるヨーレート偏
差εが負の場合の前旋回内輪の基準スリップ率SFi0 ,
前旋回外輪の基準スリップ率SFo0 ,後輪の基準スリッ
プ率SR0は、夫々,各増加補正ゲインKRL,Kfrを加味
した下記9式〜11式で得られることになる。
ヨーレート偏差εが正の場合の前旋回内輪の基準スリッ
プ率SFi0 ,前旋回外輪の基準スリップ率SFo0 ,後輪
の基準スリップ率SR0は、夫々,各増加補正ゲイン
KRL,Kfrを加味した下記6式〜8式で得られることに
なる。 SFi0 =S0 −ΔSfr+KRL・ΔSRL ……… (6) SFo0 =S0 −ΔSfr−ΔSRL ……… (7) SR0 =S0 +Kfr・ΔSfr ……… (8) また、前記9’式〜11’式で設定されるヨーレート偏
差εが負の場合の前旋回内輪の基準スリップ率SFi0 ,
前旋回外輪の基準スリップ率SFo0 ,後輪の基準スリッ
プ率SR0は、夫々,各増加補正ゲインKRL,Kfrを加味
した下記9式〜11式で得られることになる。
【0035】
SFi0 =S0 +Kfr・ΔSfr−ΔSRL ……… (9)
SFo0 =S0 +Kfr・ΔSfr+KRL・ΔSRL ………(10)
SR0 =S0 −ΔSfr ………(11)
このように補正される基準スリップ率SFi0 〜SR0のう
ち,増加方向に補正される基準スリップ率SFi0 〜SR0
だけを路面μの低下に伴って小さくすると、当該増加量
が減少された基準スリップ率SFi0 〜SR0に従うホイル
シリンダ2FL〜2RRへの制動圧,即ち当該車輪への
制動力が減少することになるから、前記必要な目標ヨー
レートψ'*達成のための制動力差が得られず、一時的に
検出されるヨーレート検出値ψ' が減少傾向又は増加傾
向を示す可能性はある。しかし、前記左右又は前後輪間
基準スリップ率基準補正量ΔSRL,ΔSfrは、夫々,目
標ヨーレートψ'*とヨーレート検出値ψ' との偏差εの
フィードバック制御量であるから、例えば前記車輪のス
リップ率が基準スリップ率を越え易くする方向への補正
対象変数の補正量上限値が限定されたとして,逆に車輪
のスリップ率が基準スリップ率を越えにくくする方向へ
の補正対象変数の補正量を大きくすることは可能である
から、これらの左右又は前後輪間基準スリップ率基準補
正量ΔSRL,ΔSfrそのものが大きくなってヨーレート
追従制御に必要な制動力差が確保され、十分なヨーモー
メントの発生を得て車両は回頭性が向上し、或いは走行
安定性が確保される。
ち,増加方向に補正される基準スリップ率SFi0 〜SR0
だけを路面μの低下に伴って小さくすると、当該増加量
が減少された基準スリップ率SFi0 〜SR0に従うホイル
シリンダ2FL〜2RRへの制動圧,即ち当該車輪への
制動力が減少することになるから、前記必要な目標ヨー
レートψ'*達成のための制動力差が得られず、一時的に
検出されるヨーレート検出値ψ' が減少傾向又は増加傾
向を示す可能性はある。しかし、前記左右又は前後輪間
基準スリップ率基準補正量ΔSRL,ΔSfrは、夫々,目
標ヨーレートψ'*とヨーレート検出値ψ' との偏差εの
フィードバック制御量であるから、例えば前記車輪のス
リップ率が基準スリップ率を越え易くする方向への補正
対象変数の補正量上限値が限定されたとして,逆に車輪
のスリップ率が基準スリップ率を越えにくくする方向へ
の補正対象変数の補正量を大きくすることは可能である
から、これらの左右又は前後輪間基準スリップ率基準補
正量ΔSRL,ΔSfrそのものが大きくなってヨーレート
追従制御に必要な制動力差が確保され、十分なヨーモー
メントの発生を得て車両は回頭性が向上し、或いは走行
安定性が確保される。
【0036】また、前記前旋回内輪及び外輪の判定は,
前記操舵角検出値θの符号で行うことができるから、こ
の操舵角検出値θが正のときは前左輪2FLが前旋回外
輪に相当し,前右輪2FRが前旋回内輪に相当し、ここ
で前記添字oにはLを,iにはRを代入することで前記
補正された基準スリップ率SFi0 〜SR0は,基準スリッ
プ率Sj0(j=FL,FR,R)と表せる。また、操舵
角検出値θが負のときは前右輪2FRが前旋回外輪に相
当し,前左輪2FLが前旋回内輪に相当し、ここで前記
添字oにはRを,iにはLを代入することで前記補正さ
れた基準スリップ率SFi0 〜SR0は,基準スリップ率S
j0(j=FL,FR,R)と表せる。
前記操舵角検出値θの符号で行うことができるから、こ
の操舵角検出値θが正のときは前左輪2FLが前旋回外
輪に相当し,前右輪2FRが前旋回内輪に相当し、ここ
で前記添字oにはLを,iにはRを代入することで前記
補正された基準スリップ率SFi0 〜SR0は,基準スリッ
プ率Sj0(j=FL,FR,R)と表せる。また、操舵
角検出値θが負のときは前右輪2FRが前旋回外輪に相
当し,前左輪2FLが前旋回内輪に相当し、ここで前記
添字oにはRを,iにはLを代入することで前記補正さ
れた基準スリップ率SFi0 〜SR0は,基準スリップ率S
j0(j=FL,FR,R)と表せる。
【0037】なお、本実施例では前述のように基準スリ
ップ率を補正することでヨーレートのフィードバック制
御を実行することにしたが、要はスリップ率の基準値と
実測値とに基づいて制動圧の増減圧タイミングを可変制
御することができるから、当該車輪のスリップ率又はそ
の算出に用いられる車輪速,或いはスリップ率の基準値
と実測値との偏差そのものを補正しても,前記と同様の
ヨーレートフィードバック制御は可能であることをここ
に付記しておく。
ップ率を補正することでヨーレートのフィードバック制
御を実行することにしたが、要はスリップ率の基準値と
実測値とに基づいて制動圧の増減圧タイミングを可変制
御することができるから、当該車輪のスリップ率又はそ
の算出に用いられる車輪速,或いはスリップ率の基準値
と実測値との偏差そのものを補正しても,前記と同様の
ヨーレートフィードバック制御は可能であることをここ
に付記しておく。
【0038】以上の発明原理に基づいて、前記制動圧制
御回路18のマイクロコンピュータ25で実行される制
動圧制御の演算処理を,図4のフローチャートに基づい
て、また一般的なアンチスキッド制御の作用を図6の制
動圧制御特性曲線に基づいて説明する。この制動圧制御
処理は、所定時間,例えば5msec.毎のタイマ割込処理
として実行され、ASはアンチスキッド制御フラグ,T
は減圧タイマを示し、これらはキースイッチのオンによ
る電源投入時及び前回のアンチスキッド制御の終了時に
ステップS25からステップS27に移行して“0”に
リセットされると共に、制御フラグASが“1”にセッ
トされている間,前記論理値“1”の制御中信号MRが
前記疑似車速発生装置17に出力される。また、図中,
前述のようにiは前旋回内輪,oは前旋回外輪であるこ
とを表し、夫々Rで(前)右輪,Lで(前)左輪を示
す。
御回路18のマイクロコンピュータ25で実行される制
動圧制御の演算処理を,図4のフローチャートに基づい
て、また一般的なアンチスキッド制御の作用を図6の制
動圧制御特性曲線に基づいて説明する。この制動圧制御
処理は、所定時間,例えば5msec.毎のタイマ割込処理
として実行され、ASはアンチスキッド制御フラグ,T
は減圧タイマを示し、これらはキースイッチのオンによ
る電源投入時及び前回のアンチスキッド制御の終了時に
ステップS25からステップS27に移行して“0”に
リセットされると共に、制御フラグASが“1”にセッ
トされている間,前記論理値“1”の制御中信号MRが
前記疑似車速発生装置17に出力される。また、図中,
前述のようにiは前旋回内輪,oは前旋回外輪であるこ
とを表し、夫々Rで(前)右輪,Lで(前)左輪を示
す。
【0039】即ち、図4の処理が開始されると,先ずス
テップS1で各車輪速演算回路15j(j=FL,F
R,R)から出力される現在の車輪速検出値Vwj を読
込み、疑似車速演算回路17からの疑似車速Vi を読込
み、操舵角センサ20から出力される操舵角検出値θを
読込む。次にステップS2に移行して、前記ステップS
1で読込んだ疑似車速Vi ,操舵角検出値θを用いて,
前記1式に従って車両で達成すべき目標ヨーレートψ'*
を算出する。
テップS1で各車輪速演算回路15j(j=FL,F
R,R)から出力される現在の車輪速検出値Vwj を読
込み、疑似車速演算回路17からの疑似車速Vi を読込
み、操舵角センサ20から出力される操舵角検出値θを
読込む。次にステップS2に移行して、前記ステップS
1で読込んだ疑似車速Vi ,操舵角検出値θを用いて,
前記1式に従って車両で達成すべき目標ヨーレートψ'*
を算出する。
【0040】次にステップS3に移行して、ヨーレート
センサ14からのヨーレート検出値ψ' を読込む。次に
ステップS4に移行して、前記ステップS2で算出した
目標ヨーレートψ '*からステップS3で読込んだヨーレ
ート検出値ψ' を減算して,前記3式に従って現在のヨ
ーレート偏差εを算出し、これを記憶装置25cの所定
記憶領域に記憶する。
センサ14からのヨーレート検出値ψ' を読込む。次に
ステップS4に移行して、前記ステップS2で算出した
目標ヨーレートψ '*からステップS3で読込んだヨーレ
ート検出値ψ' を減算して,前記3式に従って現在のヨ
ーレート偏差εを算出し、これを記憶装置25cの所定
記憶領域に記憶する。
【0041】次にステップS5に移行して、前記ステッ
プS4で算出した現在のヨーレート偏差εを,前回の処
理時に記憶したヨーレート偏差ε(N-1) から減算して,
その単位時間当たりのヨーレート偏差の変化率(ε
(N-1) −ε)/Δtから微分値ε’を算出する。次にス
テップS6に移行して、前記ヨーレート偏差εが零でな
いか否かを判別し、現在のヨーレート偏差εが零である
場合,即ちヨーレート偏差が発生している場合にはステ
ップS7に移行し、そうでない場合にはステップS8に
移行する。
プS4で算出した現在のヨーレート偏差εを,前回の処
理時に記憶したヨーレート偏差ε(N-1) から減算して,
その単位時間当たりのヨーレート偏差の変化率(ε
(N-1) −ε)/Δtから微分値ε’を算出する。次にス
テップS6に移行して、前記ヨーレート偏差εが零でな
いか否かを判別し、現在のヨーレート偏差εが零である
場合,即ちヨーレート偏差が発生している場合にはステ
ップS7に移行し、そうでない場合にはステップS8に
移行する。
【0042】前記ステップS8では、前記ヨーレート偏
差の微分値εが零でないか否かを判別し、当該ヨーレー
ト偏差の微分値εが零でない場合,即ちヨーレート偏差
の傾きが零に収束していない場合にはステップS9に移
行し、そうでない場合には前記ステップS7に移行す
る。前記ステップS7では、前記横加速度センサ21か
らの横加速度検出値YG を読込んでから,ステップS1
0に移行する。
差の微分値εが零でないか否かを判別し、当該ヨーレー
ト偏差の微分値εが零でない場合,即ちヨーレート偏差
の傾きが零に収束していない場合にはステップS9に移
行し、そうでない場合には前記ステップS7に移行す
る。前記ステップS7では、前記横加速度センサ21か
らの横加速度検出値YG を読込んでから,ステップS1
0に移行する。
【0043】前記ステップS10では、前記ステップS
4で算出されたヨーレート偏差ε及びステップS3で読
込まれたヨーレート検出値ψ' を用いて,前記4式及び
5式に従って左右輪間基準スリップ率基準補正量ΔSRL
及び前後輪間基準スリップ率基準補正量ΔSfrを算出し
てから,ステップS11に移行する。なお、この演算処
理で用いられるフィードバックゲインK1 ,K2 は、何
れも予め設定された所定値K10,K20と理解すればよ
い。
4で算出されたヨーレート偏差ε及びステップS3で読
込まれたヨーレート検出値ψ' を用いて,前記4式及び
5式に従って左右輪間基準スリップ率基準補正量ΔSRL
及び前後輪間基準スリップ率基準補正量ΔSfrを算出し
てから,ステップS11に移行する。なお、この演算処
理で用いられるフィードバックゲインK1 ,K2 は、何
れも予め設定された所定値K10,K20と理解すればよ
い。
【0044】前記ステップS11では、前記ステップS
7で読込まれた横加速度検出値YGに基づいて,前記図
5に示すマップ検索により、左右輪間増加補正ゲインK
RL及び前後輪間増加補正ゲインKfrを設定してから,ス
テップS12に移行する。前記ステップS12では、ヨ
ーレート偏差εが負であるか否かを判定し、当該ヨーレ
ート偏差εが負である場合にはステップS13に移行
し、そうでない場合にはステップS14に移行する。
7で読込まれた横加速度検出値YGに基づいて,前記図
5に示すマップ検索により、左右輪間増加補正ゲインK
RL及び前後輪間増加補正ゲインKfrを設定してから,ス
テップS12に移行する。前記ステップS12では、ヨ
ーレート偏差εが負であるか否かを判定し、当該ヨーレ
ート偏差εが負である場合にはステップS13に移行
し、そうでない場合にはステップS14に移行する。
【0045】前記ステップS13では、前述のようにヨ
ーレート偏差εが負である,即ちヨーレートが不足して
いるから、前記9式〜11式に従って各輪の基準スリッ
プ率SFi0 〜SR0を算出してから,ステップS15に移
行する。また、前記ステップS14では、前述のように
ヨーレート偏差εが正である,即ちヨーレートが過剰で
あるから、前記6式〜8式に従って各輪の基準スリップ
率SFi0 〜SR0を算出してから,前記ステップS15に
移行する。
ーレート偏差εが負である,即ちヨーレートが不足して
いるから、前記9式〜11式に従って各輪の基準スリッ
プ率SFi0 〜SR0を算出してから,ステップS15に移
行する。また、前記ステップS14では、前述のように
ヨーレート偏差εが正である,即ちヨーレートが過剰で
あるから、前記6式〜8式に従って各輪の基準スリップ
率SFi0 〜SR0を算出してから,前記ステップS15に
移行する。
【0046】一方、前記ステップS9では、各輪の基準
スリップ率SFi0 〜SR0を初期設定スリップ率S0 に設
定してから,前記ステップS15に移行する。前記ステ
ップS15では、前記ステップS1で読込まれた各車輪
速検出値Vw jNを,前回の処理時に読込んだ車輪速検出
値Vwj(N-1)から減算して,単位時間当たりの車輪速変
化量,即ち車輪加減速度V'wj を算出し、これを記憶装
置25cの所定記憶領域に記憶する。
スリップ率SFi0 〜SR0を初期設定スリップ率S0 に設
定してから,前記ステップS15に移行する。前記ステ
ップS15では、前記ステップS1で読込まれた各車輪
速検出値Vw jNを,前回の処理時に読込んだ車輪速検出
値Vwj(N-1)から減算して,単位時間当たりの車輪速変
化量,即ち車輪加減速度V'wj を算出し、これを記憶装
置25cの所定記憶領域に記憶する。
【0047】次にステップS16に移行して、下記12
式の演算を行ってスリップ率Sj を算出する。 Sj =(Vi −Vwj )/Vi ・100 ………(12) 次にステップS17に移行して、前記ステップS1で読
込まれた操舵角検出値θが負であるか否かを判定し、当
該操舵角検出値θが負である場合にはステップS18に
移行し、そうでない場合にはステップS19に移行す
る。
式の演算を行ってスリップ率Sj を算出する。 Sj =(Vi −Vwj )/Vi ・100 ………(12) 次にステップS17に移行して、前記ステップS1で読
込まれた操舵角検出値θが負であるか否かを判定し、当
該操舵角検出値θが負である場合にはステップS18に
移行し、そうでない場合にはステップS19に移行す
る。
【0048】前記ステップS18では、操舵角検出値θ
が負である,即ち左旋回中であるから、前旋回外輪を示
す添字oを前右輪を示す添字Rに,前旋回内輪を示す添
字iを前左輪を示す添字Lに設定してから,ステップS
20に移行する。一方、前記ステップS19では、操舵
角検出値θが正である,即ち右旋回中であるから、前旋
回外輪を示す添字oを前左輪を示す添字Lに,前旋回内
輪を示す添字iを前右輪を示す添字Rに設定してから,
前記したステップS20に移行する。
が負である,即ち左旋回中であるから、前旋回外輪を示
す添字oを前右輪を示す添字Rに,前旋回内輪を示す添
字iを前左輪を示す添字Lに設定してから,ステップS
20に移行する。一方、前記ステップS19では、操舵
角検出値θが正である,即ち右旋回中であるから、前旋
回外輪を示す添字oを前左輪を示す添字Lに,前旋回内
輪を示す添字iを前右輪を示す添字Rに設定してから,
前記したステップS20に移行する。
【0049】そして、以後,前記ステップS9,S1
3,S14で設定された各基準スリップ率SFi0 ,S
Fo0 の添字を,前記ステップS18又はステップS19
で設定された添字R又は添字Lに置換して、これらの基
準スリップ率SFL0 ,SFR0 及びSR0を基準スリップ率
Sj0として各輪に対応可能とし、更に前記ステップS1
5で算出した車輪加速度V'wj 及び前記ステップS16
で算出したスリップ率Sjに基づいてアクチュエータ6
FL〜6Rを制御する制御信号を出力する。
3,S14で設定された各基準スリップ率SFi0 ,S
Fo0 の添字を,前記ステップS18又はステップS19
で設定された添字R又は添字Lに置換して、これらの基
準スリップ率SFL0 ,SFR0 及びSR0を基準スリップ率
Sj0として各輪に対応可能とし、更に前記ステップS1
5で算出した車輪加速度V'wj 及び前記ステップS16
で算出したスリップ率Sjに基づいてアクチュエータ6
FL〜6Rを制御する制御信号を出力する。
【0050】即ち、各車輪のスリップ率Sj が前記ステ
ップS9,S14,15,S18,S19で設定された
基準スリップ率Sj0(前記初期設定スリップ率S0 は通
常のタイヤの舵取り効果及び制動距離の確保可能な15
%程度であると考えればよい)未満であり、且つ制御フ
ラグAS及び減圧タイマTが共に“0”であり、車輪加
減速度V'wj が予め設定された負の加減速度閾値α及び
正の加減速度閾値βの間,即ちα<V'wj <βである非
制動時及び制動初期時には、ステップS25,S27又
はS28,S31,S32を経て,S29でアクチュー
タ6FL〜6Rの圧力をマスタシリンダ5の圧力に応じ
た圧力とする急増圧モードに設定する。この急増圧モー
ドでは、アクチュータ6FL〜6Rに対する制御信号E
V及びAVを,共に論理値“0”として、アクチューエ
ータ6FL〜6Rの流入弁8を開状態に,流出弁9を閉
状態に夫々制御する。
ップS9,S14,15,S18,S19で設定された
基準スリップ率Sj0(前記初期設定スリップ率S0 は通
常のタイヤの舵取り効果及び制動距離の確保可能な15
%程度であると考えればよい)未満であり、且つ制御フ
ラグAS及び減圧タイマTが共に“0”であり、車輪加
減速度V'wj が予め設定された負の加減速度閾値α及び
正の加減速度閾値βの間,即ちα<V'wj <βである非
制動時及び制動初期時には、ステップS25,S27又
はS28,S31,S32を経て,S29でアクチュー
タ6FL〜6Rの圧力をマスタシリンダ5の圧力に応じ
た圧力とする急増圧モードに設定する。この急増圧モー
ドでは、アクチュータ6FL〜6Rに対する制御信号E
V及びAVを,共に論理値“0”として、アクチューエ
ータ6FL〜6Rの流入弁8を開状態に,流出弁9を閉
状態に夫々制御する。
【0051】そして、制動状態となると車輪速検出値V
wj が徐々に減少し、これに応じて車輪加減速度V'wj
が図6の曲線に示すように小さくなり(負の方向に減少
し)、この車輪加減速度V'wj が負の加減速度閾値αを
越えると,ステップS33からステップS35に移行
し、ホイルシリンダ2FL〜2RRの内圧を一定値に保
持する高圧側の保持モードとなる。この高圧側の保持モ
ードでは、アクチュエータ6FL〜6Rの流入弁8を閉
状態に,流出弁9を閉状態に夫々制御し、ホイルシリン
ダ2FL〜2RRの内圧をその直前の圧力に保持する。
wj が徐々に減少し、これに応じて車輪加減速度V'wj
が図6の曲線に示すように小さくなり(負の方向に減少
し)、この車輪加減速度V'wj が負の加減速度閾値αを
越えると,ステップS33からステップS35に移行
し、ホイルシリンダ2FL〜2RRの内圧を一定値に保
持する高圧側の保持モードとなる。この高圧側の保持モ
ードでは、アクチュエータ6FL〜6Rの流入弁8を閉
状態に,流出弁9を閉状態に夫々制御し、ホイルシリン
ダ2FL〜2RRの内圧をその直前の圧力に保持する。
【0052】しかしながら、この保持モードにおいて
も,車輪に対して制動力が作用しているので、図6の曲
線に示すように車輪加減速度V'wj が減少すると共に、
スリップ率Sj が増加する。そして、各輪のスリップ率
Sj が前記各輪の基準スリップ率Sj0を越え,且つ車輪
加減速度V'wj が正の加減速度閾値β未満を維持してい
るときには、ステップS20からステップS21を経て
ステップS24に移行して,減圧タイマTを予め設定さ
れた所定値T0 にセットすると共に制御フラグASを
“1”にセットし、これに応じて論理値“1”の制御中
信号MRを出力してアクチュエータ6FL〜6Rの油圧
ポンプ10を作動状態とする。このため、ステップS2
8からステップS30に移行し、アクチュエータ6FL
〜6Rの圧力を徐々に減圧する減圧モードとなる。この
減圧モードでは、アクチュエータ6FL〜6Rの流入弁
8を閉状態,流出弁9を開状態として,ホイルシリンダ
2FL〜2RRに保持されている圧力を流出弁9,油圧
ポンプ10及び逆止弁11を介してマスタシリンダ5側
に戻し、ホイルシリンダ2FL〜2RRの内圧を減少さ
せる。
も,車輪に対して制動力が作用しているので、図6の曲
線に示すように車輪加減速度V'wj が減少すると共に、
スリップ率Sj が増加する。そして、各輪のスリップ率
Sj が前記各輪の基準スリップ率Sj0を越え,且つ車輪
加減速度V'wj が正の加減速度閾値β未満を維持してい
るときには、ステップS20からステップS21を経て
ステップS24に移行して,減圧タイマTを予め設定さ
れた所定値T0 にセットすると共に制御フラグASを
“1”にセットし、これに応じて論理値“1”の制御中
信号MRを出力してアクチュエータ6FL〜6Rの油圧
ポンプ10を作動状態とする。このため、ステップS2
8からステップS30に移行し、アクチュエータ6FL
〜6Rの圧力を徐々に減圧する減圧モードとなる。この
減圧モードでは、アクチュエータ6FL〜6Rの流入弁
8を閉状態,流出弁9を開状態として,ホイルシリンダ
2FL〜2RRに保持されている圧力を流出弁9,油圧
ポンプ10及び逆止弁11を介してマスタシリンダ5側
に戻し、ホイルシリンダ2FL〜2RRの内圧を減少さ
せる。
【0053】この減圧モードになると、車輪に対する制
動力が緩和されるものの,車輪速検出値Vwj は暫くは
減少状態を維持し、このため図6の曲線に示すように車
輪加減速度V'wj は更に負の方向に減少し且つスリップ
率Sj は増加傾向を継続するが、その後,車輪速検出値
Vwj の減少率が低下して加速状態に移行する。これに
応じて車輪加減速度V'wj が正方向に増加し、車輪加減
速度V'wj が正の加速度閾値β以上となると、前記ステ
ップS20からステップS21を経てステップS23に
移行する。このステップS23では、減圧タイマTを
“0”にリセットしてから前記ステップS25に移行す
る。従って、ステップS28の判定でT=0となるので
ステップS31に移行し、V'wj ≧βであるのでステッ
プS32に移行し、制御フラグAS=0であるのでステ
ップS34に移行し、アクチュエータ6FL〜6Rの圧
力を低圧側で保持する低圧側の保持モードに移行する。
この低圧側の保持モードでは、前記高圧側の保持モード
と同様に制御信号EVを論理値“1”,制御信号AVを
論理値“0”に制御して,ホイルシリンダ2FL〜2R
Rの内圧をその直前の圧力に保持する。
動力が緩和されるものの,車輪速検出値Vwj は暫くは
減少状態を維持し、このため図6の曲線に示すように車
輪加減速度V'wj は更に負の方向に減少し且つスリップ
率Sj は増加傾向を継続するが、その後,車輪速検出値
Vwj の減少率が低下して加速状態に移行する。これに
応じて車輪加減速度V'wj が正方向に増加し、車輪加減
速度V'wj が正の加速度閾値β以上となると、前記ステ
ップS20からステップS21を経てステップS23に
移行する。このステップS23では、減圧タイマTを
“0”にリセットしてから前記ステップS25に移行す
る。従って、ステップS28の判定でT=0となるので
ステップS31に移行し、V'wj ≧βであるのでステッ
プS32に移行し、制御フラグAS=0であるのでステ
ップS34に移行し、アクチュエータ6FL〜6Rの圧
力を低圧側で保持する低圧側の保持モードに移行する。
この低圧側の保持モードでは、前記高圧側の保持モード
と同様に制御信号EVを論理値“1”,制御信号AVを
論理値“0”に制御して,ホイルシリンダ2FL〜2R
Rの内圧をその直前の圧力に保持する。
【0054】この低圧側の保持モードにおいても,車輪
に対しては制動力が作用しているので、車輪速検出値V
wj の増加率は徐々に減少し、車輪加速度V'wj が正の
加減速度閾値β未満となると、ステップS31からステ
ップS33に移行し、V'wj>αであるのでステップS
36に移行し、制御フラグASが未だ“1”であるので
ステップS37に移行する。このステップS37では、
マスタシリンダ5からの圧力作動油を間欠的にホイルシ
リンダ2FL〜2RRに供給し,当該ホイルシリンダ2
FL〜2RRの内圧がステップ状に増圧されて緩増圧モ
ードとなる。この緩増圧モードでは、アクチュエータ6
FL〜6Rに対する制御信号EVを論理値“0”及び論
理値“1”に所定間隔で繰り返すと共に、制御信号AV
を論理値“0”として、アクチュエータ6FL〜6Rの
流入弁8を所定間隔で開閉し、流出弁9を閉状態とする
ことにより、ホイルシリンダ2FL〜2RRの内圧を徐
々にステップ状に増圧する。
に対しては制動力が作用しているので、車輪速検出値V
wj の増加率は徐々に減少し、車輪加速度V'wj が正の
加減速度閾値β未満となると、ステップS31からステ
ップS33に移行し、V'wj>αであるのでステップS
36に移行し、制御フラグASが未だ“1”であるので
ステップS37に移行する。このステップS37では、
マスタシリンダ5からの圧力作動油を間欠的にホイルシ
リンダ2FL〜2RRに供給し,当該ホイルシリンダ2
FL〜2RRの内圧がステップ状に増圧されて緩増圧モ
ードとなる。この緩増圧モードでは、アクチュエータ6
FL〜6Rに対する制御信号EVを論理値“0”及び論
理値“1”に所定間隔で繰り返すと共に、制御信号AV
を論理値“0”として、アクチュエータ6FL〜6Rの
流入弁8を所定間隔で開閉し、流出弁9を閉状態とする
ことにより、ホイルシリンダ2FL〜2RRの内圧を徐
々にステップ状に増圧する。
【0055】この緩増圧モードになると、ホイルシリン
ダ2FL〜2RRの圧力上昇が緩やかとなるので、車輪
1FL〜1RRに対する制動力が徐々に増加し、車輪1
FL〜1RRが減速状態となって車輪速検出値Vwj も
減少する。その後、車輪加減速度V'wj が負の加減速度
閾値α未満となると,前記ステップS33からステップ
S35に移行して高圧側の保持モードとなり、その後、
各輪のスリップ率Sjが基準スリップ率Sj0以上となる
と,前記ステップS20からステップS21を経てステ
ップS24に移行し、次いでステップS25,S28を
経てステップS30に移行して減圧モードとなり、然る
後、低圧保持モード、緩増圧モード、高圧保持モード、
減圧モードが繰り返され、アンチスキッド効果を発揮す
ることができる。なお、車両の速度がある程度低下した
ときには、減圧モードにおいてスリップ率Sj が設定ス
リップ率S0 未満に回復する場合があり、このときには
前記ステップS20からステップS22に移行し、前記
したように減圧モードを設定するステップS24で減圧
タイマTが所定値T0 にセットされているので、ステッ
プS26に移行して減圧タイマTの所定設定値を“1”
だけ減算してからステップS25に移行することにな
る。従って、このステップS22からステップS26に
移行する処理を繰り返して減圧タイマTが“0”となる
と,ステップS28〜S36を経てステップS37に移
行して緩増圧モードに移行し、次いで高圧側の保持モー
ドに移行してから減圧モードに移行する,即ち図6に破
線で示すように制動圧制御が実行されることになる。
ダ2FL〜2RRの圧力上昇が緩やかとなるので、車輪
1FL〜1RRに対する制動力が徐々に増加し、車輪1
FL〜1RRが減速状態となって車輪速検出値Vwj も
減少する。その後、車輪加減速度V'wj が負の加減速度
閾値α未満となると,前記ステップS33からステップ
S35に移行して高圧側の保持モードとなり、その後、
各輪のスリップ率Sjが基準スリップ率Sj0以上となる
と,前記ステップS20からステップS21を経てステ
ップS24に移行し、次いでステップS25,S28を
経てステップS30に移行して減圧モードとなり、然る
後、低圧保持モード、緩増圧モード、高圧保持モード、
減圧モードが繰り返され、アンチスキッド効果を発揮す
ることができる。なお、車両の速度がある程度低下した
ときには、減圧モードにおいてスリップ率Sj が設定ス
リップ率S0 未満に回復する場合があり、このときには
前記ステップS20からステップS22に移行し、前記
したように減圧モードを設定するステップS24で減圧
タイマTが所定値T0 にセットされているので、ステッ
プS26に移行して減圧タイマTの所定設定値を“1”
だけ減算してからステップS25に移行することにな
る。従って、このステップS22からステップS26に
移行する処理を繰り返して減圧タイマTが“0”となる
と,ステップS28〜S36を経てステップS37に移
行して緩増圧モードに移行し、次いで高圧側の保持モー
ドに移行してから減圧モードに移行する,即ち図6に破
線で示すように制動圧制御が実行されることになる。
【0056】そして、車両が停止近傍の速度になったと
き、緩増圧モードの選択回数が所定値以上となったとき
等の制御終了条件を満足する状態となったときには,ス
テップS25の判断によって制御終了と判断されるの
で、このステップS25からステップS27に移行して
減圧タイマT及び制御フラグASを夫々“0”にリセッ
トしてからステップS29に移行して、急増圧モードと
してからアンチスキッド制御を終了する。
き、緩増圧モードの選択回数が所定値以上となったとき
等の制御終了条件を満足する状態となったときには,ス
テップS25の判断によって制御終了と判断されるの
で、このステップS25からステップS27に移行して
減圧タイマT及び制御フラグASを夫々“0”にリセッ
トしてからステップS29に移行して、急増圧モードと
してからアンチスキッド制御を終了する。
【0057】それでは次に、旋回制動時においてヨーレ
ート偏差εが発生したために,前記ステップS6又はス
テップS8を経てステップS7に移行し、更にステップ
S10〜S14並びにステップS18,S19で実行さ
れる基準スリップ率Sj0が変更設定された場合について
考察する。本実施例では、前述のように,基本的にヨー
レート偏差εに応じてステアリング特性がオーバステア
方向又はアンダステア方向に変化するように,制動力,
即ち制動圧の制御を行う。ここで、例えば右旋回中の前
記図4の演算処理において,ヨーレート偏差εが正の場
合には、図7に示すように高μ路面であることを前提と
して基本的に,後輪2RL,2RRの基準スリップ率S
R0は初期設定スリップ率S0 に対して前後輪間基準スリ
ップ率基準補正量ΔSfrだけ増加され、両前輪2FL,
2FRの基準スリップ率(ここでは両前輪の平均スリッ
プ率としてS F0と記す)は初期設定スリップ率S0 に対
して前後輪間基準スリップ率基準補正量ΔSfrだけ減少
される。更に、図7に示すように前左右輪間の基準スリ
ップ率のうち,旋回外輪である前左輪2FLの基準スリ
ップ率SFL0 は、高μ路面であることを前提として基本
的に,更に左右輪間基準スリップ率基準補正量ΔSRLだ
け減少され、一方,旋回内輪である前右輪2FRの基準
スリップ率SFR0 は、更に左右輪間基準スリップ率基準
補正量ΔSRLだけ増加される。これを、前記図6の制動
圧制御特性曲線で見ると,基準スリップ率Sj0が増加さ
れることは同図のそれが下方に引き下げられることと等
価であるから、前記図4の演算処理による減圧モードへ
の移行のタイミングが遅くなる,即ち減圧タイミングが
遅くなり、図5の破線で示すような制動圧制御特性曲線
では,図4の演算処理の増圧モードへの移行のタイミン
グが早くなる,即ち増圧タイミングが早くなることにな
り、結果的に当該車輪への制動圧は増加傾向となるか
ら,制動力が増加すると共に車輪速が減速する。逆に、
基準スリップ率Sj0が減少されることは同図のそれが上
方に引き上げられることと等価であるから、前記図4の
演算処理による減圧モードへの移行のタイミングが早く
なる,即ち減圧タイミングが早くなり、図5の破線で示
すような制動圧制御特性曲線では,図4の演算処理の増
圧モードへの移行のタイミングが遅くなる,即ち増圧タ
イミングが遅くなることになり、結果的に当該車輪への
制動圧は減少傾向となるから制動力が減少すると共に車
輪速が増速する。従って、後輪2RL,2RRへの制動
力は両前輪2FL,2FRへのそれよりも大きくなっ
て,当該後輪2RL,2RRのコーナリングフォースは
相対的に低下してヨーレートが増加し、前旋回外輪であ
る前左輪2FLへの制動力が小さくなって当該前左輪2
FLは増速され且つ前旋回内輪である前右輪2FRへの
制動力が大きくなって当該前右輪2FRは減速されるた
めにヨーモーメントが助長され、結果的に車両全体のス
テアリング特性はオーバステア方向に変化してヨーレー
ト検出値ψ’は増加し、これによりヨーレート偏差εは
収束されてゆくためにヨーレートのフィードバック制御
がアンチスキッド制御装置によって平行して行われる。
勿論、本来のアンチスキッド制御によって車輪のロック
は抑制防止する必要があるから、前記各基準スリップ基
準補正量ΔSRL,ΔSfrの算出に使用されるフィードバ
ックゲインK1 及びK2 は、発生するヨーレート偏差ε
やヨーレート検出値ψ’の大きさも関与するのではある
が,少なくとも高μ路面で増加補正される基準スリップ
率Sj0がタイヤ特性としての舵取り効果や制動距離の確
保可能な範囲になるように設定される必要がある。
ート偏差εが発生したために,前記ステップS6又はス
テップS8を経てステップS7に移行し、更にステップ
S10〜S14並びにステップS18,S19で実行さ
れる基準スリップ率Sj0が変更設定された場合について
考察する。本実施例では、前述のように,基本的にヨー
レート偏差εに応じてステアリング特性がオーバステア
方向又はアンダステア方向に変化するように,制動力,
即ち制動圧の制御を行う。ここで、例えば右旋回中の前
記図4の演算処理において,ヨーレート偏差εが正の場
合には、図7に示すように高μ路面であることを前提と
して基本的に,後輪2RL,2RRの基準スリップ率S
R0は初期設定スリップ率S0 に対して前後輪間基準スリ
ップ率基準補正量ΔSfrだけ増加され、両前輪2FL,
2FRの基準スリップ率(ここでは両前輪の平均スリッ
プ率としてS F0と記す)は初期設定スリップ率S0 に対
して前後輪間基準スリップ率基準補正量ΔSfrだけ減少
される。更に、図7に示すように前左右輪間の基準スリ
ップ率のうち,旋回外輪である前左輪2FLの基準スリ
ップ率SFL0 は、高μ路面であることを前提として基本
的に,更に左右輪間基準スリップ率基準補正量ΔSRLだ
け減少され、一方,旋回内輪である前右輪2FRの基準
スリップ率SFR0 は、更に左右輪間基準スリップ率基準
補正量ΔSRLだけ増加される。これを、前記図6の制動
圧制御特性曲線で見ると,基準スリップ率Sj0が増加さ
れることは同図のそれが下方に引き下げられることと等
価であるから、前記図4の演算処理による減圧モードへ
の移行のタイミングが遅くなる,即ち減圧タイミングが
遅くなり、図5の破線で示すような制動圧制御特性曲線
では,図4の演算処理の増圧モードへの移行のタイミン
グが早くなる,即ち増圧タイミングが早くなることにな
り、結果的に当該車輪への制動圧は増加傾向となるか
ら,制動力が増加すると共に車輪速が減速する。逆に、
基準スリップ率Sj0が減少されることは同図のそれが上
方に引き上げられることと等価であるから、前記図4の
演算処理による減圧モードへの移行のタイミングが早く
なる,即ち減圧タイミングが早くなり、図5の破線で示
すような制動圧制御特性曲線では,図4の演算処理の増
圧モードへの移行のタイミングが遅くなる,即ち増圧タ
イミングが遅くなることになり、結果的に当該車輪への
制動圧は減少傾向となるから制動力が減少すると共に車
輪速が増速する。従って、後輪2RL,2RRへの制動
力は両前輪2FL,2FRへのそれよりも大きくなっ
て,当該後輪2RL,2RRのコーナリングフォースは
相対的に低下してヨーレートが増加し、前旋回外輪であ
る前左輪2FLへの制動力が小さくなって当該前左輪2
FLは増速され且つ前旋回内輪である前右輪2FRへの
制動力が大きくなって当該前右輪2FRは減速されるた
めにヨーモーメントが助長され、結果的に車両全体のス
テアリング特性はオーバステア方向に変化してヨーレー
ト検出値ψ’は増加し、これによりヨーレート偏差εは
収束されてゆくためにヨーレートのフィードバック制御
がアンチスキッド制御装置によって平行して行われる。
勿論、本来のアンチスキッド制御によって車輪のロック
は抑制防止する必要があるから、前記各基準スリップ基
準補正量ΔSRL,ΔSfrの算出に使用されるフィードバ
ックゲインK1 及びK2 は、発生するヨーレート偏差ε
やヨーレート検出値ψ’の大きさも関与するのではある
が,少なくとも高μ路面で増加補正される基準スリップ
率Sj0がタイヤ特性としての舵取り効果や制動距離の確
保可能な範囲になるように設定される必要がある。
【0058】また、車両の左旋回中,或いはヨーレート
偏差εが正である場合にも、少なくとも高μ路面である
ことを前提として基本的には,前記と逆の制動圧制御の
実行によってヨーレートのフィードバック制御が実行さ
れることにより、車両の回頭性と走行安定性との両立を
期待できる。ところで、このままのヨーレートフィード
バック制御,即ち前記従来のヨーレートフィードバック
制御では、走行中の路面が摩擦係数状態の小さい,所謂
低μ路面である場合は、前記ヨーレートフィードバック
制御のために増減圧される制動圧制御が却って支障とな
ることが想定される。例えば、前述のように制動圧の増
圧タイミングを早めたり或いは減圧タイミングを遅らせ
たりして,当該車輪への制動力が増加傾向になると、そ
の車輪のコーナリングフォースは,前記摩擦円の概念か
ら低下し、十分な横力を得られなくなって車両の旋回軌
跡が旋回方向外側に膨らんでしまう可能性もある。
偏差εが正である場合にも、少なくとも高μ路面である
ことを前提として基本的には,前記と逆の制動圧制御の
実行によってヨーレートのフィードバック制御が実行さ
れることにより、車両の回頭性と走行安定性との両立を
期待できる。ところで、このままのヨーレートフィード
バック制御,即ち前記従来のヨーレートフィードバック
制御では、走行中の路面が摩擦係数状態の小さい,所謂
低μ路面である場合は、前記ヨーレートフィードバック
制御のために増減圧される制動圧制御が却って支障とな
ることが想定される。例えば、前述のように制動圧の増
圧タイミングを早めたり或いは減圧タイミングを遅らせ
たりして,当該車輪への制動力が増加傾向になると、そ
の車輪のコーナリングフォースは,前記摩擦円の概念か
ら低下し、十分な横力を得られなくなって車両の旋回軌
跡が旋回方向外側に膨らんでしまう可能性もある。
【0059】しかしながら、本実施例のヨーレートフィ
ードバック制御では,前記スリップ率の増加補正におい
て,路面摩擦係数に依存する比例係数である制動圧増加
補正ゲインKRL,Kfrを用いることにより、この問題を
解決する。この制動圧増加補正ゲインKRL,Kfrは、前
述のように路面摩擦係数状態μと等価な横加速度検出値
YG の低下と共に,高μ路面での“1”から次第に小さ
くなるように設定される。そして、前記6式〜11式に
示すように,各基準スリップ率基準補正量ΔS LR,ΔS
frが増加される側の基準スリップ率Sj0に対してのみ、
この制動圧増加補正ゲインKRL,Kfrが乗じられる。こ
こで、例えば左右輪間増加補正ゲインK RLが乗じられる
基準スリップ率Sj0(=S0 +ΔSfr+KRL・ΔSRL又
はS0 −ΔSfr+KRL・ΔSRLと考えればよい)につい
て,図7を用いて考察する。同図から明らかなように、
横加速度検出値YG 即ち路面摩擦係数μの低下に伴っ
て,“1”よりも値が小さくなる左右輪間増加補正ゲイ
ンKRLが乗じられた,低μ路面の左右輪間基準スリップ
率基準補正量ΔSRLは、高μ路面のそれに対して,(1
−KRL)・ΔSRL分だけ小さくなることになる。これと
同様の変更制御が前後輪間増加補正ゲインKfrを用いて
前後輪間基準スリップ率基準補正量ΔSfrにも実行され
ることになるから、最も増加補正される基準スリップ率
Sj0(=S0 +Kfr・ΔSfr+KRL・ΔSRLと考えれば
よい)は,低μ路面で高μ路面よりも相当に小さく増加
補正されることになる。このように、低μ路面で基準ス
リップ率Sj0の増加補正量が小さくなるということは、
図6の制動圧制御特性曲線からも明らかなように、その
分だけ,当該車輪への制動圧の増圧タイミングが遅くな
り或いは減圧タイミングが早くなることになるから、当
該車輪への制動力の増加量は全体的に小さめになってコ
ーナリングフォースの低下が抑制防止され、十分な横力
を得て,旋回軌跡が外側に膨らむのを抑制防止すること
ができる。
ードバック制御では,前記スリップ率の増加補正におい
て,路面摩擦係数に依存する比例係数である制動圧増加
補正ゲインKRL,Kfrを用いることにより、この問題を
解決する。この制動圧増加補正ゲインKRL,Kfrは、前
述のように路面摩擦係数状態μと等価な横加速度検出値
YG の低下と共に,高μ路面での“1”から次第に小さ
くなるように設定される。そして、前記6式〜11式に
示すように,各基準スリップ率基準補正量ΔS LR,ΔS
frが増加される側の基準スリップ率Sj0に対してのみ、
この制動圧増加補正ゲインKRL,Kfrが乗じられる。こ
こで、例えば左右輪間増加補正ゲインK RLが乗じられる
基準スリップ率Sj0(=S0 +ΔSfr+KRL・ΔSRL又
はS0 −ΔSfr+KRL・ΔSRLと考えればよい)につい
て,図7を用いて考察する。同図から明らかなように、
横加速度検出値YG 即ち路面摩擦係数μの低下に伴っ
て,“1”よりも値が小さくなる左右輪間増加補正ゲイ
ンKRLが乗じられた,低μ路面の左右輪間基準スリップ
率基準補正量ΔSRLは、高μ路面のそれに対して,(1
−KRL)・ΔSRL分だけ小さくなることになる。これと
同様の変更制御が前後輪間増加補正ゲインKfrを用いて
前後輪間基準スリップ率基準補正量ΔSfrにも実行され
ることになるから、最も増加補正される基準スリップ率
Sj0(=S0 +Kfr・ΔSfr+KRL・ΔSRLと考えれば
よい)は,低μ路面で高μ路面よりも相当に小さく増加
補正されることになる。このように、低μ路面で基準ス
リップ率Sj0の増加補正量が小さくなるということは、
図6の制動圧制御特性曲線からも明らかなように、その
分だけ,当該車輪への制動圧の増圧タイミングが遅くな
り或いは減圧タイミングが早くなることになるから、当
該車輪への制動力の増加量は全体的に小さめになってコ
ーナリングフォースの低下が抑制防止され、十分な横力
を得て,旋回軌跡が外側に膨らむのを抑制防止すること
ができる。
【0060】このとき、当該車輪への制動力が減少する
ことになるから、前記必要な目標ヨーレートψ'*達成の
ための制動力差が得られず、一時的に検出されるヨーレ
ート検出値ψ' が,フィードバック制御による収束方向
とは逆方向に減少傾向又は増加傾向を示す可能性はあ
る。しかし、前記左右又は前後輪間基準スリップ率基準
補正量ΔSRL,ΔSfrは、夫々,目標ヨーレートψ'*と
ヨーレート検出値ψ' との偏差εのフィードバック制御
量であるから、例えば前記車輪のスリップ率が基準スリ
ップ率を越え易くする方向への補正対象変数の補正量の
上限値が限定されたとして,逆に車輪のスリップ率が基
準スリップ率を越えにくくする方向への補正対象変数の
補正量を大きくすることは可能であるから、その後,こ
れらの左右又は前後輪間基準スリップ率基準補正量ΔS
RL,ΔSfrそのものが大きくなってヨーレート追従制御
に必要な制動力差が確保され、十分なヨーモーメントの
発生を得て車両は回頭性が向上し、或いは走行安定性が
確保される。即ち、ヨーレートフィードバック制御の時
定数が低μ路面ではやや大きくなることになるが、この
ような低μ路面では全ての急激なハンドリングが操縦安
定性を劣化させると評価されることから考えれば、制御
応答性が長じることはむしろ操縦安定性を確保する意味
からも理想的であると評価できる。
ことになるから、前記必要な目標ヨーレートψ'*達成の
ための制動力差が得られず、一時的に検出されるヨーレ
ート検出値ψ' が,フィードバック制御による収束方向
とは逆方向に減少傾向又は増加傾向を示す可能性はあ
る。しかし、前記左右又は前後輪間基準スリップ率基準
補正量ΔSRL,ΔSfrは、夫々,目標ヨーレートψ'*と
ヨーレート検出値ψ' との偏差εのフィードバック制御
量であるから、例えば前記車輪のスリップ率が基準スリ
ップ率を越え易くする方向への補正対象変数の補正量の
上限値が限定されたとして,逆に車輪のスリップ率が基
準スリップ率を越えにくくする方向への補正対象変数の
補正量を大きくすることは可能であるから、その後,こ
れらの左右又は前後輪間基準スリップ率基準補正量ΔS
RL,ΔSfrそのものが大きくなってヨーレート追従制御
に必要な制動力差が確保され、十分なヨーモーメントの
発生を得て車両は回頭性が向上し、或いは走行安定性が
確保される。即ち、ヨーレートフィードバック制御の時
定数が低μ路面ではやや大きくなることになるが、この
ような低μ路面では全ての急激なハンドリングが操縦安
定性を劣化させると評価されることから考えれば、制御
応答性が長じることはむしろ操縦安定性を確保する意味
からも理想的であると評価できる。
【0061】ここで、前記横加速度センサ21及び前記
図4の演算処理におけるステップS7が本発明のアンチ
スキッド制御装置の路面摩擦係数状態検出手段に相当
し、以下同様に操舵角センサ20及び図4の演算処理に
おけるステップS1が操舵状態検出手段に相当し、前後
加速度センサ13,疑似車速発生装置17及び図4の演
算処理におけるステップS1が車速検出手段に相当し、
図4の演算処理のステップS2が目標ヨーレート設定手
段に相当し、各車輪速センサ3FL〜3R及び図4の演
算処理におけるステップS1が車輪速検出手段に相当
し、図4の演算処理のステップS16がスリップ率演算
手段に相当し、図4の演算処理のステップS6〜S14
及びステップS17〜S19がスリップ率補正手段に相
当し、図4の演算処理全体が制動圧制御手段に相当す
る。
図4の演算処理におけるステップS7が本発明のアンチ
スキッド制御装置の路面摩擦係数状態検出手段に相当
し、以下同様に操舵角センサ20及び図4の演算処理に
おけるステップS1が操舵状態検出手段に相当し、前後
加速度センサ13,疑似車速発生装置17及び図4の演
算処理におけるステップS1が車速検出手段に相当し、
図4の演算処理のステップS2が目標ヨーレート設定手
段に相当し、各車輪速センサ3FL〜3R及び図4の演
算処理におけるステップS1が車輪速検出手段に相当
し、図4の演算処理のステップS16がスリップ率演算
手段に相当し、図4の演算処理のステップS6〜S14
及びステップS17〜S19がスリップ率補正手段に相
当し、図4の演算処理全体が制動圧制御手段に相当す
る。
【0062】なお、前記実施例では,路面摩擦係数状態
μと横加速度検出値YG とが完全に等価であるとして、
当該横加速度検出値YG に応じてマップ検索により各増
加補正ゲインKRL,Kfrを設定することとしたが、車両
で発生すべき横加速度は,車速,操舵角(つまり目標ヨ
ーレート),実ヨーレート等から算出することができる
から、このようにして算出される目標横加速度と検出さ
れる横加速度検出値との比又は偏差に応じて,各増加補
正ゲインKRL,Kfrをマップ検索等により設定するよう
にしてもよい。
μと横加速度検出値YG とが完全に等価であるとして、
当該横加速度検出値YG に応じてマップ検索により各増
加補正ゲインKRL,Kfrを設定することとしたが、車両
で発生すべき横加速度は,車速,操舵角(つまり目標ヨ
ーレート),実ヨーレート等から算出することができる
から、このようにして算出される目標横加速度と検出さ
れる横加速度検出値との比又は偏差に応じて,各増加補
正ゲインKRL,Kfrをマップ検索等により設定するよう
にしてもよい。
【0063】また、本実施例では,低μ路面での横力確
保のための入力トリガを,増加側制動力の減少で発生さ
せ、その後,ヨーレートフィードバック制御のフィード
バック補正によって必要な制動力差を各輪間で発生させ
ることとしたが、この制動力差を予め設定して両者を同
時にフィードバック補正するものとしてもよい。また、
本実施例では路面摩擦係数状態を検出するために横加速
度検出値を用いたが、例えば本出願人が先に提案した特
開平3−246152号公報に記載されるような路面摩
擦係数状態検出装置を用いて直接的に検出又は算出され
た路面摩擦係数状態値μを用いることも可能であり、そ
の場合には,前記実施例における横加速度検出値YG の
代わりに当該路面摩擦係数状態値μを代入するだけで全
く問題なく対応できる。
保のための入力トリガを,増加側制動力の減少で発生さ
せ、その後,ヨーレートフィードバック制御のフィード
バック補正によって必要な制動力差を各輪間で発生させ
ることとしたが、この制動力差を予め設定して両者を同
時にフィードバック補正するものとしてもよい。また、
本実施例では路面摩擦係数状態を検出するために横加速
度検出値を用いたが、例えば本出願人が先に提案した特
開平3−246152号公報に記載されるような路面摩
擦係数状態検出装置を用いて直接的に検出又は算出され
た路面摩擦係数状態値μを用いることも可能であり、そ
の場合には,前記実施例における横加速度検出値YG の
代わりに当該路面摩擦係数状態値μを代入するだけで全
く問題なく対応できる。
【0064】次に本発明のアンチスキッド制御装置の第
2実施例を図8〜図10を用いて説明する。本実施例に
おけるアンチスキッド制御装置の基本的構成並びにその
車両付帯構成は前記図2に示す第1実施例と同等又はほ
ぼ同等であるために、必要な名称にはそれと同等の符号
を用いて後段の説明を推論することで,その詳細な説明
を割愛する。
2実施例を図8〜図10を用いて説明する。本実施例に
おけるアンチスキッド制御装置の基本的構成並びにその
車両付帯構成は前記図2に示す第1実施例と同等又はほ
ぼ同等であるために、必要な名称にはそれと同等の符号
を用いて後段の説明を推論することで,その詳細な説明
を割愛する。
【0065】また、各車輪のホイルシリンダの構成並び
にその制動圧を具体的に変更制御するためのアクチュエ
ータの構成についても,前記図3に示す第1実施例と同
等又はほぼ同等であるために、必要な名称にはそれと同
等の符号を用いて後段の説明を推論することで,その詳
細な説明を割愛する。そして、前記コントローラCRの
マイクロコンピュータ25内で実行される演算処理が,
前記第1実施例の図4から図8に示すものに変更される
わけであるが、少なくとも目標ヨーレートψ'*の算出,
ヨーレート検出値ψ' の読込み,ヨーレート偏差ε並び
にその微分値ε’の算出,ヨーレート偏差ε及びその微
分値ε’が零の場合の基準スリップ率SFi0 〜SR0の設
定,車輪加減速度V'wj 及びスリップ率Sj の算出、前
旋回内外輪の添字i,oの設定,並びに基準スリップ率
Sj0,スリップ率Sj ,車輪加減速度V'wj に基づく制
動圧制御の各演算処理のステップは前記第1実施例と同
等又はほぼ同等であり、更にヨーレート偏差ε又はその
微分値ε’が零でない場合のヨーレートフィードバック
制御に係る路面摩擦係数状態の代わりに横加速度検出値
YG を読込むステップも前記第1実施例と同等又はほぼ
同等であるために、これらの各ステップ,具体的にはス
テップS1〜S7及びステップS15〜S37には第1
実施例と同等の符号を付して,その詳細な説明を割愛す
る。
にその制動圧を具体的に変更制御するためのアクチュエ
ータの構成についても,前記図3に示す第1実施例と同
等又はほぼ同等であるために、必要な名称にはそれと同
等の符号を用いて後段の説明を推論することで,その詳
細な説明を割愛する。そして、前記コントローラCRの
マイクロコンピュータ25内で実行される演算処理が,
前記第1実施例の図4から図8に示すものに変更される
わけであるが、少なくとも目標ヨーレートψ'*の算出,
ヨーレート検出値ψ' の読込み,ヨーレート偏差ε並び
にその微分値ε’の算出,ヨーレート偏差ε及びその微
分値ε’が零の場合の基準スリップ率SFi0 〜SR0の設
定,車輪加減速度V'wj 及びスリップ率Sj の算出、前
旋回内外輪の添字i,oの設定,並びに基準スリップ率
Sj0,スリップ率Sj ,車輪加減速度V'wj に基づく制
動圧制御の各演算処理のステップは前記第1実施例と同
等又はほぼ同等であり、更にヨーレート偏差ε又はその
微分値ε’が零でない場合のヨーレートフィードバック
制御に係る路面摩擦係数状態の代わりに横加速度検出値
YG を読込むステップも前記第1実施例と同等又はほぼ
同等であるために、これらの各ステップ,具体的にはス
テップS1〜S7及びステップS15〜S37には第1
実施例と同等の符号を付して,その詳細な説明を割愛す
る。
【0066】次に本実施例のアンチスキッド制御装置で
行われるヨーレートフィードバック制御の基本原理につ
いて説明する。本実施例でも,前記第1実施例と同様
に,ヨーレート偏差εが正の場合には車両のステアリン
グ特性をオーバステア方向に,ヨーレート偏差εが負の
場合には車両のステアリング特性をアンダステア方向に
変更修正するために、制御対象輪の制動圧の増減圧タイ
ミングに係る基準スリップ率SFi0 〜SR0を補正するこ
とにより、各制御対象輪への制動力並びに当該車輪速を
増減してヨーレートのフィードバック制御を実行する。
ここで、第1実施例では,左右又は前後輪間基準スリッ
プ率基準補正量ΔSRL,ΔSfrが,予め設定された所定
値K10,K20であるフィードバックゲインK1 ,K2 を
用いて,前記4式及び5式で算出される。従って、ヨー
レート偏差ε及び/又はヨーレート検出値ψ' に対して
各基準スリップ率基準補正量ΔSRL,ΔSfrは一意に設
定されることになる。このうち、前後輪間基準スリップ
率基準補正量ΔSRLは、前後輪の何れか一方の基準スリ
ップ率に加算され,即ち増加され、何れか他方の基準ス
リップ率から減算され,即ち減少される。また、左右輪
間基準スリップ率基準補正量ΔSfrは、前左右輪の何れ
か一方の基準スリップ率に加算され,即ち増加され、何
れか他方の基準スリップ率から減算され,即ち減少され
る。そして、夫々増加側の基準スリップ率基準補正量Δ
SRL,ΔSfrに対して、路面摩擦係数状態の低下に伴っ
て小さくなる比例係数としての増加補正ゲインKRL,K
frを乗じ、結果的に増加側の基準スリップ率の増加補正
量を,低μ路面で小さくなるように補正し、これによっ
て制動力並びに車輪速の増減補正量を小さく抑制してコ
ーナリングフォースを確保する。このとき、各基準スリ
ップ率増加補正ゲインKRL,Kfrは,共に高μ路面で
“1”であり、摩擦係数状態,即ち横加速度検出値Y G
の減少に伴って減少するように設定される。
行われるヨーレートフィードバック制御の基本原理につ
いて説明する。本実施例でも,前記第1実施例と同様
に,ヨーレート偏差εが正の場合には車両のステアリン
グ特性をオーバステア方向に,ヨーレート偏差εが負の
場合には車両のステアリング特性をアンダステア方向に
変更修正するために、制御対象輪の制動圧の増減圧タイ
ミングに係る基準スリップ率SFi0 〜SR0を補正するこ
とにより、各制御対象輪への制動力並びに当該車輪速を
増減してヨーレートのフィードバック制御を実行する。
ここで、第1実施例では,左右又は前後輪間基準スリッ
プ率基準補正量ΔSRL,ΔSfrが,予め設定された所定
値K10,K20であるフィードバックゲインK1 ,K2 を
用いて,前記4式及び5式で算出される。従って、ヨー
レート偏差ε及び/又はヨーレート検出値ψ' に対して
各基準スリップ率基準補正量ΔSRL,ΔSfrは一意に設
定されることになる。このうち、前後輪間基準スリップ
率基準補正量ΔSRLは、前後輪の何れか一方の基準スリ
ップ率に加算され,即ち増加され、何れか他方の基準ス
リップ率から減算され,即ち減少される。また、左右輪
間基準スリップ率基準補正量ΔSfrは、前左右輪の何れ
か一方の基準スリップ率に加算され,即ち増加され、何
れか他方の基準スリップ率から減算され,即ち減少され
る。そして、夫々増加側の基準スリップ率基準補正量Δ
SRL,ΔSfrに対して、路面摩擦係数状態の低下に伴っ
て小さくなる比例係数としての増加補正ゲインKRL,K
frを乗じ、結果的に増加側の基準スリップ率の増加補正
量を,低μ路面で小さくなるように補正し、これによっ
て制動力並びに車輪速の増減補正量を小さく抑制してコ
ーナリングフォースを確保する。このとき、各基準スリ
ップ率増加補正ゲインKRL,Kfrは,共に高μ路面で
“1”であり、摩擦係数状態,即ち横加速度検出値Y G
の減少に伴って減少するように設定される。
【0067】この演算過程を子細に考察すると、このよ
うに各基準スリップ率増加補正ゲインKRL,Kfrが,増
加される基準スリップ率に対して,最大値“1”からリ
ニアに減少する値,即ち重み係数であると考えれば、前
記フィードバックゲインK1,K2 が,夫々所定値
K10,K20に固定されていることから、このフィードバ
ックゲインK1 ,K2 を,夫々,少なくとも基準スリッ
プ率の増加側に対しては,前記所定値K10,K20に各基
準スリップ率増加補正ゲインKRL,Kfrを乗じた値とす
ることで、前記二つの演算プロセスを一つに統合するこ
とができる。この制御ロジックをマップ化したものが図
9に示すものである。即ち、図9aで検索される左右輪
間フィードバックゲインK1 のうち、初期設定スリップ
率S0 から減じられる,即ち制動圧に対しては減圧側で
あり同時に車輪速に対しては増速側である,左右輪間基
準スリップ率基準補正量ΔSRLの算出に用いられる左右
輪間フィードバックゲインK1 は、横加速度検出値YG
(即ち路面摩擦係数状態μ)に関わらず,前記所定値K
10に固定される。一方、初期設定スリップ率S0 に加え
られる,即ち制動圧に対しては増圧側であり同時に車輪
速に対しては減速側である,左右輪間基準スリップ率基
準補正量ΔSRLの算出に用いられる左右輪間フィードバ
ックゲインK1 は、横加速度検出値YG (即ち路面摩擦
係数状態μ)が比較的大きな所定値YG2以上では比較的
大きな前記所定値K10に設定され、横加速度検出値YG
が比較的小さな所定値YG1以下では,この所定値K10に
前記図5の制御マップにおける比較的小さな所定値K
RL1 を乗じた値,即ち図9aの比較的小さな所定値K11
に設定され、横加速度検出値YG が前記所定値YG1から
所定値YG2までの間であるときは,前記所定値K10と所
定値K10との間でリニアに減少する値に設定される。ま
た、図9bで検索される前後輪間フィードバックゲイン
K2 のうち、初期設定スリップ率S0 から減じられる,
即ち制動圧に対しては減圧側であり同時に車輪速に対し
ては増速側である,前後輪間基準スリップ率基準補正量
ΔSfrの算出に用いられる左右輪間フィードバックゲイ
ンK2 は、横加速度検出値YG (即ち路面摩擦係数状態
μ)に関わらず,前記所定値K20に固定される。一方、
初期設定スリップ率S0 に加えられる,即ち制動圧に対
しては増圧側であり同時に車輪速に対しては減速側であ
る,前後輪間基準スリップ率基準補正量ΔSfrの算出に
用いられる左右輪間フィードバックゲインK2 は、横加
速度検出値YG (即ち路面摩擦係数状態μ)が比較的大
きな所定値YG2以上では比較的大きな前記所定値K20に
設定され、横加速度検出値YG が比較的小さな所定値Y
G1以下では零に設定され、横加速度検出値YG が前記所
定値YG1から所定値Y G2までの間であるときは,前記所
定値K20と零との間でリニアに減少する値に設定される
(フィードバックゲインを小さく設定したからといっ
て,制動力差を小さく設定するものではないことは後段
に説明する)。
うに各基準スリップ率増加補正ゲインKRL,Kfrが,増
加される基準スリップ率に対して,最大値“1”からリ
ニアに減少する値,即ち重み係数であると考えれば、前
記フィードバックゲインK1,K2 が,夫々所定値
K10,K20に固定されていることから、このフィードバ
ックゲインK1 ,K2 を,夫々,少なくとも基準スリッ
プ率の増加側に対しては,前記所定値K10,K20に各基
準スリップ率増加補正ゲインKRL,Kfrを乗じた値とす
ることで、前記二つの演算プロセスを一つに統合するこ
とができる。この制御ロジックをマップ化したものが図
9に示すものである。即ち、図9aで検索される左右輪
間フィードバックゲインK1 のうち、初期設定スリップ
率S0 から減じられる,即ち制動圧に対しては減圧側で
あり同時に車輪速に対しては増速側である,左右輪間基
準スリップ率基準補正量ΔSRLの算出に用いられる左右
輪間フィードバックゲインK1 は、横加速度検出値YG
(即ち路面摩擦係数状態μ)に関わらず,前記所定値K
10に固定される。一方、初期設定スリップ率S0 に加え
られる,即ち制動圧に対しては増圧側であり同時に車輪
速に対しては減速側である,左右輪間基準スリップ率基
準補正量ΔSRLの算出に用いられる左右輪間フィードバ
ックゲインK1 は、横加速度検出値YG (即ち路面摩擦
係数状態μ)が比較的大きな所定値YG2以上では比較的
大きな前記所定値K10に設定され、横加速度検出値YG
が比較的小さな所定値YG1以下では,この所定値K10に
前記図5の制御マップにおける比較的小さな所定値K
RL1 を乗じた値,即ち図9aの比較的小さな所定値K11
に設定され、横加速度検出値YG が前記所定値YG1から
所定値YG2までの間であるときは,前記所定値K10と所
定値K10との間でリニアに減少する値に設定される。ま
た、図9bで検索される前後輪間フィードバックゲイン
K2 のうち、初期設定スリップ率S0 から減じられる,
即ち制動圧に対しては減圧側であり同時に車輪速に対し
ては増速側である,前後輪間基準スリップ率基準補正量
ΔSfrの算出に用いられる左右輪間フィードバックゲイ
ンK2 は、横加速度検出値YG (即ち路面摩擦係数状態
μ)に関わらず,前記所定値K20に固定される。一方、
初期設定スリップ率S0 に加えられる,即ち制動圧に対
しては増圧側であり同時に車輪速に対しては減速側であ
る,前後輪間基準スリップ率基準補正量ΔSfrの算出に
用いられる左右輪間フィードバックゲインK2 は、横加
速度検出値YG (即ち路面摩擦係数状態μ)が比較的大
きな所定値YG2以上では比較的大きな前記所定値K20に
設定され、横加速度検出値YG が比較的小さな所定値Y
G1以下では零に設定され、横加速度検出値YG が前記所
定値YG1から所定値Y G2までの間であるときは,前記所
定値K20と零との間でリニアに減少する値に設定される
(フィードバックゲインを小さく設定したからといっ
て,制動力差を小さく設定するものではないことは後段
に説明する)。
【0068】このようにマップ検索等により設定された
各フィードバックゲインK1 ,K2を用いれば,前記4
式及び5式で算出される各基準スリップ率補正量(ここ
では増加量補正が完了しているとして前記基準補正量と
いう称呼を単に補正量と記す)ΔSRL,ΔSfrは、夫
々,増加側の各基準スリップ率補正量ΔSRL,ΔS
frが,路面摩擦係数状態に応じて重み付けされた値とし
て算出される。従って、各基準スリップ率SFi0 〜SR0
(=Sj0)は,前記6’式〜11’式で直接的に算出す
ることができる。このときには、例えば各フィードバッ
クゲインK1 ,K2 を増減側の2通りで設定し、それら
に基づいて各基準スリップ率補正量ΔSRL,ΔSfrを増
減側の2通りで算出し、ヨーレート偏差εの正負に応じ
て各基準スリップ率補正量ΔSRL,ΔSfrを増減側で読
込んでくる必要から,その分だけバッファ等の記憶領域
容量は多く必要となるが、2段階の演算を1段階で終了
するという演算負荷の軽減も達成されるから、第1実施
例,第2実施例ともに一長一短はある。
各フィードバックゲインK1 ,K2を用いれば,前記4
式及び5式で算出される各基準スリップ率補正量(ここ
では増加量補正が完了しているとして前記基準補正量と
いう称呼を単に補正量と記す)ΔSRL,ΔSfrは、夫
々,増加側の各基準スリップ率補正量ΔSRL,ΔS
frが,路面摩擦係数状態に応じて重み付けされた値とし
て算出される。従って、各基準スリップ率SFi0 〜SR0
(=Sj0)は,前記6’式〜11’式で直接的に算出す
ることができる。このときには、例えば各フィードバッ
クゲインK1 ,K2 を増減側の2通りで設定し、それら
に基づいて各基準スリップ率補正量ΔSRL,ΔSfrを増
減側の2通りで算出し、ヨーレート偏差εの正負に応じ
て各基準スリップ率補正量ΔSRL,ΔSfrを増減側で読
込んでくる必要から,その分だけバッファ等の記憶領域
容量は多く必要となるが、2段階の演算を1段階で終了
するという演算負荷の軽減も達成されるから、第1実施
例,第2実施例ともに一長一短はある。
【0069】なお、本実施例では前述のように基準スリ
ップ率を補正することでヨーレートのフィードバック制
御を実行することにしたが、要はスリップ率の基準値と
実測値とに基づいて制動圧の増減圧タイミングを可変制
御することができるから、当該車輪のスリップ率又はそ
の算出に用いられる車輪速,或いはスリップ率の基準値
と実測値との偏差そのものを補正しても,前記と同様の
ヨーレートフィードバック制御は可能であることをここ
に付記しておく。
ップ率を補正することでヨーレートのフィードバック制
御を実行することにしたが、要はスリップ率の基準値と
実測値とに基づいて制動圧の増減圧タイミングを可変制
御することができるから、当該車輪のスリップ率又はそ
の算出に用いられる車輪速,或いはスリップ率の基準値
と実測値との偏差そのものを補正しても,前記と同様の
ヨーレートフィードバック制御は可能であることをここ
に付記しておく。
【0070】以上の発明原理に基づいて、前記制動圧制
御回路18のマイクロコンピュータ25で実行される制
動圧制御の演算処理を,図8のフローチャートに基づい
て説明する。この制動圧制御処理は、所定時間,例えば
5msec.毎のタイマ割込処理として実行され、ASはア
ンチスキッド制御フラグ,Tは減圧タイマを示し、これ
らはキースイッチのオンによる電源投入時及び前回のア
ンチスキッド制御の終了時にステップS25からステッ
プS27に移行して“0”にリセットされると共に、制
御フラグASが“1”にセットされている間,前記論理
値“1”の制御中信号MRが前記疑似車速発生装置17
に出力される。また、図中,前述のようにiは前旋回内
輪,oは前旋回外輪であることを表し、夫々Rで(前)
右輪,Lで(前)左輪を示す。
御回路18のマイクロコンピュータ25で実行される制
動圧制御の演算処理を,図8のフローチャートに基づい
て説明する。この制動圧制御処理は、所定時間,例えば
5msec.毎のタイマ割込処理として実行され、ASはア
ンチスキッド制御フラグ,Tは減圧タイマを示し、これ
らはキースイッチのオンによる電源投入時及び前回のア
ンチスキッド制御の終了時にステップS25からステッ
プS27に移行して“0”にリセットされると共に、制
御フラグASが“1”にセットされている間,前記論理
値“1”の制御中信号MRが前記疑似車速発生装置17
に出力される。また、図中,前述のようにiは前旋回内
輪,oは前旋回外輪であることを表し、夫々Rで(前)
右輪,Lで(前)左輪を示す。
【0071】なお、この図8の演算処理のうち,前記第
1実施例の図4の演算処理と共通するステップS1〜S
9については,各ステップに同等のステップ符号を付し
て説明を割愛する。而して前記ステップS7で横加速度
検出値YG を読込んだ後,ステップS110に移行す
る。
1実施例の図4の演算処理と共通するステップS1〜S
9については,各ステップに同等のステップ符号を付し
て説明を割愛する。而して前記ステップS7で横加速度
検出値YG を読込んだ後,ステップS110に移行す
る。
【0072】前記ステップS110では、前記ステップ
S7で読込まれた横加速度検出値Y G に基づいて,前記
図9に示すマップ検索により、左右輪間フィードバック
ゲインK1 及び前後輪間フィードバックゲインK2 を設
定してから,ステップS111に移行する。前記ステッ
プS111では、前記ステップS4で算出されたヨーレ
ート偏差ε及びステップS3で読込まれたヨーレート検
出値ψ' 及び前記ステップS110で検索された左右輪
間フィードバックゲインK1 及び前後輪間フィードバッ
クゲインK2 を用いて,前記4式及び5式に従って左右
輪間基準スリップ率基準補正量ΔSRL及び前後輪間基準
スリップ率基準補正量ΔSfrを算出してから,ステップ
S112に移行する。
S7で読込まれた横加速度検出値Y G に基づいて,前記
図9に示すマップ検索により、左右輪間フィードバック
ゲインK1 及び前後輪間フィードバックゲインK2 を設
定してから,ステップS111に移行する。前記ステッ
プS111では、前記ステップS4で算出されたヨーレ
ート偏差ε及びステップS3で読込まれたヨーレート検
出値ψ' 及び前記ステップS110で検索された左右輪
間フィードバックゲインK1 及び前後輪間フィードバッ
クゲインK2 を用いて,前記4式及び5式に従って左右
輪間基準スリップ率基準補正量ΔSRL及び前後輪間基準
スリップ率基準補正量ΔSfrを算出してから,ステップ
S112に移行する。
【0073】前記ステップS112では、ヨーレート偏
差εが負であるか否かを判定し、当該ヨーレート偏差ε
が負である場合にはステップS113に移行し、そうで
ない場合にはステップS114に移行する。前記ステッ
プS113では、前述のようにヨーレート偏差εが負で
ある,即ちヨーレートが不足しているから、前記9’式
〜11’式に従って各輪の基準スリップ率SFi0 〜SR0
を算出してから,ステップS15に移行する。
差εが負であるか否かを判定し、当該ヨーレート偏差ε
が負である場合にはステップS113に移行し、そうで
ない場合にはステップS114に移行する。前記ステッ
プS113では、前述のようにヨーレート偏差εが負で
ある,即ちヨーレートが不足しているから、前記9’式
〜11’式に従って各輪の基準スリップ率SFi0 〜SR0
を算出してから,ステップS15に移行する。
【0074】また、前記ステップS114では、前述の
ようにヨーレート偏差εが正である,即ちヨーレートが
過剰であるから、前記6’式〜8’式に従って各輪の基
準スリップ率SFi0 〜SR0を算出してから,前記ステッ
プS15に移行する。前記ステップS15〜S19まで
の各演算処理は,前記図4の第1実施例と同等又はほぼ
同等であり、各ステップには同等の符号を付してその説
明を割愛する。
ようにヨーレート偏差εが正である,即ちヨーレートが
過剰であるから、前記6’式〜8’式に従って各輪の基
準スリップ率SFi0 〜SR0を算出してから,前記ステッ
プS15に移行する。前記ステップS15〜S19まで
の各演算処理は,前記図4の第1実施例と同等又はほぼ
同等であり、各ステップには同等の符号を付してその説
明を割愛する。
【0075】そして、以後,前記ステップS20〜S3
7で実行されるアンチスキッド制御装置による一般的な
アンチスキッド制御の制動圧制御も,前記図4及び図5
の第1実施例同等又はほぼ同等であり、各ステップには
同等の符号を付してその説明を割愛する。それでは次
に、旋回制動時においてヨーレート偏差εが発生したた
めに,前記ステップS6又はステップS8を経てステッ
プS7に移行し、更にステップS110〜S114並び
にステップS18,S19で実行される基準スリップ率
Sj0が変更設定された場合について考察する。
7で実行されるアンチスキッド制御装置による一般的な
アンチスキッド制御の制動圧制御も,前記図4及び図5
の第1実施例同等又はほぼ同等であり、各ステップには
同等の符号を付してその説明を割愛する。それでは次
に、旋回制動時においてヨーレート偏差εが発生したた
めに,前記ステップS6又はステップS8を経てステッ
プS7に移行し、更にステップS110〜S114並び
にステップS18,S19で実行される基準スリップ率
Sj0が変更設定された場合について考察する。
【0076】本実施例では、前述のように,基本的にヨ
ーレート偏差εに応じてステアリング特性がオーバステ
ア方向又はアンダステア方向に変化するように,制動
力,即ち制動圧の制御を行う。ここで、例えば右旋回中
の前記図8の演算処理において,ヨーレート偏差εが正
の場合には、図10に示すように後輪2RL,2RRの
基準スリップ率SR0は初期設定スリップ率S0 に対し
て,前後輪間基準スリップ率補正量ΔSfrだけ増加さ
れ、両前輪2FL,2FRの基準スリップ率(ここでは
両前輪の平均スリップ率としてSF0と記す)は初期設定
スリップ率S0 に対して前後輪間基準スリップ率補正量
ΔSfrだけ減少される。更に、図10に示すように前左
右輪間の基準スリップ率のうち,旋回外輪である前左輪
2FLの基準スリップ率SFL0 は、更に左右輪間基準ス
リップ率補正量ΔSRLだけ減少され、一方,旋回内輪で
ある前右輪2FRの基準スリップ率SFR0 は、更に左右
輪間基準スリップ率基準補正量ΔSRLだけ増加される。
これを、前記図6の制動圧制御特性曲線で見ると,基準
スリップ率Sj0が増加されることは同図のそれが下方に
引き下げられることと等価であるから、前記図8の演算
処理による減圧モードへの移行のタイミングが遅くな
る,即ち減圧タイミングが遅くなり、図6の破線で示す
ような制動圧制御特性曲線では,図8の演算処理の増圧
モードへの移行のタイミングが早くなる,即ち増圧タイ
ミングが早くなることになり、結果的に当該車輪への制
動圧は増加傾向となるから,制動力が増加すると共に車
輪速が減速する。逆に、基準スリップ率Sj0が減少され
ることは同図のそれが上方に引き上げられることと等価
であるから、前記図8の演算処理による減圧モードへの
移行のタイミングが早くなる,即ち減圧タイミングが早
くなり、図6の破線で示すような制動圧制御特性曲線で
は,図8の演算処理の増圧モードへの移行のタイミング
が遅くなる,即ち増圧タイミングが遅くなることにな
り、結果的に当該車輪への制動圧は減少傾向となるから
制動力が減少すると共に車輪速が増速する。従って、後
輪2RL,2RRへの制動力は両前輪2FL,2FRへ
のそれよりも大きくなって,当該後輪2RL,2RRの
コーナリングフォースは相対的に低下してヨーレートが
増加し、前旋回外輪である前左輪2FLへの制動力が小
さくなって当該前左輪2FLは増速され且つ前旋回内輪
である前右輪2FRへの制動力が大きくなって当該前右
輪2FRは減速されるためにヨーモーメントが助長さ
れ、結果的に車両全体のステアリング特性はオーバステ
ア方向に変化してヨーレート検出値ψ’は増加し、これ
によりヨーレート偏差εは収束されてゆくためにヨーレ
ートのフィードバック制御がアンチスキッド制御装置に
よって平行して行われる。勿論、本来のアンチスキッド
制御によって車輪のロックは抑制防止する必要があるか
ら、前記各基準スリップ率基準補正量ΔSRL,ΔSfrの
算出に使用されるフィードバックゲインの所定値K10及
びK20は、発生するヨーレート偏差εやヨーレート検出
値ψ’の大きさも関与するのではあるが,少なくとも高
μ路面で増加補正される基準スリップ率Sj0がタイヤ特
性としての舵取り効果や制動距離の確保可能な範囲にな
るように設定される必要がある。
ーレート偏差εに応じてステアリング特性がオーバステ
ア方向又はアンダステア方向に変化するように,制動
力,即ち制動圧の制御を行う。ここで、例えば右旋回中
の前記図8の演算処理において,ヨーレート偏差εが正
の場合には、図10に示すように後輪2RL,2RRの
基準スリップ率SR0は初期設定スリップ率S0 に対し
て,前後輪間基準スリップ率補正量ΔSfrだけ増加さ
れ、両前輪2FL,2FRの基準スリップ率(ここでは
両前輪の平均スリップ率としてSF0と記す)は初期設定
スリップ率S0 に対して前後輪間基準スリップ率補正量
ΔSfrだけ減少される。更に、図10に示すように前左
右輪間の基準スリップ率のうち,旋回外輪である前左輪
2FLの基準スリップ率SFL0 は、更に左右輪間基準ス
リップ率補正量ΔSRLだけ減少され、一方,旋回内輪で
ある前右輪2FRの基準スリップ率SFR0 は、更に左右
輪間基準スリップ率基準補正量ΔSRLだけ増加される。
これを、前記図6の制動圧制御特性曲線で見ると,基準
スリップ率Sj0が増加されることは同図のそれが下方に
引き下げられることと等価であるから、前記図8の演算
処理による減圧モードへの移行のタイミングが遅くな
る,即ち減圧タイミングが遅くなり、図6の破線で示す
ような制動圧制御特性曲線では,図8の演算処理の増圧
モードへの移行のタイミングが早くなる,即ち増圧タイ
ミングが早くなることになり、結果的に当該車輪への制
動圧は増加傾向となるから,制動力が増加すると共に車
輪速が減速する。逆に、基準スリップ率Sj0が減少され
ることは同図のそれが上方に引き上げられることと等価
であるから、前記図8の演算処理による減圧モードへの
移行のタイミングが早くなる,即ち減圧タイミングが早
くなり、図6の破線で示すような制動圧制御特性曲線で
は,図8の演算処理の増圧モードへの移行のタイミング
が遅くなる,即ち増圧タイミングが遅くなることにな
り、結果的に当該車輪への制動圧は減少傾向となるから
制動力が減少すると共に車輪速が増速する。従って、後
輪2RL,2RRへの制動力は両前輪2FL,2FRへ
のそれよりも大きくなって,当該後輪2RL,2RRの
コーナリングフォースは相対的に低下してヨーレートが
増加し、前旋回外輪である前左輪2FLへの制動力が小
さくなって当該前左輪2FLは増速され且つ前旋回内輪
である前右輪2FRへの制動力が大きくなって当該前右
輪2FRは減速されるためにヨーモーメントが助長さ
れ、結果的に車両全体のステアリング特性はオーバステ
ア方向に変化してヨーレート検出値ψ’は増加し、これ
によりヨーレート偏差εは収束されてゆくためにヨーレ
ートのフィードバック制御がアンチスキッド制御装置に
よって平行して行われる。勿論、本来のアンチスキッド
制御によって車輪のロックは抑制防止する必要があるか
ら、前記各基準スリップ率基準補正量ΔSRL,ΔSfrの
算出に使用されるフィードバックゲインの所定値K10及
びK20は、発生するヨーレート偏差εやヨーレート検出
値ψ’の大きさも関与するのではあるが,少なくとも高
μ路面で増加補正される基準スリップ率Sj0がタイヤ特
性としての舵取り効果や制動距離の確保可能な範囲にな
るように設定される必要がある。
【0077】また、車両の左旋回中,或いはヨーレート
偏差εが正である場合にも、前記と逆の制動圧制御の実
行によってヨーレートのフィードバック制御が実行され
ることにより、車両の回頭性と走行安定性との両立を期
待できる。ところで、例えば、前述のように制動圧の増
圧タイミングを早めたり或いは減圧タイミングを遅らせ
たりして,当該車輪への制動力が増加傾向になると、そ
の車輪のコーナリングフォースは,前記摩擦円の概念か
ら低下し、十分な横力を得られなくなって車両の旋回軌
跡が旋回方向外側に膨らんでしまう可能性に対して、本
実施例のヨーレートフィードバック制御では,前記スリ
ップ率の増加補正において,前述のように路面摩擦係数
の低下に伴って,前記フィードバックゲインK1 ,K2
を小さく設定することにより、この問題を解決する。こ
のフィードバックゲインK1 ,K2 は、フィードバック
ゲインの所定値K10,K20に対して,前述のように路面
摩擦係数状態μと等価な横加速度検出値YG の低下と共
に,高μ路面での“1”から次第に小さくなるように設
定される,第1実施例の制動圧増加補正ゲインKRL,K
frを乗じた値であるから、前記6’式〜11’式で算出
される各基準スリップ率Sj0のうち,各基準スリップ率
補正量ΔSLR,ΔSfrが増加される側の基準スリップ率
Sj0に対してのみ、この制動圧増加補正ゲインK RL,K
frが乗じられたことと等価である。ここで、例えば左右
輪間基準スリップ率補正量ΔSRLが加算される基準スリ
ップ率Sj0(=S0 +ΔSfr+ΔSRL又はS0 −ΔSfr
+ΔSRLと考えればよい)について,図11を用いて考
察する。同図から明らかなように、横加速度検出値YG
即ち路面摩擦係数μの低下に伴って,所定値K10よりも
値が小さくなる左右輪間フィードバックゲインK1 を用
いて算出された,低μ路面の左右輪間基準スリップ率補
正量ΔSRLは、高μ路面のそれに対して,(K10−
K1 )・ε・ψ' 分だけ小さくなることになる。これと
同様の変更制御が前後輪間フィードバックゲインK2 を
用いて算出される前後輪間基準スリップ率補正量ΔSfr
にも実行されることになるから、最も増加補正される基
準スリップ率Sj0(=S0 +ΔSfr+ΔSRLと考えれば
よい)は,低μ路面で高μ路面よりも相当に小さく増加
補正されることになる。このように、低μ路面で基準ス
リップ率Sj0の増加補正量が小さくなるということは、
前記図6の制動圧制御特性曲線からも明らかなように、
その分だけ,当該車輪への制動圧の増圧タイミングが遅
くなり或いは減圧タイミングが早くなることになるか
ら、当該車輪への制動力の増加量は全体的に小さめにな
ってコーナリングフォースの低下が抑制防止され、十分
な横力を得て,旋回軌跡が外側に膨らむのを抑制防止す
ることができる。
偏差εが正である場合にも、前記と逆の制動圧制御の実
行によってヨーレートのフィードバック制御が実行され
ることにより、車両の回頭性と走行安定性との両立を期
待できる。ところで、例えば、前述のように制動圧の増
圧タイミングを早めたり或いは減圧タイミングを遅らせ
たりして,当該車輪への制動力が増加傾向になると、そ
の車輪のコーナリングフォースは,前記摩擦円の概念か
ら低下し、十分な横力を得られなくなって車両の旋回軌
跡が旋回方向外側に膨らんでしまう可能性に対して、本
実施例のヨーレートフィードバック制御では,前記スリ
ップ率の増加補正において,前述のように路面摩擦係数
の低下に伴って,前記フィードバックゲインK1 ,K2
を小さく設定することにより、この問題を解決する。こ
のフィードバックゲインK1 ,K2 は、フィードバック
ゲインの所定値K10,K20に対して,前述のように路面
摩擦係数状態μと等価な横加速度検出値YG の低下と共
に,高μ路面での“1”から次第に小さくなるように設
定される,第1実施例の制動圧増加補正ゲインKRL,K
frを乗じた値であるから、前記6’式〜11’式で算出
される各基準スリップ率Sj0のうち,各基準スリップ率
補正量ΔSLR,ΔSfrが増加される側の基準スリップ率
Sj0に対してのみ、この制動圧増加補正ゲインK RL,K
frが乗じられたことと等価である。ここで、例えば左右
輪間基準スリップ率補正量ΔSRLが加算される基準スリ
ップ率Sj0(=S0 +ΔSfr+ΔSRL又はS0 −ΔSfr
+ΔSRLと考えればよい)について,図11を用いて考
察する。同図から明らかなように、横加速度検出値YG
即ち路面摩擦係数μの低下に伴って,所定値K10よりも
値が小さくなる左右輪間フィードバックゲインK1 を用
いて算出された,低μ路面の左右輪間基準スリップ率補
正量ΔSRLは、高μ路面のそれに対して,(K10−
K1 )・ε・ψ' 分だけ小さくなることになる。これと
同様の変更制御が前後輪間フィードバックゲインK2 を
用いて算出される前後輪間基準スリップ率補正量ΔSfr
にも実行されることになるから、最も増加補正される基
準スリップ率Sj0(=S0 +ΔSfr+ΔSRLと考えれば
よい)は,低μ路面で高μ路面よりも相当に小さく増加
補正されることになる。このように、低μ路面で基準ス
リップ率Sj0の増加補正量が小さくなるということは、
前記図6の制動圧制御特性曲線からも明らかなように、
その分だけ,当該車輪への制動圧の増圧タイミングが遅
くなり或いは減圧タイミングが早くなることになるか
ら、当該車輪への制動力の増加量は全体的に小さめにな
ってコーナリングフォースの低下が抑制防止され、十分
な横力を得て,旋回軌跡が外側に膨らむのを抑制防止す
ることができる。
【0078】このとき、当該車輪への制動力が減少する
ことになるから、前記必要な目標ヨーレートψ'*達成の
ための制動力差が得られず、一時的に検出されるヨーレ
ート検出値ψ' が,フィードバック制御による収束方向
とは逆方向に減少傾向又は増加傾向を示す可能性はあ
る。しかし、前記左右又は前後輪間基準スリップ率補正
量ΔSRL,ΔSfrは、夫々,基本的に目標ヨーレートψ
'*とヨーレート検出値ψ' との偏差εのフィードバック
制御量であるから、例えば前記車輪のスリップ率が基準
スリップ率を越え易くする方向への補正対象変数の補正
量が限定されたとして,逆に車輪のスリップ率が基準ス
リップ率を越えにくくする方向への補正対象変数の補正
量を大きくすることは可能であるから、その後,これら
の左右又は前後輪間基準スリップ率補正量ΔSRL,ΔS
frそのものが大きくなってヨーレート追従制御に必要な
制動力差が確保され、十分なヨーモーメントの発生を得
て車両は回頭性が向上し、或いは走行安定性が確保され
る。即ち、ヨーレートフィードバック制御の時定数が低
μ路面ではやや大きくなることになるが、このような低
μ路面では全ての急激なハンドリングが操縦安定性を劣
化させると評価されることから考えれば、制御応答性が
長じることはむしろ操縦安定性を確保する意味からも理
想的であると評価できる。
ことになるから、前記必要な目標ヨーレートψ'*達成の
ための制動力差が得られず、一時的に検出されるヨーレ
ート検出値ψ' が,フィードバック制御による収束方向
とは逆方向に減少傾向又は増加傾向を示す可能性はあ
る。しかし、前記左右又は前後輪間基準スリップ率補正
量ΔSRL,ΔSfrは、夫々,基本的に目標ヨーレートψ
'*とヨーレート検出値ψ' との偏差εのフィードバック
制御量であるから、例えば前記車輪のスリップ率が基準
スリップ率を越え易くする方向への補正対象変数の補正
量が限定されたとして,逆に車輪のスリップ率が基準ス
リップ率を越えにくくする方向への補正対象変数の補正
量を大きくすることは可能であるから、その後,これら
の左右又は前後輪間基準スリップ率補正量ΔSRL,ΔS
frそのものが大きくなってヨーレート追従制御に必要な
制動力差が確保され、十分なヨーモーメントの発生を得
て車両は回頭性が向上し、或いは走行安定性が確保され
る。即ち、ヨーレートフィードバック制御の時定数が低
μ路面ではやや大きくなることになるが、このような低
μ路面では全ての急激なハンドリングが操縦安定性を劣
化させると評価されることから考えれば、制御応答性が
長じることはむしろ操縦安定性を確保する意味からも理
想的であると評価できる。
【0079】ここで、前記横加速度センサ21及び前記
図8の演算処理におけるステップS7が本発明のアンチ
スキッド制御装置の路面摩擦係数状態検出手段に相当
し、以下同様に操舵角センサ20及び図8の演算処理に
おけるステップS1が操舵状態検出手段に相当し、前後
加速度センサ13,疑似車速発生装置17及び図8の演
算処理におけるステップS1が車速検出手段に相当し、
図8の演算処理のステップS2が目標ヨーレート設定手
段に相当し、各車輪速センサ3FL〜3R及び図8の演
算処理におけるステップS1が車輪速検出手段に相当
し、図8の演算処理のステップS16がスリップ率演算
手段に相当し、図8の演算処理のステップS6〜S9,
ステップS110〜S114及びステップS17〜S1
9がスリップ率補正手段に相当し、図8の演算処理全体
が制動圧制御手段に相当する。
図8の演算処理におけるステップS7が本発明のアンチ
スキッド制御装置の路面摩擦係数状態検出手段に相当
し、以下同様に操舵角センサ20及び図8の演算処理に
おけるステップS1が操舵状態検出手段に相当し、前後
加速度センサ13,疑似車速発生装置17及び図8の演
算処理におけるステップS1が車速検出手段に相当し、
図8の演算処理のステップS2が目標ヨーレート設定手
段に相当し、各車輪速センサ3FL〜3R及び図8の演
算処理におけるステップS1が車輪速検出手段に相当
し、図8の演算処理のステップS16がスリップ率演算
手段に相当し、図8の演算処理のステップS6〜S9,
ステップS110〜S114及びステップS17〜S1
9がスリップ率補正手段に相当し、図8の演算処理全体
が制動圧制御手段に相当する。
【0080】なお、前記実施例では,路面摩擦係数状態
μと横加速度検出値YG とが完全に等価であるとして、
当該横加速度検出値YG に応じてマップ検索により各フ
ィードバックゲインK1 ,K2 を設定することとした
が、車両で発生すべき横加速度は,車速,操舵角(つま
り目標ヨーレート),実ヨーレート等から算出すること
ができるから、このようにして算出される目標横加速度
と検出される横加速度検出値との比又は偏差に応じて,
各フィードバックゲインK1 ,K2 をマップ検索等によ
り設定するようにしてもよい。
μと横加速度検出値YG とが完全に等価であるとして、
当該横加速度検出値YG に応じてマップ検索により各フ
ィードバックゲインK1 ,K2 を設定することとした
が、車両で発生すべき横加速度は,車速,操舵角(つま
り目標ヨーレート),実ヨーレート等から算出すること
ができるから、このようにして算出される目標横加速度
と検出される横加速度検出値との比又は偏差に応じて,
各フィードバックゲインK1 ,K2 をマップ検索等によ
り設定するようにしてもよい。
【0081】また、本実施例では,低μ路面での横力確
保のための入力トリガを,増加側制動力の減少で発生さ
せ、その後,ヨーレートフィードバック制御のフィード
バック補正によって必要な制動力差を各輪間で発生させ
ることとしたが、この制動力差を予め設定して両者を同
時にフィードバック補正するものとしてもよい。また、
本実施例では路面摩擦係数状態を検出するために横加速
度検出値を用いたが、例えば本出願人が先に提案した特
開平3−246152号公報に記載されるような路面摩
擦係数状態検出装置を用いて直接的に検出又は算出され
た路面摩擦係数状態値μを用いることも可能であり、そ
の場合には,前記実施例における横加速度検出値YG の
代わりに当該路面摩擦係数状態値μを代入するだけで全
く問題なく対応できる。
保のための入力トリガを,増加側制動力の減少で発生さ
せ、その後,ヨーレートフィードバック制御のフィード
バック補正によって必要な制動力差を各輪間で発生させ
ることとしたが、この制動力差を予め設定して両者を同
時にフィードバック補正するものとしてもよい。また、
本実施例では路面摩擦係数状態を検出するために横加速
度検出値を用いたが、例えば本出願人が先に提案した特
開平3−246152号公報に記載されるような路面摩
擦係数状態検出装置を用いて直接的に検出又は算出され
た路面摩擦係数状態値μを用いることも可能であり、そ
の場合には,前記実施例における横加速度検出値YG の
代わりに当該路面摩擦係数状態値μを代入するだけで全
く問題なく対応できる。
【0082】次に本発明のアンチスキッド制御装置の第
3実施例を図11〜図13を用いて説明する。本実施例
におけるアンチスキッド制御装置の基本的構成並びにそ
の車両付帯構成は前記図2に示す第1実施例と同等又は
ほぼ同等であるために、必要な名称にはそれと同等の符
号を用いて後段の説明を推論することで,その詳細な説
明を割愛する。
3実施例を図11〜図13を用いて説明する。本実施例
におけるアンチスキッド制御装置の基本的構成並びにそ
の車両付帯構成は前記図2に示す第1実施例と同等又は
ほぼ同等であるために、必要な名称にはそれと同等の符
号を用いて後段の説明を推論することで,その詳細な説
明を割愛する。
【0083】また、各車輪のホイルシリンダの構成並び
にその制動圧を具体的に変更制御するためのアクチュエ
ータの構成についても,前記図3に示す第1実施例と同
等又はほぼ同等であるために、必要な名称にはそれと同
等の符号を用いて後段の説明を推論することで,その詳
細な説明を割愛する。そして、前記コントローラCRの
マイクロコンピュータ25内で実行される演算処理が,
前記第1実施例の図4から図11に示すものに変更され
るわけであるが、少なくとも目標ヨーレートψ'*の算
出,ヨーレート検出値ψ' の読込み,ヨーレート偏差ε
並びにその微分値ε’の算出,ヨーレート偏差ε及びそ
の微分値ε’が零の場合の基準スリップ率SFi0 〜SR0
の設定,車輪加減速度V'wj 及びスリップ率Sj の算
出、前旋回内外輪の添字i,oの設定,並びに基準スリ
ップ率Sj0,スリップ率Sj ,車輪加減速度V'wj に基
づく制動圧制御の各演算処理のステップは前記第1実施
例と同等又はほぼ同等であり、更にヨーレート偏差ε又
はその微分値ε’が零でない場合のヨーレートフィード
バック制御に係る路面摩擦係数状態の代わりに横加速度
検出値YG を読込むステップも前記第1実施例と同等又
はほぼ同等であるために、これらの各ステップ,具体的
にはステップS1〜S7及びステップS15〜S37に
は第1実施例と同等の符号を付して,その詳細な説明を
割愛する。
にその制動圧を具体的に変更制御するためのアクチュエ
ータの構成についても,前記図3に示す第1実施例と同
等又はほぼ同等であるために、必要な名称にはそれと同
等の符号を用いて後段の説明を推論することで,その詳
細な説明を割愛する。そして、前記コントローラCRの
マイクロコンピュータ25内で実行される演算処理が,
前記第1実施例の図4から図11に示すものに変更され
るわけであるが、少なくとも目標ヨーレートψ'*の算
出,ヨーレート検出値ψ' の読込み,ヨーレート偏差ε
並びにその微分値ε’の算出,ヨーレート偏差ε及びそ
の微分値ε’が零の場合の基準スリップ率SFi0 〜SR0
の設定,車輪加減速度V'wj 及びスリップ率Sj の算
出、前旋回内外輪の添字i,oの設定,並びに基準スリ
ップ率Sj0,スリップ率Sj ,車輪加減速度V'wj に基
づく制動圧制御の各演算処理のステップは前記第1実施
例と同等又はほぼ同等であり、更にヨーレート偏差ε又
はその微分値ε’が零でない場合のヨーレートフィード
バック制御に係る路面摩擦係数状態の代わりに横加速度
検出値YG を読込むステップも前記第1実施例と同等又
はほぼ同等であるために、これらの各ステップ,具体的
にはステップS1〜S7及びステップS15〜S37に
は第1実施例と同等の符号を付して,その詳細な説明を
割愛する。
【0084】次に本実施例のアンチスキッド制御装置で
行われるヨーレートフィードバック制御の基本原理につ
いて説明する。本実施例でも,前記第1実施例と同様
に,ヨーレート偏差εが正の場合には車両のステアリン
グ特性をオーバステア方向に,ヨーレート偏差εが負の
場合には車両のステアリング特性をアンダステア方向に
変更修正するために、制御対象輪の制動圧の増減圧タイ
ミングに係る基準スリップ率SFi0 〜SR0を補正するこ
とにより、各制御対象輪への制動力並びに当該車輪速を
増減してヨーレートのフィードバック制御を実行する。
ここで、第1実施例では,左右又は前後輪間基準スリッ
プ率基準補正量ΔSRL,ΔSfrが、予め設定された所定
値K10,K20であるフィードバックゲインK1 ,K2 を
用いて,前記4式及び5式で算出される。従って、ヨー
レート偏差ε及び/又はヨーレート検出値ψ' に対して
各基準スリップ率基準補正量ΔSRL,ΔSfrは一意に設
定されることになる。このうち、前後輪間基準スリップ
率基準補正量ΔSRLは、前後輪の何れか一方の基準スリ
ップ率に加算され,即ち増加され、何れか他方の基準ス
リップ率から減算され,即ち減少される。また、左右輪
間基準スリップ率基準補正量ΔSfrは、前左右輪の何れ
か一方の基準スリップ率に加算され,即ち増加され、何
れか他方の基準スリップ率から減算され,即ち減少され
る。そして、夫々増加側の基準スリップ率基準補正量Δ
SRL,ΔSfrに対して、路面摩擦係数状態の低下に伴っ
て小さくなる重み係数としての増加補正ゲインKRL,K
frを乗じ、結果的に増加側の基準スリップ率の増加補正
量を,低μ路面で小さくなるように補正し、これによっ
て制動力並びに車輪速の増減補正量を小さく抑制してコ
ーナリングフォースを確保する。このとき、各基準スリ
ップ率増加補正ゲインKRL,Kfrは,共に高μ路面で
“1”であり、摩擦係数状態,即ち横加速度検出値Y G
の減少に伴って減少するように設定される。つまり、同
等のヨーレート偏差ε及びヨーレート検出値ψ' に対し
て,基準スリップ率Sj0の低μ路面における各増加補正
量,即ち前後輪間増加補正量は当該路面摩擦係数状態に
応じて(1−K fr)ΔSfrと表され、左右輪間増加補正
量は同じく(1−KRL)ΔSRLと表される。
行われるヨーレートフィードバック制御の基本原理につ
いて説明する。本実施例でも,前記第1実施例と同様
に,ヨーレート偏差εが正の場合には車両のステアリン
グ特性をオーバステア方向に,ヨーレート偏差εが負の
場合には車両のステアリング特性をアンダステア方向に
変更修正するために、制御対象輪の制動圧の増減圧タイ
ミングに係る基準スリップ率SFi0 〜SR0を補正するこ
とにより、各制御対象輪への制動力並びに当該車輪速を
増減してヨーレートのフィードバック制御を実行する。
ここで、第1実施例では,左右又は前後輪間基準スリッ
プ率基準補正量ΔSRL,ΔSfrが、予め設定された所定
値K10,K20であるフィードバックゲインK1 ,K2 を
用いて,前記4式及び5式で算出される。従って、ヨー
レート偏差ε及び/又はヨーレート検出値ψ' に対して
各基準スリップ率基準補正量ΔSRL,ΔSfrは一意に設
定されることになる。このうち、前後輪間基準スリップ
率基準補正量ΔSRLは、前後輪の何れか一方の基準スリ
ップ率に加算され,即ち増加され、何れか他方の基準ス
リップ率から減算され,即ち減少される。また、左右輪
間基準スリップ率基準補正量ΔSfrは、前左右輪の何れ
か一方の基準スリップ率に加算され,即ち増加され、何
れか他方の基準スリップ率から減算され,即ち減少され
る。そして、夫々増加側の基準スリップ率基準補正量Δ
SRL,ΔSfrに対して、路面摩擦係数状態の低下に伴っ
て小さくなる重み係数としての増加補正ゲインKRL,K
frを乗じ、結果的に増加側の基準スリップ率の増加補正
量を,低μ路面で小さくなるように補正し、これによっ
て制動力並びに車輪速の増減補正量を小さく抑制してコ
ーナリングフォースを確保する。このとき、各基準スリ
ップ率増加補正ゲインKRL,Kfrは,共に高μ路面で
“1”であり、摩擦係数状態,即ち横加速度検出値Y G
の減少に伴って減少するように設定される。つまり、同
等のヨーレート偏差ε及びヨーレート検出値ψ' に対し
て,基準スリップ率Sj0の低μ路面における各増加補正
量,即ち前後輪間増加補正量は当該路面摩擦係数状態に
応じて(1−K fr)ΔSfrと表され、左右輪間増加補正
量は同じく(1−KRL)ΔSRLと表される。
【0085】一方、前記第1実施例では,この低μ路面
における基準スリップ率の各増加補正量を入力トリガと
するから、前記制動圧の増圧側は強制的に制動力の増加
量が規制され、次いで発生するヨーレート偏差ε及び/
又はヨーレート検出値ψ' の変化を前記基準スリップ率
基準補正量ΔSRL,ΔSfrにフィードバック制御量とし
てフィードバックすることで、目標ヨーレートψ'*の追
従に必要な制動力差を,前記制動圧の減圧側で発生す
る。従って、低μ路面ではヨーレートフィードバック制
御の応答性が低下する,即ち時定数が大きくなると考え
られる。このことは、当該低μ路面での急激なハンドリ
ングを回避して車両挙動の安定性を確保する面では有利
であるが、例えば前記図4の演算処理のサンプリング時
間が極めて大きい場合には,制御の応答遅れが大きくな
りすぎる可能性があるという程度問題が残存する。
における基準スリップ率の各増加補正量を入力トリガと
するから、前記制動圧の増圧側は強制的に制動力の増加
量が規制され、次いで発生するヨーレート偏差ε及び/
又はヨーレート検出値ψ' の変化を前記基準スリップ率
基準補正量ΔSRL,ΔSfrにフィードバック制御量とし
てフィードバックすることで、目標ヨーレートψ'*の追
従に必要な制動力差を,前記制動圧の減圧側で発生す
る。従って、低μ路面ではヨーレートフィードバック制
御の応答性が低下する,即ち時定数が大きくなると考え
られる。このことは、当該低μ路面での急激なハンドリ
ングを回避して車両挙動の安定性を確保する面では有利
であるが、例えば前記図4の演算処理のサンプリング時
間が極めて大きい場合には,制御の応答遅れが大きくな
りすぎる可能性があるという程度問題が残存する。
【0086】ところで、この制御過程を子細に考察する
と、前記制御の入力トリガである基準スリップ率の各増
加補正量の補正後,制動圧減圧側の制動力も減少補正さ
れるのであるから、全体から見ると前記ヨーレートフィ
ードバック制御によって,前記前後輪間基準スリップ率
増加補正量(1−Kfr)ΔSfrと同等分だけ前後輪間基
準スリップ率の減少側も減少補正され、左右輪間基準ス
リップ率増加補正量(1−KRL)ΔSRLと同等分だけ左
右輪間基準スリップ率の減少側も減少補正されることに
なる。ここで、前記基準スリップ率基準補正量ΔSRL,
ΔSfrは実質的にヨーレート偏差ε及び/又はヨーレー
ト検出値ψ' に依存するのであるが、これらが互いに一
定の値であると仮定すれば、当該ヨーレートフィードバ
ック制御の制御対応時には,当該低μ路面で全ての車輪
の基準スリップ率Sj0は或る値分だけ同等に減少補正さ
れていることと等価であるとも考えられる。従って、本
実施例では,この減少補正される基準スリップ率の路面
μ補正量ΔSを、当該路面摩擦係数,即ち横加速度検出
値YG の大きさに応じて一意に設定し、前記初期設定ス
リップ率Sに基準スリップ率基準補正量ΔSRL,ΔSfr
を増減した値から,この基準スリップ率路面μ補正量Δ
Sを減じた値を各輪の基準スリップ率Sj0に設定する。
この制御ロジックをマップ化したものが図12に示すも
のである。即ち、図12で検索されるべき基準スリップ
率路面μ補正量ΔSは本来の基準スリップ率Sj0から路
面摩擦係数状態の低下に伴って減少されるべきものであ
るから、当該制御マップで検索される基準スリップ率路
面μ補正量ΔSは,横加速度検出値YG (即ち路面摩擦
係数状態μ)が比較的大きな所定値YG2以上では零に設
定され、横加速度検出値YG が比較的小さな所定値YG1
以下では,比較的大きな所定値ΔS0 に設定され、横加
速度検出値YG が前記所定値YG1から所定値YG2までの
間であるときは,前記零と所定値ΔS0 との間でリニア
に増加する値に設定される。
と、前記制御の入力トリガである基準スリップ率の各増
加補正量の補正後,制動圧減圧側の制動力も減少補正さ
れるのであるから、全体から見ると前記ヨーレートフィ
ードバック制御によって,前記前後輪間基準スリップ率
増加補正量(1−Kfr)ΔSfrと同等分だけ前後輪間基
準スリップ率の減少側も減少補正され、左右輪間基準ス
リップ率増加補正量(1−KRL)ΔSRLと同等分だけ左
右輪間基準スリップ率の減少側も減少補正されることに
なる。ここで、前記基準スリップ率基準補正量ΔSRL,
ΔSfrは実質的にヨーレート偏差ε及び/又はヨーレー
ト検出値ψ' に依存するのであるが、これらが互いに一
定の値であると仮定すれば、当該ヨーレートフィードバ
ック制御の制御対応時には,当該低μ路面で全ての車輪
の基準スリップ率Sj0は或る値分だけ同等に減少補正さ
れていることと等価であるとも考えられる。従って、本
実施例では,この減少補正される基準スリップ率の路面
μ補正量ΔSを、当該路面摩擦係数,即ち横加速度検出
値YG の大きさに応じて一意に設定し、前記初期設定ス
リップ率Sに基準スリップ率基準補正量ΔSRL,ΔSfr
を増減した値から,この基準スリップ率路面μ補正量Δ
Sを減じた値を各輪の基準スリップ率Sj0に設定する。
この制御ロジックをマップ化したものが図12に示すも
のである。即ち、図12で検索されるべき基準スリップ
率路面μ補正量ΔSは本来の基準スリップ率Sj0から路
面摩擦係数状態の低下に伴って減少されるべきものであ
るから、当該制御マップで検索される基準スリップ率路
面μ補正量ΔSは,横加速度検出値YG (即ち路面摩擦
係数状態μ)が比較的大きな所定値YG2以上では零に設
定され、横加速度検出値YG が比較的小さな所定値YG1
以下では,比較的大きな所定値ΔS0 に設定され、横加
速度検出値YG が前記所定値YG1から所定値YG2までの
間であるときは,前記零と所定値ΔS0 との間でリニア
に増加する値に設定される。
【0087】以上を統合すると、前記6式〜11式又は
6’式〜11’式で与えられていた基準スリップ率Sj0
(j=Fi,Fo,R)は下記6”式〜11”式で与え
られることになる。即ち、ヨーレート偏差εが正の場合
の前旋回内輪の基準スリップ率SFi0 ,前旋回外輪の基
準スリップ率SFo0 ,後輪の基準スリップ率SR0は、夫
々,前記基準スリップ率路面μ補正量ΔSを加味した下
記6”式〜8”式で得られることになる。
6’式〜11’式で与えられていた基準スリップ率Sj0
(j=Fi,Fo,R)は下記6”式〜11”式で与え
られることになる。即ち、ヨーレート偏差εが正の場合
の前旋回内輪の基準スリップ率SFi0 ,前旋回外輪の基
準スリップ率SFo0 ,後輪の基準スリップ率SR0は、夫
々,前記基準スリップ率路面μ補正量ΔSを加味した下
記6”式〜8”式で得られることになる。
【0088】
SFi0 =S0 −ΔSfr+ΔSRL−ΔS ………(6")
SFo0 =S0 −ΔSfr−ΔSRL−ΔS ………(7")
SR0 =S0 +ΔSfr−ΔS ………(8")
また、ヨーレート偏差εが負の場合の前旋回内輪の基準
スリップ率SFi0 ,前旋回外輪の基準スリップ率
SFo0 ,後輪の基準スリップ率SR0は、夫々,前記基準
スリップ率路面μ補正量ΔSを加味した下記9”式〜1
1”式で得られることになる。
スリップ率SFi0 ,前旋回外輪の基準スリップ率
SFo0 ,後輪の基準スリップ率SR0は、夫々,前記基準
スリップ率路面μ補正量ΔSを加味した下記9”式〜1
1”式で得られることになる。
【0089】
SFi0 =S0 +ΔSfr−ΔSRL−ΔS ………(9")
SFo0 =S0 +ΔSfr+ΔSRL−ΔS …… (10")
SR0 =S0 −ΔSfr−ΔS …… (11")
なお、本実施例では前述のように基準スリップ率を補正
することでヨーレートのフィードバック制御を実行する
ことにしたが、要はスリップ率の基準値と実測値とに基
づいて制動圧の増減圧タイミングを可変制御することが
できるから、当該車輪のスリップ率又はその算出に用い
られる車輪速,或いはスリップ率の基準値と実測値との
偏差そのものを補正しても,前記と同様のヨーレートフ
ィードバック制御は可能であることをここに付記してお
く。
することでヨーレートのフィードバック制御を実行する
ことにしたが、要はスリップ率の基準値と実測値とに基
づいて制動圧の増減圧タイミングを可変制御することが
できるから、当該車輪のスリップ率又はその算出に用い
られる車輪速,或いはスリップ率の基準値と実測値との
偏差そのものを補正しても,前記と同様のヨーレートフ
ィードバック制御は可能であることをここに付記してお
く。
【0090】以上の発明原理に基づいて、前記制動圧制
御回路18のマイクロコンピュータ25で実行される制
動圧制御の演算処理を,図11のフローチャートに基づ
いて説明する。この制動圧制御処理は、所定時間,例え
ば5msec.毎のタイマ割込処理として実行され、ASは
アンチスキッド制御フラグ,Tは減圧タイマを示し、こ
れらはキースイッチのオンによる電源投入時及び前回の
アンチスキッド制御の終了時にステップS25からステ
ップS27に移行して“0”にリセットされると共に、
制御フラグASが“1”にセットされている間,前記論
理値“1”の制御中信号MRが前記疑似車速発生装置1
7に出力される。また、図中,前述のようにiは前旋回
内輪,oは前旋回外輪であることを表し、夫々Rで
(前)右輪,Lで(前)左輪を示す。
御回路18のマイクロコンピュータ25で実行される制
動圧制御の演算処理を,図11のフローチャートに基づ
いて説明する。この制動圧制御処理は、所定時間,例え
ば5msec.毎のタイマ割込処理として実行され、ASは
アンチスキッド制御フラグ,Tは減圧タイマを示し、こ
れらはキースイッチのオンによる電源投入時及び前回の
アンチスキッド制御の終了時にステップS25からステ
ップS27に移行して“0”にリセットされると共に、
制御フラグASが“1”にセットされている間,前記論
理値“1”の制御中信号MRが前記疑似車速発生装置1
7に出力される。また、図中,前述のようにiは前旋回
内輪,oは前旋回外輪であることを表し、夫々Rで
(前)右輪,Lで(前)左輪を示す。
【0091】なお、この図11の演算処理のうち,前記
第1実施例の図4の演算処理と共通するステップS1〜
S9については,各ステップに同等のステップ符号を付
して説明を割愛する。而して前記ステップS7で横加速
度検出値YG を読込んだ後,ステップS210に移行す
る。
第1実施例の図4の演算処理と共通するステップS1〜
S9については,各ステップに同等のステップ符号を付
して説明を割愛する。而して前記ステップS7で横加速
度検出値YG を読込んだ後,ステップS210に移行す
る。
【0092】前記ステップS210では、前記ステップ
S4で算出されたヨーレート偏差ε及びステップS3で
読込まれたヨーレート検出値ψ' を用いて,前記4式及
び5式に従って左右輪間基準スリップ率基準補正量ΔS
RL及び前後輪間基準スリップ率基準補正量ΔSfrを算出
してから,ステップS211に移行する。なお、この演
算処理で用いられるフィードバックゲインK1 ,K
2 は、何れも予め設定された所定値K10,K20と理解す
ればよい。
S4で算出されたヨーレート偏差ε及びステップS3で
読込まれたヨーレート検出値ψ' を用いて,前記4式及
び5式に従って左右輪間基準スリップ率基準補正量ΔS
RL及び前後輪間基準スリップ率基準補正量ΔSfrを算出
してから,ステップS211に移行する。なお、この演
算処理で用いられるフィードバックゲインK1 ,K
2 は、何れも予め設定された所定値K10,K20と理解す
ればよい。
【0093】前記ステップS211では、前記ステップ
S7で読込まれた横加速度検出値Y G に基づいて,前記
図11に示すマップ検索により、前記基準スリップ率路
面μ補正量ΔSを設定してから,ステップS212に移
行する。前記ステップS212では、ヨーレート偏差ε
が負であるか否かを判定し、当該ヨーレート偏差εが負
である場合にはステップS213に移行し、そうでない
場合にはステップS214に移行する。
S7で読込まれた横加速度検出値Y G に基づいて,前記
図11に示すマップ検索により、前記基準スリップ率路
面μ補正量ΔSを設定してから,ステップS212に移
行する。前記ステップS212では、ヨーレート偏差ε
が負であるか否かを判定し、当該ヨーレート偏差εが負
である場合にはステップS213に移行し、そうでない
場合にはステップS214に移行する。
【0094】前記ステップS213では、前述のように
ヨーレート偏差εが負である,即ちヨーレートが不足し
ているから、前記9”式〜11”式に従って各輪の基準
スリップ率SFi0 〜SR0を算出してから,ステップS1
5に移行する。また、前記ステップS214では、前述
のようにヨーレート偏差εが正である,即ちヨーレート
が過剰であるから、前記6”式〜8”式に従って各輪の
基準スリップ率SFi0 〜SR0を算出してから,前記ステ
ップS15に移行する。
ヨーレート偏差εが負である,即ちヨーレートが不足し
ているから、前記9”式〜11”式に従って各輪の基準
スリップ率SFi0 〜SR0を算出してから,ステップS1
5に移行する。また、前記ステップS214では、前述
のようにヨーレート偏差εが正である,即ちヨーレート
が過剰であるから、前記6”式〜8”式に従って各輪の
基準スリップ率SFi0 〜SR0を算出してから,前記ステ
ップS15に移行する。
【0095】前記ステップS15〜S19までの各演算
処理は,前記図4の第1実施例と同等又はほぼ同等であ
り、各ステップには同等の符号を付してその説明を割愛
する。そして、以後,前記ステップS20〜S37で実
行されるアンチスキッド制御装置による一般的なアンチ
スキッド制御の制動圧制御も,前記図4及び図5の第1
実施例同等又はほぼ同等であり、各ステップには同等の
符号を付してその説明を割愛する。
処理は,前記図4の第1実施例と同等又はほぼ同等であ
り、各ステップには同等の符号を付してその説明を割愛
する。そして、以後,前記ステップS20〜S37で実
行されるアンチスキッド制御装置による一般的なアンチ
スキッド制御の制動圧制御も,前記図4及び図5の第1
実施例同等又はほぼ同等であり、各ステップには同等の
符号を付してその説明を割愛する。
【0096】それでは次に、旋回制動時においてヨーレ
ート偏差εが発生したために,前記ステップS6又はス
テップS8を経てステップS7に移行し、更にステップ
S110〜S114並びにステップS18,S19で実
行される基準スリップ率Sj0が変更設定された場合につ
いて考察する。本実施例では、前述のように,基本的に
ヨーレート偏差εに応じてステアリング特性がオーバス
テア方向又はアンダステア方向に変化するように,制動
力,即ち制動圧の制御を行う。ここで、例えば右旋回中
の前記図11の演算処理において,ヨーレート偏差εが
正の場合には、図13に示すように後輪2RL,2RR
の基準スリップ率SR0は初期設定スリップ率S0 に対し
て,前後輪間基準スリップ率補正量ΔSfrだけ増加さ
れ、両前輪2FL,2FRの基準スリップ率(ここでは
両前輪の平均スリップ率としてSF0と記す)は初期設定
スリップ率S0 に対して前後輪間基準スリップ率補正量
ΔSfrだけ減少される。更に、図13に示すように前左
右輪間の基準スリップ率のうち,旋回外輪である前左輪
2FLの基準スリップ率SFL0 は、更に左右輪間基準ス
リップ率補正量ΔSRLだけ減少され、一方,旋回内輪で
ある前右輪2FRの基準スリップ率SFR0 は、更に左右
輪間基準スリップ率基準補正量ΔSRLだけ増加される。
これを、前記図6の制動圧制御特性曲線で見ると,基準
スリップ率Sj0が増加されることは同図のそれが下方に
引き下げられることと等価であるから、前記図11の演
算処理による減圧モードへの移行のタイミングが遅くな
る,即ち減圧タイミングが遅くなり、図6の破線で示す
ような制動圧制御特性曲線では,図11の演算処理の増
圧モードへの移行のタイミングが早くなる,即ち増圧タ
イミングが早くなることになり、結果的に当該車輪への
制動圧は増加傾向となるから,制動力が増加すると共に
車輪速が減速する。逆に、基準スリップ率Sj0が減少さ
れることは同図のそれが上方に引き上げられることと等
価であるから、前記図11の演算処理による減圧モード
への移行のタイミングが早くなる,即ち減圧タイミング
が早くなり、図6の破線で示すような制動圧制御特性曲
線では,図11の演算処理の増圧モードへの移行のタイ
ミングが遅くなる,即ち増圧タイミングが遅くなること
になり、結果的に当該車輪への制動圧は減少傾向となる
から制動力が減少すると共に車輪速が増速する。従っ
て、後輪2RL,2RRへの制動力は両前輪2FL,2
FRへのそれよりも大きくなって,当該後輪2RL,2
RRのコーナリングフォースは相対的に低下してヨーレ
ートが増加し、前旋回外輪である前左輪2FLへの制動
力が小さくなって当該前左輪2FLは増速され且つ前旋
回内輪である前右輪2FRへの制動力が大きくなって当
該前右輪2FRは減速されるためにヨーモーメントが助
長され、結果的に車両全体のステアリング特性はオーバ
ステア方向に変化してヨーレート検出値ψ’は増加し、
これによりヨーレート偏差εは収束されてゆくためにヨ
ーレートのフィードバック制御がアンチスキッド制御装
置によって平行して行われる。勿論、本来のアンチスキ
ッド制御によって車輪のロックは抑制防止する必要があ
るから、前記各基準スリップ率基準補正量ΔSRL,ΔS
frの算出に使用されるフィードバックゲインK1 ,K2
の所定値K10及びK20は、発生するヨーレート偏差εや
ヨーレート検出値ψ’の大きさも関与するのではある
が,少なくとも高μ路面で増加補正される基準スリップ
率Sj0がタイヤ特性としての舵取り効果や制動距離の確
保可能な範囲になるように設定される必要がある。
ート偏差εが発生したために,前記ステップS6又はス
テップS8を経てステップS7に移行し、更にステップ
S110〜S114並びにステップS18,S19で実
行される基準スリップ率Sj0が変更設定された場合につ
いて考察する。本実施例では、前述のように,基本的に
ヨーレート偏差εに応じてステアリング特性がオーバス
テア方向又はアンダステア方向に変化するように,制動
力,即ち制動圧の制御を行う。ここで、例えば右旋回中
の前記図11の演算処理において,ヨーレート偏差εが
正の場合には、図13に示すように後輪2RL,2RR
の基準スリップ率SR0は初期設定スリップ率S0 に対し
て,前後輪間基準スリップ率補正量ΔSfrだけ増加さ
れ、両前輪2FL,2FRの基準スリップ率(ここでは
両前輪の平均スリップ率としてSF0と記す)は初期設定
スリップ率S0 に対して前後輪間基準スリップ率補正量
ΔSfrだけ減少される。更に、図13に示すように前左
右輪間の基準スリップ率のうち,旋回外輪である前左輪
2FLの基準スリップ率SFL0 は、更に左右輪間基準ス
リップ率補正量ΔSRLだけ減少され、一方,旋回内輪で
ある前右輪2FRの基準スリップ率SFR0 は、更に左右
輪間基準スリップ率基準補正量ΔSRLだけ増加される。
これを、前記図6の制動圧制御特性曲線で見ると,基準
スリップ率Sj0が増加されることは同図のそれが下方に
引き下げられることと等価であるから、前記図11の演
算処理による減圧モードへの移行のタイミングが遅くな
る,即ち減圧タイミングが遅くなり、図6の破線で示す
ような制動圧制御特性曲線では,図11の演算処理の増
圧モードへの移行のタイミングが早くなる,即ち増圧タ
イミングが早くなることになり、結果的に当該車輪への
制動圧は増加傾向となるから,制動力が増加すると共に
車輪速が減速する。逆に、基準スリップ率Sj0が減少さ
れることは同図のそれが上方に引き上げられることと等
価であるから、前記図11の演算処理による減圧モード
への移行のタイミングが早くなる,即ち減圧タイミング
が早くなり、図6の破線で示すような制動圧制御特性曲
線では,図11の演算処理の増圧モードへの移行のタイ
ミングが遅くなる,即ち増圧タイミングが遅くなること
になり、結果的に当該車輪への制動圧は減少傾向となる
から制動力が減少すると共に車輪速が増速する。従っ
て、後輪2RL,2RRへの制動力は両前輪2FL,2
FRへのそれよりも大きくなって,当該後輪2RL,2
RRのコーナリングフォースは相対的に低下してヨーレ
ートが増加し、前旋回外輪である前左輪2FLへの制動
力が小さくなって当該前左輪2FLは増速され且つ前旋
回内輪である前右輪2FRへの制動力が大きくなって当
該前右輪2FRは減速されるためにヨーモーメントが助
長され、結果的に車両全体のステアリング特性はオーバ
ステア方向に変化してヨーレート検出値ψ’は増加し、
これによりヨーレート偏差εは収束されてゆくためにヨ
ーレートのフィードバック制御がアンチスキッド制御装
置によって平行して行われる。勿論、本来のアンチスキ
ッド制御によって車輪のロックは抑制防止する必要があ
るから、前記各基準スリップ率基準補正量ΔSRL,ΔS
frの算出に使用されるフィードバックゲインK1 ,K2
の所定値K10及びK20は、発生するヨーレート偏差εや
ヨーレート検出値ψ’の大きさも関与するのではある
が,少なくとも高μ路面で増加補正される基準スリップ
率Sj0がタイヤ特性としての舵取り効果や制動距離の確
保可能な範囲になるように設定される必要がある。
【0097】また、車両の左旋回中,或いはヨーレート
偏差εが正である場合にも、前記と逆の制動圧制御の実
行によってヨーレートのフィードバック制御が実行され
ることにより、車両の回頭性と走行安定性との両立を期
待できる。ところで、例えば、前述のように制動圧の増
圧タイミングを早めたり或いは減圧タイミングを遅らせ
たりして,当該車輪への制動力が増加傾向になると、そ
の車輪のコーナリングフォースは,前記摩擦円の概念か
ら低下し、十分な横力を得られなくなって車両の旋回軌
跡が旋回方向外側に膨らんでしまう可能性に対して、本
実施例のヨーレートフィードバック制御では,前記スリ
ップ率の増減補正において,前述のように路面摩擦係数
の低下に伴って大きく設定される基準スリップ率路面μ
補正量ΔSを減算することにより、この問題を解決す
る。即ち、この基準スリップ率路面μ補正量ΔSは,図
12に示すように高μ路面では零に設定されるから、図
13に示すように各車輪の基準スリップ率Sj0は,前記
各基準スリップ率基準補正量ΔSfr,ΔSRLだけが増減
された値となる。一方、基準スリップ率路面μ補正量Δ
Sは,図12に示すように低μ路面では次第に大きな正
の値に設定されるから、図13に示すように各車輪の基
準スリップ率Sj0は,前記各基準スリップ率基準補正量
ΔSfr,ΔSRLが増減された値から,更にこの基準スリ
ップ率路面μ補正量ΔSが減算された値になる。このよ
うに、低μ路面で基準スリップ率Sj0の増加補正量が小
さくなるということは、前記図6の制動圧制御特性曲線
からも明らかなように、その分だけ,当該車輪への制動
圧の増圧タイミングが遅くなり或いは減圧タイミングが
早くなることになるから、当該車輪への制動力の増加量
は全体的に小さめになってコーナリングフォースの低下
が抑制防止され、十分な横力を得て,旋回軌跡が外側に
膨らむのを抑制防止することができる。
偏差εが正である場合にも、前記と逆の制動圧制御の実
行によってヨーレートのフィードバック制御が実行され
ることにより、車両の回頭性と走行安定性との両立を期
待できる。ところで、例えば、前述のように制動圧の増
圧タイミングを早めたり或いは減圧タイミングを遅らせ
たりして,当該車輪への制動力が増加傾向になると、そ
の車輪のコーナリングフォースは,前記摩擦円の概念か
ら低下し、十分な横力を得られなくなって車両の旋回軌
跡が旋回方向外側に膨らんでしまう可能性に対して、本
実施例のヨーレートフィードバック制御では,前記スリ
ップ率の増減補正において,前述のように路面摩擦係数
の低下に伴って大きく設定される基準スリップ率路面μ
補正量ΔSを減算することにより、この問題を解決す
る。即ち、この基準スリップ率路面μ補正量ΔSは,図
12に示すように高μ路面では零に設定されるから、図
13に示すように各車輪の基準スリップ率Sj0は,前記
各基準スリップ率基準補正量ΔSfr,ΔSRLだけが増減
された値となる。一方、基準スリップ率路面μ補正量Δ
Sは,図12に示すように低μ路面では次第に大きな正
の値に設定されるから、図13に示すように各車輪の基
準スリップ率Sj0は,前記各基準スリップ率基準補正量
ΔSfr,ΔSRLが増減された値から,更にこの基準スリ
ップ率路面μ補正量ΔSが減算された値になる。このよ
うに、低μ路面で基準スリップ率Sj0の増加補正量が小
さくなるということは、前記図6の制動圧制御特性曲線
からも明らかなように、その分だけ,当該車輪への制動
圧の増圧タイミングが遅くなり或いは減圧タイミングが
早くなることになるから、当該車輪への制動力の増加量
は全体的に小さめになってコーナリングフォースの低下
が抑制防止され、十分な横力を得て,旋回軌跡が外側に
膨らむのを抑制防止することができる。
【0098】このとき、制御対象となる各輪への制動力
は,基本的に同等に増減されることになるから、前記必
要な目標ヨーレートψ'*達成のための制動力差が常に達
成され、十分なヨーモーメントの発生を得て車両は回頭
性が向上し、或いは走行安定性が確保される。しかし、
このような低μ路面では全ての急激なハンドリングが操
縦安定性を劣化させると評価されることから考えれば、
前記基準スリップ率路面μ補正量ΔSを過大な値に設定
することは避けるべきであり、むしろこの基準スリップ
率路面μ補正量ΔSは比較的小さな値になるようにし
て,例えば前記図11の演算処理のサンプリング時間を
短くするなどし、結果的にこのヨーレートフィードバッ
ク制御によって前記基準スリップ率路面μ補正量ΔSが
累積されて次第に大きくなるようにするのが望ましい。
は,基本的に同等に増減されることになるから、前記必
要な目標ヨーレートψ'*達成のための制動力差が常に達
成され、十分なヨーモーメントの発生を得て車両は回頭
性が向上し、或いは走行安定性が確保される。しかし、
このような低μ路面では全ての急激なハンドリングが操
縦安定性を劣化させると評価されることから考えれば、
前記基準スリップ率路面μ補正量ΔSを過大な値に設定
することは避けるべきであり、むしろこの基準スリップ
率路面μ補正量ΔSは比較的小さな値になるようにし
て,例えば前記図11の演算処理のサンプリング時間を
短くするなどし、結果的にこのヨーレートフィードバッ
ク制御によって前記基準スリップ率路面μ補正量ΔSが
累積されて次第に大きくなるようにするのが望ましい。
【0099】ここで、前記横加速度センサ21及び前記
図11の演算処理におけるステップS7が本発明のアン
チスキッド制御装置の路面摩擦係数状態検出手段に相当
し、以下同様に操舵角センサ20及び図11の演算処理
におけるステップS1が操舵状態検出手段に相当し、前
後加速度センサ13,疑似車速発生装置17及び図11
の演算処理におけるステップS1が車速検出手段に相当
し、図11の演算処理のステップS2が目標ヨーレート
設定手段に相当し、各車輪速センサ3FL〜3R及び図
11の演算処理におけるステップS1が車輪速検出手段
に相当し、図11の演算処理のステップS16がスリッ
プ率演算手段に相当し、図11の演算処理のステップS
6〜S9,ステップS210〜S214及びステップS
17〜S19がスリップ率補正手段に相当し、図11の
演算処理全体が制動圧制御手段に相当する。
図11の演算処理におけるステップS7が本発明のアン
チスキッド制御装置の路面摩擦係数状態検出手段に相当
し、以下同様に操舵角センサ20及び図11の演算処理
におけるステップS1が操舵状態検出手段に相当し、前
後加速度センサ13,疑似車速発生装置17及び図11
の演算処理におけるステップS1が車速検出手段に相当
し、図11の演算処理のステップS2が目標ヨーレート
設定手段に相当し、各車輪速センサ3FL〜3R及び図
11の演算処理におけるステップS1が車輪速検出手段
に相当し、図11の演算処理のステップS16がスリッ
プ率演算手段に相当し、図11の演算処理のステップS
6〜S9,ステップS210〜S214及びステップS
17〜S19がスリップ率補正手段に相当し、図11の
演算処理全体が制動圧制御手段に相当する。
【0100】なお、前記実施例では,路面摩擦係数状態
μと横加速度検出値YG とが完全に等価であるとして、
当該横加速度検出値YG に応じてマップ検索により基準
スリップ率路面μ補正量ΔSを設定することとしたが、
車両で発生すべき横加速度は,車速,操舵角(つまり目
標ヨーレート),実ヨーレート等から算出することがで
きるから、このようにして算出される目標横加速度と検
出される横加速度検出値との比又は偏差に応じて,基準
スリップ率路面μ補正量ΔSをマップ検索等により設定
するようにしてもよい。
μと横加速度検出値YG とが完全に等価であるとして、
当該横加速度検出値YG に応じてマップ検索により基準
スリップ率路面μ補正量ΔSを設定することとしたが、
車両で発生すべき横加速度は,車速,操舵角(つまり目
標ヨーレート),実ヨーレート等から算出することがで
きるから、このようにして算出される目標横加速度と検
出される横加速度検出値との比又は偏差に応じて,基準
スリップ率路面μ補正量ΔSをマップ検索等により設定
するようにしてもよい。
【0101】また、本実施例では路面摩擦係数状態を検
出するために横加速度検出値を用いたが、例えば本出願
人が先に提案した特開平3−246152号公報に記載
されるような路面摩擦係数状態検出装置を用いて直接的
に検出又は算出された路面摩擦係数状態値μを用いるこ
とも可能であり、その場合には,前記実施例における横
加速度検出値YG の代わりに当該路面摩擦係数状態値μ
を代入するだけで全く問題なく対応できる。
出するために横加速度検出値を用いたが、例えば本出願
人が先に提案した特開平3−246152号公報に記載
されるような路面摩擦係数状態検出装置を用いて直接的
に検出又は算出された路面摩擦係数状態値μを用いるこ
とも可能であり、その場合には,前記実施例における横
加速度検出値YG の代わりに当該路面摩擦係数状態値μ
を代入するだけで全く問題なく対応できる。
【0102】次に前記各実施例のアンチスキッド制御装
置によるホイルシリンダ圧制御のシミュレーション結果
について図14のタイムチャートを用いて説明する。こ
のタイムチャートは、まず乾燥したアスファルト路面や
コンクリート路面等の高μ路面において,時刻t0 でス
テリングホイールを操舵しない車両直進状態で制動を開
始し、然る後,時刻t3 でステアリングホイールを右切
りして旋回走行状態に移行し、時刻t12で必要な操舵入
力を完了して定常円旋回走行状態に移行し、この旋回走
行状態を維持しながら時刻t14から時刻t27までの時
間,走行路面が氷雪路面や濡れたタイル路面等の低μ路
面に変化し、この時刻t27以後,再び走行路面が高μ路
面に変化した場合をシミュレートしたものであり、操舵
角検出値θ及び目標ヨーレートψ'*を同図aに,ヨーレ
ート検出値ψ' を同図bに,ヨーレート偏差εを同図c
に,横加速度検出値YG を同図dに,各実施例で設定さ
れる前右輪の基準スリップSFR0 を同図eに,各実施例
の制動圧制御による前右輪のスリップ率SFRを同図f
に,各実施例の制動圧制御による前右輪の車輪加減速度
V'wFRを同図gに,各実施例の制動圧制御による前右輪
のホイルシリンダ圧PFLを同図hに示す。なお、理解を
容易にするために,幾つかの限定条件を以下に仮定す
る。まず、旋回状態での走行路面が低μ路面に変化した
後も完全なスピン状態又はドリフト状態には至らなかっ
たとする。また、時刻t0 で制動を開始したままである
から,実際には車速(疑似車速Vi )が低下しているた
めに目標ヨーレートψ'*も変化するはずであるが、当該
車速の低下代は極めて微小で目標ヨーレートψ'*は一定
に保持され続けたものとする。また、操舵入力に対する
ヨーレート並びに横加速度の時間遅れは無視するものと
し、従って前記目標ヨーレートψ'*は操舵角検出値θと
等価なものであるとする。また、各実施例によるヨーレ
ートフィードバック制御の応答遅れは無視する。また、
各実施例におけるヨーレートフィードバック制御では,
同等のヨーレート検出値ψ' 及び/又はヨーレート偏差
εに対して、前旋回内輪である前記前右輪の基準スリッ
プ率SFR0 の補正量(増加量)は同等であるものとし、
また低μ路面における当該前右輪の基準スリップ率S
FR0 の増加量の減少補正量も同等であるものとする。但
し、前記第3実施例で実行される減少側で減少補正され
る前右輪の基準スリップ率SFR0 は,減圧制御SFR03と
して表す。
置によるホイルシリンダ圧制御のシミュレーション結果
について図14のタイムチャートを用いて説明する。こ
のタイムチャートは、まず乾燥したアスファルト路面や
コンクリート路面等の高μ路面において,時刻t0 でス
テリングホイールを操舵しない車両直進状態で制動を開
始し、然る後,時刻t3 でステアリングホイールを右切
りして旋回走行状態に移行し、時刻t12で必要な操舵入
力を完了して定常円旋回走行状態に移行し、この旋回走
行状態を維持しながら時刻t14から時刻t27までの時
間,走行路面が氷雪路面や濡れたタイル路面等の低μ路
面に変化し、この時刻t27以後,再び走行路面が高μ路
面に変化した場合をシミュレートしたものであり、操舵
角検出値θ及び目標ヨーレートψ'*を同図aに,ヨーレ
ート検出値ψ' を同図bに,ヨーレート偏差εを同図c
に,横加速度検出値YG を同図dに,各実施例で設定さ
れる前右輪の基準スリップSFR0 を同図eに,各実施例
の制動圧制御による前右輪のスリップ率SFRを同図f
に,各実施例の制動圧制御による前右輪の車輪加減速度
V'wFRを同図gに,各実施例の制動圧制御による前右輪
のホイルシリンダ圧PFLを同図hに示す。なお、理解を
容易にするために,幾つかの限定条件を以下に仮定す
る。まず、旋回状態での走行路面が低μ路面に変化した
後も完全なスピン状態又はドリフト状態には至らなかっ
たとする。また、時刻t0 で制動を開始したままである
から,実際には車速(疑似車速Vi )が低下しているた
めに目標ヨーレートψ'*も変化するはずであるが、当該
車速の低下代は極めて微小で目標ヨーレートψ'*は一定
に保持され続けたものとする。また、操舵入力に対する
ヨーレート並びに横加速度の時間遅れは無視するものと
し、従って前記目標ヨーレートψ'*は操舵角検出値θと
等価なものであるとする。また、各実施例によるヨーレ
ートフィードバック制御の応答遅れは無視する。また、
各実施例におけるヨーレートフィードバック制御では,
同等のヨーレート検出値ψ' 及び/又はヨーレート偏差
εに対して、前旋回内輪である前記前右輪の基準スリッ
プ率SFR0 の補正量(増加量)は同等であるものとし、
また低μ路面における当該前右輪の基準スリップ率S
FR0 の増加量の減少補正量も同等であるものとする。但
し、前記第3実施例で実行される減少側で減少補正され
る前右輪の基準スリップ率SFR0 は,減圧制御SFR03と
して表す。
【0103】まず、本実施例では時刻t0 から時刻t3
までの時間,通常アンチスキッド制御が行われる。即
ち、この時間,前右輪の基準スリップ率SFRO は初期設
定スリップ率S0 に維持され、時刻t0 で制動が開始さ
れると前回のアンチスキッド制御の終了時に減圧タイマ
T及び制御フラグASが共に“0”にリセットされてい
るから急増圧モードが選択されてそれに合わせてホイル
シリンダ圧PFLが増圧され、これに合わせて傾きを増加
しながら車輪速が減速されるから車輪加減速度V'wFRは
負の領域で減少する。
までの時間,通常アンチスキッド制御が行われる。即
ち、この時間,前右輪の基準スリップ率SFRO は初期設
定スリップ率S0 に維持され、時刻t0 で制動が開始さ
れると前回のアンチスキッド制御の終了時に減圧タイマ
T及び制御フラグASが共に“0”にリセットされてい
るから急増圧モードが選択されてそれに合わせてホイル
シリンダ圧PFLが増圧され、これに合わせて傾きを増加
しながら車輪速が減速されるから車輪加減速度V'wFRは
負の領域で減少する。
【0104】やがて負の領域で減少する車輪加減速度
V'wFRが負の加減速度閾値α未満となる時刻t1 で高圧
保持モードに移行し、ホイルシリンダ圧PFLがその直前
の内圧に保持され,車輪速の減速の傾きはほぼ一定とな
り、車輪加減速度V'wFRの減少変化率も小さくなる。次
いで減速を続ける車輪速のスリップ率SFRが前記初期設
定スリップ率S0 に維持されている基準スリップ率S
FR0 以上となる時刻t2 で減圧モードに移行し、ホイル
シリンダ圧PFRがアクチュエータ6FRの作用による所
定の傾きで減圧される。これにより、車輪速は暫くの間
減速を継続するが,やがて増速傾向に移行し、これに合
わせて車輪加減速度V'wFRは3次曲線的に正の領域まで
増加する。なお、この時刻t2 で制御フラグASが
“1”にセットされ、減圧タイマTが所定値T0 にセッ
トされる。
V'wFRが負の加減速度閾値α未満となる時刻t1 で高圧
保持モードに移行し、ホイルシリンダ圧PFLがその直前
の内圧に保持され,車輪速の減速の傾きはほぼ一定とな
り、車輪加減速度V'wFRの減少変化率も小さくなる。次
いで減速を続ける車輪速のスリップ率SFRが前記初期設
定スリップ率S0 に維持されている基準スリップ率S
FR0 以上となる時刻t2 で減圧モードに移行し、ホイル
シリンダ圧PFRがアクチュエータ6FRの作用による所
定の傾きで減圧される。これにより、車輪速は暫くの間
減速を継続するが,やがて増速傾向に移行し、これに合
わせて車輪加減速度V'wFRは3次曲線的に正の領域まで
増加する。なお、この時刻t2 で制御フラグASが
“1”にセットされ、減圧タイマTが所定値T0 にセッ
トされる。
【0105】次いで正の領域で増加している車輪加減速
度V'wFRが正の加減速度閾値β以上となる時刻t3 で,
減圧タイマTはその値の如何に関わらず“0”にリセッ
トされて低圧保持モードに移行し、ホイルシリンダ圧P
FLがその直前の内圧に保持され,車輪速VwFLの増速の
傾きはほぼ一定となり、車輪加速度V'wFLの増加変化率
も小さくなり,やがて正の領域で減少し始める。
度V'wFRが正の加減速度閾値β以上となる時刻t3 で,
減圧タイマTはその値の如何に関わらず“0”にリセッ
トされて低圧保持モードに移行し、ホイルシリンダ圧P
FLがその直前の内圧に保持され,車輪速VwFLの増速の
傾きはほぼ一定となり、車輪加速度V'wFLの増加変化率
も小さくなり,やがて正の領域で減少し始める。
【0106】しかしながら、この時刻t3 から前記時刻
t12までの時間,操舵角検出値θのリニアな増加に伴っ
て目標ヨーレートψ'*がリニアに増加し、実質的には一
次遅れで発生するヨーレート検出値ψ' との偏差εは次
第に増加しようとするから、この時間において前右輪の
基準スリップ率SFR0 も増加しようとする。また、実質
的な旋回走行への移行に伴って,この時間に横加速度検
出値YG がリニアに増加し、この横加速度検出値YG の
リニアな増加をも加味して,前右輪の基準スリップ率S
FR0 はリニアに増加する。然る後,前記時刻t12から前
記時刻t14までの時間,リアルタイムに実行されたと仮
定するヨーレートフィードバック制御によって目標ヨー
レートψ'*もヨーレート検出値ψ' も一定値に安定し、
その結果,横加速度検出値YG も一定値に安定した。そ
して、前記時刻t3 から時刻t14までの時間,実質的に
は小さな微変動を繰り返すヨーレート偏差εも,前記リ
アルタイムに実行されたと仮定するヨーレートフィード
バック制御によってマクロ的には略零に収束され続け
た。
t12までの時間,操舵角検出値θのリニアな増加に伴っ
て目標ヨーレートψ'*がリニアに増加し、実質的には一
次遅れで発生するヨーレート検出値ψ' との偏差εは次
第に増加しようとするから、この時間において前右輪の
基準スリップ率SFR0 も増加しようとする。また、実質
的な旋回走行への移行に伴って,この時間に横加速度検
出値YG がリニアに増加し、この横加速度検出値YG の
リニアな増加をも加味して,前右輪の基準スリップ率S
FR0 はリニアに増加する。然る後,前記時刻t12から前
記時刻t14までの時間,リアルタイムに実行されたと仮
定するヨーレートフィードバック制御によって目標ヨー
レートψ'*もヨーレート検出値ψ' も一定値に安定し、
その結果,横加速度検出値YG も一定値に安定した。そ
して、前記時刻t3 から時刻t14までの時間,実質的に
は小さな微変動を繰り返すヨーレート偏差εも,前記リ
アルタイムに実行されたと仮定するヨーレートフィード
バック制御によってマクロ的には略零に収束され続け
た。
【0107】ところで前記時刻t3 以後,正の領域で減
少している車輪加減速度V'wFRが正の加減速度閾値β未
満となり且つスリップ率SFRが,次第にリニアに増加し
ている基準スリップ率SFR0 以下となる時刻t4 で緩増
圧モードに移行し、ホイルシリンダ圧PFRがアクチュエ
ータ6FRの作用による所定の傾きで増圧される。その
後も,増減する車輪加減速度V'wFR及び閾値α,β並び
にスリップ率SFR及びリニアに増加している又は増加状
態に維持された基準スリップ率SFR0 の相関に基づい
て,時刻t5 で高圧保持モードに移行し、次いで時刻t
6 で減圧モードに移行し、次いで時刻t7 で低圧保持モ
ードに移行し、次いで時刻t8 で緩増圧モードに移行
し、次いで時刻t9 で高圧保持モードに移行し、次いで
時刻t10で減圧モードに移行し、次いで時刻t11で低圧
保持モードに移行し、次いで時刻t12で緩増圧モードに
移行し、次いで時刻t13で高圧保持モードに移行し、次
いで時刻t14で減圧モードに移行し、これに伴ってホイ
ルシリンダ圧PFRも同図hに示すように増減圧を繰り返
した。この時間,ヨーレートフィードバック制御のため
に前旋回内輪である前右輪の車輪速は減速傾向,即ち制
動力が増加傾向である必要があるが、同図hに示すよう
にホイルシリンダ圧による制動力(即ち零基線からの総
面積で評価すればよい)は次第に大きくなっており、こ
れによってヨーレートのフィードバック制御が実行され
て,前述のようにヨーレート偏差εは略零に収束され続
けたことが証明できる。
少している車輪加減速度V'wFRが正の加減速度閾値β未
満となり且つスリップ率SFRが,次第にリニアに増加し
ている基準スリップ率SFR0 以下となる時刻t4 で緩増
圧モードに移行し、ホイルシリンダ圧PFRがアクチュエ
ータ6FRの作用による所定の傾きで増圧される。その
後も,増減する車輪加減速度V'wFR及び閾値α,β並び
にスリップ率SFR及びリニアに増加している又は増加状
態に維持された基準スリップ率SFR0 の相関に基づい
て,時刻t5 で高圧保持モードに移行し、次いで時刻t
6 で減圧モードに移行し、次いで時刻t7 で低圧保持モ
ードに移行し、次いで時刻t8 で緩増圧モードに移行
し、次いで時刻t9 で高圧保持モードに移行し、次いで
時刻t10で減圧モードに移行し、次いで時刻t11で低圧
保持モードに移行し、次いで時刻t12で緩増圧モードに
移行し、次いで時刻t13で高圧保持モードに移行し、次
いで時刻t14で減圧モードに移行し、これに伴ってホイ
ルシリンダ圧PFRも同図hに示すように増減圧を繰り返
した。この時間,ヨーレートフィードバック制御のため
に前旋回内輪である前右輪の車輪速は減速傾向,即ち制
動力が増加傾向である必要があるが、同図hに示すよう
にホイルシリンダ圧による制動力(即ち零基線からの総
面積で評価すればよい)は次第に大きくなっており、こ
れによってヨーレートのフィードバック制御が実行され
て,前述のようにヨーレート偏差εは略零に収束され続
けたことが証明できる。
【0108】ところが、前記時刻t14で走行路面が低μ
路面に変化したために,前記旋回走行状態を維持してい
た各車輪はコーナリングフォースが低下し、ヨーレート
検出値ψ' は一時的に減少し,同時に横加速度検出値Y
G も減少しようとした。そして、この横加速度検出値Y
G の減少並びにヨーレート検出値ψ' の減少並びにヨー
レート偏差εの増加に基づいて前右輪の基準スリップ率
SFR0 は減少方向に補正された。その結果,前記時刻t
14で減圧され始めたホイルシリンダ圧PFRによって車輪
速は次第に増速し,やがて時刻t15でその車輪加減速度
V'wFRが正の車輪加減速度閾値β以上となって低圧保持
モードに移行し、更に時刻t16でスリップ率SFRが前記
減少補正された基準スリップ率SFR0 以下となって,よ
うやく緩増圧モードに移行した。これにより当該旋回内
輪である前右輪の制動力がやや減少方向に補正され、こ
れをきっかけとしてコーナリングフォースが次第に回復
して車両の横加速度検出値YG はその減少傾きを小さく
しながら次第に増加方向に回復し始め、やがて前述のよ
うにその他の車輪への制動力も,ヨーレートフィードバ
ック制御によって本来の目標ヨーレートψ'*に必要な制
動力差が発生するように補正制御されることにより、ヨ
ーレート検出値ψ' も増加方向に回復し始め、これに伴
ってヨーレート偏差εも収束し始めた。
路面に変化したために,前記旋回走行状態を維持してい
た各車輪はコーナリングフォースが低下し、ヨーレート
検出値ψ' は一時的に減少し,同時に横加速度検出値Y
G も減少しようとした。そして、この横加速度検出値Y
G の減少並びにヨーレート検出値ψ' の減少並びにヨー
レート偏差εの増加に基づいて前右輪の基準スリップ率
SFR0 は減少方向に補正された。その結果,前記時刻t
14で減圧され始めたホイルシリンダ圧PFRによって車輪
速は次第に増速し,やがて時刻t15でその車輪加減速度
V'wFRが正の車輪加減速度閾値β以上となって低圧保持
モードに移行し、更に時刻t16でスリップ率SFRが前記
減少補正された基準スリップ率SFR0 以下となって,よ
うやく緩増圧モードに移行した。これにより当該旋回内
輪である前右輪の制動力がやや減少方向に補正され、こ
れをきっかけとしてコーナリングフォースが次第に回復
して車両の横加速度検出値YG はその減少傾きを小さく
しながら次第に増加方向に回復し始め、やがて前述のよ
うにその他の車輪への制動力も,ヨーレートフィードバ
ック制御によって本来の目標ヨーレートψ'*に必要な制
動力差が発生するように補正制御されることにより、ヨ
ーレート検出値ψ' も増加方向に回復し始め、これに伴
ってヨーレート偏差εも収束し始めた。
【0109】若し、従来のヨーレートフィードバック制
御のように,単に基準スリップ率が目標ヨーレートとヨ
ーレート検出値との偏差にのみ基づいていたら、同図e
に破線で示すように非制御基準スリップ率SFR0Pは前記
時刻t14までの一定値に保持されていると考えられ、従
ってこの基準スリップ率SFR0Pを当該前右輪のスリップ
率SFRは早期に下回るから、その分だけ増圧モードへの
移行タイミングが早くなってホイルシリンダ圧PFRが早
期に増加し、従って当該前右輪の制動力は本実施例のそ
れに比して増加傾向となるからコーナリングフォースの
増加回復は遅れ、更に横加速度検出値YG の増加回復も
同図dに破線で示すように遅れ、それに伴ってヨーレー
ト検出値ψ' の増加回復が同図bに破線で示すように遅
れるから、ヨーレート偏差εの収束回復も遅れると考え
られ、これらの相乗効果によって車両の旋回軌跡は所望
する旋回方向外側に膨らんでしまうと考えられる。
御のように,単に基準スリップ率が目標ヨーレートとヨ
ーレート検出値との偏差にのみ基づいていたら、同図e
に破線で示すように非制御基準スリップ率SFR0Pは前記
時刻t14までの一定値に保持されていると考えられ、従
ってこの基準スリップ率SFR0Pを当該前右輪のスリップ
率SFRは早期に下回るから、その分だけ増圧モードへの
移行タイミングが早くなってホイルシリンダ圧PFRが早
期に増加し、従って当該前右輪の制動力は本実施例のそ
れに比して増加傾向となるからコーナリングフォースの
増加回復は遅れ、更に横加速度検出値YG の増加回復も
同図dに破線で示すように遅れ、それに伴ってヨーレー
ト検出値ψ' の増加回復が同図bに破線で示すように遅
れるから、ヨーレート偏差εの収束回復も遅れると考え
られ、これらの相乗効果によって車両の旋回軌跡は所望
する旋回方向外側に膨らんでしまうと考えられる。
【0110】一方、前記時刻t15,t16以後の横加速度
検出値YG の増加回復並びにヨーレート検出値ψ' の増
加回復に伴って,本実施例の基準スリップ率SFR0 は前
記時刻t14までの一定値にむけて漸近的に増加回復され
る。そのうち、前記時刻t16での緩増圧モードへの移行
に伴って増圧されるホイルシリンダ圧PFRにより、時刻
t17で減少する車輪加減速度V'wFRが負の車輪加減速度
閾値α未満となって高圧保持モードに移行し、更に時刻
t18でスリップ率SFRが前記増加回復補正された基準ス
リップ率SFR0 以上となって減圧モードに移行する。と
ころが、前述のような制動力の減少補正によってコーナ
リングフォースの増加回復が大きすぎて,時刻t19でヨ
ーレート検出値ψ' が目標ヨーレートψ'*を上回り、同
時に横加速度検出値YG も前記時刻t14までの一定値を
上回ってしまった。そこで、本実施例では,基準スリッ
プ率SFR0 を当該時刻t19以後,増加方向に補正したと
ころ、前記時刻t18で減圧され始めたホイルシリンダ圧
PFRによって車輪速は次第に増速し,やがて時刻t20で
その車輪加減速度V'wFRが正の車輪加減速度閾値β以上
となって低圧保持モードに移行し、更に時刻t21でスリ
ップ率SFRが前記増加補正された基準スリップ率SFR0
以下となって,比較的速やかに緩増圧モードに移行し
た。これにより当該旋回内輪である前右輪の制動力がや
や増加方向に補正され、これをきっかけとしてコーナリ
ングフォースが所望する旋回軌跡に応じて次第に減少方
向に回復して車両の横加速度検出値YG はその減少傾き
を小さくしながら次第に減少方向に回復し始め、やがて
前述のようにその他の車輪への制動力も,ヨーレートフ
ィードバック制御によって本来の目標ヨーレートψ'*に
必要な制動力差が発生するように補正制御されることに
より、ヨーレート検出値ψ' も減少方向に回復し始め、
これに伴ってヨーレート偏差εも収束し始めた。
検出値YG の増加回復並びにヨーレート検出値ψ' の増
加回復に伴って,本実施例の基準スリップ率SFR0 は前
記時刻t14までの一定値にむけて漸近的に増加回復され
る。そのうち、前記時刻t16での緩増圧モードへの移行
に伴って増圧されるホイルシリンダ圧PFRにより、時刻
t17で減少する車輪加減速度V'wFRが負の車輪加減速度
閾値α未満となって高圧保持モードに移行し、更に時刻
t18でスリップ率SFRが前記増加回復補正された基準ス
リップ率SFR0 以上となって減圧モードに移行する。と
ころが、前述のような制動力の減少補正によってコーナ
リングフォースの増加回復が大きすぎて,時刻t19でヨ
ーレート検出値ψ' が目標ヨーレートψ'*を上回り、同
時に横加速度検出値YG も前記時刻t14までの一定値を
上回ってしまった。そこで、本実施例では,基準スリッ
プ率SFR0 を当該時刻t19以後,増加方向に補正したと
ころ、前記時刻t18で減圧され始めたホイルシリンダ圧
PFRによって車輪速は次第に増速し,やがて時刻t20で
その車輪加減速度V'wFRが正の車輪加減速度閾値β以上
となって低圧保持モードに移行し、更に時刻t21でスリ
ップ率SFRが前記増加補正された基準スリップ率SFR0
以下となって,比較的速やかに緩増圧モードに移行し
た。これにより当該旋回内輪である前右輪の制動力がや
や増加方向に補正され、これをきっかけとしてコーナリ
ングフォースが所望する旋回軌跡に応じて次第に減少方
向に回復して車両の横加速度検出値YG はその減少傾き
を小さくしながら次第に減少方向に回復し始め、やがて
前述のようにその他の車輪への制動力も,ヨーレートフ
ィードバック制御によって本来の目標ヨーレートψ'*に
必要な制動力差が発生するように補正制御されることに
より、ヨーレート検出値ψ' も減少方向に回復し始め、
これに伴ってヨーレート偏差εも収束し始めた。
【0111】若し、第3実施例のヨーレートフィードバ
ック制御のように,この横加速度の増加に伴って増加さ
れる基準スリップ率を,更に増加方向に補正すると、同
図eに二点鎖線で示すようにその減圧制御基準スリップ
率SFR03に変化するから、前右輪のスリップ率SFRがこ
の減圧制御基準スリップ率SFR03以下となる時刻t22は
前記時刻t21よりも遅くなり、その分だけ増圧モードへ
の移行タイミングが遅くなってホイルシリンダ圧PFRが
ゆっくりと増加し、従ってこの間,当該前右輪の制動力
は前述のそれに比して減少傾向となるからコーナリング
フォースは増加し続けて、更に横加速度検出値YG も同
図dに二点鎖線で示すように増加傾向を示し、それに伴
ってヨーレート検出値ψ' も同図bに二点鎖線で示すよ
うに増加傾向を示すから、車両の回頭性は高く維持でき
るが,同時ヨーレート偏差εの収束回復も遅れると考え
られる。そのために、旋回中の走行安定性を維持するた
めには,前記基準スリップ率SFR0 の基準スリップ率路
面μ補正量ΔSは比較的小さく設定する必要がある。
ック制御のように,この横加速度の増加に伴って増加さ
れる基準スリップ率を,更に増加方向に補正すると、同
図eに二点鎖線で示すようにその減圧制御基準スリップ
率SFR03に変化するから、前右輪のスリップ率SFRがこ
の減圧制御基準スリップ率SFR03以下となる時刻t22は
前記時刻t21よりも遅くなり、その分だけ増圧モードへ
の移行タイミングが遅くなってホイルシリンダ圧PFRが
ゆっくりと増加し、従ってこの間,当該前右輪の制動力
は前述のそれに比して減少傾向となるからコーナリング
フォースは増加し続けて、更に横加速度検出値YG も同
図dに二点鎖線で示すように増加傾向を示し、それに伴
ってヨーレート検出値ψ' も同図bに二点鎖線で示すよ
うに増加傾向を示すから、車両の回頭性は高く維持でき
るが,同時ヨーレート偏差εの収束回復も遅れると考え
られる。そのために、旋回中の走行安定性を維持するた
めには,前記基準スリップ率SFR0 の基準スリップ率路
面μ補正量ΔSは比較的小さく設定する必要がある。
【0112】一方、前記時刻t20,t21以後の横加速度
検出値YG の減少回復並びにヨーレート検出値ψ' の減
少回復に伴って,本実施例の基準スリップ率SFR0 は前
記時刻t14までの一定値にむけて漸近的に減少回復さ
れ、前記時刻t21での緩増圧モードへの移行に伴って増
圧されるホイルシリンダ圧PFRにより、時刻t23で減少
する車輪加減速度V'wFRが負の車輪加減速度閾値α未満
となって高圧保持モードに移行し、更に時刻t24でスリ
ップ率SFRが前記増加回復補正された基準スリップ率S
FR0 以上となって減圧モードに移行する。ところが、こ
の時刻t24で横加速度検出値YG が前記時刻t14までよ
りも小さな一定値に収束し、更にヨーレート検出値ψ'
が前記時刻t14までの一定値に収束したために,ヨーレ
ート偏差εも零に収束し、基準スリップ率SFR0 は前記
時刻t14までの一定値に安定した。これに伴って前右輪
のスリップ率SFRは,前記時刻t24で基準スリップ率S
FR0を上回り,時刻t25で基準スリップ率SFR0 を下回
り,時刻t26から時刻t27まで基準スリップ率SFR0 に
一致した。ところが、前記時刻t25では未だV'wFRが負
の車輪加減速度閾値α以上で,正の車輪加減速度閾値β
未満であるために、当該時刻t25で緩増圧モードに移行
し、この緩増圧モードが前記時刻t27まで維持された。
検出値YG の減少回復並びにヨーレート検出値ψ' の減
少回復に伴って,本実施例の基準スリップ率SFR0 は前
記時刻t14までの一定値にむけて漸近的に減少回復さ
れ、前記時刻t21での緩増圧モードへの移行に伴って増
圧されるホイルシリンダ圧PFRにより、時刻t23で減少
する車輪加減速度V'wFRが負の車輪加減速度閾値α未満
となって高圧保持モードに移行し、更に時刻t24でスリ
ップ率SFRが前記増加回復補正された基準スリップ率S
FR0 以上となって減圧モードに移行する。ところが、こ
の時刻t24で横加速度検出値YG が前記時刻t14までよ
りも小さな一定値に収束し、更にヨーレート検出値ψ'
が前記時刻t14までの一定値に収束したために,ヨーレ
ート偏差εも零に収束し、基準スリップ率SFR0 は前記
時刻t14までの一定値に安定した。これに伴って前右輪
のスリップ率SFRは,前記時刻t24で基準スリップ率S
FR0を上回り,時刻t25で基準スリップ率SFR0 を下回
り,時刻t26から時刻t27まで基準スリップ率SFR0 に
一致した。ところが、前記時刻t25では未だV'wFRが負
の車輪加減速度閾値α以上で,正の車輪加減速度閾値β
未満であるために、当該時刻t25で緩増圧モードに移行
し、この緩増圧モードが前記時刻t27まで維持された。
【0113】前記低μ路面での制動旋回中,即ち時刻t
14から時刻t27までの時間,ヨーレートフィードバック
制御のために前旋回内輪である前右輪の車輪速は、前記
時刻t14までの高μ路面での制動旋回中に比して増速傾
向,即ち制動力が減少傾向である必要があるが、同図h
に示すようにホイルシリンダ圧による制動力(即ち零基
線からの総面積で評価すればよい)は次第に小さくなっ
ており、これによって当該低μ路面での横力を確保しな
がら,ヨーレートのフィードバック制御が実行されてい
ることが証明できる。
14から時刻t27までの時間,ヨーレートフィードバック
制御のために前旋回内輪である前右輪の車輪速は、前記
時刻t14までの高μ路面での制動旋回中に比して増速傾
向,即ち制動力が減少傾向である必要があるが、同図h
に示すようにホイルシリンダ圧による制動力(即ち零基
線からの総面積で評価すればよい)は次第に小さくなっ
ており、これによって当該低μ路面での横力を確保しな
がら,ヨーレートのフィードバック制御が実行されてい
ることが証明できる。
【0114】ところが、前記時刻t27で走行路面が高μ
路面に変化したために,前記旋回走行状態を維持してい
た各車輪はコーナリングフォースが急激に増加し、ヨー
レート検出値ψ' も一時的に増加し,同時に横加速度検
出値YG も増加しようとした。そして、この横加速度検
出値YG の増加並びにヨーレート検出値ψ' の増加並び
にヨーレート偏差εの減少に基づいて前右輪の基準スリ
ップ率SFR0 は増加方向に補正された。その結果,前記
時刻t27で急激に増速する車輪速に伴って,そのスリッ
プ率SFRは前記基準スリップ率SFR0 を下回り、同時に
その車輪加減速度V'wFRが正の車輪加減速度閾値β以上
となって一旦保持モードに移行するが、更に時刻t28で
未だスリップ率SFRが前記基準スリップ率SFR0 を下回
っているのに車輪加減速度V'wFRが正の車輪加減速度閾
値β未満となって,再び緩増圧モードに移行した。これ
により当該旋回内輪である前右輪の制動力がやや増加方
向に補正され、これをきっかけとしてコーナリングフォ
ースが旋回軌跡に応じてやや減少方向に次第に回復して
車両の横加速度検出値YG はその増加傾きを小さくしな
がら次第に減少方向に回復し始め、やがて前述のように
その他の車輪への制動力も,ヨーレートフィードバック
制御によって本来の目標ヨーレートψ'*に必要な制動力
差が発生するように補正制御されることにより、ヨーレ
ート検出値ψ' も減少方向に回復し始め、これに伴って
ヨーレート偏差εも収束し始めた。
路面に変化したために,前記旋回走行状態を維持してい
た各車輪はコーナリングフォースが急激に増加し、ヨー
レート検出値ψ' も一時的に増加し,同時に横加速度検
出値YG も増加しようとした。そして、この横加速度検
出値YG の増加並びにヨーレート検出値ψ' の増加並び
にヨーレート偏差εの減少に基づいて前右輪の基準スリ
ップ率SFR0 は増加方向に補正された。その結果,前記
時刻t27で急激に増速する車輪速に伴って,そのスリッ
プ率SFRは前記基準スリップ率SFR0 を下回り、同時に
その車輪加減速度V'wFRが正の車輪加減速度閾値β以上
となって一旦保持モードに移行するが、更に時刻t28で
未だスリップ率SFRが前記基準スリップ率SFR0 を下回
っているのに車輪加減速度V'wFRが正の車輪加減速度閾
値β未満となって,再び緩増圧モードに移行した。これ
により当該旋回内輪である前右輪の制動力がやや増加方
向に補正され、これをきっかけとしてコーナリングフォ
ースが旋回軌跡に応じてやや減少方向に次第に回復して
車両の横加速度検出値YG はその増加傾きを小さくしな
がら次第に減少方向に回復し始め、やがて前述のように
その他の車輪への制動力も,ヨーレートフィードバック
制御によって本来の目標ヨーレートψ'*に必要な制動力
差が発生するように補正制御されることにより、ヨーレ
ート検出値ψ' も減少方向に回復し始め、これに伴って
ヨーレート偏差εも収束し始めた。
【0115】従って、前記時刻t27,t28以後の横加速
度検出値YG の増加回復並びにヨーレート検出値ψ' の
増加回復に伴って,本実施例の基準スリップ率SFR0 は
前記時刻t14までの一定値にむけて漸近的に減少回復さ
れる。そのうち、前記時刻t 28での緩増圧モードへの移
行に伴って増圧されるホイルシリンダ圧PFRにより、時
刻t29で減少する車輪加減速度V'wFRが負の車輪加減速
度閾値α以下となって高圧保持モードに移行し、更に時
刻t30でスリップ率SFRが前記減少回復補正された基準
スリップ率SFR0 以上となって減圧モードに移行し、時
刻t31で増加する車輪加減速度V'wFRが正の車輪加減速
度閾値β以上となって低圧保持モードに移行し、更に時
刻t32でスリップ率SFRが前記減少回復補正された基準
スリップ率SFR0 以下となって再び緩増圧モードに移行
する。ところが、前述のような制動力の増加補正によっ
てコーナリングフォースの減少回復が大きすぎて,時刻
t 33でヨーレート検出値ψ' が目標ヨーレートψ'*を下
回り、同時に横加速度検出値YG も前記時刻t14までの
一定値を下回ってしまった。そこで、本実施例では,基
準スリップ率SFR0 を当該時刻t33以後,減少方向に補
正したところ、前記時刻t32で増圧され始めたホイルシ
リンダ圧PFRによって車輪速は次第に減速し,これをき
っかけとしてコーナリングフォースが所望する旋回軌跡
に応じて次第に増加方向に回復して車両の横加速度検出
値YG はその増加傾きを小さくしながら次第に減少方向
に回復し始め、やがて前述のようにその他の車輪への制
動力も,ヨーレートフィードバック制御によって本来の
目標ヨーレートψ'*に必要な制動力差が発生するように
補正制御されることにより、ヨーレート検出値ψ' も減
少方向に回復し始め、これに伴ってヨーレート偏差εも
収束し始め、結果的に時刻t34で横加速度検出値YG が
前記時刻t14までの一定値に収束し、更にヨーレート検
出値ψ' が前記時刻t14までの一定値に収束したため
に,ヨーレート偏差εも零に収束し、基準スリップ率S
FR0 は前記時刻t14までの一定値に安定した。
度検出値YG の増加回復並びにヨーレート検出値ψ' の
増加回復に伴って,本実施例の基準スリップ率SFR0 は
前記時刻t14までの一定値にむけて漸近的に減少回復さ
れる。そのうち、前記時刻t 28での緩増圧モードへの移
行に伴って増圧されるホイルシリンダ圧PFRにより、時
刻t29で減少する車輪加減速度V'wFRが負の車輪加減速
度閾値α以下となって高圧保持モードに移行し、更に時
刻t30でスリップ率SFRが前記減少回復補正された基準
スリップ率SFR0 以上となって減圧モードに移行し、時
刻t31で増加する車輪加減速度V'wFRが正の車輪加減速
度閾値β以上となって低圧保持モードに移行し、更に時
刻t32でスリップ率SFRが前記減少回復補正された基準
スリップ率SFR0 以下となって再び緩増圧モードに移行
する。ところが、前述のような制動力の増加補正によっ
てコーナリングフォースの減少回復が大きすぎて,時刻
t 33でヨーレート検出値ψ' が目標ヨーレートψ'*を下
回り、同時に横加速度検出値YG も前記時刻t14までの
一定値を下回ってしまった。そこで、本実施例では,基
準スリップ率SFR0 を当該時刻t33以後,減少方向に補
正したところ、前記時刻t32で増圧され始めたホイルシ
リンダ圧PFRによって車輪速は次第に減速し,これをき
っかけとしてコーナリングフォースが所望する旋回軌跡
に応じて次第に増加方向に回復して車両の横加速度検出
値YG はその増加傾きを小さくしながら次第に減少方向
に回復し始め、やがて前述のようにその他の車輪への制
動力も,ヨーレートフィードバック制御によって本来の
目標ヨーレートψ'*に必要な制動力差が発生するように
補正制御されることにより、ヨーレート検出値ψ' も減
少方向に回復し始め、これに伴ってヨーレート偏差εも
収束し始め、結果的に時刻t34で横加速度検出値YG が
前記時刻t14までの一定値に収束し、更にヨーレート検
出値ψ' が前記時刻t14までの一定値に収束したため
に,ヨーレート偏差εも零に収束し、基準スリップ率S
FR0 は前記時刻t14までの一定値に安定した。
【0116】その後も,時刻t35で高圧保持モードに移
行し、次いで時刻t36で減圧モードに移行し、次いで時
刻t37で低圧保持モードに移行し、次いで時刻t38で緩
増圧モードに移行し、このようなホイルシリンダ圧PFR
の制御を繰り返してヨーレートのフィードバック制御が
実行された。ここで、前記高μ路面での制動旋回中,即
ち時刻t27以後の時間,ヨーレートフィードバック制御
のために前旋回内輪である前右輪の車輪速は、前記時刻
t14から時刻t27までの低μ路面での制動旋回中に比し
て減速傾向,即ち制動力が減少傾向である必要がある
が、同図hに示すようにホイルシリンダ圧による制動力
(即ち零基線からの総面積で評価すればよい)は次第に
大きくなっており、これによって当該低μ路面での横力
を確保しながら,ヨーレートのフィードバック制御が実
行されていることが証明できる。
行し、次いで時刻t36で減圧モードに移行し、次いで時
刻t37で低圧保持モードに移行し、次いで時刻t38で緩
増圧モードに移行し、このようなホイルシリンダ圧PFR
の制御を繰り返してヨーレートのフィードバック制御が
実行された。ここで、前記高μ路面での制動旋回中,即
ち時刻t27以後の時間,ヨーレートフィードバック制御
のために前旋回内輪である前右輪の車輪速は、前記時刻
t14から時刻t27までの低μ路面での制動旋回中に比し
て減速傾向,即ち制動力が減少傾向である必要がある
が、同図hに示すようにホイルシリンダ圧による制動力
(即ち零基線からの総面積で評価すればよい)は次第に
大きくなっており、これによって当該低μ路面での横力
を確保しながら,ヨーレートのフィードバック制御が実
行されていることが証明できる。
【0117】なお、前記第1及び第2実施例では、増圧
側の基準スリップ率補正量を先に小さくし,ヨーレート
フィードバック制御によって結果的に減圧側の基準スリ
ップ率補正量が大きくなって必要な制動力差を確保可能
とするものについてのみ述べたが、これとは逆に減圧側
の基準スリップ率補正量を先に大きくし,ヨーレートフ
ィードバック制御によって結果的に増圧側の基準スリッ
プ率補正量が小さくなって必要な制動力差を確保可能と
するものとすることも勿論可能である。
側の基準スリップ率補正量を先に小さくし,ヨーレート
フィードバック制御によって結果的に減圧側の基準スリ
ップ率補正量が大きくなって必要な制動力差を確保可能
とするものについてのみ述べたが、これとは逆に減圧側
の基準スリップ率補正量を先に大きくし,ヨーレートフ
ィードバック制御によって結果的に増圧側の基準スリッ
プ率補正量が小さくなって必要な制動力差を確保可能と
するものとすることも勿論可能である。
【0118】また、前記実施例においては後輪側の車輪
速を共通の車輪速センサで検出する3チャンネルアンチ
スキッド制御装置の場合についてのみ詳述したが、これ
に限らず後輪側の左右輪についても個別に車輪速センサ
を設け、これに応じて左右のホイルシリンダに対して個
別のアクチュエータを設ける,所謂4チャンネルのアン
チスキッド制御装置にも展開可能である。
速を共通の車輪速センサで検出する3チャンネルアンチ
スキッド制御装置の場合についてのみ詳述したが、これ
に限らず後輪側の左右輪についても個別に車輪速センサ
を設け、これに応じて左右のホイルシリンダに対して個
別のアクチュエータを設ける,所謂4チャンネルのアン
チスキッド制御装置にも展開可能である。
【0119】また、前記実施例においては車輪速選択値
としてセレクトハイ車輪速を選択する場合について説明
したが、アンチスキッド制御中はセレクトハイ車輪速を
選択し、非アンチスキッド制御中は最も低いセレクトロ
ー車輪速を選択するようにしてもよい。また、本発明の
アンチスキッド制御装置は,後輪駆動車,前輪駆動車,
四輪駆動車等のあらゆる車両に適用可能である。
としてセレクトハイ車輪速を選択する場合について説明
したが、アンチスキッド制御中はセレクトハイ車輪速を
選択し、非アンチスキッド制御中は最も低いセレクトロ
ー車輪速を選択するようにしてもよい。また、本発明の
アンチスキッド制御装置は,後輪駆動車,前輪駆動車,
四輪駆動車等のあらゆる車両に適用可能である。
【0120】また、前記実施例においては制動圧制御装
置18としてマイクロコンピュータを適用した場合につ
いて説明したが、これに限定されるものではなく、比較
回路,演算回路,論理回路等の電子回路を組み合わせて
構成することもできる。
置18としてマイクロコンピュータを適用した場合につ
いて説明したが、これに限定されるものではなく、比較
回路,演算回路,論理回路等の電子回路を組み合わせて
構成することもできる。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るアンチ
スキッド制御装置によれば、制御対象車輪のスリップ率
又は基準スリップ率又は両者の偏差を補正対象変数と
し、車両に発生する実ヨーレートと目標ヨーレートとの
偏差に応じて、何れかの車輪のスリップ率が基準スリッ
プ率を越え易くなるように且つ何れかの車輪のスリップ
率が基準スリップ率を越えにくくなるように、前記補正
対象変数を補正制御することによって制動用流体圧の増
減タイミング、つまり当該車輪への制動力を補正制御し
て、ヨーレートのフィードバック制御を可能として十分
なヨーモーメントを得、同時に路面摩擦係数状態を検出
して、その検出値に応じて路面μが小さい場合には、前
記車輪のスリップ率が基準スリップ率を越え易くなる補
正対象変数の補正量を小さくすることで、当該車輪への
制動力の増加量を小さめに補正することで十分な横力を
得て旋回軌跡が旋回方向外側に膨らむのを抑制防止する
ことができる。
スキッド制御装置によれば、制御対象車輪のスリップ率
又は基準スリップ率又は両者の偏差を補正対象変数と
し、車両に発生する実ヨーレートと目標ヨーレートとの
偏差に応じて、何れかの車輪のスリップ率が基準スリッ
プ率を越え易くなるように且つ何れかの車輪のスリップ
率が基準スリップ率を越えにくくなるように、前記補正
対象変数を補正制御することによって制動用流体圧の増
減タイミング、つまり当該車輪への制動力を補正制御し
て、ヨーレートのフィードバック制御を可能として十分
なヨーモーメントを得、同時に路面摩擦係数状態を検出
して、その検出値に応じて路面μが小さい場合には、前
記車輪のスリップ率が基準スリップ率を越え易くなる補
正対象変数の補正量を小さくすることで、当該車輪への
制動力の増加量を小さめに補正することで十分な横力を
得て旋回軌跡が旋回方向外側に膨らむのを抑制防止する
ことができる。
【図1】本発明のアンチスキッド制御装置の概略構成を
示す基本構成図である。
示す基本構成図である。
【図2】本発明のアンチスキッド制御装置の一例を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【図3】図2のアンチスキッド制御装置に使用されるア
クチュエータの一例を示す構成図である。
クチュエータの一例を示す構成図である。
【図4】図2のアンチスキッド制御装置における制動圧
制御回路の演算処理の第1実施例を示すフローチャート
である。
制御回路の演算処理の第1実施例を示すフローチャート
である。
【図5】図4の演算処理で前後・左右輪間増加補正ゲイ
ンを検索する制御マップの説明図である。
ンを検索する制御マップの説明図である。
【図6】図2に示す制動圧制御回路で実行される制動圧
制御の説明図である。
制御の説明図である。
【図7】図4の演算処理で設定される基準スリップ率の
説明図である。
説明図である。
【図8】図2のアンチスキッド制御装置における制動圧
制御回路の演算処理の第2実施例を示すフローチャート
である。
制御回路の演算処理の第2実施例を示すフローチャート
である。
【図9】図8の演算処理で前後・左右輪間フィードバッ
クゲインを検索する制御マップの説明図である。
クゲインを検索する制御マップの説明図である。
【図10】図8の演算処理で設定される基準スリップ率
の説明図である。
の説明図である。
【図11】図2のアンチスキッド制御装置における制動
圧制御回路の演算処理の第3実施例を示すフローチャー
トである。
圧制御回路の演算処理の第3実施例を示すフローチャー
トである。
【図12】図11の演算処理で前後・左右輪間フィード
バックゲインを検索する制御マップの説明図である。
バックゲインを検索する制御マップの説明図である。
【図13】図11の演算処理で設定される基準スリップ
率の説明図である。
率の説明図である。
【図14】本発明の動作の説明に供する波形図である。
1FL,1FRは前輪
1RL,1RRは後輪
2FL〜2RRはホイルシリンダ
3FL〜3Rは車輪速センサ
4はブレーキペダル
5はマスタシリンダ
6FL〜6Rはアクチュエータ
7は配管
8は流入弁
9は流出弁
10は油圧ポンプ
11は逆止弁
12はアキュームレータ
13は前後加速度センサ
14はヨーレートセンサ
15FL〜15Rは車輪速演算回路
16はセレクトハイスイッチ
17は疑似車速演算回路
18は制動圧制御回路
19はステアリングホイール
20は操舵角センサ
21は横加速度センサ
CRはコントローラ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平6−24313(JP,A)
特開 平6−127364(JP,A)
特開 平6−8815(JP,A)
特開 平4−135923(JP,A)
特開 平7−223520(JP,A)
実開 昭62−201046(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B60T 8/00
B60T 8/32 - 8/96
Claims (2)
- 【請求項1】 車輪のスリップ率が基準スリップ率に保
たれるように,各輪に備えられた制動用シリンダへの流
体圧を制御して、当該制御対象となる車輪のロックを防
止するアンチスキッド制御装置において、制御対象とな
る各輪の車輪速を検出する車輪速検出手段と、路面の摩
擦係数状態を検出する路面摩擦係数状態検出手段と、車
両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、車両の前
後方向車速を検出する車速検出手段と、少なくとも前記
操舵状態検出手段で検出された操舵状態検出値に基づい
て車両の目標ヨーレートを設定する目標ヨーレート設定
手段と、車両に発生するヨーレートを検出するヨーレー
ト検出手段と、前記車輪速検出手段で検出された車輪速
検出値及び車速検出手段で検出された車速検出値に基づ
いて制御対象となる各輪のスリップ率を算出するスリッ
プ率演算手段と、前記目標ヨーレート設定手段で設定さ
れた目標ヨーレート及びヨーレート検出手段で検出され
たヨーレート検出値の偏差に応じて前記スリップ率演算
手段で算出される何れかの車輪のスリップ率算出値が予
め設定された前記基準スリップ率を越え易くなる方向に
所定量だけ補正すると共に何れかの車輪のスリップ率算
出値が当該基準スリップ率を越えにくくなる方向に所定
量だけ補正するように当該スリップ率算出値又は基準ス
リップ率又は両者の偏差のうちの何れかを補正対象変数
として補正するスリップ率補正手段と、少なくとも前記
スリップ率補正手段で補正された補正対象変数及び前記
スリップ率演算手段で算出されたスリップ率に基づいて
前記各輪の制動用シリンダの流体圧を制御する制動圧制
御手段とを備え、前記スリップ率補正手段は、前記路面
摩擦係数状態検出手段で検出された路面摩擦係数状態検
出値が小さいときに前記スリップ率算出値が基準スリッ
プ率を越え易くなる補正量を小さくするようにしたこと
を特徴とするアンチスキッド制御装置。 - 【請求項2】 前記路面摩擦係数状態検出手段は,車両
に発生する横加速度検出値に基づいて当該路面の摩擦係
数状態を検出するものであることを特徴とする請求項1
に記載のアンチスキッド制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11153994A JP3395353B2 (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | アンチスキッド制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11153994A JP3395353B2 (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | アンチスキッド制御装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07315197A JPH07315197A (ja) | 1995-12-05 |
| JP3395353B2 true JP3395353B2 (ja) | 2003-04-14 |
Family
ID=14563933
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11153994A Expired - Fee Related JP3395353B2 (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | アンチスキッド制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3395353B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4336963B2 (ja) * | 2003-11-18 | 2009-09-30 | 三菱自動車工業株式会社 | アンチロックブレーキ装置 |
| JP4728085B2 (ja) * | 2005-10-20 | 2011-07-20 | 株式会社アドヴィックス | 車両の制動力保持装置、及び車両の制動力保持方法 |
| JP2017030722A (ja) * | 2015-07-31 | 2017-02-09 | 株式会社ブリヂストン | 車両制御方法 |
| JP2019014270A (ja) * | 2015-11-24 | 2019-01-31 | ヤマハ発動機株式会社 | 鞍乗り型車両 |
-
1994
- 1994-05-25 JP JP11153994A patent/JP3395353B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07315197A (ja) | 1995-12-05 |
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