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JP3396877B2 - 回路遮断器の可動接触装置 - Google Patents
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JP3396877B2 - 回路遮断器の可動接触装置 - Google Patents

回路遮断器の可動接触装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回路遮断器の可
動接触装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8、図9、図10は例えばUSP第
3、033、964号公報に示された従来の回路遮断器
の可動接触装置を示すもので、図8は可動接触装置の側
面図、図9は可動接触装置の要部平面図、図10は可動
接触装置の要部側面図である。図8〜10において、1
は回路遮断器の本体ケースを形成する合成樹脂製のベー
ス、7は可動接触子で、固定接点4と接離する可動接点
8が固着されている。9は可動子受けで、可動接触子7
を開閉軸10により回動自在に軸支している。15は可
動接触子7に連結された開閉機構、12は圧縮ばね、2
0は取り付けねじである。
【0003】従来の回路遮断器の可動接触装置は以上の
ように構成されており、可動接触子7と可動子受け9を
電気的に接続するために、圧縮ばね12により可動接触
子7を可動子受け9に対して摺動可能な状態に押圧して
いる。可動接触子7は左右極の可動子受け9と共にホル
ダー(図示せず)に保持され、開閉機構15により一体
的に駆動される。一般的に、可動接触子7の摺動接触部
は、摺動による摩擦熱や通電によるジュール熱に起因す
る発熱のために酸化して接触抵抗が増加することから、
酸化を防止して摺動接触部の通電容量を安定に維持する
ため、摺動接触面に銀めっきによる被膜処理が施されて
いる。しかし、銀めっきによる被膜処理は、摺動動作に
より被膜に欠けが発生しやすく、一旦欠けが発生すると
摩耗が急速に進行して摺動接触面の素地が容易に露出す
るため、オイルまたはグリース等の有機系潤滑剤が併用
される場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の回路遮断器の可
動接触装置は以上のように構成されているので、開閉動
作により銀めっき被膜層が摩耗して銅素地が露出し、摺
動抵抗が増大することにより摺動接触部に発熱が生じた
り、摺動荷重の増加により開閉機構の開離速度が低下す
るなど問題があった。また、摺動接触部は過大電流の通
過により異常発熱が生じ、オイルまたはグリース等の有
機系潤滑剤は瞬時に酸化、蒸発、分解し、固形の残さ物
を残してその潤滑性は失われるという問題があった。
【0005】この発明は、上記のような問題を解決する
ためになされたもので、電気的接触部の摺動抵抗を低下
させると共に、経時的に耐摩耗性や摺動抵抗の変化が少
なく、耐久性および耐熱性能の優れた回路遮断器の可動
接触装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる回路遮
断器の可動接触装置は、回路遮断器の本体ケースに固定
され、摺動接触部を有する可動子受けと、可動子受けに
回動自在に軸支され、摺動接触部を有する可動接触子
と、可動接触子および可動子受けの少なくともいずれか
一方の摺動接触部に形成された銀めっきと、銀めっき上
、パーフロロポリエーテルあるいはパーフロロアルキ
ルポリエーテルをバインダーとして固着されたグラファ
イトあるいは二硫化モリブデン層を備え、可動接触子の
摺動接触部と可動子受けの摺動接触部との摺動接触によ
って可動接触子と可動子受けを電気的に接続するよう構
成したものである。また、回路遮断器の本体ケースに固
定され、摺動接触部を有する可動子受けと、可動子受け
に回動自在に軸支され、摺動接触部を有する可動接触子
と、可動接触子および可動子受けの少なくともいずれか
一方の摺動接触部に形成された銀めっきと、銀めっき上
に、水溶性高分子増粘剤をバインダーとして固着された
グラファイトあるいは二硫化モリブデン層を備え、可動
接触子の摺動接触部と可動子受けの摺動接触部との摺動
接触によって可動接触子と可動子受けを電気的に接続す
るよう構成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】実施の形態1. 以下、この発明の一実施の形態である回路遮断器の可動
接触装置を図について説明する。図1は可動接触装置の
平面図、図2は可動接触装置の側面図、図3は回路遮断
器の側面図である。図において、1、2は回路遮断器の
本体ケースを形成する合成樹脂製のベースとカバーであ
る。3はベース1に固定された電源側の固定導体で、先
端部に固定接点4が固着されている。5は自動引き外し
装置、6は自動引き外し装置5に接続された負荷側の固
定導体である。7は銅製の可動接触子で、固定接点4と
接離する可動接点8を有している。9は銅材で形成され
た可動子受けで、それぞれL字状に形成された一対の支
持板9a、9bにより構成されている。支持板9a、9
bは一端が自動引き外し装置5に接続された接続導体1
9にそれぞれ接続されている。また、支持板9a、9b
はねじ孔9c、9dに挿入された取付ねじ20により接
続導体19と共にベース1に固定されている。10は一
対の支持板9a、9bに挟まれた可動接触子7と支持板
9a、9bに開口された孔に挿通された開閉軸で、開閉
軸を介して可動接触子7が可動子受け9に回動自在に枢
支されている。11はベース1に回動自在に支持された
合成樹脂製のホルダー、11aはホルダー11に形成さ
れた凹部で、開閉軸10の両端を保持している。12は
開閉軸10の両側にそれぞれ嵌合されたコイル状の圧縮
ばねで、ホルダー11と可動子受け9の支持板9a、9
bとの間に介在し、支持板9a、9bの内壁面を可動接
触子7の側面に圧接させている。13はホルダー11と
可動接触子7との間に張架された接圧ばね、14は操作
ハンドル、15は回路遮断器の開閉機構で、ハンドル受
け15a、クレドル15b、上部リンク15c、下部リ
ンク15d等より構成されている。16はクレドル15
bに設けられたストッパーピン、17は下部リンク15
dをホルダー11に連繋するための連結ピン、18は消
弧室である。可動接触装置の投入状態では、図3におい
て、電源側の固定導体3→固定接点4→可動接点8→可
動接触子7→可動子受け9→接続導体19→自動引き外
し装置5→負荷側の固定導体6の方向に電流が流れる。
【0008】図4は本実施の形態による可動接触装置の
摺動接触部の表面状態を示す模式図である。図におい
て、21は銀めっき被膜、22はパーフロロポリエーテ
ルによるバインダー、23はグラファイトである。可動
接触子7および可動子受け9の少なくともいずれか一方
の摺動接触部の表面に10μm厚の銀めっき被膜21を
形成した後、グラファイト23が5重量%と、平均分子
量5000のパーフロロポリエーテル22が1重量%を
フッ素溶媒(例えばHCFC-225)に混合した液に浸漬、乾
燥して摺動接触部にパーフロロポリエーテル22をバイ
ンダーとしたグラファイト23層を形成している。な
お、液組成の許容範囲としては、グラファイト23が
0.1〜20重量%、パーフロロポリエーテル22が
0.1〜20重量%で、残りがフッ素溶媒であることが
好ましい。
【0009】グラファイト23は無機物であると共に、
常時使用可能温度上限は420゜Cと高い耐熱性を有す
る固体潤滑剤である。さらに、グラファイト23を一酸
化炭素または二酸化炭素に分解するには500゜C以上
で長時間保持する必要がある。また、グラファイト23
は有機系潤滑剤に見られる流動性を有しないため、拡散
して他の電子部品へ悪影響を与えない。なお、グラファ
イト23の替わりに常時使用可能温度上限が340゜C
である二硫化モリブデンを用い、パーフロロポリエーテ
ル22をバインダーとして潤滑層を形成しても同様の効
果が得られる。また、パーフロロポリエーテル22は、
フッ素系高分子材料であり、室温で1000cST(セ
ンチストークス)程度の高い粘度を有するため、バイン
ダーとしてグラファイト23を強固に保持することがで
きる。また、耐熱性が高く300゜C以下では酸化、分
解は起こらず、高温で分解しても固形物の残さが生じな
いために接触抵抗や耐摩耗性に悪影響を与えない。ま
た、撥油性があるため周辺で使用している鉱油や炭化水
素系合成油の浸入を防ぎ、これらの油による接触抵抗の
上昇や酸化劣化による摺動抵抗の異常上昇が生じない。
なお、パーフロロポリエーテル22はパーフロロアルキ
ルポリエーテルとも呼ばれ、また、鎖状分子構造および
直鎖構造の両構造が本実施の形態では有効である。
【0010】本構成の可動接触装置を、回路遮断器の定
格最大負荷時に想定される通電部の最高温度より高い2
00゜Cで一ヶ月保持後、図1に示す構成で往復摺動試
験を実施した結果、3万回摺動試験後においても接触抵
抗変化は許容範囲内であった。また、蛍光X線膜厚計を
用いためっき膜厚変化による摩耗量測定においても明瞭
な摩耗は検出されなかった。次に、回路遮断器の過負荷
試験として、短時間の過大電流の通過による異常発熱を
発生させた後、再度往復摺動試験を実施した結果、潤滑
性、導電特性ともに異常は発見されなかった。
【0011】この発明によれば、可動接触装置の摺動接
触部は、回路遮断器の定格最大負荷時に想定される通電
部の最高温度および遮断動作による短時間の異常発熱で
は熱劣化は生じず、また、3万回の往復摺動試験におい
ても摩耗は認められないことから、耐摩耗性および耐熱
性に優れ、摺動抵抗の経時変化が少ない可動接触装置を
得ることができる。
【0012】実施の形態2. 実施の形態1では、可動接触子7および可動子受け9の
少なくともいずれか一方の摺動接触部の表面に、図4に
示すように、銀めっき被膜21を形成した後、パーフロ
ロポリエーテル22をバインダーとしてグラファイト2
3を固着したが、図5に示すように、銀めっき被膜21
上に澱粉またはポリアクリル酸メチル等の水溶性高分子
増粘剤24をバインダーとしてグラファイト23を固着
してもよい。本実施の形態の可動接触装置は、可動接触
子7および可動子受け9の少なくともいずれか一方の摺
動接触部の表面に、10μm厚の銀めっき被膜21を形
成した後、グラファイト23が5重量%と、水溶性高分
子増粘剤24を1重量%を含んだ水溶液に浸漬、乾燥し
てグラファイト23を固着することにより形成されてい
る。なお、液組成の許容範囲としては、グラファイト2
3が0.1〜20重量%、水溶性高分子増粘剤24が
0.1〜5重量%で、残りが水溶媒であることが好まし
い。
【0013】水溶性高分子増粘剤24は、グラファイト
23に対して20%以下の重量比率であり、導電特性に
は影響を与えない。また、流動性を有しないため、拡散
して他の電子部品へ悪影響を与えることがない。また、
水溶性高分子増粘剤24は、液中分散性が優れているた
め塗布膜におけるグラファイト23の濃度むらを少なく
できると共に、塗布、乾燥後は固体性状となるためグラ
ファイト23を高い密着力で保持でき、耐摩耗性に優れ
た被膜が得られる。また、グラファイト23の代わりに
常時使用可能温度上限が340゜Cである二硫化モリブ
デンを用い、水溶性高分子増粘剤24をバインダーとし
て潤滑層を形成しても同様の効果が得られる。本構成の
可動接触装置を、図1に示す構成で往復摺動試験を実施
した結果、3万回摺動試験後においても接触抵抗の異常
およびめっき摩耗は検出されなかった。また、回路遮断
器の定格最大負荷時に想定される通電部の最高温度より
高い200゜Cで一ヶ月保持後、図1に示す構成で往復
摺動試験を実施した結果、異常は検出されなかった。さ
らに、過負荷試験後の往復摺動試験においても、同様に
異常は検出されなかった。
【0014】参考例 図6は参考例による可動接触装置の摺動接触部の表面状
態を模式的に示した平面図、図7は図6の部分的断面図
である。グラファイト23は銀めっき被膜21の表面に
機械的に擦り付けられ格子形状に固着されている。グラ
ファイト23は潤滑剤の役割を果たすが、過剰に用いる
と接触抵抗に悪影響を与えるため、使用量は所定以下に
調整する必要がある。グラファイト23を機械的に摺動
接触面に擦り付ける場合、擦り付け荷重を調整してグラ
ファイト23量を調整することはグラファイト23のも
ろい性質上困難であるが、擦り付け荷重を一定にして格
子の線幅および間隔を調整することによりグラファイト
23の量を正確に調整することができる。また、グラフ
ァイト23を格子状パターンに擦り付けることは工業的
に容易である。参考例の可動接触装置の摺動接触部は、
グラファイト23を70%以上含有する1mm径のグラ
ファイト棒を用い、可動接触子7の表面に間隔1mmの
格子形状に擦り付けることにより形成されている。本構
成の可動接触装置を、図1に示す構成で往復摺動試験を
実施した結果、3万回摺動試験後においても接触抵抗の
異常およびめっき摩耗は検出されなかった。また、回路
遮断器の定格最大負荷時に想定される通電部の最高温度
より高い200゜Cで一ヶ月保持後、図1に示す構成で
往復摺動試験を実施した結果、異常は検出されなかっ
た。さらに、過負荷試験後の往復摺動試験においても、
同様に異常は検出されなかった。
【0015】参考例によれば、実施の形態1と同様の効
果が得られると共に、グラファイト23を銀めっき21
被膜上に機械的に擦り付けてグラファイト23の層を形
成するため、グラファイト23を任意の部分に形成する
ことができ、さらにグラファイト23は銀めっき21被
膜表面の凹部に擦り込まれるため、作業時や運搬時にお
ける部品間の接触等によるグラファイト23の脱落が生
じない。
【0016】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、可動
接触子および可動子受けの少なくともいずれか一方の摺
動接触部に、銀めっき被膜を形成後その被膜上に、パー
フロロポリエーテルあるいはパーフロロアルキルポリエ
ーテルをバインダーとしてグラファイトあるいは二硫化
モリブデン層を固着形成することにより、耐摩耗性およ
び耐熱性に優れ、摺動抵抗の経時変化が少ない可動接触
装置を得ることができる。更に、耐熱性が向上している
ことにより製品としての許容温度を高くすることが可能
となり、通電容量を高くしたり、放熱設計に裕度を持つ
ことが可能となる。更に、グラファイトあるいは二硫化
モリブデン固着のためのバインダーとして用いたパーフ
ロロポリエーテルは、高温で分解することが生じても固
形分の残さを発生しないため、接触抵抗や耐摩耗性に悪
影響を与えず、また撥油性があるため周囲で使用してい
る鉱油や炭化水素系合成油の浸入を防止することができ
る。また、パーフロロポリエーテルの代わりにバインダ
ーとして用いた水溶性高分子増粘剤は、液中分散性に優
れるためち密で密着性の高いグラファイト層を形成でき
ると共に、流動および拡散することがないため他の電子
部品に悪影響を与えることなく、品質信頼性を向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による回路遮断器の
可動接触装置を示す平面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による回路遮断器の
可動接触装置を示す側面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による回路遮断器を
示す側面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による可動接触装置
の表面状態を示す断面模式図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による可動接触装置
の表面状態を示す断面模式図である。
【図6】 参考例による可動接触装置の表面状態を示す
平面模式図である。
【図7】 参考例による可動接触装置の表面状態を示す
断面模式図である。
【図8】 従来のこの種回路遮断器の可動接触装置を示
す側面図である。
【図9】 従来の回路遮断器の可動接触装置を示す要部
平面図である。
【図10】 従来の回路遮断器の可動接触装置を示す要
部側面図である。
【符号の説明】
1 ベース、2 カバー、3 固定導体、4 固定接
点、5 自動引き外し装置、6 固定導体、7 可動接
触子、8 可動接点、9 可動子受け、9a、9b 支
持板、10 開閉軸、11 ホルダー、11a 凹部、
12 圧縮ばね、13 接圧ばね、14 操作ハンド
ル、15 開閉機構、16 ストッパーピン、17 連
結ピン、18 消弧室、19 接続導体、20 取り付
けねじ、21 銀めっき被膜、22 パーフロロポリエ
ーテル、23 グラファイト、24 水溶性高分子増粘
剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−126314(JP,A) 特開 昭58−163112(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 73/02 H01H 71/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路遮断器の本体ケースに固定され、摺
    動接触部を有する可動子受け、 この可動子受けに回動自在に軸支され、摺動接触部を有
    する可動接触子、 上記可動接触子および上記可動子受けの少なくともいず
    れか一方の摺動接触部に形成された銀めっき、 この銀めっき上に、パーフロロポリエーテルあるいはパ
    ーフロロアルキルポリエーテルをバインダーとして固着
    されたグラファイトあるいは二硫化モリブデン層を備
    え、 上記可動接触子の摺動接触部と上記可動子受けの摺動接
    触部との摺動接触によって上記可動接触子と可動子受け
    を電気的に接続するよう構成したことを特徴とする回路
    遮断器の可動接触装置。
  2. 【請求項2】 回路遮断器の本体ケースに固定され、摺
    動接触部を有する可動子受け、 この可動子受けに回動自在に軸支され、摺動接触部を有
    する可動接触子、 上記可動接触子および上記可動子受けの少なくともいず
    れか一方の摺動接触部に形成された銀めっき、 この銀めっき上に、水溶性高分子増粘剤をバインダーと
    して固着されたグラファイトあるいは二硫化モリブデン
    層を備え、 上記可動接触子の摺動接触部と上記可動子受けの摺動接
    触部との摺動接触によって上記可動接触子と可動子受け
    を電気的に接続するよう構成したことを特徴とする 回路
    遮断器の可動接触装置。
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