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JP3401437B2 - スクロール型コンプレッサ用チップシールの製造方法および成形型装置 - Google Patents
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JP3401437B2 - スクロール型コンプレッサ用チップシールの製造方法および成形型装置 - Google Patents

スクロール型コンプレッサ用チップシールの製造方法および成形型装置

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール型コン
プレッサに使用するうず巻形のチップシールの製造方法
および成形型装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】スクロール型コンプレ
ッサは、図6(a)に示すように、固定スクロール1と
可動スクロール2とを組み合わせて圧縮室3を形成し、
可動スクロール2が偏心状態で回転することにより、冷
媒ガスを外周側で圧縮室3内に吸入し、この冷媒ガスを
中心側に向けて徐々に容積を縮小して圧縮するものであ
る。このスクロール型コンプレッサでは、固定スクロー
ル1と可動スクロール2の頂部に図6(b)に示すよう
な取付溝4を設けて該取付溝4にうず巻形のチップシー
ル5を装着し、このチップシール5が取付溝4の内側面
と相手側スクロールに接触することによって圧縮室3の
気密性を保持するようにしている。
【0003】上記チップシールは、通常、プラスチック
製で、射出成形によって製造される。この製造方法とし
て、特開平4−262087号公報に開示されたものが
ある。これは、チップシールの全長の中間となる部位の
側面にプラスチック材料を射出するサイドゲートを設け
ることによって、うず巻状をなすチップシールの両端ま
でプラスチック材料を行き渡らせようとしたものであ
る。
【0004】このようにチップシールの側面にサイドゲ
ートを設けたものでは、成形されたチップシールがゲー
トを介してランナと一体に成形されるため、ゲートをチ
ップシールから切り離す工程が必要となる。しかも、チ
ップシールの側面にゲート痕を生じ、このゲート痕が取
付溝4の内側面との密着性を阻害し、シ−ル性を害する
という問題を生ずる。
【0005】このゲート痕によるシール性の低下を防止
するために、特開平6−137285号公報に開示され
た技術では、チップシールの始端或いは終端の端面部に
サイドゲートを設け、チップシールの側面にゲート痕を
生じないようにしてシール性を高めるようにしている。
しかしながら、このものでも、ゲートを切り離す作業工
程が必要であることに変わりはない。また、チップシー
ルの端部にゲート痕が凸部となって残るため、この凸部
の長さ分だけチップシールの長さを短くせねばならず、
その部分のシール性が低下し、コンプレッサの圧縮性能
を高めることができなくなる。
【0006】以上のような問題を解消するために、本出
願人は先に、特願平6−308263号を出願した。こ
れは、チップシールを成形する成形型に、チップシール
の端面部に対応位置してサブマリンゲートを設け、この
サブマリンゲートからプラスチック材料を射出するよう
に構成したものである。これによれば、チップシールを
成形した後、型開きすると、サブマリンゲートの先端が
自動的に剪断されてチップシールから切り離されるの
で、ゲート処理の後加工の必要がなく、また、ゲート痕
が凸となって残ることがない、というものである。
【0007】ところが、このようにゲートをサブマリン
ゲートとしても、チップシールの端面にゲートの剪断痕
が残ることは否定できず、良好なるシール性を確保する
ためには、端面の剪断痕を機械加工によって除去せねば
ならない場合が生ずるという問題がある。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ゲートを切り離す必要がなく、しか
も、ゲート痕がシール面である側面や端面に生ずること
がないスクロール型コンプレッサ用チップシールの製造
方法および成形型装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述のように、従来のチ
ップシールの射出成形では、そのゲートはいずれもチッ
プシールの側面に設けること、つまりサイドゲートとす
ることが通常技術とされてきた。特願平6−30826
3号もサブマリンゲートを採用してはいるが、やはりゲ
ートの射出孔はチップシールの側面に設けられているの
である。
【0010】その理由は、スクロール形コンプレッサの
チップシールは全長が60〜70cmと長く、しかも、うず
巻形状をしていることから、チップシールの側面からプ
ラスチック材料を射出する以外は考えられていなかった
のである。
【0011】
【0012】このような現在の技術事情にあって、請求
の発明では、スクロール型コンプレッサのスクロー
ルに設けられた取付溝内に装着されて圧縮室をシールす
るうず巻形のチップシールをプラスチック材料の射出成
形によって製造する方法において、前記チップシールの
成形型のキャビティ内にプラスチック材料を射出するゲ
ートをほぼバナナ形に形成し、このゲートの射出孔を、
前記キャビティの内面のうち、前記チップシールを前記
取付溝内に装着したとき当該取付溝の底面に対応する裏
面を成形する面に設け、この射出孔から前記プラスチッ
ク材料を前記キャビティ内に射出して前記チップシール
を成形することを特徴とするものである。
【0013】請求項の発明は、スクロール型コンプレ
ッサのスクロールに設けられた取付溝内に装着されて圧
縮室をシールするうず巻形のチップシールをプラスチッ
ク材料の射出成形によって製造する成形型装置におい
て、第1および第2の金型から構成され、前記チップシ
ールを成形するキャビティを有した二分割形の成形型
と、前記第1および第2の金型のうちの一方の金型に設
けられ、前記キャビティ内に前記プラスチック材料を射
出する射出孔を、該キャビティの内面のうち、前記チッ
プシールを前記取付溝内に装着したとき当該取付溝の底
面に対応する裏面に設けたほぼバナナ形のゲートと、前
記チップシールの成形後に前記成形型を開いた状態で前
記ゲート内で固化したプラスチック材料を突き出す突き
出し手段とを具備してなるものである。
【0014】上記のような製造方法および成形型装置に
よって成形されたチップシールでは、バナナゲートは、
成形後の型開き時に自動的に切断されるので、成形後の
後加工としてゲートの切り離し加工をしなくとも済む。
また、ゲートは、チップシールの各面のうち、コンプレ
ッサのスクロールの取付溝内に装着されたとき当該取付
溝の底面に対応する裏面に設けられているので、ゲート
痕が残っても、それはチップシールの各面のうち、シー
ル性に悪影響を及ぼさない裏面であるから、ゲート痕を
なくすための仕上げ加工を行わずとも良いものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1〜
図5に基づいて説明する。図1に示すチップシール11
は、図6に示したスクロール型コンプレッサにおいて、
その固定スクロール1および可動スクロール2の取付溝
4内に装着されるもので、当該取付溝4の形状に合わせ
てうず巻形、正確にはインボリュート曲線をなすように
形成されている。かかるチップシール11は、プラスチ
ック材料の射出成形によって形成される。この射出成形
用のプラスチック材料としては、例えば強度向上のため
にカーボンファイバーを混入したPPS等の熱可塑性プ
ラスチック材料が用いられる。
【0016】上記チップシール11を射出成形する成形
型装置は、図2に示されている。同図において、成形型
12は、図示しない成形機の固定取付板に取り付けられ
た第1の金型としての固定金型13と、成形機の可動取
付板に取り付けられた第2の金型としての可動金型14
とから成る。可動金型14の型合せ面には、チップシー
ル11を成形するためのうず巻状のキャビティ15が形
成されている。そして、固定金型13には、成形機のノ
ズルから溶融プラスチック材料の供給を受けるスプール
16が形成されていると共に、可動金型14の型合せ面
には、スプール16に連なるランナ17が形成され、こ
のランナ17と前記キャビティ15との間がバナナ形の
ゲート(以下、バナナゲート)18によって連通されて
いる。
【0017】上記バナナゲート18の詳細を説明する
に、当該バナナゲート18は、キャビティ15の外周側
端部の延長上に位置するようにして可動金型14に装着
された図3に示すような二つ割り形の入れ子19に形成
されている。すなわち、入れ子19の表面(型合せ面)
部分には、ランナ17の先端部分と、キャビティ15の
外周側先端部分が形成されている。そして、入れ子19
に形成されたランナ17の先端部から入れ子19の内側
に潜り込むような形態でキャビティ15側に向かって先
細となるバナナ状の湾曲孔が形成されており、このバナ
ナ状の湾曲孔がバナナゲート18とされている。ここ
で、バナナゲート18は、外周側の曲率半径R1の方が
内周側の曲率半径R2よりも大きく設定され、且つ、外
周側の曲率中心O1は内周側の曲率中心02よりもラン
ナ17側に位置されている。
【0018】入れ子19には、図5に示すように、キャ
ビティ15の外周側先端部分の底面から該キャビティ1
5内に突出する突起部19aが形成されており、バナナ
ゲート18の先端は、この入れ子19の突起部19aに
対応位置している。そして、バナナゲート18の先端の
ピンポイントゲートとしての射出孔18aは、上記の突
起部19aを貫通するように形成されて該キャビティ1
5の底面部において開口されている。なお、バナナゲー
ト18の先端の射出孔18aの径は、0.6mm程度の
小さなものである。
【0019】可動金型14には、ランナ17で固化した
プラスチック材料を突き出すための突き出し手段として
のエジェクタピン20と、キャビティ15で成形された
チップシール11を突き出すためのエジェクタピン21
が設けられている。これらエジェクタピン20,21
は、可動金型14が固定金型13から離れる型開き動作
中に、先にエジェクタピン20が停止して突き出し動作
を行い、次にエジェクタピン21が停止して突き出し動
作を行うようになっている。なお、エジェクタピン20
の先端部には、ほぼZ字形の食付き部20aが形成され
ており、この食付き部20aによってランナ17で固化
したプラスチック材料を固定金型13から抜き出すこと
ができるようにしている。
【0020】以上のように構成した成形型装置12によ
ってチップシール11を成形するには、図2に示す型閉
め状態で、成形機のノズルから溶融プラスチック材料を
射出すると、その溶融プラスチック材料は、スプール1
6、ランナ17およびバナナゲート18を順に通って該
バナナゲート18の射出孔18aからキャビティ15内
に射出され、該キャビティ15内に充填される。
【0021】キャビティ15内に充填された溶融プラス
チック材料が冷却固化してチップシール11として成形
されると、次に可動金型14を固定金型13から離反さ
せる型開きが行われる。このとき、成形されたチップシ
ール11は、可動金型14に付着したまま固定金型13
から離れる。また、スプール16、ランナ17およびバ
ナナゲート18内で固化したプラスチック材料(以下、
固化プラスチックP)も、エジェクタピン20の食付き
部20aに食い付いた状態となっているため、可動金型
14に付着したまま固定金型13から離れる。
【0022】可動金型14が固定金型13からある程度
離れると、エジェクタピン20が停止し、型開き動作を
継続する可動金型14に付着している固化プラスチック
Pに対しスプ−ル16部分を突き出すように作用する。
すると、バナナゲート18が突き出し方向に対して凹と
なるように湾曲しているので、固化プラスチックPが図
4に矢印Aで示す方向に回転するようになり、これによ
り、射出孔18a部分が自動的に切断されて、固化プラ
スチックPのバナナゲート18の部分がバナナゲート1
8から抜け出て、固化プラスチックP全体が可動金型1
4から突き出される。その後、エジェクタピン21が停
止するため、図4に二点鎖線で示すようにチップシール
11がエジェクタピン21により突き出されて可動金型
14から離脱する。
【0023】このように、本実施例では、プラスチック
材料をキャビティ15に射出するためのゲートをバナナ
ゲート18としたので、型開きの際にゲートを自動的に
切断することができる。このため、チップシール11か
らゲートを切り離す後加工を行う必要がなく、製造コス
トを低減することができる。
【0024】しかも、固化プラスチックPは、ランナ1
7側の部分がエジェクタピン20によって突き出される
ことにより、回転しながら可動金型14のバナナゲート
18からスムーズに抜け出るので、固化プラスチックP
が途中で折れてバナナゲート18を詰まらせることを極
力防止することができ、詰まったプラスチックPをバナ
ナゲート18から除去する等のために成形機を停止させ
ずとも済み、生産性の向上に寄与し得る。
【0025】また、バナナゲート18の射出孔18aが
キャビティ15の底面部において開口しているので、チ
ップシール11にゲート痕が残っても、そのゲート痕が
残る面はチップシール11の裏面となり、従って、ゲー
ト痕によってチップシール11のシール性が損なわれる
おそれがなく、ゲート痕があっても良好なるシール性を
呈する。
【0026】更に、入れ子19にはキャビティ15内に
突出する突起部19aが設けられていて、射出孔18a
はその突起部19aに形成されているので、ゲート痕は
チップシール11の裏面部に突起部19aによって成形
された凹部11aに残ることとなる。このため、ゲート
痕が凸部となって残った場合でも、凹部11aから突き
出ることを極力防止できるので、ゲート痕を仕上げ加工
する必要がなく、より一層生産性を高めることができ
る。
【0027】なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施
例に限定されるものではなく、以下のような変更或いは
拡張が可能である。バナナゲート18を設ける位置は、
チップシール11の外周側の端部裏面に限られず、裏面
ならば始端と終端の間のいかなる部位であっても良い。
この場合、特には、バナナゲート18の形成領域を容易
に確保することができるようにするため、外周側の端部
から中心側に向かってほぼ360°の範囲が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す成形直後の状態でのゲ
ート付きチップシールの斜視図
【図2】成形型を型閉め状態で示す断面図
【図3】図2のア−ア線に沿う断面図
【図4】型開き状態で示す図2相当図
【図5】要部の拡大断面図
【図6】スクロール形コンプレッサの概略を示す断面図
【符号の説明】
図中、11はチップシール、12は成形型、13は固定
金型(第1の金型)、14は可動金型(第2の金型)、
15はキャビティ、16はスプール、17はランナ、1
8はバナナゲート、20はエジェクタピン(突き出し手
段)である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−1723(JP,A) 特開 平8−144970(JP,A) 特開 平4−262087(JP,A) 特開 平6−137285(JP,A) 特開 平1−277693(JP,A) 特開 平6−25645(JP,A) 特開 平11−351163(JP,A) 特開 平11−254482(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311 B29C 45/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクロール型コンプレッサのスクロール
    に設けられた取付溝内に装着されて圧縮室をシールする
    うず巻形のチップシールをプラスチック材料の射出成形
    によって製造する方法において、 前記チップシールの成形型のキャビティ内にプラスチッ
    ク材料を射出するゲートをほぼバナナ形に形成し、この
    ゲートの射出孔を、前記キャビティの内面のうち、前記
    チップシールを前記取付溝内に装着したとき当該取付溝
    の底面に対応する裏面を成形する面に設け、この射出孔
    から前記プラスチック材料を前記キャビティ内に射出し
    て前記チップシールを成形することを特徴とするスクロ
    ール型コンプレッサ用チップシールの製造方法
  2. 【請求項2】 スクロール型コンプレッサのスクロール
    に設けられた取付溝内に装着されて圧縮室をシールする
    うず巻形のチップシールをプラスチック材料の射出成形
    によって製造する成形型装置において、第1および第2の金型から構成され、前記チップシール
    を成形するキャビティを有した二分割形の成形型と、 前記第1および第2の金型のうちの一方の金型に設けら
    れ、前記キャビティ内に前記プラスチック材料を射出す
    る射出孔を、該キャビティの内面のうち、前記チップシ
    ールを前記取付溝内に装着したとき当該取付溝の底面に
    対応する裏面に設けたほぼバナナ形のゲートと、 前記チップシールの成形後に前記成形型を開いた状態で
    前記ゲート内で固化したプラスチック材料を突き出す突
    き出し手段とを具備してなるスクロール型コンプレッサ
    用チップシールの成形型装置
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