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JP3403100B2 - 振動波モータに用いる摩擦材の製造方法 - Google Patents
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JP3403100B2 - 振動波モータに用いる摩擦材の製造方法 - Google Patents

振動波モータに用いる摩擦材の製造方法

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JP3403100B2 JP34956198A JP34956198A JP3403100B2 JP 3403100 B2 JP3403100 B2 JP 3403100B2 JP 34956198 A JP34956198 A JP 34956198A JP 34956198 A JP34956198 A JP 34956198A JP 3403100 B2 JP3403100 B2 JP 3403100B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動波モータの摩
擦材及びその製造方法、さらにそれを用いた振動波モー
タ並びに機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に振動波モータは、振動体の表面上
の各点に円又は楕円運動を起こさせ、これに押圧された
接触体を摩擦駆動するものである。
【0003】進行性振動波を利用した振動波モータの原
理的概要は下記のようである。全長がある長さλの整数
倍であるような金属等の弾性体材料でリング状に形成さ
れた弾性体の片面に、周方向に配列された二群の複数個
の圧電素子を接着したものを振動体(ステータ)とす
る。
【0004】これらの圧電素子は、各群内ではλ/2の
ピッチにて、かつ交互に逆の伸縮極性となるように配列
されており、また両群間にはλ/4の奇数倍のずれがあ
るように配列されている。圧電素子の両群にはそれぞれ
電極膜が施されている。
【0005】いずれかの一群(以下A相と称す)のみに
交流電圧を印加すれば、上記振動体は、前記A相の各圧
電素子の中央点及びそこからλ/2おきの点が腹の位
置、また前記腹の位置間の中央点が節の位置であるよう
な曲げ振動の定在波(波長λ)が弾性体の全周にわたっ
て発生する。
【0006】また、他の一群(以下B相と称す)のみに
交流電圧を印加すると、同様に定在波が発生するが、そ
の腹及び節の位置はA相による定在波に対して、位置的
にλ/4ずれた位相になる。
【0007】両A、B相に、周波数が同じで、かつ互い
に90°の時間的位相差を有する交番信号を同時に印加
すると、両者の定在波の合成の結果、弾性体には周方向
に振動する曲げ振動の進行波(波長λ)が発生し、この
とき、厚みを有する上記弾性体の表面の各点は楕円運動
をする。
【0008】よって、振動体の片面に接触体(例えば移
動体としてのロータ)として、例えばリング状の接触体
を直接加圧接触させておけば、前記接触体は振動体から
の周方向の摩擦力を受け回転駆動される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】振動波モータ用の摩擦
材については従来から多種多様の材料が提案されている
が、上述の特徴を有するものとして、例えば、特開平1
−129781号公報、特開平1−206880号公報
などのようにフッ素樹脂と強化繊維や高分子材料などの
複合材料が耐摩耗性が良く長期の耐久寿命と摩擦係数の
安定性から振動波モータ用の摩擦材に適した材料として
開示されている。
【0010】このようなフッ素樹脂複合材料を製造する
方法としては、一般に圧縮成形法(プレス成形法)を利
用する方法が知られている。これはフッ素樹脂粉末と他
の材料粉末などを均一に混合し、金型に充填し、プレス
により成形して作る圧縮成形法であり、その後この成形
体をフッ素樹脂の融点以上で焼成し固めて焼成体である
フッ素樹脂複合材料とする。
【0011】しかしながら、上述のようにして作成し
た、炭素繊維を添加した棒状のフッ素樹脂複合材料を切
断(スライス)して厚さ0.5mm程度の丸形状のシー
トを作り、振動波モータ用の摩擦材として使用し摩耗の
仕方を観察したところ、振動波モータの駆動中に摩擦材
が摩擦面全面が徐々に摩耗するにつれ繊維状の炭素が繊
維の状態のまま抜け落ち、摩擦材の摩耗が急速に増大し
ていくことがわかった。
【0012】また、このような棒材を切断して作成した
摩擦材は、大体の炭素繊維が切断面(スライス面)に対
して平行すなわち横になって寝ている様な状態の配向性
を有することも観察の結果わかった。このスライスした
材料を摩擦材として利用する場合、リング状の金属部品
に接着するために、振動体と接触体との摩擦接触部すな
わち摩擦面は丸棒の切断面(スライス面)と一致する。
その結果フッ素樹脂中の炭素繊維は寝た様な状態に配向
し前述のように繊維のまま簡単に抜け落ちやすく、摩耗
が増えることが認められた。
【0013】また、元来フッ素樹脂は他の材料と反応し
て接着する性質が少なく炭素繊維はいわばフッ素樹脂の
中に機械的に埋め込まれたような状態であり、たとえば
顕著な例として球状の炭素であるとか、長さの極く短い
炭素繊維は丸棒から切断しただけでも容易に抜け落ちる
ことがあり、さらにフッ素樹脂がポーラスであるとか比
重が小さいとかの場合は特に顕著であることもわかって
きた。
【0014】本発明の目的は上述の急速な多量の摩耗の
問題の解決を計るもので、圧縮成形法によって作ったフ
ッ素樹脂複合材料を振動波モータ用の摩擦材として利用
することにより、耐摩耗性に優れ、信頼性の高い摩擦材
を大量にかつ安価に提供するものである。
【0015】
【0016】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、振動波
モータの振動を形成する振動体と、該振動体に加圧され
て接触し振動によって振動体と相対移動する接触体との
摩擦接触面に用いる摩擦材の製造方法において、フッ素
樹脂粉末と繊維状の材料を圧縮成形して得られたフッ素
樹脂を主成分とする成形体を焼成してフッ素樹脂複合材
を生成した後、切削加工によりフッ素樹脂複合材を外周
部からシート状に削り出して成形することを特徴とする
ものである。
【0017】また、フッ素樹脂複合材の比重が理論比重
の80%以上となるように圧縮成形を行うことが好まし
い。また、フッ素樹脂複合材が円筒または柱状であり、
その外周部を切削加工によりシート状に削り出すのが好
ましい。また、繊維状の材料は長さが50μm〜350
μmの炭素繊維であることが好ましい。また、前記シー
ト状に削り出して成形した摩擦材に含有されている繊維
状の材料が、摩擦接触面に対しておよそ垂直に配向して
いることが好ましい。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は、振動波モータの振動
形成する振動体と、振動体に加圧されて接触し振動によ
って振動体と相対移動する接触体との摩擦接触に用い
る摩擦材の製造方法において、フッ素樹脂粉末と繊維状
の材料を圧縮成形して得られたフッ素樹脂を主成分とす
る成形体を焼成してフッ素樹脂複合材を生成した後、切
削加工によりフッ素樹脂複合材を外周部からシート状に
削り出して成形することを特徴とするものであり、この
摩擦材の使用により多量の摩耗の発生をなくすことがで
きる。
【0022】
【0023】また、本発明の摩擦材は、フッ素樹脂を主
成分とし繊維状の材料が添加されて構成され、該繊維が
摩擦接触面(摩擦面)に対しおおよそ垂直に配向されて
おり、理論比重に対し80%以上の比重を有する摩擦材
であり、該摩擦材の使用により多量の摩耗の発生をなく
すことができ、さらに該繊維として長さ50μm〜35
0μm、直径数μm〜20μmの炭素繊維を用いれば、
その摩耗防止効果は大きく振動波モータ用の摩擦材とし
て安定して少ない摩耗になる。
【0024】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の振動波モータの一実施の形態を示す断面
図である。図中、1は振動体でステンレス鋼からなるリ
ング状の金属弾性体3の一端面に、前述の様にリング状
で複数個に分極された2群の圧電素子4を耐熱性のエボ
キシ樹脂系接着剤で接着し、金属弾性体3のもう一方の
端面には摩擦材5を同様に接着して形成した。
【0025】一方、移動体2側のアルミニウム合金から
なるリング状の接触体6の摩擦摺動面には摩擦材6aを
設けてある。接触体6はゴムリング7を介して支持体8
に取付けてあり、支持体8はネジ11により出力軸12
に固定されている。そして、振動体1の摩擦材5と接触
体6の摩擦材6aは接触して摩擦摺動面を形成し、加圧
用の板バネ16により、軸方向に総圧で5kgfの荷重
で加圧されている。9はベアリング、13は振動体を固
定するプレート、14、15は与圧カラー、17はカラ
ーでネジ11aにより出力軸12に固定されている。1
8はカバーである。
【0026】シート状の摩擦材5には、円周状の段差5
aを機械加工により設けている。また、図1の摩擦材5
と6aの接触部(摩擦面)の幅aは0.8mm、接触部
(摺動面)の直径bは30mmである。
【0027】そして、交互に厚み方向に分極処理された
2群の圧電素子4に振動体1に固有の周波数の交流電圧
を印加すると、振動体1は共振を起こし、その周方向に
進行性振動波を生じ、摩擦材5を介して摩擦材6aに摩
擦力が作用し、移動体2は回転駆動する。
【0028】本発明の摩擦材は、摩擦材5および6aの
両方に使用してもよく、またいずれか一方に使用しても
よい。一方に本発明の摩擦材を使用した場合には、もう
一方には通常の摩擦材を使用することができる。通常の
摩擦材としては、硬質でじん性があり、摩耗のほとんど
ないアルミ−シリコン合金、焼入鋼、セラミックス、超
硬合金等が挙げられるが、本実施例ではフッ素樹脂複合
材料を摩擦材5に、摩擦材6aはセラミックス(アルミ
ナ)を用いた。
【0029】
【実施例】以下実施例について、従来例と比較しながら
説明し、本発明の詳細を明らかにする。
【0030】実施例1 摩擦材は以下のようにして作成した。フッ素樹脂粉末
(ポリテトラフルオロエチレン:PTFE、ダイキン工
業社製、商品名 ポリフロン M12)80重量%に炭
素繊維(短繊維:チップファイバー、直径約13μm、
長さ約110μm、大阪ガス社製、商品名 SG−24
9)20重量%をヘキシェルミキサーにより均一に混合
した後に、円筒形の金型に充填し、圧力500kg/c
2 にて均一にプレスにて加圧し、圧縮成形し、外径2
0cm、内径5cm、長さ12cmの円筒状の成形体を
作成した。その後、温度380℃で3時間焼成し焼成体
を得た。
【0031】その後、図2に示すように、旋盤で焼成体
30を回転させながら焼成体の外周面に幅15cmの超
硬製の切削刃31を当て厚さ0.5mmになるように、
焼成体の回転と刃の焼成体の中心方向への移動を同期さ
せた装置を用いて切削を行い、焼成体の外周面から切削
刃であたかも皮をむくようにシート32を削り出した。
シート32は切削加工による応力と熱でカール(曲が
り)を生じながら帯状になった。
【0032】次に、シート32をトムソン刃を埋め込ん
だ抜き型とプレスを用いて、図1の摩擦材5を得るため
にシート32をリング状に打抜いて金属弾性体3に接着
して、摩擦材5の凸部5aを機械加工により形成した。
その摩擦材5を設けた振動波モータを実際に駆動させ、
負荷300g・cm、回転数300rpmでで評価し
た。10台の振動波モータでの100時間当りの摩擦材
5の摩耗量は5〜8μm/100Hであった。
【0033】なお、摩耗量はあらかじめ凸部5aの高さ
を測定しておき、評価後再測定しその差を摩耗量とし
た。また、摩擦材6aは摩耗はほとんどなかった。
【0034】比較例1 実施例1と同じ原料で同じように均一混合した後に、円
筒状の実施例1とは異なる金型に充填し、圧力500k
g/cm2 で均一に加圧し圧縮成形を行い、直径60m
m、内径10mm、長さ12cmの丸棒の成形体を作
り、その後、実施例1と同条件で焼成し焼成体を得た。
【0035】そして、得られた丸棒を旋盤に取り付け回
転させながら超硬製のナイフ状の刃で半径方向に突切り
ながら丸棒を切断(スライス)して厚さ0.5mmの薄
い円盤状の材料を得た後、実施例1と同様の抜き型とプ
レスで、摩擦材5を得るためにリング状に打抜いて接着
し、実施例1と同様に摩擦材5の凸部5aを削り出し
た。その摩擦材5を設けた振動波モータで同条件で評価
した。10台の振動波モータの100時間当りの摩擦材
5の摩耗量は22〜35μm/100Hであった。
【0036】上記の実施例1と比較例1について説明す
る。実施例1と比較例1の摩耗量の相違は、前述のよう
にフッ素樹脂複合材に含まれる炭素繊維の配向が摩耗面
に対して異なることに起因していると思われる。実際、
評価中に時間を追って摩擦面の炭素繊維の挙動を顕微鏡
で調べたところ、実施例1では炭素繊維は摩擦面に対し
てほぼ大体半数程度垂直に配向しており、摩擦による炭
素繊維抜けや移動は極少数の欠けたり、長さの短いもの
に限られるのに対し、比較例1では炭素繊維は摩擦面に
対してほぼ大体半数程度が摩擦面と平行であり、比較的
長い数10μm〜100μm程度の炭素繊維も接触体
(ロータ)の移動方向に押し流されるように移動してお
り、ひどいものは炭素繊維が完全に抜け落ちていること
も確認できた。両者とも成形、焼成は同条件であり、比
重も同じ2.0程度であることから、材料のち密度は同
じであり炭素繊維の移動は炭素繊維の配向性によること
は明らかと思われる。
【0037】ここでより詳しく炭素繊維の配向性の生じ
る理由について図3および図4を用いて説明する。図3
において、フッ素樹脂粉末に炭素繊維を混合した混合粉
末33を円筒形状の金型34内に入れ、2つのパンチ3
5a、35bで上下(両軸)(単軸プレスでも良いが成
形体を均一密度により近づけるため)から加圧し圧縮成
形を行う。(図3(a)参照)ここで金型34には芯金
36が設けられている。加圧して得られた成形体37は
中空円筒形状となる。(図3(b)参照)
【0038】通常、フッ素樹脂粉末はかさ密度が低いの
で、圧縮成形により得られた成形体37の高さbは金型
に充填した混合粉の高さaに比べて1/3〜1/5にな
ってしまう。つまり圧縮過程において、フッ素樹脂粉末
が徐々に軸方向に大きく圧縮される過程において、炭素
繊維も移動と回転を行いつつ、最終的に圧縮されるまで
に位置的により安定な状態、すなわちプレスの圧縮方向
に対し垂直な向きに並ぶ。
【0039】図4は成形体37を焼成した焼成体30を
示す概略図である。図3(b)の成形体37を焼成した
焼成体30の内部のある面38においては炭素繊維39
のほとんどが面38と平行、つまり寝た様な状態にある
ことになる(ただし繊維の軸方向の向きはランダムであ
る)。そして、焼成体30の外周面を切削しシート32
を削り出すと、炭素繊維39の一本一本の軸方向は丁度
シート32の厚さ方向Xと平行な関係にあるものが、理
論上は約半数(厳密にはシート32の厚さ方向に対し±
45 の範囲に入るものが半数近くあると言える)ある
ことになる。(図4(a)参照)こうして作成したシー
ト32から図5のように摩擦材5を打抜き加工により取
り出す。(図4(b)参照)
【0040】この結果、摩擦材5には、最終的に摩擦材
5の摩擦面(シート32の表面に平行)に対して、ほぼ
垂直方向に配列した炭素繊維39がほぼ半数存在(配向
性を有する)ことになる。実際上は、炭素繊維はプレス
の圧縮方向に対し垂直な面に角度を有しているものも多
少存在すると思われるが、摩擦材5の摩擦面に対し見た
目では炭素繊維は立ったように見えるものが7〜8割程
度みられる。
【0041】実施例2 実施例1とは炭素繊維の平均長さだけを20μm、50
μm、180μm、350μm、450μmと支えて実
施例1と同条件で摩擦材5を作り、振動波モータで同様
に評価したところ、図5の炭素繊維の長さと摩擦量の関
係を示すようになった。
【0042】炭素繊維の長さ450μmではフッ素樹脂
部に空隙の多い摩擦材となってしまった。これは炭素繊
維が長いためフッ素樹脂粉末と炭素繊維との混合がうま
くいかず、炭素繊維が均一分散できないためであり、そ
の比重は1.6であった。ただし、フッ素樹脂粉末と炭
素繊維との混合物の理論比重は2.07(後述)であ
る。
【0043】一方、炭素繊維の長さ350μm、長さ1
80μmでは摩擦材5の摩耗も実施例1と比べやや劣っ
た結果を示しているが、ほぼ良好で比重は1.9であっ
た。
【0044】この結果から耐摩耗性を良くするためには
炭素繊維の長さを余り長くすることは適当でない。逆に
比重は2.0ではあるが、長さ20μmの炭素繊維では
抜け易いことから摩耗量は多く、同じく比重2.0では
あるがまた長さ50μmの炭素繊維の抜けが起こり易く
なることから摩耗量は多少多くなった。以上の結果から
見て適当な長さは50μm〜350μm程度が好まし
い。
【0045】なお、この例では繊維の太さは13μmで
あるが、太さは数μm〜20μm程度であってもこの結
果とのちがいはないことを確認した。
【0046】実施例3 実施例1において、金型充填後の圧力だけを変え、その
他の条件は同一にして、シート材から摩擦材を作り評価
を行った。圧縮成形時の圧力を変えることでフッ素樹脂
複合材の比重を変えることができ、図6にその比重と評
価による摩擦材の摩耗量の関係を示した。
【0047】この関係からわかるように理論比重に対し
80%以下であると摩耗量は多く摩擦材として適当でな
いと思われる。また、この結果から前述の炭素繊維の配
向性だけでなく、摩擦材の耐摩耗性は比重とも関係があ
り炭素繊維がフッ素樹脂にいかに緻密に取り囲まれてい
て炭素繊維が抜けにくいかによることを示しているもの
と思われる。
【0048】なお、理論比重の計算は以下のように行っ
た。フッ素樹脂粉末の真比重(2.18)、炭素繊維の
真比重(1.64)で、混合比は80:20であるか
ら、理論比重=(2.18×80+1.64×20)/
100=2.07[g/cm3]となる。
【0049】以上の例では、繊維材料として炭素繊維の
例を示したが、その他の繊維状の材料、例えば高分子材
料ではケブラー繊維、無機材料ではアルミナ繊維などで
も配向性に関して同様の効果がみられるが、最も摩耗量
の少なく摩擦係数も安定していて振動波モータにとって
良好なのは炭素繊維である。
【0050】さらに、実施例ではフッ素樹脂粉末と炭素
繊維を混合したフッ素樹脂複合材について述べたが、さ
らに他の粉末を添加しても良い。例えば入手がし易くて
耐摩耗性の向上が期待できる高耐熱性を有するポリイミ
ド粉末や真空中や高温度下でも潤滑性を有する硫化モリ
ブデン粉末なども摩耗材料としての性質を良好にするこ
とが可能である。
【0051】また、本発明において、フッ素樹脂粉末と
繊維状の材料の配合割合は、フッ素樹脂粉末は60〜9
8重量%、好ましくは70〜95重量%であり、繊維状
の材料は2〜40重量%、好ましくは5〜30重量%の
範囲が好ましい。この範囲において、実施例1の評価条
件において摩耗量は20μm以下になったので好まし
い。
【0052】また本発明は、上記の摩擦材を設けた振動
波モータを駆動源として図7のように各種の機器に用い
ることができる。
【0053】また、図7は、図1に示した振動波モータ
を駆動源とする機器の概略図である。23は大歯車23
aと小歯車23bを有するギアで、大歯車23aが振動
波モータ側のギア20と噛合している。24は被駆動部
材、例えばレンズ鏡筒で、外周部に設けられたギア24
aにギア23の小歯車23bが噛合し、モータの駆動力
により回転する。一方、ギア23にはエンコーダスリッ
ト板25が取り付けられ、ギア23の回転をフォトカッ
プラー26により検出し、例えばオートフォーカスのた
めにモータの回転、停止を制御する。
【0054】機器の具体例としてはカメラなどの光学機
器、プリンター、複写機等の事務機器、パワーウインド
ー、アクティブサスペンション等の自動車関連機器が挙
げられる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればフ
ッ素樹脂を主成分とし、繊維状の材料を圧縮成形し成形
体とし、焼成して焼成体とした理論比重の80%以上の
比重を有するフッ素樹脂複合材を円筒状または柱状の外
周部から切削加工によりシート状に削り出して振動波モ
ータの摩擦材として用いることにより、耐摩耗性の優れ
た摩擦材を非常に安価にそして大量に得ることができ
る。
【0056】さらに、本発明によれば各種の繊維状の材
料や他の添加物などをかなり自由に選ぶことが可能であ
り、多種多様の用途に用いられる振動波モータに適した
摩擦材が容易に製造できる特色を有して、振動波モータ
の実用化や用途開発にとって有益な製造方法である。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動波モータの実施形態を示す断面図
である。
【図2】本発明の摩擦材の製造方法を示す説明図であ
る。
【図3】本発明におけるフッ素樹脂と繊維状材料を圧縮
成形する方法を示す説明図である。
【図4】本発明における繊維状材料の配向性の生ずる原
理を示す説明図である。
【図5】本発明による炭素繊維の長さと摩耗量の関係を
示す図である。
【図6】本発明による比重と摩耗量の関係を示す図であ
る。
【図7】本発明の振動波モータの応用例としての機器を
示す概略図である。
【符号の説明】
1 振動体 3 金属弾性体 5 摩擦材 30 焼成体 31 切削刃 32 シート 33 混合粉末 34 円筒形状の金型 35a、35b パンチ 36 芯金 37 成形体 38 面 39 炭素繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−327183(JP,A) 特開 平5−146176(JP,A) 特開 平8−23687(JP,A) 特開 昭62−209236(JP,A) 実開 昭62−195391(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00 B29D 31/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動波モータの振動を形成する振動体
    と、該振動体に加圧されて接触し前記振動によって前記
    振動体と相対移動する接触体との摩擦接触面に用いる摩
    擦材の製造方法において、フッ素樹脂粉末と繊維状の材
    料を圧縮成形して得られたフッ素樹脂を主成分とする成
    形体を焼成してフッ素樹脂複合材を生成した後、切削加
    工により前記フッ素樹脂複合材を外周部からシート状に
    削り出して成形することを特徴とする摩擦材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記フッ素樹脂複合材の比重が理論比
    重の80%以上となるように前記圧縮成形を行うことを
    特徴とする請求項1に記載の摩擦材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記フッ素樹脂複合材が円筒状または
    柱状であり、その外周部を切削加工によりシート状に削
    り出すことを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦
    材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記繊維状の材料は長さが50μm〜
    350μmの炭素繊維であることを特徴とする請求項1
    から3のいずれかの項に記載の摩擦材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記シート状に削り出して成形した摩
    擦材に含有されている繊維状の材料が、摩擦接触面に対
    しておよそ垂直に配向している請求項1から4のいずれ
    かの項に記載の摩擦材の製造方法。
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