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JP3403666B2 - 軟質ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents
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JP3403666B2 - 軟質ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

軟質ポリオレフィン樹脂組成物

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JP3403666B2
JP3403666B2 JP13632799A JP13632799A JP3403666B2 JP 3403666 B2 JP3403666 B2 JP 3403666B2 JP 13632799 A JP13632799 A JP 13632799A JP 13632799 A JP13632799 A JP 13632799A JP 3403666 B2 JP3403666 B2 JP 3403666B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性と柔軟性と
を兼ね備えた軟質ポリオレフィン樹脂組成物及びそれを
用いたフィルムに関する。特にストレッチ包装に適した
フィルム用樹脂組成物及びそれを用いたフィルムに関す
る。 【0002】 【従来の技術】青果物、鮮魚、精肉、惣菜等の食品を、
直接又はプラスチック製トレー等に載せたものをストレ
ッチ包装する際に用いるフィルム(ストレッチ包装用フ
ィルムと呼ぶ)に対しては、幾つかの要求特性がある。
具体的には、ア)ストレッチ性に優れること(伸び荷重
が小さく破断伸びが大きいこと)、イ)包装時にフィル
ムが裂けないこと(衝撃強度が大きいこと)、ウ)ヒー
トシール性に優れること、エ)ディスプレー効果がある
こと(フィルムが透明で光沢があり、且つ防曇性が良い
こと)等が挙げられる。 【0003】これ等の要求特性を満足するフィルムとし
て、特開平9−174774号公報にエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)等の両表面層と延伸補助層及び
結晶性ポリブテン−1とホモタイプの結晶性ポリプロピ
レンとの組成物層(耐熱層)からなるポリオレフィン系
樹脂多層ストレッチフィルムが提案されている。このフ
ィルムは、表面層にヒートシールが可能な下限温度が広
くとれる様に融点が90℃程度のEVAを、耐熱層にヒ
ートシールが可能な上限温度が広くとれる様に高結晶性
で融点が165℃程度のアイソタクチックポリプロピレ
ンを利用している。従って、他の市販フィルムのヒート
シール可能な温度範囲が20〜30℃程度であるのに対
して、このフィルムのヒートシール可能な温度は55℃
程度とヒートシール性に優れている。また、伸び易さの
目安である100%伸び荷重は縦方向(MD)で250
〜550g/cm幅、横方向(TD)で50〜200g
/cm幅程度で、提案当時の突上型包装機、例えばフジ
キカイ社製A−18X、A−18K等には適している。 【0004】しかし、ハンド包装や最近急速に普及しつ
つある高度にストレッチして包装するタイプの包装機、
例えばイシダ・Wmini−Zeroシリーズ、寺岡精
工社・AW3600、FX3600、TEC社・ELI
XA等には不向きな場合が多かった。また一方では、耐
熱性とストレッチ性とを両立させる為に、耐熱層をプロ
ピレン−α・オレフィン系ランダム共重合体を主成分と
する組成物層とし、その両面にEVA層を積層して3層
構成にしたフィルム(特公平4−50904号公報)
や、プロピレン系ランダム重合体にビニル芳香族化合物
と共役ジエンとの共重合体またはその水素添加誘導体を
ブレンドした組成物層からなるストレッチフィルム(特
開平4−270745号公報、特開平8−119319
号公報等)等が提案されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
耐熱層用組成物は、フィルムに透明性や光沢性を付与す
る為にはプロピレン系樹脂として融解ピーク温度(Tp
m)が150℃未満で且つ結晶性の低いものしか実用に
は供せず、従って上記従来の組成物では従来のフィルム
に比べて耐熱性に劣ったフィルムしか得ることが出来な
かった。 【0006】本発明は、従来レベルの高衝撃性、高ヒー
トシール性、高ディスプレー性(具体的には透明性、光
沢性、防曇性)を維持しつつ、ストレッチ性に優れたフ
ィルムの耐熱層として好適である、耐熱性に優れた軟質
ポリオレフィン樹脂組成物及びそれを用いたフィルムを
提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成するために鋭意検討した結果、本発明をなすに至っ
た。すなわち、本発明は、 (1)耐熱層(H層)として、示差走査熱量計(DS
C)にて測定した融解熱15〜80J/gで、融解ピー
ク温度(Tpm)が150℃以上であるポリプロピレン
系重合体(A)100重量部とポリ・1−ブテン系重合
体(B)30〜400重量部とからなる軟質ポリオレフ
ィン樹脂組成物を含有し、両表面層(S層)として、示
差走査熱量計(DSC)にて測定した融解ピーク温度
(Tpm)が100℃以下のポリオレフィン系樹脂を含
有することを特徴とする、包装用多層フィルム。 【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のフィルムは、耐熱層(H層)として特定の熱特性
を有するポリプロピレン系重合体(A)とポリ・1−ブ
テン系重合体(B)とを含む。上記特定の熱特性を有す
るポリプロピレン系重合体(A)とは、アイソタクティ
シティ指数が90以上のプロピレン単独重合体やプロピ
レンとエチレン又は炭素数が4以上のα・オレフィンと
のランダム共重合体(以下、ランダムPPと略す)とは
異なり、DSCにて測定した融解ピーク温度(Tpm)
が150℃以上の「耐熱性成分」とDSCにて測定した
融解熱が15〜80J/gとなる割合にある「非晶質で
柔軟な成分」とからなる、いわゆるブロック共重合体あ
るいはアイソタクティシティ指数が90未満のプロピレ
ン単独重合体(以下、両者をまとめてブロックPPと略
す)である。 【0009】一般に、ブロックPPはフィルム用途には
供することが少ない。理由は、高結晶性で融点が160
℃程度のアイソタクチックポリプロピレンと同様にブロ
ックPP中の耐熱成分がフィルム化する際に結晶化して
透明性の劣るフィルムしか得られない為である。又仮に
溶融押出後急冷して耐熱成分の結晶化を抑制しても、ブ
ロックPPは、そのモルホロジーが耐熱性成分の海に非
晶質で柔軟な成分の島が数μmからサブμmオーダーで
分散しているものであり、延伸してフィルム化するとそ
の表面が粗面化して、結果としてフィルムは不透明にな
る傾向にある。 【0010】そこで、本発明者らは「特定の熱特性を有
するポリプロピレン系重合体(A)」=「特定のブロッ
クPP」の耐熱性があり且つ柔軟である特性を活かし、
フィルム化した際に透明なフィルムが得られる組成物に
ついて鋭意検討した結果、上記組成物を見い出した。な
お、ここでいうブロックPPとしてはプロピレンと炭素
数が3以外のα・オレフィンとのブロック共重合体のみ
ならず、プロピレンの単独重合体であってもアイソタク
ティックPPとアタクティックPPの各部分が微細なド
メイン構造を持つ重合体もその構造により実質ブロック
PPの範疇に入れることができる。後者の場合、沸騰n
−ヘプタン不溶分として求められるアイソタクティック
指数が90未満のプロピレン単独重合体、更に好ましく
はアイソタクチック指数が55〜85のプロピレン単独
重合体がそれにあたり、このものの一例は特許第253
4370号公報に開示されている。 【0011】具体的な例で示せば、後述する実施例1、
Run.No.1のフィルムと比較例1,Run.N
o.2のフィルムとの比較において、表1に示す様に、
特定の熱特性を有するポリプロピレン系重合体(A)と
ポリ・1−ブテン系重合体(B)とからなる組成物を耐
熱層に用いたRun.No.1のフィルムは透明性が○
(HAZE=1.8%)光沢性が◎(GLOSS=13
0%)と光学特性に優れていたのに対して、Run.N
o.1に用いたポリプロピレン系重合体(A)のみを耐
熱層に用いたRun.No.2のフィルムは透明性が×
(HAZE=3.8%)、光沢性が×(GLOSS=1
05%)と光学特性が明らかに劣っていた。 【0012】又、ポリ・1−ブテン系重合体(B)のか
わりに、極低密度のエチレン−α・オレフィン共重合体
を用いた比較例1、Run.No.3のフィルムでは、
HAZE=5.2%、GLOSS=95%と、ポリプロ
ピレン系重合体(A)のみの場合よりも透明性に劣った
フィルムであった。更には、ポリ・1−ブテン系重合体
(B)のかわりに、ポリスチレン系の水添ブロック共重
合体を用いた比較例1、Run.No.4のフィルムで
は、表1に示す様にポリプロピレン系重合体(A)の特
性の内の1つである衝撃強度を低下させてしまい、引裂
強度や耐衝撃性が小さくなって、結果として包装性に劣
ったフィルムであった。 【0013】以上のことから、特定の熱特性を有するポ
リプロピレン系重合体(A)とポリ・1−ブテン系重合
体(B)とからなる組成物が、特定の熱特性を有するポ
リプロピレン系重合体(A)の耐熱性があり且つ柔軟で
ある特性を活かし、且つフィルム化した際に透明なフィ
ルムが得られる組成物であることが分かる。ポリ・1−
ブテン系重合体(B)の量は、透明性改良効果が発現し
て且つポリプロピレン系重合体(A)の耐熱性や柔軟性
等の特性を損なわない範囲である必要があり、ポリプロ
ピレン系重合体(A)100重量部に対してポリ・1−
ブテン系重合体(B)は30〜400重量部である必要
があり、好ましくは50〜200重量部である。 【0014】具体的な例で示せば、後述する実施例2、
Run.No.7のフィルムと比較例2、Run.N
o.9のフィルムとの比較において、表2に示す様に、
ポリ・1−ブテン系重合体(B)がポリプロピレン系重
合体(A)100重量部に対して33重量部であるRu
n.No.7のフィルムは透明性が○(HAZE=2.
0%)光沢性が○(GLOSS=125%)と光学特性
に優れていたのに対して同割合が25重量部であるRu
n.No.9のフィルムは透明性が△(HAZE=3.
0%)、光沢性が△(GLOSS=110%)と劣って
いた。 【0015】又、実施例2、Run.No.8のフィル
ムと比較例2、Run.No.10のフィルムとの比較
において、表2に示す様に、ポリ・1−ブテン系重合体
(B)がポリプロピレン系重合体(A)100重量部に
対して400重量部であるRun.No.8のフィルム
に比べ同割合が566重量部であるRun.No.10
のフィルムは耐衝撃性やヒートシール時の耐熱性(ヒー
トシール可能上限温度:T2=130℃)に劣ってい
た。 【0016】以上のことからポリ・1−ブテン系重合体
(B)は、ポリプロピレン系重合体(A)100重量部
に対して30〜400重量部であることが必要であるこ
とが分かる。次に、本発明に用いるポリプロピレン系重
合体(A)は、DSCにて測定した融解熱が15〜80
J/gで、融解ピーク温度(Tpm)が150℃以上で
ある。 【0017】前述の通りポリプロピレン系重合体(A)
はいわゆるブロックPPであり、その耐熱性の観点から
は、融解熱が15J/g以上で且つTpmが150℃以
上である必要があり、また柔軟性の観点からは融解熱が
80J/g以下である必要がある。具体的な例で示せ
ば、後述する実施例3、Run.No.11のフィルム
と比較例3、Run.No.13のフィルムとの比較に
おいて、表3に示す様に、融点は殆ど差がないのに、ポ
リプロピレン系重合体(A)の融解熱が23.7J/g
(Tpm=155℃)であるRun.No.11のフィ
ルムがヒートシール性が○(T2=140℃)と実用レ
ベルであったのに対して、同重合体(A)の融解熱が1
3.9J/g(Tpm=153℃)であるRun.N
o.13のフィルムはヒートシール性が×(T2=13
0℃)と耐熱性に劣っていた。特にヒートシールする時
間が長くなるにつれて差が明確となり、例えばシール時
間を10秒にしてヒートシール時の耐熱性を評価してみ
ると、Run.No.11のフィルムはT2が135℃
(ヒートシール性は△:条件次第では実用可能なレベ
ル)であるのに対して、Run.No.13のフィルム
ではヒートシール可能な温度条件が全くなかった。 【0018】又、比較例3、Run.No.15ではプ
ロピレン系重合体(A)の融解熱は61.9J/gとR
un.No.11より大きいがTpmが139℃と15
0℃よりも低く、表3に示す様にヒートシール性に劣っ
ていた(T2=130℃)。尚、実施例3、Run.N
o.11よりフィルムのヒートシール時の耐熱性の点か
ら、ポリプロピレン系重合体(A)の融解熱は15J/
g以上、Tpmは150℃以上必要であることが分か
る。 【0019】更に、後述する実施例3、Run.No.
12のフィルムと比較例3、Run.No.14とを比
較すると、融点は殆ど差がないのに、ポリプロピレン系
重合体(A)の融解熱が77.5J/g(Tpm=16
3℃)のRun.No.12のフィルムに比べて、同重
合体(A)の融解熱が84.7J/g(Tpm=165
℃)であるRun.No.14フィルムは、ポリプロピ
レン系重合体(A)に柔軟性が乏しく、従って出来たフ
ィルムは引張試験における破断伸びが小さく、又引裂強
度も小さい為に包装性に劣ったフィルムとなった。 【0020】尚、実施例3、Run.No.12のフィ
ルムから、ストレッチ性や衝撃強度等のバランスの点か
らは、ポリプロピレン系重合体(A)の融解熱は80J
/g以下であることが必要であることが分かる。以上の
ことから本発明のポリプロピレン系重合体(A)の融解
熱は15〜80J/gであり、好ましくは20〜80J
/gであり、より好ましくは30〜75J/gである。 【0021】又融解ピーク温度(Tpm)は、組成物の
耐熱性の観点から150℃以上であり、好ましくはTp
mが155℃以上である。ここで、ポリプロピレン系重
合体(A)の融解熱及び融解ピーク温度(Tpm)の測
定は、パーキンエルマー社製DSC−7を用いて行い、
融解熱についてはJIS−K7122に準拠して試料量
が5〜10mg、昇温速度が10℃/分の条件で測定し
て、最も高い温度に発現したピークから求め、また融解
ピーク温度(Tpm)はJIS−K7121に準拠して
試料量が約5mg、昇温速度が10℃/分の条件で測定
して、最も高い温度に発現したピークから求めた。 【0022】上記特性を満足する樹脂とは、Tpmが1
50℃以上で且つ高結晶性のポリプロピレン成分(a
1)と非晶質で柔軟な成分(a2)とからなり、1段又
は多段のリアクターで重合されたものであり、a1とa
2を機械的に溶融混合したものは含まれない。より具体
的には、a1として高結晶性で融点が160℃程度のア
イソタクチックプロピレン単独重合体又はプロピレンに
エチレン又は炭素数が4以上のα・オレフィン等を0.
7モル%程度以下共重合したランダム共重合体が挙げら
れる。 【0023】又a2としては非晶質及び/又は半結晶性
のアタクチックプロピレン単独重合体又はプロピレンと
エチレン又は炭素数が4以上のα・オレフィンとの共重
合体で一般には重量平均分子量がa1の約1/10以
上、好ましくは約半分以上、更に好ましくはa1と同程
度以上であるものが用いられる。具体的な例を示せば、
モンテル社のキャタロイプロセスで製造された「Adf
lex」、トクヤマ社の「P.E.R.]、チッソ社の
「NEWCON]、出光石油化学社の「出光TPO」等
が挙げられる。 【0024】この内、DSCにて測定した融解ピーク温
度(Tpm)と補外融解開始温度(Tim)との差(T
pm−Tim)が12.5℃以上であるものが好まし
い。ここで、補外融解開始温度(Tim)はJIS−K
7121に準拠して試料量が約5mg、昇温速度が10
℃/分の条件で測定して、最も高い温度に発現したピー
クから求めた。最も高温のピークより10℃以内の範囲
にあるピークまたはショルダーはまとめて一つのピーク
とみなし、そのピークまたはショルダーの中で最も低温
側にあるピーク又はショルダーを基準として補外した。
なお、補外融解開始温度(Tim)は、パーキンエルマ
ー社製DSC−7ではOnset温度として示される。 【0025】Tpmに対してTimがより低い、換言す
れば融解ピークの低温側がよりブロードであるポリプロ
ピレン系重合体(A)は、非晶質成分が結晶成分に分子
レベルで相溶し、部分的に結晶構造を乱したことを示唆
していると考えられ、従って高融点で且つ高結晶性成分
と柔軟で非晶質な成分が単純に海島構造を形成している
のではなく分子レベルで相互作用を及ぼしあった部分、
あるいは両者の遷移領域部分があると推定出来る。この
部分を形成するにあたっては両者の化学的構造が似てい
る方が有利と思われ、例えば高結晶成分がプロピレン単
独重合体である場合、柔軟な非晶質成分もプロピレンと
炭素数が3以外のα・オレフィンとの共重合体であるよ
りもプロピレン単独重合体である方が好ましい。 【0026】その様なポリプロピレン系重合体(A)
は、ポリ・1−ブテン系樹脂(B)に対する分散性が向
上することによって組成物として光学特性が大幅に向上
する。具体的な例を示せば、後述する実施例4、Ru
n.No.18と実施例、Run.No.21との比較
において、Tpm−Timが12.2℃であるポリプロ
ピレン系重合体(A)を用いたRun.No.18では
HAZEが1.8%で、見た目フィルムがもやもやした
感じがあるのに対して、Tpm−Timが16.4℃で
あるポリプロピレン系重合体(A)を用いたRun.N
o.21ではHAZEが0.8%と透明性が格段に優
れ、クリアー感があった。 【0027】特筆すべきは、この様なポリプロピレン系
重合体(A)とポリ・1−ブテン系樹脂(B)の他にE
VAやエチレン−α・オレフィン共重合体等をブレンド
した組成物においても透明性に優れている点である。後
述する実施例6、Run.No.24において、Tpm
−Timが16.4℃であるポリプロピレン系重合体
(A)が40重量%、ポリ・1−ブテン系樹脂(B)が
22重量%、EVAが13重量%、エチレン−α・オレ
フィン共重合体が25重量%とからなる組成物を耐熱層
として用いたフィルムでもHAZEが0.9%とフィル
ムにはクリアー感があった。 【0028】なお、このようなポリプロピレン系重合体
(A)とポリ・1ーブテン系樹脂(B)からなる上記実
施例の組成物についてみてみると、Tpm−Timが1
2.2℃であるポリプロピレン系重合体(A)40重量
%とポリ・1ーブテン系樹脂(B)60重量%のRu
n.No.18の組成物のTpm−Timが11.5℃
であるのに対して、Tpm−Timが16.4℃である
ポリプロピレン系重合体(A)40重量%とポリ・1ー
ブテン系樹脂(B)60重量%のRun.No.21の
組成物のTpm−Timが12.9℃である。このよう
にポリプロピレン系重合体(A)のTpm−Timとポ
リプロピレン系重合体(A)40重量%とポリ・1ーブ
テン系樹脂60重量%の組成物のTpm−Timとを比
較すると、Tpm−Timの大きいポリプロピレン系重
合体(A)の方がポリ・1−ブテン系樹脂(B)を混合
したときの変化度が大きく(Run.No.18の変化
度0.7℃に対し、Run.No.21の変化度が3.
5℃)、ポリプロピレン系重合体(A)とポリ・1ーブ
テン系樹脂(B)の相互作用がより大きいことを示唆
し、そのことからもTpm−Timが12.5℃以上の
ポリプロピレン系重合体(A)とポリ・1−ブテン系樹
脂(B)との組成物からなるフィルムの光学特性が一層
優れていることが類推される。 【0029】次に本発明のポリプロピレン系重合体
(A)は、メルトフローレート(MFR:230℃、
2.16kg)が0.1〜100g/10分であるのが
好ましく、より好ましくは0.5〜100g/10分で
ある。MFRが小さくなると押出負荷が大きくなる傾向
にあり、また出来たフィルムは引裂強度の縦方向(M
D)と横方向(TD)とのバランスが悪くなる(MDに
弱く、TDに強い)傾向にある。又MFRが大きくなる
と引裂強度のMDとTDとのバランスは良くなる傾向に
あるが、大きすぎると押出時のメルトテンションが小さ
過ぎて安定して引き取れなくなる傾向にある。特に、後
述する実施例4〜6で採用しているダブルバブル法にお
いては20〜100g/10分が最も好ましい。 【0030】次にポリ・1−ブテン系重合体(B)の具
体例としては、1−ブテン単独重合体、1−ブテンとエ
チレン、プロピレン、炭素数が5以上のα−オレフィン
等との共重合体が挙げられ、この内、コモノマーが4モ
ル%以上共重合された融解ピーク温度が110℃以下の
ポリ・1−ブテン系重合体が好ましい。ポリ・1−ブテ
ン系重合体(B)はメルトインデックス(MI:190
℃、2.16kg)は上記ポリプロピレン系重合体
(A)と同様な理由から0.1〜50g/10分である
のが好ましく、より好ましくは0.5〜50g/10分
であり、ダブルバブル法においては2〜10g/10分
が最も好ましい。 【0031】本発明の組成物には、ポリプロピレン系重
合体(A)及びポリ・1−ブテン系重合体(B)の他
に、EVAやエチレン・α−オレフィン共重合体、水添
テルペン系樹脂、水添シクロペンタジエン系樹脂、石油
樹脂、芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体又はその
水添物、等をブレンドしても良い。芳香族化合物と共役
ジエンとの共重合の水添物としては、共役ジエン部分を
水添したものと芳香族化合物を水添する(環水添)した
ものがあるが、環水添したものはポリオレフィンと屈折
率が近くなるのと相溶性が向上することによって高い透
明性の組成物及びフィルムが得られるので好ましい。 【0032】尚、組成物としてDSCにて測定した融解
熱は、7J/g〜35J/gであることが好ましく、よ
り好ましくは8〜35J/gである。7J/g未満では
組成物として耐熱性及び弾性率が不足し、又35J/g
を超えるとストレッチ性が劣る傾向にあった。フィルム
全体に占める該組成物の融解熱は、3.5J/g〜19
J/gであることが好ましく、更には4J/g〜14J
/gである。 【0033】ここで組成物の融解熱及びフィルム全体に
占める該組成物の融解熱は、組成物及びフィルム自身を
DSCで測定して最も高い温度に発現するピークから求
めても良いし、組成物に占めるポリプロピレン系重合体
(A)の割合から計算によって求めても良い。本発明の
多層フィルムは耐熱性と柔軟性の点から、耐熱層(H
層)として上記組成物を含有する層を含有する。 【0034】好ましいフィルムの構成としては、上述の
ポリプロピレン系重合体(A)とポリ・1−ブテン系重
合体(B)とからなる軟質ポリオレフィン樹脂組成物か
らなる耐熱層(H層)に加えて、DSCにて測定した融
解ピーク温度(Tpm)が100℃以下のポリオレフィ
ン系樹脂からなる両表面層(S層)を含有する多層フィ
ルムである。 【0035】Tpmが100℃以下のポリオレフィン系
樹脂の具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル等のエチレン
とエステル単量体、脂肪族不飽和モノカルボン酸、該モ
ノカルボン酸アルキルエステルより選ばれる単量体との
共重合体、又は上記単量体とエチレンとの共重合体の一
部分以上をケン化した重合体の少なくとも一部を、例え
ばNa、Zn、Mg等の金属イオンによりイオン結合さ
れた重合体、密度が0.87〜0.90g/cm3 程度
のエチレン−α・オレフィン共重合体等が挙げられる。 【0036】この内エチレン−α・オレフィン共重合体
の具体例としては、エチレンとプロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン
−1、1−オクテン、等のα・オレフィンとの共重合体
や、これにシクロペンタジエン系単量体、ノルボルネン
系単量体等を共重合したものでも良い。更に、分子量分
布が狭く(Mw/Mnが3.0以下)、Tpmが100
℃以下と低いにもかかわらず、フィルム表面がべたつか
ないものがより好ましい。 【0037】フィルムはS/H/Sの3層構成でも良い
し、他の層(M層)を含んだS/M/H/S、S/M/
H/M/S、S/M/H/M/H/M/S、更にはS/
M1/H/M2/S、S/M1/H/M2/H/M1/
S(但しM1≠M2)等でも良い。上記の内、S層には
防曇性や透明性等に優れた酢酸ビニル含量が12〜18
重量%程度のEVAを、M層として引張強度や引裂強度
等に優れたエチレン−α・オレフィン共重合体を利用し
たフィルムが好ましい。又、M層、好ましくはS/M1
/H/M2/H/M1/Sの内のM2層にフィルムを回
収して再ペレット化した樹脂(リワーク樹脂)に用いる
ことも出来る。 【0038】各層の厚み比率は、一層当たりS層が5〜
45%、H層が10〜90%、M層が5〜40%程度で
ある。また、多層フィルム全体の厚みは一般に5〜25
μm程度で、取り扱い性やストレッチ性から好ましくは
7〜15μmである。上記S層、H層、M層には、防曇
剤、帯電防止剤、抗菌剤、防霜剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤等を添加しても良く、更にフィルム表面にシリコ
ーンオイル又はそのエマルジョン、界面活性剤、粉体、
高分子等をコーティングしても良い。 【0039】防曇剤の好ましい例としては、飽和のC1
2脂肪酸:C10脂肪酸:C8脂肪酸=2:4:4〜
8:1:1程度の混合脂肪酸とジグリセリンとのエステ
ルが挙げられ、又HLBが12以上のポリオキシエチレ
ン・ラウリルエステルが挙げられる。特に、S層に後者
を、H層やM層に前者を添加したものがより好ましい。
本発明のフィルムを得る方法としては、T−ダイ・キャ
スト法、テンター二軸延伸法(同時、逐次を含む)、ダ
イレクトインフレーション法、ダブルバブルインフレー
ション法等が挙げられる。この内、ダブルバブルインフ
レーション法が好ましい。 【0040】以下、好ましいダブルバブルインフレーシ
ョン法について説明する。先ず、各層の樹脂組成物を別
々の押出機で溶融押出し、多層サーキュラーダイで合流
積層する。この積層体を冷媒により急冷固化しチューブ
状原反とし、折り畳んで引き取る。これにより、各樹脂
層は結晶化度が低く抑えられダイレクトインフレーショ
ン法に比べ高透明で高光沢のフィルムが得られる。チュ
ーブ状原反内に界面活性剤、シリコーンオイル(エマル
ジョンを含む)等を充填しても良い。次に引き取った原
反にエアを注入し再びチューブ状とし、S層に用いた樹
脂の融点以上で且つH層のポリプロピレン系樹脂(A)
の融点以下に加熱して、面積倍率で4〜36倍に延伸す
る。延伸後折り畳んで引き取り、必要に応じて熱処理や
コロナ放電処理等を行う。 【0041】ここで、以下に本願の評価方法を示す。 (1)融解熱 融解熱の測定は、パーキンエルマー社製DSC−7を用
いて行い、JIS−K7122に準拠して試料量が5〜
10mg、昇温及び降温速度を10℃/分として、先ず
室温から200℃まで昇温して5分間保持、200℃か
ら−10℃まで冷却して5分保持後、再び200℃まで
昇温する際の最も高い温度に発現したピーク面積から求
めた。 (2)融解ピーク温度(Tpm) 融解ピーク温度(Tpm)はJIS−K7121に準拠
して試料量が約5mg、昇温及び降温速度を10℃/分
として、先ず室温から200℃まで昇温して5分間保
持、200℃から−10℃まで冷却して5分保持後、再
び200℃まで昇温する際の最も高い温度に発現したピ
ークから求めた。 (3)補外融解開始温度(Tim) 補外融解開始温度(Tim)はJIS−K7121に準
拠して試料量が約5mg、昇温及び降温速度を10℃/
分として、先ず室温から200℃まで昇温して5分間保
持、200℃から−10℃まで冷却して5分保持後、再
び200℃まで昇温する際の最も高い温度に発現したピ
ークから求めた。最も高温のピークより10℃以内の範
囲内にあるピークまたはショルダーはまとめて一つのピ
ークとみなし、そのピークまたはショルダーの中で最も
低温側にあるピークまたはショルダーを基準として補外
した。なお補外融解開始温度(Tim)は、パーキンエ
ルマー社製DSC−7ではOnset温度として示され
る。 (4)伸び荷重(g/cm幅) サンプルフィルムを縦方向(MD)、横方向(TD)各
方向に長さ100mm、幅10mmに切り出し、チャッ
ク間50mmにセットされた引張試験機にて、23℃、
50%RHの条件下で200mm/分の速度で引張り、
フィルムが100%変形した時(チャック間が100m
m)の荷重を100%伸び荷重、同200%変形した時
の荷重を200%伸び荷重とした。 (5)破断応力(kg/cm2 ) 上記伸び荷重の測定と同様な条件で引張試験を行い、破
断した時の応力を引っ張る前のフィルム断面積で割った
値を採用した。 (6)破断伸び(%) 上記伸び荷重の測定と同様な条件で引張試験を行い、破
断した時の変形量を元のフィルム長さで割って百分率で
示した。 (7)引裂強度(g) JIS−K7128に準拠して、軽荷重引裂強度試験に
てフィルムの縦方向及び横方向について測定した。 (8)透明性 ・評価方法 ASTM−D1003に準拠して、HAZE(%)を測
定した。 ・評価基準 尺度 記号 備考 HAZE≦1.3 ◎ 透明性に優れる 1.3<HAZE≦2.0 ○ 実用上問題のないレベル 2.0<HAZE≦3.0 △ 以下、実用上問題あり HAZE>3.0 × 実用に適さない (9)光沢性 ・評価方法 JIS−K7105に準拠して、60度鏡面光沢(GL
OSS,%)を測定した。 ・評価基準 尺度 記号 備考 GLOSS≧130 ◎ 光沢性に優れる 120≦GLOSS<130 ○ 実用上問題のないレベル 110≦GLOSS<120 △ 光線の具合では、見劣りするレベル GLOSS<110 × 実用に適さない (10)ヒートシール性 ・評価方法 PP製のトレーに200gの粘土を載せて、これをフィ
ルムサンプルで包んだ。その場合に、トレーの底部でフ
ィルムが1枚の部分、2重に重なった部分、3枚重なっ
た部分、5枚重なった部分が出来る様にした。予め温度
を設定しておいた熱板にトレーの底部が接触する様に2
秒間置き、直ぐに取ってトレー底部でのフィルム同士の
ヒートシール状態を観察した。温度は5℃刻みで設定
し、5枚重なった部分でも熱融着する下限温度(T1:
ヒートシール可能下限温度)と1枚部分でもメルトホー
ルが出来ない上限温度(T2:ヒートシール上限温度)
との差 △T(℃)=T2−T1を求めた。 ・評価基準 尺度 記号 備考 △T>50 ◎ ヒートシール性に優れる 40<△T≦50 ○ 実用上問題のないレベル 30<△T≦40 △ 特定の条件下であれば利用可能なレベル △T≦30 × 実用に適さない (11)耐衝撃性 ・評価方法 恒温槽付き東洋精機社製RDT−5000/DARTを
用いて、フィルムの破壊エネルギーENG(単位:J)
を求めた。ダートの種類はSMALL ALUMINI
UM DART(3.75kg)で、ダート径は5/8
インチ(15.88mmφ)、セルの最大荷重が100
ポンド(45.53kgf)、受け台の内径が2.5イ
ンチ(63.5mmφ)、ダート落下速度を3.87m
/秒(落下高さが76cm)とした。測定温度は15℃
とした。 ・評価基準 尺度 記号 備考 ENG≧0.5J ◎ 耐衝撃性に優れる 0.2J≦ENG<0.5J ○ 以上、合格レベル 0.1J≦ENG<0.2J △ フィルムが衝撃によって裂ける ENG<0.1J × フィルムが衝撃によって割れる (12)包装性 ・評価方法 フィルム幅380mmに巻き取ったサンプルフィルムで
ハンドによる包装性とマシンによる包装性について評価
した。マシンはイシダ社製Wmini−Zero1を用
いた。トレーは標準トレーとして中央化学社製SK−2
0F、大トレーとしてエフピコ社製LY−18−25、
サンマトレーとしてエフピコ社製GS−30−10Cを
用い、300gの粘土を載せて、各10個包装した。 【0042】標準トレー(SK−20F)は包装が比較
的容易であるが、大トレー(LY−18−25)は通常
フィルム幅が400mm以上のフィルムで包装するトレ
ーであり、ストレッチ性に優れるフィルムでないと包装
するのが困難なトレーである。またサンマトレー(GS
−30−10C)は縦長のトレーで包装皺が残り易いト
レーである。 【0043】評価は、包装時にフィルム破れが発生して
いないか、フィルムに皺無く包装出来るか、フィルムの
破れ屑が出ないか等を観察して行った。 ・評価基準 尺度 記号 備考 3種のトレー全て綺麗に包装出来た ◎ 包装性に優れる 2種のトレーは綺麗に包装出来た ○ 以上、合格レベル 1種のトレーのみ綺麗に包装出来た △ 従来のフィルムと同レベル 綺麗に包装出来るトレーが無かった × 実用には適さない (13)防曇性 ・評価方法 豚ロースのスライス200gを中央化学社製PSPトレ
ーFS−B5に載せて、各フィルムサンプルで包んで、
5℃前後の温度のオープンショーケースに2日陳列観察
した。 ・評価基準 尺度 記号 備考 水膜が均一で内容物が綺麗に見えるもの ◎ 実用に最適 良く見ると水膜が不均一に見えるもの ○ 以上、実用レベル 水滴で内容物が歪んで見えるもの △ 実用に適さない フィルムが水蒸気で曇って中が見えないもの × 実用に適さない (14)総合評価 ・評価方法 透明性、光沢性、ヒートシール性、耐衝撃性、包装性、
防曇性の各項目について総合的に判断した。 ・評価基準 尺度 記号 備考 全ての項目で「◎」のもの ◎ 実用に最適 全ての項目が「◎」又は「○」であるもの ○ 以上、実用レベル 1つでも「×」又は「△」の項目があるもの × 実用に適さない 【0044】 【実施例】先ず、本実施例で用いた重合体を以下に示
す。 ・EVA1:エチレン−酢酸ビニル共重合体[酢酸ビニ
ル含量=14重量%、MI=2.0g/10分、融点=
93℃] ・EVA2:エチレン−酢酸ビニル共重合体[酢酸ビニ
ル含量=15重量%、MI=7.0g/10分、融点=
90℃] ・TPO1:プロピレン−エチレン・ブロック共重合体
[融解熱=34.3J/g、Tpm=164.7℃、T
im=155.0℃、MFR=0.8g/10分(モン
テル−JPO社、Adflex・KS−081P)] ・TPO2:プロピレン−エチレン・ブロック共重合体
[融解熱=36.6J/g、Tpm=165.1℃、T
im=152.9℃、MFR=30g/10分(モンテ
ル−JPO社、Adflex・KS−084P)] ・TPO3:プロピレン−エチレン・ブロック共重合体
[融解熱=61.9J/g、Tpm=139.0℃、T
im=117.4℃、MFR=6.0g/10分(モン
テル−JPO社、Adflex・C200F)] ・TPO4:プロピレン−エチレン・ブロック共重合体
[融解熱=23.7J/g、Tpm=154.8℃、T
im=142.9℃、MFR=1.5g/10分(トク
ヤマ社、P.E.R・R410E)] ・TPO5:プロピレン−エチレン・ブロック共重合体
[融解熱=13.9J/g、Tpm=153.0℃、T
im=134.0℃、MFR=1.5g/10分(トク
ヤマ社、P.E.R・T310J)] ・TPO6:プロピレン−エチレン・ブロック共重合体
[融解熱=84.7J/g、Tpm=164.8℃、T
im=158.7℃、MFR=20g/10分(チッソ
社、NEWCON・NK6120)] ・TPO7:アイソタクチックポリプロピレンとアタク
チックポリプロピレンとからなるプロピレン単独重合体
[融解熱=77.5J/g、Tpm=162.9℃、T
im=147.3℃、MFR=4.5g/10分(出光
石油化学社、出光TPO・F3900)] ・TPO8:アイソタクチックポリプロピレンとアタク
チックポリプロピレンとからなるプロピレン単独重合体
[融解熱=67.3J/g、Tpm=159.3℃、T
im=140.3℃、MFR=2.5g/10分(出光
石油化学社、出光TPO・E2700)] ・TPO9:上記E2700を押出機中でパーオキサイ
ドを添加することによって低分子量化したもの[融解熱
=58.8J/g、Tpm=160.5℃、Tim=1
41.6℃、MFR=35g/10分] ・TPO10:アイソタクチックポリプロピレンとアタ
クチックポリプロピレンとからなるプロピレン単独重合
体(出光石油化学社E2800)を押出機内でパーオキ
サイドを添加することによって低分子量化したもの。
[融解熱=61.6J/g、Tpm=160.4℃、T
im=144.0℃、MFR=75g/10分] ・TPO11:下記PP1を50重量%とプロピレン・
1−ブテン共重合体[密度=0.87g・cm3 、溶融
粘度(190℃)=8000cps(宇部レキセン社、
APAO・UT2780)]を50重量%とを2軸の押
出機で溶融混練したもの。 ・PP1:プロピレン単独重合体[融解熱=102.5
J/g、Tpm=163.1℃、Tim=154.2
℃、MFR=4.0g/10分(JPO社、J−ALL
OMER・PL500A)] ・PP2:プロピレン−エチレン・ランダム共重合体
[融解熱=111.7J/g、Tpm=150.4℃、
Tim=140.0℃、MFR=1.0g/10分(J
PO社、J−ALLOMER・EG110)] ・PB1:1−ブテン・プロピレン・ランダム共重合体
[Tpm=72.5℃、Tim=52.5℃、MI=
2.0(三井化学社、タフマー・BL2281)] ・PB2:1−ブテン・エチレン・ランダム共重合体
[Tpm=97.9℃、Tim=92.6℃、MI=
4.0(三井化学社、タフマー・BL3450)] ・PE1:エチレン・1−オクテン・ランダム共重合体
[密度=0.868g・cm3 、Tpm=55.7℃、
MI=0.5(ダウケミカル社、ENGAGE・EG8
150)] ・PE2:エチレン・1−オクテン・ランダム共重合体
[密度=0.902g・cm3 、Tpm=98.0℃、
MI=3.3(ダウケミカル社、AFFINITY・P
L1850)] ・PE3:エチレン・1−オクテン・ランダム共重合体
[密度=0.875g・cm3 、Tpm=67.1℃、
MI=3.0(ダウケミカル社、ENGAGE・KC8
852)] ・TPS:スチレン−イソプレン−スチレンのトリブロ
ック共重合体の水添物[スチレン含量=20%、MFR
=6g/10分(クラレ社、ハイブラー・HVS−
3)] 【0045】 【実施例1】H層としてTPO1が60重量%とPB1
が40重量%とからなる組成物を、S層としてEVA1
にジグリセリンオレート(理研ビタミン社、リケマール
O−71D)とモノグリセリンオレート(理研ビタミン
社、リケマールOL100)との1:1の混合物を2.
0重量%練込んだものを用いて、各層をS/H/S(=
30%/40%/30%)の3層構造に、ダイリップ径
が120mmでリップ開度が1.2mmのサーキュラー
ダイより、22.5kg/hrの吐出量で押し出した。
これを上方向に引き取りながらエアを注入して、引き取
り速度17.8m/分、ブローアップ比(BUR)=
3.0倍でダイレクトインフレーション成形を行い厚み
15μmのフィルムを得た(Run.No.1)。 【0046】得られたフィルムを上述の方法で評価し
た。 【0047】 【比較例1】実施例1において、H層にTPO1のみ
(Run.No.2)、H層のPB1をPE1に替えた
もの(Run.No.3)、同様にTPSに替えたもの
(Run.No.4)を用いた他は実施例1と同様な実
験を繰り返した。又、H層にTPO11のみを用いた
(Run.No.5)、TPO11:PB1=60:4
0(重量比)の組成物を用いた(Run.No.6)他
は実施例1と同様な実験を繰り返した。 【0048】以上、Run.No.1〜Run.No.
6の結果をまとめて表1に示す。以下表1を用いて、本
発明によって初めて「ポリプロピレン系重合体(A)」
=「ブロックPP」の「耐熱性があり且つ柔軟である」
特性を活かし、且つフィルム化した際に「透明」なフィ
ルムが得られることを説明する。先ず、実施例1、Ru
n.No.1のフィルムは本発明の組成物を用いたフィ
ルムであり、ブロックPPの特徴である「耐熱性があり
且つ柔軟である」特性を活かしてヒートシール性や包装
性に優れ、また透明性(HAZE=1.8%)や光沢性
(GLOSS=130%)といった光学特性に優れてい
た。 【0049】これに対して、Run.No.2のフィル
ムは、耐熱層(H層)がポリ・1−ブテン系重合体
(B)を含まないブロックPP単独の層であり、透明性
(HAZE=3.8%)及び光沢性(GLOSS=10
5%)に劣っていた。又、ポリ・1−ブテン系重合体
(B)の替わりに極低密度のエチレン・1−オクテン共
重合体(PE1)を用いたRun.No.3のフィルム
も透明性(HAZE=5.2%)及び光沢性(GLOS
S=95%)に劣っており、ブロックPP単独よりも更
に光学特性が劣っていた。 【0050】更に、ポリ・1−ブテン系重合体(B)の
替わりにスチレンと共役ジエンのブロック共重合体の水
添物を用いたRun.No.4のフィルムは、光学特性
は本発明のフィルムと同レベルであったが、耐衝撃性に
劣り、結果として包装性に劣っていた。又、Run.N
o.5及びRun.No.6はブロックPPの替わりに
ポリプロピレン単独重合体(PP1)と非晶質で柔軟な
樹脂であるAPAOとを機械的に溶融ブレンドしたもの
(TPO11)を用いたフィルムであり、Run.N
o.5はブロックPP単独利用(Run.No.2)、
Run.No.6はブロックPPにポリ・1−ブテン系
重合体(B)をブレンドしたもの(Run.No.1)
に対応する。 【0051】2つのケースをそれぞれ比較すると明確な
様に、単なるポリマーブレンドしたものではブロックP
Pの様な特性を発揮することは出来ないことが分かる。 【0052】 【実施例2】実施例1において、H層のTPO1とPB
1との割合を順に75重量%/25重量%に替えた(R
un.No.7)、同20重量%/80重量%に替えた
(Run.No.8)他は実施例1と同様な実験を繰り
返した。 【0053】 【比較例2】実施例1において、H層のTPO1とPB
1との割合を順に80重量%/20重量%に替えた(R
un.No.9)、同15重量%/85重量%に替えた
(Run.No.10)他は実施例1と同様な実験を繰
り返した。以上、Run.No.7〜Run.No.1
0の結果を表2にまとめて示す。 【0054】以下、ポリプロピレン系重合体(A)10
0重量部に対するポリ・1−ブテン系重合体(B)が3
0〜400重量部である必要性について説明する。Ru
n.No.7及びRun.No.8のフィルムは本発明
の組成物をH層に用いたフィルムであり、全ての項目に
おいて合格レベル以上であった。これに対してRun.
No.9のフィルムはポリプロピレン系重合体(A)が
100重量部に対してポリ・1−ブテン系重合体(B)
が25重量部と少なく、従って透明性(HAZE=3.
0%)、光沢性(GLOSS=110%)等の光学特性
に劣っており、上述のポリ・1−ブテン系重合体(B)
をブレンドした効果が発揮されていないことが分かる。 【0055】又Run.No.10のフィルムはポリプ
ロピレン系重合体(A)が100重量部に対してポリ・
1−ブテン系重合体(B)が566重量部と過剰で、ポ
リプロピレン系重合体(A)の特徴である耐熱性(ヒー
トシール上限温度T2=130℃)及び柔軟性(耐衝撃
性)を活かせないことが分かる。以上のことから、ポリ
プロピレン系重合体(A)100重量部に対するポリ・
1−ブテン系重合体(B)が30〜400重量部である
必要性が分かる。 【0056】 【実施例3】実施例1において、H層のTPO1をTP
O4に替えた(Run.No.11)、同様にTPO7
に替えた(Run.No.12)他は実施例1と同様な
実験を繰り返した。 【0057】 【比較例3】実施例1において、H層のTPO1をTP
O5に替えた(Run.No.13)、同様にTPO6
に替えた(Run.No.14)、同様にTPO3に替
えた(Run.No.15)、同様にPP2に替えた
(Run.No.16)他は実施例1と同様な実験を繰
り返した。 【0058】以上、Run.No.11〜Run.N
o.16の結果をまとめて表3に示す。以下に、ポリプ
ロピレン系重合体(A)がDSCにて測定した融解熱が
15〜80J/gで、融解ピーク温度(Tpm)が15
0℃以上である必要性について説明する。 【0059】Run.No.11及びRun.No.1
2は本発明の組成物をH層に用いたフィルムであり、全
ての評価に優れていた。特にTpm−Timが15.6
℃であるTPO7を用いたRun.No.12はHAZ
E=1.5%とダイレクトインフレーション成形を行っ
たRun.No.1〜16中で最も透明性に優れてい
た。 【0060】これに対してRun.No.13のフィル
ムは、H層のポリプロピレン系重合体の融解熱が13.
9J/gで(フィルム全体に対する融解熱も3.3J/
gと小さく)、耐熱性に劣る為にヒートシール性(T2
=130℃)に劣っていた。又、Run.No.14の
フィルムは、H層のポリプロピレン系重合体の融解熱が
84.7J/gと大きく、従って同樹脂中の柔軟成分が
少ない為に、樹脂自体柔軟性に乏しく、結果として破断
伸びが小さい為に包装性に劣ったフィルムであった。 【0061】更に、Run.No.15のフィルムは、
H層のポリプロピレン系重合体が融解熱は61.9J/
gと大きいにもかかわらずTpmが139℃と低い為に
やはり耐熱性に劣り、フィルムはヒートシール性(T2
=130℃)に劣っていた。尚、Run.No.16に
はH層のポリプロピレン系重合体としてプロピレン−エ
チレン・ランダム共重合体(PP2)を用いたフィルム
であり、Tpmが150℃以上、融解熱が111.7J
/gと比較的耐熱性に優れる共重合体を用いたにもかか
わらずヒートシール性は本発明の樹脂を用いたフィルム
には及ばず、又透明性(HAZE=2.2%)、光沢性
(GLOSS=120%)と光学特性も本発明の樹脂を
用いたフィルムには及ばなかった。 【0062】また、融解熱が111.7J/gと高いた
めに柔軟性が不足し、包装性が劣ったものとなった。も
し、ヒートシール性を改良する為に、エチレン含量を少
なくしてTpmを高くし融解熱を大きくしようとすれ
ば、Run.No.6のフィルムの様な更に光学特性に
劣ったフィルムとなってしまい、又逆に光学特性や柔軟
性を改良するためにエチレン含量を増やせば耐熱性に劣
ったフィルムしか得られず、両者を満足できる領域がな
いことがこの実験から分かる。 【0063】以上のことから、ポリプロピレン系重合体
(A)がDSCにて測定した融解熱が15〜80J/g
で、融解ピーク温度(Tpm)が150℃以上である必
要性があることが分かる。 【0064】 【実施例4】S層としてEVA2にHLBが約13のポ
リオキシエチレン・ラウリルエステルを1.0重量%練
込んだものを、M層としてPE2に飽和のC12脂肪
酸:C10脂肪酸:C8脂肪酸=6:2:2の混合脂肪
酸とジグリセリンとのエステル(HLB=約6.5)を
2.0重量%練込んだものを、H層としてTPO2が6
0重量%とPB2が40重量%との組成物(Run.N
o.17)を用いて、3台の押出機でそれぞれ溶融混練
し、ダイリップ径が200mm、リップ開度が1.1m
mの多層サーキュラーダイ内でS/M/H/M/S(=
10%/25%/30%/25%/10%)の構成に積
層して吐出量15.0kg/hrで押出し、これを環状
のリップから温度が20℃の水を出して積層体を急冷固
化してチューブ状原反にし、これを折り畳んで引き取っ
た。この際にチューブ内に、S層に使用したHLBが約
13のポリオキシエチレン・ラウリルエステル10%水
溶液を封入した。 【0065】チューブ状原反(厚みが約140μm)は
再度空気を注入してツイスターで回転させながら雰囲気
温度が約120℃の加熱炉内を通して更に空気を吹き込
むことによってバブルを形成した。延伸倍率は縦方向
(MD)が4.2倍、横方向(TD)が3.1倍で、フ
ィルムの厚みは11μmであった。出来たフィルムを上
記方法で評価した。 【0066】同様にして、H層の組成物をTPO2:P
B2=40:60(重量比)に替えたもの(Run.N
o.18)、H層の組成物をTPO8:PB2=40:
60(重量比)に替えたもの(Run.No.19)、
H層の組成物をTPO9:PB2=40:60(重量
比)に替えたもの(Run.No.20)、H層のTP
O10:PB2=40:60(重量比)に替えたもの
(Run.No.21)について、層構成をS/M/H
/M/S=10%/20%/40%/20%/10%と
した他は同様な実験を繰り返した。 【0067】以上Run.No.17〜Run.No.
21の結果をまとめて表4に示す。Run.No.17
のフィルムは、Run.No.1のフィルムに比べ透明
性(HAZE=1.2%)、光沢性(GLOSS=13
5%)等光学特性が更に優れていた。また、Run.N
o.1のフィルムはハンド包装を行う際にフィルムの皺
を取り除くのにフィルムを強く引っ張る必要があった
が、Run.No.17のフィルムはRun.No.1
のフィルムに比べ簡単にフィルムの皺が取り除けた。
又、フィルムの引裂強度のMDとTDのバランスに優
れ、包装機でのカット刃によるカット性に優れ屑の発生
が少なかった。更に、防曇性も優れていた。 【0068】Run.No.19とRun.No.20
との比較において、Run.No.20はRun.N
o.19よりもMFRの大きなポリプロピレン系重合体
(A)を用いており、フィルムのMDの破断伸びや引裂
強度が大きくなって包装性に優れたフィルムであった。
尚、Run.No.18とRun.No.21との比較
において、Run.No.18のポリプロピレン系重合
体(TPO2)はTpm−Tim=12.2℃であり、
又Run.No.21のそれは16.4℃である。 【0069】Tpm−Timが16.4℃よりも更に大
きな値であるRun.No.21のフィルムはHAZE
=0.8%、GLOSS=142%と、Run.No.
18のフィルムのHAZE=1.8%、GLOSS=1
30%に比べ透明性、光沢性共に格段に優れていた。ま
た、Tpm−Timが16.4℃のRun.No.19
及び20のフィルムはHAZE=0.7%、GLOSS
=147%と、更に透明性、光沢性共に優れていた。 【0070】 【実施例5】実施例4、Run.No.20において、
S層の樹脂をPE3に替え(Run.No.22)、同
様にS層の樹脂をPE2に替えた(Run.No.2
3)他は、実施例4、Run.No.20と同様な実験
を繰り返した。 【0071】以上、Run.No.20、22及び23
の結果をまとめて表5に示す。以下、本発明のフィルム
の両表面層(S層)は、Tpmが100℃以下のポリオ
レフィン系樹脂からなることが好ましいことについて説
明する。S層の樹脂のTpmがRun.No.22は約
67℃とRun.No.20の90℃に比べ20℃以上
低く、従ってヒートシール性(ヒートシール下限温度=
75℃)が大幅に向上した。 【0072】これに対しRun.No.23のフィルム
はS層の樹脂のTpmが約98℃と高く、ヒートシール
性が若干低下した。尚、S層がエチレン−α・オレフィ
ン共重合体であるRun.No.22はS層がEVAで
あるRun.No.20に比べて引裂強度が大きく好ま
しいが、防曇性に劣っていた。又若干であるが透明性が
劣っていた(HAZE:Run.No.20=0.7
%、Run.No.22=0.9%)。 【0073】 【実施例6】実施例4、Run.No.21において、
H層をTPO10を40重量%、PB2を22重量%、
EVA2を13重量%、PE2を25重量%からなる組
成物とし、層の厚み比率をS/M/H/M/S=10%
/20%/40%/20%/10%とした他は、同様な
実験を繰り返した(Run.No.24)。 【0074】次に、実施例4、Run.No.21にお
いて、M層をPE2が70重量%、EVAが15重量
%、TPO10が6重量%、PB2が9重量%からなる
組成物とし、層の厚み比率をS/M/H/M/S=10
%/30%/20%/30%/10%とした他は、実施
例4、Run.No.21と同様な実験を繰り返した
(Run.No.25)。 【0075】以上、Run.No.21、24及び25
の結果をまとめて表6に示す。この実験は、フィルムを
回収して再利用する(リワーク)方法について検討した
ものである。Run.No.21は、リワークを全く行
わない場合であり、Run.No.24はH層に、Ru
n.No.25はM層にリワークを行った場合である。
リワークは、フィルム全体に対して約20重量%フィル
ムを回収して再利用(リワーク率=20%)場合につい
て実験した。 【0076】Run.No.24は、Run.No.2
1と比較して透明性(HAZE=0.9%)、光沢性
(GLOSS=140%)が若干劣るもののほぼ同等の
評価結果が得られた。Run.No.25は、Run.
No.24と同様に優れた特性を持ったフィルムであっ
た。 【0077】 【表1】【0078】 【表2】【0079】 【表3】【0080】 【表4】【0081】 【表5】【0082】 【表6】 【0083】 【発明の効果】本発明によれば、従来レベルの高衝撃、
高ヒートシール性、高ディスプレー性(具体的には透明
性、光沢性、防曇性)を維持しつつ、ストレッチ性をも
付与出来る耐熱性に優れた軟質ポリオレフィン樹脂組成
を用いることによって従来のフィルムに比べ格段に使
い勝手の良いフィルムを提供することが出来る。 【0084】尚本発明のフィルムは、ストレッチ包装用
途だけではなく、シュリンク包装用途や他の耐熱性と柔
軟性を要求される用途に有用に用いられることは言うま
でもない。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 耐熱層(H層)として、示差走査熱量計
    (DSC)にて測定した融解熱が15〜80J/gで、
    融解ピーク温度(Tpm)が150℃以上であるポリプ
    ロピレン系重合体(A)100重量部とポリ・1−ブテ
    ン系重合体(B)30〜400重量部とからなる軟質ポ
    リオレフィン樹脂組成物を含有し、両表面層(S層)と
    して、示差走査熱量計(DSC)にて測定した融解ピー
    ク温度(Tpm)が100℃以下のポリオレフィン系樹
    脂を含有することを特徴とする、包装用多層フィルム
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