JP3405405B2 - 制限透過膜及び制限透過膜の製造方法、並びに化学センサ及び化学センサの製造方法 - Google Patents
制限透過膜及び制限透過膜の製造方法、並びに化学センサ及び化学センサの製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体試料中に含ま
れる測定対象物質の透過を制限する制限透過膜及びその
製造方法、並びに前記制限透過膜を用いて液体試料中に
含まれる特定物質を識別し、係る特定物質の濃度を測定
する化学センサ及びその製造方法に関する。
れる測定対象物質の透過を制限する制限透過膜及びその
製造方法、並びに前記制限透過膜を用いて液体試料中に
含まれる特定物質を識別し、係る特定物質の濃度を測定
する化学センサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、液体試料中の特定成分の濃度を測
定する化学センサが広く利用されている。係る化学セン
サは、分子識別機能を有する部位(以下、「レセプタ」
という)と前記レセプタに起因した変化を電気信号に変
換する信号変換部位(以下、「トランスデューサ」とい
う)とを含み構成されている。
定する化学センサが広く利用されている。係る化学セン
サは、分子識別機能を有する部位(以下、「レセプタ」
という)と前記レセプタに起因した変化を電気信号に変
換する信号変換部位(以下、「トランスデューサ」とい
う)とを含み構成されている。
【0003】化学センサの中でも、生物材料(微生物、
酵素、抗体、細胞など)の分子認識機能を利用し、係る
生物材料をレセプタとして用いたのがバイオセンサであ
る。バイオセンサは、レセプタとして酵素・抗体・微生
物を、トランスデューサとして酸素電極や過酸化水素電
極などの電極又はトランジスタ等の半導体デバイスをそ
れぞれ用いて形成される。レセプタは特定の物質と選択
的に反応するため、例え液体試料中に種々の物質が混在
している場合であっても特定の物質としか反応しない。
トランスデューサは、レセプタと特定の物質との反応に
より得られた変化を電気信号に変換する。例えば、水溶
液中のグルコースを測定するグルコースセンサでは、レ
セプタとしてグルコースオキシダーゼ(グルコース酸化
酵素)、トランスデューサとしてPt製の過酸化酸素電
極をそれぞれ用いる。グルコースオキシダーゼは、架橋
材を用いて架橋されることにより、或いは天然又は合成
高分子のゲル又は半透膜で被覆されることにより固定化
され、膜中に存在する(ここで、グルコースオキシダー
ゼが固定化された膜を「酵素固定化膜」とする)。この
場合、水溶液中のグルコースは、酵素固定化膜中のグル
コースオキシダーゼによって酸化され、グルコン酸と過
酸化水素が生成する。 グルコース + O2 → グルコン酸 + H2O2 (式(1) ) 水溶液中の過酸化水素量が過酸化水素電極によって電流
値に変換されることにより、測定前後の過酸化水素量の
差からグルコースの濃度が決定される。同様の方法にて
グルコースの他、化学センサを用いることにより有機化
合物のみならず無機化合物やイオン等様々な物質を測定
することができる。
酵素、抗体、細胞など)の分子認識機能を利用し、係る
生物材料をレセプタとして用いたのがバイオセンサであ
る。バイオセンサは、レセプタとして酵素・抗体・微生
物を、トランスデューサとして酸素電極や過酸化水素電
極などの電極又はトランジスタ等の半導体デバイスをそ
れぞれ用いて形成される。レセプタは特定の物質と選択
的に反応するため、例え液体試料中に種々の物質が混在
している場合であっても特定の物質としか反応しない。
トランスデューサは、レセプタと特定の物質との反応に
より得られた変化を電気信号に変換する。例えば、水溶
液中のグルコースを測定するグルコースセンサでは、レ
セプタとしてグルコースオキシダーゼ(グルコース酸化
酵素)、トランスデューサとしてPt製の過酸化酸素電
極をそれぞれ用いる。グルコースオキシダーゼは、架橋
材を用いて架橋されることにより、或いは天然又は合成
高分子のゲル又は半透膜で被覆されることにより固定化
され、膜中に存在する(ここで、グルコースオキシダー
ゼが固定化された膜を「酵素固定化膜」とする)。この
場合、水溶液中のグルコースは、酵素固定化膜中のグル
コースオキシダーゼによって酸化され、グルコン酸と過
酸化水素が生成する。 グルコース + O2 → グルコン酸 + H2O2 (式(1) ) 水溶液中の過酸化水素量が過酸化水素電極によって電流
値に変換されることにより、測定前後の過酸化水素量の
差からグルコースの濃度が決定される。同様の方法にて
グルコースの他、化学センサを用いることにより有機化
合物のみならず無機化合物やイオン等様々な物質を測定
することができる。
【0004】しかしながら、前述した場合グルコースの
変換反応は水溶液中に溶け込んでいる酸素を消費して進
行するため、グルコースの濃度がある程度以上になる
と、過酸化酸素電極によって変換される電流値が飽和し
ていくために正確な濃度を測定できなくなる。すなわ
ち、前述したグルコースセンサにおいて、グルコースの
測定可能な濃度範囲は限られているおり、グルコースの
濃度がある濃度以上になると正確な濃度を検知できなく
なる。
変換反応は水溶液中に溶け込んでいる酸素を消費して進
行するため、グルコースの濃度がある程度以上になる
と、過酸化酸素電極によって変換される電流値が飽和し
ていくために正確な濃度を測定できなくなる。すなわ
ち、前述したグルコースセンサにおいて、グルコースの
測定可能な濃度範囲は限られているおり、グルコースの
濃度がある濃度以上になると正確な濃度を検知できなく
なる。
【0005】係る問題を解決するために用いられるのが
制限透過膜である。係る制限透過膜は酵素固定化膜の外
層に設けられ、測定対象物質の透過を制限する機能を有
する。すなわち、酵素固定化膜に到達する測定対象物質
の量を制限透過膜が制限することにより、より高濃度ま
での測定が可能になり、測定対象物質の測定可能な濃度
範囲を拡大することができる。従来、前記制限透過膜
は、アルブミン、セルロース等の多孔性物質を酵素固定
化膜上に塗布したり、ポリカーボネート、テフロン、セ
ロロース等の多孔性フィルムを貼付したりして形成され
ていた。
制限透過膜である。係る制限透過膜は酵素固定化膜の外
層に設けられ、測定対象物質の透過を制限する機能を有
する。すなわち、酵素固定化膜に到達する測定対象物質
の量を制限透過膜が制限することにより、より高濃度ま
での測定が可能になり、測定対象物質の測定可能な濃度
範囲を拡大することができる。従来、前記制限透過膜
は、アルブミン、セルロース等の多孔性物質を酵素固定
化膜上に塗布したり、ポリカーボネート、テフロン、セ
ロロース等の多孔性フィルムを貼付したりして形成され
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
制限透過膜を用いた従来の化学センサにおいては、次の
ような問題が生じていた。制限透過膜として前記多孔性
物質を用いた場合、制限透過膜の膜厚と膜質とを制御す
ることが難しいため、再現性が得られない。一方、制限
透過膜として前記多孔性フィルムを用いた場合、再現性
は良いものの、孔の大きさや密度の選択に限りがあり、
目的とする測定対象物質の濃度範囲で正確な測定結果を
得るのが困難である。また、係る孔は円筒状であるた
め、特に膜が厚い場合には、測定対象物質が酵素固定化
膜まで到達しにくく、酵素固定化膜に測定対象物質が到
達するまでに時間がかかるため、測定結果が得られるま
でに多くの時間を要していた。さらにこの場合、制限透
過膜の膜厚を薄くするためには極薄の多孔性フィルムを
貼付する必要がある。しかしながら、貼付する多孔性フ
ィルムの厚さには限界があり数μm以下にはできないた
め、トランスデューサに到達するまでの時間を短縮する
ことが難しい。すなわち、測定結果が得られるまでに要
する時間を短縮することができない。そのうえ、係る多
孔性フィルムの厚さが薄くなればなるほど酵素固定化膜
上に貼付するのが難しくなるため、生産性が低下すると
いう問題が生じていた。
制限透過膜を用いた従来の化学センサにおいては、次の
ような問題が生じていた。制限透過膜として前記多孔性
物質を用いた場合、制限透過膜の膜厚と膜質とを制御す
ることが難しいため、再現性が得られない。一方、制限
透過膜として前記多孔性フィルムを用いた場合、再現性
は良いものの、孔の大きさや密度の選択に限りがあり、
目的とする測定対象物質の濃度範囲で正確な測定結果を
得るのが困難である。また、係る孔は円筒状であるた
め、特に膜が厚い場合には、測定対象物質が酵素固定化
膜まで到達しにくく、酵素固定化膜に測定対象物質が到
達するまでに時間がかかるため、測定結果が得られるま
でに多くの時間を要していた。さらにこの場合、制限透
過膜の膜厚を薄くするためには極薄の多孔性フィルムを
貼付する必要がある。しかしながら、貼付する多孔性フ
ィルムの厚さには限界があり数μm以下にはできないた
め、トランスデューサに到達するまでの時間を短縮する
ことが難しい。すなわち、測定結果が得られるまでに要
する時間を短縮することができない。そのうえ、係る多
孔性フィルムの厚さが薄くなればなるほど酵素固定化膜
上に貼付するのが難しくなるため、生産性が低下すると
いう問題が生じていた。
【0007】本発明は、以上の従来技術における問題に
鑑みてなされたものである。本発明の目的は、目的とす
る測定対象物質の濃度範囲で正確な測定を行うことがで
き、且つ測定時間を短縮化できるうえ、歩留まり良好な
装置として得ることができる制限透過膜及び化学センサ
を提供することである。また、本発明の目的は、生産性
の向上を図ることができる制限透過膜の製造方法並びに
化学センサの製造方法を提供することである。
鑑みてなされたものである。本発明の目的は、目的とす
る測定対象物質の濃度範囲で正確な測定を行うことがで
き、且つ測定時間を短縮化できるうえ、歩留まり良好な
装置として得ることができる制限透過膜及び化学センサ
を提供することである。また、本発明の目的は、生産性
の向上を図ることができる制限透過膜の製造方法並びに
化学センサの製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め提供する本出願第1の発明は、液体試料中に含まれる
測定対象物質と選択的に反応するレセプタを含有してな
る機能性膜の外層に形成され、前記機能性膜へと貫通す
る孔が設けられてなり、前記孔は、底面部の開口面積よ
りも上面部の開口面積が大とされたお椀型をなすことを
特徴とする制限透過膜である。
め提供する本出願第1の発明は、液体試料中に含まれる
測定対象物質と選択的に反応するレセプタを含有してな
る機能性膜の外層に形成され、前記機能性膜へと貫通す
る孔が設けられてなり、前記孔は、底面部の開口面積よ
りも上面部の開口面積が大とされたお椀型をなすことを
特徴とする制限透過膜である。
【0009】本出願にいう底面部とは、第一義的には、
前記孔によって機能性膜が露出している部分をいう。ま
た、上面部とは、前記孔によって制限透過膜表面に形成
された開口部をいう。上記構成を有する本出願第1の発
明の制限透過膜によると、前記孔が、底面部の開口面積
よりも上面部の開口面積が大きく形成されてなることに
より、孔の底面部の開口面積と孔の上面部の開口面積と
がほぼ同じである孔を有する従来の制限透過膜と比較し
て、孔から測定対象物質を取りこみやすくなるため、測
定結果が得られるまでの時間を短縮することができる。
前記孔によって機能性膜が露出している部分をいう。ま
た、上面部とは、前記孔によって制限透過膜表面に形成
された開口部をいう。上記構成を有する本出願第1の発
明の制限透過膜によると、前記孔が、底面部の開口面積
よりも上面部の開口面積が大きく形成されてなることに
より、孔の底面部の開口面積と孔の上面部の開口面積と
がほぼ同じである孔を有する従来の制限透過膜と比較し
て、孔から測定対象物質を取りこみやすくなるため、測
定結果が得られるまでの時間を短縮することができる。
【0010】また、本出願第2の発明は、スペーサを含
有する疎水性樹脂からなる層を機能性膜表面に形成し乾
燥させた後前記スペーサを除去することにより、前記機
能性膜へと貫通する孔を有する制限透過膜を形成するこ
とを特徴とする制限透過膜の製造方法である。
有する疎水性樹脂からなる層を機能性膜表面に形成し乾
燥させた後前記スペーサを除去することにより、前記機
能性膜へと貫通する孔を有する制限透過膜を形成するこ
とを特徴とする制限透過膜の製造方法である。
【0011】上記構成を有する本出願第2の発明の制限
透過膜の製造方法によると、スペーサを含有する疎水性
樹脂からなる層を機能性膜表面に形成し乾燥させた後前
記スペーサを除去することにより、前記機能性膜へと貫
通する孔を有する制限透過膜を形成することで、散布す
るスペーサの数と大きさ、密度を任意に調節することが
できるため、制限透過膜における開口率を制御すること
ができる。また、機能性膜上に疎水性樹脂を塗布するこ
とにより制限透過膜を形成するため、目的とする膜厚が
容易に得ることができ且つ均一な膜厚を有する制限透過
膜を得ることができ、歩留まりの向上により生産性の向
上を図ることができる。以上により、測定可能な任意の
濃度範囲を有する制限透過膜を再現性良く得ることがで
きる。
透過膜の製造方法によると、スペーサを含有する疎水性
樹脂からなる層を機能性膜表面に形成し乾燥させた後前
記スペーサを除去することにより、前記機能性膜へと貫
通する孔を有する制限透過膜を形成することで、散布す
るスペーサの数と大きさ、密度を任意に調節することが
できるため、制限透過膜における開口率を制御すること
ができる。また、機能性膜上に疎水性樹脂を塗布するこ
とにより制限透過膜を形成するため、目的とする膜厚が
容易に得ることができ且つ均一な膜厚を有する制限透過
膜を得ることができ、歩留まりの向上により生産性の向
上を図ることができる。以上により、測定可能な任意の
濃度範囲を有する制限透過膜を再現性良く得ることがで
きる。
【0012】また、本出願第3の発明は、スペーサに電
荷を与えた後機能性膜上に散布し、しかる後に前記機能
性膜表面に疎水性樹脂を塗布し乾燥させた後前記スペー
サを除去することにより、前記機能性膜へと貫通する孔
を有する制限透過膜を形成することを特徴とすることを
特徴とする制限透過膜の製造方法である。
荷を与えた後機能性膜上に散布し、しかる後に前記機能
性膜表面に疎水性樹脂を塗布し乾燥させた後前記スペー
サを除去することにより、前記機能性膜へと貫通する孔
を有する制限透過膜を形成することを特徴とすることを
特徴とする制限透過膜の製造方法である。
【0013】上記構成を有する本出願第3の発明の制限
透過膜の製造方法によると、スペーサに電荷を与えた後
機能性膜上に散布し、しかる後に前記機能性膜表面に疎
水性樹脂を塗布し乾燥させた後前記スペーサを除去する
ことにより、スペーサを機能性膜上に均一に散布するこ
とができる。これにより、制限透過膜に孔を均一に形成
することができるため、均質な制限透過膜を得ることが
できる。
透過膜の製造方法によると、スペーサに電荷を与えた後
機能性膜上に散布し、しかる後に前記機能性膜表面に疎
水性樹脂を塗布し乾燥させた後前記スペーサを除去する
ことにより、スペーサを機能性膜上に均一に散布するこ
とができる。これにより、制限透過膜に孔を均一に形成
することができるため、均質な制限透過膜を得ることが
できる。
【0014】また、本出願第4の発明は、絶縁基板上に
トランスデューサが設けられ、前記トランスデューサ上
に機能性膜が形成されてなり、前記機能性膜は、液体試
料中に含まれる測定対象物質と選択的に反応するレセプ
タを含有してなり、前記トランスデューサは、前記レセ
プタが前記測定対象物質と反応することにより生じた変
化を電気信号に変換する機能を有し、前記機能性膜の外
層に制限透過膜が形成され、前記機能性膜へと貫通する
孔が前記制限透過膜に設けられ、前記孔は、底面部の開
口面積よりも上面部の開口面積が大とされたお椀型をな
すことを特徴とする化学センサである。
トランスデューサが設けられ、前記トランスデューサ上
に機能性膜が形成されてなり、前記機能性膜は、液体試
料中に含まれる測定対象物質と選択的に反応するレセプ
タを含有してなり、前記トランスデューサは、前記レセ
プタが前記測定対象物質と反応することにより生じた変
化を電気信号に変換する機能を有し、前記機能性膜の外
層に制限透過膜が形成され、前記機能性膜へと貫通する
孔が前記制限透過膜に設けられ、前記孔は、底面部の開
口面積よりも上面部の開口面積が大とされたお椀型をな
すことを特徴とする化学センサである。
【0015】上記構成を有する本出願第4の発明の化学
センサによると、前記機能性膜の外層に制限透過膜が形
成され、前記機能性膜へと貫通する孔が前記制限透過膜
に設けられてなることにより、機能性膜に到達する測定
対象物質の量を制限することができ、より高濃度までの
測定が可能になるため、測定対象物質の測定可能な濃度
範囲を拡大することができる。
センサによると、前記機能性膜の外層に制限透過膜が形
成され、前記機能性膜へと貫通する孔が前記制限透過膜
に設けられてなることにより、機能性膜に到達する測定
対象物質の量を制限することができ、より高濃度までの
測定が可能になるため、測定対象物質の測定可能な濃度
範囲を拡大することができる。
【0016】また、本出願第5の発明は、絶縁性基板上
にトランスデューサを形成し、続いて前記トランスデュ
ーサ上に機能性膜を形成し、しかる後に、スペーサを含
有する疎水性樹脂からなる層を機能性膜表面に形成し乾
燥させた後前記スペーサを除去することにより、前記機
能性膜へと貫通する孔を有する制限透過膜を形成するこ
とを特徴とする化学センサの製造方法である。
にトランスデューサを形成し、続いて前記トランスデュ
ーサ上に機能性膜を形成し、しかる後に、スペーサを含
有する疎水性樹脂からなる層を機能性膜表面に形成し乾
燥させた後前記スペーサを除去することにより、前記機
能性膜へと貫通する孔を有する制限透過膜を形成するこ
とを特徴とする化学センサの製造方法である。
【0017】上記構成を有する本出願第5の発明の化学
センサの製造方法によると、スペーサを含有する疎水性
樹脂からなる層を機能性膜表面に形成し乾燥させた後前
記スペーサを除去することにより、前記機能性膜へと貫
通する孔を有する制限透過膜を形成することで、散布す
るスペーサの数と大きさ、密度を任意に調節することが
できるため、制限透過膜における開口率を制御すること
ができる。また、機能性膜上に疎水性樹脂を塗布するこ
とにより制限透過膜を形成するため、目的とする膜厚が
容易に得ることができ且つ均一な膜厚を有する制限透過
膜を得ることができ、歩留まりの向上により生産性の向
上を図ることができる。以上により、測定可能な任意の
濃度範囲を有する化学センサを再現性良く得ることがで
きる。
センサの製造方法によると、スペーサを含有する疎水性
樹脂からなる層を機能性膜表面に形成し乾燥させた後前
記スペーサを除去することにより、前記機能性膜へと貫
通する孔を有する制限透過膜を形成することで、散布す
るスペーサの数と大きさ、密度を任意に調節することが
できるため、制限透過膜における開口率を制御すること
ができる。また、機能性膜上に疎水性樹脂を塗布するこ
とにより制限透過膜を形成するため、目的とする膜厚が
容易に得ることができ且つ均一な膜厚を有する制限透過
膜を得ることができ、歩留まりの向上により生産性の向
上を図ることができる。以上により、測定可能な任意の
濃度範囲を有する化学センサを再現性良く得ることがで
きる。
【0018】また、本出願第6の発明の化学センサは、
スペーサに電荷を与えた後機能性膜上に散布し、しかる
後に前記機能性膜表面に疎水性樹脂を塗布し乾燥させた
後前記スペーサを除去することにより、前記機能性膜へ
と貫通する孔を有する制限透過膜を形成することを特徴
とする。
スペーサに電荷を与えた後機能性膜上に散布し、しかる
後に前記機能性膜表面に疎水性樹脂を塗布し乾燥させた
後前記スペーサを除去することにより、前記機能性膜へ
と貫通する孔を有する制限透過膜を形成することを特徴
とする。
【0019】上記構成を有する本出願第6の発明の化学
センサの製造方法によると、スペーサに電荷を与えた後
機能性膜上に散布し、しかる後に前記機能性膜表面に疎
水性樹脂を塗布し乾燥させた後前記スペーサを除去する
ことにより、スペーサを機能性膜上に均一に散布するこ
とができる。これにより、制限透過膜に孔を均一に形成
することができるため、均質な制限透過膜を有する化学
センサを得ることができる。
センサの製造方法によると、スペーサに電荷を与えた後
機能性膜上に散布し、しかる後に前記機能性膜表面に疎
水性樹脂を塗布し乾燥させた後前記スペーサを除去する
ことにより、スペーサを機能性膜上に均一に散布するこ
とができる。これにより、制限透過膜に孔を均一に形成
することができるため、均質な制限透過膜を有する化学
センサを得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
制限透過膜及び化学センサ、並びにこれらの製造方法
を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施
の形態に係る制限透過膜及び化学センサを示す断面図で
ある。図2は、図1に示される本発明の一実施の形態に
係る制限透過膜の孔部分の拡大模式図である。図3は、
本発明の一実施の形態に係る制限透過膜及び化学センサ
の製造方法を示す断面図である。図4は、本発明の一実
施例に係る化学センサにおいて、制限透過膜の開口率と
測定により得られた電流値との関係を示す図である。
制限透過膜及び化学センサ、並びにこれらの製造方法
を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施
の形態に係る制限透過膜及び化学センサを示す断面図で
ある。図2は、図1に示される本発明の一実施の形態に
係る制限透過膜の孔部分の拡大模式図である。図3は、
本発明の一実施の形態に係る制限透過膜及び化学センサ
の製造方法を示す断面図である。図4は、本発明の一実
施例に係る化学センサにおいて、制限透過膜の開口率と
測定により得られた電流値との関係を示す図である。
【0021】本実施の形態に係る制限透過膜1は、図1
に示されるように、化学センサのセンシング部0に設け
られた機能性膜2の外層に形成されてなり、前記機能性
膜2へと貫通する孔4が設けられてなる。すなわち、図
1には、本実施の形態に係る制限透過膜1と、前記制限
透過膜1が設けられた化学センサのセンシング部0が示
されている。係る化学センサは、液体試料中に含まれる
測定対象物質と選択的に反応するレセプタを含有する機
能性膜2と、前記レセプタが前記測定対象物質と反応す
ることにより生じた変化を電気信号に変換するトランス
デューサ3とをセンシング部0に有してなる。係るトラ
ンスデューサ3は絶縁基板11上に設けられ、前記機能
性膜2は前記トランスデューサ3上に設けられ、前記ト
ランスデューサ3を覆うように形成されてなる。
に示されるように、化学センサのセンシング部0に設け
られた機能性膜2の外層に形成されてなり、前記機能性
膜2へと貫通する孔4が設けられてなる。すなわち、図
1には、本実施の形態に係る制限透過膜1と、前記制限
透過膜1が設けられた化学センサのセンシング部0が示
されている。係る化学センサは、液体試料中に含まれる
測定対象物質と選択的に反応するレセプタを含有する機
能性膜2と、前記レセプタが前記測定対象物質と反応す
ることにより生じた変化を電気信号に変換するトランス
デューサ3とをセンシング部0に有してなる。係るトラ
ンスデューサ3は絶縁基板11上に設けられ、前記機能
性膜2は前記トランスデューサ3上に設けられ、前記ト
ランスデューサ3を覆うように形成されてなる。
【0022】制限透過膜1は機能性膜2の外層に形成さ
れ、前記機能性膜2へと貫通する孔4が設けられてな
り、機能性膜2への測定対象物質の透過を制限する機能
を有する。すなわち、孔4が制限透過膜1に設けられて
いることで、機能性膜2に到達する測定対象物質の量を
制限透過膜1が制限され、より高濃度までの測定が可能
になるため、測定可能な測定対象物質の濃度範囲を拡大
することができる。また、前記制限透過膜1の厚さが
0.05μm未満である場合には、機械的強度が弱く、
温度変化や機械的なストレスを受けると前記膜が破れて
しまう危険性が高い。膜が破れると正確な濃度測定を行
うことができなくなる。一方、前記制限透過膜1の厚さ
が2μmより大きくなると、測定対象物質が制限透過膜
1の外側から孔4を介して機能性膜2に到達するまでの
時間が長くなり、測定時間が多くかかる。しかしなが
ら、前記制限透過膜1の厚さが0.05〜2μmである
ことにより、短時間で正確な濃度測定を行うことができ
る。制限透過膜1の厚さは、より好ましくは0.2〜
0.5μmである。また、係る制限透過膜1はシリコー
ンや、パーフルオロカーボンに代表されるフッ素系樹脂
等の疎水性樹脂からなる。ここで、疎水性樹脂とは、水
との接触角が90゜以上である樹脂をいう。
れ、前記機能性膜2へと貫通する孔4が設けられてな
り、機能性膜2への測定対象物質の透過を制限する機能
を有する。すなわち、孔4が制限透過膜1に設けられて
いることで、機能性膜2に到達する測定対象物質の量を
制限透過膜1が制限され、より高濃度までの測定が可能
になるため、測定可能な測定対象物質の濃度範囲を拡大
することができる。また、前記制限透過膜1の厚さが
0.05μm未満である場合には、機械的強度が弱く、
温度変化や機械的なストレスを受けると前記膜が破れて
しまう危険性が高い。膜が破れると正確な濃度測定を行
うことができなくなる。一方、前記制限透過膜1の厚さ
が2μmより大きくなると、測定対象物質が制限透過膜
1の外側から孔4を介して機能性膜2に到達するまでの
時間が長くなり、測定時間が多くかかる。しかしなが
ら、前記制限透過膜1の厚さが0.05〜2μmである
ことにより、短時間で正確な濃度測定を行うことができ
る。制限透過膜1の厚さは、より好ましくは0.2〜
0.5μmである。また、係る制限透過膜1はシリコー
ンや、パーフルオロカーボンに代表されるフッ素系樹脂
等の疎水性樹脂からなる。ここで、疎水性樹脂とは、水
との接触角が90゜以上である樹脂をいう。
【0023】孔4は制限透過膜1から前記機能性膜2へ
と貫通している(図2参照)。係る孔4は、孔4の底面
部10bの開口面積よりも、孔4の上面部10aの開口
面積が大きく形成されてなる。ここで、孔4の底面部1
0bとは、孔4によって機能性膜2が露出している部分
をいい、孔4の上面部10aとは、孔4によって制限透
過膜1表面に形成された開口部をいう。本実施の形態に
係る制限透過膜1においては、孔4の底面部10bの開
口面積よりも孔4の上面部10aの開口面積が大きく形
成されてなることにより、孔の底面部の開口面積と孔の
上面部の開口面積とがほぼ同じである孔を有する従来の
制限透過膜と比較して、孔から測定対象物質を取りこみ
やすくなるため、測定結果が得られるまでの時間を短縮
することができる。
と貫通している(図2参照)。係る孔4は、孔4の底面
部10bの開口面積よりも、孔4の上面部10aの開口
面積が大きく形成されてなる。ここで、孔4の底面部1
0bとは、孔4によって機能性膜2が露出している部分
をいい、孔4の上面部10aとは、孔4によって制限透
過膜1表面に形成された開口部をいう。本実施の形態に
係る制限透過膜1においては、孔4の底面部10bの開
口面積よりも孔4の上面部10aの開口面積が大きく形
成されてなることにより、孔の底面部の開口面積と孔の
上面部の開口面積とがほぼ同じである孔を有する従来の
制限透過膜と比較して、孔から測定対象物質を取りこみ
やすくなるため、測定結果が得られるまでの時間を短縮
することができる。
【0024】また、制限透過膜1における開口率を適宜
設定して制限透過膜1を作成することにより、測定可能
な測定対象物質の濃度範囲を設定することができる。本
実施の形態に係る制限透過膜1においては、前記開口率
が0.1〜0.5%になるように設置する。ここで、開
口率とは、制限透過膜1の表面積に対して、前記孔4に
よって機能性膜2が露出している部分の占める割合をい
う。また、測定範囲は開口率にほぼ比例するので、例え
ば開口率を1%にすれば測定範囲は約100倍に拡大す
る。
設定して制限透過膜1を作成することにより、測定可能
な測定対象物質の濃度範囲を設定することができる。本
実施の形態に係る制限透過膜1においては、前記開口率
が0.1〜0.5%になるように設置する。ここで、開
口率とは、制限透過膜1の表面積に対して、前記孔4に
よって機能性膜2が露出している部分の占める割合をい
う。また、測定範囲は開口率にほぼ比例するので、例え
ば開口率を1%にすれば測定範囲は約100倍に拡大す
る。
【0025】機能性膜2は、前述したようにレセプタを
含有してなる。レセプタとして用いられる物質として
は、例えば酵素、抗体、微生物等がある。例えば、レセ
プタが酵素である場合には、機能性膜2は一般にレセプ
タを固定化した膜(酵素固定化膜)として形成される。
含有してなる。レセプタとして用いられる物質として
は、例えば酵素、抗体、微生物等がある。例えば、レセ
プタが酵素である場合には、機能性膜2は一般にレセプ
タを固定化した膜(酵素固定化膜)として形成される。
【0026】トランスデューサ3は、前記レセプタが前
記測定対象物質と反応することにより生じた変化を電気
信号に変換する部位である。前記レセプタが前記測定対
象物質と反応することにより生じた変化とは、例えばレ
セプタと前記測定対象物質とが反応することにより生成
した物質に起因した電流値の変化や、前記反応に起因し
た発光による電流値の変化等をいう。トランスデューサ
3としては、例えば各種電極や半導体デバイス等を用い
る。本実施の形態においては、図1に示されるように、
トランスデューサ3が電極からなる場合を示す。すなわ
ち、図1において、トランスデューサ3は作用極31、
対極32、参照極33からなる。これらの電極は、各種
の金属が利用可能であるが、作用極31としては主に白
金(Pt)を用い、対極32・参照極33としては、白
金(Pt)、金(Au)、銀(Ag/AgCl)等を用
いる。また、絶縁基板11としては、例えばガラス基板
やプラスチック基板を用いる。
記測定対象物質と反応することにより生じた変化を電気
信号に変換する部位である。前記レセプタが前記測定対
象物質と反応することにより生じた変化とは、例えばレ
セプタと前記測定対象物質とが反応することにより生成
した物質に起因した電流値の変化や、前記反応に起因し
た発光による電流値の変化等をいう。トランスデューサ
3としては、例えば各種電極や半導体デバイス等を用い
る。本実施の形態においては、図1に示されるように、
トランスデューサ3が電極からなる場合を示す。すなわ
ち、図1において、トランスデューサ3は作用極31、
対極32、参照極33からなる。これらの電極は、各種
の金属が利用可能であるが、作用極31としては主に白
金(Pt)を用い、対極32・参照極33としては、白
金(Pt)、金(Au)、銀(Ag/AgCl)等を用
いる。また、絶縁基板11としては、例えばガラス基板
やプラスチック基板を用いる。
【0027】また、制限透過膜1と機能性膜2との間に
緩衝層を設けても良い。例えば、制限透過膜1がフッ素
系樹脂からなる場合には、フッ素系樹脂は柔軟性に乏し
いので、例えば制限透過膜が急激な温度変化に曝された
ような場合、制限透過膜1にクラックが発生する恐れが
ある。そこで、制限透過膜1と機能性膜2との間に前記
緩衝層を設けることにより、制限透過膜1上に生じるス
トレスを緩和することができ、クラックの発生の危険性
を低減させることができる。緩衝層としては、例えばシ
リコーン、セルロース等を用いる。
緩衝層を設けても良い。例えば、制限透過膜1がフッ素
系樹脂からなる場合には、フッ素系樹脂は柔軟性に乏し
いので、例えば制限透過膜が急激な温度変化に曝された
ような場合、制限透過膜1にクラックが発生する恐れが
ある。そこで、制限透過膜1と機能性膜2との間に前記
緩衝層を設けることにより、制限透過膜1上に生じるス
トレスを緩和することができ、クラックの発生の危険性
を低減させることができる。緩衝層としては、例えばシ
リコーン、セルロース等を用いる。
【0028】次に、本実施の形態に係る制限透過膜の製
造方法、並びに前記制限透過膜を用いた化学センサの製
造方法について、図3を参照して説明する。まず、絶縁
基板11上に作用極31及び対極32を形成する(図3
(a)参照)。この場合、図3(a)に示すように、参
照極33を設けてもよい。次に、これらの電極上に機能
性膜2を形成し、さらに、前記機能性膜2上に制限透過
膜1を形成する。まず、スペーサ5を含有させた疎水性
樹脂1aを前記機能性膜2上に積層させる。スペーサ5
は、化学的に安定であり、疎水性樹脂1aと反応しない
材料からなるものであればよく、例えばテフロンやガラ
ス、シリカ、エポキシ樹脂等からなる粒子を用いる。こ
の工程において、スペーサ5に電荷を与えた後に機能性
膜2上に散布してから疎水性樹脂1aを塗布してもよ
い。これにより、スペーサ5を機能性膜2上に均一に散
布することができるため、均質な膜を得ることができ
る。続いて、超音波洗浄機等を用いて、前記疎水性樹脂
1aを塗布した装置に振動を与えてスペーサ5を除去
し、スペーサ5が抜けた後に孔4が形成される。以上の
工程により制限透過膜1が得られる(図3(b)参
照)。係る制限透過膜1に形成された孔4は、図2に示
されるように、孔4の底面部10bの開口面積よりも、
孔4の上面部10aの開口面積が大きく形成されてな
る。図3(b)に示されるように、球形のスペーサ5を
用いた場合には得られる孔の形状はお椀型になる。ま
た、スペーサ5の径が制限透過膜1の5倍程度以上であ
れば、スペーサ5をほぼ完全に除去することができる。
散布するスペーサ5の数と大きさ、密度を任意に調節す
ることにより、制限透過膜1における開口率を制御する
ことができる。以上により、任意のダイナミックレンジ
を有する制限透過膜1、及び前記制限透過膜1を有する
化学センサを再現性良く得ることができる。また、機能
性膜2上に疎水性樹脂1aを塗布することにより制限透
過膜1を形成するため、目的とする膜厚が容易に得るこ
とができ且つ均一な膜厚を有する制限透過膜1を得るこ
とができ、歩留まりの向上により生産性の向上を図るこ
とができる。
造方法、並びに前記制限透過膜を用いた化学センサの製
造方法について、図3を参照して説明する。まず、絶縁
基板11上に作用極31及び対極32を形成する(図3
(a)参照)。この場合、図3(a)に示すように、参
照極33を設けてもよい。次に、これらの電極上に機能
性膜2を形成し、さらに、前記機能性膜2上に制限透過
膜1を形成する。まず、スペーサ5を含有させた疎水性
樹脂1aを前記機能性膜2上に積層させる。スペーサ5
は、化学的に安定であり、疎水性樹脂1aと反応しない
材料からなるものであればよく、例えばテフロンやガラ
ス、シリカ、エポキシ樹脂等からなる粒子を用いる。こ
の工程において、スペーサ5に電荷を与えた後に機能性
膜2上に散布してから疎水性樹脂1aを塗布してもよ
い。これにより、スペーサ5を機能性膜2上に均一に散
布することができるため、均質な膜を得ることができ
る。続いて、超音波洗浄機等を用いて、前記疎水性樹脂
1aを塗布した装置に振動を与えてスペーサ5を除去
し、スペーサ5が抜けた後に孔4が形成される。以上の
工程により制限透過膜1が得られる(図3(b)参
照)。係る制限透過膜1に形成された孔4は、図2に示
されるように、孔4の底面部10bの開口面積よりも、
孔4の上面部10aの開口面積が大きく形成されてな
る。図3(b)に示されるように、球形のスペーサ5を
用いた場合には得られる孔の形状はお椀型になる。ま
た、スペーサ5の径が制限透過膜1の5倍程度以上であ
れば、スペーサ5をほぼ完全に除去することができる。
散布するスペーサ5の数と大きさ、密度を任意に調節す
ることにより、制限透過膜1における開口率を制御する
ことができる。以上により、任意のダイナミックレンジ
を有する制限透過膜1、及び前記制限透過膜1を有する
化学センサを再現性良く得ることができる。また、機能
性膜2上に疎水性樹脂1aを塗布することにより制限透
過膜1を形成するため、目的とする膜厚が容易に得るこ
とができ且つ均一な膜厚を有する制限透過膜1を得るこ
とができ、歩留まりの向上により生産性の向上を図るこ
とができる。
【0029】
【実施例】続いて、図1に示される本実施の形態に係る
制限透過膜及び前記制限透過膜を用いた化学センサの一
実施例を示す。本実施例においては、化学センサの中で
も、水溶液中のグルコースの濃度を測定するグルコース
センサを作成した。係るグルコースセンサにおいては、
レセプタとして酵素(グルコースオキシダーゼ)を用
い、トランスデューサ3として電極を、機能性膜2とし
て前記酵素を固定化した酵素固定化膜を、及び絶縁基板
11としてガラス基板をそれぞれ用いた。電極は、作用
極31及び対極32としてPt電極、及び参照電極33
としてAg/AgCl電極を用いた。また、制限透過膜
1はパーフルオロカーボンから形成した。次に、本実施
例に係るグルコースセンサの濃度測定方法及び濃度測定
機構について説明する。
制限透過膜及び前記制限透過膜を用いた化学センサの一
実施例を示す。本実施例においては、化学センサの中で
も、水溶液中のグルコースの濃度を測定するグルコース
センサを作成した。係るグルコースセンサにおいては、
レセプタとして酵素(グルコースオキシダーゼ)を用
い、トランスデューサ3として電極を、機能性膜2とし
て前記酵素を固定化した酵素固定化膜を、及び絶縁基板
11としてガラス基板をそれぞれ用いた。電極は、作用
極31及び対極32としてPt電極、及び参照電極33
としてAg/AgCl電極を用いた。また、制限透過膜
1はパーフルオロカーボンから形成した。次に、本実施
例に係るグルコースセンサの濃度測定方法及び濃度測定
機構について説明する。
【0030】まず、液体試料中に前記グルコースセンサ
を浸漬させるか又は液体試料を感応部(センサにおいて
センシングが行われる部位)に滴下する。次に、参照電
極を基準として作用極に一定電位を印加する。係る電位
は0.6−0.8Vである。液体試料中のグルコースは
制限透過膜に設けられた孔から酵素固定化膜に侵入し、
酵素固定化膜内に拡散する。すなわち、酵素固定化膜の
断面積に対する孔の総面積の比の分だけグルコースが希
釈されたのと同じ効果が得られる。酵素固定化膜中でグ
ルコースは酵素(グルコースオキシダーゼ)によって、
グルコン酸とともに等量の過酸化水素に変換される。こ
のうち、過酸化水素は作用極であるPt電極に到達する
と、電極表面で酸化され作用極に電子を与える。すなわ
ち、生成する過酸化水素量に比例した酸化電流が流れ
る。また、過酸化水素量は液体試料中のグルコースの量
に比例するため、この電流値を測定することによりグル
コース濃度を定量することができる。前述の作用極に印
加する電位は、過酸化水素を効率良く酸化するために設
定されたものである。
を浸漬させるか又は液体試料を感応部(センサにおいて
センシングが行われる部位)に滴下する。次に、参照電
極を基準として作用極に一定電位を印加する。係る電位
は0.6−0.8Vである。液体試料中のグルコースは
制限透過膜に設けられた孔から酵素固定化膜に侵入し、
酵素固定化膜内に拡散する。すなわち、酵素固定化膜の
断面積に対する孔の総面積の比の分だけグルコースが希
釈されたのと同じ効果が得られる。酵素固定化膜中でグ
ルコースは酵素(グルコースオキシダーゼ)によって、
グルコン酸とともに等量の過酸化水素に変換される。こ
のうち、過酸化水素は作用極であるPt電極に到達する
と、電極表面で酸化され作用極に電子を与える。すなわ
ち、生成する過酸化水素量に比例した酸化電流が流れ
る。また、過酸化水素量は液体試料中のグルコースの量
に比例するため、この電流値を測定することによりグル
コース濃度を定量することができる。前述の作用極に印
加する電位は、過酸化水素を効率良く酸化するために設
定されたものである。
【0031】続いて、以下に示す工程により本実施例に
係るグルコースセンサを製造した。まず、ガラス基板上
にPt電極及びAg/AgCl参照電極を形成し、その
上にグルコースオキシダーゼを含む酵素固定化膜を形成
した。続いて、直径4μmのスペーサをパーフルオロカ
ーボン溶液とともに酵素固定化膜上に塗布し、膜厚0.
5μmの薄膜を形成した。続いて、超音波洗浄機で前記
センサに振動を与えてスペーサを除去することにより、
酵素固定化膜へと貫通する孔を前記薄膜に形成した。以
上の工程により、パーフルオロカーボンからなり、酵素
固定化膜へと貫通する孔を有する制限透過膜を酵素固定
化膜上に形成することにより、本実施例に係るグルコー
スセンサを作成した。また、用いるスペーサの添加量を
種々変えることにより、開口率が異なる制限透過膜を有
するグルコースセンサを作成し、これらのグルコースセ
ンサを用いて水溶液中のグルコースの濃度を測定した。
係るグルコースセンサを製造した。まず、ガラス基板上
にPt電極及びAg/AgCl参照電極を形成し、その
上にグルコースオキシダーゼを含む酵素固定化膜を形成
した。続いて、直径4μmのスペーサをパーフルオロカ
ーボン溶液とともに酵素固定化膜上に塗布し、膜厚0.
5μmの薄膜を形成した。続いて、超音波洗浄機で前記
センサに振動を与えてスペーサを除去することにより、
酵素固定化膜へと貫通する孔を前記薄膜に形成した。以
上の工程により、パーフルオロカーボンからなり、酵素
固定化膜へと貫通する孔を有する制限透過膜を酵素固定
化膜上に形成することにより、本実施例に係るグルコー
スセンサを作成した。また、用いるスペーサの添加量を
種々変えることにより、開口率が異なる制限透過膜を有
するグルコースセンサを作成し、これらのグルコースセ
ンサを用いて水溶液中のグルコースの濃度を測定した。
【0032】図4に、制限透過膜の開口率と、測定され
た電流値との関係を示す。測定した水溶液中のグルコー
スの濃度はいずれも2000mg/dlとした。図4に
よると、開口率が大きくなるにつれて測定される電流値
は飽和に近づいていくが、開口率が小さいうちは制限透
過膜の開口率と電流値は比例することがわかった。
た電流値との関係を示す。測定した水溶液中のグルコー
スの濃度はいずれも2000mg/dlとした。図4に
よると、開口率が大きくなるにつれて測定される電流値
は飽和に近づいていくが、開口率が小さいうちは制限透
過膜の開口率と電流値は比例することがわかった。
【図1】 本発明の一実施の形態に係る制限透過膜及び
化学センサのセンシング部における断面図である。
化学センサのセンシング部における断面図である。
【図2】 図1に示される本発明の一実施の形態に係る
制限透過膜の孔部分の拡大模式図である。
制限透過膜の孔部分の拡大模式図である。
【図3】 本発明の一実施の形態に係る制限透過膜及び
化学センサの製造方法を示す断面図である。
化学センサの製造方法を示す断面図である。
【図4】 本発明の一実施例に係る化学センサにおい
て、制限透過膜の開口率と、測定により得られた電流値
との関係を示す図である。
て、制限透過膜の開口率と、測定により得られた電流値
との関係を示す図である。
0 センシング部
1 制限透過膜
1a 疎水性樹脂
2 機能性膜
3 トランスデューサ
4 孔
5 スペーサ
10a 上面部
10b 底面部
11 絶縁基板
31 作用極
32 対極
33 参照極
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G01N 27/327
Claims (6)
- 【請求項1】液体試料中に含まれる測定対象物質と選択
的に反応するレセプタを含有してなる機能性膜の外層に
形成され、前記機能性膜へと貫通する孔が設けられてな
り、前記孔は、底面部の開口面積よりも上面部の開口面積が
大とされたお椀型をなす ことを特徴とする制限透過膜。 - 【請求項2】スペーサを含有する疎水性樹脂からなる層
を機能性膜表面に形成し乾燥させた後前記スペーサを除
去することにより、前記機能性膜へと貫通する孔を有す
る制限透過膜を形成することを特徴とする制限透過膜の
製造方法。 - 【請求項3】スペーサに電荷を与えた後機能性膜上に散
布し、しかる後に前記機能性膜表面に疎水性樹脂を塗布
し乾燥させた後前記スペーサを除去することにより、前
記機能性膜へと貫通する孔を有する制限透過膜を形成す
ることを特徴とする制限透過膜の製造方法。 - 【請求項4】絶縁基板上にトランスデューサが設けら
れ、前記トランスデューサ上に機能性膜が形成されてな
り、 前記機能性膜は、液体試料中に含まれる測定対象物質と
選択的に反応するレセプタを含有してなり、 前記トランスデューサは、前記レセプタが前記測定対象
物質と反応することにより生じた変化を電気信号に変換
する機能を有し、 前記機能性膜の外層に制限透過膜が形成され、前記機能
性膜へと貫通する孔が前記制限透過膜に設けられ、前記
孔は、底面部の開口面積よりも上面部の開口面積が大と
されたお椀型をなすことを特徴とする化学センサ。 - 【請求項5】絶縁性基板上にトランスデューサを形成
し、続いて前記トランスデューサ上に機能性膜を形成
し、しかる後に、スペーサを含有する疎水性樹脂からな
る層を機能性膜表面に形成し乾燥させた後前記スペーサ
を除去することにより、前記機能性膜へと貫通する孔を
有する制限透過膜を形成することを特徴とする化学セン
サの製造方法。 - 【請求項6】スペーサに電荷を与えた後機能性膜上に散
布し、しかる後に前記機能性膜表面に疎水性樹脂を塗布
し乾燥させた後前記スペーサを除去することにより、前
記機能性膜へと貫通する孔を有する制限透過膜を形成す
ることを特徴とする化学センサの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21594099A JP3405405B2 (ja) | 1999-07-29 | 1999-07-29 | 制限透過膜及び制限透過膜の製造方法、並びに化学センサ及び化学センサの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21594099A JP3405405B2 (ja) | 1999-07-29 | 1999-07-29 | 制限透過膜及び制限透過膜の製造方法、並びに化学センサ及び化学センサの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001041919A JP2001041919A (ja) | 2001-02-16 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21594099A Expired - Fee Related JP3405405B2 (ja) | 1999-07-29 | 1999-07-29 | 制限透過膜及び制限透過膜の製造方法、並びに化学センサ及び化学センサの製造方法 |
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|---|---|
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|---|---|---|---|---|
| DE10296998T5 (de) * | 2001-07-24 | 2004-05-27 | Nec Corp. | Enzymelektrode und Verfahren zum Herstellen derselben |
| US7813780B2 (en) * | 2005-12-13 | 2010-10-12 | Medtronic Minimed, Inc. | Biosensors and methods for making and using them |
| GB0409809D0 (en) * | 2004-05-01 | 2004-06-09 | Univ Cranfield | Sensor devices |
-
1999
- 1999-07-29 JP JP21594099A patent/JP3405405B2/ja not_active Expired - Fee Related
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