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JP3408626B2 - スペクトルデータからのバックグラウンドノイズ除去方法 - Google Patents
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JP3408626B2 - スペクトルデータからのバックグラウンドノイズ除去方法 - Google Patents

スペクトルデータからのバックグラウンドノイズ除去方法

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JP3408626B2 JP12572894A JP12572894A JP3408626B2 JP 3408626 B2 JP3408626 B2 JP 3408626B2 JP 12572894 A JP12572894 A JP 12572894A JP 12572894 A JP12572894 A JP 12572894A JP 3408626 B2 JP3408626 B2 JP 3408626B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバックグラウンドノイズ
除去方法、特に輝線スペクトルデータからの効率的なバ
ックグラウンドノイズ除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スペクトルデータの信号/ノイズ比を改
善する一般的な方法として、サビツキー(Savitzky)及
びゴレイ(Golay)により提案されたものがあり、これ
は最小二乗法に基づく多項曲線近似法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このノ
イズ除去法は、信号及びノイズの統計学的特性を考慮し
なければ、ノイズを抑制するというよりもむしろ信号の
波形を劣化を引起こしてしまう場合がある。従来のノイ
ズ除去法を適用した場合の主な問題点としては、スペク
トル線の拡大と位相シフトが挙げられる。強いバックグ
ラウンドノイズ上に弱い信号ピークを検出した場合に
は、これらの問題点を確実に除去しなければならず、こ
のような場合としては、FT−ラマン分光法及び原子発
光分光法などのデータ処理過程が挙げられる。河田及び
南らにより開発されたノイズ除去方法(Appl.Spectros
c.38,49(1984))は、この点を改善するものであるが、
そのノイズ除去効率は低く、他の従来法と同じ程度のも
のであった。本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされ
たものであり、その目的は信号波形の劣化を伴うことな
く、バックグラウンドノイズを除去することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明にかかるスペクトルデータからのバックグラウ
ンドノイズ除去方法は、巡回行列作成工程と、特異値分
解工程と、スペクトル再生工程を備える。そして、巡回
行列作成工程では、スペクトルデータに基づくn点のイ
ンターフェログラムから大きさn×p(p<n)の巡回行
列Xを作成する。特異値分解工程では、前記巡回行列X
に特異値分解を施し、所定の値以上の値を持つL(<p)
個の特異値に相当する行列成分Sを抽出する。スペクト
ル再生工程では、行列Sの各列ベクトルを巡回的にシフ
トさせた行列の各行の平均値から得られるn点のインタ
ーフェログラムにより、ノイズが除去されたスペクトル
を得る。
【0005】なお、本発明においては、輝線スペクトル
データを対称に折返してn点のデータとするデータ調整
工程と、フーリエ変換によりn点の対称インターフェロ
グラムデータを得るフーリエ変換工程と、を含み、該フ
ーリエ変換工程の出力を前記巡回行列作成工程のインタ
ーフェログラムとして用いることが好適である。また、
特異値を選択することにより、対応する特定の輝線信号
を抽出することが好適である。また、pがn/8≦p≦
n/3であることが好適である。
【0006】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の好適な実施例を
説明する。本実施例においては、輝線スペクトルからバ
ックグラウンドノイズを除去するため、次の3ステップ
を要件とする。
【0007】巡回行列作成工程:輝線スペクトルデー
タのフーリエ変換により得られた第1列を有する巡回行
列の作成。 特異値分解工程:バックグラウンドノイズを除去する
ための特異値分解(SVD)の適用。 スペクトル再生工程:行列からのラインスペクトルの
再生。 以下、各工程を説明する。
【0008】巡回行列作成工程 スペクトルのサンプルポイントの数(巡回行列の行)
は、第2段階で要求されるSVD工程の計算時間を削減
するため、できるだけ小さくすべきである。このため、
全スペクトルの内の小さい特定部分を抽出する(図1
(a))。この部分スペクトル(n/2点)は、対称に
折返され、n点のサンプルのインターフェログラムを得
るためにフーリエ変換される(図1(b))。なお、ス
ペクトルの折返しを行なわないと、フーリエ変換により
虚数部分が生じるので、後のデータ処理が複雑になる。
【0009】このインターフェログラムデータを用い
て、n×pの行列Xを構成する(図1(c))。この行
列Xは、各列ベクトルが一つ前の列に対して一つづつ下
方にずれて巡回するように構成されている。図において
{xk}(k=1,2,…n)がインターフェログラム
のサンプルバージョンである。行列Xの列の数p(<
n))は適宜選択される第1パラメータである。
【0010】SVD工程 図2に示されるように、n×pの巡回行列をX=UDV
t=TVtに再構成する。ここで、U及びVはそれぞれn
×n及びp×pのユニタリー行列であり、Dはn×pの
対角行列である。この対角行列の対角成分は行列Xの特
異値である。行列T及びVは変量解析の分野でそれぞれ
スコア行列及びローディング行列と呼ばれている。これ
らの特異値に対応させて、行列Xを、階数1のL個の行
列Xi(i=1,2,…,L)及びXi(i=L+1,
…,p)に分解する。そして、最初の行列を統合して行
列Sと残りを行列Eとする。最初のスペクトルの信号成
分は行列Sに濃縮され、ノイズ成分は行列Eに濃縮され
る。従って、当初の行列Xの代りに行列Sを以後の計算
に用いれば、バックグラウンドノイズ成分を効率的に除
去することができる。Lの値は、行列Xの階数と同じで
ある。最初のスペクトルがM本の輝線からなるときに
は、L=2Mとする。これは1本の輝線は、行列Xにお
いて階数2(インターフェログラム中のサイン、コサイ
ン項に相当する)となることによる。本実施例において
は、Lの値は適当なスレッショルドレベルを設けて特異
値分析を行なうことにより決定している。このLは適宜
選択される第2のパラメータである。
【0011】本実施例においては、非線形反復部分最小
二乗法(NIPALS)法を、SVDの実施のために、
採用している。これはコンピュータによる計算に適合し
やすいためである。このNIPALSは、すべての特異
値を一度に計算するのではなく、最も大きい値から最も
小さい値へ、順次計算を行なうものである。このため、
対応する特異値を選択することにより、すべてのスペク
トルから特定の輝線のみを選択することも可能となる。
【0012】スペクトルの再構成 図1に示す工程とちょうど逆の工程をたどって、n×p
の行列Sから、バックグラウンドノイズが除去されたイ
ンターフェログラムを得る。行列Sのi番目(2≦i≦
p)の列ベクトルは、上方にi個、巡回的にシフトす
る。そして、行列の各行ベクトルの平均の計算により、
nサンプル点のインターフェログラムを得ることができ
る。このようにして得た、インターフェログラムデータ
に対して逆フーリエ変換を施すことによりバックグラウ
ンドノイズが除去されたスペクトルを得ることができ
る。
【0013】次に、本発明にかかる方法を、FT−ラマ
ン分光法により得られた四塩化炭素の実際のスペクトル
データに適用した場合について説明する。図3(a)
は、FT−ラマン分光分析計(日本分光株式会社製RF
T−200)により分解能3.86cm-1で測定したスペ
クトルが示されている。波数域は112.0〜602.
0cm-1に限定しており、スペクトルのサンプルポイント
数はn/2=128に選択されている。本発明にかかる
方法の有用性を検討するため、励起のためのレーザーパ
ワー出力は故意に減少させてS/N比を低下させた。図
3(b)には、本発明にかかる方法を適用した結果が示
されている。用いられたパラメータはL=10、p=6
0である。比較のため、従来のサビツキー−ゴレイのフ
ィルター(二次三次多項式,11ポイント)を用いたノ
イズ除去スペクトルを図3(c)に示す。従来法に比較
して、本発明の方法の優位性は明らかである。従来のノ
イズ除去方法においてしばしば問題となるスペクトルピ
ーク幅拡がりは、本発明の方法には観察されない。図3
(d)は行列Sの代りにノイズ行列Eからバックグラウ
ンドノイズを算出した結果である。本発明にかかる方法
は線形であるため、図3(b)及び図3(d)の二つの
スペクトルを足したものが図3(a)と同一のスペクト
ルとなる。図4は、特異値と特異値の指数の関係をプロ
ットしたものである。大きな特異値はL≦6で得られる
が、これは起源スペクトルが3つの明瞭なピーク(M=
3)を有するためである。スレッショルドレベルを特異
値プロットの急激な変化部分に設定すれば、Lの値は8
になる。
【0014】Lの値をいろいろと変化させて再構成され
たスペクトルが図5(a)〜(i)に示されている。L
の値の増加に伴い、新たな輝線が次々と現れ、次に各ス
ペクトルの微細構造が現れる。L=p(図5(i))の
場合は、X=Sとなるため、最初のスペクトルとまった
く同一のスペクトルが再構成されてしまう。図5(j)
には、L=3及びL=4の成分からスペクトルを構成し
た例が示されている。この結果は、全スペクトルから特
定の輝線のみを抽出可能であることを示している。
【0015】図6は第2パラメータpの結果への影響を
示している。ここでは図3(a)に示したスペクトルデ
ータと同一のものを用いている。第1パラメータLは8
に固定している。これらの結果などから、経験的にpの
値は概略n/8≦p≦n/3が好適であることを見出し
た。原理的には、本発明にかかる方法は信号及びノイズ
の統計学的な性質にかかわりなく、あらゆる波形に適用
できる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる方法
によれば、巡回行列にSVD法を適用することにより、
効率的に且つデジタル的にスペクトルデータからのノイ
ズ除去を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の巡回行列作成工程の説明図である。
【図2】本発明の特異値分解工程の説明図である。
【図3】本発明のスペクトル再生工程の説明図である。
【図4】本発明における特異値と特異指数の関係の説明
図である。
【図5】L値の設定と再生スペクトルとの関係の説明図
である。
【図6】p値の設定と再生スペクトルとの関係の説明図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−280226(JP,A) 特開 平6−331440(JP,A) APPLIED SPECTROSC OPY,1994年,Vol.48,No. 12,p.1453−1456 J.Magn.Reson.,1987 年,Vol.71,No.2,p.371− 378 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 3/00 - 3/52 G01N 21/00 - 21/61 JICSTファイル(JOIS) Web of Science

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペクトルデータに基づくn点のインタ
    ーフェログラムから大きさn×p(p<n)の巡回行列X
    を作成する巡回行列作成工程と、 前記巡回行列Xに特異値分解を施し、所定の値以上の値
    を持つL(<p)個の特異値に相当する行列成分Sを抽出
    する特異値分解工程と 前記行列Sの各列ベクトルを巡回的にシフトさせた行列
    の各行の平均値から得られるn点のインターフェログラ
    ムにより、ノ イズが除去されたスペクトルを得るスペク
    トル再生工程と、 を備えることを特徴とするスペクトルデータからのバッ
    クグラウンドノイズ除去方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、 輝線スペクトルデータを対称に折返してn点のデータと
    するデータ調整工程と、 フーリエ変換によりn点の対称インターフェログラムデ
    ータを得るフーリエ変換工程と、を含み、該フーリエ変
    換工程の出力を前記巡回行列作成工程のインターフェロ
    グラムとして用いることを特徴とするスペクトルデータ
    からのバックグラウンドノイズ除去方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の方法において、
    特異値を選択することにより、対応する特定の輝線信号
    を抽出することを特徴とするスペクトルデータからのバ
    ックグラウンドノイズ除去方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    おいて、pがn/8≦p≦n/3であることを特徴とす
    るスペクトルデータからのバックグラウンドノイズ除去
    方法。
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CN111027414B (zh) * 2019-11-21 2024-01-05 五邑大学 Hankel矩阵结构优化方法、装置、计算设备和存储介质
CN116541657A (zh) * 2023-04-26 2023-08-04 湖北工业大学 基于小波变换和优化奇异值分解的紫外光谱去噪方法、系统、设备及介质

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
APPLIED SPECTROSCOPY,1994年,Vol.48,No.12,p.1453−1456
J.Magn.Reson.,1987年,Vol.71,No.2,p.371−378

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