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JP3422288B2 - 氷蓄熱装置 - Google Patents
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JP3422288B2 - 氷蓄熱装置 - Google Patents

氷蓄熱装置

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JP3422288B2
JP3422288B2 JP19715799A JP19715799A JP3422288B2 JP 3422288 B2 JP3422288 B2 JP 3422288B2 JP 19715799 A JP19715799 A JP 19715799A JP 19715799 A JP19715799 A JP 19715799A JP 3422288 B2 JP3422288 B2 JP 3422288B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタティック型の
氷蓄熱装置に関し、特に、冷熱の取り出し性能の向上策
に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、蓄熱槽に貯留した水等の蓄熱
媒体を冷却して凍らせ、蓄熱媒体の潜熱として冷熱を蓄
える氷蓄熱装置が知られている。近年、氷蓄熱装置は、
空調機と組み合わせて利用されている。つまり、夜間に
製氷を行って冷熱を蓄える一方、昼間には蓄えた冷熱を
利用して冷房運転を行う。このような運転により、安価
な深夜電力を利用することにより空調機の運転コストを
低減すると共に、夜間と昼間の電力需要の平準化を図っ
ている。
【0003】氷蓄熱装置としては、特開平7−3014
38号公報に開示されているような、いわゆるスタティ
ック型で内融方式を採用するものが知られている。この
種の蓄熱装置では、蓄熱槽内に水等の蓄熱媒体を貯留す
る一方、蓄熱槽内に伝熱管を配置している。そして、製
氷時には、冷凍機等で冷却した熱媒体を伝熱管に流し、
蓄熱槽の蓄熱媒体を凍らせる。一方、冷熱の利用時に
は、凍結した蓄熱媒体、即ち氷化物によって伝熱管の熱
媒体を冷却し、冷却した熱媒体を室内熱交換器等に搬送
して冷房等を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示されているような氷蓄熱装置では、冷熱を取り
出す利用運転を継続すると、冷熱の取り出し性能が急激
に低下するという問題がある。以下、この問題について
説明する。
【0005】先ず、冷熱を蓄える蓄熱時には、冷却した
熱媒体を伝熱管に流して製氷を行うため、蓄熱媒体は伝
熱管の周囲から凍結してゆく。一方、冷熱の利用時に
は、熱媒体を伝熱管内に流して蓄熱媒体と熱交換させる
ため、蓄熱媒体は伝熱管の周囲から融解してゆく。従っ
て、利用運転の開始当初には氷化物と伝熱管とが接触状
態にあり、伝熱管内の熱媒体は該伝熱管のみを介して氷
化物と熱交換する。
【0006】これに対し、利用運転が進行すると、伝熱
管の周囲の氷化物が融けて伝熱管と氷化物の間に隙間が
生じ、伝熱管内の熱媒体は伝熱管と液相の蓄熱媒体の両
方を介して氷化物と熱交換しなければならない。また、
伝熱管と氷化物の間に隙間が生じた場合、伝熱管と氷化
物の間の伝熱は該隙間に存在する液相の蓄熱媒体の自然
対流により行われる。このため、伝熱管内の熱媒体と氷
化物との熱交換量が減少し、冷熱取り出し性能の低下を
招いていた。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、氷蓄熱装置におい
て、冷熱の利用時における冷熱取り出し性能の低下を防
止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】−解決手段− 本発明が講じた第1の解決手段は、蓄熱媒体を貯留する
蓄熱槽(31)と、該蓄熱槽(31)の内部に配置された伝
熱管(41)とを備え、伝熱管(41)を流れる熱 媒体で蓄
熱媒体を冷却して製氷を行う運転と、伝熱管(41)を流
れる熱媒体を蓄熱槽(31)内の氷で冷却して冷熱を取り
出す運転とを行う氷蓄熱装置を対象とする。そして、蓄
熱槽(31)内で伝熱管(41)を固定する固定部材(60)
と、該固定部材(60)に取り付けられて上記伝熱管(4
1)の近傍へ空気を供給するエア配管(50)とを備える
一方、上記伝熱管(41)は、直線状の直管部(42)を備
えると共に、該直管部(42)が略鉛直方向となる姿勢で
設けられ、上記エア配管(50)は、空気が冷熱の取出し
時に伝熱管(41)と氷(32)の間に生じた隙間(33)へ
流入して該隙間(33)の内部を伝熱管(41)の直管部
(42)に沿って浮力によって流動するように、上記直管
部(42)の下端部の近傍へ空気を供給しているものであ
る。
【0009】本発明が講じた第2の解決手段は、上記第
1の解決手段において、伝熱管(41)を架橋ポリエチレ
ン管により構成するものである。
【0010】本発明が講じた第3の解決手段は、上記第
1の解決手段において、固定部材(60)は、伝熱管(4
1)の直管部(42)と直交する姿勢で設けられて該直管
部(42)を支持するように構成されるものである。
【0011】本発明が講じた第4の解決手段は、蓄熱媒
体を貯留する蓄熱槽(31)と、該蓄熱槽(31)の内部に
配置された伝熱管(41)とを備え、伝熱管(41)を流れ
る熱媒体で蓄熱媒体を冷却して製氷を行う運転と、伝熱
管(41)を流れる熱媒体を蓄熱槽(31)内の氷で冷却し
て冷熱を取り出す運転とを行う氷蓄熱装置を対象として
いる。そして、 上記蓄熱槽(31)内で伝熱管(41)を
固定する固定部材(60)と、 該固定部材(60)に取り
付けられて上記伝熱管(41)の近傍へ空気を供給するエ
ア配管(50)とを備える一方、 上記伝熱管(41)は、
直線状の直管部(42)を備え、上記固定部材(60)は、
伝熱管(41)の直管部(42)と直交する姿勢で設けられ
て該直管部(42)を支持するように構成され、エア配管
(50)は、固定部材(60)に沿って伝熱管(41)の直管
部(42)と接触する状態で設けられると共に、上記エア
配管(50)には、空気を吹き出す吹出孔(51)が直管部
(42)に対応して形成されるものである。
【0012】本発明が講じた第5の解決手段は、上記
,第4の解決手段において、伝熱管(41)は、複数の
直管部(42)と各直管部(42)を繋ぐ半円弧状の曲管部
(43,44)とを備えて蛇行する形状とされるものであ
る。
【0013】本発明が講じた第6の解決手段は、上記
の解決手段において、エア配管(50)は、固定部材
(60)に沿って伝熱管(41)の直管部(42)と接触する
状態で設けられると共に、上記エア配管(50)には、下
方に向かって開口して空気を吹き出す吹出孔(51)が直
管部(42)に対応して形成されるものである。
【0014】本発明が講じた第7の解決手段は、上記
の解決手段において、固定部材(60)は、伝熱管(4
1)の直管部(42)の長手方向に複数設けられ、エア配
管(50)は、最も下に位置する固定部材(60)に設けら
れるものである。
【0015】本発明が講じた第8の解決手段は、上記
,第4,第5の解決手段において、固定部材(60)
は、板状に形成されると共に、上記固定部材(60)の側
部には、該固定部材(60)の側面から円弧状に切り欠い
て伝熱管(41)の直管部(42)がはまり込む支持孔(6
1)が形成されるものである。
【0016】本発明が講じた第9の解決手段は、上記第
5の解決手段において、伝熱管(41)は、複数の直管部
(42)が同一平面上に位置するように形成され、蓄熱槽
(31)には、複数の伝熱管(41)が所定間隔をおいて設
けられる一方、固定部材(60)は、板状に形成されて上
記伝熱管(41)の間に一つおきに設けられると共に、上
記固定部材(60)の両側部には固定部材(60)の側面か
ら円弧状に切り欠いて上記直管部(42)がはまり込む支
持孔(61)が直管部(42)に対応してそれぞれ形成さ
れ、隣接する二つの伝熱管(41)の直管部(42)を支持
するように構成されるものである。
【0017】本発明が講じた第10の解決手段は、上記
第8,第9の解決手段において、固定部材(60)の支持
孔(61)は、該固定部材(60)の側面における開口幅が
伝熱管(41)の直管部(42)の直径よりもやや狭くなる
ように形成されるものである。
【0018】本発明が講じた第11の解決手段は、上記
第10の解決手段において、固定部材(60)における支
持孔(61)の両側には、該固定部材(60)の側面から固
定部材(60)の幅方向に延びるスリット(62)が一つず
つ形成されるものである。
【0019】−作用− 上記第1,第4の解決手段では、冷凍機等の冷熱源で冷
却した熱媒体を伝熱管(41)へ送り込んで製氷を行う。
即ち、蓄熱槽(31)内の蓄熱媒体が伝熱管(41)の熱媒
体と熱交換して冷却され、伝熱管(41)の周囲で蓄熱媒
体が凍結して氷化物が生成する。そして、蓄熱媒体の冷
却を継続すると氷化物が成長し、冷熱源からの冷熱が蓄
熱媒体の潜熱として蓄熱槽(31)内に蓄えられる。
【0020】また、蓄えた冷熱を利用する場合、伝熱管
(41)に熱媒体を流通させ、蓄熱槽(31)内の氷化物で
熱媒体を冷却して冷熱を取り出す。その際、伝熱管(4
1)の周囲から氷化物が融解してゆく。このため、伝熱
管(41)と氷化物との間に融解した蓄熱媒体が介在する
状態となり、この液相の蓄熱媒体が氷化物(32)と熱媒
体との熱交換の妨げとなる。これに対し、これらの解決
手段では、エア配管(50)によって伝熱管(41)の近傍
へ空気を供給している。つまり、伝熱管(41)と氷化物
との間の液相中に空気が送り込まれる。そして、該液相
中で空気が流動することによって強制対流が生じ、氷化
物(32)と熱媒体との間の伝熱が促進される。
【0021】更に、第1の解決手段では、直管部(42)
がほぼ鉛直姿勢となるように伝熱管(41)が設置され
る。この場合、冷熱を取り出す際にエア配管(50)によ
って供給された空気は、伝熱管(41)と氷化物の間の液
相内を直管部(42)に沿って流れる。つまり、供給され
た空気は、浮力により上方へ向かって流動する。
【0022】一方、第4の解決手段では、伝熱管(41)
の直管部(42)と接触する状態でエア配管(50)が設置
され、該エア配管(50)に形成された吹出孔(51)から
空気が吹き出される。つまり、伝熱管(41)に近接して
設けられたエア配管(50)によって、伝熱管(41)の直
管部(42)の近傍に空気が供給される。
【0023】上記第2の解決手段では、伝熱管(41)が
架橋ポリエチレン管で構成される。即ち、伝熱管(41)
は、金属ではなく、柔軟性、可撓性を有する材料によっ
て構成される。尚、架橋ポリエチレン管は、架橋ポリエ
チレンのみから成る単層のものでもよく、外周部に非架
橋層が設けられた二層のものであってもよい。
【0024】上記第3の解決手段では、固定部材(60)
が直管部(42)を支持することによって伝熱管(41)を
固定する。また、固定部材(60)は直管部(42)と直交
する姿勢で配置される。従って、直管部(42)が複数の
場合であっても、一つの固定部材(60)によって各直管
部(42)が支持される。
【0025】上記第5の解決手段では、伝熱管(41)が
所定の形状とされる。つまり、伝熱管(41)は、直管部
(42)と曲管部(43,44)とが交互に繰り返し形成さ
れ、蛇行する形状とされる。
【0026】上記第6の解決手段では、伝熱管(41)の
直管部(42)と接触する状態でエア配管(50)が設置さ
れ、該エア配管(50)に形成された吹出孔(51)から空
気が吹き出される。つまり、伝熱管(41)に近接して設
けられたエア配管(50)によって、伝熱管(41)の直管
部(42)の近傍に空気が供給される。
【0027】更に、この第6の解決手段では、ほぼ鉛直
姿勢とされた直管部(42)に対して直交する固定部材
(60)に沿ってエア配管(50)が設けられる。つまり、
エア配管(50)は、ほぼ水平姿勢で設置される。そし
て、ほぼ水平姿勢のエア配管(50)には、吹出孔(51)
が下方に向かって開口するように形成される。尚、吹出
孔(51)は、必ずしも真下に向かって開口する必要はな
く、下側に向かって開口していればよい。
【0028】上記第7の解決手段では、ほぼ鉛直姿勢と
された直管部(42)を支持する複数の固定部材(60)の
うちの最も下に位置する固定部材(60)にエア配管(5
0)が設けられる。エア配管(50)が供給する空気は、
直管部(42)の下端部の近傍に送り込まれる。送り込ま
れた空気は、直管部(42)に沿って上方へ流動する。従
って、直管部(42)と氷化物の間の液相は、直管部(4
2)のほぼ全長に亘って撹拌される。
【0029】上記第8の解決手段では、板状の固定部材
(60)の側部に支持孔(61)が形成される。この支持孔
(61)には、固定部材(60)の側方から伝熱管(41)の
直管部(42)がはまり込む。そして、固定部材(60)の
支持孔(61)に直管部(42)がはまり込むことによっ
て、直管部(42)が支持されて伝熱管(41)が固定され
る。また、固定部材(60)の支持孔(61)に直管部(4
2)がはめ込まれた状態で、固定部材(60)は、その伸
展方向直管部(42)の長手方向と直交する姿勢とな
る。
【0030】上記第9の解決手段では、伝熱管(41)
は、複数の直管部(42)が同一平面上に位置する形状と
される。つまり、伝熱管(41)は、同一平面上で蛇行す
る形状とされている。蓄熱槽(31)には、上記の形状に
形成された伝熱管(41)が複数収納される。また、蓄熱
槽(31)内では、複数の伝熱管(41)が所定の間隔をお
いて配列されている。
【0031】一方、固定部材(60)は板状に形成される
と共に、その両側部にそれぞれ支持孔(61)が形成され
る。この固定部材(60)は、蓄熱槽(31)内に配列され
た各伝熱管(41)の間に一つおきに設けられる。そし
て、一つの固定部材(60)の両側に位置する伝熱管(4
1)の直管部(42)が該固定部材(60)の支持孔(61)
にはめ込まれることによって伝熱管(41)が固定され
る。
【0032】上記第10の解決手段では、固定部材(6
0)の側面における支持孔(61)の開口幅が伝熱管(4
1)の直管部(42)の直径よりも幾分狭く設定される。
そして、この支持孔(61)に伝熱管(41)をはめ込む
と、支持孔(61)の開口幅が狭められているため、伝熱
管(41)の直管部(42)から外れることなく確実に支持
される。
【0033】上記第11の解決手段では、固定部材(6
0)における支持孔(61)の両側に所定のスリット(6
2)が形成される。このスリット(62)によって、固定
部材(60)の側面における支持孔(61)の開口部分が変
形しやすくなる。従って、スリット(62)を設けない場
合に比べ、固定部材(60)の側面での支持孔(61)の開
口幅を一層狭く設定しても、固定部材(60)の側方から
支持孔(61)に伝熱管(41)がはめ込まれる。
【0034】
【発明の効果】上記の各解決手段では、エア配管(50)
を通じて伝熱管(41)の近傍へ空気が供給される。従っ
て、供給された空気の流動によって、伝熱管(41)の周
囲で氷化物が融解した状態においても、伝熱管(41)と
氷化物(32)の間に液相の蓄熱媒体を撹拌して強制対流
を生じさせることができる。このため、上述のような状
態においても、氷化物と伝熱管(41)内の熱媒体との熱
交換量を十分に確保することができ、冷熱取り出し性能
を高く維持することができる。更に、冷熱取り出し性能
を高く維持できることから、以下のような効果が得られ
る。
【0035】先ず、冷熱取り出し性能を高く維持できる
ため、蓄熱槽(31)内に残留する氷化物(32)の量が少
なくなったときにも充分に冷熱を取り出すことができ
る。このため、蓄熱槽(31)内に氷化物(32)が残って
いるにもかかわらず冷熱の取り出しができなくなるとい
う問題を回避することができる。従って、蓄熱槽(31)
に蓄えた冷熱を余すことなく利用することができ、残氷
によるエネルギのロスを低減することができる。
【0036】また、ピークシフト運転だけでなく、ピー
クカット運転にも対応することが可能となる。ここで、
ピークシフト運転は、冷凍機等の冷熱源を運転すると同
時に蓄熱槽(31)からの冷熱の取り出しも行い、冷凍機
等の負荷を軽減して運転に要するエネルギの削減する運
転である。従って、ピークシフト運転時には、長時間を
かけて少しずつ冷熱を取り出せればよく、上記従来の氷
蓄熱装置でも対応できる。一方、ピークカット運転は、
冷凍機等の冷熱源を停止して蓄えた冷熱のみを利用する
運転である。従って、ピークカット運転時には、短時間
に大量の冷熱を取り出す必要があり、上記従来のもので
は対応できなかった。
【0037】これに対し、本発明に係る氷蓄熱装置によ
れば、利用運転時における冷熱取り出し能力の低下を防
ぐことができる。このため、該氷蓄熱装置では単位時間
あたりの冷熱の取り出し量を十分に確保することがで
き、ピークカット運転をも行うことが可能となる。
【0038】更に、これらの解決手段では、固定部材
(60)とエア配管(50)とを一体に形成している。従っ
て、伝熱管(41)の固定のために固定部材(60)を設置
することによって、同時にエア配管(50)の設置をも行
うことができる。このため、上述の空気の供給による冷
熱取り出し性能の向上を図りつつ、組立工程を簡素に維
持することができる。
【0039】上記第1の解決手段では、伝熱管(41)の
直管部(42)がほぼ鉛直姿勢とされている。このため、
エア配管(50)によって伝熱管(41)の近傍へ供給した
空気を、浮力によって流動させることができる。従っ
て、伝熱管(41)と氷化物の間の液相において空気を流
動させるための駆動力を付与する必要がなく、空気の供
給に伴う消費動力を低減できる。
【0040】上記第2の解決手段によれば、伝熱管(4
1)を柔軟で可撓性を有するように構成することができ
る。ここで、蓄熱槽(31)における氷充填率(ice pack
ing factor:IPF)を高く設定した場合、例えば90
%以上に設定した場合には、生成した氷化物による荷重
が伝熱管(41)に作用する。そして、伝熱管(41)が金
属製の場合には、その変形や破損等のトラブルを招く危
険が大きい。これに対し、本解決手段では、伝熱管(4
1)を架橋ポリエチレン管で構成しているため、伝熱管
(41)の破損によるトラブルを回避しつつ、IPFを高
く設定することが可能となる。
【0041】上記第4,第6の解決手段によれば、エア
配管(50)を伝熱管(41)と接触する状態に配置してい
るため、エア配管(50)に吹出孔(51)を形成するのみ
によって伝熱管(41)の近傍へ確実に空気を送り込むこ
とができる。このため、冷熱取り出し時における伝熱管
(41)と氷化物の間の液相を確実に撹拌することがで
き、伝熱管(41)の熱媒体と氷化物との熱交換を促進し
て、冷熱取り出し性能の向上を確実に図ることができ
る。
【0042】特に、第6の解決手段では、ほぼ水平姿勢
のエア配管(50)において吹出孔(51)を下方に開口す
るように形成している。このため、エア配管(50)から
の空気の供給を停止した状態においても、吹出孔(51)
からエア配管(50)へ流入する蓄熱媒体の量を抑制する
ことができる。
【0043】上記第7の解決手段によれば、最下方の固
定部材(60)にのみ設けたエア配管(50)から空気を供
給することによって、直管部(42)のほぼ全長に亘っ
て、直管部(42)と氷化物の間の液相を撹拌することが
できる。このため、エア配管(50)の数を最小限に留め
つつ、上記液相の撹拌を確実に行って冷熱取り出し性能
の向上を図ることができる。
【0044】上記第8〜第11の解決手段によれば、所
定の支持孔(61)を有する板状の固定部材(60)によっ
て、直管部(42)を支持して伝熱管(41)を固定するこ
とができる。即ち、伝熱管(41)を確実に固定可能な固
定部材(60)を簡素な構成で実現することができる。特
に、第9の解決手段によれば、蓄熱槽(31)に複数の伝
熱管(41)を設ける場合に、一つの固定部材(60)によ
って二本の伝熱管(41)を固定することができる。ま
た、第10の解決手段によれば、支持孔(61)を所定の
形状とすることによって、伝熱管(41)の確実な固定が
可能となる。更に、上記第11の解決手段によれば、固
定部材(60)の側面における支持孔(61)の開口幅を一
層狭く設定でき、伝熱管(41)を一層確実に固定するこ
とができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0046】図1に示すように、本実施形態の氷蓄熱装
置(30)は、循環回路(20)と蓄熱槽(31)とを備えて
いる。この氷蓄熱装置(30)は、スタティック型で且つ
内融方式に構成され、蓄熱槽(31)の水を凍らせて冷熱
を蓄える冷蓄熱運転を行う。また、上記氷蓄熱装置(3
0)は、蓄熱槽(31)の水を加熱して温熱を蓄える温蓄
熱運転を行う。一方、氷蓄熱装置(30)の循環回路(2
0)には、利用側回路(70)が接続されており、蓄えた
冷熱又は温熱を利用して空調を行う空調機を構成してい
る。
【0047】循環回路(20)は、ブラインチラー(21)
と、蓄熱熱交換器(40)と、主熱交換器(22)と、循環
ポンプ(23)とを順にブライン配管(24)で接続して構
成されている。循環回路(20)には、熱媒体であるブラ
インが充填されている。循環ポンプ(23)を運転する
と、循環回路(20)でブラインが循環する。
【0048】上記循環回路(20)には、主熱交換器(2
2)をバイパスする第1バイパス管(25)と、蓄熱熱交
換器(40)をバイパスする第2バイパス管(26)とが設
けられている。第1バイパス管(25)の一端は、蓄熱熱
交換器(40)と主熱交換器(22)の間に接続されてい
る。また、第1バイパス管(25)の他端は、第1三方弁
(27)を介して、主熱交換器(22)と循環ポンプ(23)
の間に接続されている。第2バイパス管(26)の一端
は、ブラインチラー(21)と氷蓄熱装置(30)の間に接
続されている。また、第2バイパス管(26)の他端は、
第2三方弁(28)を介して、氷蓄熱装置(30)と主熱交
換器(22)の間に接続されている。
【0049】上記ブラインチラー(21)は、図示しない
が、冷媒回路を備えている。この冷媒回路では冷媒が循
環し、冷凍サイクル動作とヒートポンプサイクル動作と
が切り換えて行われる。そして、ブラインチラー(21)
は、冷媒回路での冷凍サイクル動作によるブラインの冷
却と、ヒートポンプサイクル動作によるブラインの加熱
とを切り換えて行うように構成されている。
【0050】上記利用側回路(70)は、主熱交換器(2
2)と、利用側熱交換器(71)と、利用側ポンプ(72)
とを順に配管接続して構成されている。利用側回路(7
0)には水が充填されており、利用側ポンプ(72)を運
転すると主熱交換器(22)と利用側熱交換器(71)の間
で水が循環する。利用側熱交換器(71)は、図示しない
が、いわゆるファンコイルユニットに設けられ、利用側
回路(70)を循環する水と室内空気とを熱交換させる。
また、上記主熱交換器(22)は、循環回路(20)を循環
するブラインと、利用側回路(70)を循環する水とを熱
交換させる。
【0051】図2及び図3に示すように、蓄熱熱交換器
(40)は、蓄熱槽(31)の内部に設置されている。蓄熱
槽(31)は、直方体状に形成され、内部に蓄熱媒体であ
る水が貯留されている。
【0052】上記蓄熱熱交換器(40)は、複数の伝熱管
(41)を備えている。伝熱管(41)は、直線状の直管部
(42)と半円弧状の曲管部(43,44)とが交互に形成さ
れ、上下に蛇行する形状とされている。また、伝熱管
(41)の直管部(42)及び曲管部(43,44)は、同一平
面上に位置するように形成され、伝熱管(41)は平面内
で上下に蛇行する形状となっている。曲管部(43,44)
のうち、直管部(42)の上端側に位置するものが上曲管
部(43)に構成され、下端側に位置するものが下曲管部
(44)に構成されている。
【0053】上記伝熱管(41)は、架橋ポリエチレン管
(JIS K 6769)によって構成されている。こ
こでは、架橋層の外周に非架橋層が形成された二層構造
の架橋ポリエチレン管を用いている。尚、架橋層のみで
形成された単層構造の架橋ポリエチレン管を用いてもよ
い。
【0054】複数の伝熱管(41)は、その蛇行する平面
が互いに対向する姿勢で、一定間隔で配列されている。
各伝熱管(41)は、一端がそれぞれ入口ヘッダ(45)に
接続され、他端がそれぞれ出口ヘッダ(46)に接続され
ている。
【0055】各伝熱管(41)の間には、一つおきに固定
部材である固定板(60)が設けられている(図4参
照)。この固定板(60)は、伝熱管(41)の直管部(4
2)の長手方向に等間隔で三つずつ設けられている。ま
た、固定板(60)は、その両側に位置する伝熱管(41)
の直管部(42)を支持するように構成されている。つま
り、一つの固定板(60)によって、二本の伝熱管(41)
が固定される。また、上記固定板(60)のうち伝熱管
(41)の直管部(42)における最も下段に設置される固
定板(60)には、それぞれエア配管(50)が一体に取り
付けられている。固定板(60)及びエア配管(50)の詳
細については、後述する。
【0056】上述のように配列された伝熱管(41)の両
側には、枠状に形成された一つのフレーム(47)が設け
られている。このフレーム(47)には、上記固定板(6
0)の端部が取付固定されている。
【0057】上記蓄熱熱交換器(40)は、蓄熱槽(31)
の内部に載置されている。この状態で、蓄熱熱交換器
(40)の伝熱管(41)は、その直管部(42)の姿勢がほ
ぼ鉛直方向となる。また、蓄熱熱交換器(40)は、蓄熱
槽(31)の内部にほぼ水没する状態で設置されている
が、各伝熱管(41)の上曲管部(43)は水面上に突出す
る状態とされている。
【0058】蓄熱熱交換器(40)の入口ヘッダ(45)
は、ブラインチラー(21)側と接続される一方、出口ヘ
ッダ(46)は、主熱交換器(22)側と接続されている。
そして、蓄熱熱交換器(40)は、伝熱管(41)内のブラ
インと蓄熱槽(31)内の水とを熱交換させるように構成
されている。この熱交換によって蓄熱槽(31)内の水が
冷却され、伝熱管(41)の周囲で凍結して氷(32)とな
る。
【0059】上記蓄熱熱交換器(40)の各エア配管(5
0)には、それぞれエア供給管(53)が接続されてい
る。エア供給管(53)は、蓄熱槽(31)の外部へ延び、
空気中に開口している。また、エア供給管(53)にはエ
アポンプ(52)が設けられ、エア供給管(53)は、空気
を取り込んで各エア配管(50)へ供給するように構成さ
れている。
【0060】次に、上記固定板(60)及びエア配管(5
0)の構成について、図4〜図6を参照しながら説明す
る。
【0061】上記固定板(60)は、蓄熱熱交換器(40)
における各伝熱管(41)の設置間隔に対応した所定幅を
有する板状に形成されている。また、固定板(60)は、
上下に蛇行する伝熱管(41)の一端側の直管部(42)か
ら他端側の直管部(42)に至るように、所定の長さに形
成されている。
【0062】図6に示すように、固定板(60)の両側部
には、伝熱管(41)の直管部(42)に対応する位置に、
複数の支持孔(61)が形成されている。この支持孔(6
1)は、各直管部(42)に対応して一つずつ形成されて
いる。支持孔(61)は、固定板(60)の側面から該固定
板(60)を円弧状に切り欠いて形成されている。支持孔
(61)の直径は、上記直管部(42)の直径に対応して設
定されている。また、支持孔(61)は、固定板(60)の
側面における開口幅が上記直管部(42)の直径よりもや
や狭くなるように形成されている。つまり、支持孔(6
1)は、その縁の形状が固定板(60)の側面に向かって
開口するC字状となるように形成されている。
【0063】図4及び図5に示すように、固定板(60)
の支持孔(61)には、固定板(60)の側方から伝熱管
(41)の直管部(42)がはまり込む。つまり、固定板
(60)の一方の側部に形成された支持孔(61)には、固
定板(60)の一方の側方に位置する伝熱管(41)がはま
り込み、固定板(60)の他方の側部に形成された支持孔
(61)には、固定板(60)の他方の側方に位置する伝熱
管(41)がはまり込む。従って、固定板(60)は、その
両側に位置する伝熱管(41)の直管部(42)を支持し、
一つの固定板(60)によって、二本の伝熱管(41)が固
定される。
【0064】更に、支持孔(61)は、上述のように、固
定板(60)の側面における開口幅が上記直管部(42)の
直径よりもやや狭く形成されている。従って、伝熱管
(41)の直管部(42)は、支持孔(61)にはまり込むと
該支持孔(61)の開口部分に引っかかり、支持孔(61)
から外れることはない。尚、本実施形態では、伝熱管
(41)を架橋ポリエチレン管によって構成しているた
め、該伝熱管(41)が撓むことによって支持孔(61)に
はまり込む。
【0065】図4及び図5に示すように、上記エア配管
(50)は、最下段の固定板(60)に対して一本ずつ、各
固定板(60)に一体に取り付けられている。尚、図5
は、伝熱管(41)の周囲の氷(32)が融けて伝熱管(4
1)と氷(32)の間に隙間(33)が生じた状態を示して
いる。エア配管(50)は、固定板(60)の長手方向に沿
って、該固定板(60)のほぼ全長に亘って設けられてい
る(図2参照)。また、エア配管(50)は、固定板(6
0)に隣接する二本の伝熱管(41)と接触するように、
所定の直径に形成されている。具体的に、エア配管(5
0)の直径は、各伝熱管(41)の配列ピッチから直管部
(42)の直径を引いた値に設定されている。
【0066】図4に示すように、エア配管(50)には、
空気を吹き出す吹出孔(51)が形成されている。この吹
出孔(51)は、各伝熱管(41)の直管部(42)に対応し
て一つずつ形成されている。つまり、吹出孔(51)は、
図4における手前側だけでなく、奥側の伝熱管(41)に
も対応して形成されている。吹出孔(51)は、エア配管
(50)の下半分における側面に形成され、エア配管(5
0)において下方に開口するように構成されている。
【0067】エア配管(50)は、上記エア供給管(53)
から送られた空気を吹出孔(51)から吹き出し、該空気
を伝熱管(41)の近傍へ供給する。そして、吹出孔(5
1)から吹き出された空気は、伝熱管(41)と氷(32)
の間に生じた隙間(33)へ流入し、該隙間(33)の内部
を伝熱管(41)の直管部(42)に沿って、浮力によって
流動する。
【0068】−運転動作− 《冷蓄熱運転》 冷蓄熱運転時の動作について説明する。この冷蓄熱運転
は、室内の冷房が不要となる夜間に、安価な深夜電力で
ブラインチラー(21)を運転して行われる。この冷蓄熱
運転時には、利用側ポンプ(72)は停止されて利用側回
路(70)における水の循環は行われない。また、冷蓄熱
運転時には、エアポンプ(52)は停止されてエア配管
(50)からの空気の供給は行われない。
【0069】冷蓄熱運転時には、第1三方弁(27)が主
熱交換器(22)側を遮断して第1バイパス管(25)側を
連通させる状態となり、ブラインは主熱交換器(22)を
バイパスして第1バイパス管(25)を流れる。一方、第
2三方弁(28)が第2バイパス管(26)側を遮断して蓄
熱熱交換器(40)側を連通させる状態となり、ブライン
は蓄熱熱交換器(40)を流通する。つまり、循環回路
(20)では、ブラインチラー(21)と蓄熱熱交換器(4
0)との間でブラインが循環する。
【0070】ブラインチラー(21)では、冷媒回路の冷
凍サイクル動作によってブラインが冷却される。ブライ
ンチラー(21)で冷却されたブラインは、蓄熱熱交換器
(40)の入口ヘッダ(45)へ流入し、各伝熱管(41)に
分配される。分配されたブラインは伝熱管(41)内を流
れ、その間に蓄熱槽(31)内の水と熱交換する。蓄熱槽
(31)内の水は、低温のブラインによって冷却されて凍
結し、伝熱管(41)の周囲で氷(32)が生成して成長す
る。その後、ブラインはブラインチラー(21)に戻って
冷却され、再び蓄熱熱交換器(40)へ送られて、この循
環を繰り返す。
【0071】上述のように、冷蓄熱運転では、ブライン
チラー(21)で生成された冷熱によって製氷を行ってい
る。従って、ブラインチラー(21)の冷熱が、蓄熱媒体
である水の潜熱として蓄熱槽(31)内に蓄えられる。こ
の冷蓄熱運転は、蓄熱槽(31)内の氷(32)の量、即ち
製氷量が所定値となるまで継続される。尚、製氷量は、
蓄熱槽(31)内における水位の変化等に基づいて検知さ
れる。
【0072】《利用冷房運転》 利用冷房運転時の動作について説明する。この利用冷房
運転は、冷蓄熱運転により蓄えた冷熱を利用し、主とし
て昼間に室内を冷房するために行われる。また、利用冷
房運転として、ピークシフト運転とピークカット運転と
の両方が行われる。
【0073】ピークシフト運転時は、冷蓄熱運転で蓄え
た冷熱を取り出すと同時に、ブラインチラー(21)も運
転して冷房を行う運転である。つまり、ピークシフト運
転では、ブラインチラー(21)で生成する冷熱と、蓄熱
槽(31)に蓄えた冷熱との両方を用いて冷房負荷に対応
する。従って、ピークシフト運転時にはブラインチラー
(21)に対する負荷が軽減され、解氷による利用分に対
応する消費電力を削減して昼間の電力需要の低減が図ら
れる。
【0074】ピークシフト運転時には、第1三方弁(2
7)が第1バイパス管(25)側を遮断して主熱交換器(2
2)側を連通させる状態となり、ブラインは主熱交換器
(22)へ流入する。一方、第2三方弁(28)が第2バイ
パス管(26)側を遮断して蓄熱熱交換器(40)側を連通
させる状態となり、ブラインは蓄熱熱交換器(40)を流
通する。つまり、循環回路(20)では、ブラインチラー
(21)、蓄熱熱交換器(40)、主熱交換器(22)の順で
ブラインが循環する。
【0075】ブラインチラー(21)では、冷媒回路の冷
凍サイクル動作によってブラインが冷却される。尚、ブ
ラインチラー(21)から流出する際のブラインの温度
は、上記冷蓄熱運転時よりも高く設定される。ブライン
チラー(21)で冷却されたブラインは、蓄熱熱交換器
(40)の入口ヘッダ(45)へ流入し、各伝熱管(41)に
分配される。分配されたブラインは伝熱管(41)内を流
れ、その間に蓄熱槽(31)内の氷(32)と熱交換して更
に冷却される。
【0076】蓄熱熱交換器(40)で冷却されたブライン
は、主熱交換器(22)へ流入する。主熱交換器(22)で
は、低温のブラインと利用側回路(70)の水とが熱交換
を行い、利用側回路(70)の水が冷却される。主熱交換
器(22)で吸熱したブラインは、循環ポンプ(23)を通
って再びブラインチラー(21)へ送られ、この循環を繰
り返す。
【0077】利用側回路(70)では、主熱交換器(22)
と利用側熱交換器(71)との間で水が循環する。主熱交
換器(22)で冷却された水は、利用側熱交換器(71)へ
流入して室内空気と熱交換を行い、室内空気が冷却され
る。室内空気から吸熱した水は、利用側ポンプ(72)に
よって主熱交換器(22)へ送られ、この循環を繰り返
す。
【0078】一方、ピークカット運転は、ブラインチラ
ー(21)を停止し、蓄熱槽(31)に蓄えられた冷熱のみ
を利用して冷房を行う運転である。従って、ピークカッ
ト運転時にはブラインチラー(21)の消費電力がゼロと
なり、昼間の電力需要の低減が図られる。
【0079】ピークカット運転時には、循環回路(20)
において、上記ピークシフト運転時と同様にブラインが
循環する。その際、ブラインチラー(21)は停止してお
り、ブラインは単にブラインチラー(21)を通過して蓄
熱熱交換器(40)へ流入する。ブラインは、蓄熱熱交換
器(40)を流れる間に蓄熱槽(31)の氷(32)と熱交換
して冷却される。つまり、ブラインの冷却は、蓄熱熱交
換器(40)のみにおいて行われる。この点のみが上記ピ
ークシフト運転と相違する。
【0080】上記ピークシフト運転時及びピークカット
運転時には、主熱交換器(22)で吸熱したブラインが蓄
熱熱交換器(40)に送り込まれる。このブラインは、伝
熱管(41)内を流れ、蓄熱槽(31)の氷(32)と熱交換
する。従って、伝熱管(41)の周囲では氷(32)が融解
し、伝熱管(41)と氷(32)の間に隙間(33)が生じる
(図5参照)。この隙間(33)は、液相である水によっ
て満たされている。
【0081】この状態でエアポンプ(52)を運転する
と、エア供給管(53)を通じてエア配管(50)に空気が
送り込まれる。この空気は、エア配管(50)の吹出孔
(51)から吹き出され、伝熱管(41)の直管部(42)の
近傍へ供給される。即ち、エア配管(50)によって、伝
熱管(41)の周囲に形成された隙間(33)に空気が送り
込まれる。
【0082】上記隙間(33)に供給された空気は、浮力
によって伝熱管(41)の直管部(42)に沿って上方へ流
れる。この空気の流動により、上記隙間(33)内の水が
撹拌されて強制対流が生じる。ここで、蓄熱熱交換器
(40)は、伝熱管(41)の上曲管部(43)が水面上に突
出する姿勢で配置されている。従って、上記隙間(33)
に供給された空気は、隙間(33)内を流れて水面から空
気中に排出される。
【0083】《温蓄熱運転》 温蓄熱運転時の動作について説明する。この温蓄熱運転
は、室内の暖房が不要となる夜間に、安価な深夜電力で
ブラインチラー(21)を運転して行われる。この温蓄熱
運転時には、利用側ポンプ(72)は停止されて利用側回
路(70)における水の循環は行われない。また、温蓄熱
運転時には、エアポンプ(52)は停止されてエア配管
(50)からの空気の供給は行われない。
【0084】温蓄熱運転時には、上記の冷蓄熱運転時と
同様に第1三方弁(27)及び第2三方弁(28)が設定さ
れ、ブラインチラー(21)と蓄熱熱交換器(40)との間
でブラインが循環する。
【0085】ブラインチラー(21)では、冷媒回路のヒ
ートポンプサイクル動作によってブラインが加熱され
る。ブラインチラー(21)で加熱されたブラインは、蓄
熱熱交換器(40)の入口ヘッダ(45)へ流入し、各伝熱
管(41)に分配される。分配されたブラインは伝熱管
(41)内を流れ、その間に蓄熱槽(31)内の水と熱交換
する。蓄熱槽(31)内の水は、高温のブラインによって
加熱される。そして、ブラインチラー(21)で生成した
温熱が、蓄熱媒体である水の顕熱として蓄熱槽(31)内
に蓄えられる。その後、ブラインはブラインチラー(2
1)に戻って加熱され、再び蓄熱熱交換器(40)へ送ら
れて、この循環を繰り返す。
【0086】《利用暖房運転》 利用暖房運転時の動作について説明する。この利用暖房
運転は、温蓄熱運転により蓄えた温熱を利用し、主とし
て昼間に室内を暖房するために行われる。また、利用暖
房運転として、ピークシフト運転とピークカット運転と
の両方が行われる。
【0087】ピークシフト運転時は、温蓄熱運転で蓄熱
槽(31)に蓄えた温熱を取り出すと同時に、ブラインチ
ラー(21)も運転して暖房を行う運転である。そして、
循環回路(20)では、上記の利用冷房運転時と同様に第
1三方弁(27)第2三方弁(28)とが設定され、ブライ
ンチラー(21)、蓄熱熱交換器(40)、主熱交換器(2
2)の順でブラインが循環する。
【0088】ブラインチラー(21)では、冷媒回路のヒ
ートポンプサイクル動作によってブラインが加熱され
る。このブラインは、蓄熱熱交換器(40)へ送られ、蓄
熱槽(31)内の温水によって更に加熱された後に主熱交
換器(22)へ送られる。主熱交換器(22)では、高温の
ブラインと利用側回路(70)の水とが熱交換を行い、利
用側回路(70)の水が加熱される。主熱交換器(22)で
放熱したブラインは、循環ポンプ(23)を通って再びブ
ラインチラー(21)へ送られ、この循環を繰り返す。
【0089】利用側回路(70)では、主熱交換器(22)
と利用側熱交換器(71)との間で水が循環する。主熱交
換器(22)で加熱された水は、利用側熱交換器(71)へ
流入して室内空気と熱交換を行い、室内空気が加熱され
る。室内空気へ放熱した水は、利用側ポンプ(72)によ
って主熱交換器(22)へ送られ、この循環を繰り返す。
【0090】一方、ピークカット運転は、上記利用冷房
運転時と同様に、ブラインチラー(21)を停止し、蓄熱
熱交換器(40)と主熱交換器(22)との間でブラインを
循環させて行われる。そして、ピークカット運転には、
蓄熱槽(31)に蓄えられた温熱のみを利用して暖房が行
われる。
【0091】−実施形態の効果− 本実施形態では、エア配管(50)によって伝熱管(41)
の近傍へ空気を供給するようにしている。従って、利用
冷房運転時には氷(32)の融解によって伝熱管(41)の
周囲に隙間(33)が生じるが、この隙間(33)へ空気を
送り込むことが可能となる。このため、上記隙間(33)
の液相中で強制対流を生じさせることができ、氷(32)
と伝熱管(41)との伝熱を促進させることができる。こ
の結果、氷(32)と伝熱管(41)内のブラインとの熱交
換量を十分に確保することができ、利用運転中の冷熱取
り出し性能を高く維持することができる。
【0092】また、冷熱取り出し性能を高く維持できる
ため、蓄熱槽(31)内に残留する氷(32)の量が少なく
なったときにも充分に冷熱を取り出すことができる。従
って、蓄熱槽(31)内に残留する氷(32)の量が少なく
なった状態においても、冷熱の取り出しを充分に行うこ
とができる。このため、蓄熱槽(31)内に氷(32)が残
っているにもかかわらず冷熱の取り出しができなくなる
という問題を回避することができる。従って、蓄熱槽
(31)に蓄えた冷熱を余すことなく利用することがで
き、残氷によるエネルギのロスを低減することができ
る。
【0093】更に、短時間に大量の冷熱を取り出すこと
が可能となるため、ピークシフト運転だけでなく、従来
の内融方式の氷蓄熱装置(30)では対応できなかったピ
ークカット運転をも行うことができる。
【0094】また、本実施形態では、伝熱管(41)の直
管部(42)がほぼ鉛直姿勢となるように蓄熱熱交換器
(40)を構成している。このため、エア配管(50)によ
って伝熱管(41)の近傍へ供給した空気を、浮力によっ
て流動させることができる。従って、伝熱管(41)と氷
(32)の間の隙間(33)で空気を流動させるための駆動
力を付与する必要がなく、エアポンプ(52)の消費電力
を低減できる。
【0095】また、本実施形態によれば、最下段の固定
板(60)にのみ設けたエア配管(50)から空気を供給す
ることによって、直管部(42)のほぼ全長に亘って、直
管部(42)と氷(32)の間の隙間(33)における液相を
撹拌することができる。このため、エア配管(50)の数
を最小限に留めつつ、上記液相の撹拌を確実に行って冷
熱取り出し性能の向上を図ることができる。
【0096】また、本実施形態では、エア配管(50)を
伝熱管(41)と接触する状態に配置している。このた
め、エア配管(50)に吹出孔(51)を形成するのみによ
って伝熱管(41)の近傍へ確実に空気を送り込むことが
でき、簡素な構成のエア配管(50)によって冷熱取り出
し性能の向上を図ることができる。更に、本実施形態で
は、ほぼ水平姿勢のエア配管(50)において吹出孔(5
1)を下方に開口するように形成している。このため、
エアポンプ(52)を停止した状態においても、吹出孔
(51)からエア配管(50)へ流入する水の量を抑制する
ことができる。
【0097】また、本実施形態では、固定板(60)とエ
ア配管(50)とを一体に形成している。従って、伝熱管
(41)の固定のために固定板(60)を設置することによ
って、同時にエア配管(50)の設置をも行うことができ
る。このため、上述の空気の供給による冷熱取り出し性
能の向上を図りつつ、蓄熱熱交換器(40)の組立工程を
簡素に維持することができる。
【0098】また、本実施形態によれば、所定の支持孔
(61)を有する固定板(60)によって直管部(42)を支
持し、伝熱管(41)を固定することができる。即ち、伝
熱管(41)を確実に固定可能な固定板(60)を簡素な構
成で実現することができる。更に、一つの固定板(60)
によって二本の伝熱管(41)を固定することができ、固
定板(60)の枚数を削減することができる。
【0099】また、本実施形態では、伝熱管(41)を架
橋ポリエチレン管で構成している。従って、伝熱管(4
1)は、ある程度の柔軟性を有して撓むことができるよ
うに構成される。このため、蓄熱槽(31)における氷充
填率(ice packing factor:IPF)を高く設定した場
合、例えば90%以上に設定した場合であっても、氷
(32)によって作用する荷重によって伝熱管(41)が破
損するのを回避することができる。この結果、伝熱管
(41)の破損によるトラブルを回避しつつ、IPFを高
く設定することが可能となる。
【0100】また、架橋ポリエチレン管は、高温での耐
圧圧力が高いという特性を有している。具体的に、60
℃の状態で、ポリエチレン管の耐圧圧力が1.5kgf/cm
2程度であるのに対し、架橋ポリエチレン管の耐圧圧力
は8kgf/cm2程度と高い。このため、本実施形態のよう
に温蓄熱運転を行う場合であっても、伝熱管(41)の耐
圧圧力を十分に確保することができ、伝熱管(41)の破
損によるトラブルを回避しつつ安定して温蓄熱運転を行
うことができる。
【0101】
【発明のその他の実施の形態】上記実施形態において、
固定板(60)を下記のような構成としてもよい。以下、
本変形例に係る固定板(60)について説明する。
【0102】図7に示すように、固定板(60)の各支持
孔(61)の両側には、一対のスリット(62)が形成され
ている。このスリット(62)は、固定板(60)の側面か
ら中央に向かって所定の長さに亘って切り込んで形成さ
れている。このスリット(62)を形成すると、固定板
(60)の側面における支持孔(61)の開口部分が変形し
易くなり、支持孔(61)に伝熱管(41)をはめ込む際の
作業が容易となる。また、伝熱管(41)を銅管等によっ
て構成した場合であっても、支持孔(61)の開口部分が
変形することによって支持孔(61)に伝熱管(41)を確
実にはめ込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る氷蓄熱装置の配管系統
図である。
【図2】蓄熱槽及びこれに収納された蓄熱熱交換器を示
す概略構成図である。
【図3】蓄熱熱交換器の構成を示す概略斜視図である。
【図4】蓄熱熱交換器の要部を示す拡大斜視図である。
【図5】蓄熱熱交換器の断面を示す要部断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る固定板の構成を示す正
面図である。
【図7】本発明のその他の実施形態に係る固定板の構成
を示す正面図である。
【符号の説明】
(31) 蓄熱槽(32) 氷 (33) 隙間 (41) 伝熱管 (42) 直管部 (43) 上曲管部 (44) 下曲管部 (50) エア配管 (51) 吹出孔 (60) 固定板(固定部材) (61) 支持孔 (62) スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−152162(JP,A) 特開 平10−325572(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 5/00 102 F25C 1/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽(31)と、該
    蓄熱槽(31)の内部に配置された伝熱管(41)とを備
    え、伝熱管(41)を流れる熱媒体で蓄熱媒体を冷却して
    製氷を行う運転と、伝熱管(41)を流れる熱媒体を蓄熱
    槽(31)内の氷で冷却して冷熱を取り出す運転とを行う
    氷蓄熱装置であって、上記 蓄熱槽(31)内で伝熱管(41)を固定する固定部材
    (60)と、 該固定部材(60)に取り付けられて上記伝熱管(41)の
    近傍へ空気を供給するエア配管(50)とを備える一方、 上記伝熱管(41)は、直線状の直管部(42)を備えると
    共に、該直管部(42)が略鉛直方向となる姿勢で設けら
    れ、 上記エア配管(50)は、空気が冷熱の取出し時に伝熱管
    (41)と氷(32)の間に生じた隙間(33)へ流入して該
    隙間(33)の内部を伝熱管(41)の直管部(42)に沿っ
    て浮力によって流動するように、上記直管部(42)の下
    端部の近傍へ空気を供給している 氷蓄熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の氷蓄熱装置において、 伝熱管(41)は、架橋ポリエチレン管により構成されて
    いる氷蓄熱装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の氷蓄熱装置において、 固定部材(60)は、伝熱管(41)の直管部(42)と直交
    する姿勢で設けられて該直管部(42)を支持するように
    構成されている氷蓄熱装置。
  4. 【請求項4】 蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽(31)と、該
    蓄熱槽(31)の内部に配置された伝熱管(41)とを備
    え、伝熱管(41)を流れる熱媒体で蓄熱媒体を冷却して
    製氷を行う運転と、伝熱管(41)を流れる熱媒体を蓄熱
    槽(31)内の氷で冷却して冷熱を取り出す運転とを行う
    氷蓄熱装置であって、上記 蓄熱槽(31)内で伝熱管(41)を固定する固定部材
    (60)と、 該固定部材(60)に取り付けられて上記伝熱管(41)の
    近傍へ空気を供給するエア配管(50)とを備える一方、 上記 伝熱管(41)は、直線状の直管部(42)を備え、上記 固定部材(60)は、伝熱管(41)の直管部(42)と
    直交する姿勢で設けられて該直管部(42)を支持するよ
    うに構成され 上記 エア配管(50)は、固定部材(60)に沿って伝熱管
    (41)の直管部(42)と接触する状態で設けられ、 上記エア配管(50)には、空気を吹き出す吹出孔(51)
    が直管部(42)に対応して形成されている氷蓄熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は4記載の氷蓄熱装置におい
    て、 伝熱管(41)は、複数の直管部(42)と各直管部(42)
    を繋ぐ半円弧状の曲管部(43,44)とを備えて蛇行する
    形状とされている氷蓄熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の氷蓄熱装置において、 エア配管(50)は、固定部材(60)に沿って伝熱管(4
    1)の直管部(42)と接触する状態で設けられると共
    に、 上記エア配管(50)には、下方に向かって開口して空気
    を吹き出す吹出孔(51)が直管部(42)に対応して形成
    されている氷蓄熱装置。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の氷蓄熱装置において、 固定部材(60)は、伝熱管(41)の直管部(42)の長手
    方向に複数設けられ、 エア配管(50)は、最も下に位置する固定部材(60)に
    設けられている氷蓄熱装置。
  8. 【請求項8】 請求項1,4又は5記載の氷蓄熱装置に
    おいて、 固定部材(60)は、板状に形成されると共に、上記固定
    部材(60)の側部には、該固定部材(60)の側面から円
    弧状に切り欠いて伝熱管(41)の直管部(42)がはまり
    込む支持孔(61)が形成されている氷蓄熱装置。
  9. 【請求項9】 請求項5記載の氷蓄熱装置において、 伝熱管(41)は、複数の直管部(42)が同一平面上に位
    置するように形成され、 蓄熱槽(31)には、複数の伝熱管(41)が所定間隔をお
    いて設けられる一方、 固定部材(60)は、板状に形成されて上記伝熱管(41)
    の間に一つおきに設けられると共に、上記固定部材(6
    0)の両側部には固定部材(60)の側面から円弧状に切
    り欠いて上記直管部(42)がはまり込む支持孔(61)が
    直管部(42)に対応してそれぞれ形成され、隣接する二
    つの伝熱管(41)の直管部(42)を支持するように構成
    されている氷蓄熱装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の氷蓄熱装置にお
    いて、 固定部材(60)の支持孔(61)は、該固定部材(60)の
    側面における開口幅が伝熱管(41)の直管部(42)の直
    径よりもやや狭くなるように形成されている氷蓄熱装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の氷蓄熱装置におい
    て、 固定部材(60)における支持孔(61)の両側には、該固
    定部材(60)の側面から固定部材(60)の幅方向に延び
    るスリット(62)が一つずつ形成されている氷蓄熱装
    置。
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