JP3425866B2 - 中実球体の製造方法及び該方法により製造されるゴルフボール - Google Patents
中実球体の製造方法及び該方法により製造されるゴルフボールInfo
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Description
法及び該方法により製造されるゴルフボールに関するも
ので、特にゴルフボールやテニスボールのコア、ビリヤ
ードのボール、軟式野球ボール等の中実球体を熱可塑性
樹脂又は熱可塑性エラストマーで構成する場合に射出成
形で問題となりやすいヒケ、シワの問題を解消した中実
球体の製造方法及び該方法により製造されるゴルフボー
ルに関するものである。
式野球ボールやビリヤードのボール等の中実球体は、現
在一般にプレス成形により製造されているが、構成材料
として熱可塑性樹脂組成物を用いる場合、大量生産に好
適な射出成形方法によることが薦められる。
合、キャビテイ内に充填された樹脂が冷却時に収縮し
て、成形品表面に窪み、すなわちヒケが生じやすいとい
う問題がある。ボールのような中実球体の成形品におけ
るヒケは、日用品や工業部品等の他の成形品よりも、ヒ
ケが問題となりやすい。つまり、ボールのような球体で
は球体全体が外観の対象となるため、ヒケは球体の形状
不良に直結するからである。さらに、球体表面が塗装さ
れる場合、塗膜の密着性がヒケ部分で低下することにな
る。このため、射出成形において、ヒケが生じない乃至
は問題とならない程度に小さいことが求められる。
するために、キャビティに充填する樹脂の射出圧力を上
げたり、冷却固化を速めることが考えられる。しかし、
冷却固化の速度を上げたり、樹脂の射出圧力を上げるこ
とによるヒケの低減は、成形品内部に気泡等が生じ易く
なるという別の新たな問題を招来することになる。特
に、メルトインデックスが小さい、すなわち流動性が劣
っている樹脂組成物では、樹脂の射出圧力を上げること
が容易でなく、気泡の発生を助長するだけである。さら
に、特開平8―113679号公報に提案されているよ
うな動的架橋されたゴム粉末が分散しているような樹脂
組成物では温度を上げることによる粘度の低減はゴム粒
子の劣化との関係で難しい。ここで、上記ゴム粉末分散
樹脂組成物とは、近年の環境対策の点から弾力性、復元
性、を有するリサイクル可能なボール又はボールのコア
として注目を浴びている材料で、動的架橋されるゴム粉
末は、熱可塑性樹脂中に微分散しているので無機充填剤
のように挙動することから射出成形可能であるが、メル
トインデックスが他の樹脂組成物に比べて一般に低いも
のである。
きい程、球体内部と金型に触れる部分との熱履歴の差異
が大きくなり易いことから顕著になる。また、外径の大
きな中実球体では、内部の冷却が不十分な状態で金型か
ら取り出すと、保管時に外力が加わって変形したりする
こともある。
たものであり、その目的とするところは、熱可塑性樹脂
を射出成形により中実球体を製造する方法、特に流動性
に劣っている樹脂を用いて射出成形により中実球体を製
造する方法及び該方法により製造されたゴルフボールを
提供することにある。
方法は、熱可塑性樹脂又はエラストマー組成物を射出成
形して、総体積Vの中実球体を製造する方法であって、
前記組成物をN回に分けて射出し、且つN回目の射出成
形により形成される成形部の体積Vn が、下記関係式を
満足することを特徴とする。 0.4≦Vn /(V/N)≦1.6
のメルトインデックスが7以下であることが好ましく、
特に熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー中に動的架
橋してなるジエン系ゴム微粒子が分散されているものが
好適である。また、前記球体は、直径30mm〜80m
mであることが好ましい。
法を用いて製造される1ピースゴルフボール、又は本発
明の製造方法でコア及びカバーが製造されてなるマルチ
ピースゴルフボールである。
の注入を、複数回に分けて1回あたりの注入量を少なく
することにより、最外層と内側層との間の温度差を少な
くして、ヒケの発生を極力抑制するとともに、1回に注
入された樹脂成形の冷却に要する時間を短くし、成形体
内部における気泡の発生を抑制することに基づいてなさ
れた。
塑性樹脂又はエラストマー組成物は、射出成形できる樹
脂組成物又はエラストマー組成物であれば、その種類は
特に限定せず、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン樹脂をはじめとして、ポリスチレン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリ
エーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素系樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、
アイオノマー樹脂等の各種熱可塑性樹脂;ソフトセグメ
ントとハードセグメントからなる熱可塑性エラストマ
ー;熱可塑性樹脂又はエラストマー中に加硫ゴム微粒子
が分散されたゴム粒子含有樹脂組成物;及びこれらの2
種以上の混合物が挙げられる。
は、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エ
ラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン
系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等が挙げ
られる。ポリスチレン系エラストマーとしては、硬質相
をポリスチレンとし、軟質相がポリブタジエン、ポリイ
ソプレンあるいはそれらの水素添加物とするトリブロッ
ク共重合体や星型ブロック共重合体が挙げられる。ポリ
オレフィン系エラストマーとしては、硬質相をポリオレ
フィンとし、軟質相にエチレン−プロピレンゴムやエチ
レン−プロピレン−ジエンゴムを持つものでこれらの単
なる機械的ブレンド物、ミクロ分散した動的加硫物など
が挙げられる。ポリアミド系エラストマー、ポリウレタ
ン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーとして
は、硬質相が夫々ポリアミド、ポリウレタン、ポリエス
テルであって、軟質相が脂肪族ポリエーテル等のマルチ
ブロック共重合体等が挙げられる。
性樹脂又は熱可塑性エラストマー中にジエン系ゴムを含
有してなる組成物を動的架橋させてなるものが挙げら
れ、動的架橋されたジエン系ゴム粒子が微分散している
が、動的架橋されたジエン系ゴム微粒子は熱可塑性樹脂
中において無機充填物のように挙動するため射出成形可
能である。
形可能な材料であれば、いずれの樹脂又はエラストマー
についても適用できるが、特にメルトインデックスが7
以下の、所謂流動性が良くない樹脂組成物又はエラスト
マー組成物において、より有効である。より有効な材料
はメルトインデックス5.0以下、更に好ましくは2.
5以下である。特に、ゴム粒子含有熱可塑性樹脂組成物
又はゴム粒子含有エラストマー組成物のように、メルト
インデックスが低く、しかもゴムの劣化との関係におい
てマトリックスとなる熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラス
トマーの粘度を十分下げることができるまで射出温度を
上げることができないような組成物に有効である。尚、
メルトインデックスが小さすぎるものを使用した場合
は、本発明を適用した場合においてもその流動性の悪さ
が原因となってシワが発生する等の欠点が出やすくなる
ので、メルトインデックスの下限は0.01以上とする
ことが好ましく、より好ましくは0.05以上である。
は、熱可塑性材料の溶融時における流動性を示す尺度
で、JIS K7210に規定された押し出し型プラス
トメータを用いて230℃、2.16kgの荷重でオリ
フィスから熱可塑性材料を押し出し、押出された量を1
0分間当たりのグラム数に換算して表した数値であり、
一般にMIの値が大きい程、溶融時の流動性や加工性が
良好である。
性樹脂又はエラストマー組成物を射出成形して、総体積
Vの中実球体を製造するにあたり、該組成物をN回に分
けて射出する。射出回数に該当するNは2以上の整数で
あればよく、その上限が限定しない。Nが大きくなるほ
ど、成形品の真球度が高い球体を製造することができる
こととなるが、1個の成形品を成形するのに要する単位
時間が長くなるので、Nは2〜4程度が好ましい。
の体積Vn は、下記関係式を満足する。 0.4≦Vn /(V/N)≦1.6
る場合の1回当たりの平均射出量(V/Nに該当)と実
際にN回目に射出された材料との隔たりの程度を示して
いる。すなわち、毎回注入される材料は、注入される材
料の平均量くらいが好ましい。1回に注入する量が多す
ぎると、N回に分けることによるヒケの発生を防止する
効果が十分に達成されにくくなり、また1回に注入する
量が少なくなりすぎると射出成形において組成物の流れ
不良が発生しやすくなるからである。従って、N回目の
注入量に相当するVn /(V/N)の値は上式に示すよ
うに0.4以上で、1.6以下でなければならず、好ま
しくは1に極めて近い値である。尚、V n /(V/N)
が1に近くなる程、前記ヒケの発生の防止と前記組成物
の流れ不良の発生の防止に両立が達成されることにな
る。
る材料の種類(熱可塑性樹脂組成物又は熱可塑性エラス
トマー組成物の組成)は、全部同じであってもよいし、
射出する度に変えてもよい。異なる材料を射出すれば、
Nに応じた数の多層構造を有する球体が成形されること
となるし、N回全て同じ材料を射出すれば、1回の射出
で成形した球体と同様の球体が成形されることとなる。
に用いられる射出成形機は、現在一般に使用されている
射出成形機を使用することができるが、金型は成形部の
大きさに応じて射出の度に取り替える必要がある。例え
ば、1回目の射出時に用いる金型では、図1(a)に示
すように、V1 に見合った容量のキャビティ1aが形成
された金型1を用い、2回目の射出時に用いる金型は、
図1(b)に示すように、V1 とV2 との総体積に相当
する容量のキャビティ2aを有する金型2で、且つ1回
目で成形した成形品4をキャビティ2aの中央で支持で
きるように、複数の支持ピン3が四方八方からキャビテ
ィ2a内に突出したものを用いる。この支持ピン3は、
キャビティ2aに材料が充填されると速やかに金型2内
部(ピン用凹部6)に仕舞い込まれるようになってい
る。このようにして、2回目に充填された材料が1回目
で成形された球体表面にほぼ均等に被覆してなる成形品
(球体)が製造される。尚、図1中、5はスクリューで
あり、ゴム粒子含有組成物の場合には、スクリュ回転に
よるマトリックスとなる熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラ
ストマーの可塑化の際にジエン系ゴムの動的架橋を行な
うこともできる。
30mm以上の球体であることが好ましい。直径30m
m未満の小さな球体では、中心部と表層部との熱履歴の
差も小さく、一般にヒケの問題が生じにくく、顕著な効
果は直径30mm以上の球体で得られるからである。一
方、成形される球体の直径は80mm以下が好ましく、
より好ましくは50mm以下である。球体の直径が大き
くなるに従って、Nの値を大きくする必要があるが、N
が大きくなる程、生産性が低下する反面、直径の大きな
球体では、曲率との関係からヒケが目立ちにくくなり、
また塗膜密着性に対する悪影響も小さくなるからであ
る。
熱可塑性エラストマー製の中実球体、具体的にはゴルフ
ボールやビリヤードのボール、テニスボール、軟式野球
ボール、あるいはこれらのボールのコアなどを製造する
ことができる。これらのうち、特にリサイクル用のワン
ピースゴルフボールである動的架橋されたゴム粒子粉末
が分散した熱可塑性樹脂組成物で形成されるワンピース
ゴルフボールの製造に好適である。また、射出毎に樹脂
の種類を変えることによって、リサイクル用のマルチピ
ースゴルフボールを製造することもできる。
種類に応じて、表面が塗装されたり、表面処理される
し、コアのみが製造される場合には、適宜カバー材など
で被覆される。
kgで測定した値である。
の直径をD0 とし、ヒケ部分の最もへっ込んだ部分から
球の中心部を通って得られる直径をDh として、Dh /
D0 ×100の値が98%以上の場合を「○」、95〜
98%の場合を「△」、95%未満の場合を「×」とし
た。
ゴルフボールを製造し、得られたゴルフボールを、初速
度45m/secで打撃により金属板に100回又は塗
膜に割れが発生するまで打ち付けた。各サンプルについ
て20球づつ打撃試験を行ない、20球全部について割
れが発生しない場合には「○」、100回の打撃を終了
するまでに割れが生じた場合には塗膜に割れが発生した
時点の打撃回数を示す。
関係〕射出材料としてA、B、又はCのいずれかを用
い、射出回数を変えて、直径42mmの球体を射出成形
した。
ポン社製のサーリンAD8511とサーリンAD851
2との等量混合物)60重量部中にブタジエンゴム40
重量部、架橋剤として田岡化学社製のタッキロール25
0―3(臭素化アルキルフェノールーホルムアルデヒド
樹脂)4重量部含有する組成物で、ジエン系ゴムを動的
架橋した後のメルトインデックスは0.05である。材
料Bは、クラレ株式会社製のセプトン2007(スチレ
ン系熱可塑性エラストマー)でメルトインデックスは
2.4である。材料Cは、日本ポリケム社製のノバテッ
クPP MA4(ポリプロピレン樹脂)でメルトインデ
ックスは5.0である。
い、金型は1回の射出量に応じた容量のキャビティを有
する金型を用い、2回目以降については、図1(b)に
示すような支持ピンがキャビティ内に突出した金型を用
いた。
回数を変えたゴルフボールNo.1〜11を作製して、
それぞれ射出度毎に成形体を取り出してヒケの程度を調
べた。また、最終的に得られたボールについて、上記評
価方法に従って塗膜密着性を評価した。結果を表1に示
す。
は夫々1回目の射出成形で作製した球体、2回目の射出
成形で作製した球体、3回目の射出成形で作製した球体
についてD0 、Dh を測定して評価したものである。
の場合には、ヒケが大きく(No6,8,10)、まだ
射出材料のメルトインデックスが低い程、ヒケの程度は
大きく、塗膜密着性も良くなかった。
回で射出するよりもヒケは小さくなり、又は全く生じな
かった。しかし、1回目と2回目のバランスが不均等な
場合、Vn /(V/N)の値が0.4未満であったり、
1.6超の場合、ヒケが大きくなって、塗膜密着性が劣
っていた(No.1,5)。
関係]上記射出成形材料Aを用いて、直径の大きさが異
なるボールを射出回数(N)を1回又は2回として、ボ
ールNo.12〜16を製造した。各ボールについて、
射出成形毎にヒケを評価し、最終的に作製したボールの
塗膜密着性を評価した。尚、No.12,13について
は、アイオノマーで被覆し(厚み2.3mm)、このア
イオノマーカバー層の表面にウレタン塗料を塗布して塗
膜密着性を調べた。結果を表2に示す。尚、No3,6
の結果も併せて示す。
ても、射出回数1回の場合には、ヒケを生じ、塗膜密着
性の評価ではヒケ部分を起点に割れが生じ、塗膜密着性
が不十分であった(No.14,6)。これに対して射
出回数を2回とすることにより、ヒケの発生を防止する
とともに、塗膜密着性を向上させることができた。
流動性が悪い材料であっても、ヒケの発生がほとんどな
い中実球体を製造することができる。従って、流動性が
悪い材料であっても、射出成形で真球度に優れた中実球
体を高い生産性で大量生産することができる。
塗膜密着性というボールとして要求される特性をプレス
成形により作製されるボールと同程度でボールで、しか
も大量生産が容易でリサイクル性にも優れている。
態の示す模式図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂又はエラストマー組成物を
射出成形して、総体積Vの中実球体を製造する方法であ
って、 前記組成物をN回(Nは2以上の整数)に分けて射出
し、 且つN回目の射出成形により形成される成形部の体積V
nが、下記関係式を満足することを特徴とする中実球体
の製造方法。 0.4≦Vn/(V/N)≦1.6 - 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂又はエラストマー組成
物のメルトインデックスが7以下である請求項1に記載
の中実球体の製造方法。 - 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂又はエラストマー組成
物は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー中に動的
架橋してなるジエン系ゴム微粒子が分散されているもの
である請求項1又は2に記載の中実球体の製造方法。 - 【請求項4】 前記球体は、直径30mm〜80mmで
ある請求項1〜3のいずれかに記載の中実球体の製造方
法。 - 【請求項5】 前記中実球体は、1ピースゴルフボール
である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項6】 前記中実球体は、マルチピースゴルフボ
ールである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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Publications (2)
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|---|---|---|---|
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- 1998-07-23 JP JP20827198A patent/JP3425866B2/ja not_active Expired - Fee Related
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