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JP3448464B2 - 架橋ゴム粒子の分散方法、分散物及び硬化型粘接着剤組成物 - Google Patents
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JP3448464B2 - 架橋ゴム粒子の分散方法、分散物及び硬化型粘接着剤組成物 - Google Patents

架橋ゴム粒子の分散方法、分散物及び硬化型粘接着剤組成物

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JP3448464B2
JP3448464B2 JP22262197A JP22262197A JP3448464B2 JP 3448464 B2 JP3448464 B2 JP 3448464B2 JP 22262197 A JP22262197 A JP 22262197A JP 22262197 A JP22262197 A JP 22262197A JP 3448464 B2 JP3448464 B2 JP 3448464B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化型粘接着剤
に用いるのに適した架橋ゴム粒子の分散方法、該分散方
法により得られた分散物及び硬化型粘接着剤組成物に関
し、より詳細には、架橋ゴム粒子をアクリル/エポキシ
系粘接着剤に均一に分散することを可能とする、架橋ゴ
ム粒子の分散方法、分散物及び硬化型粘接着剤組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ系接着剤は、安価であり、強い
剪断接着力が得られるため、構造用接着剤を中心として
広く用いられている。しかしながら、エポキシ系接着剤
では、硬化物が硬く脆いため、被着体に対する剥離強度
が十分でなかった。そこで、エポキシ系接着剤において
剥離強度を高めるために、エポキシ系接着剤に柔軟性を
有するポリマー成分を配合する方法が従来より広く用い
られている。
【0003】例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム(NBR)、アクリルゴム、ウレタンゴム、アクリル
樹脂、ウレタン樹脂などの柔軟性を有するポリマー成分
と、エポキシ化合物とを混合するに際し、エポキシ化合
物の海に上記ポリマーの島が存在する、いわゆる「海島
構造」を構成することにより、エポキシ系接着剤の硬化
物における応力緩和を果たし、それによって剥離強度を
高めることが試みられている。
【0004】しかしながら、上記ポリマー成分として、
液状ポリマーを混合した場合には、形成される島の大き
さがエポキシ化合物の硬化条件によって異なり、接着性
能が不安定になりがちであった。
【0005】そこで、「島」の形状を安定化するため
に、ポリマー成分を予め微粒子化し、さらに、分子内架
橋する方法が知られている。すなわち、この架橋微粒子
をエポキシ系接着剤に分散させることにより、剥離強度
の向上並びに接着物性の安定化が図れるとされている。
【0006】また、「島」の粒径が一般的に小さい程、
接着物性の安定化効果が高いといわれている。特に、表
面にエポキシ基と反応する官能基を有する架橋ゴム粒子
は、最終的にエポキシ系接着剤の主成分である多官能エ
ポキシ化合物の3次元架橋による網目構造に取り込まれ
るため、接着力及び耐熱性が高められるとされている
(例えば、「日本接着学会誌、Vol.31 No.11(19
95)471〜478」)。
【0007】他方、アクリル系粘着剤は、一般に、ガラ
ス転移点の低いアルキルアクリレートポリマーを主成分
として構成されている。アクリル系粘着剤は、ゴム系粘
着剤と比較すると、耐熱性及び耐候性が高く、接着性能
の制御が容易であるという利点を有する。従って、アク
リル系粘着剤は両面テープなどによく用いられている
が、部材間を簡易に接合し得るものの、接着剤程の高い
耐熱性や接着力を得ることはできない。
【0008】そこで、粘着剤中に潜在性硬化成分を配合
し、接合時には感圧接着性により容易に粘着することが
でき、接合後に反応硬化し、接着剤並の耐熱性及び接着
強度を得ることができる、いわゆる粘接着剤が提案され
ている。
【0009】特に、アクリル/エポキシ系粘接着剤につ
いては、熱硬化タイプ、光硬化タイプあるいは湿気硬化
タイプなどの様々な硬化方法のものが提案されている。
しかしながら、アクリル/エポキシ系粘接着剤において
も、硬化後のエポキシ成分が固いため、十分な剥離強度
を得ることは困難であった。そこで、エポキシ系接着剤
と同様に、アクリル/エポキシ系粘接着剤に架橋ゴム粒
子を配合し、剥離力を高める方法が提案されている(特
開平7−138550号公報)。
【0010】しかしながら、架橋ゴム粒子は、一般にア
クリル系ポリマーに対する分散性が低く、上記アクリル
/エポキシ系粘接着剤中に均一に分散させることが困難
であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、硬化
物を柔軟として剥離強度を高め得る架橋ゴム粒子を、ア
クリル/エポキシ系粘接着剤成分に容易にかつ均一に分
散し得る方法、該分散方法により得られた分散物、及び
該分散物を用いた硬化型粘接着剤組成物を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る架橋ゴム粒子の分散方法は、エポキシ基と反応する
官能基を有する架橋ゴム粒子と、単官能エポキシ化合物
とを有機溶剤中で混合し、エポキシ基と反応する官能基
を反応させた後、アクリル系ポリマーと混合することを
特徴とする。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の架橋ゴム粒子の分散方法により得られた架橋ゴ
ム粒子分散物である。請求項3に記載の発明は、請求項
2に記載の架橋ゴム粒子分散物、多官能エポキシ化合物
及び光カチオン重合開始剤を含むことを特徴とする硬化
型粘接着剤組成物である。
【0014】以下、本発明の詳細を説明する。請求項1
に記載の発明に係る架橋ゴム粒子の分散方法は、アクリ
ル系ポリマーに対する相溶性を有するエポキシ化合物成
分を架橋ゴム粒子にグラフトさせることにより、架橋ゴ
ム粒子とアクリル系ポリマーとの相溶性を高め、架橋ゴ
ム粒子の分散性を高めたことに特徴を有する。
【0015】従って、上記架橋ゴム粒子は、表面にエポ
キシ基と反応する官能基(反応性官能基)を有するもの
が用いられる。上記反応性官能基としては、エポキシ基
と反応し得る限り、特に限定されるものではないが、例
えば、COOH基、OH基、ビニルエーテル基、グリシ
ジル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基、メルカ
プト基などを挙げることができる。
【0016】また、架橋ゴム粒子の材質についても、接
着硬化物において応力緩和作用を果たし得る限り、特に
限定されるものではないが、NBR、アクリル系ゴム、
シリコーンゴム、ウレタンゴムなどを用いることができ
る。具体的には、例えば、日本合成ゴム社製、商品名:
XER91(COOH基含有架橋NBR)、同 商品
名:XER71(エポキシ基含有架橋NBR)、同、商
品名:DHS2S(COOH基含有架橋アクリルゴム)
を用いることができる。
【0017】架橋ゴム粒子の粒径は、1次粒径で100
μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μ
m以下である。架橋ゴム粒子の粒径が100μmを超え
ると、得られた架橋ゴム粒子をアクリル/エポキシ系粘
接着剤に分散させた場合、接着硬化物の剥離力が十分に
高まらないことがある。
【0018】上記反応性官能基を有する架橋ゴム粒子
は、単官能エポキシ化合物と有機溶剤中でまず混合され
る。この単官能エポキシ化合物としては、アルキルグリ
シジルエーテル、フェノールグリシジルエーテル、クレ
ジルグリシジルエーテル及びこれらの変成体を用いるこ
とができるが、単官能エポキシ化合物は、アクリル系ポ
リマーと相溶性を有する限り特に限定されるものではな
い。
【0019】上記有機溶剤としては、架橋ゴム粒子及び
単官能エポキシ化合物を混合した場合に、反応性官能基
を単官能エポキシ化合物と反応させ得る媒体である限り
特に限定されるものではないが、沸点が40〜200℃
程度の有機溶剤を用いることが好ましい。沸点が上記範
囲より低い場合には、揮発性が高く、常温での取扱いが
困難となり、上記範囲を超えると塗膜の乾燥が不十分で
接着性が低下することがある。このような有機溶剤とし
ては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(ME
K)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、蟻酸エチ
ル、蟻酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、トルエン、p−キシレン、n−ヘキサン、シクロヘ
キサン、クロロホルム、四塩化炭素などの一般的な有機
溶剤を用いることができる。なお、一般的な有機溶剤に
ついては、講談社発行「溶剤ハンドブック」に詳述され
ている。
【0020】上記架橋ゴム粒子を単官能エポキシ化合物
と有機溶剤中で混合し、反応性官能基を反応させるに具
体的な工程については、特に限定されるわけではない
が、好ましくは、先ず有機溶剤中に架橋ゴム粒子を均一
に分散させ、しかる後、単官能エポキシ化合物を適宜添
加していく方法が用いられる。有機溶剤の量について
は、架橋ゴム粒子が目的の粒径にまで分散し得る適宜の
量とすることが望ましい。また、上記架橋ゴム粒子及び
単官能エポキシ化合物を反応させる際の温度について
は、室温〜溶剤の沸点の範囲で自由に調整し得る。
【0021】また、上記反応性官能基を有する架橋ゴム
粒子と単官能エポキシ化合物との反応を高めるために、
トリフェニルフォスフィンなどの反応触媒を添加しても
よい。
【0022】上記架橋ゴム粒子と単官能エポキシ化合物
との反応については、架橋ゴム粒子中の反応性官能基の
反応率が全体の10〜90モル%となるように、好まし
くは30〜70モル%となるように反応させることが望
ましい。上記反応率が10モル%を下回ると、架橋ゴム
粒子の分散粒径が大きくなり、架橋ゴム粒子を配合した
硬化型粘接着剤の接着硬化物の剥離強度が十分に高まら
ないことがあり、90モル%を超えると、粘接着剤硬化
時に架橋ゴム粒子がエポキシの3次元網目構造に取り込
まれ難くなり、耐熱性が低下することがある。
【0023】架橋ゴム粒子と単官能エポキシ化合物とを
有機溶剤中で混合する場合の架橋ゴム粒子と単官能エポ
キシ化合物の配合割合については、それぞれの種類によ
っても異なるため一義的には定め得ないが、上述したよ
うに、架橋ゴム粒子中の反応性官能基の反応率が全体の
10〜90モル%、より好ましくは30〜70モル%と
なるように選択される。
【0024】請求項1に記載の発明では、上記架橋ゴム
粒子及び単官能エポキシ化合物を有機溶剤中で混合して
反応性官能基を反応させた後、アクリル系ポリマーと混
合する。
【0025】上記アクリル系ポリマーとしては、アクリ
ル/エポキシ系粘接着剤に用いられている適宜のアクリ
ル系ポリマーを用いることができ、特に限定されるもの
ではない。もっとも、好ましくは、アクリル/エポキシ
系粘接着剤を構成するのに慣用されているアルキル(メ
タ)アクリレート重合体もしくは共重合体が、より好ま
しくは、アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メ
タ)アクリレートと、それに共重合可能なビニル系モノ
マーとのアルキル(メタ)アクリレート共重合体が用い
られる。
【0026】上記架橋ゴム粒子及び単官能エポキシ化合
物を有機溶剤中で混合し反応させた後、アクリル系ポリ
マーを混合する際のアクリル系ポリマーの割合について
は、特に制約を受けることなく、硬化前後の所望の粘接
着物性に応じて適宜決定されればよい。
【0027】請求項1に記載の発明では、上記のよう
に、架橋ゴム粒子と単官能エポキシ化合物とを予め反応
させ、アクリル系ポリマーに対する相溶性が高いエポキ
シ化合物成分が架橋ゴム粒子にグラフトされることにな
る。従って、架橋ゴム粒子とアクリル系ポリマーとの相
溶性が高められ、粒径の小さな架橋ゴム粒子がアクリル
系ポリマーに対して均一に分散された請求項2に記載の
発明に係る分散物が得られる。
【0028】請求項3に記載の発明に係る硬化型粘接着
剤組成物は、請求項2に記載の発明に係る上記分散物を
用いたことを特徴とし、該分散物、多官能エポキシ化合
物及び光カチオン重合開始剤を含む。
【0029】上記多官能エポキシ化合物は、アクリル/
エポキシ系硬化型粘接着剤の硬化成分を構成するために
用いられているものであり、このような多官能エポキシ
化合物については、特に限定されるわけではないが、多
官能エポキシ化合物を好適に用いることができる。ま
た、多官能エポキシ化合物としては、ビスフェノールA
型もしくはビスフェノールF型などのビスフェノール
型、フェノールノボラック型もしくはクレゾールノボラ
ック型などのノボラック型、グリシジルエーテル型、グ
リシジルアミン型及び脂環式エポキシなどの適宜の構造
のものを用いることができる。
【0030】上記光カチオン重合開始剤は、光を照射さ
れることにより活性化され、光カチオン重合開始物質を
発生するものであり、光の照射により重合を開始し得る
ので、比較的低エネルギーで重合を開始することができ
る。
【0031】上記光としては、マイクロ波、赤外線、可
視光、紫外線、X線、γ線などを用いることができる
が、一般的に取扱いが容易かつ簡便であり、比較的高エ
ネルギーを得ることができる紫外線が好適に用いられ
る。より好ましくは、波長200〜400nmの紫外線
が用いられる。
【0032】上記紫外線は、高圧水銀灯、超高圧水銀
灯、ケミカルランプなどの適宜の光源を用いて照射する
ことができる。光カチオン重合開始剤は、イオン性光酸
発生タイプ及び非イオン性光酸発生タイプの何れでもよ
い。
【0033】上記イオン性光酸発生タイプとしては、芳
香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩のオニウム塩や、鉄−アレン錯体、チタノセ
ン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの
有機金属錯体類などを挙げることができる。より具体的
には、例えば、オプトマーSP−150(旭電化工業社
製)、オプトマーSP−170(旭電化工業社製)、U
VE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、C
D−1012(サートマー社製)などの市販の化合物を
用いることができる。
【0034】また、非イオン性光酸発生タイプとして
は、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン
酸エステル、スルホン酸誘導体、フェノールスルホン酸
エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミド
スルホナートなどを用いることができる。
【0035】上記光カチオン重合開始剤については、単
独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよく、有
効活性波長の異なる複数の光カチオン重合開始剤を用い
て複数段階で硬化させてもよい。
【0036】さらに、他の光重合開始剤、例えば光ラジ
カル重合開始剤または光アニオン重合開始剤を併用して
もよい。この場合、必ずしも、光ラジカル重合開始剤や
光アニオン重合開始剤を活性化する光の波長は、光カチ
オン重合開始剤を活性化する波長と同等である必要はな
い。
【0037】上記光カチオン重合開始剤は、請求項3に
記載の発明に係る硬化型粘接着剤組成物において、多官
能エポキシ化合物の官能基1モルに対し、0.001〜
10モル%の範囲で配合することが好ましい。0.00
1モル%よりも少ない場合には、十分に光カチオン重合
が進行せず、硬化速度が遅くなることがあり、10モル
%よりも多いと、光照射による硬化が速く進み過ぎ、被
着体に貼付するまでの作業時間が制約されることがあ
る。
【0038】また、請求項3に記載の発明に係る硬化型
粘接着剤組成物では、上記分散物、多官能エポキシ化合
物及び光カチオン重合開始剤の他に、本発明の目的を阻
害しない範囲で、接着性を高めるために他のアクリル樹
脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹
脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、ゴムなどの他のポ
リマー成分が配合されていてもよく、また、公知の粘着
付与樹脂や増量剤などを適宜配合してもよい。
【0039】また、請求項3に記載の発明に係る硬化型
粘接着剤組成物は、使用場所に応じて適宜の形態で用い
ることができる。すなわち、硬化型粘接着剤として被着
体に塗工し、これを照射することにより硬化させること
ができる。あるいは硬化型粘接着剤組成物をシート状に
加工し、両面粘着テープと同様にして用いてもよい。
【0040】(作用)請求項1に記載の発明に係る架橋
ゴム粒子の分散方法では、まず、エポキシ基と反応する
官能基を有する架橋ゴム粒子と単官能エポキシ化合物と
が有機溶剤中で混合されて該反応性官能基が反応し、ア
クリル系ポリマーに対する相溶性に優れたエポキシ化合
物成分が架橋ゴム粒子表面にグラフトされる。従って、
次にアクリル系ポリマーを混合した場合、架橋ゴム粒子
のアクリル系ポリマーに対する相溶性が高められている
ので、粒径の小さい架橋ゴム粒子がアクリル系ポリマー
に対して均一に分散された請求項2に記載の発明に係る
分散物が得られる。
【0041】請求項3に記載の発明に係る硬化型粘接着
剤組成物では、上記分散物、多官能エポキシ化合物及び
光カチオン重合開始剤を含むが、該分散物において架橋
ゴム粒子がアクリル系ポリマーに対して均一かつ微細に
分散しているため、硬化型粘接着剤組成物においても、
架橋ゴム粒子がアクリル/エポキシ系粘接着剤全体にわ
たり均一に分散される。従って、硬化型粘接着剤組成物
に光を照射し、多官能エポキシ化合物を光カチオン重合
し、硬化させた場合、均一に分散された粒径の小さい架
橋ゴム粒子により硬化物の応力が均一に緩和され、耐剥
離強度の向上が図られる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明をより詳細に説明する。
【0043】(実施例1)エポキシ基と反応する反応性
官能基を有する架橋ゴム粒子として、日本合成ゴム社
製、商品名:XER91(COOH基含有架橋NBR:
平均粒径80nm)を、濃度が10重量%となるように
メチルエチルケトンに分散させた。この場合、架橋ゴム
粒子の分散粒径は80nmであった。この分散液を60
℃で攪拌しつつ単官能エポキシ化合物としてアルキルグ
リシジルエーテル(旭電化社製、商品名:ED502
S)を、上記架橋ゴム粒子100重量部に対し2重量部
添加し、1時間反応させた。また、中和滴定により、上
記架橋ゴム粒子のCOOH基の56モル%が反応したこ
とを確認した。このときの架橋ゴム粒子の分散粒径は8
0nmであった。
【0044】(実施例2)架橋ゴム粒子として、日本合
成ゴム社製、商品名:DHS2S(COOH基含有架橋
アクリルゴム、平均粒径80nm)を用いたことを除い
ては、実施例1と同様にして架橋ゴム粒子分散液を得
た。架橋ゴム粒子の分散粒径は80nmであり、COO
H基の反応率は、49モル%であった。
【0045】(比較例1)実施例1において、単官能エ
ポキシ化合物を用いなかったことを除いては、実施例1
と同様とした。架橋ゴム粒子の分散粒径は、80nmで
あった。
【0046】(比較例2)実施例2において、単官能エ
ポキシ化合物を用いなかったことを除いては、実施例2
と同様にして分散液を得た。架橋ゴム粒子の分散粒径は
80nmであった。
【0047】(比較例3)架橋ゴム粒子を分散させず、
単官能エポキシ化合物としてのアルキルグリシジルエー
テルをMEKに混合した。
【0048】(実施例及び比較例の評価)実施例1,2
及び比較例1,2で得た分散物または比較例3で得た単
官能エポキシ化合物溶液の固形分それぞれ5重量部に対
し、多官能エポキシ化合物としてのビスフェノールA型
エポキシ化合物(油化シェルエポキシ社製、商品名:エ
ピコート828)45重量部と、アクリル系共重合体と
してのポリエチルアクリレート(Mw=62万、40重
量%酢酸エチル溶液)の不揮発分50重量部、光カチオ
ン重合開始剤(旭電化社製、商品名:SP170、芳香
族スルホニウムアンチモン塩)1.5重量部とを配合
し、高速攪拌機で1分間攪拌し、それぞれ、硬化型粘接
着剤組成物を得た。
【0049】得られた各硬化型粘接着剤について、架
橋ゴム粒子の平均粒径、及び接着力を下記の要領で評
価した。 架橋ゴム粒子の平均粒径…堀場製作所製、レーザー光
散乱粒径測定機により、架橋ゴム粒子の平均粒径を測定
した。
【0050】厚さ100μmの透明なポリエチレンナ
フタレート(PEN)フィルムに、最終厚みが100μ
mとなるように硬化型粘接着剤を塗工し、100℃のギ
ヤオーブン内で10分間乾燥し、溶剤を揮発させた。し
かる後、硬化型粘接着剤層上に別のPENフィルムを貼
付し、超高圧水銀灯により波長365nmの紫外線を3
J/cm2 の強度で照射し、光カチオン重合を引き起こ
し、硬化させ、サンプルを得た。しかる後、PENフィ
ルム同士が硬化型粘接着剤により接合された上記サンプ
ルを20mm幅に切断し、T型剥離試験により50mm
/分の条件で剥離し、接着力を測定した。結果を下記の
表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1から明らかなように、比較例1,2で
は、単官能エポキシ化合物に対して架橋ゴム粒子を予め
反応させていないため、架橋ゴム粒子の硬化型粘接着剤
組成物における平均粒径が250μm以上と非常に大き
く、かつ硬化型粘接着剤の接着力も900g/20mm
と低かった。これに対して、実施例1,2では、架橋ゴ
ム粒子に、予め単官能エポキシ化合物を反応させること
によりアクリル系ポリマーとの相溶性が高められている
ためか、硬化型粘接着剤中における架橋ゴム粒子の平均
粒径が10μm以下と非常に小さくなり、従って微小粒
径の架橋ゴム粒子が全体にわたり均一に分散されている
ことがわかる。また、接着力も2200g/20mm以
上と著しく高められた。
【0053】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、エポキ
シ基と反応する官能基を有する架橋ゴム粒子が、まず、
多官能エポキシ化合物と有機溶剤中で混合され、該反応
性官能基が反応され、エポキシ化合物成分が架橋ゴム粒
子にグラフトされる。このエポキシ化合物成分はアクリ
ル系ポリマーに対する相溶性に優れているので、アクリ
ル系ポリマーと混合することにより、小さな粒径の架橋
ゴム粒子が全体にわたり均一に分散する。
【0054】従って、小さな粒径の架橋ゴム粒子が均一
に分散された請求項2に記載の発明に係る架橋ゴム粒子
分散物を得ることができる。よって、請求項2に記載の
発明に係る分散物を用いてアクリル系粘着成分を利用し
た硬化型粘接着剤を構成した場合、最終的な接着硬化物
における応力が、均一に分散された架橋ゴム粒子の作用
により緩和される。よって、耐剥離強度の高い硬化型粘
接着剤を提供することが可能となる。
【0055】請求項3に記載の発明に係る硬化型粘接着
剤組成物は、上記請求項2に記載の発明に係る分散物
と、多官能エポキシ化合物と、光カチオン重合開始剤と
を含む。この分散物においては、架橋ゴム粒子がアクリ
ル系ポリマーに対して小さな粒径で均一に分散されてい
るので、光を照射して硬化型粘接着剤組成物において多
官能エポキシ化合物の光カチオン重合・硬化を引き起こ
し、接着硬化物を得た場合、接着硬化物の剥離強度を確
実に高めることが可能となる。すなわち、アクリル/エ
ポキシ系硬化型粘接着剤において、感圧接着性を利用し
て被着体に容易に貼付し、光の照射により容易に硬化さ
せ得るだけでなく、最終的な接着硬化物の剥離強度、す
なわち接着力をも効果的に高めることが可能となる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ基と反応する官能基を有する架
    橋ゴム粒子と、単官能エポキシ化合物とを有機溶剤中で
    混合し、エポキシ基と反応する官能基とエポキシ基とを
    反応させた後、アクリル系ポリマーと混合することを特
    徴とする架橋ゴム粒子の分散方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の架橋ゴム粒子の分散方
    法により得られた架橋ゴム粒子分散物。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の架橋ゴム粒子分散物、
    多官能エポキシ化合物及び光カチオン重合開始剤を含む
    ことを特徴とする硬化型粘接着剤組成物。
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