JP3451110B2 - 止水性軽量発泡硬化体 - Google Patents
止水性軽量発泡硬化体Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木・建築工事におけ
る盛土の構築、埋戻し、充填等に用いられる地盤材料と
して好適な止水性軽量発泡硬化体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、土木・建築工事における盛土や埋
戻し等に用いられる材料としては、土砂やソイルセメン
ト等が使用されてきた。しかし、これらの材料はその比
重が概して重いため、地盤のすべり破壊や大きな圧密沈
下等が生じる問題があった。これらの問題を解決するた
めの材料として、発泡スチロールや発泡モルタル等があ
るが、前者は有機溶剤に可溶性であることや耐火性の点
で問題があり、後者に至っては、盛土材などの地盤材料
としては強度が高すぎるといった欠点を有している。 【0003】上記材料の問題点を解消する材料として上
記発泡モルタルの気泡の混入率を50%以上まで高め
て、強度を10kgf/cm2程度にまで抑さえた気泡
モルタルが実用に供されている。しかし、この材料にあ
っても、長期間にわたって地下水や雨水が浸透すると湿
潤密度が大きくなり、初期の軽量性が失われるといった
欠点がある。 【0004】また、上記のように多量の気泡を含む材料
は、打設初期の発現強度が低く、また水密性も低いため
に、含有する水分が気中に散逸し、乾燥ひび割れが生
じ、上記雨水の侵入に加えて、強度低下を招くなど構造
上の欠点ともなっている。 【0005】そこで、適量の水ガラスを急結剤として添
加して初期強度を高め、打設後数時間で数kgf/cm
2程度の強度を発現させることができる気泡モルタルが
開発されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記水
ガラスを添加した気泡モルタルにあっても、初期の乾燥
に起因する乾燥ひび割れによる欠点は解消されていな
い。 【0007】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
のであり、盛土や埋戻し等に用いられる材料としての軽
量性・強度を有し、乾燥によるひび割れが発生せず、か
つ地下水や雨水が浸透を抑さえる止水性軽量発泡硬化体
を提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
止水性軽量発泡硬化体は、土木・建築工事における盛土
材あるいは埋戻し材等の地盤材料として用いられる止水
性軽量発泡硬化体であって、水硬性硬化剤と、起泡剤
と、急結剤と、水と、アスファルト乳剤とを混合して硬
化してなり、かつ、当該止水性軽量発泡硬化体に対する
前記アスファルト乳剤の含有率が5〜20vol%であ
ることを特徴としている。 【0009】 【0010】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
止水性軽量発泡硬化体は、水硬性硬化材と水とを反応さ
せて硬化させるとともに、起泡剤により硬化体中に気泡
を導入させて軽量化を図り、急結剤によって硬化を促進
させて硬化初期から強度を付与し、さらにアスファルト
乳剤により有機被膜を硬化体表面に形成させて、該硬化
体からの水分の散逸および硬化体内部への透水性を抑さ
え、盛土材などとしての強度を具備し、かつ、長期使用
によっても湿潤密度の増大を抑さえることができる止水
性の軽量発泡硬化体である。 【0011】具体的には、実用上不透水とみなされる透
水性、すなわち透水係数が1×10-5cm/sec程度
以下の透水性を有し、かつ打設初期の発現強度が数kg
f/cm2程度の特性を有するようにした水硬性硬化体
である。 【0012】本発明の止水性軽量発泡硬化体に使用され
る水硬性硬化剤としては、セメント、石灰、スラグ等の
無機材料や、ウレタンプレポリマー、アクリルアミドな
どの有機材料を用いることができるが、瞬結性および長
期強度を確保する等の点から特にセメントが好ましい。 【0013】上記のセメントとしては、一般にポルトラ
ンドセメントが使用されるが、その他の各種セメント、
例えば高炉セメント、フライアッシュセメントなどの混
合セメントや、アルミナセメントなどの特種セメントを
使用することもできる。 【0014】前記起泡剤としては、膠質ブチルスルフォ
ン酸ナフタレン、ゼラチン、カゼインなどの淡泊質の誘
導体、サポニン、樹脂石けん、硫酸ラウリルソーダー等
を使用することができる。なお、使用する材料により異
なるが、本発明においては、起泡剤の配合量は、水硬性
硬化剤100重量部に対して0.1〜8.0重量部程度
とされる。なお、この起泡剤による硬化体中の気泡の混
入率は、20〜80%程度である。 【0015】急結剤としては、水ガラス、重クロム酸カ
リ、ケイフッ化ソーダー、アルミン酸ソーダー、塩化ア
ルミニウム、塩化カルシウム等が用いられるが、瞬結性
に優れ、強度発現性が良好で、かつ取扱いの安全性など
の点から特に水ガラス(JIS3号品(Si02含量2
8〜30%))が好適である。なお、使用する材料によ
り異なるが、本発明の止水性軽量発泡硬化体における急
結剤の配合量は、水硬性硬化剤100重量部に対して1
0〜100重量部程度とされる。また、本発明の水硬性
軽量発泡硬化体における水の混合量は水硬性硬化剤10
0重量部に対して100〜300重量部程度とされる。 【0016】アスファルト乳剤としては、カチオン系、
ノニオン系、アニオン系のアスファルト乳剤が用いられ
る。カチオン系のアスファルト乳剤は、アルカリや塩類
の存在によって容易に水を放出しながら相分離し、有機
止水層を形成する。一方、アニオン系、ノニオン系のア
スファルト乳剤は、塩類が存在しても安定性が高く、徐
々に水を放出しながら相分離し、有機止水層を形成す
る。このため、本発明の混合用としては、相分離が緩や
かに起こり、硬化体表面に密着性の高い有機被膜を形成
するアニオン系およびノニオン系の乳剤が適している。
そして、硬化体表面に密着性のより高い有機被膜を形成
する点から、特にアニオン系のアスファルト乳剤が本発
明に添加混合するアスファルト乳剤として好適である。
なお、使用する材料により異なるが本発明の止水性軽量
発泡硬化体におけるアスファルト乳剤の配合量は、水硬
性硬化剤100重量部に対して、30〜200重量部程
度とされる。 【0017】また、硬化体中におけるアスファルト乳剤
の含有率としては硬化体中の5〜20vol%とする。
なぜなら、5vol%未満では、多くの場合、硬化体の
透水係数が実用上不透水とみなされる1×10−5cm
/secを越えてしまうからである。また、20vol
%を越えると硬化体の物性がアスファルトに近づき、変
形係数が大きくなる上、クリープ変形も大きくなるため
である。 【0018】次に、本発明の止水性軽量発泡硬化体の製
造方法について説明する。上記構成材料の混合方法に
は、 (イ)水硬性硬化剤と水と起泡剤とを混合し、この混合
物に急結剤を添加混合し、硬化が始まる前に最後にアス
ファルト乳剤を添加混合する。 (ロ)水硬性硬化剤と水と起泡剤とを混合し、この混合
物にアスファルト乳剤を添加混合し、最後に急結剤を添
加混合する。 (ハ)水硬性硬化剤と水と起泡剤とアスファルト乳剤と
を混合し、最後に急結剤を添加混合する。 (ニ)水硬性硬化剤と水と起泡剤とを混合し、アスファ
ルト乳剤と急結剤とを混合し、これら二つの混合物を混
合する。の4つの方法がある。 【0019】アスファルト乳剤を使用する場合、アスフ
ァルトが機材に付着するため、清掃が必須となる。この
清掃作業を軽減するため、極端な初期強度発現が必要で
ない場合には、(イ)の方法が製造プラントの整備の点
で有利である。一方、硬化体作製時に瞬結性ないしはそ
れに近い性状が必要な場合には、(イ)の方法では均一
にアスファアルト乳剤を混合できないので、急結剤を後
添加する(ロ)〜(ニ)の方法が好適となる。 【0020】 【作用】前記請求項1の発明によれば、アスファルト乳
剤が相分離して、硬化体表面に有機被膜が形成され、該
硬化体からの水分の散逸が抑さえられるとともに、乾燥
によるひび割れが防止される。また、硬化体内への水の
浸透が抑さえられる。 【0021】 【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。表1に本発明の止水性軽量発泡硬化体の作製に供
した材料およびその配合量を示した。 【表1】 表1に示した材料を上記混合方法(イ)により混合し、
止水性軽量発泡硬化体を作製した。すなわち、普通ポル
トランドセメント250kg/m3、起泡剤0.6kg/
m3、水300kg/m3、水ガラス120kg/m3からな
るゲルタイム14秒程度の材料に、アニオン系アスファ
ルト乳剤を内割体積で、2.5〜20%添加混合した。
なお、材料の水ガラスは、混合に際して予め水で希釈
( 水ガラス/水=2)して混合が容易に行われるよう
に調製した。また、気泡の混入率は、53%とした。そ
して、これらアスファルト乳剤の含有率を変化させた止
水性軽量発泡硬化体について、その透水試験並びに強度
試験を行った。 【0022】図1は、アスファルト乳剤の含有率(気泡
モルタルに対する内割体積比)を変化させて止水性軽量
発泡硬化体を得、これらの硬化体の材令34日における
透水試験(JIS A1218に準じる。)の結果を示
したものである。図1に示したように、透水係数(対数
表示)は、アスファルト乳剤の含有率が高くなるにつれ
て直線的に減少することが確認された(透水係数の低下
率は、含有率2%で36%、含有率5%で47%、含有
率10%で87%、含有率20%で97%であった)。
材料の透水係数は添加前の材料の透水係数によって大き
く影響を受ける多種の材料に対して不透水材を得るため
には安全を見て、アスファルト乳剤の含有率を5%以上
として混合しなければならないことが判明した。 【0023】図2は、本発明の止水性軽量発泡硬化体を
アスファルト乳剤の含有率を変化させて得、材令3、
7、34日における一軸圧縮強さ試験(JIS A12
16に準じる。)の結果を示したものである。図2に示
したように、各材令ともアスファルト乳剤の含有率が高
くなるにつれて、その一軸圧縮強さは低くなることが確
認された。材令3日における強度は、アスファルト乳剤
の含有率が20vol%の場合においても約6kgf/
cm2であり、盛土の初期強度として十分な強度発現が
確認された。また、アスファルト乳剤の含有率が20v
ol%の止水性軽量発泡硬化体の強度の経時変化につい
ても、材令とともに増加し、材令34日では、約8kg
f/cm2で盛土等に用いる材料として十分な強度が得
られることが確認された。しかし、アスファルト乳剤の
添加を20vol%以上とした場合には、アスファルト
の物性が卓越し、クリープ変形等が大きくなるため、盛
土材としての利用は難しくなる。したがって、盛土材等
に用いる材料としては、アスファルト乳化剤の含有量
を、20vol%以下として混合しなければならないこ
とが判明した。 【0024】以上説明したように、本発明の止水性軽量
発泡硬化体によれば、表1に示した材料を上記(イ)の
混合方法により混合し、セメントに由来するアルカリの
作用によりアスファルト乳剤を相分離させて、硬化体中
に有機被膜を形成させ、硬化体からの水分の散逸を抑さ
え、乾燥による硬化体のひび割れを防止したので、アス
ファルト乳剤の含有率が20vol%の場合においても
材令3日強度で約6kgf/cm2と、盛土の初期強度
として十分な強度発現が得られることが確認された。ま
た、上記有機被膜により硬化体内部への水の浸透を抑さ
えるようにしたので、アスファルト乳剤の含有率が5v
ol%以上であれば、透水係数が実用上不透水とみなさ
れる1×10-5cm/sec以下に抑さえることがで
き、長期使用による湿潤密度の増大を抑さえることがで
きる。 【0025】 【発明の効果】本発明に係る止水性軽量発泡硬化体によ
れば、以下の効果を奏することができる。請求項1記載
の止水性軽量発泡硬化体によれば、硬化体表面に有機被
膜を形成し、該硬化体からの水分の散逸を抑さえるとと
もに、乾燥によるひび割れを防止し、かつ硬化体内部へ
の水の浸透を抑さえるようにしたので、ひび割れによる
強度低下を抑さえるとともに、地下水あるいは雨水等の
侵入による湿潤密度の増大を抑さえることができる。 【0026】特に、アスファルト乳剤を硬化体中の5〜
20vol%となるように混合したので、アスファルト
乳剤の含有率が20vol%の場合においても材令3日
強度で約6kgf/cm2と、盛土の初期強度として十
分な強度発現を得ることができる。また、上記有機被膜
により硬化体内部への水の浸透を抑さえるようにしたの
で、アスファルト乳剤の含有率が5vol%以上であれ
ば、透水係数が実用上不透水とみなされる1×10−5
cm/sec以下に抑さえることができ、長期使用によ
る湿潤密度の増大を抑さえることができる。
る盛土の構築、埋戻し、充填等に用いられる地盤材料と
して好適な止水性軽量発泡硬化体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、土木・建築工事における盛土や埋
戻し等に用いられる材料としては、土砂やソイルセメン
ト等が使用されてきた。しかし、これらの材料はその比
重が概して重いため、地盤のすべり破壊や大きな圧密沈
下等が生じる問題があった。これらの問題を解決するた
めの材料として、発泡スチロールや発泡モルタル等があ
るが、前者は有機溶剤に可溶性であることや耐火性の点
で問題があり、後者に至っては、盛土材などの地盤材料
としては強度が高すぎるといった欠点を有している。 【0003】上記材料の問題点を解消する材料として上
記発泡モルタルの気泡の混入率を50%以上まで高め
て、強度を10kgf/cm2程度にまで抑さえた気泡
モルタルが実用に供されている。しかし、この材料にあ
っても、長期間にわたって地下水や雨水が浸透すると湿
潤密度が大きくなり、初期の軽量性が失われるといった
欠点がある。 【0004】また、上記のように多量の気泡を含む材料
は、打設初期の発現強度が低く、また水密性も低いため
に、含有する水分が気中に散逸し、乾燥ひび割れが生
じ、上記雨水の侵入に加えて、強度低下を招くなど構造
上の欠点ともなっている。 【0005】そこで、適量の水ガラスを急結剤として添
加して初期強度を高め、打設後数時間で数kgf/cm
2程度の強度を発現させることができる気泡モルタルが
開発されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記水
ガラスを添加した気泡モルタルにあっても、初期の乾燥
に起因する乾燥ひび割れによる欠点は解消されていな
い。 【0007】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
のであり、盛土や埋戻し等に用いられる材料としての軽
量性・強度を有し、乾燥によるひび割れが発生せず、か
つ地下水や雨水が浸透を抑さえる止水性軽量発泡硬化体
を提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
止水性軽量発泡硬化体は、土木・建築工事における盛土
材あるいは埋戻し材等の地盤材料として用いられる止水
性軽量発泡硬化体であって、水硬性硬化剤と、起泡剤
と、急結剤と、水と、アスファルト乳剤とを混合して硬
化してなり、かつ、当該止水性軽量発泡硬化体に対する
前記アスファルト乳剤の含有率が5〜20vol%であ
ることを特徴としている。 【0009】 【0010】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
止水性軽量発泡硬化体は、水硬性硬化材と水とを反応さ
せて硬化させるとともに、起泡剤により硬化体中に気泡
を導入させて軽量化を図り、急結剤によって硬化を促進
させて硬化初期から強度を付与し、さらにアスファルト
乳剤により有機被膜を硬化体表面に形成させて、該硬化
体からの水分の散逸および硬化体内部への透水性を抑さ
え、盛土材などとしての強度を具備し、かつ、長期使用
によっても湿潤密度の増大を抑さえることができる止水
性の軽量発泡硬化体である。 【0011】具体的には、実用上不透水とみなされる透
水性、すなわち透水係数が1×10-5cm/sec程度
以下の透水性を有し、かつ打設初期の発現強度が数kg
f/cm2程度の特性を有するようにした水硬性硬化体
である。 【0012】本発明の止水性軽量発泡硬化体に使用され
る水硬性硬化剤としては、セメント、石灰、スラグ等の
無機材料や、ウレタンプレポリマー、アクリルアミドな
どの有機材料を用いることができるが、瞬結性および長
期強度を確保する等の点から特にセメントが好ましい。 【0013】上記のセメントとしては、一般にポルトラ
ンドセメントが使用されるが、その他の各種セメント、
例えば高炉セメント、フライアッシュセメントなどの混
合セメントや、アルミナセメントなどの特種セメントを
使用することもできる。 【0014】前記起泡剤としては、膠質ブチルスルフォ
ン酸ナフタレン、ゼラチン、カゼインなどの淡泊質の誘
導体、サポニン、樹脂石けん、硫酸ラウリルソーダー等
を使用することができる。なお、使用する材料により異
なるが、本発明においては、起泡剤の配合量は、水硬性
硬化剤100重量部に対して0.1〜8.0重量部程度
とされる。なお、この起泡剤による硬化体中の気泡の混
入率は、20〜80%程度である。 【0015】急結剤としては、水ガラス、重クロム酸カ
リ、ケイフッ化ソーダー、アルミン酸ソーダー、塩化ア
ルミニウム、塩化カルシウム等が用いられるが、瞬結性
に優れ、強度発現性が良好で、かつ取扱いの安全性など
の点から特に水ガラス(JIS3号品(Si02含量2
8〜30%))が好適である。なお、使用する材料によ
り異なるが、本発明の止水性軽量発泡硬化体における急
結剤の配合量は、水硬性硬化剤100重量部に対して1
0〜100重量部程度とされる。また、本発明の水硬性
軽量発泡硬化体における水の混合量は水硬性硬化剤10
0重量部に対して100〜300重量部程度とされる。 【0016】アスファルト乳剤としては、カチオン系、
ノニオン系、アニオン系のアスファルト乳剤が用いられ
る。カチオン系のアスファルト乳剤は、アルカリや塩類
の存在によって容易に水を放出しながら相分離し、有機
止水層を形成する。一方、アニオン系、ノニオン系のア
スファルト乳剤は、塩類が存在しても安定性が高く、徐
々に水を放出しながら相分離し、有機止水層を形成す
る。このため、本発明の混合用としては、相分離が緩や
かに起こり、硬化体表面に密着性の高い有機被膜を形成
するアニオン系およびノニオン系の乳剤が適している。
そして、硬化体表面に密着性のより高い有機被膜を形成
する点から、特にアニオン系のアスファルト乳剤が本発
明に添加混合するアスファルト乳剤として好適である。
なお、使用する材料により異なるが本発明の止水性軽量
発泡硬化体におけるアスファルト乳剤の配合量は、水硬
性硬化剤100重量部に対して、30〜200重量部程
度とされる。 【0017】また、硬化体中におけるアスファルト乳剤
の含有率としては硬化体中の5〜20vol%とする。
なぜなら、5vol%未満では、多くの場合、硬化体の
透水係数が実用上不透水とみなされる1×10−5cm
/secを越えてしまうからである。また、20vol
%を越えると硬化体の物性がアスファルトに近づき、変
形係数が大きくなる上、クリープ変形も大きくなるため
である。 【0018】次に、本発明の止水性軽量発泡硬化体の製
造方法について説明する。上記構成材料の混合方法に
は、 (イ)水硬性硬化剤と水と起泡剤とを混合し、この混合
物に急結剤を添加混合し、硬化が始まる前に最後にアス
ファルト乳剤を添加混合する。 (ロ)水硬性硬化剤と水と起泡剤とを混合し、この混合
物にアスファルト乳剤を添加混合し、最後に急結剤を添
加混合する。 (ハ)水硬性硬化剤と水と起泡剤とアスファルト乳剤と
を混合し、最後に急結剤を添加混合する。 (ニ)水硬性硬化剤と水と起泡剤とを混合し、アスファ
ルト乳剤と急結剤とを混合し、これら二つの混合物を混
合する。の4つの方法がある。 【0019】アスファルト乳剤を使用する場合、アスフ
ァルトが機材に付着するため、清掃が必須となる。この
清掃作業を軽減するため、極端な初期強度発現が必要で
ない場合には、(イ)の方法が製造プラントの整備の点
で有利である。一方、硬化体作製時に瞬結性ないしはそ
れに近い性状が必要な場合には、(イ)の方法では均一
にアスファアルト乳剤を混合できないので、急結剤を後
添加する(ロ)〜(ニ)の方法が好適となる。 【0020】 【作用】前記請求項1の発明によれば、アスファルト乳
剤が相分離して、硬化体表面に有機被膜が形成され、該
硬化体からの水分の散逸が抑さえられるとともに、乾燥
によるひび割れが防止される。また、硬化体内への水の
浸透が抑さえられる。 【0021】 【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。表1に本発明の止水性軽量発泡硬化体の作製に供
した材料およびその配合量を示した。 【表1】 表1に示した材料を上記混合方法(イ)により混合し、
止水性軽量発泡硬化体を作製した。すなわち、普通ポル
トランドセメント250kg/m3、起泡剤0.6kg/
m3、水300kg/m3、水ガラス120kg/m3からな
るゲルタイム14秒程度の材料に、アニオン系アスファ
ルト乳剤を内割体積で、2.5〜20%添加混合した。
なお、材料の水ガラスは、混合に際して予め水で希釈
( 水ガラス/水=2)して混合が容易に行われるよう
に調製した。また、気泡の混入率は、53%とした。そ
して、これらアスファルト乳剤の含有率を変化させた止
水性軽量発泡硬化体について、その透水試験並びに強度
試験を行った。 【0022】図1は、アスファルト乳剤の含有率(気泡
モルタルに対する内割体積比)を変化させて止水性軽量
発泡硬化体を得、これらの硬化体の材令34日における
透水試験(JIS A1218に準じる。)の結果を示
したものである。図1に示したように、透水係数(対数
表示)は、アスファルト乳剤の含有率が高くなるにつれ
て直線的に減少することが確認された(透水係数の低下
率は、含有率2%で36%、含有率5%で47%、含有
率10%で87%、含有率20%で97%であった)。
材料の透水係数は添加前の材料の透水係数によって大き
く影響を受ける多種の材料に対して不透水材を得るため
には安全を見て、アスファルト乳剤の含有率を5%以上
として混合しなければならないことが判明した。 【0023】図2は、本発明の止水性軽量発泡硬化体を
アスファルト乳剤の含有率を変化させて得、材令3、
7、34日における一軸圧縮強さ試験(JIS A12
16に準じる。)の結果を示したものである。図2に示
したように、各材令ともアスファルト乳剤の含有率が高
くなるにつれて、その一軸圧縮強さは低くなることが確
認された。材令3日における強度は、アスファルト乳剤
の含有率が20vol%の場合においても約6kgf/
cm2であり、盛土の初期強度として十分な強度発現が
確認された。また、アスファルト乳剤の含有率が20v
ol%の止水性軽量発泡硬化体の強度の経時変化につい
ても、材令とともに増加し、材令34日では、約8kg
f/cm2で盛土等に用いる材料として十分な強度が得
られることが確認された。しかし、アスファルト乳剤の
添加を20vol%以上とした場合には、アスファルト
の物性が卓越し、クリープ変形等が大きくなるため、盛
土材としての利用は難しくなる。したがって、盛土材等
に用いる材料としては、アスファルト乳化剤の含有量
を、20vol%以下として混合しなければならないこ
とが判明した。 【0024】以上説明したように、本発明の止水性軽量
発泡硬化体によれば、表1に示した材料を上記(イ)の
混合方法により混合し、セメントに由来するアルカリの
作用によりアスファルト乳剤を相分離させて、硬化体中
に有機被膜を形成させ、硬化体からの水分の散逸を抑さ
え、乾燥による硬化体のひび割れを防止したので、アス
ファルト乳剤の含有率が20vol%の場合においても
材令3日強度で約6kgf/cm2と、盛土の初期強度
として十分な強度発現が得られることが確認された。ま
た、上記有機被膜により硬化体内部への水の浸透を抑さ
えるようにしたので、アスファルト乳剤の含有率が5v
ol%以上であれば、透水係数が実用上不透水とみなさ
れる1×10-5cm/sec以下に抑さえることがで
き、長期使用による湿潤密度の増大を抑さえることがで
きる。 【0025】 【発明の効果】本発明に係る止水性軽量発泡硬化体によ
れば、以下の効果を奏することができる。請求項1記載
の止水性軽量発泡硬化体によれば、硬化体表面に有機被
膜を形成し、該硬化体からの水分の散逸を抑さえるとと
もに、乾燥によるひび割れを防止し、かつ硬化体内部へ
の水の浸透を抑さえるようにしたので、ひび割れによる
強度低下を抑さえるとともに、地下水あるいは雨水等の
侵入による湿潤密度の増大を抑さえることができる。 【0026】特に、アスファルト乳剤を硬化体中の5〜
20vol%となるように混合したので、アスファルト
乳剤の含有率が20vol%の場合においても材令3日
強度で約6kgf/cm2と、盛土の初期強度として十
分な強度発現を得ることができる。また、上記有機被膜
により硬化体内部への水の浸透を抑さえるようにしたの
で、アスファルト乳剤の含有率が5vol%以上であれ
ば、透水係数が実用上不透水とみなされる1×10−5
cm/sec以下に抑さえることができ、長期使用によ
る湿潤密度の増大を抑さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アスファルト乳剤の含有率を変化させて硬化さ
せた本発明の止水性軽量発泡硬化体の透水試験結果を示
す図である。 【図2】アスファルト乳剤の含有率を変化させて硬化さ
せた本発明の止水性軽量発泡硬化体の材令3、7、34
日における一軸圧縮強さ試験の結果を示す図である。 【符号の説明】 なし
せた本発明の止水性軽量発泡硬化体の透水試験結果を示
す図である。 【図2】アスファルト乳剤の含有率を変化させて硬化さ
せた本発明の止水性軽量発泡硬化体の材令3、7、34
日における一軸圧縮強さ試験の結果を示す図である。 【符号の説明】 なし
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フロントページの続き
(72)発明者 池田 省吾
栃木県下都賀郡国分寺町柴272番地 日
瀝化学工業株式会社内
(72)発明者 堀内 澄夫
東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建
設株式会社内
(72)発明者 内山 伸
東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建
設株式会社内
(72)発明者 小田原 卓郎
東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建
設株式会社内
(56)参考文献 特開 平2−166164(JP,A)
特開 昭61−48489(JP,A)
特開 昭51−10827(JP,A)
特開 昭59−21562(JP,A)
特開 昭52−43814(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C04B 38/00 - 38/10
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 土木・建築工事における盛土材あるいは
埋戻し材等の地盤材料として用いられる止水性軽量発泡
硬化体であって、水硬性硬化剤と、起泡剤と、急結剤
と、水と、アスファルト乳剤とが混合されて硬化してな
り、 かつ、当該止水性軽量発泡硬化体に対する前記アスファ
ルト乳剤の含有率が5〜20vol%である ことを特徴
とする止水性軽量発泡硬化体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15090293A JP3451110B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 止水性軽量発泡硬化体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15090293A JP3451110B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 止水性軽量発泡硬化体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0710653A JPH0710653A (ja) | 1995-01-13 |
| JP3451110B2 true JP3451110B2 (ja) | 2003-09-29 |
Family
ID=15506888
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15090293A Expired - Fee Related JP3451110B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 止水性軽量発泡硬化体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3451110B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8124183B2 (en) | 2006-08-11 | 2012-02-28 | Tremco Incorporated | Fast drying emulsion systems |
| CN108947400A (zh) * | 2018-08-13 | 2018-12-07 | 上海茜梓建材科技有限公司 | 一种地暖、沉降厢、地面、屋面的轻质防水填充找平材料 |
-
1993
- 1993-06-22 JP JP15090293A patent/JP3451110B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0710653A (ja) | 1995-01-13 |
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