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JP3454991B2 - パール光沢組成物及びその製造方法 - Google Patents
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JP3454991B2 - パール光沢組成物及びその製造方法 - Google Patents

パール光沢組成物及びその製造方法

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JP3454991B2
JP3454991B2 JP29185895A JP29185895A JP3454991B2 JP 3454991 B2 JP3454991 B2 JP 3454991B2 JP 29185895 A JP29185895 A JP 29185895A JP 29185895 A JP29185895 A JP 29185895A JP 3454991 B2 JP3454991 B2 JP 3454991B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャンプー、リン
ス、ボディーシャンプー、液体洗浄剤等の付加価値を高
めるために用いられるパール光沢組成物及びその製造方
法に関する。さらに詳しくは、高濃度でありながら、低
粘度で分散性がよく、結晶の粒度分布が小さい板状結晶
のパール光沢組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、パールのような光沢を示すパ
ール光沢組成物に関しては、次のような多くの技術が存
在する。例えば、特公昭47−804号公報に、液状又
はペースト状製品を混濁するためのパール光沢形成剤が
開示されており、その組成は脂肪酸グリコールエステル
と脂肪酸モノアルキロールアミドを含有するものであ
る。しかしながら、この組成であるとパール光沢形成剤
の粘度が高くなり、結晶粒径がばらつき、結晶形も不均
一なものとなり、光沢品質が悪く、分散性が悪くなる。
そのためあらかじめ多量の水等で希釈することが必要と
なり、高濃度の光沢形成剤が得られない。そして低濃度
のものでは利用範囲が制限されるという問題が生じる。
【0003】また、特開昭56−71021号公報に
は、真珠様光沢剤の製造法が開示されており、上記の不
具合を解消して高濃度の光沢剤を得るために、脂肪酸グ
リコールエステルと脂肪酸ジアルキロールアミドとを加
熱熔融した後、冷却しながら脂肪酸グリコールエステル
の融点以下の温度で水を添加する方法の記載がある。し
かし、当該方法では融点以上では水が添加されておらず
実質的に無水状態であり、これを冷却した後に水に添加
するため、結晶粒径がばらつき、結晶形も不均一なもの
となり、光沢品質の悪いものとなる。
【0004】更に、特開昭57−156409号公報や
特開昭57−156410号公報には、高濃度パール剤
分散液の製造方法が開示されているが、パール化剤に対
する脂肪酸ジエタノールアミドの添加量が多くなるた
め、高濃度にする程脂肪酸ジエタノールアミドの量が多
くなり、利用範囲が制限される。また、この組成では結
晶粒径がばらつき、結晶形も不均一なものとなる。
【0005】特開昭57−165308号公報にはパー
ル光沢剤分散液の製造方法が開示されているが、この方
法のように界面活性剤水溶液中にパール光沢剤を高濃度
で可溶化させた場合、常温において高粘度(流動性が低
い)となるため、適当な溶媒で予め希釈して使用する必
要がある。そのため、希釈により、実用上の濃度が低く
なる欠点がある。
【0006】また、特開平4−45843号公報には、
高濃度真珠様光沢剤分散液の製造方法が開示されてお
り、結晶核として低濃度の脂肪酸グリコールエステル分
散液を使用して、それを結晶成長させて、高濃度で均一
な粒子を得る方法の記載がある。しかし、低濃度の脂肪
酸グリコールエステル分散液を調製する工程や、これを
添加、混合する工程が必要であり、また、結晶成長のた
めの熟成時間を必要とし、操作が煩雑で生産性が低下す
るという問題もある。
【0007】また、特開平6−182173号公報に
は、脂肪酸グリコールエステルと界面活性剤とを用いた
真珠様光沢剤分散液の製造方法について開示されている
が、得られる結晶は針状となり美しいあざやかな光沢を
有するものの、しっとりと落ち着いた光沢は得られな
い。従来のパール光沢組成物においては、「光沢の質
感」はあまり重視されてこなかったため、光沢のバリエ
ーションが少ないのが現状であるが、針状結晶で示され
るようなあざやかな光沢とは異なる落ち着いた光沢も用
途、消費者の好みにより開発が要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
課題を解決すべく、高濃度でありながら、低粘度で分散
性がよく、結晶の粒度分布が小さく、かつ従来の光沢と
は質感的に異なるしっとりと落ち着いたきめの細かな光
沢を有するパール光沢組成物及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、パール光沢組
成物を製造する際に、意外にも原料として特にグリコー
ル酸塩を添加し、冷却工程において急冷することにより
板状結晶のパール光沢組成物を得られることを見出し
た。さらにかかる板状結晶のパール光沢組成物は外観が
特に美しくしっとりと落ち着いた光沢を有し、従来の針
状結晶のものと異なる質感を有するものであることを見
出した。上記の知見から、本発明者らは本発明を完成さ
せた。
【0010】即ち、本発明の要旨は、 (1) 下記(A)〜(E)の成分を含有することを
特徴とする板状結晶のパール光沢組成物、 (A)脂肪酸グリコールエステル 20〜60重量% (B)脂肪酸モノアルキロールアミド 1〜20重量% (C)両性界面活性剤又は非イオン界面活性剤 1〜20重量% (D)グリコール酸塩 少なくとも0.1重量% (E)水 残量 (2) 個々の結晶の最大径を最小径で除した値の平
均値が1〜3である前記(1)記載のパール光沢組成
物、 (3) 下記の工程(i)、(ii)を少なくとも有す
ることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の板状結
晶のパール光沢組成物の製造方法、 (i):(A)〜(E)成分を、(A)成分及び(B)
成分の混合物の融点以上の温度で混合して乳化する工
程、 (ii):工程(i)で得られる乳化物を晶析温度以下
に、1〜10℃/minの平均冷却速度で冷却する工
程、 (4) 工程(ii)を下記の工程で行うことを特徴と
する前記(3)記載の製造方法、 (ii):工程(i)で得られる乳化物を円筒状ケーシン
グに供給し、該ケーシングをそれに外接するジャケット
により冷却することにより乳化物を晶析温度以下に1〜
10℃/minの平均冷却速度で冷却して、該ケーシン
グ内壁に(A)成分を析出させ、これを掻き取り羽根で
掻き取りつつ分散させる工程、に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
1.パール光沢組成物について 本発明のパール光沢組成物は、下記(A)〜(E)の成
分を含有することを特徴とする。 (A)脂肪酸グリコールエステル 20〜60重量% (B)脂肪酸モノアルキロールアミド 1〜20重量% (C)両性界面活性剤又は非イオン界面活性剤 1〜20重量% (D)グリコール酸塩 少なくとも0.1重量% (E)水 残量 また、本発明のパール光沢組成物の平均粒子径は特に限
定されないが、2〜30μmのものが好ましい。
【0012】(A)成分としては、例えば下記の一般式
(I) YO−(−CH2 CH2 O−)m −COR1 (I) (式中、R1 は炭素数13〜21の直鎖又は分岐鎖の飽
和又は不飽和の炭化水素基を示し、Yは水素原子又は−
COR1 を示し、mは1〜3の数で平均付加モル数を意
味する。)で表される脂肪酸グリコールエステルが挙げ
られる。
【0013】一般式(I)におけるR1 は、高温での安
定性の面から融点が50℃以上の結晶性の脂肪酸グリコ
ールエステルを形成する基であれば特に制限されるもの
ではなく、炭素数13〜21のアルキル基、アルケニル
基等が挙げられる。例えば、ペンタデシル基、ヘプタデ
シル基、ヘンイコシル基等が挙げられる。また、一般式
(I)で表される脂肪酸グリコールエステルとしては、
モノカルボン酸エステルとジカルボン酸エステルのいず
れでもよい。
【0014】上記の脂肪酸グリコールエステルの具体例
を示すと、モノステアリン酸エチレングリコール、モノ
パルミチン酸エチレングリコール、モノイソステアリン
酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコ
ール、ジベヘン酸エチレングリコール等の脂肪酸モノエ
チレングリコール、並びにこれらのジエチレングリコー
ル体及びトリエチレングリコール体等が挙げられる。こ
れらのうち、ジステアリン酸エチレングリコール、モノ
ステアリン酸エチレングリコール、ジベヘン酸エチレン
グリコールが好ましく、特にジステアリン酸エチレング
リコールが好ましい。
【0015】(B)成分としては、例えば下記の一般式
(II) R2 CO−NH−R3 OH (II) (式中、R2 は炭素数7〜17の直鎖又は分岐鎖の飽和
又は不飽和の炭化水素基を示し、R3 はエチレン基又は
プロピレン基を示す。)で表される脂肪酸モノアルキロ
ールアミドが挙げられる。
【0016】一般式(II)におけるR2 は特に制限され
るものではなく、炭素数7〜17のアルキル基、アルケ
ニル基等が挙げられる。例えば、ウンデシル基、トリデ
シル基、ヘプタデシル基等が挙げられる。R3 の具体例
としては、エチレン基、n−プロピレン基、又はイソプ
ロピレン基等が挙げられるが、好ましくはエチレン基又
はイソプロピレン基である。
【0017】上記の脂肪酸モノアルキロールアミドとし
ては、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モ
ノプロパノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノー
ルアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、ミリス
チン酸モノプロパノールアミド、ミリスチン酸モノイソ
プロパノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミ
ド、パルミチン酸モノプロパノールアミド、パルミチン
酸モノイソプロパノールアミド、ステアリン酸モノエタ
ノールアミド、ステアリン酸モノプロパノールアミド、
ステアリン酸モノイソプロパノールアミド、オレイン酸
モノエタノールアミド、オレイン酸モノプロパノールア
ミド、オレイン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油
脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノプロパ
ノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミ
ド、ヤシ科植物油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ科
植物油脂肪酸モノプロパノールアミド、ヤシ科植物油脂
肪酸モノイソプロパノールアミド、又はこれらの混合物
等が挙げられる。これらのうち、ラウリン酸モノエタノ
ールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、ステ
アリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプ
ロパノールアミド、オレイン酸モノイソプロパノールア
ミドが好ましく、特にラウリン酸モノエタノールアミ
ド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミドが好まし
い。
【0018】(C)成分の両性界面活性剤又は非イオン
界面活性剤としては、例えばアルキルジメチルカルボキ
シメチルアンモニウムベタイン、アルキルカルボキシメ
チルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミ
ンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエ
チルイミダゾリイウムベタイン、N−(N’−アシルア
ミノアルキル)−N−ヒドロキシルアルキルアミノカル
ボン酸塩等が挙げられる。これらのうち、ラウリルヒド
ロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサ
イド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタインが好ましい。
(C)成分としては、上記界面活性剤を単独で用いても
よく、2種以上の混合物で用いてもよい。
【0019】(D)成分のグリコール酸塩としては、例
えばグリコール酸ナトリウム、グリコール酸カリウム等
が挙げられる。(E)成分の水としては、例えばイオン
交換水等が挙げられる。
【0020】上記(A)〜(E)成分の、パール光沢組
成物中の含有量を以下に示す。(A)成分は、パール光
沢組成物中20〜60重量%であり、好ましくは20〜
50重量%である。工業的にはより高濃度の方が好まし
く、また低濃度では利用範囲が制限される観点から20
重量%以上が好ましく、粘度が高くなることによる分散
性の悪化を抑える観点から60重量%以下が好ましい。
(B)成分は、組成物中1〜20重量%であり、(C)
成分も組成物中1〜20重量%である。ここで、(B)
成分及び(C)成分の好適な範囲としては、それぞれ組
成物中1〜20重量%であり、かつ(B)成分及び
(C)成分の和が組成物中5〜30重量%である。ここ
で、乳化時の粒径が大きくなりすぎることによる外観の
悪化を抑える観点から両成分の和は5重量%以上が好ま
しく、利用範囲をより広げる観点及び粒径が小さくなり
すぎることによる外観の悪化を抑える観点から30重量
%以下が好ましい。
【0021】(D)成分は、組成物中少なくとも0.1
重量%であり、好ましくは0.15〜1.0重量%であ
り、さらに好ましくは0.15〜0.75重量%であ
る。結晶の粒度分布が小さくそろった板状の結晶を得る
観点から0.1重量%以上が好ましく、利用範囲を広く
する観点から1.0重量%以下が好ましい。(E)成分
は組成物中の残量である。
【0022】本発明のパール光沢組成物は、上記(A)
〜(E)の成分を含有することを特徴とするものである
が、さらに(F)成分の減粘剤、又は(G)成分の結晶
化剤を含有してもよい。(F)成分の減粘剤としては、
例えば塩化カリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリ
ウム塩、ポリエチレングリコール、メタクリル酸エステ
ル重合体、リンゴ酸ナトリウム、チオン酸ナトリウム、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレ
ングリコール、トリオクタン酸グリセリン、モノステア
リン酸グリセリン、2−エチルヘキサン酸トリグリセラ
イド、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプ
ロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸ブチル、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エタノール等が挙げ
られる。これらのうち、プロピレングリコール、2−エ
チルヘキサン酸トリグリセライド、ミリスチン酸イソプ
ロピル、パルミチン酸イソプロピル、エタノールが好ま
しい。
【0023】減粘剤の含有量は組成物中0.01〜1
5.0重量%が好ましく、0.01〜5.0重量%がよ
り好ましい。本組成物を減粘させる観点から0.01重
量%以上が好ましく、粒子径、粒子形及びCv値への影
響を与えない観点から15.0重量%以下が好ましい。
【0024】(G)成分の結晶化剤としては、例えば硫
酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化アンモニウム、酢
酸カルシウム、クエン酸、塩化ナトリウム、コハク酸、
塩化カルシウム、シュウ酸、塩化カリウム、酒石酸、ク
エン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等が挙げられ
る。これらのうち、塩化ナトリウム、塩化カリウムが好
ましい。結晶化剤の含有量は組成物中0.01〜10.
0重量%が好ましく、0.01〜5.0重量%がより好
ましい。Cv値を小さくする観点から0.01重量%以
上が好ましく、粒子径及び粒子形への影響を与えない観
点から10.0重量%以下が好ましい。
【0025】本発明のパール光沢組成物は、結晶の形状
が板状であることが特徴である。本明細書において「板
状」とは、個々の結晶の最大径を最小径で除した値の平
均値が1〜3のものをいう。なお、この値が3を越える
ものは「針状」となる。したがって、本発明のパール光
沢組成物は板状、即ちその個々の結晶の最大径を最小径
で除した値の平均値が1〜3であるが、より好ましくは
この値が1〜2である。従来の外観と差別化し、従来に
ない外観を有するものを得る観点から上記平均値は3以
下が好ましい。かかる板状の結晶からなるパール光沢組
成物は外観が特に美しくしっとりと落ち着いたきめの細
かな光沢を有し、従来の針状結晶のものとは異なる質感
を有するため、シャンプー、リンス、ボディーシャンプ
ー、液体洗浄剤等に好適に用いられる。
【0026】2.パール光沢組成物の製造方法について 上述の本発明のパール光沢組成物は、例えば以下に説明
する本発明の製造方法を用いて好適に製造することがで
きる。本発明の製造方法は、 (i):(A)〜(E)成分を、(A)成分及び(B)
成分の混合物の融点以上の温度で混合して乳化する工
程、 (ii):工程(i)で得られる乳化物を晶析温度以下
に、1〜10℃/minの平均冷却速度で冷却する工
程、の工程を有することを特徴とする。
【0027】工程(i)は(A)〜(E)の各成分を、
(A)成分及び(B)成分の混合物の融点以上の温度で
混合して乳化する工程である。ここで、(A)成分の融
点は、用いられる成分によって異なるが、例えば50〜
70℃程度である。(B)成分の融点についても用いら
れる成分によって異なるが、例えば50〜80℃程度で
ある。また、融点以上の温度とは特に限定されないが、
好ましくは(A)成分及び(B)成分の混合物の融点よ
りも5〜30℃、より好ましくは5〜25℃高い温度を
いう。なお、混合による乳化は攪拌機等を用いて常法に
より行われる。また、(F)成分又は(G)成分は、こ
の混合の際に添加すればよい。混合の際の(A)〜
(E)各成分の配合量は、加熱による水の蒸発等を考慮
しても(A)〜(E)成分の比率の変化は無視できる程
度であるので、上記に示したパール光沢組成物中の含有
量と同じで良い。また(F)成分及び(G)成分に関し
ても同様である。
【0028】このようにして得られる乳化物は、次の工
程に達する前にいずれかの成分が析出することのないよ
うに、上記融点以上の温度に保持する必要がある。さら
に乳化物が分離しないように攪拌下におくことが望まし
い。乳化物はバッチ式でその都度調製してもよく、ま
た、連続的に成分を混合・加熱して調製してもよい。
【0029】工程(ii)は、工程(i)で得られる乳化
物を晶析温度以下に急速冷却する工程である。但し、平
均冷却速度は、1〜10℃/minとする。より好まし
くは2〜8℃/minである。板状結晶を得る観点から
1℃/min以上の速度が好ましく、板状結晶が小さく
なりすぎるのを抑える観点から10℃/min以下の速
度が好ましい。本明細書における晶析温度とは、脂肪酸
グリコールエステルが析出する温度であり、具体的な温
度は脂肪酸グリコールエステルの種類や、各種成分の種
類、量等によって異なるため一概には言えないが、例え
ば30〜60℃程度である。よって、それより10〜3
0℃低い温度まで冷却するのが好ましい。上記のよう
に、工程(i)で得られる乳化物を急速冷却して晶析す
ることにより、本発明の板状結晶のパール光沢組成物
(分散液状)が得られる。
【0030】なお、工程(ii)において、例えば図1に
示すような熱交換器を用いれば所定の平均冷却速度を維
持しつつ連続的に冷却を行うことができるため好まし
い。この場合、工程(ii)は、工程(i)で得られる乳
化物を円筒状ケーシングに供給し、該ケーシングをそれ
に外接するジャケットにより冷却することにより乳化物
を晶析温度以下に1〜10℃/minの平均冷却速度で
冷却して、該ケーシング内壁に(A)成分を析出させ、
これを掻き取り羽根で掻き取りつつ分散させる工程とな
る。また、用いる熱交換器の容積に応じて乳化物の流
量、ジャケット内の冷媒の温度等を適宜調整することに
より、平均冷却速度を設定することができる。このよう
な熱交換器の具体例としては、例えばアルファラバァル
社製コンサーム、(株)櫻製作所製オンレーター、ボテ
ーター等が挙げられる。以下、図1に装置の一例を挙げ
てより詳細に説明する。
【0031】乳化物は熱交換器下部入口5から供給さ
れ、ケーシング2内を通過する間、モーター1により回
転する掻き取り羽根3により攪拌される。一方、ケーシ
ング2に外装されているジャケット4は、冷媒入口7よ
り冷媒が供給され、冷媒出口8より出される。このジャ
ケット4により冷却されたケーシング2が、更にケーシ
ング2内壁の乳化物を冷却し、脂肪酸グリコールエステ
ルを析出させる。析出物は回転する掻き取り羽根3によ
り掻き取られるので、内壁に堆積することなく、更に攪
拌による乱流効果により高い伝熱効果を保つことができ
る。このため、冷却速度を所定の程度にまで大きくとる
ことができ、その結果、生産性が上がり、結晶の形状が
板状になると共に、溶解液の温度分布が均一となるため
に結晶粒径分布がシャープになり(Cv値が0.8以
下)、パール光沢が向上する。ここでCv値は次式で表
される粒径分布の尺度であり、Cv値が小さい程粒径分
布が狭いことを示す。
【0032】Cv=σ/Dp Dp:体積基準平均粒径(μm) σ :粒径の体積分布の標準偏差(μm)
【0033】また、得られる結晶の平均粒子径は、パー
ル光沢を発現させるため5〜30μmとすることが好ま
しい。この平均粒子径は、乳化物の組成、掻き取り羽根
の周速等により変わるので、所望の平均粒子径に応じ
て、これらの条件を適宜設定すればよい。
【0034】また、掻き取り羽根による強い剪断力によ
り得られる結晶の分散が充分に行われるため、得られる
パール光沢組成物分散液の粘度を低くすることが可能と
なり取扱いが容易となる利点がある。掻き取り羽根の周
速は1〜10m/minが好ましく、より好ましくは1
〜5m/minである。冷却面を掻き取り更新すること
により均一に冷却する観点から1m/min以上が好ま
しく、機械的負荷の低減の観点から10m/min以下
が好ましい。ここで周速とは次式で表される。
【0035】周速=π・N/60・D π:円周率 N:掻き取り羽根の回転数(rpm) D:掻き取り羽根の直径(m)
【0036】なお、掻き取り羽根の構造としてはテフロ
ン製等の可撓性羽根が伝熱面に接触している形式のも
の、又は回転による遠心力と乳化物の液圧を受け、掻き
取り羽根のエッジが伝熱面に押し付けられる可動のもの
が好適に使用することができる。乳化物はケーシング内
を通過する間、外部ジャケットの冷却媒体により冷却さ
れ上部出口6より出るが、出口温度は40℃未満が好ま
しく、特に30℃以下がさらに好ましい。40℃以上で
は得られる結晶が柔らかく、凝集が起こってパール様光
沢が劣化する。また、冷却媒体の温度や、溶解液の供給
速度を変えたり、熱交換器を2基以上直列につなげ多段
とし、それぞれ異なった温度の冷却媒体を用いることに
より任意に冷却パターンを制御することが可能である。
また、熱交換器は縦、横いずれの設置方法で用いてもよ
い。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定
されるものではない。なお、実施例の結果は、次の評価
方法により測定等されたものである。
【0038】(1)外観 100mL容の透明ガラス容器に試料を入れ、肉眼にて
パール光沢の外観を観察した。尚、試料に気泡の混入し
ているものは遠心分離器に掛け、脱泡を行った。 ◎=パール光沢が均一であり、しっとりと落ち着いたき
めの細かな光沢を有する ○=パール光沢が均一である ×=濁り、エマルション様、又はパール光沢が不均一で
ある
【0039】(2)粘度 (1)の試験に用いた試料を30℃の恒温槽に入れ、試
料の温度を30℃に保ち、B型粘度計(東京計器株式会
社製)で粘度(cp)を測定した。
【0040】(3)安定性 1.高温安定性 透明ガラス容器に試料を入れ、密閉し、高温(50℃)
の恒温槽中に1ヶ月保存した後、試料の分離の有無、パ
ール光沢組成物の凝集の有無を肉眼観察した。 ○=分離、パール光沢組成物の凝集、パール光沢の消失
等、異常を認めない ×=分離、パール光沢組成物の凝集、パール光沢の消失
のいずれかの異常を認める 2.低温安定性 透明ガラス容器に試料を入れ、密閉し、低温(−5℃)
の恒温槽中に1ヶ月保存した後、試料の分離、固結の有
無を肉眼観察した。 ○=分離、固結等なく流動性のあるもの ×=分離、固結等、異常のあるもの
【0041】後述の評価結果は、高温安定性および低温
安定性のいずれにおいても○のものは○との評価をし、
いずれかにおいて×の評価のあるもの、両方とも×の評
価のあるものは×との評価をした。
【0042】(4)分散性 パール光沢組成物濃度が2重量%となるように、ポリオ
キシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミ
ンの25重量%水溶液に試料を加え、混合した。この時
の分散性を観察した。 ◎:非常に優れる ○:優れる △:やや劣る ×:劣る
【0043】(5)平均粒子径 試料10mLを水で100mLに希釈した後、堀場製作
所製レーザー回折式粒度分布測定装置LA−700を用
いて測定した。
【0044】(6)Cv値 Cv=σ/Dp Dp:体積基準平均粒径(μm) σ :粒径の体積分布の標準偏差(μm) で表され、粒径分布の尺度となり、小さい程粒径分布が
狭いことを示す。
【0045】(7)個々の結晶の最大径を最小径で除し
た値の平均値 個々の結晶の最大径を最小径で除した値を求め、その平
均値を算出した。具体的には、パール光沢分散液を希釈
した後、光学顕微鏡により撮影して測定した。平均値
は、30の結晶についての測定値から算出した。
【0046】実施例1 (A)〜(E)成分を表1、表2の組成(重量%)にな
るように調製し、80℃まで加熱し、均一な乳化物とし
たものを内径152.4mm、高さ563mmの0.2
7m2 の伝熱面積を有するアルファラバル社製、掻き取
り式熱交換器6×3型に表1、表2に示した流量で連続
的に供給した。掻き取り羽根の先端の周速度を表1、表
2に示した周速度にして攪拌しつつ、出口での液温度が
30℃になるようにジャケットに通液した冷却水で冷却
してパール光沢組成物を得、それぞれ組成物(1)〜
(12)とした。主な条件及び結果を表1、表2に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】上記の結果から、本発明品である組成物
(1)〜(7)はいずれも外観、分散性、安定性が良好
で、粘度も低く、平均粒子径、粒径分布が小さい優れた
ものであり、板状結晶であった。一方、特開平6−18
2173号公報に記載の方法に準じた方法によって得た
もの(グリコール酸ナトリウムを含有していないもの)
は、いずれも得られた結晶が針状であった(組成物
(8)〜(11))。なお、組成物4の結晶構造を示す
写真を図2に、組成物8の結晶構造を示す写真を図3に
示す。また、(B)成分又は(C)成分の含有量が所定
の範囲外の組成物は、外観、分散性が悪く、粘度も高い
劣悪な品質であった(組成物(10)、(11))。さ
らに、平均冷却速度が所定の範囲より小さい徐冷により
得た組成物は、結晶が針状であった(組成物12)。な
お、外観検査の際にそれぞれの組成物の光沢の質感を比
較したところ、組成物(1)〜(7)は、しっとりと落
ちついたきめの細かな光沢であり、組成物(8)〜(1
2)はきらめくようなあざやかな光沢であった。この光
沢の質感の違いは、得られる結晶が板状であることによ
るものと思われる。
【0050】
【発明の効果】本発明のパール光沢組成物は、高濃度で
ありながら、低粘度で分散性がよく、結晶の粒度分布が
小さく、従来の光沢とは質感的に異なる光沢を有するも
のであり、本発明の方法により、かかるパール光沢組成
物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に用いる熱交換器の断面図及び平
面図である。
【図2】図2は組成物4の結晶構造を示す写真である。
【図3】図3は組成物8の結晶構造を示す写真である。
【符号の説明】
1 モーター 2 ケーシング 3 掻き取り羽根 4 ジャケット 5 溶解液入口 6 製品出口 7 冷媒入口 8 冷媒出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11D 3/20 C11D 3/20 3/26 3/26 3/32 3/32 (56)参考文献 特開 平8−231985(JP,A) 特開 平6−263615(JP,A) 特開 平6−182173(JP,A) 特開 昭57−51799(JP,A) 特公 昭47−804(JP,B1) 特表 平6−504781(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 3/42 C11D 3/20 C11D 3/26 C11D 3/32 A61K 7/075 A61K 7/08 A61K 7/50 B01J 13/00 特許ファイル(PATOLIS) JICSTファイル(JOIS) CAPLUS(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)〜(E)の成分を含有するこ
    とを特徴とする板状結晶のパール光沢組成物。 (A)脂肪酸グリコールエステル 20〜60重量% (B)脂肪酸モノアルキロールアミド 1〜20重量% (C)両性界面活性剤又は非イオン界面活性剤 1〜20重量% (D)グリコール酸塩 少なくとも0.1重量% (E)水 残量
  2. 【請求項2】 個々の結晶の最大径を最小径で除した値
    の平均値が1〜3である請求項1記載のパール光沢組成
    物。
  3. 【請求項3】 下記の工程(i)、(ii)を少なくとも
    有することを特徴とする請求項1又は2記載の板状結晶
    のパール光沢組成物の製造方法。 (i):(A)〜(E)成分を、(A)成分及び(B)
    成分の混合物の融点以上の温度で混合して乳化する工
    程、 (ii):工程(i)で得られる乳化物を晶析温度以下
    に、1〜10℃/minの平均冷却速度で冷却する工
    程、
  4. 【請求項4】 工程(ii)を下記の工程で行うことを特
    徴とする請求項3記載の製造方法。 (ii):工程(i)で得られる乳化物を円筒状ケーシン
    グに供給し、該ケーシングをそれに外接するジャケット
    により冷却することにより乳化物を晶析温度以下に1〜
    10℃/minの平均冷却速度で冷却して、該ケーシン
    グ内壁に(A)成分を析出させ、これを掻き取り羽根で
    掻き取りつつ分散させる工程、
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