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JP3459151B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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JP3459151B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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JP3459151B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質として
テトラシアノキノジメタン錯体(以下、TCNQ錯体と
呼ぶ)を用いた固体電解コンデンサの製造方法に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】近年、電子情報機器の高度化に伴って、
電子部品には小型化や高性能化が求められている。そこ
で電解コンデンサの分野でも、駆動用電解液を含浸した
電解コンデンサよりも、一層の小型化を進めるために、
固体電解質としてTCNQ錯体を用いた固体電解コンデ
ンサが実用化されるに至っている。 【0003】このような固体電解コンデンサは、一般に
次のようにして製造されている。すなわち、アルミニウ
ムなどの一対の陽極箔及び陰極箔の間にセパレータ紙を
挟んで巻回してコンデンサ素子を構成し、この素子を短
時間だけ予備加熱する。続いて、予備加熱したコンデン
サ素子に対し、加熱溶融液化させたTCNQ錯体を含浸
し、その後、これを直ちに冷却してケース内に収容す
る。さらに、電圧を印加してエージングを行い、製造過
程で生じた誘電体酸化皮膜の欠陥を修復して製品とす
る。 【0004】しかし、上記の固体電解コンデンサでは、
電極箔間に繊維が密なセパレータ紙を介在させているた
め、電極箔間における電子の導通路が極端に減少し、E
SR特性が劣化するといった欠点がある。特に、高温負
荷試験や熱衝撃試験を行うとき、ESR特性が大幅に劣
化し、問題となっていた。 【0005】この問題を解決するために、TCNQ錯体
をコンデンサ素子に含浸させる前段階で、コンデンサ素
子を高温中に放置してセパレータ紙を焼成して炭化さ
せ、セパレータ紙に空隙部を形成して電極箔間の電子導
通路を確保することが考えられている。 【0006】具体的には、以下のような固体電解コンデ
ンサの製造方法が提案されている。まず、TCNQ錯体
を含浸する前段階で、コンデンサ素子を330℃で1時
間焼成し、セパレータ紙を炭化させる。また、開口部を
有する金属ケースを用意し、このケース内にTCNQ錯
体を入れて加熱してTCNQ錯体を溶融液化させてお
く。この金属ケースの中に予備加熱した前記コンデンサ
素子を含浸し、その後、これを直ちに冷却し、金属ケー
スの開口部に樹脂を充填して前記コンデンサ素子を金属
ケースに収容する。 【0007】このような固体電解コンデンサの製造方法
によれば、電極箔間にセパレータ紙が介在していても、
TCNQ錯体を含浸する前段階のコンデンサ素子を33
0℃で焼成してセパレータ紙を炭化させることで、セパ
レータ紙の繊維を細くしているのでセパレータ紙中に大
きな空隙部を形成することができる。そのため、セパレ
ータ紙はTCNQ錯体を多く取り込むことができ、電極
箔間の電子導通路を確保することができる。したがっ
て、コンデンサは優れたESR特性を獲得することがで
きる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような固体電解コンデンサの製造方法においては、次の
ような問題点があった。すなわち、コンデンサ素子を3
00℃以上の高温で1時間焼成するため、陽極箔が長時
間、高温に曝されることになる。この結果、陽極箔の表
面に形成される誘電体酸化皮膜に欠陥が生じるおそれが
ある。陽極箔表面の誘電体酸化皮膜に欠陥が生じると、
コンデンサの漏れ電流が著しく大きくなるという問題点
が生じた。 【0009】本発明は、上記の問題点を解決するために
提案されたものであり、その目的は、電極箔間の電子導
通路を確保して優れたESR特性を獲得するとともに、
陽極箔表面の誘電体酸化皮膜の欠陥を防いで漏れ電流の
増大を抑えることが可能な固体電解コンデンサの製造方
法を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、一対の陽極箔及び陰極箔間にセパレータ
紙を巻回してコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ
素子にテトラシアノキノジメタン錯体を含浸させた後
に、該コンデンサ素子をケース内に収容して成る固体電
解コンデンサの製造方法において、前記セパレータ紙に
ほう酸イオンを含有する水溶液を含浸し、その溶媒を蒸
発させた後、巻回してコンデンサ素子を構成するか、又
はコンデンサ素子を構成した後、前記セパレータ紙にほ
う酸イオンを含有する水溶液を含浸し、その溶媒を蒸発
させ、この工程後に加熱処理し、セパレータ紙の繊維を
細くして空隙部を形成したことを特徴とする。 【0011】以上のような固体電解コンデンサの製造方
法においては、コンデンサ素子のセパレータ紙にほう酸
イオンを含有する水溶液を含浸させるため、セパレータ
紙に対しほう酸の酸化作用が働く。その結果、セパレー
タ紙の繊維の一本一本が細くなって、大きな空隙部を形
成することができる。 【0012】これにより、セパレータ紙はTCNQ錯体
を多く取り込むことが可能となり、電極箔間の電子導通
路を十分確保することができる。したがって、コンデン
サは優れたESR特性を獲得することができる。しか
も、セパレータ紙を高温で長時間焼成する必要がないの
で、陽極箔の表面に形成される誘電体酸化皮膜に欠陥を
生じさせるおそれがない。そのため、コンデンサの漏れ
電流の増大を抑えることができる。 【0013】 【発明の実施の形態】 (構成)以下、本発明の実施の形態の一例について図1
を参照して具体的に説明する。本実施の形態によって製
造される固体電解コンデンサは、図1に示すように、一
対の陽極箔1及び陰極箔2間にセパレータ紙3を挟み込
んで巻回することによってコンデンサ素子を構成してい
る。 【0014】より具体的には、陽極箔1は、エッチング
により表面積を拡大した後、誘電体酸化皮膜を生成した
アルミニウムから構成されており、陰極箔2は、エッチ
ングにより表面積を拡大したアルミニウムから構成され
ている。またセパレータ紙3は、例えばマニラ麻を主体
とした繊維4から構成されている。 【0015】こうして構成したコンデンサ素子を3%ア
ジビン酸アンモニウム水溶液中に浸漬する。そして、電
圧を印加することにより、巻回によって損傷した陽極箔
1表面の誘電体酸化皮膜を修復する。 【0016】さらに、このコンデンサ素子をほう酸イオ
ンを含有する水溶液に浸漬し、素子内部のセパレータ紙
3にも十分にこの水溶液を含浸させた後、溶媒を蒸発さ
せる。次いで、このコンデンサ素子を加熱するが、この
加熱によってセパレータ紙3に対しほう酸の酸化作用が
働き、セパレータ紙3の繊維4が細くなって、大きな空
隙部5が形成される。 【0017】また、TCNQ錯体をアルミニウムなどの
金属ケースに入れて加熱して溶融液化させておく。この
金属ケースの中に、前記のコンデンサ素子を浸漬してコ
ンデンサ素子にTCNQ錯体を含浸し、その後、これを
即座に冷却し、ケース開口部をエポキシ樹脂にて封口し
て前記コンデンサ素子を金属ケースに収容する。さら
に、105℃雰囲気中で定格電圧を印加して120分の
エージング処理を行い、製造過程で生じた誘電体酸化皮
膜の欠陥を修復して製品とする。 【0018】なお、ほう酸イオンを含有する水溶液をセ
パレータ紙に含浸する場合は、セパレータ紙に水溶液を
含浸させた後、巻回してコンデンサ素子を構成してもよ
いし、前述のようにコンデンサ素子を構成した後に水溶
液を含浸してもよい。また、含浸後の加熱は、TCNQ
錯体を含浸するための予備加熱をそのまま利用してもよ
いし、予備加熱と条件が合致しない場合は別に加熱工程
を設けてもよい。 【0019】(実施例)以上のような本実施の形態にお
ける実施例として、コンデンサ素子を構成した後、この
コンデンサ素子をほう酸イオンを含む水溶液に浸漬し、
300℃1分間の予備加熱を行い、TCNQ錯体を溶融
液化させてある金属ケースに収容し、ケース開口部をエ
ポキシ樹脂で封口した。この場合のほう酸イオンを含む
水溶液における溶質と水溶液濃度を変えて、表1に示す
ような5種類の固体電解コンデンサ(実施例1〜5)を
100個ずつ作製した。各実施例に使用するほう酸イオ
ンを含む溶液の溶質及び水溶液濃度は次の通りである。
すなわち、実施例1では0.5%のりん酸水溶液を、実
施例2では1%のりん酸水溶液を、実施例3では5%の
りん酸水溶液を、実施例4では1%のりん酸2水素アン
モニウム、実施例5では1%のりん酸2水素カリウム
を、それぞれ用いている。 【0020】これら5種類のコンデンサ定格16V−3
3μFの試料について、初期ESR特性を表1に示し、
また105℃高温負荷試験1000時間後の特性変化を
表2に示し、熱衝撃試験による特性変化を表3に示し
た。熱衝撃試験は−55℃,30分間〜+105℃,3
0分間を100サイクル行った。また、表中のESR
は、100kHzにおける値を示している。 【0021】なお、実施例1〜5の比較対象として、従
来例1,2の特性も表1〜3に示した。従来例1,2
は、コンデンサ素子をほう酸イオンを含有する水溶液に
浸漬せず、従来例1は200℃で1時間、従来例2は3
00℃で1時間、それぞれ焼成を行ったものであり、そ
れ以外は実施例と同じ材料、製造方法、構造からなる。 【0022】 【表1】 【0023】 【表2】【0024】 【表3】 【0025】上記表1から明らかなように、初期ESR
特性は、実施例1〜5と従来例2では小さいものの、従
来例1では大きい。一方、漏れ電流は、焼成温度が30
0℃である従来例2が極端に大きい。つまり、高温焼成
した従来例2ではESRは良好であるが漏れ電流が極端
に悪く、低温焼成した従来例1は漏れ電流は良好である
がESRに問題がある。また表2、表3から明らかなよ
うに、従来例1は初期ESRが大きいと共に高温負荷試
験、熱衝撃試験後のESRの変化はそれぞれ、1.3
倍、1.7倍と大きいことが分かる。 【0026】このような従来例1,2に対し、実施例1
〜5の場合は漏れ電流が良好であると共に初期ESR特
性も十分に小さい。また、高温負荷試験後のESRの変
化は1.1倍以内、熱衝撃試験のESRの変化は1.2
倍以内であり、高温負荷試験、熱衝撃試験後においても
ESRの増加が少なく、良好な特性を発揮している。 【0027】(作用効果)以上のような実施例を含む本
実施の形態においては、コンデンサ素子のセパレータ紙
3にほう酸イオンを含有する水溶液を含浸させ、セパレ
ータ紙3にほう酸の酸化作用を働かせることにより、セ
パレータ紙3の繊維4の一本一本が細くなって、大きな
空隙部5を形成することができる。これにより、セパレ
ータ紙3はTCNQ錯体を多く取り込むことが可能とな
る。その結果、電極箔1,2間の電子導通路を十分確保
することができ、コンデンサは優れたESR特性を獲得
することができる。 【0028】しかも、本実施の形態においては、セパレ
ータ紙3を炭化させるためにコンデンサ素子を高温で長
時間焼成するといった工程が不要である。したがって、
陽極箔1が長時間、高温に曝されるといったことがな
く、陽極箔1の表面に形成される誘電体酸化皮膜に欠陥
が生じない。これにより、コンデンサの漏れ電流の増大
を抑えることができる。 【0029】(他の実施の形態)なお、本発明は、上記
実施の形態に限定されるものではなく、例えば、ほう酸
イオンを含む溶液としてはほう酸カルシウム溶液や、ほ
う酸を溶解した溶液を使用した場合でも、同様の作用効
果を得ることができる。 【0030】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の固体電解
コンデンサの製造方法によれば、セパレータ紙をほう酸
イオンを含有する水溶液に浸漬することにより、セパレ
ータ紙の繊維を細くしてセパレータ紙中に大きな空隙部
を形成することができるので、セパレータ紙は十分にT
CNQ錯体を含んで電極箔間の電子導通路を確保するこ
とが可能となり、コンデンサは優れたESR特性を獲得
することができる。しかも、コンデンサ素子を高温で焼
成する必要がないので、陽極箔表面の誘電体酸化皮膜に
欠陥が生じることがなく、コンデンサの漏れ電流の増大
を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態の要部断面図。 【符号の説明】 1…陽極箔 2…陰極箔 3…セパレータ紙 4…繊維 5…空隙部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−286110(JP,A) 特開 昭58−123715(JP,A) 特開 昭63−37610(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/00 H01G 9/02 H01G 9/028

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】一対の陽極箔及び陰極箔間にセパレータ紙
    を巻回してコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ素
    子にテトラシアノキノジメタン錯体を含浸させた後に、
    該コンデンサ素子をケース内に収容して成る固体電解コ
    ンデンサの製造方法において、前記セパレータ紙にほう
    酸イオンを含有する水溶液を含浸し、その溶媒を蒸発さ
    せた後、巻回してコンデンサ素子を構成するか、又はコ
    ンデンサ素子を構成した後、前記セパレータ紙にほう酸
    イオンを含有する水溶液を含浸し、その溶媒を蒸発さ
    せ、この工程後に加熱処理し、セパレータ紙の繊維を細
    くして空隙部を形成したことを特徴とする固体電解コン
    デンサの製造方法。
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