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JP3470832B2 - 静電アクチュエータにおける多層電極配線板、及びその製造方法 - Google Patents
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JP3470832B2 - 静電アクチュエータにおける多層電極配線板、及びその製造方法 - Google Patents

静電アクチュエータにおける多層電極配線板、及びその製造方法

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JP3470832B2 JP24094894A JP24094894A JP3470832B2 JP 3470832 B2 JP3470832 B2 JP 3470832B2 JP 24094894 A JP24094894 A JP 24094894A JP 24094894 A JP24094894 A JP 24094894A JP 3470832 B2 JP3470832 B2 JP 3470832B2
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信一 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電アクチュエータに
おける多層電極配線板、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、電界エネルギーを機械エネルギー
に変換する静電モーターとして、例えば、下記に示す2
種類の静電アクチュエータが開発されている。
【0003】第1の静電アクチュエータとしては、図1
に示すように電気絶縁性基板2に多層構造を有する複数
の帯状電極5、電気絶縁性フイルム3を積層した固定子
1と、該固定子1上に載置され、電気絶縁性基板11上
に抵抗体層15を積層した移動子10とからなるものが
挙げられる。
【0004】図1における固定子においては、帯状電極
5は電気絶縁性基板2に積層された後、電気絶縁性フイ
ルム3が更に積層され、電気絶縁体中に埋め込まれた状
態を示す。帯状電極5は、図2に示すように、例えば幅
1 は0.4mm、ピッチl2 は1.27mm、帯状電
極が配置される全体の幅はl3 は126mm、長さl4
は175mmの形状を有しており、それぞれ独立して電
圧が印加される3種類の電極群Φa、Φb、Φcからな
る。
【0005】また、移動子10は、図1では固定子1と
離間した状態で図示しているが、固定子1上に接触した
状態で載置されている。図1に示すように、移動子10
は、電気絶縁性基板11、抵抗体層15からなり、電気
絶縁性基板11は体積抵抗1014Ω・cm以上を有する
ポリエチレンテレフタレートフイルム等のプラスチック
フイルム(膜厚5μm〜100μm)が使用され、ま
た、抵抗体層15は、体積抵抗109 Ω・cm〜1011
Ω・cmのもので、例えば酢酸セルロース等が使用され
ている。また、移動子における電気絶縁性基板11と上
述した固定子における電気絶縁性フイルム3とは、固定
子と移動子の接触面を形成するため、同種類のプラスチ
ックを使用され、好ましくはポリエチレンテレフタレー
トフイルムが使用されている。
【0006】このような、静電アクチュエータにおける
動作原理を図3により説明すると、まず同図(a)に示
すように、固定子1における電極群Φaの帯状電極5a
1 、5a2 に正電圧+V、電極群Φbの帯状電極5
1 、5b2 に0V、電極群Φcの帯状電極5c1 、5
2 に負電圧−Vをそれぞれ印加すると、始めには電荷
の存在しなかった抵抗体層15に鏡像電荷が誘起され、
電気絶縁体層11との界面に誘導され、平衡状態とな
る。この状態では移動子は固定子に吸引される。
【0007】次に、固定子における各電極群に印加する
電圧の極性を切り換える。同図(b)は移動子の移動状
態を示す図であるが、電極群Φaの帯状電極5a1 、5
2に0V、電極群Φbの帯状電極5b1 、5b2 に負
電圧−V、電極群Φcの帯状電極5c1 、5c2 に正電
圧+Vをそれぞれ印加する。すると帯状電極内の電荷は
瞬時に移動するが、抵抗体層に誘起された鏡像電荷は、
抵抗体が一定の抵抗値を有するためすぐには消去されな
い。その結果、帯状電極の電荷と移動子における鏡像電
荷は同符号となり、反撥力が発生し、移動子10は浮上
し、電極5b1の−電荷と電極5a1 の鏡像電荷+との
吸引により、移動子10は右方向の駆動力を受け、移動
する。
【0008】移動子10が右方向に1ピッチ移動する
と、同図(c)に示すように、電極の電荷と移動子の鏡
像電荷とが異極性となるので、吸引力が働き、移動子は
停止する。同図(a)〜(c)での各電極への電圧印加
状態を、図4に示す。図4中の(a)〜(c)は、図3
の(a)〜(c)の各時点での電圧印加状態に対応す
る。以後、この動作は、一般に1/1000secのス
イッチングオーダーで繰り返され、移動子を移動させ
る。又、3種類の電極群への電圧印加方法を変更するこ
とにより、左方向へも同様に移動させることができる。
【0009】このように構成される静電アクチュエータ
は、駆動時に移動子・固定子間に反撥力が発生するので
摩擦力が小さく、また停止時には吸引力が働くので、大
きな保持力が得られるものであり、また、製作に高精度
が要求されない、薄型化、大面積化、積層化が容易で、
高出力、低電圧駆動化の実現が容易であるという長所を
有するものである。
【0010】また、第2の静電アクチュエータとして
は、図5(a)にその断面図で示すように、固定子1上
に搭載される移動子10として、固定子1と同様に、電
気絶縁性基板2に多層構造を有する複数の帯状電極5、
電気絶縁性フイルム3を順次積層した構造のものとする
場合が挙げられる。固定子1上への移動子10の搭載方
法としては、図5(b)に示すように、移動子10を電
気絶縁性フイルム3側から搭載しても同様である。
【0011】第2の静電アクチュエータにおける帯状電
極について具体的に説明する。まず、図6、図7に示す
ように固定子1には電気絶縁基板に3相電源に接続され
る帯状取り出し電極25A〜27Aと、駆動部を形成す
る帯状電極群25〜27とが配線され、また移動子10
にも、電気絶縁基板に3相電源に接続される帯状取り出
し電極25A′〜27A′と、駆動部を形成する帯状電
極群25′〜27′とが配線された構造を有している。
【0012】そして、固定子1においては、Φa電源に
接続される取り出し電極25Aとそれから延設される帯
状電極群25、25、25・・からなる配線パターン、
Φb電源に接続される取り出し電極26Aとそれから延
設される帯状電極群26、26、・・からなる配線パタ
ーン、Φc電源に接続される取り出し電極27Aとそれ
から延設される帯状電極群27からなる配線パターンの
3種類の配線パターンが組合わされて配線されている。
その組合せは、図6の固定子に示すように、端部から帯
状電極25、27、26、25、27・・・・の順に並
列させて配線される。
【0013】一方、移動子10においては、Φa電源に
接続される取り出し電極25A′とそれから延設される
帯状電極群25′、25′・・からなる配線パターン、
Φb電源に接続される取り出し電極26A′とそれから
延設される帯状電極群26′、26′・・からなる配線
パターン、Φc電源に接続される帯状取り出し電極27
A′とそれから延設される帯状電極群27′、27′・
・からなる配線パターンの3種類の配線パターンが組合
わされて配線されている。その組合せは、図6の移動子
10に示すように、端部から25′、26′、27′の
順に並列させて配線される。
【0014】即ち、図6に示すように、固定子1上に移
動子10を搭載した状態では、固定子1における帯状電
極群27、26、25・・・・の配列順序は、移動子1
0における帯状電極群25′、26′、27′・・・・
と、その電源への接続順を逆にしていることを特徴とし
ている。
【0015】この第2の静電アクチュエータにおいて
は、3相電源における印加電圧を、例えばΦa(−):
Φb(0):Φc(+)→Φa(0):Φb(+):Φ
c(−)→Φa(+):Φb(−):Φc(0)と順次
切替えると、移動子と固定子上でそれぞれ逆向きに進行
する電位の波を生じ、これらの進行波間に生じる静電気
力により、図6における矢印で示すように、移動子を浮
上させる共に帯状電極の配列方向とは直角方向に移動子
を駆動させるものである。また、この3相電源での印加
電圧の位相の組合せを変化させることにより、移動子は
左右いずれの方向への移動も可能であり、また、3相電
源をより多相化することも可能である。
【0016】この静電アクチュエータは、固定子と移動
子とに同一の電圧が常に印加されるので、高出力が得ら
れ、駆動時に移動子・固定子間に反撥力が発生するので
摩擦力が小さく、また停止時には吸引力が働くので、大
きな保持力が得られるものであり、また、製作に高精度
が要求されない、薄型化、大面積化、積層化が容易で、
高出力、低電圧駆動化が容易であるという長所を有する
ものである。
【0017】また、この第2の静電アクチュエータにお
いては、固定子における帯状電極からの取り出し電極と
移動子における帯状電極からの取り出し電極とがそれぞ
れの電気絶縁性基板上において移動子の移動方向と同一
方向に配線されると共に、固定子における取り出し電極
の配線位置と移動子における取り出し電極の配線位置と
が、その少なくとも1組において対向し、かつその対向
する電極には同一極性の電圧が印加されるように配線さ
れてなり、更に、対向する固定子及び移動子の取り出し
電極の組合せにおけるいずれか一方の取り出し電極が2
分割されると共に他方の帯状取り出し電極と等間隔をお
いて対向させられるように配線されるとよい。図7は、
その斜視図であり、図8はそのA−A面での断面図であ
る。
【0018】この静電アクチュエータにおいては、図7
に示すように、固定子1における取り出し電極25A〜
27Aと移動子10における取り出し電極25A′〜2
7A′とは、それぞれの電気絶縁性基板上に移動子の移
動方向と同一方向(即ち、駆動部を形成する帯状電極方
向とは直交する方向)に配線され、その配線位置は、駆
動部の両側部にそれぞれ配置される。その配線にあたっ
ては、図8に示すように、移動子10を固定子1上に搭
載した際に、同一電源から配線され、同一極性の電圧が
印加される移動子における取り出し電極と固定子におけ
る取り出し電極とが、電界方向において対向するよう
に、それぞれが固定子内、移動子内において配線され
る。
【0019】対向する取り出し電極25A、25A′を
例として説明すると、移動子における取り出し電極25
A′は、図7に示すように、その端部で接続して2分割
されている。更に、図8に示すように、その2分割され
た移動子における2本の取り出し電極25A′は、固定
子における取り出し電極25Aとそれぞれ等間隔で対向
する位置となるように、移動子内において配線させてお
く。
【0020】また、図8においては、同時に固定子にお
ける帯状取り出し電極26Aを2分割して移動子におけ
る帯状取り出し電極26A′と対向させているが、これ
は、駆動に際して3相電源を使用する場合、対向する取
り出し電極同士が0Vとなる場合があるからである。0
V電源を使用しない場合には、少なくとも1組の取り出
し電極において一方を分割して対向させておけばよい。
【0021】図9は、図8で示される取り出し電極の作
用を、3相電源による位相の変化との関係で説明するた
めの図であり、(a)は、Φa(−):Φb(0):Φ
c(+)とした場合、(b)はΦa(0):Φb
(+):Φc(−)と変化させた場合、(c)はΦa
(+):Φb(−):Φc(0)と変化させた場合であ
る。このようにして、固定子及び移動子における取り出
し電極では、常に、同一波形がかかり、対向する3本の
取り出し電極間で静電気力による反撥が生じ、例えば
(a)では固定子における取り出し電極25Aが、2本
ある移動子における取り出し電極25A′の間に位置す
るようになり、また、同様なことが(b)、(c)でも
生じるので、移動子が駆動する際に、移動子が駆動方向
とは直角な方向で位置ずれを生じることを防止すること
が可能とすることができる。
【0022】以上、静電アクチュエータについて説明し
たが、上記した第1、第2の静電アクチュエータにおい
ては、固定子または移動子において、上述するごとく、
3種類のそれぞれ平行な帯状電極群を平板なフイルム上
に配線するものであり、図10(a)に示すように、互
いに平行な帯状電極群と共にそれぞれの電極群における
取り出し電極25A、26A、27Aを平板な基板上に
設ける場合、第2電極群26と第3電極群27とが重な
らざるを得ないという問題がある。
【0023】従来は、基板にスルーホールを穿設し、そ
のスルーホールを通して重なる部位の帯状電極を基板裏
面に延設して電源に接続してこの問題の解決が図られて
きたが、静電アクチュエータにおいては、その駆動電圧
は200V〜1000Vと高電圧であり、基板膜厚とし
ては1μm以上ないと、絶縁破壊が生じるので、静電ア
クチュエータを積層してアクチュエータとする場合に、
全体の容量が大きくなり、小型化に限界があるという問
題がある。
【0024】また、スルーホールを治具を使用して穿設
すると孔の直径が300μm以下のものとはできず、ま
た、エッチングにより穿設する場合にも直径50μmが
限度であり、固定子、移動子における帯状電極層の密度
が限定され、静電アクチュエータの高出力、低電圧駆動
化が得られなく、また作業工程も複雑であるという問題
がある。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、静電アクチ
ュエータにおける帯状電極の密度を高くすることができ
ると共に、静電アクチュエータの膜厚を薄膜化でき、小
型化できると共に、高出力、低電圧駆動化を可能とする
多層電極配線板、及び作業工程が単純な多層電極配線板
の製造方法の提供を課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の静電アクチュエ
ータにおける多層電極配線板は、電気絶縁性基板の一方
の面上に駆動部を形成する複数の帯状電極と該複数の帯
状電極からの取り出し電極が配線され、前記取り出し電
極部において電極配線が重なることにより多層電極構造
とされた固定子と、該固定子における帯状電極部上に載
置され、電気絶縁性基板上に抵抗体層を積層した移動
子、もしくは電気絶縁性基板の一方の面上に駆動部を形
成する複数の帯状電極と該複数の帯状電極からの取り出
し電極が配線され、前記取り出し電極部において電極配
線が重なることにより多層電極構造とされた移動子とか
らなり、前記帯状電極への電圧の切替えにより前記移動
子を浮上させ駆動させる静電アクチュエータにおいて、
該固定子または移動子における帯状電極が電気絶縁性基
板上に形成された粘着層を介して積層された構造であっ
て、かつ、前記固定子又は移動子における多層電極構造
が、プラスチックフィルムの両面に粘着剤を塗布したも
の、あるいは粘着性をそれ自体有する樹脂フィルムから
なる粘着性を有する電気絶縁層を介して多層化されたも
のであることを特徴とする。
【0027】また、本発明の静電アクチュエータにおけ
る多層電極配線板の製造方法は、電気絶縁性基板上に駆
動部を形成する複数の帯状電極が配線され、該複数の帯
状電極が取り出し電極部において多層構造とされた固定
子と、該固定子における帯状電極部上に載置され、電気
絶縁性基板上に抵抗体層を積層した移動子、もしくは電
気絶縁性基板上に駆動部を形成する複数の帯状電極が配
線され、該複数の帯状電極が取り出し電極部において多
層構造とされた移動子とからなり、前記帯状電極への電
圧の切替えにより前記移動子を浮上させ駆動させる静電
アクチュエータにおいて、該固定子または移動子が、
(1)第1転写基板に部分的に絶縁処理してマスクを形
成する工程と、(2)該第1転写基板のマスク以外の部
分にメッキ法により第1帯状電極層を形成する工程と、
(3)前記第1転写基板とは別の第2転写基板に部分的
に絶縁処理してマスクを形成する工程と、(4)該第2
転写基板のマスク以外の部分にメッキ法により第2帯状
電極層を形成する工程と、(5)電気絶縁性基板上に粘
着層を形成する工程と、(6)前記第1転写基板上の第
1帯状電極層を電気絶縁性基板上に粘着層を介して転写
する工程と、(7)電気絶縁性基板上の第1帯状電極層
における取り出し電極部に粘着性を有する電気絶縁層を
積層する工程と、(8)該電気絶縁層を介して、前記第
2転写基板から第2帯状電極層を転写する工程とから製
造されることを特徴とする。
【0028】まず、本発明の静電アクチュエータの固定
子または移動子における多層電極配線板について、図1
0により説明する。同図(a)は、その斜視図、同図
(b)は断面図であり、図中、20は電気絶縁性基板、
21は粘着層、22は粘着性を有する電気絶縁層、25
は第1電極群、26は第2電極群、27は第3電極群、
25A〜27Aは各電極群の取り出し電極部である。符
号は固定子における符号を使用するが、移動子について
も同様である。
【0029】同図(a)(b)に示すように、多層電極
配線板は、電気絶縁性基板20上に粘着層21を介し
て、第1電極群25、第2電極群26からなる第1帯状
電極層が配置され、第2電極群26における取り出し電
極部26A上に粘着性を有する絶縁層22が被覆され、
更に、第3の電極群27を電気絶縁性基板20上及び粘
着性を有する絶縁層22上に積層してなるものであり、
駆動部である帯状電極部は電気絶縁性基板上に互い違い
に順次一定間隔で、相互に平行に積層される。
【0030】図10に示す多層電極板の製造方法を、図
11〜図14により説明する。図11(a)は第1転写
板の平面図、同図(b)はその断面図であり、30は転
写基板、31は絶縁層、33電極層であり、次の2工程
により製造することができる。
【0031】(1)まず、ステンレス等の金属板からな
る転写基板30上に、第1電極群と第2電極群とからな
る第1帯状電極層が配線される部分以外にセラミックス
或いは樹脂等の絶縁性を有する材料を用い、フォトリソ
等のパターニングにより形成する。簡易的にはフォトレ
ジストを用い、直接パターニングを行なう。或いはスク
リーン印刷によってパターニングを行なって、絶縁層3
1を形成してもよい。絶縁層31の膜厚は、0.5μm
〜40μmの膜厚とするとよい。また、第1帯状電極層
は、第3電極群の配線箇所を残して形成させる。
【0032】(2)次いで、転写基板30上に電気メッ
キにより金属電極層33(第1帯状電極層)を積層す
る。電極層としては、銅、はんだ、ニッケル等により形
成するか、または順次相違する金属層を積層して形成す
るとよく、その膜厚は、上記絶縁層の膜厚と同程度に形
成するとよい。
【0033】次に、この第1転写基板に形成された第1
帯状電極層を電気絶縁性基板上に転写する工程について
説明する。
【0034】(3)電気絶縁性基板としてはポリエチレ
ンテレフタレート、ポリイミド、エポキシ樹脂等のプラ
スチック、またガラス等からなり、膜厚に特に制限はな
い。図12(a)にその斜視図、同図(b)にその断面
図を示すように、電気絶縁性基板20上における電極配
線予定部に粘着層21が適宜塗布形成される。粘着剤と
しては特に制限はないが、一般にゴム系、アクリル系樹
脂等の粘着剤を使用でき、性状として溶剤系、水系(エ
マルジョン型)ホットメルト系、無溶剤系(液状硬化
型)等の粘着剤を使用することができる。
【0035】(4)このように形成した電気絶縁性基板
に、上記で作製した第1転写板を重ね合わせ、転写板に
おける電極配線を電気絶縁性基板上に転写する。転写方
法としては、ローラ圧着、プレート圧着、真空圧着等の
いずれの方法によってもよい。また、粘着層21が加熱
により粘着性、或いは接着性を発現する樹脂からなる場
合には、熱圧着により転写してもよい。電極配線が転写
された状態を、図13(a)にその斜視図で、同図
(b)にその断面図を示す。図中、20は電気絶縁性基
板であり、25は第1電極群、26は第2電極群であ
り、図12と同一符号は同一内容を示す。
【0036】(5)次に、電気絶縁性基板上の第2電極
群26における取り出し電極部を被覆するように粘着性
を有する電気絶縁層22を被覆する。図14(a)に絶
縁層を被覆した状態の斜視図を示し、同図(b)にその
断面図を示す。
【0037】粘着性を有する電気絶縁層22は、体積抵
抗1014Ω・cm以上を有するポリエチレンテレフタレ
ート、ポリイミド等のプラスチックフイルムの両面に粘
着剤を塗布したもの、或いは粘着性をそれ自体有する樹
脂フイルムを使用してもよく、膜厚は1μm〜50μm
とするとよく、好ましくは10μm〜25μmとすると
よい。膜厚が薄いと第2電極群と第3電極群との印加電
圧により絶縁破壊が生じるので好ましくない。また膜厚
が厚すぎると、第3電極群を積層するに際して断線等の
問題が生じるので好ましくない。
【0038】(6)次に、第1転写基板とは別の第2転
写基板に、上記(1)〜(2)で説明したと同様に、第
3電極群(第2帯状電極層)を形成して、第2転写板を
作製する。
【0039】この第2転写板における第3電極群を、図
14(a)に示す粘着性を有する電気絶縁層22を形成
した電気絶縁性基板と重ね合わせ、第2電極群における
取り出し電極上に、粘着性を有する電気絶縁層22を介
して、第3電極群を転写し、図10に示される本発明の
多層電極配線板が作製される。
【0040】なお、上記では電気絶縁性基板上にまず、
第1帯状電極層を形成し、次いで第2帯状電極層を積層
したが、これとは逆に、電気絶縁性基板上にまず、第2
帯状電極層を形成し、次いで第1帯状電極層を積層して
もよい。
【0041】また、図2においては、帯状電極5が相互
に平行となるように配置したが、図15に示すように、
ドーナツ板状の電気絶縁性基板2上にその円中心から放
射状に延びるように帯状電極層を配置してもよい。
【0042】このようにして作製される本発明の多層電
極板上には、オーバーコート層として、25μm厚のポ
リエチレンテレフタレートフイルム、ポリイミドフイル
ム等の電気絶縁性フイルムを積層するか、またはエポキ
シ樹脂等を塗布した後、25μm厚のポリエチレンテレ
フタレートフイルム、ポリイミドフイルム等の電気絶縁
性フイルムを積層することにより、図1に示される静電
アクチュエータにおける固定子、図6に示される静電ア
クチュエータにおける固定子及び移動子が作製される。
【0043】
【作用及び発明の効果】静電アクチュエータにおいて
は、その駆動電圧は200V〜1000Vであり、従来
のスルーホールを形成する方法の場合には絶縁破壊を防
止するために、基板膜厚としては1μm以上必要である
が、本発明における多層電極配線板は、電気絶縁性基板
上に3種類の電極群を積層し、多層化するにあたり、粘
着性を有する絶縁性層を介して多層化することにより、
電気絶縁性基板の膜厚を薄くすることができ、静電アク
チュエータを積層してアクチュエータとする場合に、全
体の容量を小さくすることができる。また、電極ピッチ
を10μm程度まで微細化することが可能であり、固定
子における帯状電極配置密度を高くでき、静電アクチュ
エータの高出力、低電圧駆動化が達成される。
【0044】また、本発明における多層電極配線板は、
転写で電極層を積層することにより、絶縁層を介して他
の電極層上に積層しても、或いは絶縁層による段差があ
っても、電極層の断線等を生じにくくでき、リソグラフ
ィー等では不可能な電極層の多層化を行うことができ、
また、作業工程も簡素化できる。
【0045】更に、従来のスルーホールを形成する場合
には、電極ピッチが細かくなるにつれて、スルーホール
の径に影響されて電極ピッチの微細化には限界があり、
しかも、スルーホールを近接して穿設する必要があるこ
とから、基材の材質として剛性の高いガラス等は使用で
きないという問題があるが、本発明の多層電極配線板で
は、電極ピッチが細かくなっても、取り出し電極部の大
きさは変わらないので、同一面積の基板においては、有
効な配線部分の面積を広くとれ、また、ガラス等の基材
を有効に使用できる。
【0046】また、本発明における多層電極配線板にお
ける電気絶縁性基板上には全面に粘着層が形成されてい
るので、オーバーコート層を積層する際、再度接着剤を
塗布する必要がなく、作業工程が簡便となる。以下、実
施例により、本発明を詳細に説明する。
【0047】
【実施例1】ステンレス製の第1転写基板上に、図11
(a)に示す第1帯状電極層配線部(第1電極群と第2
電極群とからなる)以外を、ポリイミド系樹脂インクを
スクリーン印刷により積層し、1μmの膜厚の絶縁層3
1を形成した。
【0048】次いで、第1転写基板上に銅電極層33を
電気メッキにより1μmの膜厚で積層し、図11に示す
転写板を作製した。
【0049】一方、図12に示すように、膜厚25μm
のポリイミド基板上の電極配線予定部に、アクリル系粘
着剤(日本カーバイト(株)製、PE−118)を塗布
し、膜厚2μmの粘着層21を形成した後、上記で作製
した第1転写板とを重ね合わせ、ローラ圧着することに
より、第1転写板における電極パターン(第1帯状電極
層)をポリイミド基板上に転写した(図13)。
【0050】次いで、図14に示すように、第2電極群
26における取り出し電極部上に、両面に粘着剤を塗布
した膜厚25μmのポリイミドフイルムを貼付し、絶縁
層22を被覆した。
【0051】また、別のステンレス製の第2転写基板に
おける第3電極群配線部以外に、上述した第1転写板の
作製方法と同様にして絶縁層を形成し、更に銅電極層を
形成して第2転写板を作製した。
【0052】次いで、上記で作製した第1帯状電極層を
有するポリイミド基板とを、各電極群を位置合わせして
重ね合わせ、上記同様にローラー圧着し、第2帯状電極
層を第1帯状電極層上に転写した。各帯状電極ピッチ1
50μmで、図10に示される本発明の多層電極配線板
を作製した。
【0053】更に、この多層電極配線板上にエポキシ樹
脂を2μmの膜厚で塗布した後、25μmの膜厚のポリ
イミドフイルムを接着剤を使用して積層し、全体の膜厚
が55μmの固定子を得た。
【0054】この固定子を使用して、図1に示す静電ア
クチュエータを組立て、400Vの電圧を固定子の各電
極に印加し、駆動させたところ、固定子における絶縁破
壊がなく、良好であった。
【0055】
【実施例2】ステンレス製の第1転写基板上に、図11
(a)に示す第1帯状電極層配線部(第1電極群と第2
電極群とからなる)以外を、ポリイミド系樹脂インクを
スクリーン印刷により積層し、1μmの膜厚の絶縁層3
1を形成した。
【0056】次いで、第1転写基板上に銅電極層33を
電気メッキにより1μmの膜厚で積層し、図11に示す
転写板を作製した。
【0057】一方、図12に示すように、予め電極配線
予定部に粘着層21を形成してあるフイルム基板(膜厚
25μm、三井東圧化学(株)製、ネオフレックス)
と、上記で作製した第1転写板とを重ね合わせ、熱圧着
することにより第1転写板における電極パターン(第1
帯状電極層)をポリイミド基板上に転写した(図1
3)。
【0058】次いで、図14に示すように、第2電極群
26における取り出し電極部上に、両面に粘着剤を塗布
した膜厚25μmのポリイミドフイルムを貼付し、絶縁
層22を被覆した。
【0059】また、別のステンレス製の第2転写基板
に、第3電極群からなる第2帯状電極層配線部以外を、
第1転写板と同様にして絶縁層を形成し、更に銅電極層
を形成して第2転写板を作製した。
【0060】次いで、上記で作製した第1帯状電極層を
有するポリイミド基板とを、各電極群を位置合わせして
重ね合わせ、上記同様に熱ローラー圧着し、第2帯状電
極層を第1帯状電極層上に転写した。各帯状電極ピッチ
150μmで、図10に示される本発明の多層電極配線
板を作製した。
【0061】更に、この多層電極配線板上にエポキシ樹
脂を2μmの膜厚で塗布した後、25μmの膜厚のポリ
イミドフイルムを接着剤を使用して積層し、全体の膜厚
が77μmの固定子を得た。
【0062】この固定子を使用して、図1に示す静電ア
クチュエータを組立て、400Vの電圧を固定子の各電
極に印加し、駆動させたところ、固定子における絶縁破
壊がなく、良好であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、第1の静電アクチュエータの断面図
である。
【図2】 図2は、第1の静電アクチュエータの斜視図
である。
【図3】 図3は、第1の静電アクチュエータの動作原
理の説明図である。
【図4】 図4は、第1の静電アクチュエータにおける
各電極群への電圧印加順序の説明図である。
【図5】 図5は、第2の静電アクチュエータの断面図
である。
【図6】 図6は、第2の静電アクチュエータにおける
各電極間の関係を説明するための図である。
【図7】 図7は、第2の静電アクチュエータの斜視図
である。
【図8】 図8は、図7のA−A面での断面図であり、
移動子と固定子における各取り出し電極の位置関係を説
明するための図である。
【図9】 図9は、移動子と固定子における各取り出し
電極への電圧印加順序の説明図である。
【図10】 図10(a)(b)は、本発明の多層電極
配線板の斜視図と断面図である。
【図11】 図11(a)(b)は、本発明の静電アク
チュエータにおける多層電極配線板を作製するために使
用する転写板の平面図及び断面図である。
【図12】 図12(a)(b)は、本発明の多層電極
配線板の作製にあたり、電気絶縁性基板上に粘着層を形
成した状態を示す図である。
【図13】 図13(a)(b)は、本発明の多層電極
配線板の作製にあたり、第1帯状電極層を電気絶縁性基
板に転写した状態を示す斜視図及び断面図である。
【図14】 図14(a)(b)は、本発明の多層電極
配線板の作製にあたり第1帯状電極層上に絶縁層を積層
した状態を示す斜視図及び断面図である。
【図15】 図15は、本発明における他の静電アクチ
ュエータの平面図である。
【符号の説明】
1は固定子、10は移動子、2は電気絶縁性基板、3は
電気絶縁性フイルム、5は電極層、11は電気絶縁性基
板、15は抵抗体層、20は電気絶縁性基板、21は粘
着層、22は粘着性を有する電気絶縁層、25は固定子
における第1電極群、25Aは固定子における第1電極
群の取り出し電極、26は固定子における第2電極群、
26Aは固定子における第2電極群の取り出し電極、2
7は固定子における第3電極群、27Aは固定子におけ
る第3電極群の取り出し電極、25′は移動子における
第1電極群、25′Aは移動子における第1電極群の取
り出し電極、26′は移動子における第2電極群、2
6′Aは移動子における第2電極群の取り出し電極、2
7′は移動子における第3電極群、27′Aは移動子に
おける第3電極群の取り出し電極、30は転写基板、3
1は転写板における絶縁層、33は転写板における電極
層である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 俊郎 神奈川県横浜市緑区荏田東三丁目4番26 号 (56)参考文献 特開 平5−122947(JP,A) 特開 平4−271284(JP,A) 特開 平5−260766(JP,A) 特開 平4−260389(JP,A) 特開 平4−317003(JP,A) 特開 平6−204665(JP,A) 特開 平7−255184(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 1/00 H02N 11/00 H05K 3/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性基板の一方の面上に駆動部を
    形成する複数の帯状電極と該複数の帯状電極からの取り
    出し電極が配線され、前記取り出し電極部において電極
    配線が重なることにより多層電極構造とされた固定子
    と、該固定子における帯状電極部上に載置され、電気絶
    縁性基板上に抵抗体層を積層した移動子、もしくは電気
    絶縁性基板の一方の面上に駆動部を形成する複数の帯状
    電極と該複数の帯状電極からの取り出し電極が配線さ
    れ、前記取り出し電極部において電極配線が重なること
    により多層電極構造とされた移動子とからなり、前記帯
    状電極への電圧の切替えにより前記移動子を浮上させ駆
    動させる静電アクチュエータにおいて、該固定子または
    移動子における帯状電極が電気絶縁性基板上に形成され
    た粘着層を介して積層された構造であって、かつ、前記
    固定子又は移動子における多層電極構造が、プラスチッ
    クフィルムの両面に粘着剤を塗布したもの、あるいは粘
    着性をそれ自体有する樹脂フィルムからなる粘着性を有
    する電気絶縁層を介して多層化されたものであることを
    特徴とする静電アクチュエータにおける多層電極配線
    板。
  2. 【請求項2】 電気絶縁性基板上に駆動部を形成する複
    数の帯状電極が配線され、該複数の帯状電極が取り出し
    電極部において多層構造とされた固定子と、該固定子に
    おける帯状電極部上に載置され、電気絶縁性基板上に抵
    抗体層を積層した移動子、もしくは電気絶縁性基板上に
    駆動部を形成する複数の帯状電極が配線され、該複数の
    帯状電極が取り出し電極部において多層構造とされた移
    動子とからなり、前記帯状電極への電圧の切替えにより
    前記移動子を浮上させ駆動させる静電アクチュエータに
    おいて、該固定子または移動子が、(1)第1転写基板
    に部分的に絶縁処理してマスクを形成する工程と、
    (2)該第1転写基板のマスク以外の部分にメッキ法に
    より第1帯状電極層を形成する工程と、(3)前記第1
    転写基板とは別の第2転写基板に部分的に絶縁処理して
    マスクを形成する工程と、(4)該第2転写基板のマス
    ク以外の部分にメッキ法により第2帯状電極層を形成す
    る工程と、(5)電気絶縁性基板上に粘着層を形成する
    工程と、(6)前記第1転写基板上の第1帯状電極層を
    電気絶縁性基板上に粘着層を介して転写する工程と、
    (7)電気絶縁性基板上の第1帯状電極層における取り
    出し電極部に粘着性を有する電気絶縁層を積層する工程
    と、(8)該電気絶縁層を介して、前記第2転写基板か
    ら第2帯状電極層を転写する工程とから製造されること
    を特徴とする静電アクチュエータにおける多層電極配線
    板の製造方法。
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