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JP3476907B2 - ボイラ燃焼室の水管壁における管寄せの保護対策法 - Google Patents
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JP3476907B2 - ボイラ燃焼室の水管壁における管寄せの保護対策法 - Google Patents

ボイラ燃焼室の水管壁における管寄せの保護対策法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】木屑,建築廃材チップ,石炭等の
固形燃料を燃焼させる固形燃料焚きボイラ等の燃焼室に
あっては、その炉壁が水管群を管寄せにより連結してな
る水管壁とされているが、本発明はこのようなボイラ燃
焼室の水管壁における管寄せの保護対策法に関するもの
である。 【0002】 【発明の背景】固形燃料焚きボイラ等における燃焼室の
水管壁構造にあって、水管群の連結部分である管寄せが
そのまま燃焼室内に露出されていると、燃焼ガス中のH
Cl成分によって管寄せが腐食されて、いわゆる腐食減
肉を生じる虞れがある。 【0003】また、肉厚が薄い(通常、3.2mm程
度)水管については、管内外の温度差が小さいため問題
はないが、管寄せについては、肉厚が厚い(通常、25
mm程度)ため、管寄せ内外の温度差が燃焼室での熱負
荷が高い場合には極めて大きくなり、その結果、熱応力
による熱疲労割れ(いわゆるエレファント・クラック)
が生じ易い。 【0004】そこで、本発明者は、先に、管寄せの燃焼
室側表面にAl2 3 系キャスタブル耐火物による保護
層を形成しておくことによって、上記した問題を解決し
ようと試みた。而して、このような保護層を形成してお
くと、管寄せ表面が燃焼ガスに直接触れないため、腐食
されるようなことがない。また、管寄せ内外の温度が小
さくなるため、管寄せが熱疲労割れを生じることもな
い。 【0005】しかし、Al2 3 系キャスタブル耐火物
が熱伝導率の低い(0.7Kcal/m・h・℃程度)
ものであるため、どうしても保護層の表面温度が高くな
り、保護層の表面にクリンカが付着して、ボイラ運転に
支障を来す虞れがあった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
点に鑑みてなされたもので、管寄せの腐食,熱疲労割れ
及びクリンカの発生を確実に防止し得るボイラ燃焼室の
水管壁における管寄せの保護対策法を提供することを目
的をするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の管寄せの保護対
策法にあっては、上記の目的を達成すべく、特に、管寄
せの燃焼室側表面に、高熱伝導率のキャスタブル耐火物
による保護層を形成するようにすることを提案する。 【0008】保護層の構成材としては、SiCを60〜
95%含有するSiC系キャスタブル耐火物若しくはS
3 4 系キャスタブル耐火物又はこれらの成形品を使
用するのが好ましい。また、保護層を形成するに当たっ
て、予め、管寄せに保護層に埋没する多数のピン形状の
スタッドアンカを突設しておくことが好ましい。これら
のスタッドアンカの全ての先端部又は選択した一部のス
タッドアンカについては、その先端部にSiC製のキャ
ップを取着しておくことが好ましい。勿論、使用する燃
料等の燃焼条件によっては、かかるキャップを必要とし
ない場合もある。 【0009】 【作用】管寄せの燃焼室側表面がキャスタブル耐火物に
よる保護層で保護されているから、保護層により管寄せ
の表面温度を低下させることができる。その結果、管寄
せ内外の温度差が小さくなり、熱疲労割れが確実に防止
される。勿論、管寄せを燃焼室内に露出させた場合のよ
うに、燃焼ガス中のHCl成分により管寄せが腐食減肉
するような虞れも皆無となる。 【0010】しかも、保護層を熱伝導率の高いSiC系
キャスタブル耐火物やSi3 4 系キャスタブル耐火物
で構成するから、熱伝導率の低いAl2 3 系キャスタ
ブル耐火物を使用した場合に比して、保護層の表面温度
が大幅に低下することになる。したがって、燃焼条件に
拘わらず、保護層の表面にクリンカが付着するような虞
れもない。 【0011】ところで、保護層の構成材としてAl2
3 系キャスタブル耐火物を使用した場合には、一定の層
強度を確保するために、保護層をかなり厚く(少なくと
も75mm程度)しておく必要があり、且つスタッドア
ンカとして複雑な形状(例えばV字形)のものを使用し
ておく必要があった。 【0012】しかし、上記した如く、保護層の構成材と
してSiC系キャスタブル耐火物やSi3 4 系キャス
タブル耐火物を使用すると、これらはAl2 3 系キャ
スタブル耐火物に比して強度的にも優れるものであるか
ら、保護層の厚みを可及的に薄くすることができ、スタ
ッドアンカも単純なピン形状のものとしておくことがで
きる。しかも、必要に応じて、保護層に埋設される全て
のスタッドアンカ又は選択した一部のスタッドアンカの
先端部にSiC製のキャップを取着しておくと、スタッ
ドアンカ部分の保護層が剥離,脱落したような場合に
も、ステンレス鋼等で構成されるスタッドアンカの先端
部が燃焼ガスとの接触により腐食される虞れもない。 【0013】 【実施例】以下、本発明の構成を図1〜図3に示す実施
例に基づいて具体的に説明する。 【0014】図1に示す固形燃料焚きボイラにおいて、
1は燃焼室、2は燃焼室1に並設されたボイラ本体、3
は燃焼室1の底部に配設された移床式火格子、4は火格
子3下から燃焼用空気を供給する風箱、5は燃料投入口
である。 【0015】燃焼室1の炉壁6a,6b,6cは、一定
ピッチで横方向に並列する水管群を管寄せにより連結し
てなる水管壁構造とされているが、この実施例のもので
は、特に、熱的に問題のある側壁6a及び後壁6bにお
ける管寄せ8a,8bについて本発明の方法が適用され
ている。 【0016】すなわち、側壁6aは、図1及び図2に示
す如く、前後方向に並列する水管群7a…の下端部を前
後方向に延びる管寄せ8aに連通接続してなるが、この
管寄せ8aの燃焼室側表面には、高熱伝導率で且つ強度
的にも優れたキャスタブル耐火物による保護層9aが形
成されている。かかるキャスタブル耐火物としては、S
iCを60〜95%含むSiC系のものやSi3 4
のものが好適する。勿論、これらキャスタブル耐火物の
成形品を使用することも可能である。また、管寄せ8a
には、図2に示す如く、保護層9aの脱落を防止するた
めに多数のスタッドアンカ10…を突設してある。各ス
タッドアンカ10はピン形状のもので、各スタッドアン
カ10の先端部にはSiC製のキャップ11が取着され
ている。また、後壁6bは、図1及び図3に示す如く、
左右方向に並列する水管群7b…の下端部を左右方向に
延びる管寄せ8bに連通接続してなるが、この管寄せ8
bの燃焼室側表面にも、上記したと同様に、SiC系又
はSi3 4 系のキャスタブル耐火物による保護層9b
が形成されており、且つ上記同様のピン状のスタッドア
ンカ10…が突設されている。勿論、この場合において
も、図3に示す如く、スタッドアンカ10…の先端部に
はSiC製のキャップ11が取着されている。なお、こ
の実施例では、各保護層9a,9bに埋設されるスタッ
ドアンカ群10…のうち、選択したスタッドアンカ10
…(全スタッドアンカの半数)の先端部にのみキャップ
11を取着するようにしたが、キャップ11を取着する
スタッドアンカ数は燃焼条件等に応じて適宜に設定する
ことができる。例えば、各保護層9a,9bに埋設され
るスタッドアンカ10…の全てにキャップ11を取着す
るようにしてもよい。勿論、燃料によっては、かかるキ
ャップ11を全く必要としない場合もある。 【0017】ところで、この実施例においては、各水管
7a,7bとして内径69.8mm,外径76.2mm
のボイラ熱交換器用炭素鋼管が使用されており、各管寄
せ8a,8bとしては内径267.7mm,外径31
8.5mmの高温用炭素鋼管が使用されている。 【0018】また、保護層9a,9bの形成は、既存の
水管壁に対しては勿論、新設の水管壁に対しても、水管
壁が完成された後において行われ、形成手法としては、
例えば、コテ塗り,吹き付け,成形等の周知の手法が採
用される。この実施例では、コテ塗りによって保護層9
a,9bを形成した。 【0019】また、保護層9a,9bの厚さ並びにスタ
ッドアンカ10の形状及び配置(ピッチ)は、保護層9
a,9bが脱落しないように適宜に設定しておく必要が
あるが、この実施例では、保護層9a,9bの厚さを2
5〜30mm程度とすると共に、スタッドアンカ10を
ステンレス鋼製のピン形状体として、40mm前後程度
の小ピッチで均等に配置してあり、保護層9a,9bの
表面とキャップ11の上面とは略面一にしてある。 【0020】以上のように、SiC系又はSi3 4
のキャスタブル耐火物からなる保護層9a,9bを形成
した場合には、上述した如く、管寄せの熱疲労割れやク
リンカ付着が確実に防止されるが、かかる点について
は、次のような実験により確認されている。 【0021】すなわち、この実験は、上記した固形燃料
焚きボイラを使用して行ったもので、保護層9a,9b
を、表1に示す如く、SiC系キャスタブル耐火物で構
成した場合及びSi3 4 系キャスタブル耐火物で構成
した場合において、夫々、 運転時間:3600時間 燃焼室温度(火焔温度):1300℃ 水管壁内部流体:水(280℃) の条件下でボイラ運転を行い、管寄せ8a,8b及び保
護層9a,9bの各部温度と管寄せ8a,8bに形成し
た保護層9a,9bの表面におけるクリンカ付着の有無
とについて測定,調査したものである。その結果は、表
2に示す通りであった。また、比較例として、保護層9
a,9bを表1に示す如きAl2 3 系キャスタブル耐
火物で構成した場合及び保護層9a,9bを形成しない
場合において、上記の場合と同一条件下でボイラ運転を
行い、管寄せ8a,8bの各部温度及び保護層表面にお
けるクリンカ付着の有無について測定,調査した。その
結果は、表2に示す通りであった。なお、比較例1で
は、スタッドアンカとしてV字形のものを使用して、こ
れを200〜300mmピッチで配置した。 【0022】 【表1】【0023】 【表2】 【0024】表2から明らかなように、管寄せ8a,8
bを露出させた比較例2では、管寄せの外面温度が高
く、その内外温度が大きいが、管寄せ8a,8bの燃焼
室側表面をキャスタブル保護層9a,9bで保護した実
験例1,2及び比較例1では、保護層の材質に拘わら
ず、何れも、管寄せ8a,8bの外面温度を大幅に低下
させ得ることから、その内外温度差が小さくなってい
る。したがって、比較例2では熱疲労割れが生じる虞れ
があるが、実験例1,2及び比較例1では熱疲労割れを
生じる虞れはない。ところで、熱疲労割れは少なくとも
2〜3年経過しないと発生しないものであるから、上記
した3600時間程度の実験運転によっては確認し得な
い。しかし、比較例1及び比較例2と同様構造のものに
ついては、上記したと同一条件で3年以上運転された実
績があり、これらについて熱疲労割れを調査したとこ
ろ、比較例1に相当するものについては管寄せに熱疲労
割れが全く生じていなかったが、比較例2に相当するも
のにおいては明瞭な熱疲労割れが生じていた。かかる実
績調査の結果から、キャスタブル耐火物による保護層に
より管寄せの内外温度差が小さくなるようにしておくこ
とが、熱疲労割れ対策上、効果的であることは容易に理
解される。 【0025】また、表2から明らかなように、保護層を
Al2 3 系キャスタブル耐火物で構成した比較例1で
は、保護層の表面温度が極めて高くなり、その表面にク
リンカが付着した。これに対して、実験例1,2では、
保護層を熱伝導率の高いキャスタブル耐火物で構成した
ために、保護層の表面温度が大幅に低下し、その表面に
クリンカが付着しなかった。 【0026】このように、実験例1及び実験例2のもの
では熱疲労割れ及びクリンカ付着を効果的に防止でき、
本発明の方法が管寄せの保護対策上実効あるものである
ことが確認された。 【0027】なお、本発明は上記した固形燃料焚きボイ
ラの燃焼室に適用される他、炉壁が水管壁をなす各種ボ
イラ(流動層ボイラ等)の燃焼室に適用することがで
き、保護層を形成すべき管寄せはボイラ形式,燃焼条件
に応じて適宜に選択することができる。 【0028】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、SiC系,Si3 4 系といった高熱伝導率
で且つ強度的にも優れたキャスタブル耐火物による保護
層を形成しておくことによって、管寄せの腐食,熱疲労
割れを確実に防止することができ、しかも保護層表面へ
のクリンカ付着を確実に回避することができる。したが
って、水管壁が既設のものであると否とを問わず、管寄
せの保護対策に万全を期すことができ、水管壁ひいては
ボイラ全体の耐久性を大幅に向上させ得る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の管寄せの保護対策法を実施した水管壁
構造を有するボイラの一例を示す縦断側面図である。 【図2】図1のII−II線に沿う拡大断面図である。 【図3】図1のIII部分を拡大して示す詳細図である。 【符号の説明】 1…燃焼室(ボイラ燃焼室)、6a…側壁(水管壁)、
6b…後壁(水管壁)、7a,7b…水管、8a,8b
…管寄せ、9a,9b…保護層、10…スタッドアン
カ、11…キャップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−231602(JP,A) 特開 平2−203194(JP,A) 特開 昭57−164203(JP,A) 実開 昭59−175856(JP,U) 特公 昭31−152(JP,B1) 実公 昭7−788(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F22B 37/00 F22B 37/22

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 水管群を管寄せにより連結してなるボイ
    ラ燃焼室の水管壁に於いて、前記管寄せの燃焼室側表面
    に、SiCを60〜95%含有する高熱伝導率で且つ強
    度的にも優れたSiC系キャスタブル耐火物若しくはS
    3 4 系キャスタブル耐火物又はこれらの成形品による
    保護層を形成し、当該保護層を形成するに当たって、予
    め、管寄せに保護層に埋没する多数のピン形状のスタッ
    ドアンカを突設しておくと共に、全てのスタッドアンカ
    の先端部又は選択した一部のスタッドアンカの先端部に
    SiC製のキャップを取着しておき、更に保護層の表面
    とキャップの上面とを略面一にしておくことを特徴とす
    る、燃焼室の水管壁における管寄せの保護対策法。
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