JP3490163B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents
パワーステアリング装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ロータリースプール
とスリーブの相対的な回転変位により流体を分流制御す
るロータリ型制御弁を備えたパワーステアリング装置に
関する。 【0002】 【従来の技術】従来例のパワーステアリング装置として
は、例えば図6に示すようなものがある。左右のタイヤ
51、52にそれぞれ取り付けられたナックルアーム5
3、54は、サイドロッド55、56を介してラック軸
57に連結されている。ラック57軸に形成したラック
は、ハンドルHに一体に連結されたステアリングシャフ
ト59によって回転するピニオン軸60に形成したピニ
オンとかみあっている。また、ラック軸57には、パワ
ーシリンダPC内に軸方向に移動可能に組み込まれたシ
リンダピストン62が一体に取り付けられている。 【0003】ステアリングシャフト59とピニオン軸6
0の間には、制御弁63を設けている。制御弁63は、
直列に接続した可変絞り部63a、63bからなる第1
弁組と、同じく直列に接続した可変絞り部63c、63
dからなる第2弁組とを、並列にしたものである。ハン
ドルHの回転に応じて、可変絞り部63a、63bは互
いにその開度が反対に変化する。同様に、ハンドルの回
転に応じて、可変絞り部63c、63dも互いにその開
度が反対に変化する。そして、上記第1弁組と第2弁組
とは、開度変化が反対となっている。可変絞り部63a
及び63c上流側の入口ポート69はポンプPに接続
し、また可変絞り部63b及び63dの下流側はタンク
Tと接続している。さらに、可変絞り部63aと63b
の中間部の第1出力ポート70は、シリンダ通路64を
介してパワーシリンダPCの第1シリンダ室61aに接
続され、可変絞り部63cと63dの中間部の第2出力
ポート71は、シリンダ通路65を介してパワーシリン
ダPCの第2シリンダ室61bに接続している。さら
に、上記シリンダ通路64には第1シリンダ可変絞り6
6を、シリンダ通路65には第2シリンダ可変絞り67
を設けている。これらシリンダ可変絞り66、67は電
子制御装置68に接続され、この電子制御装置68から
の信号に応じてその開度を変化する。 【0004】次に、この従来例の作用を説明する。ハン
ドルHを右にきった時には、可変絞り部63bと63c
の開度が大きくなるとともに、可変絞り部63aと63
dの開度が小さくなるものとする。したがって、ポンプ
からの吐出油は可変絞り部63c側に導かれれるととも
に、シリンダ通路65を通って第2シリンダ室61bに
導かれる。同時に、第1シリンダ室61a側に圧油はシ
リンダ通路64を通ってポート70に導かれるととも
に、可変絞り弁63b側に流れてタンクTに導かれる。
つまり、第2シリンダ室61b側の油圧が大きくなると
ともに、第1シリンダ室61a側の油圧は小さくなるの
で、シリンダロッド62は図中左方向に移動して、サイ
ドロッド55、56及びナックルアーム53、54を介
して、タイヤ51、52に図中右方向にアシスト力を付
与している。なお、ハンドルHを左にきった時は、反対
に、可変絞り部63aと63dの開度が大きくなるとと
もに、可変絞り部63bと63cの開度が小さくなる。
そして、図中左方向にアシスト力を付与することは同様
である。 【0005】ハンドルHが中立位置にある時は、ポンプ
側可変絞り部63aと63cと、また63bと63dは
同一の開度を保つものとする。したがって、ポンプの吐
出油は第1弁組と第2弁組を介してタンクと連通すると
ともに、室61a及び61bには同圧の油圧が導かれ、
タイヤ51、52は直進状態を保つ。ここで、ハンドル
中立時には、電子制御装置68によってシリンダ可変絞
り66、67の開度を最小にしておく。このとき、シリ
ンダ室61a及び61bには、同圧で、かつ、低い油圧
が満ちていることになる。そして、タイヤ側51、52
から何等かの外力が加わった場合、シリンダ可変絞り6
6、67より、この力を減衰するとともに直進走行を安
定させることができる。ハンドルHを操舵する時には、
シリンダ可変絞り66、67の開度を、ハンドルH転舵
に対するシリンダ61の応答性が悪くならない程度で、
かつ、外力に対する減衰効果を得られるように調整す
る。以上のように、従来例のパワーステアリング装置で
は、走行状態に応じて、第1及び第2シリンダ可変絞り
66、67の開度を電子制御装置68によって調節して
いる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】以上のような従来のパ
ワーステアリング装置において、第1、第2シリンダ可
変絞り66、67の開度は、電子制御装置68によって
調節している。したがって、装置全体が複雑になってコ
ストがかかってしまうとともに、電気的な信号を利用す
るために、その信頼性にも問題があった。この発明の目
的は、電気的な信号を利用することなく、安価で信頼性
の高いパワーステアリング装置を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明は、ハンドルに
連係したロータリスプールの周囲にスリーブを備えると
ともに、ハンドルの転舵に応じてこれらロータリスプー
ルとスリーブの相対位置が変化し、パワーシリンダへ導
く流体を制御するパワーステアリング装置を前提とす
る。上記のパワーステアリング装置を前提として、この
発明は、スリーブには、その直径線上に位置し、ポンプ
と接続する一対の入口ポートと、上記一対の入口ポート
を基準として一方の側に位置し、互いに対向する一対の
第1出力ポート溝と、上記一対の入口ポートを基準とし
て他方の側に位置し、互いに対向する一対の第2出力ポ
ート溝と、上記入口ポートとほぼ90度ずらして位置
し、互いに対向する第1及び第2中継ポートと、第1中
継ポートの両隣に位置する第1通路溝と、第2中継ポー
トの両隣に位置する第2通路溝とを形成し、また、ロー
タリスプールには、上記一対の入口ポートに常時連通す
るとともに、ハンドル中立時には入口ポートとその両隣
の出力ポート溝を連通する一対の連係溝と、一対の連係
溝のそれぞれの両隣に位置するとともに、ハンドル中立
時に上記各出力ポートと連通しタンクへ流体を戻す4つ
の戻り溝と、ハンドル中立時に、第1中継ポートをその
両隣の第1通路溝に連通する第1連通溝と、ハンドル中
立時に、第2中継ポートをその両隣の第2通路溝に連通
する第2連通溝とを形成し、かつ、上記一対の第1出力
ポート溝に第1中継ポートを接続する第1連係通路と、
一対の第2出力ポート溝に第2中継ポートを接続する第
2連係通路と、第1通路溝をパワーシリンダの第1シリ
ンダ室に接続する第1シリンダ通路と、第2通路溝をパ
ワーシリンダの第2シリンダ室に接続する第2シリンダ
通路とを設け、ハンドルを転舵してロータリスプールと
スリーブの相対位置が変化すると、この相対位置に応じ
て、第1出力ポート溝あるいは第2出力ポート溝のいず
れか一方と入口ポートとの開度が大きくなるとともに、
他方の出力ポート溝と戻り溝との開度は大きくなり、ポ
ンプ吐出流体は第1連係通路あるいは第2連係通路のい
ずれか一方に導かれるとともに、他方の連係通路の流体
は戻り通路に導かれ、さらにこのハンドルの転舵に応じ
て、上記第1中継ポートと第1通路溝と第1連通溝とが
相まって構成する第1シリンダ絞りと、同じく第2中継
ポートと第2通路溝と第2連通溝とが相まって構成する
第2シリンダ絞りとは、その開度が大きくなる点に特徴
を有する。 【0008】 【作用】この発明のパワーステアリング装置では、ハン
ドル中立時には、パワーシリンダの両室には同圧で低圧
の流体が導かれることになる。さらに、第1及び第2シ
リンダ可変絞りの開度は最小になっているので、外力が
加わったとしても直進走行を安定させることができる。
そして、ハンドルを転舵すると、このハンドル転舵に応
じてポンプからの流体は第1及び第2シリンダ可変絞り
のいずれかに導かれるとともに、この第1及び第2シリ
ンダ可変絞りは、ハンドルのきり具合に応じて、開度を
大きなるので、パワーシリンダに流れ込む油量は大きく
なり、ハンドル転舵とパワーシリンダの追従性を向上さ
せることができる。 【0009】 【実施例】図1〜5に示すこの発明の実施例では、ケー
シング1内にステアリングシャフト2を挿入するととも
に、このステアリングシャフト2とピニオン軸3とをト
ーションバー4で連結している。そして、ステアリング
シャフト2にロータリースプール5を一体に形成すると
ともに、このロータリースプール5の周囲にスリーブ6
を相対回転自在に嵌合し、しかも、このスリーブ6を上
記ピニオン軸3と一体的に回転するようにしている。そ
して、これらロータリースプール5とスリーブ6とによ
りロータリー型制御弁が構成される。また、上記ピニオ
ン軸3に形成したピニオン3aを、ラック軸7に形成し
たラック7aにかみ合わせている。上記スリーブ6に
は、図2に示すように、そのスリーブの直径線上で互い
に対向する位置に、一対の入力ポート8、9を形成す
る。また、これら入力ポート8、9それぞれの両隣近傍
には、入力ポート8及び9を基準として対称な位置に、
出力ポート溝10、11及び12、13を形成する。こ
れら、第1出力ポート溝10と12とはスリーブ直径線
上で互いに対向する場所に、同じく第2出力ポート溝1
1と13とはスリーブ直径線上で互いに対向する場所に
位置させる。 【0010】ロータリースプール5には、その直径線上
で互いに対向する位置に、一対の連係溝25、26を形
成する。そして、ハンドルが中立位置にある時、つまり
ロータリースプールが図2に示す中立位置にあるとき
に、連係溝25を介して入力ポート8と出力ポート溝1
0、11とが連通し、かつ、連係溝26を介して入力ポ
ート9と出力ポート溝12、13とが連通している。ま
た、ロータリースプール5には4つの戻り溝27〜30
を形成しているが、これら戻り溝27〜30は、ロータ
リースプール5に形成した戻り孔31に常時連通する一
方、戻り孔31はポンプPの吸込口に接続する戻り通路
32に接続している。そして、図2に示す中立時に、上
記戻り溝27〜30はそれぞれ、出力ポート溝10〜1
3に連通している。 【0011】さらにスリーブ6には、上記入力ポート8
及び9と、ほぼ90度ずらした位置に、互いに対向する
第1中継ポート18と第2中継ポート17を形成する。
これら中継ポート17、18それぞれの両隣近傍で、中
継ポート18及び17を基準として対称な位置にそれぞ
れ第1通路溝37、38と第2通路溝35、36を形成
する。これら、通路溝35と37はスリーブ直径線上で
互いに対向する場所に、同じく通路溝36、38もスリ
ーブ直径線上で互いに対向する場所に位置させている。
また、ロータリースプール5には、上記連係溝25、2
6と、その位相をほぼ90度ずらした位置に、互いに対
向する第1連通溝34と第2連通溝33を形成する。第
2連通溝33は、上記第2中継ポート17と常時連通す
るとともに、図2に示す中立時には、第2中継ポート1
7を第2通路溝35及び36に連通している。同じく、
第1連通溝34は、上記第1中継ポート18と連通する
とともに、図2に示す中立時には、第1中継ポート18
を第1通路溝37及び38に連通している。 【0012】そして、上記入力ポート8と9は、入力通
路14を介して互いに連通するとともに、この入力通路
14はポンプPの吐出口に接続されている。また、第1
出力ポート溝10、12の第1出力ポート10a、12
aは、第1連係通路15を介して連通するとともに、こ
の第1連係通路15は第1中継ポート18と連通する。
同様に第2出力ポート溝11、13の第1出力ポート1
1a、13aは、第2連係通路16を介して連通すると
ともに、この第2連係通路16は第2中継ポート17と
連通する。さらに、上記第1通路溝37、38は、第1
シリンダ通路24を介してパワーシリンダPCの第1シ
リンダ室23aと連通する一方、第2通路溝35、36
は、第2シリンダ通路22を介してパワーシリンダPC
の第2シリンダ室23bと連通する。 【0013】以上述べたロータリー型制御弁の各絞り
を、図2と同じ断面図上に具体的に示したのが図3であ
る。詳しく述べると、連係溝25と第1出力ポート溝1
0によって構成される絞りをa1とし、連係溝26と第
1出力ポート溝12によって構成される絞りをa2とす
る。これら絞りa1とa2は同じ特性を持つものであ
り、絞りa1とa2が相まって、可変絞り部Aを構成す
るものとする。同様に、連係溝25と第2出力ポート溝
11によって構成される絞りc1と、連係溝26と第2
出力ポート溝13によって構成される絞りc2とが相ま
って、可変絞り部Cを構成するものとする。そして、上
記可変絞り部AとCは、ハンドル中立時には同一の開度
を保つものである。また、ハンドルを右にきると可変絞
り部Aの開度は小さくなるとともに、可変絞りCの開度
は大きくなる。反対にハンドルを左にきると可変絞り部
Aの開度は大きくなるとともに、可変絞りCの開度は小
さくなる。このように、これら可変絞り部AとCはその
開度変化は逆ではあるが、その開度変化の特性は同じも
のである。 【0014】第2出力ポート溝11と戻り溝28によっ
て構成される絞りをb1とし、第2出力ポート溝13と
戻り溝30によって構成される絞りをb2とする。これ
ら絞りb1とb2は同じ特性を持つものであり、絞りb
1とb2が相まって、可変絞り部Bを構成するものとす
る。同様に、第1出力ポート溝10と戻り溝27によっ
て構成される絞りd1と、それに対応した第1出力ポー
ト溝12と戻り溝29によって構成される絞りd2とが
相まって、可変絞り部Dを構成するものとする。そし
て、上記可変絞り部BとDは、ハンドル中立時には同一
の開度を保つものである。また、ハンドルを右にきると
可変絞り部Bの開度は小さくなるとともに、可変絞りD
の開度は大きくなり、反対にハンドルを左にきると可変
絞り部Bの開度は大きくなるとともに、可変絞りDの開
度は小さくなる。このように、これら可変絞り部BとD
はその開度変化は逆ではあるが、その開度変化の特性は
同じものである。 【0015】一方、第2連通溝33と第2通路溝35に
よって構成される絞りをe1とし、第2連通溝33と第
2通路溝36によって構成される絞りをe2とする。こ
れら絞りe1とe2はハンドル中立時には開度が同じで
あり、絞りe1とe2が相まって、第2シリンダ可変絞
りEを構成するものとする。同じく、第1連通溝34と
第1通路溝37によって構成される絞りをf1とし、第
1連通溝34と第1通路溝38によって構成される絞り
をf2とする。これら絞りf1とf2はハンドル中立時
には開度が同じであり、絞りf1とf2が相まって、第
1シリンダ可変絞りFを構成するものとする。以上述べ
た可変絞り部A、B、C、Dと、シリンダ可変絞りE、
Fを、図4に等価回路図として示す。そして、図4から
も分かるように可変絞り部A、Bにより、第1弁組が、
可変絞り部C、Dにより第2弁組が構成されている。 【0016】次に、パワーステアリング装置の作用を説
明する。ハンドルが中立位置にあるときは、ロータリー
スプール5とスリーブ6の相対位置は図2及び3に示す
ようになる。このとき、入力ポート8及び9に導かれた
ポンプPの吐出油は、連係溝25及び26に導かれると
ともに、絞りa1、a2及びc1、c2を介して、出力
ポート溝10、11及び12、13に流れ込む。なお、
このときは絞りa1、a2及びc1、c2はすべて同一
の開度を保っている。さらに、出力ポート溝10、11
及び12、13に流れ込んだ油は、絞りb1、b2及び
d1、d2を介して、戻り溝27〜30に流れ込むとと
もに、戻り孔31を介して戻り通路32に戻される。な
お、このときは絞りb1、b2及びd1、d2はすべて
同一の開度を保っている。また、このとき出力ポート溝
10、11及び12、13内の油は、第1及び2連係通
路16、15を通って、中継ポート17及び18に導か
れる。そして、連通溝33及び34内に導かれた油は、
絞りe1、e2及びf1、f2を介して、通路溝35、
36及び37、38に流れ込む。なお、このときは絞り
e1、e2及びf1、f2はすべて同一の開度を保って
いるとともに、シリンダ可変絞りE及びFの開度は最小
となっている。そして、この油はシリンダ通路22及び
24を通って、シリンダ室23a及び23bに導かれ
る。 【0017】この作用を、図4の等価回路で説明する。
ハンドル中立時は、可変絞り部AとCの開度は同一であ
るとともに、可変絞り部BとDの開度も同一である。し
たがって、ポンプからの吐出油は、直列に接続された可
変絞り部AとBからなる第1弁組と、同様に直列に接続
された可変絞り部CとDからなる第2弁組とを介してタ
ンクTに連通する。このとき、シリンダ23の室23
a、23b内は同圧となるので、操舵アシストを行うこ
となく直進走行を保つ。また、低圧の油圧が満たされて
いるので、タイヤ側から何等かの外力が加わったとして
も、第1、第2シリンダ可変絞りF、Eにより、この力
が減衰され直進走行を安定させることができる。 【0018】次に、上記ハンドル中立位置からハンドル
を右にきった場合、ロータリースプール5は図5のよう
に矢印K方向に回転し、ロータリスプール5とスリーブ
6の相対位置は図5に示すように変化する。このとき、
絞りc1とc2の開度は大きくなるとともに、絞りa1
とa2の開度は小さくなる。したがって、連係溝25及
び26に導かれたポンプの吐出油は、絞りc1、c2の
開度に応じて、第2出力ポート溝11、13に多く流れ
込む。また、絞りb1とb2の開度は小さくなっている
ので、出力ポート溝11、13に流れ込んだ油は、第2
連係通路16を介して、第2連通溝33に導かれる。そ
して、このとき絞りe1の開度は小さくなっているが、
絞りe2が大きくなっているので、結局は第2シリンダ
可変絞りEの開度は大きくなっていることになる。つま
り、第2連通溝33内の油は第2シリンダ通路22を通
って、ハンドル中立時よりもより多い圧油が第2シリン
ダ室23bに導かれる。 【0019】同時に、絞りd1とd2の開度は大きくな
っているので、第1出力ポート溝10内の油は戻り溝2
7に導かれ、戻り孔31に流れ込む。そして、いま絞り
f2が大きくなっているので、結局第1シリンダ室23
a内の油が、第1シリンダ通路24→絞りf2→第1連
通溝34→第1連係通路15→第1出力ポート溝10、
12→絞りd1、d2→戻り溝27、29を通って、戻
り孔31に導かれることになる。したがって、第2シリ
ンダ室23b内の油圧が大きくなるとともに、第1シリ
ンダ室23a内の油圧が小さくなり、シリンダロッドが
移動し操舵をアシストする。なお、ハンドルを左にきっ
た時も、以上述べた作用と同様であり、その詳細な説明
は省略する。 【0020】この作用を、図4の等価回路で説明する。
ハンドルを右にきった時は、可変絞り部Aの開度は小さ
くなるとともに、可変絞り部Cの開度は大きくなる。し
たがって、ポンプからの吐出油は可変絞り部C側に導か
れれるとともに、第2連係通路16を通ってシリンダ可
変絞りEに導かれる。ここで、第2シリンダ可変絞りE
は、ハンドルのきり具合に応じてその開度が大きくなっ
ているので、第2シリンダ通路22を介して第2シリン
ダ室23bにながれ込む。 【0021】同時に、第1可変絞り部Dの開度は小さく
なるとともに、可変絞り部Bの開度は大きくなってい
る。また、第1シリンダ可変絞りFは、ハンドルのきり
具合に応じてその開度が大きくなっているので、第1シ
リンダ通路24及び第1連係通路15を通って、第1出
力ポート10a、12aに導かれる。そして、可変絞り
部Bを介してタンクTに導かれる。つまり、第2シリン
ダ室23b側の油圧が大きくなるとともに、第1シリン
ダ室23a側の油圧は小さくなり、パワーシリンダPC
内のシリンダロッドは図中左方向に移動して、ハンドル
操舵にアシスト力を付与する。なお、ハンドルHを左に
きった時は、反対に、可変絞り部AとDの開度が大きく
なるとともに、可変絞り部BとCの開度が小さくなる。
そして、ハンドルを左にきる操舵にアシスト力を付与す
ることは同様である。 【0022】以上述べたように、ハンドル中立時には、
第1及び第2シリンダ可変絞り部EとFは最小になって
いるとともに、ハンドルのきり具合に応じてその開度は
大きくなる。したがって、ハンドル中立時に、タイヤか
ら外力が加わっても、直進走行を安定させることができ
るとともに、ハンドルをきった時にはパワーシリンダP
Cに流れ込む油量は大きくなり、ハンドル転舵とパワー
シリンダの追従性を向上させることができる。このよう
に、電気的な信号を使用することなく、安価で、かつ、
信頼性の向上が可能となる。なお、絞り部EとFの開度
特性は、タイヤ側から何等かの外力が加わったときの減
衰効果と、ハンドル転舵とパワーシリンダの追従性とを
考慮して決めればよい。また、この実施例ではラックア
ンドピニオン型のパワーステアリング装置について述べ
たが、ウォームナット型パワーステアリング装置にも適
用されることはいうまでもない。 【0023】 【発明の効果】この発明によれば、電気的な信号を使用
することなく、安価で、かつ、信頼性の高いパワーステ
アリング装置を提供することができる。
とスリーブの相対的な回転変位により流体を分流制御す
るロータリ型制御弁を備えたパワーステアリング装置に
関する。 【0002】 【従来の技術】従来例のパワーステアリング装置として
は、例えば図6に示すようなものがある。左右のタイヤ
51、52にそれぞれ取り付けられたナックルアーム5
3、54は、サイドロッド55、56を介してラック軸
57に連結されている。ラック57軸に形成したラック
は、ハンドルHに一体に連結されたステアリングシャフ
ト59によって回転するピニオン軸60に形成したピニ
オンとかみあっている。また、ラック軸57には、パワ
ーシリンダPC内に軸方向に移動可能に組み込まれたシ
リンダピストン62が一体に取り付けられている。 【0003】ステアリングシャフト59とピニオン軸6
0の間には、制御弁63を設けている。制御弁63は、
直列に接続した可変絞り部63a、63bからなる第1
弁組と、同じく直列に接続した可変絞り部63c、63
dからなる第2弁組とを、並列にしたものである。ハン
ドルHの回転に応じて、可変絞り部63a、63bは互
いにその開度が反対に変化する。同様に、ハンドルの回
転に応じて、可変絞り部63c、63dも互いにその開
度が反対に変化する。そして、上記第1弁組と第2弁組
とは、開度変化が反対となっている。可変絞り部63a
及び63c上流側の入口ポート69はポンプPに接続
し、また可変絞り部63b及び63dの下流側はタンク
Tと接続している。さらに、可変絞り部63aと63b
の中間部の第1出力ポート70は、シリンダ通路64を
介してパワーシリンダPCの第1シリンダ室61aに接
続され、可変絞り部63cと63dの中間部の第2出力
ポート71は、シリンダ通路65を介してパワーシリン
ダPCの第2シリンダ室61bに接続している。さら
に、上記シリンダ通路64には第1シリンダ可変絞り6
6を、シリンダ通路65には第2シリンダ可変絞り67
を設けている。これらシリンダ可変絞り66、67は電
子制御装置68に接続され、この電子制御装置68から
の信号に応じてその開度を変化する。 【0004】次に、この従来例の作用を説明する。ハン
ドルHを右にきった時には、可変絞り部63bと63c
の開度が大きくなるとともに、可変絞り部63aと63
dの開度が小さくなるものとする。したがって、ポンプ
からの吐出油は可変絞り部63c側に導かれれるととも
に、シリンダ通路65を通って第2シリンダ室61bに
導かれる。同時に、第1シリンダ室61a側に圧油はシ
リンダ通路64を通ってポート70に導かれるととも
に、可変絞り弁63b側に流れてタンクTに導かれる。
つまり、第2シリンダ室61b側の油圧が大きくなると
ともに、第1シリンダ室61a側の油圧は小さくなるの
で、シリンダロッド62は図中左方向に移動して、サイ
ドロッド55、56及びナックルアーム53、54を介
して、タイヤ51、52に図中右方向にアシスト力を付
与している。なお、ハンドルHを左にきった時は、反対
に、可変絞り部63aと63dの開度が大きくなるとと
もに、可変絞り部63bと63cの開度が小さくなる。
そして、図中左方向にアシスト力を付与することは同様
である。 【0005】ハンドルHが中立位置にある時は、ポンプ
側可変絞り部63aと63cと、また63bと63dは
同一の開度を保つものとする。したがって、ポンプの吐
出油は第1弁組と第2弁組を介してタンクと連通すると
ともに、室61a及び61bには同圧の油圧が導かれ、
タイヤ51、52は直進状態を保つ。ここで、ハンドル
中立時には、電子制御装置68によってシリンダ可変絞
り66、67の開度を最小にしておく。このとき、シリ
ンダ室61a及び61bには、同圧で、かつ、低い油圧
が満ちていることになる。そして、タイヤ側51、52
から何等かの外力が加わった場合、シリンダ可変絞り6
6、67より、この力を減衰するとともに直進走行を安
定させることができる。ハンドルHを操舵する時には、
シリンダ可変絞り66、67の開度を、ハンドルH転舵
に対するシリンダ61の応答性が悪くならない程度で、
かつ、外力に対する減衰効果を得られるように調整す
る。以上のように、従来例のパワーステアリング装置で
は、走行状態に応じて、第1及び第2シリンダ可変絞り
66、67の開度を電子制御装置68によって調節して
いる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】以上のような従来のパ
ワーステアリング装置において、第1、第2シリンダ可
変絞り66、67の開度は、電子制御装置68によって
調節している。したがって、装置全体が複雑になってコ
ストがかかってしまうとともに、電気的な信号を利用す
るために、その信頼性にも問題があった。この発明の目
的は、電気的な信号を利用することなく、安価で信頼性
の高いパワーステアリング装置を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明は、ハンドルに
連係したロータリスプールの周囲にスリーブを備えると
ともに、ハンドルの転舵に応じてこれらロータリスプー
ルとスリーブの相対位置が変化し、パワーシリンダへ導
く流体を制御するパワーステアリング装置を前提とす
る。上記のパワーステアリング装置を前提として、この
発明は、スリーブには、その直径線上に位置し、ポンプ
と接続する一対の入口ポートと、上記一対の入口ポート
を基準として一方の側に位置し、互いに対向する一対の
第1出力ポート溝と、上記一対の入口ポートを基準とし
て他方の側に位置し、互いに対向する一対の第2出力ポ
ート溝と、上記入口ポートとほぼ90度ずらして位置
し、互いに対向する第1及び第2中継ポートと、第1中
継ポートの両隣に位置する第1通路溝と、第2中継ポー
トの両隣に位置する第2通路溝とを形成し、また、ロー
タリスプールには、上記一対の入口ポートに常時連通す
るとともに、ハンドル中立時には入口ポートとその両隣
の出力ポート溝を連通する一対の連係溝と、一対の連係
溝のそれぞれの両隣に位置するとともに、ハンドル中立
時に上記各出力ポートと連通しタンクへ流体を戻す4つ
の戻り溝と、ハンドル中立時に、第1中継ポートをその
両隣の第1通路溝に連通する第1連通溝と、ハンドル中
立時に、第2中継ポートをその両隣の第2通路溝に連通
する第2連通溝とを形成し、かつ、上記一対の第1出力
ポート溝に第1中継ポートを接続する第1連係通路と、
一対の第2出力ポート溝に第2中継ポートを接続する第
2連係通路と、第1通路溝をパワーシリンダの第1シリ
ンダ室に接続する第1シリンダ通路と、第2通路溝をパ
ワーシリンダの第2シリンダ室に接続する第2シリンダ
通路とを設け、ハンドルを転舵してロータリスプールと
スリーブの相対位置が変化すると、この相対位置に応じ
て、第1出力ポート溝あるいは第2出力ポート溝のいず
れか一方と入口ポートとの開度が大きくなるとともに、
他方の出力ポート溝と戻り溝との開度は大きくなり、ポ
ンプ吐出流体は第1連係通路あるいは第2連係通路のい
ずれか一方に導かれるとともに、他方の連係通路の流体
は戻り通路に導かれ、さらにこのハンドルの転舵に応じ
て、上記第1中継ポートと第1通路溝と第1連通溝とが
相まって構成する第1シリンダ絞りと、同じく第2中継
ポートと第2通路溝と第2連通溝とが相まって構成する
第2シリンダ絞りとは、その開度が大きくなる点に特徴
を有する。 【0008】 【作用】この発明のパワーステアリング装置では、ハン
ドル中立時には、パワーシリンダの両室には同圧で低圧
の流体が導かれることになる。さらに、第1及び第2シ
リンダ可変絞りの開度は最小になっているので、外力が
加わったとしても直進走行を安定させることができる。
そして、ハンドルを転舵すると、このハンドル転舵に応
じてポンプからの流体は第1及び第2シリンダ可変絞り
のいずれかに導かれるとともに、この第1及び第2シリ
ンダ可変絞りは、ハンドルのきり具合に応じて、開度を
大きなるので、パワーシリンダに流れ込む油量は大きく
なり、ハンドル転舵とパワーシリンダの追従性を向上さ
せることができる。 【0009】 【実施例】図1〜5に示すこの発明の実施例では、ケー
シング1内にステアリングシャフト2を挿入するととも
に、このステアリングシャフト2とピニオン軸3とをト
ーションバー4で連結している。そして、ステアリング
シャフト2にロータリースプール5を一体に形成すると
ともに、このロータリースプール5の周囲にスリーブ6
を相対回転自在に嵌合し、しかも、このスリーブ6を上
記ピニオン軸3と一体的に回転するようにしている。そ
して、これらロータリースプール5とスリーブ6とによ
りロータリー型制御弁が構成される。また、上記ピニオ
ン軸3に形成したピニオン3aを、ラック軸7に形成し
たラック7aにかみ合わせている。上記スリーブ6に
は、図2に示すように、そのスリーブの直径線上で互い
に対向する位置に、一対の入力ポート8、9を形成す
る。また、これら入力ポート8、9それぞれの両隣近傍
には、入力ポート8及び9を基準として対称な位置に、
出力ポート溝10、11及び12、13を形成する。こ
れら、第1出力ポート溝10と12とはスリーブ直径線
上で互いに対向する場所に、同じく第2出力ポート溝1
1と13とはスリーブ直径線上で互いに対向する場所に
位置させる。 【0010】ロータリースプール5には、その直径線上
で互いに対向する位置に、一対の連係溝25、26を形
成する。そして、ハンドルが中立位置にある時、つまり
ロータリースプールが図2に示す中立位置にあるとき
に、連係溝25を介して入力ポート8と出力ポート溝1
0、11とが連通し、かつ、連係溝26を介して入力ポ
ート9と出力ポート溝12、13とが連通している。ま
た、ロータリースプール5には4つの戻り溝27〜30
を形成しているが、これら戻り溝27〜30は、ロータ
リースプール5に形成した戻り孔31に常時連通する一
方、戻り孔31はポンプPの吸込口に接続する戻り通路
32に接続している。そして、図2に示す中立時に、上
記戻り溝27〜30はそれぞれ、出力ポート溝10〜1
3に連通している。 【0011】さらにスリーブ6には、上記入力ポート8
及び9と、ほぼ90度ずらした位置に、互いに対向する
第1中継ポート18と第2中継ポート17を形成する。
これら中継ポート17、18それぞれの両隣近傍で、中
継ポート18及び17を基準として対称な位置にそれぞ
れ第1通路溝37、38と第2通路溝35、36を形成
する。これら、通路溝35と37はスリーブ直径線上で
互いに対向する場所に、同じく通路溝36、38もスリ
ーブ直径線上で互いに対向する場所に位置させている。
また、ロータリースプール5には、上記連係溝25、2
6と、その位相をほぼ90度ずらした位置に、互いに対
向する第1連通溝34と第2連通溝33を形成する。第
2連通溝33は、上記第2中継ポート17と常時連通す
るとともに、図2に示す中立時には、第2中継ポート1
7を第2通路溝35及び36に連通している。同じく、
第1連通溝34は、上記第1中継ポート18と連通する
とともに、図2に示す中立時には、第1中継ポート18
を第1通路溝37及び38に連通している。 【0012】そして、上記入力ポート8と9は、入力通
路14を介して互いに連通するとともに、この入力通路
14はポンプPの吐出口に接続されている。また、第1
出力ポート溝10、12の第1出力ポート10a、12
aは、第1連係通路15を介して連通するとともに、こ
の第1連係通路15は第1中継ポート18と連通する。
同様に第2出力ポート溝11、13の第1出力ポート1
1a、13aは、第2連係通路16を介して連通すると
ともに、この第2連係通路16は第2中継ポート17と
連通する。さらに、上記第1通路溝37、38は、第1
シリンダ通路24を介してパワーシリンダPCの第1シ
リンダ室23aと連通する一方、第2通路溝35、36
は、第2シリンダ通路22を介してパワーシリンダPC
の第2シリンダ室23bと連通する。 【0013】以上述べたロータリー型制御弁の各絞り
を、図2と同じ断面図上に具体的に示したのが図3であ
る。詳しく述べると、連係溝25と第1出力ポート溝1
0によって構成される絞りをa1とし、連係溝26と第
1出力ポート溝12によって構成される絞りをa2とす
る。これら絞りa1とa2は同じ特性を持つものであ
り、絞りa1とa2が相まって、可変絞り部Aを構成す
るものとする。同様に、連係溝25と第2出力ポート溝
11によって構成される絞りc1と、連係溝26と第2
出力ポート溝13によって構成される絞りc2とが相ま
って、可変絞り部Cを構成するものとする。そして、上
記可変絞り部AとCは、ハンドル中立時には同一の開度
を保つものである。また、ハンドルを右にきると可変絞
り部Aの開度は小さくなるとともに、可変絞りCの開度
は大きくなる。反対にハンドルを左にきると可変絞り部
Aの開度は大きくなるとともに、可変絞りCの開度は小
さくなる。このように、これら可変絞り部AとCはその
開度変化は逆ではあるが、その開度変化の特性は同じも
のである。 【0014】第2出力ポート溝11と戻り溝28によっ
て構成される絞りをb1とし、第2出力ポート溝13と
戻り溝30によって構成される絞りをb2とする。これ
ら絞りb1とb2は同じ特性を持つものであり、絞りb
1とb2が相まって、可変絞り部Bを構成するものとす
る。同様に、第1出力ポート溝10と戻り溝27によっ
て構成される絞りd1と、それに対応した第1出力ポー
ト溝12と戻り溝29によって構成される絞りd2とが
相まって、可変絞り部Dを構成するものとする。そし
て、上記可変絞り部BとDは、ハンドル中立時には同一
の開度を保つものである。また、ハンドルを右にきると
可変絞り部Bの開度は小さくなるとともに、可変絞りD
の開度は大きくなり、反対にハンドルを左にきると可変
絞り部Bの開度は大きくなるとともに、可変絞りDの開
度は小さくなる。このように、これら可変絞り部BとD
はその開度変化は逆ではあるが、その開度変化の特性は
同じものである。 【0015】一方、第2連通溝33と第2通路溝35に
よって構成される絞りをe1とし、第2連通溝33と第
2通路溝36によって構成される絞りをe2とする。こ
れら絞りe1とe2はハンドル中立時には開度が同じで
あり、絞りe1とe2が相まって、第2シリンダ可変絞
りEを構成するものとする。同じく、第1連通溝34と
第1通路溝37によって構成される絞りをf1とし、第
1連通溝34と第1通路溝38によって構成される絞り
をf2とする。これら絞りf1とf2はハンドル中立時
には開度が同じであり、絞りf1とf2が相まって、第
1シリンダ可変絞りFを構成するものとする。以上述べ
た可変絞り部A、B、C、Dと、シリンダ可変絞りE、
Fを、図4に等価回路図として示す。そして、図4から
も分かるように可変絞り部A、Bにより、第1弁組が、
可変絞り部C、Dにより第2弁組が構成されている。 【0016】次に、パワーステアリング装置の作用を説
明する。ハンドルが中立位置にあるときは、ロータリー
スプール5とスリーブ6の相対位置は図2及び3に示す
ようになる。このとき、入力ポート8及び9に導かれた
ポンプPの吐出油は、連係溝25及び26に導かれると
ともに、絞りa1、a2及びc1、c2を介して、出力
ポート溝10、11及び12、13に流れ込む。なお、
このときは絞りa1、a2及びc1、c2はすべて同一
の開度を保っている。さらに、出力ポート溝10、11
及び12、13に流れ込んだ油は、絞りb1、b2及び
d1、d2を介して、戻り溝27〜30に流れ込むとと
もに、戻り孔31を介して戻り通路32に戻される。な
お、このときは絞りb1、b2及びd1、d2はすべて
同一の開度を保っている。また、このとき出力ポート溝
10、11及び12、13内の油は、第1及び2連係通
路16、15を通って、中継ポート17及び18に導か
れる。そして、連通溝33及び34内に導かれた油は、
絞りe1、e2及びf1、f2を介して、通路溝35、
36及び37、38に流れ込む。なお、このときは絞り
e1、e2及びf1、f2はすべて同一の開度を保って
いるとともに、シリンダ可変絞りE及びFの開度は最小
となっている。そして、この油はシリンダ通路22及び
24を通って、シリンダ室23a及び23bに導かれ
る。 【0017】この作用を、図4の等価回路で説明する。
ハンドル中立時は、可変絞り部AとCの開度は同一であ
るとともに、可変絞り部BとDの開度も同一である。し
たがって、ポンプからの吐出油は、直列に接続された可
変絞り部AとBからなる第1弁組と、同様に直列に接続
された可変絞り部CとDからなる第2弁組とを介してタ
ンクTに連通する。このとき、シリンダ23の室23
a、23b内は同圧となるので、操舵アシストを行うこ
となく直進走行を保つ。また、低圧の油圧が満たされて
いるので、タイヤ側から何等かの外力が加わったとして
も、第1、第2シリンダ可変絞りF、Eにより、この力
が減衰され直進走行を安定させることができる。 【0018】次に、上記ハンドル中立位置からハンドル
を右にきった場合、ロータリースプール5は図5のよう
に矢印K方向に回転し、ロータリスプール5とスリーブ
6の相対位置は図5に示すように変化する。このとき、
絞りc1とc2の開度は大きくなるとともに、絞りa1
とa2の開度は小さくなる。したがって、連係溝25及
び26に導かれたポンプの吐出油は、絞りc1、c2の
開度に応じて、第2出力ポート溝11、13に多く流れ
込む。また、絞りb1とb2の開度は小さくなっている
ので、出力ポート溝11、13に流れ込んだ油は、第2
連係通路16を介して、第2連通溝33に導かれる。そ
して、このとき絞りe1の開度は小さくなっているが、
絞りe2が大きくなっているので、結局は第2シリンダ
可変絞りEの開度は大きくなっていることになる。つま
り、第2連通溝33内の油は第2シリンダ通路22を通
って、ハンドル中立時よりもより多い圧油が第2シリン
ダ室23bに導かれる。 【0019】同時に、絞りd1とd2の開度は大きくな
っているので、第1出力ポート溝10内の油は戻り溝2
7に導かれ、戻り孔31に流れ込む。そして、いま絞り
f2が大きくなっているので、結局第1シリンダ室23
a内の油が、第1シリンダ通路24→絞りf2→第1連
通溝34→第1連係通路15→第1出力ポート溝10、
12→絞りd1、d2→戻り溝27、29を通って、戻
り孔31に導かれることになる。したがって、第2シリ
ンダ室23b内の油圧が大きくなるとともに、第1シリ
ンダ室23a内の油圧が小さくなり、シリンダロッドが
移動し操舵をアシストする。なお、ハンドルを左にきっ
た時も、以上述べた作用と同様であり、その詳細な説明
は省略する。 【0020】この作用を、図4の等価回路で説明する。
ハンドルを右にきった時は、可変絞り部Aの開度は小さ
くなるとともに、可変絞り部Cの開度は大きくなる。し
たがって、ポンプからの吐出油は可変絞り部C側に導か
れれるとともに、第2連係通路16を通ってシリンダ可
変絞りEに導かれる。ここで、第2シリンダ可変絞りE
は、ハンドルのきり具合に応じてその開度が大きくなっ
ているので、第2シリンダ通路22を介して第2シリン
ダ室23bにながれ込む。 【0021】同時に、第1可変絞り部Dの開度は小さく
なるとともに、可変絞り部Bの開度は大きくなってい
る。また、第1シリンダ可変絞りFは、ハンドルのきり
具合に応じてその開度が大きくなっているので、第1シ
リンダ通路24及び第1連係通路15を通って、第1出
力ポート10a、12aに導かれる。そして、可変絞り
部Bを介してタンクTに導かれる。つまり、第2シリン
ダ室23b側の油圧が大きくなるとともに、第1シリン
ダ室23a側の油圧は小さくなり、パワーシリンダPC
内のシリンダロッドは図中左方向に移動して、ハンドル
操舵にアシスト力を付与する。なお、ハンドルHを左に
きった時は、反対に、可変絞り部AとDの開度が大きく
なるとともに、可変絞り部BとCの開度が小さくなる。
そして、ハンドルを左にきる操舵にアシスト力を付与す
ることは同様である。 【0022】以上述べたように、ハンドル中立時には、
第1及び第2シリンダ可変絞り部EとFは最小になって
いるとともに、ハンドルのきり具合に応じてその開度は
大きくなる。したがって、ハンドル中立時に、タイヤか
ら外力が加わっても、直進走行を安定させることができ
るとともに、ハンドルをきった時にはパワーシリンダP
Cに流れ込む油量は大きくなり、ハンドル転舵とパワー
シリンダの追従性を向上させることができる。このよう
に、電気的な信号を使用することなく、安価で、かつ、
信頼性の向上が可能となる。なお、絞り部EとFの開度
特性は、タイヤ側から何等かの外力が加わったときの減
衰効果と、ハンドル転舵とパワーシリンダの追従性とを
考慮して決めればよい。また、この実施例ではラックア
ンドピニオン型のパワーステアリング装置について述べ
たが、ウォームナット型パワーステアリング装置にも適
用されることはいうまでもない。 【0023】 【発明の効果】この発明によれば、電気的な信号を使用
することなく、安価で、かつ、信頼性の高いパワーステ
アリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のパワーステアリング装置断
面図である。 【図2】実施例のパワーステアリング装置で、ハンドル
が中立位置にある時のロータリーバルブを示す図であ
る。 【図3】ロータリーバルブの各絞りを、図2と同じ断面
図上に具体的に示した図である。 【図4】実施例のパワーステアリング装置の等価回路図
である。 【図5】実施例のパワーステアリング装置で、ハンドル
を右にきった時のロータリーバルブを示す図である。 【図6】従来例のパワーステアリング装置の等価回路図
である。 【符号の説明】 5 ロータリースプール 6 スリーブ 8、9 入力ポート 10、12 第1出力ポート溝 11、13 第2出力ポート溝 15 第1連係通路 16 第2連係通路 17 第2中継ポート溝 18 第1中継ポート溝 22 第2シリンダ通路 24 第1シリンダ通路 25、26 連係溝 33 第2連通路 34 第1連通路 PC パワーシリンダ 23a 第1シリンダ室 23b 第2シリンダ室
面図である。 【図2】実施例のパワーステアリング装置で、ハンドル
が中立位置にある時のロータリーバルブを示す図であ
る。 【図3】ロータリーバルブの各絞りを、図2と同じ断面
図上に具体的に示した図である。 【図4】実施例のパワーステアリング装置の等価回路図
である。 【図5】実施例のパワーステアリング装置で、ハンドル
を右にきった時のロータリーバルブを示す図である。 【図6】従来例のパワーステアリング装置の等価回路図
である。 【符号の説明】 5 ロータリースプール 6 スリーブ 8、9 入力ポート 10、12 第1出力ポート溝 11、13 第2出力ポート溝 15 第1連係通路 16 第2連係通路 17 第2中継ポート溝 18 第1中継ポート溝 22 第2シリンダ通路 24 第1シリンダ通路 25、26 連係溝 33 第2連通路 34 第1連通路 PC パワーシリンダ 23a 第1シリンダ室 23b 第2シリンダ室
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ハンドルに連係したロータリスプールの
周囲にスリーブを備えるとともに、ハンドルの転舵に応
じてこれらロータリスプールとスリーブの相対位置が変
化し、パワーシリンダへ導く流体を制御するパワーステ
アリング装置において、スリーブには、その直径線上に
位置し、ポンプと接続する一対の入口ポートと、上記一
対の入口ポートを基準として一方の側に位置し、互いに
対向する一対の第1出力ポート溝と、上記一対の入口ポ
ートを基準として他方の側に位置し、互いに対向する一
対の第2出力ポート溝と、上記入口ポートとほぼ90度
ずらして位置し、互いに対向する第1及び第2中継ポー
トと、第1中継ポートの両隣に位置する第1通路溝と、
第2中継ポートの両隣に位置する第2通路溝とを形成
し、また、ロータリスプールには、上記一対の入口ポー
トに常時連通するとともに、ハンドル中立時には入口ポ
ートとその両隣の出力ポート溝を連通する一対の連係溝
と、一対の連係溝のそれぞれの両隣に位置するととも
に、ハンドル中立時に上記各出力ポートと連通しタンク
へ流体を戻す4つの戻り溝と、ハンドル中立時に、第1
中継ポートをその両隣の第1通路溝に連通する第1連通
溝と、ハンドル中立時に、第2中継ポートをその両隣の
第2通路溝に連通する第2連通溝とを形成し、かつ、上
記一対の第1出力ポート溝に第1中継ポートを接続する
第1連係通路と、一対の第2出力ポート溝に第2中継ポ
ートを接続する第2連係通路と、第1通路溝をパワーシ
リンダの第1シリンダ室に接続する第1シリンダ通路
と、第2通路溝をパワーシリンダの第2シリンダ室に接
続する第2シリンダ通路とを設け、ハンドルを転舵して
ロータリスプールとスリーブの相対位置が変化すると、
この相対位置に応じて、第1出力ポート溝あるいは第2
出力ポート溝のいずれか一方と入口ポートとの開度が大
きくなるとともに、他方の出力ポート溝と戻り溝との開
度は大きくなり、ポンプ吐出流体は第1連係通路あるい
は第2連係通路のいずれか一方に導かれるとともに、他
方の連係通路の流体は戻り通路に導かれ、さらにこのハ
ンドルの転舵に応じて、上記第1中継ポートと第1通路
溝と第1連通溝とが相まって構成する第1シリンダ絞り
と、同じく第2中継ポートと第2通路溝と第2連通溝と
が相まって構成する第2シリンダ絞りとは、その開度が
大きくなることを特徴とするパワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31113394A JP3490163B2 (ja) | 1994-11-21 | 1994-11-21 | パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP31113394A JP3490163B2 (ja) | 1994-11-21 | 1994-11-21 | パワーステアリング装置 |
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| JP31113394A Expired - Fee Related JP3490163B2 (ja) | 1994-11-21 | 1994-11-21 | パワーステアリング装置 |
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| Country | Link |
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-
1994
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| JPH08142890A (ja) | 1996-06-04 |
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