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JP3496541B2 - 電荷輸送性ポリエステルおよびそれを用いた有機電子デバイス - Google Patents
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JP3496541B2 - 電荷輸送性ポリエステルおよびそれを用いた有機電子デバイス - Google Patents

電荷輸送性ポリエステルおよびそれを用いた有機電子デバイス

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JP3496541B2 JP32038898A JP32038898A JP3496541B2 JP 3496541 B2 JP3496541 B2 JP 3496541B2 JP 32038898 A JP32038898 A JP 32038898A JP 32038898 A JP32038898 A JP 32038898A JP 3496541 B2 JP3496541 B2 JP 3496541B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な電荷輸送性
ポリエステルおよびそれを用いた有機電子デバイス、特
に電子写真用感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルカルバゾール(PVK)に代
表される電荷輸送性ポリマーは、電子写真用感光体の光
導電材料および第36回応用物理学関係連合講演会予稿
集31p−K−12(1990)等に記載されたよう
な、有機電界発光素子材料として有望なものである。こ
れらの材料は、共に層を形成させ、電荷輸送層として使
用するが、電荷輸送層を形成する材料としては、PVK
に代表される電荷輸送性ポリマーと、電荷輸送性の低分
子化合物をポリマー中に分散した低分子分散系のものと
がよく知られている。また、有機電界発光素子として
は、低分子の電荷輸送材料を蒸着して用いるのが一般的
である。このうち、低分子分散系のものが、材料の多様
性があり、高機能のものが得られやすいことから、特に
電子写真用感光体では主流になっている。
【0003】電子写真感光体に関しては、近年では、有
機感光体の高性能化に伴い、高速の複写機やプリンター
にも使用されるようになってきたが、有機感光体を高速
の複写機またはプリンターにおいて用いる場合、必ずし
も現在の性能では十分でなく、特にさらなる長寿命化が
切望されている。有機感光体の寿命を決定する重要な因
子の一つが表面層の磨耗である。現在の有機感光体は、
電荷発生層の上に電荷輸送層を積層した、いわゆる積層
型のものが主流となっており、したがって電荷輸送層が
表面層となる場合が多い。現在、主流である低分子分散
系電荷輸送層は、電気的な特性に関しては十分に満足で
きる性能のものが得られつつあるが、低分子化合物を結
着樹脂中に分散して用いるため、結着樹脂本来の機械的
な性能が低下してしまい、磨耗に関しては本質的に弱い
という欠点があった。これに対し、電荷輸送性ポリマー
は、上記の欠点を大きく改善できる可能性があるため、
現在盛んに研究されている。たとえば、米国特許第4,
806,443号明細書には、特定のジヒドロキシアリ
ールアミンとビスクロロホルメートとの重合によるポリ
カーボネートが開示されており、米国特許第4,80
6,444号明細書には特定のジヒドロキシアリールア
ミンとホスゲンとの重合によるポリカーボネートが開示
されている。また、米国特許第4,801,517号明
細書にはビスヒドロキシアルキルアリールアミンとビス
クロロホルメートまたはホスゲンとの重合によるポリカ
ーボネートが開示されており、米国特許第4,937,
165号明細書および米国特許第4,959,288号
明細書には、特定のジヒドロキシアリールアミンまたは
ビスヒドロキシアルキルアリールアミンとビスクロロホ
ルメートとの重合によるポリカーボネート、および、ビ
スアシルハライドとの重合によるポリエステルが開示さ
れている。さらに、米国特許第5,034,296号明
細書には、特定のフルオレン骨格を有するアリールアミ
ンのポリカーボネートおよびポリエステルが、また、米
国特許第4,983,482号明細書には、ポリウレタ
ンが開示されている。さらにまた、特公昭59−289
03には、特定のビススチリルビスアリールアミンを主
鎖としたポリエステルが開示されている。また、特開昭
61−20953号公報、特開平1−134456号公
報、特開平1−134457号公報、特開平1−134
462号公報、特開平4−133065号公報、特開平
4−133066号公報等には、ヒドラゾン、トリアリ
ールアミンなどの電荷輸送性の置換基をペンダントとし
たポリマーおよびそれを用いた感光体が提案されてい
る。特にテトラアリールベンジジン骨格を有するポリマ
ーは、「The Sixth Internation
al Congress on Advances i
n Non−impact Printing Tec
hnologies. 306,(1990)」にも報
告されているように、モビリティーが高く、実用性の高
いものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電荷輸送性
ポリマーには、溶解性、モビリティー、酸化電位のマッ
チングなど種々の特性が要求されるが、これら要求を満
たすために、置換基を導入して物性をコントロールする
ことが一般に行われている。電荷輸送性ポリマーのイオ
ン化ポテンシャルは、殆ど電荷輸送性モノマーで決定さ
れるため、電荷輸送性モノマーのイオン化ポテンシャル
がコントロール可能であることが重要となってくる。先
に示したトリアリールアミンポリマーの原料であるモノ
マーは、ジヒドロキシアリールアミンおよびビスヒ
ドロキシアルキルアリールアミンの2種に大別できる。
しかしながら、ジヒドロキシアリールアミンは、アミノ
フェノール構造を有しているため酸化されやすく、精製
が困難である。また、特にパラヒドロキシ置換構造の場
合には、一層不安定となるが、その置換基の位置を変更
し、イオン化ポテンシャルをコントロールすることは困
難である。さらに、芳香環に直接酸素が置換した構造を
有するため、その電子吸引性により電荷分布に偏りを生
じやすく、モビリティーが低下しやすいという問題点が
あった。一方、ビスヒドロキシアルキルアリールアミン
はメチレン基により酸素の電子吸引性の影響はなくなる
ものの、モノマーの合成が困難である。すなわち、ジア
リールアミンまたはジアリールベンジジンと3ーブロモ
ヨードベンゼンとの反応により合成する場合は、臭素と
ヨウ素の両者共に反応性があるため、生成物が混合物と
なりやすく、収率の低下をまねく。また、臭素化合物を
リチウム化する際に用いるアルキルリチウムや、エチレ
ンオキサイドは危険性、毒性が高く、取扱いに注意を要
するという問題点があった。
【0005】この問題を解決するために、本発明者等
は、電荷輸送性ポリマーについて鋭意検討した結果、特
開平8−253568号公報、特開平8−211640
号公報、特開平8−208820号公報および特開平9
−110974号公報において、新規な高性能電荷輸送
性ポリマーを開示した。これら公報に記載のものは、下
記一般式(III )または(IV)で示される交互共重合の
電荷輸送性ポリマーである。 H−(O−Y)−O[CO−A−CO−O−(Y−O)−H (III ) B−[CO−A−CO−O−(Y−O)− −CO−Z−CO−O−(Y−O)]CO−A−CO−B′ (IV) [式中、YおよびZは、それぞれ2価の炭化水素基を表
し、Aは、下記式で示される二価の基を表し、
【化2】 (R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、または置換
もしくは未置換のアリール基を示し、Xは置換または未
置換の2価の有機基を示す。a、b、kおよびmは、そ
れぞれ0または1の整数を示し、Tは炭素数1〜10の
枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を示す。) BおよびB′は、それぞれ独立に基−O−(Y−O)
−Hまたは基−O−(Y−O)−CO−Z−CO−O
R′(ここで、R′は水素原子、アルキル基、置換もし
くは未置換のアリール基、または置換もしくは未置換の
アラルキル基を表し、YおよびZは、それぞれ2価の炭
化水素基を表し、rは1〜5の整数を表す。)、rは1
〜5の整数を表し、pは5〜5000の整数を表す。]
【0006】この電荷輸送性ポリマーは、従来のものに
対して優れた特性を示し、実用性の高いものであった
が、さらなる高速化の要求に対して十分ではなかった。
この点について検討した結果、上記一般式(III )およ
び(IV)で示される、交互共重合の電荷輸送性ポリマー
において、電荷輸送を担う部分は、上記基Aの部分のみ
であり、電荷輸送機能部分(基Aの部分)の比率が減じ
るために高速化の要求に対処できないことがわかった。
すなわち、低分子の電荷輸送材において、電荷輸送層中
の濃度が増加するにつれ、電荷輸送能は上昇することは
良く知られており、電荷輸送性ポリマーにおいても、電
荷輸送機能部分の濃度を上昇させることにより、より高
機能化が可能と考えられる。しかしながら、ポリマーの
原料となるモノマーの入手性、あるいは、重合方法、重
合条件の制御が難しいため、例えば一般式(III )ある
いは(IV)中の基Y、BおよびB′に相当する部分にま
で電荷輸送機能部分を組み込んだポリマーについては検
討されていなかった。
【0007】したがって、本発明の目的は、製造が容易
で新規な高性能の電荷輸送性ポリエステルを提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、その電荷輸送性ポリエ
ステルを用いた有機電子デバイス、特に電子写真感光体
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点に対して鋭意検討した結果、下記一般式(I)で表さ
れるジカルボン酸成分の部分構造を有するモノマーの還
元により、容易に下記一般式(II)で表されるジオール
成分の部分構造を有するモノマーの合成が可能であり、
これらモノマーを用いて、下記一般式(I)で表される
構造の少なくとも1種以上と、下記一般式(II)で表さ
れる構造の少なくとも1種以上とを繰り返し単位の部分
構造として含有させることによって、高性能な電荷輸送
性ポリエステル樹脂の合成が可能であることを見いだ
し、本発明を完成した。
【0009】したがって、本発明の電荷輸送性ポリエス
テルは、ジカルボン酸成分として、下記一般式(I)で
表される構造の少なくとも1種以上と、ジオール成分と
して、下記一般式(II)で表される構造の少なくとも1
種以上とを、それぞれ繰り返し単位の部分構造として含
有することを特徴とするものであり、その重量平均分子
量は10,000〜300,000であるのが好まし
い。 −CO−(T)a−A−(T)a−CO− (I) −O−(T)b−A′−(T)b−O− (II) [式中、AおよびA′は、それぞれ下記式で示される二
価の基を示す。
【0010】
【化3】 (R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、または置換
もしくは未置換のアリール基を示し、Xは置換または未
置換の2価の有機基を示す。a、b、kおよびmは、そ
れぞれ0または1の整数を示し、Tは炭素数1〜10の
枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を示す。)] 本発明の有機電子デバイスは、上記の電荷輸送性ポリエ
ステルを電荷輸送機能膜中に含有することを特徴とする
ものであって、感光層を有する電子写真感光体であるこ
とが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】上記一般式(I)および(II)に
おいて、Tの具体的な構造例を以下に示す。アリールア
ミン骨格はどちらの側と結合してもよいが、たとえば、
T−2rと記す場合は構造T−2の右側に、T−2lと
記す場合は構造T−2の左側にアリールアミン骨格が結
合していることを示すものとする。
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】基Xとしては、以下の基(1)〜(7)か
ら選択されたものがあげられる。
【化6】
【0015】[式中、R4 は、水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、置換または未置換のフェニル基、置換ま
たは未置換のアラルキル基を表し、R5 〜R10は、水素
原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアル
コキシ基、置換または未置換のフェニル基、置換または
未置換のアラルキル基、ハロゲン原子を表し、cは、0
または1を意味する。また、基Vは、下記の基(8)〜
(17)から選択されたものを示す。
【0016】
【化7】 (式中、dは、1〜10の整数を意味し、eは、1〜3
の整数を意味する。)]
【0017】上記一般式(I)および(II)で示される
構造の例を、表1〜表7、および表8〜表14にそれぞ
れ示すが、本発明におけるポリエステルは、それらによ
って限定されるものではない。 (一般式(I)の具体例)
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】
【表5】
【0022】
【表6】
【0023】
【表7】
【0024】(一般式(II)の具体例)
【表8】
【0025】
【表9】
【0026】
【表10】
【0027】
【表11】
【0028】
【表12】
【0029】
【表13】
【0030】
【表14】
【0031】本発明の上記電荷輸送性ポリマーの製造に
使用されるジカルボン酸成分となるモノマーは、アリー
ルアミンまたはジアリールベンジジン等とハロゲン化カ
ルボアルコキシアルキルベンゼンとを反応させて容易に
合成することができる。さらに、ジオール成分は、得ら
れたジカルボン酸成分となるモノマーを、水素化リチウ
ムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム等を用いて還
元することにより合成することができる。
【0032】アルキレンカルボン酸エステル基を有する
電荷輸送材料の合成については、特開平5−80550
号公報にクロロメチル基を導入した後、Mgでグリニヤ
ー試薬を形成し、二酸化炭素でカルボン酸に変換後、エ
ステル化する方法が記載されている。しかしながら、こ
の方法では、クロロメチル基の反応性が高いため、原料
の初期の段階から導入することができない。したがっ
て、トリアリールアミンまたはテトラアリールベンジジ
ン等の骨格を形成後、例えば原料の初期の段階で導入し
ておいたメチル基をクロロメチル基に変換するか、また
は原料段階では無置換のものを使用し、直接クロロメチ
ル化するか、またはホルミル基を導入し、還元してヒド
ロキシメチル基とした後、塩化チオニル等によってクロ
ロメチル基に変換する必要がある。ところが、トリアリ
ールアミンおよびテトラアリールベンジジン等の骨格を
有する電荷輸送材料は、非常に反応性が高いために芳香
環への置換反応が起こりやすく、そのため、導入してお
いたメチル基をクロロメチル基に変換することは実質的
に不可能である。また、原料段階では、無置換のものを
使用し、直接クロロメチル化する方法では、クロロメチ
ル基は窒素原子に対し、パラ位にしか導入できない。ま
た、ホルミル基を導入した後、クロロメチル基に導く方
法は、反応工程が長いという問題がある。これに対し
て、アリールアミンまたはジアリールベンジジン等とハ
ロゲン化カルボアルコキシアルキルベンゼンとを反応さ
せてモノマーを得る方法は、置換基の位置を変更し、イ
オン化ポテンシャルをコントロールすることが容易であ
るという点で優れた方法であり、電荷輸送性ポリマーの
イオン化ポテンシャルのコントロールを可能にするもの
である。本発明に使用する電荷輸送性モノマーは、種々
の置換基を容易に導入でき、化学的に安定であるため、
取扱いが容易なものであり、前述の問題点が改善され
る。
【0033】本発明の電荷輸送性ポリエステル樹脂は、
下記一般式(V)で表されるモノマーの少なくとも1種
以上と、下記一般式(VI)で表されるモノマーの少なく
とも1種以上を用いて、例えば、第4版実験化学講座2
8巻等に記載された方法によって重合することにより合
成することができる。複数のモノマーを用いて合成を行
う場合、重合の反応制御、高分子量化のためには、ジカ
ルボン酸成分の部分構造を有する全てのモノマー、およ
び、ジオール成分の部分構造を有する全てのモノマーに
おいて、その官能基をそれぞれ同一にすることが好まし
い。例えば、官能基がメチルエステル基であれば、全て
のモノマーがメチルエステル基を有するものを使用する
ことが好ましい。
【0034】 E−CO−(T)a−A−(T)a−CO−E (V) HO−(T)b−A′−(T)b−OH (VI) [式中、A、A′、T、aおよびbは、それぞれ前記し
たものと同意義を有し、Eは、水酸基、ハロゲン原子、
または基−O−R11を表す。(ただし、R11はアルキル
基、置換もしくは未置換のアリール基、またはアラルキ
ル基を表す。)]
【0035】次に、本発明の電荷輸送性ポリエステルの
合成について述べる。電荷輸送性ポリエステルは、上記
一般式(V)で示されるモノマーおよび一般式(VI)で
示されるモノマーのみから合成してもよいし、必要によ
っては、可とう性、強度等の改良のために、上記一般式
(V)および(VI)で示されるモノマー以外の、電荷輸
送成分を有しないモノマーを混合して使用することもで
きる。電荷輸送成分を有しないモノマーとしては、下記
式で示されるものをあげることができる。E−CO−R
12−CO−E (VII ) HO−R13−OH (VIII) (式中、Eは前記したものと同意義を有し、R12は、ア
ルキレン基または二価の芳香族基を表し、R13は、酸素
原子を介して結合してもよいアルキレン基または二価の
芳香族基を表す。) これらのモノマーを用いる場合には、繰り返し単位の部
分構造中に、下記の構造が含まれることになる。それら
のモノマーを使用する場合、その含有量は、50重量%
以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。
【0036】 −CO−R12−CO− (IX) −O−R13−O− (X) 具体的には、ジカルボン酸成分として、イソフタル酸、
テレフタル酸、アジピン酸、それらの酸塩化物およびビ
スメチルエステルを使用することができ、ジオール成分
としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ビスフェノール等を使用す
ることができる。
【0037】(1)Eが水酸基の場合 Eが水酸基の場合には、ジオール成分モノマーとジカル
ボン酸成分モノマーをほぼ当量混合し、酸触媒を用いて
重合する。酸触媒としては、硫酸、トルエンスルホン
酸、トリフルオロ酢酸など、通常のエステル化反応に用
いるものが使用でき、ジカルボン酸成分モノマー1重量
部に対して、1/10000〜1/10重量部、好まし
くは1/1000〜1/50重量部の範囲で用いられ
る。重合中に生成する水を除去するために、水と共沸可
能な溶剤を用いることが好ましく、トルエン、クロロベ
ンゼン、1−クロロナフタレンなどが有効であり、生成
するポリマーの1重量部に対して、1〜100重量部、
好ましくは2〜50重量部の範囲で用いられる。反応温
度は任意に設定できるが、重合中に生成する水を除去す
るために、溶剤の沸点で反応させることが好ましい。
【0038】反応終了後、溶剤を用いなかった場合は溶
解可能な溶剤に溶解させる。溶剤を用いた場合には、反
応溶液をそのまま、メタノール、エタノール等のアルコ
ール類や、アセトンなどのポリエステルが溶解しにくい
貧溶剤中に滴下し、電荷輸送性ポリマーを析出させ、電
荷輸送性ポリエステルを分離したのち、水や有機溶剤で
十分に洗浄し、乾燥させる。さらに、必要であれば適当
な有機溶剤に溶解させ、貧溶剤中に滴下し、電荷輸送性
ポリエステルを析出させる再沈殿処理を繰り返してもよ
い。再沈殿処理の際には、メカニカルスターラーなど
で、効率よく撹拌しながら行うことが好ましい。再沈殿
処理の際に電荷輸送性ポリエステルを溶解させる溶剤
は、生成するポリエステルの1重量部に対して、1〜1
00重量部、好ましくは2〜50重量部の範囲で用いら
れる。また、貧溶剤は生成するポリエステルの1重量部
に対して、1〜1000重量部、好ましくは10〜50
0重量部の範囲で用いられる。
【0039】(2)Eがハロゲンの場合 Eがハロゲンの場合には、ジオール成分モノマーをジカ
ルボン酸成分モノマーとほぼ当量混合し、ピリジンまた
はトリエチルアミン等の有機塩基性触媒を用いて重合す
る。有機塩基性触媒は、ジカルボン酸成分モノマーの1
当量に対して、1〜10当量、好ましくは2〜5当量で
用いられる。溶剤としては、塩化メチレン、テトラヒド
ロフラン(THF)、トルエン、クロロベンゼン、1−
クロロナフタレンなどが有効であり、生成するポリエス
テルの1重量部に対して、1〜100重量部、好ましく
は2〜50重量部の範囲で用いられる。反応温度は任意
に設定できる。重合した後、前述のように再沈殿処理
し、精製する。
【0040】また、ビスフェノールなどの酸性度の高い
2価アルコール類の場合には、界面重合法も用いること
ができる。すなわち、ジオール成分モノマーを水に加
え、当量以上の塩基を加えて溶解させた後、激しく撹拌
しながらジオール成分モノマーと当量のジカルボン酸成
分モノマーの溶液を加えることによって重合することが
できる。この際、水はジオール成分モノマー1重量部に
対して、1〜1000重量部、好ましくは2〜500重
量部の範囲で用いられる。ジカルボン酸成分モノマーを
溶解させる溶剤としては、塩化メチレン、ジクロロエタ
ン、トリクロロエタン、トルエン、クロロベンゼン、1
−クロロナフタレン等が有効である。反応温度は任意に
設定でき、反応を促進するために、アンモニウム塩、ス
ルホニウム塩等の相間移動触媒を用いることが効果的で
ある。相間移動触媒は、ジカルボン酸成分モノマーの1
重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.
2〜5重量部の範囲で用いられる。
【0041】(3)Eが−O−R11の場合 Eが−O−R11の場合、ジオール成分モノマーが実質的
に不揮発性の場合には、ジカルボン酸成分モノマーとほ
ぼ当量、ジオール成分モノマーが揮発性の場合には、ジ
カルボン酸成分モノマーに対して当量以上加え、硫酸、
リン酸などの無機酸、チタンアルコキシド、カルシウ
ム、コバルトなどの酢酸塩あるいは炭酸塩、亜鉛や鉛の
酸化物を触媒に用いて加熱し、エステル交換により合成
することができる。ジオール成分モノマーが揮発性の場
合には、ジカルボン酸成分モノマー1当量に対して、2
〜100当量、好ましくは3〜50当量で用いられる。
触媒は、生成するポリエステルの1重量部に対して、1
/10000〜1重量部、好ましくは1/1000〜1
/2重量部で用いられる。反応は、反応温度200〜3
00℃で行い、重合を促進するため、0.01〜100
mmHg程度、好ましくは0.05〜20mmHgに減
圧して反応させることが好ましい。また、ジオール成分
モノマーと共沸可能な1−クロロナフタレンなどの高沸
点溶剤を用いて、常圧下でジオール成分モノマーを共沸
で除きながら反応させてもよい。
【0042】これら合成方法のうち、(3)の方法が高
分子量のポリエステルを得やすく、もっとも好ましい。
電荷輸送性ポリエステルの重合度pは、低すぎると成膜
性に劣り、強固な膜がえられにくく、また、高すぎると
溶剤への溶解度が低くなり、加工性が悪くなるため、5
〜500の範囲で用いられ、好ましくは10〜300、
より好ましくは15〜100に設定される。また、重量
平均分子量(GPC法:スチレン換算)は、10,00
0ないし300,000、好ましくは15,000ない
し200,000、さらに好ましくは50,000〜1
00,000の範囲に設定される。さらに、式Aおよび
A′で示される構造中で、kは0または1から選ばれる
整数を示すが、kが1のものが電荷輸送成分中の電荷分
布の偏りを生じにくく、高い輸送性が得られるため、好
ましい。
【0043】本発明の電荷輸送性ポリエステル、電子写
真感光体または有機電界発光素子等への応用が可能であ
り、単独で使用してもよく、また、それと相溶可能な絶
縁性ポリマーを含有させてもよい。
【0044】具体的には、支持体上に上記電荷輸送性ポ
リエステルを含有する層を設けた構造のものが有機電子
デバイスとして使用される。有機電子デバイスの代表的
なものとしては、感光層を有する電子写真感光体が挙げ
られ、特に、本発明の電荷輸送性ポリエステルを、電子
写真感光体の表面層に含有するものをあげることができ
る。また、感光層中に、電荷輸送材料として本発明の電
荷輸送性ポリエステルと、公知の電荷発生材料を含有す
るもの、特に、フタロシアニン化合物結晶を含む電子写
真感光体を好ましいものとしてあげることができる。
【0045】本発明における上記電子写真感光体におい
て、上記電荷輸送性ポリエステルと組み合せて使用され
るフタロシアニン結晶としては、特開平5−98181
号公報に開示されているハロゲン化ガリウムフタロシア
ニン結晶、特開平5−140472号公報及び特開平5
−140473号公報に開示されているハロゲン化スズ
フタロシアニン結晶、特開平5−263007号公報及
び特開平5−279591号公報に開示されているヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶、特開平4−189
873号公報及び特開平5−43813号公報に開示さ
れているオキシチタニウムフタロシアニン水和物結晶が
あげられ、それらを用いることにより、特に高感度で、
繰り返し安定性の優れる電子写真感光体を得ることがで
きる。
【0046】また、本発明に用いるクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶は、特開平5−98181号公報に開示
されているように、公知の方法で製造されるクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶を、自動乳鉢、遊星ミル、振動
ミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ニーダー
等で機械的に乾式粉砕するか、乾式粉砕後、溶剤と共に
ボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿
式粉砕処理を行うことによって製造することができる。
上記の処理において使用される溶剤は、芳香族類(トル
エン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルム
アミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール
類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、脂肪族
多価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、
ポリエチレングリコール等)、芳香族アルコール類(ベ
ンジルアルコール、フェネチルアルコール等)、エステ
ル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセ
トン、メチルエチルケトン等)、ジメチルスルホキシ
ド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン等)、さらには数種の混合系、水とこれら有機溶剤の
混合系があげられる。使用される溶剤は、クロロガリウ
ムフタロシアニンに対して、1〜200部、好ましくは
10〜100部の範囲で用いる。処理温度は、0℃〜溶
剤の沸点以下、好ましくは10〜60℃の範囲で行う。
また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いるこ
ともできる。磨砕助剤は顔料に対し0.5〜20倍、好
ましくは1〜10倍用いればよい。
【0047】ジクロロスズフタロシアニン結晶は、特開
平5−140472号公報および特開平5−14047
3号公報に開示されているように、公知の方法で製造さ
れるジクロロスズフタロシアニン結晶を、前記のクロロ
ガリウムフタロシアニンと同様に粉砕し、溶剤処理する
ことにより得ることができる。
【0048】ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶
は、特開平5−263007号公報および特開平5−2
79591号公報に開示されているように、公知の方法
で製造されたクロロガリウムフタロシアニン結晶を、酸
またはアルカリ性溶液中での加水分解またはアシッドペ
ースティングを行って、ヒドロキシガリウムフタロシア
ニン結晶を合成し、直接溶剤処理を行うか、あるいは、
合成によって得られたヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン結晶を溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニ
ーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うか、溶剤を用いず
に乾式粉砕処理を行った後に溶剤処理することによって
製造することができる。上記の処理において使用される
溶剤としては、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン
等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチルピ
ロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタ
ノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エ
チレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコー
ル等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フ
ェネチルアルコール等)、エステル類(酢酸エステル、
酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケ
トン等)、ジメチルスルホキシド、エーテル類(ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等)、さらには数種の
混合系、水とこれら有機溶剤の混合系などがあげられ
る。使用される溶剤は、ヒドロキシガリウムフタロシア
ニンに対して、1〜200部、好ましくは10〜100
部の範囲で用いられる。処理温度は、0〜150℃、好
ましくは室温〜100℃の範囲で行われる。また、粉砕
の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いることもでき
る。磨砕助剤は顔料に対し0.5〜20倍、好ましくは
1〜10倍の範囲で用いられる。
【0049】オキシチタニウムフタロシアニン結晶は、
特開平4−189873号公報及び特開平5−4381
3号公報に開示されているように、公知の方法で製造さ
れるオキシチタニウムフタロシアニン結晶を、アシッド
ペースティングするか、あるいは、ボールミル、乳鉢、
サンドミル、ニーダー等を用いて無機塩とともにソルト
ミリングを行って、X線回折スペクトルにおいて27.
2にピークを持つ、比較的結晶性の低いオキシチタニウ
ムフタロシアニン結晶としたのち、直接溶剤処理を行う
か、或るいは、溶剤と共に、ボールミル、乳鉢、サンド
ミル、ニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うことによ
って製造することができる。アシッドペースティングに
用いる酸としては、硫酸が好ましく、濃度70〜100
%、好ましくは95〜100%のものが使用され、溶解
温度は、−20〜100℃好ましくは0〜60℃の範囲
に設定される。濃硫酸の量は、オキシチタニウムフタロ
シアニン結晶の重量に対して、1〜100倍、好ましく
は3〜50倍の範囲に設定される。析出させる溶剤とし
ては、水または、水と有機溶剤の混合溶剤が任意の量で
用いられ、水とメタノール、エタノール等のアルコール
系溶剤、または水とベンゼン、トルエン等の芳香族系溶
剤との混合溶剤が特に好ましい。析出させる温度につい
ては特に制限はないが、発熱を防ぐために、氷等で冷却
することが好ましい。また、オキシチタニウムフタロシ
アニン結晶と無機塩との比率は、重量比で1/0.1〜
1/20で、1/0.5〜1/5の範囲が好ましい。上
記の溶剤処理において使用される溶剤としては、芳香族
類(トルエン、クロロベンゼン等)、脂肪族アルコール
類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、ハロゲ
ン系炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、トリ
クロロエタン等)、さらには数種の混合系、水とこれら
有機溶剤の混合系等があげられる。使用される溶剤は、
オキシチタニウムフタロシアニンに対して、1〜100
倍、好ましくは5〜50倍の範囲で用いる。処理温度
は、室温〜100℃、好ましくは50〜100℃の範囲
に設定される。磨砕助剤は顔料に対し0.5〜20倍、
好ましくは1〜10倍用いればよい。
【0050】次に、電子写真感光体について説明する。
導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケル、クロ
ム、ステンレス鋼等の金属類、およびアルミニウム、チ
タニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナ
ジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設
けたプラスチックフィルム等、あるいは導電性付与剤を
塗布、または、含浸させた紙、およびプラスチックフィ
ルム等があげられる。これらの導電性支持体は、ドラム
状、シート状、プレート状等、適宜の形状のものとして
使用されるが、これらに限定されるものではない。さら
に必要に応じて導電性支持体の表面は、画質に影響のな
い範囲で各種の処理を行うことができる。例えば、表面
の酸化処理や薬品処理、及び、着色処理等または、砂目
立て等の乱反射処理を行うことができる。また、導電性
支持体と電荷発生層の間にさらに下引き層を設けてもよ
い。この下引き層は積層構造からなる感光層の帯電時に
おいて、導電性支持体から感光層への電荷の注入を阻止
するとともに、感光層を導電性支持体に対して一体的に
接着保持せしめる接着層としての作用、あるいは場合に
よっては導電性支持体の光の反射防止作用等を示す。
【0051】この下引き層に用いる結着剤としては、ポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、
メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢
酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデ
ン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポ
リエステル樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、ゼラチ
ン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、ア
ミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ジル
コニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、
チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合
物、シランカップリング剤等の公知の材料があげられ
る。また、下引き層の厚みは0.01〜10μm、好ま
しくは0.05〜2μmが適当である。さらにこの下引
き層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレード
コーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレ
ーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーテ
ィング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコー
ティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0052】電荷輸送層は、本発明の電荷輸送性ポリエ
ステルを単独で用いてもよく、また公知の結着樹脂や他
のヒドラゾン系電荷輸送材料、トリアリールアミン系電
荷輸送材料、スチルベン系電荷輸送材料等と併用しても
よい。結着樹脂を用いる場合、具体的には、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アク
リル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ス
チレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリ
ロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹
脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の公
知の樹脂を用いることができるがこれらに限定されるも
のではない。これらの結着樹脂のうち下記構造式(XI)
〜(XVI )で示されるポリカーボネート樹脂、および、
それらを共重合させたポリカーボネート樹脂を用いた場
合、相溶性がよく、均一な膜が得られ、特に良い特性を
示す。配合比(重量比)は電荷輸送性ポリエステル:結
着樹脂=10:0〜8:10の範囲が好ましい。また、
他の電荷輸送材料と混合する場合には、電荷輸送性ポリ
エステル+結着樹脂:電荷輸送材料=10:0〜10:
8の範囲が好ましい。また、電荷輸送層の厚みは5〜5
0μm、好ましくは10〜40μmが適当である。さら
にこの電荷輸送層を設けるときに用いる塗布方法として
は、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティン
グ法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、
ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、
カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることが
できる。
【0053】
【化8】 (式中、nは重合度で50〜3,000)
【0054】電荷発生層には、電荷発生材料として、前
記したフタロシアニン結晶を用いるのが好ましいが、ビ
スアゾ顔料、フタロシアニン顔料、スクアリリウム顔
料、ペリレン顔料、ジブロモアントアントロン等の如何
なる公知の電荷発生材料をも使用することができる。
【0055】電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広
範な絶縁性樹脂から選択することができる。また、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、
ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリエ
ステルから選択することもできる。好ましい結着樹脂と
しては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹
脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリ
カーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹
脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニ
ルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ
ビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることがで
きるが、これらに限定されるものではない。これらの結
着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることがで
きる。
【0056】また、電荷発生材料と結着樹脂との配合比
(重量比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。
またこれらの分散させる方法としては、ボールミル分散
法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の
方法を用いることができる。さらにこの分散の際、粒子
を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに
好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが
有効である。また、これらの分散に用いる溶剤として
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−
ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、
エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロ
ロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶
剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができ
る。また、電荷発生層の厚みは0.01〜10μm、好
ましくは0.05〜5μmが適当である。さらにこの電
荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレ
ードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ス
プレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコ
ーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテン
コーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0057】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。た
とえば、電荷輸送性ポリエステルの製造に使用するモノ
マーは、以下のようにして合成することができる。 合成例1 N,N−ビス(3−(2−(エトキシカルボニル)エチ
ル)フェニル)−3,4−キシリジン(部分構造が(I
−3)で示され、両末端がエチルエステル)の合成 3,4−キシリジン6g、3−ヨードジヒドロケイヒ酸
エチル34g、炭酸カリウム19g、硫酸銅5水和物5
g、n−トリデカン20mlを1000mlのフラスコ
にいれ、窒素気流下230℃で10時間加熱反応した。
反応後、室温まで冷却し、トルエン500mlに溶解さ
せ、不溶物をろ過し、ろ液をトルエンを用いて、シリカ
ゲルカラムクロマトにて生成した。油状のN,N−ビス
(3−(2−(エトキシカルボニル)エチル)フェニ
ル)−3,4−キシリジンを20g得た。
【0058】合成例2 N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−(2−
(エトキシカルボニル)エチル)フェニル)−[1,
1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(部分構造が
(I−6)で示され、両末端がエチルエステル)の合成 N,N′−ジフェニルベンジジン10.77g、3−ヨ
ードジヒドロケイヒ酸エチル23.0g、炭酸カリウム
11.61g、硫酸銅5水和物1.0g、n−トリデカ
ン20mlを100mlのフラスコに入れ、窒素気流下
230℃で1時間加熱反応した。反応後、室温まで冷却
し、トルエン50mlに溶解させ、不溶物をろ過し、ろ
液をトルエンを用いて、シリカゲルカラムクロマトにて
生成した。油状のN,N′−ジフェニル−N,N′−ビ
ス(3−(2−(エトキシカルボニル)エチル)フェニ
ル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン
を19.6g得た。
【0059】合成例3 3,3′−ジメチル−N,N′−ビス(3,4−ジメチ
ルフェニル)−N,N′−ビス(4−(2−(メトキシ
カルボニル)エチル)フェニル)−[1,1′−ビフェ
ニル]−4,4′−ジアミン(部分構造が(I−19)
で示され、両末端がメチルエステル)の合成 N−(3,4−ジメチルフェニル)−N−(4−(2−
(メトキシカルボニル)エチル)フェニル)アミン45
g、4,4′−ジヨード−3,3′−ジメチルビフェニ
ル30g、炭酸カリウム27g、硫酸銅5水和物5g、
n−トリデカン20mlを1000mlのフラスコに入
れ、窒素気流下230℃で5時間加熱反応した。反応
後、室温まで冷却し、トルエン200mlに溶解させ、
不溶物をろ過し、ろ液をトルエンを用いて、シリカゲル
カラムクロマトにて精製し、酢酸エチルとエタノールの
混合溶剤から再結晶して、3,3′−ジメチル−N,
N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−N,N′−
ビス(4−(2−(メトキシカルボニル)エチル)フェ
ニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミ
ンを淡黄色粉体として38g得た(融点は、161.5
〜163℃)。
【0060】合成例4 3,3′−ジメチル−N,N′−ビス(4−メトキシフ
ェニル)−N,N′−ビス(4−(2−(メトキシカル
ボニル)エチル)フェニル)−[1,1′−ビフェニ
ル]−4,4′−ジアミン(部分構造が(I−22)で
示され、両末端がメチルエステル)の合成 N−(4−メトキシフェニル)−N−(4−(2−(メ
トキシカルボニル)エチル)フェニル)アミン5.0
g、4,4′−ジヨード−3,3′−ジメチルビフェニ
ル3.4g、炭酸カリウム2.9g、硫酸銅5水和物
0.5g、n−トリデカン5mlを100mlのフラス
コに入れ、窒素気流下230℃で15時間加熱反応し
た。反応後、室温まで冷却し、トルエン20mlに溶解
させ、不溶物をろ過し、ろ液をトルエンを用いて、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。淡黄色
油状の3,3′−ジメチル−N,N′−ビス(4−メト
キシフェニル)−N,N′−ビス(4−(2−(メトキ
シカルボニル)エチル)フェニル)−[1,1′−ビフ
ェニル]−4,4′−ジアミン5.3gを得た。
【0061】合成例5 N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−N,
N′−ビス(4−(2−(メトキシカルボニル)エチ
ル)フェニル)−[1,1′:4′,1″−ターフェニ
ル]−4,4″−ジアミン(部分構造が(I−31)で
示され、両末端がメチルエステル)の合成 N−(3,4−ジメチルフェニル)−N−(4−(2−
(メトキシカルボニル)エチル)フェニル)アミン5.
0g、4,4″−ジヨード−[1,1′:4′,1″−
ターフェニル]3.8g、炭酸カリウム2.9g、硫酸
銅5水和物1.0g、n−トリデカン10mlを200
mlのフラスコに入れ、窒素気流下230℃で5時間加
熱反応した。反応後、室温まで冷却し、トルエン20m
lに溶解させ、不溶物をろ過し、ろ液をトルエンを用い
て、シリカゲルカラムクロマトにて精製し、アセトンか
ら再結晶して、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェ
ニル)−N,N′−ビス(4−(2−(メトキシカルボ
ニル)エチル)フェニル)− [1,1′:4′,1″
−ターフェニル]−4,4″−ジアミンを淡黄色粉体と
して3.7g得た(融点は、146〜147℃)。
【0062】合成例6 3,3′−ジメチル−N,N′−ビス(3,4−ジメチ
ルフェニル)−N,N′−ビス((4−メトキシカルボ
ニルメチル)フェニル)−[1,1′−ビフェニル]−
4,4′−ジアミン(部分構造が(I−18)で示さ
れ、両末端がメチルエステル)の合成 N−(3,4−ジメチルフェニル)−N−(4−(2−
メトキシカルボニルメチル)フェニル)アミン9.0
g、4,4′−ジヨード−3,3′−ジメチルビフェニ
ル6.2g、炭酸カリウム5.5g、硫酸銅5水和物
1.0g、n−トリデカン10mlを200mlのフラ
スコに入れ、窒素気流下230℃で5時間加熱反応し
た。反応後、室温まで冷却し、トルエン40mlに溶解
させ、不溶物をろ過し、ろ液をトルエンを用いて、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。酢酸エ
チルとエタノールの混合溶剤から再結晶して、3,3′
−ジメチル−N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニ
ル)−N,N′−ビス(4−(2−メトキシカルボニル
メチル)フェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,
4′−ジアミン7.1gを淡黄色粉体として得た(融点
は、179〜181℃)。
【0063】合成例7 N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(4−(4−
(2−(エトキシカルボニル)エチル)フェニル)フェ
ニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミ
ン(部分構造が(I−52)で示され、両末端がエチル
エステル)の合成N,N′−ジフェニルベンジジン1
0.0g、4−(2−(エトキシカルボニル)エチル)
−4′−ヨードビフェニル24.0g、炭酸カリウム1
1g、硫酸銅5水和物1.0g、n−トリデカン30m
lを200mlのフラスコに入れ、窒素気流下230℃
で1時間加熱反応した。反応後、室温まで冷却し、トル
エン10mlに溶解させ、不溶物をろ過し、ろ液をトル
エンを用いて、シリカゲルカラムクロマトにて生成し
た。油状のN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(4
−(4−(2−(エトキシカルボニル)エチル)フェニ
ル)フェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′
−ジアミンを16.6g得た。
【0064】合成例8 N,N−ビス(4−(2−(メトキシカルボニル)エチ
ル)フェニル)−ビフェニル−4−アミン(部分構造が
(I−2)で示され、両末端がメチルエステル)の合成 N,N−ビス(4−(2−(メトキシカルボニル)エチ
ル)フェニル)アミン25.0g、4−ヨードビフェニ
ル20.5g、炭酸カリウム12.0g、硫酸銅5水和
物1.0g、n−トリデカン30mlを200mlのフ
ラスコに入れ、窒素気流下230℃で3時間加熱反応し
た。反応後、室温まで冷却し、トルエン100mlに溶
解させ、不溶物をろ過し、ろ液をトルエンを用いて、シ
リカゲルカラムクロマトにて生成した。アセトンとエタ
ノールの混合溶剤から再結晶して、N,N−ビス (4
−(2−(メトキシカルボニル)エチル)フェニル)−
ビフェニル−4−アミン24.5gを淡黄色粉体として
得た(融点は、92〜93℃)。
【0065】合成例9 1,2−ビス(4−(N−(4−(2−(メトキシカル
ボニル)エチル)フェニル)−N−(4−フェニルフェ
ニル)アミノ)フェニル)エタン(部分構造が(I−4
4)で示され、両末端がメチルエステル)の合成 N−(4−(2−(メトキシカルボニル)エチル)フェ
ニル)−N−(4−フェニルフェニル)アミン5.0
g、1、2−ビス(4−ヨードフェニル)エタン3.0
g、炭酸カリウム2.1g、硫酸銅5水和物0.2g、
n−トリデカン10mlを100mlのフラスコに入
れ、窒素気流下230℃で3時間加熱反応した。反応
後、室温まで冷却し、トルエン10mlに溶解させ、不
溶物をろ過し、ろ液をトルエンを用いて、シリカゲルカ
ラムクロマトにて生成した。アセトンとエタノールの混
合溶剤から再結晶して、1,2−ビス(4−(N−(4
−(2−(メトキシカルボニル)エチル)フェニル)−
N−(4−フェニルフェニル)アミノ)フェニル)−エ
タン3.6gを淡黄色粉体として得た(融点は、157
〜159℃)。
【0066】合成例10 3,3′−ジメチル−N,N′−ビス(3,4−ジメチ
ルフェニル)−N,N′−ビス(4−(2−(ヒドロキ
シエチル)フェニル))−[1,1′−ビフェニル]−
4,4′−ジアミン(部分構造が(II−18)で示さ
れ、両末端が水酸基)の合成 合成例6で合成した、3,3′−ジメチル−N,N′−
ビス(3,4−ジメチルフェニル)−N,N′−ビス
((4−メトキシカルボニルメチル)フェニル)−
[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン10.
0g、テトラヒドロフラン50mlを100mlのフラ
スコに入れ、溶解させ、この溶液に徐々に水素化リチウ
ムアルミニウム1.2gを加えた。反応終了後、メタノ
ールと水を加えて過剰の水素化リチウムアルミニウムを
消費した後、精製した沈殿物をろ過した。ろ液にさらに
水を加え、トルエンで抽出を行い、トルエン相を十分に
水洗した。これを硫酸ナトリウムで乾燥し、酢酸エチル
とメタノールから再結晶して、3,3′−ジメチル−
N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−N,
N′−ビス(4−(2−(ヒドロキシエチル)フェニ
ル))−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミ
ン7.0gを得た(融点は、214〜216℃)。
【0067】合成例11 3,3′−ジメチル−N,N′−ビス(3,4−ジメチ
ルフェニル)−N,N′−ビス(4−(3−(ヒドロキ
シプロピル)フェニル))−[1,1′−ビフェニル]
−4,4′−ジアミン(部分構造が(II−19)で示
され、両末端が水酸基)の合成 合成例3で合成した、3,3′−ジメチル−N,N′−
ビス(3,4−ジメチルフェニル)−N,N′−ビス
(4−(2−(メトキシカルボニル)エチル)フェニ
ル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン
10.0gを用いた以外は、合成例10と同様にして、
3,3′−ジメチル−N,N′−ビス(3,4−ジメチ
ルフェニル)−N,N′−ビス(4−(3−(ヒドロキ
シプロピル)フェニル))−[1,1′−ビフェニル]
−4,4′−ジアミン7.2gを得た(融点は、182
〜184℃)。
【0068】合成例12 N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(4−(4−
(2−(ヒドロキシエチル)フェニル)フェニル)−
[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(部分
構造が(II−52)で示され、両末端が水酸基)の合
成 合成例7で合成した、N,N′−ジフェニル−N,N′
−ビス(4−(4−(2−(エトキシカルボニル)エチ
ル)フェニル)フェニル)−[1,1′−ビフェニル]
−4,4′−ジアミン10.0gを用いた以外は、合成
例10と同様にして、N,N′−ジフェニル−N,N′
−ビス(4−(4−(2−(ヒドロキシエチル)フェニ
ル)フェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′
−ジアミン6.5gを得た(融点は、143〜145
℃)。
【0069】合成例13 1,3−ジイミノイソインドリン30部、3塩化ガリウ
ム9.1部をキノリン230部中にいれ、200℃にお
いて3時間反応させた後、生成物をろ別し、アセトン、
メタノールで洗浄し、次いで、湿ケーキを乾燥した後、
クロロガリウムフタロシアニン結晶28部を得た。得ら
れたクロロガリウムフタロシアニン結晶3部を、自動乳
鉢(Lab−Mill UT−21型、ヤマト科学社
製)で3時間乾式粉砕し、0.5部を、ガラスビーズ
(1mmφ)60部とともに室温下、ベンジルアルコー
ル20部中で24時間ミリング処理した後、ガラスビー
ズをろ別し、メタノール10部で洗浄し、乾燥して、粉
末X線回折スペクトルで2θ±0.2°=7.4°,1
6.6°,25.5°及び28.3°に強い回折ピーク
を持つクロロガリウムフタロシアニン結晶を得た。これ
をCG−1とする。
【0070】合成例14 フタロニトリル50gおよび無水塩化第2スズ27g
を、1−クロルナフタレン350ml中に加え、195
℃において5時間反応させた後、生成物をろ別し、1−
クロルナフタレン、アセトン、メタノール、次いで水で
洗浄した後、減圧乾燥して、ジクロロスズフタロシアニ
ン結晶18.3gを得た。得られたジクロロスズフタロ
シアニン結晶5gを、食塩10g、メノウボール(20
mmφ)500gとともにメノウ製ポットにいれ、遊星
型ボールミル(P−5型、フリッチュ社製)にて400
rpmで10時間粉砕したのち、十分に水洗し、乾燥し
た。その0.5gを、THF15g、ガラスビーズ(1
mmφ)30gとともに室温下24時間ミリング処理し
た後、ガラスビーズをろ別し、メタノールで洗浄し、乾
燥して、粉末X線回折スペクトルで2θ±0.2°=
8.5°,11.2°,14.5°及び27.2°に強
い回折ピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶
を得た。これをCG−2とする。
【0071】合成例15 合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
3部を濃硫酸60部に0℃にて溶解した後、5℃の蒸留
水450部に上記溶液を滴下し、結晶を再析出させた。
蒸留水、希アンモニア水等で洗浄した後、乾燥し、2.
5部のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
この結晶を自動乳鉢にて5.5時間粉砕したのち、0.
5部をジメチルホルムアミド15部、直径1mmのガラ
スビーズ30部とともに24時間ミリング後、結晶を分
離し、メタノールで洗浄後乾燥し、粉末X線回折スペク
トルで2θ±0.2°=7.5°,9.9°,12.5
°,16.3°,18.6°,25.1°及び28.3
°に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロ
シアニン結晶を得た。これをCG−3とする。
【0072】合成例16 1,3−ジイミノイソインドリン30部、チタニウムテ
トラブトキシド17部を1−クロルナフタレン200部
中に入れ、窒素気流下190℃において5時間反応させ
たのち、生成物をろ過し、アンモニア水、水、アセトン
で洗浄し、オキシチタニウムフタロシアニン40部を得
た。得られたオキシチタニウムフタロシアニン結晶5部
と塩化ナトリウム10部を自動乳鉢(Lab−MILL
UT−21、ヤマト科学製)を用いて3時間粉砕し
た。その後、蒸留水で充分に洗浄し、乾燥して4.8部
のオキシチタニウムフタロシアニン結晶を得た。得られ
たオキシチタニウムフタロシアニン結晶は、粉末X線回
折スペクトルで2θ±0.2°=27.3°に明瞭なピ
ークを示すものであった。得られたオキシチタニウムフ
タロシアニン結晶2部を蒸留水20部、モノクロロベン
ゼン2部の混合溶剤中で、50℃において1時間撹拌し
た後、ろ過し、メタノールで十分洗浄し、乾燥して、粉
末X線回折スペクトルで2θ±0.2°=27.3°に
強い回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニ
ン水和物結晶を得た。これをCG−4とする。
【0073】実施例1 合成例8で合成したN,N−ビス(4−(2−(メトキ
シカルボニル)エチル)フェニル)−ビフェニル−4−
アミン6.0g(12.2mmol)、合成例で11合
成した3,3′−ジメチル−N,N′−ビス(3,4−
ジメチルフェニル)−N,N′−ビス(4−(3−(ヒ
ドロキシプロピル)フェニル))−[1,1′−ビフェ
ニル]−4,4′−ジアミン8.37g(12.2mm
ol)と、テトラブトキシチタン0.1gを100ml
のフラスコに入れ、窒素気流下で200℃まで1時間か
けて徐々に昇温した。メタノールの発生が終了した時点
で1mmHgに減圧し、さらに2時間反応した。反応終
了後、室温まで冷却し、塩化メチレン30mlに溶解
し、不溶物をろ過した。この溶液に1−Nの塩酸5ml
を加え、30分間激しく攪拌した後、十分し水洗後、イ
ソプロパノール200mlを撹拌している中に滴下し、
ポリマーを析出させた。得られたポリマーをろ過し、十
分にイソプロパノールで洗浄した後、乾燥させ、13.
5gのポリマーを得た。分子量をGPCにて測定したと
ころ、Mw=5.05×104 (スチレン換算)であっ
た。IRスペクトルを図1に示す。
【0074】実施例2 合成例8で合成したN,N−ビス(4−(2−(メトキ
シカルボニル)エチル)フェニル)−ビフェニル−4−
アミン6.0g、合成例で11で合成した3,3′−ジ
メチル−N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)
−N,N′−ビス(4−(3−(ヒドロキシプロピル)
フェニル))−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−
ジアミン8.37g、p−シメン30mlと、テトラブ
トキシチタン0.1gを100mlのフラスコに入れ、
窒素気流下で4時間、加熱還流した。反応終了後、室温
まで冷却し、さらに塩化メチレン30mlを加え、不溶
物をろ過した。この溶液に1−Nの塩酸5mlを加え、
30分間激しく攪拌した後、十分し水洗後、イソプロパ
ノール300mlを撹拌している中に滴下し、ポリマー
を析出させた。得られたポリマーをろ過し、十分にイソ
プロパノールで洗浄した後、乾燥させ、13.8gのポ
リマーを得た。分子量をGPCにて測定したところ、M
w=7.05×104 (スチレン換算)であった。IR
スペクトルは図1と同様であった。
【0075】実施例3 N,N−ビス(4−(2−(メトキシカルボニル)エチ
ル)フェニル)−ビフェニル−4−アミン6.0gの代
わりに、合成例3で合成した3,3′−ジメチル−N,
N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−N,N′−
ビス(4−(2−(メトキシカルボニル)エチル)フェ
ニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミ
ン9.06gを用いた以外は、実施例1と同様にして1
5.4gのポリマーを得た。分子量をGPCにて測定し
たところ、Mw=1.36×105 (スチレン換算)で
あった。IRスペクトルを図2に示す。
【0076】実施例4 合成例8で合成したN,N−ビス(4−(2−(メトキ
シカルボニル)エチル)フェニル)−ビフェニル−4−
アミン6.0g、合成例で11合成した3,3′−ジメ
チル−N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−
N,N′−ビス(4−(3−(ヒドロキシプロピル)フ
ェニル))−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジ
アミン7.8g、エチレングリコール1.0gと、テト
ラブトキシチタン0.1gを100mlのフラスコに入
れ、窒素気流下で200℃まで1時間かけて徐々に昇温
した。その後、1mmHgに減圧し、230℃さらに2
時間反応した。反応終了後、室温まで冷却し、塩化メチ
レン30mlに溶解し、不溶物をろ過した。この溶液に
1−Nの塩酸5mlを加え、30分間激しく攪拌した
後、十分に水洗した後、イソプロパノール200mlを
撹拌している中に滴下し、ポリマーを析出させた。得ら
れたポリマーをろ過し、十分にイソプロパノールで洗浄
した後、乾燥させ、12.3gのポリマーを得た。分子
量をGPCにて測定したところ、Mw=8.05×10
4 (スチレン換算)であった。
【0077】実施例5〜15 ジカルボン酸エステルとジオールの組み合わせを表1の
通りとし、ジカルボン酸エステルとジオールをそれぞれ
12.2mmolを用いた以外は、実施例1と同様にし
てポリマーを合成した。結果を表15に示す。
【0078】
【表15】
【0079】比較例1 合成例3で合成した3,3′−ジメチル−N,N′−ビ
ス(3,4−ジメチルフェニル)−N,N′−ビス[4
−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]−
[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン15.
0g、テレフタル酸ジメチル3.0g、エチレングリコ
ール30.0gおよびテトラブトキシチタン0.1gを
300mlのフラスコに入れ、窒素気流下で3時間加熱
還流した。3,3′−ジメチル−N,N′−ビス(3,
4−ジメチルフェニル)−N,N′−ビス[4−(2−
メトキシカルボニルエチル)フェニル]−[1,1′−
ビフェニル]−4,4′−ジアミンが消費されたことを
確認したのち、0.5mmHgに減圧しエチレングリコ
ールを留去しながら235℃に加熱し、2.5時間反応
を続けた。その後、室温まで冷却し、塩化メチレン20
0mlに溶解し、不溶物をろ過し、ろ液をエタノール1
400mlを撹拌している中に滴下し、ポリマーを析出
させた。得られたポリマーをろ過し、十分にエタノール
で洗浄した後、乾燥させ、17.0gのポリマーを得
た。分子量をGPCにて測定したところ、Mw=1.4
0×105 (スチレン換算)であった。
【0080】比較例2 テレフタル酸ジメチルの代わりにセバシン酸ジメチルを
を用いた以外は、比較例1と同様にしてポリマーを合成
した。 比較例3 テレフタル酸ジメチルを加えなかった以外は、比較例1
と同様にしてポリマーを合成した。
【0081】実施例16 ホーニング処理した20mmφのステンレス円筒基板上
に、ジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC
540、マツモト製薬社製)100部およびシラン化合
物(商品名:A1110、日本ユンカー社製)10部と
i−プロパノール400部およびブタノール200部か
らなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃に
おいて10分間加熱乾燥し膜厚0.5μmの下引き層を
形成した。CG−1の10部を、ポリビニルブチラール
樹脂(商品名:エスレックBM−S、積水化学社製)1
0部および酢酸n−ブチル500部と混合し、ガラスビ
ーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散
した後、得られた塗布液を上記下引き層上に浸漬コーテ
ィング法で塗布し、100℃において10分間加熱乾燥
した。実施例1で得た電荷輸送性ポリマー5部を、モノ
クロロベンゼン38部に溶解し、得られた塗布液を、電
荷発生層が形成されたステンレス鋼製円筒基板上に浸漬
コーティング法で塗布し、120℃において1時間加熱
乾燥、膜厚23μmの電荷輸送層を形成した。
【0082】このようにして得られた電子写真用感光体
の電子写真特性を、富士ゼロックス社製のレーザービー
ムプリンターテストモデル−1(A−4横方向、毎分1
2枚)にて、通常環境(20℃、50%RH)下、プリ
ントテストを行い、1枚目と2000枚コピー後の画質
を評価した。光量は、電荷発生材料の感度によって、フ
ィルターを用いて調整した。その結果を表16に示す。
【0083】実施例17〜30、比較例4〜6 電荷発生材料と電荷輸送性ポリマーの組合せを表16の
ように変え、実施例4と同様に電子写真用感光体を作製
し、評価した。結果を表16に示す。
【0084】
【表16】
【0085】
【発明の効果】本発明の電荷輸送性ポリエステルは、新
規な物質であって、上記実施例の結果からも明らかなよ
うに、容易に高分子量のポリマーとして得ることが可能
であり、電子写真用感光体等の有機電子デバイスに有用
な材料である。本発明の電荷輸送性ポリエステルを用い
た電子写真感光体は、良好な感度および優れた繰り返し
安定性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で合成された電荷輸送性ポリエステ
ルのIRスペクトルである。
【図2】 実施例3で合成された電荷輸送性ポリエステ
ルのIRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 三枝子 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−110974(JP,A) 特開 平9−62019(JP,A) 特開 平8−211640(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸成分として、下記一般式
    (I)で表される構造の少なくとも1種以上と、ジオー
    ル成分として、下記一般式(II)で表される構造の少な
    くとも1種以上とを、それぞれ繰り返し単位の部分構造
    として含有することを特徴とする電荷輸送性ポリエステ
    ル。 −CO−(T)a−A−(T)a−CO− (I) −O−(T)b−A′−(T)b−O− (II) [式中、AおよびA′は、それぞれ下記式で示される二
    価の基を示す。 【化1】 (R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、または置換
    もしくは未置換のアリール基を示し、Xは置換または未
    置換の2価の有機基を示す。a、b、kおよびmは、そ
    れぞれ0または1の整数を示し、Tは炭素数1〜10の
    枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を示す。)]
  2. 【請求項2】 重量平均分子量が10,000〜30
    0,000である請求項1に記載の電荷輸送性ポリエス
    テル。
  3. 【請求項3】 ジカルボン酸成分として上記一般式
    (I)で表される構造、ジオール成分として上記一般式
    (II)で表される構造のみからなることを特徴とする請
    求項1に記載の電荷輸送性ポリエステル。
  4. 【請求項4】 基Xが、ビフェニレン基、3,3′−ジ
    メチルビフェニレン基またはターフェニレン基であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電荷輸送性ポリエステ
    ル。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の電荷輸送性ポリエステルを電荷輸送機能膜中に含有
    することを特徴とする有機電子デバイス。
  6. 【請求項6】 有機電子デバイスが感光層を有する電子
    写真感光体よりなることを特徴とする請求項5に記載の
    有機電子デバイス。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の電荷輸送性ポリエステルを電子写真感光体の表面層
    に含有することを特徴とする請求項5に記載の有機電子
    デバイス。
  8. 【請求項8】 有機電子デバイスが感光層を有する電子
    写真感光体よりなり、該感光層中に電荷輸送材料とし
    て、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電荷輸
    送性ポリエステルと、電荷発生材料として、ハロゲン化
    ガリウムフタロシアニン結晶、ハロゲン化スズフタロシ
    アニン結晶、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶ま
    たはオキシチタニウムフタロシアニン結晶を含有するこ
    とを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに記
    載の有機電子デバイス。
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