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JP3496571B2 - ブレーキ装置 - Google Patents
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JP3496571B2 - ブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキ装置

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JP3496571B2
JP3496571B2 JP12360499A JP12360499A JP3496571B2 JP 3496571 B2 JP3496571 B2 JP 3496571B2 JP 12360499 A JP12360499 A JP 12360499A JP 12360499 A JP12360499 A JP 12360499A JP 3496571 B2 JP3496571 B2 JP 3496571B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用のブレーキ
装置に関するものであり、特に、ブースタとマスタシリ
ンダとを備えたブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平10−152041号公報には、
上記ブレーキ装置の一従来例が記載されている。この従
来例は、(a) ブレーキペダル等、ブレーキ操作部材と、
(b) そのブレーキ操作部材の操作力を倍力するブースタ
と、(c) そのブースタの作動力を背後に受けて前進させ
られる加圧ピストンがハウジングに実質的に液密かつ摺
動可能に嵌合されることにより、加圧ピストンの前方に
加圧室が形成され、加圧ピストンの前進によってその加
圧室に液圧が発生させられるマスタシリンダと、(d) そ
のマスタシリンダにおける加圧室に液通路を経て接続さ
れたブレーキシリンダを有して車輪の回転を抑制するブ
レーキと、(e) 予め定められた増圧開始条件が成立すれ
ば、成立しない場合におけるブレーキシリンダの液圧よ
り高い液圧をそのブレーキシリンダに発生させる増圧装
置とを含むブレーキ装置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および発
明の効果】この従来例においては、増圧装置がブースタ
と直列に配置されている。したがって、この従来例にお
いては、増圧装置を、ブースタと同様に倍力機能を有す
る第2の倍力装置として把握することが可能であるとい
う点に着目することにより、マスタシリンダ液圧を設定
増圧率で増圧するように設計することが考えられる。こ
のように増圧装置を設計した場合には、ブレーキシリン
ダ液圧のブレーキ操作力に対する比率である最終比率
が、ブースタがブレーキ操作力を倍力する倍力率と、増
圧装置がマスタシリンダ液圧を増圧する増圧率との積と
して表されることとなる。
【0004】一方、ブースタは、それの作動特性すなわ
ち入出力特性が変動する傾向があり、その傾向は特に、
バキュームブースタにおいて顕著である。バキュームブ
ースタは、よく知られているように、負圧源を駆動源と
して作動させられるが、車両においてその負圧源の負圧
の高さを一定値に正確に制御することは比較的困難であ
り、そのため、バキュームブースタの作動特性が変動す
る傾向があるのである。また、ブースタの作動特性はマ
スタシリンダの液圧変化特性すなわちブレーキ操作力と
マスタシリンダ液圧との関係に影響を与えるため、ブー
スタの作動特性が変動すると、マスタシリンダの液圧変
化特性も変動することとなる。
【0005】そして、増圧装置を上記のように、マスタ
シリンダ液圧を設定増圧率で増圧するように設計した場
合には、ブースタの作動特性の変動によってマスタシリ
ンダの液圧変化特性が変動すると、最終比率が目標比率
から比較的大きく外れてしまう可能性がある。ブースタ
の作動特性の変動が、そのブースタに直列に接続された
増圧装置により設定増圧率の掛け算で増幅されてブレー
キシリンダに伝達されることとなるからである。そのた
め、この従来例には、増圧装置の作動時にブースタの作
動特性の変動に起因してブレーキ操作フィーリングが損
なわれる可能性があった。
【0006】このような事情を背景として、本発明は、
増圧装置の作動時にブースタの作動特性の変動に起因し
てブレーキ操作フィーリングが損なわれることを抑制す
ることを課題としてなされたものであり、本発明によっ
て下記各態様が得られる。各態様は、請求項と同様に、
項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の
番号を引用する形式で記載する。これは、本明細書に記
載の技術的特徴およびそれらの組合せのいくつかの理解
を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴
やそれらの組合せが以下の態様に限定されると解釈され
るべきではない。
【0007】(1) ブレーキ操作部材と、そのブレーキ操
作部材の操作力を倍力するブースタと、そのブースタの
作動力を背後に受けて前進させられる加圧ピストンがハ
ウジングに実質的に液密かつ摺動可能に嵌合されること
により、加圧ピストンの前後にそれぞれ前方加圧室と後
方加圧室とが形成され、加圧ピストンの前進によってそ
の前方加圧室に液圧が発生させられるマスタシリンダ
と、そのマスタシリンダにおける前方加圧室に液通路を
経て接続されたブレーキシリンダを有して車輪の回転を
抑制するブレーキと、予め定められた増圧開始条件が成
立すれば、前記後方加圧室に圧力を発生させることによ
り、その増圧開始条件が成立しない場合における前記ブ
レーキシリンダの液圧より高い液圧をそのブレーキシリ
ンダに発生させる増圧装置とを含むブレーキ装置この
ブレーキ装置においては、マスタシリンダの同じ加圧ピ
ストンにブースタの作動力と、増圧装置による発生液圧
に基づく作動力との双方が作用させられ、このことは、
増圧装置がブースタと並列に配置されていることを意味
する。したがって、このブレーキ装置によれば、ブース
タの作動力に増圧装置の作動力が足し算されたものがブ
レーキシリンダに伝達されるため、前記従来のブレーキ
装置とは異なり、ブースタの作動特性が変動しても、そ
の変動が増圧装置により掛け算で増幅されてブレーキシ
リンダに伝達されることが防止される。よって、このブ
レーキ装置によれば、ブースタの作動特性の変動に起因
してブレーキ操作フィーリングが損なわれることが抑制
される。さらに、このブレーキ装置によれば、上記のよ
うに、電気的制御を主体とする増圧装置と、機械的制御
を主体とするブースタとが互いに並列に配置されている
ため、増圧装置とブースタとが同時に、作動不能な状態
に陥らない限り、それら増圧装置とブースタとのいずれ
かの倍力効果をマスタシリンダにおいて享受し得る。し
たがって、このブレーキ装置によれば、増圧装置がブー
スタに対して並列冗長性を有する装置としてブースタに
関連付けられるため、それら増圧装置およびブースタの
故障に対するブレーキ装置の許容性すなわちフェールト
レランスが向上する。このブレーキ装置において「ブー
スタ」は、負圧源を駆動源とするバキュームブースタと
したり、高圧源を駆動源とする液圧ブースタとすること
が可能である。また、このブレーキ装置において「後方
加圧室」に圧力を発生させるためにその加圧室に収容さ
れる流体である圧力媒体は、液体であっても気体であっ
てもよい。 (2) 前記増圧装置が、前記増圧開始条件が成立しない場
合には、前記後方加圧室に圧力を発生させず、成立した
場合には、発生させるものである(1) 項に記載のブレー
キ装置。 (3) 前記増圧開始条件が、前記ブースタの作動状態に起
因してブレーキの効きが低下する可能性が生じた場合に
成立するように設定され、前記増圧装置が、ブースタの
作動状態に起因してブレーキの効きが低下することを抑
制するものである(1) または(2) 項に記載のブレーキ装
このブレーキ装置によれば、マスタシリンダの加圧
ピストンをそれの背後において加圧する形式の増圧装置
により、ブースタの作動状態に起因してブレーキの効き
が低下することが抑制される。このブレーキ装置におい
て「増圧開始条件」は例えば、ブースタが助勢限界に到
達したことに応じて成立するように設定し、それによ
り、増圧装置が、ブレーキの効き特性を制御する効き特
性制御を行うようにすることが可能である。また、「増
圧開始条件」を、ブースタが故障したことに応じて成立
するように設定し、それにより、増圧装置が、ブースタ
の故障に起因したブースタの効きの低下を抑制するブー
スタ故障時制御を行うようにすることも可能である。な
お、前記(1) または(2) 項に記載の「増圧開始条件」は
例えば、車輪が車両において左右にそれぞれ設けられ、
ブレーキがそれら左右の車輪にそれぞれ設けられたブレ
ーキ装置において、車両の走行安定性を低下させる予定
外のヨーイングモーメントを減殺するヨーイングモーメ
ントを車両に発生させることが必要であるために、左右
のブレーキにより左右の車輪にそれぞれ発生させられる
制動力を互いに異ならせることが必要となった場合に成
立するように設定し、それにより、増圧装置を、車両の
走行安定性を制御する車両安定性制御を行うようにする
ことが可能である。また、「増圧開始条件」を、ブレー
キ操作部材の操作速度が基準値より大きい場合に成立す
るように設定し、それにより、増圧装置を、急ブレーキ
操作時にブレーキ操作力をアシストするブレーキアシス
ト制御を行うようにすることも可能である。 (4) 前記ブースタが、負圧源を駆動源とするバキューム
ブースタであり、前記増圧装置が、そのバキュームブー
スタが助勢限界に到達したことに起因してブレーキの効
きが低下することを抑制するものである(3) 項に記載の
ブレーキ装置このブレーキ装置によれば、マスタシリ
ンダの加圧ピストンをそれの背後において加圧する形式
の増圧装置により、バキュームブースタの助勢限界到達
に起因したブレーキの効きの低下が抑制される。 (5) 前記負圧源が、それの負圧の高さが変動する特性を
有するものであり、前記バキュームブースタが、それが
助勢限界に到達したときに前記ブレーキ操作部材の操作
力が取る助勢限界操作力の大きさが前記負圧源の負圧の
高さによって変動するものであり、前記増圧開始条件
が、前記負圧源の負圧の実際値がそれの変動予想範囲に
おける下限値に等しいと仮定した場合に前記バキューム
ブースタが助勢限界に到達するときの前記助勢限界操作
力に前記ブレーキ操作部材の操作力が到達したときに成
立するように設定された(4) 項に記載のブレーキ装置
〔請求項〕。このブレーキ装置においては、ブレーキ
操作部材の操作力が、負圧源の負圧の実際値がそれの変
動予想範囲における下限値に等しいと仮定した場合にバ
キュームブースタが助勢限界に到達するときの助勢限界
操作力に到達したときに、増圧装置の作動(増圧制御)
が開始される。したがって、このブレーキ装置によれ
ば、バキュームブースタが助勢限界に到達したにもかか
わらず増圧装置が作動させられないという不都合を回避
し得る。このブレーキ装置は、負圧源の負圧の実際値ま
たはそれに応じて変化する物理量をセンサにより検出す
ることにより、増圧開始条件の成否判定を行う態様とし
たり、負圧源の負圧の実際値またはそれに応じた物理量
はセンサにより検出しないが、他の物理量、すなわち、
負圧源の負圧の実際値より容易にセンサにより検出可能
な物理量をセンサにより検出することにより、増圧開始
条件の成否判定を行う態様とすることができる。前者の
態様を採用する場合には、前記(2) 項に記載のブレーキ
装置において、増圧開始条件を、本項に記載されている
ように設定しなくてもよさそうであるが、物理量の検出
に必要なセンサの検出特性が変動する可能性があるた
め、この前者の態様においても、増圧開始条件を、本項
に記載されているように設定することがことが望まし
い。本項に記載のブレーキ装置においては、負圧源の負
圧の実際値が変動すると助勢限界操作力の大きさが変動
し、このことは、バキュームブースタの作動特性が変動
することを意味する。一方、このブレーキ装置において
は、ブレーキ操作部材の操作力が、負圧源の負圧の実際
値がそれの変動予想範囲における下限値に等しいと仮定
した場合の助勢限界操作力に到達したときに増圧装置の
作動が開始されるため、負圧源の負圧の実際値がその下
限値に一致しないときには、本来必要ではない増圧制御
が、ブースタによる助勢と並行して行われてしまう。こ
のように、このブレーキ装置を使用する場合には、バキ
ュームブースタの作動特性の変動に起因してブレーキシ
リンダ液圧の実際値が目標値より高くなってしまう可能
性がある。しかしながら、このブレーキ装置において
は、前述のように、ブースタの作動特性が変動しても、
その変動が増圧装置により掛け算で増幅されてブレーキ
シリンダに伝達されることはない。したがって、このブ
レーキ装置によれば、バキュームブースタが助勢限界に
到達したにもかかわらず増圧装置が作動させられないと
いう不都合を、ブレーキシリンダ液圧の実際値が目標値
より高くなるためにブレーキ操作フィーリングが損なわ
れるという事態を抑制しつつ、回避し得る。 (6) 前記マスタシリンダが、前記ハウジング内に前記加
圧ピストンが2個、互いに直列に配置され、それによ
り、前記前方加圧室が2個、互いに直列に形成された
(1) ないし(5) 項のいずれかに記載のブレーキ装置〔請
求項〕。前述の従来のブレーキ装置においては、ハウ
ジング内に加圧ピストンが2個、互いに直列に配置され
るようにマスタシリンダが構成された場合には、各前方
加圧室の下流にそれぞれ増圧装置が設けられることにな
る。一方、この従来のブレーキ装置において、各増圧装
置の作動中、2個の加圧室にそれぞれ対応する2個のブ
レーキシリンダの液圧の高さが互いに等しいことが望ま
しい。そのため、2個の増圧装置を作動させる際、2個
のブレーキシリンダの液圧の高さが互いに等しくなるよ
うにそれら2個の増圧装置の制御に特別の配慮を払うこ
とが必要になる。これに対して、本項に記載のブレーキ
装置においては、後方加圧室に発生させられる圧力の高
さに応じて2個の前方加圧室の液圧がそれぞれ増圧さ
れ、その際、それら2個の前方加圧室の液圧の高さが互
いに等しくされる。したがって、このブレーキ装置によ
れば、2個の前方加圧室の間で液圧が互いに等しくなる
ようにするために増圧装置の制御に特別の配慮を払うこ
とが不可欠ではなくなる。よって、このブレーキ装置に
よれば、増圧装置の作動中、2個のブレーキシリンダの
液圧を互いに等しい高さとすることを容易に行い得る。
(7) 前記増圧装置が、(a) 前記ブレーキ操作部材の操作
力に関連するブレーキ操作力関連量を検出するブレーキ
操作力関連量センサと、(b) 電気的に作動させられて前
記後方加圧室に圧力を発生させるとともにその高さを制
御する圧力発生・制御装置と、(c) 前記ブレーキ操作力
関連量と前記後方加圧室に発生させるべき目標圧力との
間において予め定められた関係に従い、前記ブレーキ操
作力関連量センサにより検出されたブレーキ操作力関連
量に応じた目標圧力を決定し、決定した目標圧力が実現
されるように前記圧力発生・制御装置を制御するコント
ローラとを含む(1) ないし(6) 項のいずれかに記載のブ
レーキ装置〔請求項〕。このブレーキ装置において
「ブレーキ操作力関連量」は例えば、ブレーキ装置にお
いて増圧装置より上流側の部分における物理量、例え
ば、ブレーキ操作部材の操作力または操作ストロークと
することができるが、下流側の部分における物理量、例
えば、マスタシリンダの液圧としたり、ブレーキシリン
ダの液圧とすることもできる。「ブレーキ操作力関連
量」は、増圧制御の制御理論を設計する関係上、増圧装
置より上流側の物理量、すなわち、増圧装置の影響を受
けない物理量に選ぶべきであるが、上流側の物理量と下
流側の物理量との間には一定の関係が成立し、その関係
を利用すれば、上流側の物理量を下流側の物理量に置換
することが可能となるからである。 (8) 前記後方加圧室が、圧力媒体として作動液を収容す
るものであり、前記圧力発生・制御装置が、非作用状態
では、前記後方加圧室に対する作動液の流入および流出
を許容する状態にあり、作用状態では、少なくとも作動
液の流出を阻止する状態に切り換わるものである(7) 項
に記載のブレーキ装置。ブレーキ操作部材がそれの操作
力が増加する向きに操作されると、後方加圧室の容積が
増加し、一方、操作力が減少する向きに操作されると、
後方加圧室の容積が減少する。そのため、この後方加圧
室に非圧縮性の作動液を収容させた場合には、増圧制御
を行わない通常時には、後方加圧室に対する作動液の流
入および流出を許容する一方、増圧制御時には、後方加
圧室から作動液が流出することを阻止することが必要と
なる。これに対して、本項に記載のブレーキ装置におい
ては、圧力発生・制御装置が、非作用状態では、後方加
圧室に対する作動液の流入および流出を許容する状態に
あり、作用状態では、少なくとも作動液の流出を阻止す
る状態に切り換わる。したがって、このブレーキ装置に
よれば、通常時に圧力発生・制御装置に電気エネルギを
供給せずにそれを非作用状態とすれば、自動的に、後方
加圧室に対する作動液の流入および流出が許容され、そ
の結果、ブレーキ操作部材の両方向への操作が許容さ
れ、一方、増圧制御時に圧力発生・制御装置に電気エネ
ルギを供給してそれを作用状態とすれば、後方加圧室か
ら作動液が流出することが阻止され、それにより、後方
加圧室が昇圧可能となる。 (9) 前記増圧装置が、吐出側において前記後方加圧室に
接続された液圧ポンプを用いることにより、後方加圧室
に圧力を発生させるものである(1) ないし(8)項のいず
れかに記載のブレーキ装置。 (10)前記増圧装置が、アキュムレータを用いることな
く、吐出側において前記後方加圧室に接続された液圧ポ
ンプを用いることにより、後方加圧室に圧力を発生させ
るものである(1) ないし(8) 項のいずれかに記載のブレ
ーキ装置〔請求項〕。このブレーキ装置によれば、後
方加圧室に圧力を発生させるために増圧装置にアキュム
レータを設けることが不要となるため、増圧装置の小形
軽量化を容易に図り得る。このブレーキ装置において
「液圧ポンプ」は、圧力媒体に対するシール性が高いプ
ランジャ式としたり、吐出圧の脈動が小さいギヤ式とす
ることができる。 (11)前記前方加圧室と前記ブレーキシリンダとが、前記
液圧ポンプの作動時に、それら前方加圧室とブレーキシ
リンダとが互いに遮断し続けられない状態で接続される
(9) または(10)項に記載のブレーキ装置〔請求項〕。
このブレーキ装置においては、液圧ポンプの脈動が後方
加圧室を経てマスタシリンダの加圧ピストンに伝達され
るが、液圧ポンプの作動時に前方加圧室とブレーキシリ
ンダとが互いに遮断し続けられないため、加圧ピストン
に伝達された脈動は前方加圧室と前記液通路とを経てブ
レーキシリンダに伝達される。このブレーキシリンダ
は、それの加圧室がダンピング効果を有する。したがっ
て、このブレーキ装置によれば、液圧ポンプの脈動がブ
レーキシリンダによって吸収され、その結果、液圧ポン
プの脈動がブレーキ操作部材に伝達されることが抑制さ
れてブレーキ操作フィーリングの悪化が抑制される。 (12)前記液通路が、それを断続的に開閉させることによ
り、前記ブレーキシリンダの圧力を制御する圧力制御弁
は設けられるが、その液通路の、前記マスタシリンダと
その圧力制御弁との間の部分に、ブレーキシリンダをマ
スタシリンダから継続的にカットするカット弁は設けら
れないものである(11)項に記載のブレーキ装置。このブ
レーキ装置によれば、前項に記載のブレーキ装置の一態
様が得られる。 (13)前記圧力発生・制御装置が、(a) ハウジングに制御
ピストンが実質的に液密かつ摺動可能に嵌合されること
により、その制御ピストンの前方に制御圧室が形成さ
れ、その制御ピストンの前進によりその制御圧室に圧力
が発生させられる加圧装置であって、その制御圧室にお
いて前記後方加圧室に接続されたものと、(b) 電動モー
タと、(c) その電動モータの回転運動を前記制御ピスト
ンの直線運動に変換する運動変換機構と、(d) 前記制御
ピストンのストロークを制御することにより、前記制御
圧室の圧力の高さを制御するコントローラとを含む(7)
または(8) 項に記載のブレーキ装置。このブレーキ装置
によれば、比較的簡単な構成により、マスタシリンダの
後方加圧室に圧力を発生させることとその高さを制御す
ることとの双方を行い得る。このブレーキ装置において
「運動変換機構」は例えば、直線運動は可能であるが回
転は不能であるおねじと、回転は可能であるが直線運動
は不能であるナットとが螺合された構成を有し、そのナ
ットを電動モータにより正方向または逆方向に回転させ
ることにより、おねじにより制御ピストンを前進または
後退させる態様とすることができる。ただし、それらお
ねじとナットとの役割は互換可能である。 (14)前記後方加圧室が、前記圧力媒体として作動液を収
容するものであり、前記増圧装置が、さらに、前記作動
液を収容するリザーバを含み、前記加圧装置が、(a) 前
記ハウジングに形成され、前記制御ピストンが初期位置
にあるときには前記制御圧室に連通させられ、初期位置
から前進した位置にあるときはその制御ピストンによっ
て制御圧室から遮断される制御ポートを含み、前記制御
圧室がその制御ポートにおいて前記リザーバに接続され
た(13)項に記載のブレーキ装置。このブレーキ装置にお
いては、制御ピストンと制御ポートとの相対移動によ
り、増圧制御時には、制御圧室が昇圧可能とされる一
方、増圧制御が行われない通常時には、その制御圧室が
リザーバに、作動液が正逆両方向に流通可能な状態で連
通させられる。したがって、このブレーキ装置によれ
ば、同じ加圧装置により、 増圧制御時に、制御圧室
に圧力を発生させるとともにその高さを制御すること
と、 通常時に、制御圧室により、リザーバとマスタ
シリンダにおける後方加圧室とを、作動液が双方向に流
通可能な状態で互いに連通させることにより、ブレーキ
操作に応じた後方加圧室の容積変化を許容することとの
双方を行い得、増圧装置全体の構成を容易に簡単化し得
る。 (15)前記後方加圧室が、圧力媒体として作動液を収容す
るものであり、前記増圧装置が、さらに、(a) 前記作動
液を収容するリザーバと、(b) 前記圧力発生・制御装置
をバイパスするバイパス通路であって、一端部において
前記後方加圧室の側に、他端部において前記リザーバの
側に接続されたものと、(c) そのバイパス通路の途中に
設けられ、前記リザーバから前記後方加圧室に向かう作
動液の流れを常時許容する一方、その逆向きの流れを常
時阻止する逆止弁とを含む(7) ないし(14)項のいずれか
に記載のブレーキ装置。このブレーキ装置によれば、リ
ザーバからマスタシリンダにおける後方加圧室に向かう
作動液の流れが圧力発生・制御装置を通過することなく
常時許容されるため、ブレーキ操作部材がそれの操作力
が増加する向きに素早く操作される際、リザーバから後
方加圧室に作動液が、圧力発生・制御装置を経た経路と
逆止弁を経た経路との双方を通過して供給可能となる。
したがって、このブレーキ装置によれば、リザーバから
後方加圧室への作動液の補給量がブレーキ操作速度に追
従し得ないことに起因してその後方加圧室に負圧が生じ
ることが抑制される。 (16)前記後方加圧室が、圧力媒体として作動液を収容す
るものであり、前記増圧装置が、さらに、(a) 前記前方
加圧室と前記後方加圧室とを互いに連通させる連通路
と、(b) その連通路の途中に設けられてその連通路を開
く状態と閉じる状態とに電磁的に切り換えられる開閉弁
と、(c) 前記圧力発生・制御装置により前記後方加圧室
に圧力を発生させることができない場合には、前記開閉
弁を開状態とし、できる場合には、閉状態とするコント
ローラとを含む(7) ないし(15)項のいずれかに記載のブ
レーキ装置。このブレーキ装置によれば、前方加圧室の
圧力を利用して後方加圧室に圧力を発生させることが可
能となる。一方、圧力発生・制御装置の故障時でもブー
スタが故障しない限り、ブレーキ操作部材によって前方
加圧室に圧力を発生可能である。したがって、このブレ
ーキ装置によれば、圧力発生・制御装置の故障時にも、
後方加圧室に圧力を発生させ得る。 (17)前記増圧装置が、さらに、前記前方加圧室の液圧が
設定値以下である場合には、その前方加圧室から前記後
方加圧室に向かう作動液の流れを阻止し、設定値より大
きくなろうとすると、その流れを許容する流通制御装置
を含む(16)項に記載のブレーキ装置。前項に記載のブレ
ーキ装置において、増圧開始条件が成立すれば、直ちに
開閉弁を開き、前方加圧室の圧力が後方加圧室に伝達さ
れるようにして、その後方加圧室による倍力作用を実現
する場合には、増圧開始条件の成立当初から、前方加圧
室の作動液がブレーキシリンダのみならず後方加圧室に
も排出されることになる。このことは、増圧開始条件の
成立当初、すなわち、前方加圧室の作動液がブレーキシ
リンダにのみ排出されてもブレーキシリンダ液圧の昇圧
勾配がやや緩やかになる傾向が増圧開始条件の成立時か
らやや長い時間が経過した時期におけるより強い時期
に、ブレーキシリンダ液圧の昇圧勾配がさらに緩やかに
なってしまうことを意味する。これに対して、本項に記
載のブレーキ装置においては、前方加圧室の液圧が設定
値以下である場合には、前方加圧室から後方加圧室に向
かう作動液の流れが阻止される。したがって、このブレ
ーキ装置によれば、前方加圧室の液圧を利用して後方加
圧室を加圧する増圧装置を有するにもかかわらず、ブレ
ーキシリンダ液圧の昇圧勾配が緩やかになることが防止
され、このことによっても、ブレーキ操作フィーリング
が損なわれることが抑制される。このブレーキ装置にお
いて「流通制御装置」は、前記開閉弁を利用する態様と
したり、利用しない態様とすることができる。 (18)前記流通制御装置が、前記連通路の途中に設けら
れ、前記前方加圧室の液圧から前記後方加圧室の液圧を
差し引いた差圧が実質的に0でない開弁圧以下である場
合には、前方加圧室から後方加圧室に向かう作動液の流
れを阻止し、差圧が開弁圧より高くなろうとすると、そ
の流れを許容する第1逆止弁を含む(17)項に記載のブレ
ーキ装置。このブレーキ装置によれば、前項に記載のブ
レーキ装置における「流通制御装置」を、電気エネルギ
を利用することなく比較的簡単な構成で実現し得る。 (19)前記増圧装置が、さらに、(a) 前記第1逆止弁をバ
イパスするパイパス通路と、(b) そのバイパス通路の途
中に設けられ、前記差圧の高低を問わず、前記後方加圧
室から前記前方加圧室に向かう作動液の流れを許容する
一方、その逆向きの流れを阻止する第2逆止弁とを含む
(18)項に記載のブレーキ装置。このブレーキ装置によれ
ば、外部から前方加圧室に作動液が流入することが第1
逆止弁により阻止される状態であっても、第2逆止弁に
より、その流入が許容されるため、ブレーキ操作部材が
それの操作力が増加する向きに素早く操作される際に、
それに追従した流量で作動液を前方加圧室に補給可能と
なり、素早いブレーキ操作に起因して前方加圧室に負圧
が発生することが抑制される。 (20)前記後方加圧室が、圧力媒体として作動液を収容す
るものであり、前記増圧装置が、(a) 前記前方加圧室と
前記後方加圧室とを互いに連通させる連通路と、(b) そ
の連通路の途中に設けられてその連通路を開く状態と閉
じる状態とに電磁的に切り換えられる開閉弁と、(c) そ
の開閉弁を、前記増圧開始条件が成立すれば、開状態と
なり、成立しなければ、閉状態となるように制御するコ
ントローラとを含む(1) ないし(6) 項のいずれかに記載
のブレーキ装置。このブレーキ装置によれば、前方加圧
室の圧力を利用して後方加圧室に圧力が発生させられ
る。一方、ブースタが故障しない限り、ブレーキ操作部
材の操作力により前方加圧室に液圧を発生させることが
可能である。したがって、このブレーキ操作によれば、
後方加圧室に圧力を発生させるために、マスタシリンダ
とは別の加圧源を用いることが不可欠ではなくなる。こ
のブレーキ装置は、前記(17)ないし(19)項のいずれかに
記載の特徴と共に実施することが可能である。 (21)前記増圧装置が、負圧源を駆動源として前記後方加
圧室に圧力を発生させるバキュームポンプを含む(1) な
いし(20)項のいずれかに記載のブレーキ装置〔請求項
〕。前記(1) 項に記載のブレーキ装置は、増圧装置
が、液圧ポンプを電動モータにより駆動することによっ
て後方加圧室に圧力を発生させる態様で実施可能である
が、この実施態様に比較し、本項に記載のブレーキ装置
によれば、電動モータを使用せずに済むこと,負圧源は
車両において特別な機構なしで構成可能である場合が多
いこと等の理由により、装置コストの削減,装置重量の
低減,作動音の低減,信頼性の向上等を容易に実現し得
る。 (22)前記ブースタが、前記負圧源を駆動源とするバキュ
ームブースタである(21)項に記載のブレーキ装置。この
ブレーキ装置によれば、駆動源が増圧装置とブースタと
で共通とされるため、ブレーキ装置の部品点数の削減に
よってブレーキ装置全体の構成を容易に簡単化し得る。 (23)前記バキュームポンプが、(a) 大気圧と前記負圧源
の負圧とが選択的に導入される変圧室と、(b) その変圧
室と、大気に連通した大気室との差圧に基づいて作動す
るプランジャと、(c) そのプランジャの前進・後退に応
じて容積が減少・増加させられるポンプ室であって前記
後方加圧室に接続されたものとを含む(21)または(22)項
に記載のブレーキ装置。 (24)前記バキュームポンプが、さらに、大気と前記負圧
源と前記変圧室とに接続された3方弁であって、変圧室
を負圧源から遮断して大気に連通させる第1状態と、変
圧室を大気から遮断して負圧源に連通させる第2状態と
に交互に切り換えられるものを含む(21)ないし(23)項の
いずれかに記載のブレーキ装置。このブレーキ装置によ
れば、大気圧と負圧とを変圧室に選択的に導入するため
に、大気圧導入用と負圧導入用とにそれぞれ制御弁を設
けることが不要となり、大気圧と負圧とを変圧室に選択
的に導入するための構成が簡単になるとともに、バキュ
ームポンプ全体の構成も簡単になる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】図1には、本発明の第1実施形態であるブ
レーキ装置が示されている。このブレーキ装置は、左右
の前輪FL,FRと左右の後輪RL,RRとを備えた4
輪自動車に搭載されている。このブレーキ装置はブレー
キペダル10をブレーキ操作部材として備えており、そ
のブレーキペダル10はバキュームブースタ12(以
下、単に「ブースタ」という。)を介してタンデム型の
マスタシリンダ14に連結されている。
【0010】ブースタ12は、よく知られているよう
に、負圧源としてのエンジンの吸気管に接続された負圧
室と、その負圧室と大気とに選択的に連通させられる変
圧室との差圧に基づいて作動させられるパワーピストン
の作動力により、ブレーキペダル10の踏力であるブレ
ーキ操作力を倍力してマスタシリンダ14に伝達する。
負圧源は、それの負圧の高さが変動する特性を有する。
【0011】このブースタ12においては、ブレーキ操
作力が増加するにつれて、変圧室の圧力が負圧室の圧力
と等しい高さから増加し(大気圧に近づく向きに変化
し)、この間、ブースタ12はブレーキ操作力を助勢す
ることができる。しかし、負圧室の圧力が大気圧と等し
くなった後には、ブレーキ操作力を助勢することができ
ない。このようにブースタ12には助勢限界があるので
ある。そして、ブースタ12が助勢限界に到達するとき
のブレーキ操作力である助勢限界操作力の大きさは、負
圧室の圧力、すなわち、負圧源の負圧の高さに応じて変
動し、負圧が大きい(負圧傾向が強い)ほど大きくな
り、負圧が小さい(負圧傾向が弱い)ほど小さくなる。
【0012】マスタシリンダ14は、有底円筒状のハウ
ジング20を備えている。このハウジング20には第1
ないし第3円筒穴22,24,26が、そのハウジング
20の開口部側から底部側に向かって順にかつ次第に小
径となるように形成されている。
【0013】第2円筒穴24にはスリーブ30が実質的
に液密に嵌合されている。このスリーブ30の両端部の
うちハウジング20の底部に近い端部は、第2円筒穴2
4と第3円筒穴26との間における段付面に当接させら
れている。さらに、このスリーブ30は、スナップリン
グ等、図示しない固定部材により、上記段付面に当接し
た位置から移動することが阻止されている。このスリー
ブ30の内周面である円筒穴31に第1加圧ピストン3
2と第2加圧ピストン34とが互いに直列に嵌合されて
いる。それら2個の加圧ピストン32,34は共に、有
底円筒状を成すとともに、実質的に液密にかつ摺動可能
に円筒穴31に嵌合されている。この嵌合により、各加
圧ピストン32,34の前方にそれぞれ前方加圧室3
6,38が形成されている。各加圧ピストン32,34
はハウジング20内に、各加圧ピストン32,34の底
部の内面が、対応する各前方加圧室36,38に向かう
向きに配置されている。各加圧ピストン32,34は、
対応する各前方加圧室36,38内に配設された弾性部
材としての各スプリング40,42により、図示の後退
端位置に向かって付勢されている。第1加圧ピストン3
2に対応するスプリング40の初期長さ(伸長可能な長
さ)と初期荷重とが、図示しない部材により規定されて
おり、このことと、第1加圧ピストン32の後退端位置
が後述の閉塞部材44により規定されることとの共同に
より、第2加圧ピストン34の後退端位置が規定されて
いる。
【0014】第1円筒穴22には閉塞部材44がハウジ
ング20の開口部を実質的に液密に閉塞する状態で取り
付けられている。この閉塞部材44は、第1円筒面22
と第2円筒面24との間における段付面に当接すること
により、ハウジング20の底部に接近する限度が規定さ
れる一方、スナップリング等、図示しない固定部材によ
り、ハウジング20から離脱することが阻止されてい
る。この閉塞部材44は、第1加圧ピストン32が当接
させられることにより、その第1加圧ピストン32の後
退限度を規定する。第1加圧ピストン32の後端面から
後方に補助ピストン46が延び出させられており、閉塞
部材44を実質的に液密かつ摺動可能に貫通してブース
タ12の側に臨まされている。マスタシリンダ14は、
この補助ピストン46においてブースタ12のパワーピ
ストンの作動力を受けて作動させられるようになってお
り、その作動力に基づき、2個の前方加圧室36,38
にそれぞれ互いに等しい高さの液圧を発生させる。
【0015】閉塞部材44がハウジング20に嵌合され
ることにより、その閉塞部材44と第1加圧ピストン3
2との間に後方加圧室50が形成されている。この後方
加圧室50に圧力が発生させられると、第1加圧ピスト
ン32が前進する向きに加圧され、それにより、前方加
圧室36に圧力が発生させられる。前方加圧室36に圧
力が発生させられると、第2加圧ピストン34が前進す
る向きに加圧され、それにより、前方加圧室38にも圧
力が発生させられる。
【0016】ハウジング20には、2個のリザーバ用ポ
ート52と、1個の増圧用ポート54と、2個のブレー
キシリンダ用ポート56とが形成されている。
【0017】2個のリザーバ用ポート52は、2個の前
方加圧室36,38を、作動液を大気圧で収容するリザ
ーバ58に連通させる。それら2個のリザーバ用ポート
52は、2個の加圧ピストン32,34にそれぞれ対応
して設けられており、各リザーバ用ポート52は、スリ
ーブ30を半径方向に貫通する各連通路62と、図示の
後退端位置にある各加圧ピストン32,34の円筒部を
半径方向に貫通する各連通路63とを経て、各前方加圧
室36,38に接続されている。各加圧ピストン32,
34が、それの後退端位置から少し前進すると、各連通
路63が、スリーブ30の円筒穴31のうち連通路62
が形成されていない部分により、各リザーバ用ポート5
2から遮断され、それにより、各前方加圧室36,38
が各加圧ピストン32,34の前進により昇圧可能とさ
れる。
【0018】1個の増圧用ポート54は、ハウジング2
0に、後方加圧室50に常時連通する位置に形成されて
いて、その後方加圧室50を増圧装置64に連通させ
る。増圧装置64は、ギヤ式の増圧用ポンプ66と、そ
の増圧用ポンプ66を駆動するポンプモータ68と、圧
力制御弁70とを含むように構成されている。増圧用ポ
ンプ66の吸入側はリザーバ58に、吐出側は増圧用ポ
ート54にそれぞれ接続されていて、増圧用ポンプ66
により、作動液がリザーバ58から汲み上げられて後方
加圧室50に圧送される。増圧用ポンプ66の吐出側に
は、作動液が増圧用ポンプ66に逆流することを防止す
る逆止弁72が設けられている。増圧装置64には、さ
らに、増圧用ポンプ66と圧力制御弁70とを一緒にバ
イパスするバイパス通路74が設けられ、そのバイパス
通路74の途中には、リザーバ58から後方加圧室50
に向かう作動液の流れは常時許容する一方、その逆向き
の流れは常時阻止する逆止弁76が設けられている。こ
の逆止弁76が存在することにより、ブレーキペダル1
0が素早く踏み込まれて後方加圧室50の容積が素早く
増加する際に、リザーバ58から後方加圧室50に向か
う作動液の流れが、圧力制御弁70を経た経路のみなら
ずその逆止弁76を経た経路によっても実現される。そ
の結果、素早いブレーキ操作に起因して後方加圧室50
に負圧が生じることが抑制される。
【0019】図2には、圧力制御弁70が拡大して示さ
れている。圧力制御弁70は、後方加圧室50の液圧を
電磁的に制御する形式である。圧力制御弁70は、図示
しないハウジングと、後方加圧室50とリザーバ58と
の間における作動液の流通状態を制御する弁子80およ
びそれが着座すべき弁座82と、それら弁子80および
弁座82の相対移動を制御する磁気力を発生させるソレ
ノイド84とを有している。
【0020】この圧力制御弁70においては、ソレノイ
ド84が励磁されない非作用状態(OFF状態)では、
スプリング86の弾性力によって弁子80が弁座82か
ら離間させられ、それにより、後方加圧室50とリザー
バ58との間における双方向の作動液の流れが許容され
る。その結果、ブレーキ操作が行われて第1加圧ピスト
ン32が作動させられ、それに伴って後方加圧室50の
容積が変化すれば、それに伴い、後方加圧室50に対す
る作動液の流入および流出が許容される。このように、
圧力制御弁70は、常開弁であるため、増圧制御が行わ
れない通常時に、後方加圧室50の容積変化を許容する
ための特別の作動を圧力制御弁70に対して行うことは
不要である。
【0021】これに対し、ソレノイド84が励磁される
作用状態(ON状態)では、ソレノイド84の磁気力に
よりアーマチュア88が吸引され、弁子80が弁座82
に着座させられる。このとき、弁子80には、ソレノイ
ド84の磁気力に基づくソレノイド吸引力F1 と、後方
加圧室50の液圧に基づく力F2 とスプリング86の弾
性力F3 との和とが互いに逆向きに作用する。力F2
大きさは、後方加圧室50の液圧と、弁子80が後方加
圧室50の液圧を受ける実効受圧面積との積で表され
る。
【0022】ソレノイド84が励磁される作用状態(O
N状態)であって、増圧用ポンプ66の吐出圧すなわち
後方加圧室50の液圧がそれほど増加せず、 F2 ≦F1 −F3 なる式で表される関係が成立する領域では、弁子80が
弁座82に着座し、増圧用ポンプ66からの作動液がリ
ザーバ58に逃げることが阻止され、増圧用ポンプ66
の吐出圧が増加し、後方加圧室50に液圧が発生させら
れる。これに対し、後方加圧室50の液圧がさらに増加
し、 F2 >F1 −F3 なる式で表される関係が成立しようとする領域では、弁
子80が弁座82から離間し、増圧用ポンプ66からの
作動液がリザーバ58に逃がされ、その結果、後方加圧
室50の液圧がそれ以上増加することが阻止される。こ
のようにして後方加圧室50には、スプリング86の弾
性力F3 を無視すれば、ソレノイド吸引力F1 に応じて
リニアに増加する液圧が発生させられることになる。
【0023】また、圧力制御弁70は、図3にグラフで
表されているように、ソレノイド吸引力F1 の大きさが
ソレノイド84の励磁電流Iの大きさに応じてリニアに
変化するように設計されている。
【0024】図1に示すように、前記2個のブレーキシ
リンダ用ポート56は、ハウジング20に、常時2個の
前方加圧室36,38にそれぞれ連通する位置において
形成されていて、それら2個の前方加圧室36,38
を、互いに独立した2つのブレーキ系統にそれぞれ接続
する。ブレーキ装置は、前後2系統式であり、一方のブ
レーキ系統は、左右の前輪FL,FRの回転をそれぞれ
抑制する2個のブレーキ90を作動させる2個のブレー
キシリンダ92を有しており、他方のブレーキ系統は、
左右の後輪RL,RRの回転をそれぞれ抑制する2個の
ブレーキ90を作動させる2個のブレーキシリンダ92
を有している。以下、それらブレーキ系統を説明する
が、それらブレーキ圧力系統は構成が互いに共通するた
め、左前輪FLおよび右前輪FRに関連するブレーキ圧
力系統のみを代表的に説明し、他のブレーキ圧力系統に
ついては説明を省略する。
【0025】マスタシリンダ14の前方加圧室36は主
通路94により左前輪FLのブレーキシリンダ92と右
前輪FRのブレーキシリンダ92とに接続されている。
主通路94は、前方加圧室36から延び出た後に二股状
に分岐させられており、1本の基幹通路96と2本の分
岐通路98,98とが互いに接続されて構成されてい
る。各分岐通路98の先端にはブレーキシリンダ92が
接続されている。主通路94のうちマスタシリンダ14
とブレーキシリンダ92との間の部分にはポンプ通路1
02の一端が接続されている。そのポンプ通路102の
途中にはABS用ポンプ104が設けられている。2つ
のブレーキ圧力系統における2つのABS用ポンプ10
4,104は、それらに共通のポンプモータ106によ
り一緒に駆動される。
【0026】各分岐通路98の途中には、ポンプ通路1
02との接続点よりブレーキシリンダ92の側におい
て、常開の電磁開閉弁である保持弁110が設けられて
いる。保持弁110は、それのソレノイド112(図4
参照)が励磁されて閉状態となり、その状態で、ABS
用ポンプ104からブレーキシリンダ92へ向かう作動
液の流れを阻止し、それにより、ブレーキシリンダ液圧
が保持される状態を実現する。各保持弁110にはバイ
パス通路114が接続され、各バイパス通路114には
作動液戻り用の逆止弁116が設けられている。
【0027】各分岐通路98のうち保持弁110とブレ
ーキシリンダ92との間の部分からリザーバ通路118
が延びてリザーバ120に至っている。各リザーバ通路
118の途中には常閉の電磁開閉弁である減圧弁130
が設けられている。減圧弁130は、それのソレノイド
132(図4参照)が励磁されて開状態となり、その状
態では、ブレーキシリンダ92からリザーバ120へ向
かう作動液の流れを許容し、それにより、ブレーキシリ
ンダ液圧が減圧される状態を実現する。
【0028】リザーバ120は、ハウジングにリザーバ
ピストン134が実質的に液密かつ摺動可能に嵌合され
て構成されるとともに、その嵌合によりリザーバピスト
ン134の前方に形成されたリザーバ室136において
作動液を付勢手段としてのスプリング138によって圧
力下に収容するものである。リザーバ室136は前記ポ
ンプ通路102により前記主通路94に接続されてい
る。
【0029】ポンプ通路102はABS用ポンプ104
により吸入通路140と吐出通路142とに仕切られて
おり、それら通路140,142には、共に逆止弁であ
る吸入弁144と吐出弁146とがそれぞれ設けられて
いる。ポンプ通路102には、さらに、ダンパ室148
と絞りとしてのオリフィス150とが互いに直列にAB
S用ポンプ104の吐出側に設けられており、それによ
り、ABS用ポンプ104の脈動が軽減される。
【0030】以上、このブレーキ装置の機械的構成を説
明したが、次に、電気的構成を説明する。
【0031】このブレーキ装置は、図4に示すように、
電子制御ユニット(以下、「ECU」と略称する。)2
00を備えている。このECU200も増圧装置60の
構成要素である。ECU200は、CPU,ROMおよ
びRAMを含むコンピュータを主体として構成されてお
り、そのROMに記憶されている効き特性制御ルーチン
およびアンチロック制御ルーチンがCPUによりRAM
を使用しつつ実行されることにより、効き特性制御とア
ンチロック制御とが実行される。「効き特性制御」は、
ブースタ12に助勢限界があることを考慮し、ブースタ
12の助勢限界の前後を問わず、車体減速度Gがブレー
キ操作力Fに対して同じ勾配で増加するようにそれらブ
レーキ操作力Fと車体減速度Gとの関係であるブレーキ
の効き特性を制御することをいう。また、「アンチロッ
ク制御」は、よく知られているように、車両制動時に各
輪のロック傾向が過大にならないように各輪のブレーキ
シリンダ液圧を制御することをいう。本実施形態におい
ては、アンチロック制御中、ABS用ポンプ104によ
り作動液がブレーキ回路内を還流させられる。
【0032】ECU200の入力側には、ブレーキ操作
力センサ204と複数個の車輪速センサ208とが接続
されている。ブレーキ操作力センサ204は、ブレーキ
操作力Fを規定するブレーキ操作力信号を出力する。車
輪速センサ208は、各輪毎に設けられ、各輪の車輪速
を規定する車輪速信号を出力する。
【0033】一方、ECU200の出力側には、2つの
ブレーキ系統に共通に、圧力制御弁70のソレノイド8
4と、増圧用ポンプ66を駆動するポンプモータ68
と、2個のABS用ポンプ104を駆動するポンプモー
タ106とが1個ずつ接続されている。さらに、各ブレ
ーキ系統ごとに、保持弁110のソレノイド112と、
減圧弁130のソレノイド132とが接続されている。
【0034】図5には、効き特性制御ルーチンがフロー
チャートで表されている。以下、本ルーチンを説明す
る。
【0035】本ルーチンは、運転者により車両のイグニ
ションスイッチ(図示しない)がON状態に操作された
後、繰り返し実行される。各回の実行時には、まず、ス
テップS1(以下、単に「S1」で表す。他のステップ
についても同じとする)において、現在のブレーキ操作
力Fが検出される。具体的には、まず、ブレーキ操作力
センサ204からブレーキ操作力信号が取り込まれ、次
に、その取り込まれた信号に基づいて現在のブレーキ操
作力Fが演算される。
【0036】次に、S2において、その演算されたブレ
ーキ操作力Fが基準値FTHより高いか否かが判定され
る。ブースタ12が助勢限界に到達したためにブレーキ
シリンダ液圧PB を増圧用ポンプ66により増圧するこ
とが必要であるか否かが判定されるのである。今回はそ
の必要があると仮定すれば、判定がYESとなり、S3
において、増圧制御が行なわれる。本実施形態において
は、基準値FTHが、負圧源の負圧の実際値がその負圧の
変動予想範囲の下限値(最小負圧)と等しいと仮定した
場合にブースタ12が助勢限界に到達するときにブレー
キ操作力Fが取るべき値として設定されている。
【0037】図6には、その増圧制御の詳細が増圧制御
ルーチンとしてフローチャートで表されている。まず、
S21において、検出されたブレーキ操作力Fに基づ
き、後方加圧室50を加圧する目標加圧量ΔPが決定さ
れる。目標加圧量ΔPは、車体減速度G(ブレーキシリ
ンダ液圧PB にほぼ相当する)がブレーキ操作力Fに対
して、ブースタ12が助勢限界に到達した後にその到達
前と同じ勾配で増加するようにマスタシリンダ液圧PM
がブレーキ操作力Fに対して増加するように設定されて
いる。ここに、目標加圧量ΔPは、マスタシリンダ液圧
M が増圧制御によって増圧される量と等しく、また、
ブレーキシリンダ液圧PB が増圧制御によって増圧され
る量とも等しい。本実施形態においては、ブレーキ操作
力Fと目標加圧量ΔPとの関係がROMに記憶されてお
り、その関係に従ってブレーキ操作力Fの現在値に対応
する目標加圧量ΔPが決定される。図7には、ブレーキ
操作力Fと目標加圧量ΔPとの関係がグラフで示されて
いる。
【0038】次に、S22において、決定された目標加
圧量ΔPに応じ、圧力制御弁70のソレノイド84に供
給すべき電流値Iである目標電流値I* が決定される。
目標加圧量ΔPとソレノイド電流値Iとの関係がROM
に記憶されており、その関係に従って目標加圧量ΔPに
対応する目標電流値I* が演算されるのである。図8に
は、目標加圧量ΔPとソレノイド電流値Iとの関係の一
例として、目標加圧量ΔPとソレノイド電流値Iとを直
接に対応させるのではなくソレノイド吸引力F 1 を媒介
として間接に対応させる関係が示されている。目標加圧
量ΔPとソレノイド吸引力F1 との関係と、ソレノイド
吸引力F1 とソレノイド電流値Iとの関係とがそれぞれ
示されているのである。
【0039】続いて、S23において、圧力制御弁70
のソレノイド84に駆動電流が、決定された目標電流値
* と等しい量で供給される。その後、S24におい
て、ポンプモータ68にそれをONにする信号が出され
る。それにより、増圧用ポンプ66によりマスタシリン
ダ14の第1加圧ピストン32がそれの背後において加
圧され、その結果、マスタシリンダ液圧PM およびブレ
ーキシリンダ液圧PB が、増圧制御前より目標加圧量Δ
Pと等しい量だけ増圧される。この際、4個のブレーキ
シリンダ92には液圧が左右輪間において互いに等しい
高さで発生させられることとなる。以上で増圧制御ルー
チンの一回の実行が終了し、以上で効き特性制御ルーチ
ンの一回の実行も終了する。
【0040】これに対して、ブレーキ操作力Fが基準値
THより高くはない場合には、図5のS2の判定がNO
となり、S4において、終了処理が行なわれる。
【0041】図9には、その終了処理の詳細が終了処理
ルーチンとしてフローチャートで表されている。まず、
S41において、圧力制御弁70のソレノイド84にそ
れをOFFにする信号が出力される。それにより、圧力
制御弁70が開状態に復帰させられる。次に、S42に
おいて、ポンプモータ68にそれをOFFにする信号が
出力される。それにより、増圧用ポンプ66によるマス
タシリンダ液圧の増圧が終了させられる。以上で終了処
理ルーチンの一回の実行が終了し、以上で効き特性制御
ルーチンの一回の実行も終了する。
【0042】図10には、この効き特性制御によりブレ
ーキの効き特性、すなわち、ブレーキ操作力Fとブレー
キシリンダ液圧PB との関係が制御される様子の一例が
グラフで示されている。
【0043】本実施形態においては、前述のように、ブ
レーキ操作力Fが、負圧源の負圧の実際値がそれの変動
予想範囲における下限値すなわち最小負圧である状態で
ブースタ12が助勢限界に到達したときにブレーキ操作
力Fが取る値に到達したときに効き特性制御が開始され
る。そのため、負圧源の負圧の実際値がその最小負圧と
一致する場合には、実際の効き特性が同図において二点
鎖線で示す目標特性と一致することになる。しかし、負
圧源の負圧の実際値がその最小負圧と一致せず、それよ
り高い場合(負圧傾向が強い場合)には、ブースタ12
が実際に助勢限界に到達する時期と、効き特性制御が開
始される時期とが互いに一致せず、ブースタ12が実際
に助勢限界に到達する手前において、本来必要ではない
効き特性制御が開始されることとなる。すなわち、ブー
スタ12による助勢と、効き特性制御による増圧とがオ
ーバラップする期間が存在するのであり、このオーバラ
ップ期間においては、ブレーキシリンダ液圧PB の実際
値が、同図において実線および破線で示すように、目標
特性より高くなる。
【0044】同図においてで示す実線グラフは、本実
施形態における効き特性制御の効果を示しており、一
方、で示す破線グラフは、増圧装置60を、マスタシ
リンダ液圧PM を設定増圧率で増圧するように設計した
場合の効き特性制御の効果を比較例として示している。
この設定増圧率は、ブースタ12の助勢限界後における
ブレーキシリンダ液圧PB の変化勾配と、目標特性を表
すグラフの変化勾配との比率として設定することができ
る。そして、この比較例においては、上記オーバラップ
期間において、マスタシリンダ液圧PM の実際値の外れ
量、すなわち、ブースタ12が実際に助勢限界に到達す
るときのマスタシリンダ液圧PM からの外れ量が設定増
圧率の掛け算で増幅されてブレーキシリンダ92に伝達
されることになる。そのため、この比較例においては、
ブレーキシリンダ液圧PB の実際値の、目標特性からの
外れ量が大きくなる。
【0045】これに対して、本実施形態においては、オ
ーバラップ期間において、マスタシリンダ液圧PM の実
際値の外れ量が増幅されてブレーキシリンダ92に伝達
されることはない。そのため、本実施形態においては、
オーバラップ期間において、ブレーキシリンダ液圧PB
の実際値の外れ量が、比較例におけるほどには大きくな
らずに済む。
【0046】したがって、本実施形態によれば、オーバ
ラップ期間において、ブレーキ操作フィーリングが大き
く損なわれることが防止される。
【0047】以上、効き特性制御ルーチンを図面に基づ
いて説明したが、以下、アンチロック制御ルーチンを説
明する。
【0048】アンチロック制御ルーチンは、車輪速セン
サ208により各輪の車輪速および車体の走行速度を監
視しつつ、保持弁110は開状態、減圧弁130は閉状
態とする増圧状態,保持弁110も減圧弁130も閉状
態とする保持状態および保持弁110は閉状態、減圧弁
130は開状態とする減圧状態を選択的に実現すること
により、車両制動時に各輪がロックすることを防止す
る。アンチロック制御ルーチンは、アンチロック制御中
ポンプモータ106を作動させ、ABS用ポンプ104
によりリザーバ120から作動液を汲み上げて主通路9
4に戻す。
【0049】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、増圧制御とアンチロック制御とに別々の
ポンプが用いられるため、各ブレーキ制御を他のブレー
キ制御との干渉を気にすることになく実行可能となり、
各ブレーキ制御のし易さおよび精度を容易に向上させ得
るとともに、一つのポンプが故障してもそれによってす
べてのブレーキ制御が実行不能となる事態が回避され、
ポンプ故障に対するブレーキ装置の許容性も向上する。
【0050】さらに、本実施形態においては、マスタシ
リンダ14の第1加圧ピストン32がそれの背後におい
て加圧されることにより、4個のブレーキシリンダ92
がそれらの液圧が2つのブレーキ系統間において互いに
等しくなるように増圧される。本実施形態であるブレー
キ装置は、前後2系統式であり、それら2系統間におけ
るブレーキシリンダ液圧の差は車両の走行安定性を低下
させる原因にはならない。これに対して、ブレーキ装置
がダイヤゴナル2系統式である場合には、それら2系統
間におけるブレーキシリンダ液圧の差は車両の走行安定
性を低下させる原因となり得る。したがって、増圧制御
中に2系統間においてブレーキシリンダ液圧に差が発生
せずに済むという効果は、車両の走行安定性を悪化させ
ないという観点からすれば、ダイヤゴナル2系統式のブ
レーキ装置において特に意味がある。
【0051】次に、本発明の第2実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は、第1実施形態と共通する要素が
多く、異なるのは増圧制御に関する要素のみであるた
め、その要素については詳細に説明し、他の要素につい
ては同一の符号を使用することによって詳細な説明を省
略する。
【0052】本実施形態においては、図11に示すよう
に、マスタシリンダ220が、第1実施形態におけるマ
スタシリンダ14に対してポート222と連通路224
とが追加されたものとされている。連通路224は、そ
のポート222を、第1加圧ピストン32に対応する前
方加圧室36に連通させる。さらに、本実施形態におい
ては、増圧装置230が、第1実施形態における増圧装
置60に対していくつかの要素が追加されたものとされ
ている。追加された要素には、上記ポート222と前記
増圧用ポート54とを互いに連通させる連通路232が
ある。この連通路232の途中には、常閉かつ電磁式の
開閉弁234と、開弁圧が実質的に0でない第1逆止弁
238とが互いに直列に設けられている。開閉弁234
のソレノイド240は、図12に示すECU242によ
り制御される。このECU242は、前記ECU200
と基本的な構成が共通する。
【0053】第1逆止弁238は、図11に示すよう
に、前方加圧室36の液圧から後方加圧室50の液圧を
差し引いた値である差圧が0でない開弁圧(設定値)以
下であれば、それら前方加圧室36と後方加圧室50と
の間における作動液の双方向の流れを阻止し、差圧が開
弁圧を超えようとすれば、前方加圧室36から後方加圧
室50に向かう作動液の流れを許容し、それにより、差
圧が開弁圧を超えないようにされる。増圧装置230
は、さらに、その第1逆止弁238をバイパスするバイ
パス通路246を備えており、そのバイパス通路246
の途中に、開弁圧が実質的に0である第2逆止弁248
が設けられている。この第2逆止弁248は、リザーバ
58の側から前方加圧室36の側に向かう作動液の流れ
を常時許容する一方、その逆向きの流れを常時阻止す
る。
【0054】ECU242のコンピュータのROMに
は、効き特性制御ルーチンとアンチロック制御ルーチン
とが記憶されている。効き特性制御ルーチンは、第1実
施形態における効き特性制御ルーチンのS1およびS2
と共通するステップと、S3およびS4に相当するが共
通ではないステップとを含んでいる。本実施形態におけ
る効き特性制御ルーチンのうちS3に相当するステッ
プ、すなわち、増圧制御ルーチンは図13に、S4に相
当するステップ、すなわち、終了処理ルーチンは図14
にそれぞれフローチャートで表されている。また、アン
チロック制御ルーチンは、第1実施形態におけるアンチ
ロック制御ルーチンと共通とされている。
【0055】増圧制御ルーチンが実行されると、図13
に示すように、まず、S101において、増圧装置23
0のうち増圧用ポンプ66およびポンプモータ68に係
る増圧用ポンプ系が正常であるか否かが判定される。増
圧用ポンプ66によって後方加圧室50を加圧可能であ
るか否かが判定されるのであり、具体的には、ポンプモ
ータ68に断線,短絡等が発生していないか否かが判定
され、発生していなければ、増圧用ポンプ系が正常であ
ると判定され、発生していれば、正常ではないと判定さ
れる。今回は、正常であると仮定すれば、判定がYES
となり、S102において、前記S21におけると同様
にして、ブレーキ操作力Fの現在値に応じて後方加圧室
50の目標加圧量ΔPが決定され、その後、S103に
おいて、前記S22におけると同様にして、決定された
目標加圧量ΔPに応じて圧力制御弁70のソレノイド8
4に供給すべき目標電流値I* が決定される。続いて、
S104において、前記S23におけると同様にして、
圧力制御弁70のソレノイド84に駆動電流が出力され
る。その後、S105において、開閉弁234のソレノ
イド240にそれをOFFにする信号が出力される。そ
れにより、開閉弁234が閉状態とされる。続いて、S
106において、ポンプモータ68にそれをONにする
信号が出力される。その結果、増圧用ポンプ66により
後方加圧室50が加圧される。以上で本ルーチンの一回
の実行が終了する。
【0056】これに対して、今回は、増圧用ポンプ系が
正常ではないと仮定すれば、S101の判定がNOとな
り、S107において、圧力制御弁70のソレノイド8
4にそれをONにする信号が出力される。それにより、
後方加圧室50がリザーバ58から遮断されて昇圧可能
とされる。その後、S108において、開閉弁234の
ソレノイド240にそれをONにする信号が出力され
る。それにより、開閉弁234が開状態とされる。
【0057】開閉弁234が開状態とされると、前方加
圧室36から後方加圧室50に作動液が流れることが可
能となる。ただし、前方加圧室36の液圧から後方加圧
室50の液圧を差し引いた差圧が、第1逆止弁238の
開弁圧以下である場合には、この第1逆止弁238によ
り、前方加圧室36から後方加圧室50に作動液が流れ
ることが阻止される。そのため、差圧が開弁圧以下であ
る場合には、後方加圧室50が昇圧させられず、よっ
て、マスタシリンダ14は、ブースタ12のみによって
作動させられることとなる。このとき、前方加圧室36
の作動液のうち第1加圧ピストン36の前進によって押
し退けられた作動液は、後方加圧室50には排出されず
に、ブレーキシリンダ92のみに排出される。ブレーキ
シリンダ92に対して作動液のファーストフィルが行わ
れることになるのである。よって、ブレーキペダル10
の操作ストロークの増加に対してブレーキシリンダ液圧
が鈍感に上昇するためにブレーキ操作フィーリングが損
なわれることが抑制される。ブレーキペダル10がさら
に深く踏み込まれた結果、前方加圧室36と後方加圧室
50との差圧が開弁圧を超えようとすると、第1逆止弁
238により、前方加圧室36から後方加圧室50に作
動液が流れることが許容され、その結果、前方加圧室3
6に発生した液圧によって後方加圧室50に液圧が発生
させられる。それにより、今回は、マスタシリンダ14
が、ブースタ12のみならずマスタシリンダ14自身に
よっても作動させられることになる。このように、後方
加圧室50の昇圧がマスタシリンダ14自身によって行
うことが可能であるため、増圧用ポンプ系が正常でな
く、それの電気的制御によるマスタシリンダ液圧の増圧
が期待できない場合でも、後方加圧室50を昇圧可能と
なり、増圧用ポンプ系の故障に対するブレーキ装置の許
容性を向上させることができる。
【0058】また、ブレーキペダル10が素早く踏み込
まれた結果、前方加圧室36の容積が素早く増加する場
合には、リザーバ58から作動液が、共に開弁圧が実質
的に0である逆止弁76と第2逆止弁248とをそれら
の順に経て前方加圧室36に補給されるため、素早いブ
レーキ操作に起因して前方加圧室36に負圧が生じるこ
とが抑制される。
【0059】これに対して、終了処理ルーチンが実行さ
れると、図14に示すように、まず、S121におい
て、圧力制御弁70のソレノイド84にそれをOFFに
する信号が出力され、それにより、圧力制御弁70が開
状態に復帰させられる。次に、S122において、開閉
弁234のソレノイド240にそれをOFFにする信号
が出力され、開閉弁238が閉状態に復帰させられる。
それにより、前方加圧室36が後方加圧室50からもリ
ザーバ58からも遮断される。続いて、S123におい
て、ポンプモータ68にそれをOFFにする信号が出力
される。以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0060】次に、本発明の第3実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は、第2実施形態と共通する要素が
多く、異なるのは増圧装置についてのみであるため、増
圧装置についてのみ詳細に説明し、他の要素については
同一の符号を使用することによって詳細な説明を省略す
る。
【0061】第2実施形態においては、効き特性制御の
ためにマスタシリンダ14を増圧する部分として、増圧
用ポンプ系を駆動源とする第1増圧部と、マスタシリン
ダ14自身を駆動源する第2増圧部とが設けられ、第1
増圧部の故障時に第2増圧部が作動させられるようにな
っているが、本実施形態においては、第2増圧部のみが
設けられ、効き特性制御がすべてその第2増圧部によっ
て行われるようになっている。
【0062】具体的には、本実施形態の増圧装置260
においては、図15に示すように、第2実施形態に対し
て増圧用ポンプ66およびポンプモータ68が省略され
るとともに、圧力制御弁70に代えて、電磁式のカット
弁262が設けられている。カット弁262は、常には
開状態にあるが、それのソレノイド264(図16参
照)が励磁されると閉状態に切り換わる電磁弁であり、
図16に示すECU268により制御される。
【0063】ECU268のコンピュータのROMに
は、効き特性制御ルーチンとアンチロック制御ルーチン
とが記憶されている。効き特性制御ルーチンは、第2実
施形態における効き特性制御ルーチンのS1およびS2
と共通するステップと、S3およびS4に相当するが共
通ではないステップとを含んでいる。本実施形態におけ
る効き特性制御ルーチンのうちS3に相当するステッ
プ、すなわち、増圧制御ルーチンは図17に、S4に相
当するステップ、すなわち、終了処理ルーチンは図18
にそれぞれフローチャートで表されている。また、アン
チロック制御ルーチンは、第2実施形態におけるアンチ
ロック制御ルーチンと共通とされている。
【0064】増圧制御ルーチンが実行されると、図17
に示すように、まず、S201において、カット弁26
2のソレノイド264にそれをONにする信号が出力さ
れる。それにより、カット弁262が開状態から閉状態
に切り換えられ、その結果、後方加圧室50が昇圧可能
とされる。次に、S202において、開閉弁234のソ
レノイド240にそれをONにする信号が出力される。
それにより、開閉弁234が閉状態から開状態に切り換
えられ、第1逆止弁238の存在下、前方加圧室36の
液圧によって後方加圧室50が昇圧可能とされる。以上
で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0065】これに対して、終了処理ルーチンが実行さ
れると、図18に示すように、まず、S221におい
て、カット弁262のソレノイド264にそれをOFF
にする信号が出力され、それにより、カット弁262が
開状態に復帰させられる。その結果、後方加圧室50と
リザーバ58との間における作動液の双方向の流れが許
容される。次に、S222において、開閉弁234のソ
レノイド240にそれをOFFにする信号が出力され、
それにより、開閉弁234が閉状態に復帰させられる。
これにより、前方加圧室36が後方加圧室50からもリ
ザーバ58からも遮断される。以上で本ルーチンの一回
の実行が終了する。
【0066】次に、本発明の第4実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は、第1実施形態と共通する要素が
多く、異なるのは増圧装置についてのみであるため、増
圧装置についてのみ詳細に説明し、他の要素については
同一の符号を使用することによって詳細な説明を省略す
る。
【0067】第1実施形態においては、増圧用ポンプ6
6により後方加圧室50の加圧が行われるようになって
いるが、本実施形態においては、増圧用モータにより直
線運動させられる制御ピストンにより後方加圧室50の
加圧が行われるようになっている。
【0068】具体的には、本実施形態においては、図1
9に示すように、増圧装置300が液圧シリンダ302
を含むように構成されている。液圧シリンダ302は、
有底円筒状のハウジング304に制御ピストン306が
実質的に液密かつ摺動可能に嵌合されて構成されてい
る。この液圧シリンダ302においては、制御ピストン
306の前方に制御圧室308が形成されていて、制御
ピストン306が前進させられることによってその制御
圧室308に液圧が発生させられる。この制御圧室30
8はマスタシリンダ14における後方加圧室50と常時
連通させられている。ハウジング304には、制御ピス
トン306と摺動させられる部分のある位置に制御ポー
ト310が形成されている。制御ポート310は、制御
ピストン306の図示の初期位置においては、制御ピス
トン306により制御圧室308から遮断されないが、
制御ピストン306がその初期位置から前進すると、そ
の制御ピストン306により制御圧室308から遮断さ
れる。この制御ポート310はリザーバ58と常時連通
させられている。
【0069】増圧装置300は、さらに、増圧用モータ
312と減速機314とボールねじ316とを備えてい
る。
【0070】増圧用モータ312は、図20に示すEC
U318により制御される。
【0071】ボールねじ316は、図19に示すよう
に、循環させられる複数個のボール320を介しておね
じ322がナット324に螺合された構成とされてい
る。おねじ322は、図示しない部材により、直線移動
は可能であるが回転は不能とされており、一方、ナット
324は、図示しない部材により、回転は可能であるが
直線移動は不能とされている。したがって、増圧用モー
タ312によりナット324が回転させられれば、その
回転運動がおねじ322の直線運動に変換される。おね
じ322は制御ピストン306に、一体的に軸方向移動
に連結されているため、おねじ322が直線運動させら
れれば制御ピストン306も直線運動させられ、それに
伴い、制御圧室308の容積が変化させられる。
【0072】減速機314は、ボールねじ316のナッ
ト324と増圧用モータ312の回転軸との間に設けら
れている。減速機314は、増圧用モータ312の回転
軸と共に回転させられる小径歯車326と、ナット32
4と共に回転させられる大径歯車328とがかみ合わさ
れた構成とされている。したがって、増圧用モータ31
2の回転力が倍力されてナット324に伝達されること
になる。
【0073】増圧用モータ312の回転軸にはクラッチ
330が設けられている。クラッチ330は、増圧用モ
ータ312への電流供給を断っても、制御ピストン30
6が制御圧室308の液圧が低下する向きに移動するこ
とを機械的に阻止する機能を有する。
【0074】また、増圧装置300においては、第1実
施形態におけると同様に、制御圧室308をバイパスす
るバイパス通路332が設けられ、その途中に、開弁圧
が実質的に0である逆止弁334が設けられている。逆
止弁334は、第1実施形態における逆止弁76と同様
に、リザーバ58から後方加圧室50に向かう作動液の
流れを常時許容する一方、その逆向きの流れは常時阻止
する。
【0075】ECU318のコンピュータのROMに
は、効き特性制御ルーチンとアンチロック制御ルーチン
とが記憶されている。効き特性制御ルーチンは、第1実
施形態における効き特性制御ルーチンのS1およびS2
と共通するステップと、S3およびS4に相当するが共
通ではないステップとを含んでいる。本実施形態におけ
る効き特性制御ルーチンのうちS3に相当するステッ
プ、すなわち、増圧制御ルーチンは図21に、S4に相
当するステップ、すなわち、終了処理ルーチンは図22
にそれぞれフローチャートで表されている。また、アン
チロック制御ルーチンは、第1実施形態におけるアンチ
ロック制御ルーチンと共通とされている。
【0076】増圧制御ルーチンが実行されると、図21
に示すように、まず、S301において、前記S21に
おけると同様にして、ブレーキ操作力Fの現在値に基づ
き、後方加圧室50の目標加圧量ΔPが決定される。次
に、S302において、決定された目標加圧量ΔPを実
現するために増圧用モータ312を回転させることが必
要な目標回転量Δθが決定される。目標加圧量ΔPと目
標回転量Δθとの関係がROMに記憶されており、その
関係に従い、今回の目標加圧量ΔPに対応する目標回転
量Δθが決定されるのである。その後、S303におい
て、決定された目標回転量Δθを実現するために増圧用
モータ312に供給することが必要な目標モータ電流値
IM* が決定される。目標回転量Δθと目標モータ電流
値IM*との関係もROMに記憶されており、その関係
に従い、今回の目標回転量Δθに対応する目標モータ電
流値IM* が決定されるのである。続いて、S304に
おいて、増圧用モータ312に駆動電流が、決定された
目標モータ電流値IM* と等しい量で出力される。それ
により、増圧用モータ312が目標回転量Δθと等しい
量で回転させられ、その結果、制御圧室308および後
方加圧室50に目標加圧量ΔPと等しい高さの液圧が発
生させられる。そして、その発生させられた液圧によ
り、マスタシリンダ14が増圧される。以上で本ルーチ
ンの一回の実行が終了する。
【0077】これに対して、終了処理ルーチンが実行さ
れると、図22に示すように、S321において、増圧
用モータ312に、それを初期位置に復帰させるための
信号が出力され、復帰したならば、増圧用モータ312
がOFFにされる。以上で本ルーチンの一回の実行が終
了する。
【0078】次に、本発明の第5実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は、第1実施形態とそれのブレーキ
操作力センサをマスタシリンダ液圧センサに置換した点
でのみ相違し、他の点については共通であるため、その
点についてのみ詳細に説明する。
【0079】第1実施形態においては、増圧装置60を
制御するために用いる物理量として、ブレーキ装置にお
いてその増圧装置60より上流側に位置する要素の物理
量の一例であるブレーキ操作力Fが用いられているが、
本実施形態においては、増圧装置60より下流側に位置
する要素の物理量の一例であるマスタシリンダ液圧P M
が用いられている。このマスタシリンダ液圧PM は、図
23に示すように、マスタシリンダ液圧センサ350に
より検出され、このマスタシリンダ液圧センサ350
は、ECU352に接続されている。
【0080】ECU352のコンピュータのROMに
は、効き特性制御ルーチンとアンチロック制御ルーチン
とが記憶されている。効き特性制御ルーチンは、第1実
施形態における効き特性制御ルーチンのS1ないしS3
に相当するが共通ではないステップと、S4と共通する
ステップとを含んでいる。本実施形態における効き特性
制御ルーチンは、図24にフローチャートで表されてい
る。また、アンチロック制御ルーチンは、第1実施形態
におけるアンチロック制御ルーチンと共通とされてい
る。
【0081】本ルーチンは、車両のイグニションスイッ
チがONに操作された後、繰返し実行される。各回の実
行時には、まず、S351において、マスタシリンダ液
圧センサ350からのマスタシリンダ液圧信号に基づ
き、マスタシリンダ液圧PM が検出される。次に、S3
52において、検出されたマスタシリンダ液圧PM が基
準値PTHより高いか否かが判定される。この基準値PTH
は、第1実施形態における基準値FTHに相当する。今回
は、検出されたマスタシリンダ液圧PM が基準値PTH
り高いと仮定すれば、判定がYESとなり、S353に
おいて、増圧制御ルーチンが実行される。これに対し
て、今回は、検出されたマスタシリンダ液圧PM が基準
値PTHより高くはないと仮定すれば、判定がNOとな
り、S354において、前記S4におけると同様にし
て、前記終了処理ルーチンが実行される。いずれの場合
にも、以上で効き特性制御ルーチンの一回の実行が終了
する。
【0082】本実施形態は、増圧制御の影響を受け得る
物理量であるマスタシリンダ液圧P M の検出値に基づい
て増圧装置60が制御される点で、増圧制御の影響を受
けない物理量であるブレーキ操作力Fの検出値に基づい
て増圧装置60が制御される第1実施形態と相違する。
そのため、本実施形態における増圧制御ルーチンは、図
6のルーチンと基本的に共通するが、上記相違点に起因
した相違点も存在する。以下、その相違点のみを詳しく
説明する。
【0083】増圧装置60を、増圧制御の影響を受けな
いブレーキ操作力Fの検出値に基づいて制御するという
ことは、増圧制御の前後を問わず、そのブレーキ操作力
Fの検出値に基づき、増圧制御が行われなかった場合の
マスタシリンダ液圧PM を想定可能であることを意味す
る。これに対して、本実施形態におけるように、増圧装
置60を、増圧制御の影響を受け得る物理量であるマス
タシリンダ液圧PM の検出値に基づいて制御するという
ことは、増圧開始前にあっては、そのマスタシリンダ液
圧PM の検出値を、ブレーキ操作力Fに相当する値とし
て用いることは可能であるが、増圧開始後にあっては、
ブレーキ操作力Fに相当する値として用いることはでき
ないことを意味する。しかし、増圧開始後において、増
圧制御の影響を受けたマスタシリンダ液圧PM の検出値
と、増圧制御が行われなかったと仮定した場合のマスタ
シリンダ液圧PM との間に一定の関係が成立する。そこ
で、本実施形態においては、その関係を利用することに
より、マスタシリンダ液圧PM の検出値により、増圧制
御が行われなかった場合のマスタシリンダ液圧PMが想
定され、その想定値を基準にして目標加圧量ΔPが決定
される。
【0084】ところで、マスタシリンダ液圧センサ35
0には、検出すべき圧力が、ダンピング特性を有する作
動液により伝達されるため、マスタシリンダ液圧センサ
350は、ダンピング状態で圧力を検出することができ
るのに対し、ブレーキ操作力センサ204は、特別な対
策を講じない限り、ダンピング状態でブレーキ操作力を
検出することができない。そのため、マスタシリンダ液
圧センサ350は、外乱である振動が排除されるように
圧力を適度になまして検出することが容易であるのに対
し、ブレーキ操作力センサ240は、そのようにブレー
キ操作力を適度になまして検出することが困難である。
したがって、本実施形態においては、ブレーキ操作力関
連量センサとしてマスタシリンダ液圧センサ350が用
いられているため、運転者がブレーキに対して意図する
ことを、ブレーキ操作力センサ240におけるより精度
よく検出可能となる。
【0085】また、車両に搭載される他のセンサと同
様、マスタシリンダ液圧センサ350も、各回の車両走
行において最初に効き特性制御が開始されるのに先立
ち、プライマリチェックを行うことが望ましい。また、
そのプライマリチェックには、断線,短絡等、静的なチ
ェックのみならず、検出すべき物理量の実際値と検出値
との関係をチェックする、いわゆる動的なチェックも含
まれる。しかし、本実施形態におけるとは異なり、マス
タシリンダ14の下流側においてそのマスタシリンダ液
圧を増圧する形式のブレーキ装置においては、ブレーキ
操作中でない限り、マスタシリンダ液圧を発生させるこ
とができないため、動的なチェックは不可能である。こ
れに対して、本実施形態においては、マスタシリンダ1
4の第1加圧ピストン32をそれの背後から加圧可能な
形式のブレーキ装置であるため、ブレーキ操作中でなく
てもマスタシリンダ14を加圧可能となり、よって、マ
スタシリンダ液圧センサ350に対する動的チェックを
実行可能となる。
【0086】また、本実施形態においては、マスタシリ
ンダ液圧センサ350が設けられ、一方、本実施形態に
おいては、マスタシリンダ液圧とブレーキシリンダ液圧
とが互いにほぼ等しい。したがって、本実施形態によれ
ば、マスタシリンダ液圧センサ350によりブレーキシ
リンダ液圧も検出可能となり、ブレーキシリンダ液圧を
検出することができないブレーキ装置に比較して、ブレ
ーキシリンダ液圧の制御精度を容易に向上させ得る。
【0087】次に、本発明の第6実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は、第1実施形態と共通する要素が
多く、異なるのは増圧装置についてのみであるため、増
圧装置についてのみ詳細に説明し、他の要素については
同一の符号を使用することによって詳細な説明を省略す
る。
【0088】第1実施形態においては、増圧装置64
が、駆動源としてポンプモータ68を用いることにより
増圧用ポンプ66(液圧ポンプ)を駆動することによっ
て後方加圧室50を加圧するものとされている。これに
対して、本実施形態においては、図25に示すように、
増圧装置370が、駆動源として自動車のエンジンの吸
気管(負圧源)を用いることによりバキュームポンプ3
74にポンピング作動を行わせることによって後方加圧
室50を加圧するものとされている。
【0089】バキュームポンプ374は、ハウジング3
76を備えている。そのハウジング376の内部には、
大径部378と小径部380とが同軸に接続された段付
き円筒穴が形成されている。小径部380にはプランジ
ャ382が実質的に気密にかつ摺動可能に嵌合されてい
る。それにより、小径部380内においてプランジャ3
82の前方に、作動液を収容するポンプ室384が形成
されている。ポンプ室384は前記後方加圧室50とリ
ザーバ58とに接続されている。ただし、後方加圧室5
0には吐出弁386を経て、リザーバ58には吸入弁3
88を経てそれぞれ接続されている。吐出弁386は、
ポンプ室384から後方加圧室50へ向かう作動液の流
れは許容するが、その逆向きの流れは阻止する逆止弁に
より構成され、一方、吸入弁388は、リザーバ58か
らポンプ室384へ向かう作動液の流れは許容するが、
その逆向きの流れは阻止する逆止弁により構成されてい
る。したがって、ポンプ室384の容積が減少すれば、
作動液が後方加圧室50にのみ吐出され、増加すれば、
作動液がリザーバ58からのみ吸入されることになる。
【0090】上記大径部378内の空間はダイヤフラム
390によって2つに仕切られている。3方弁391に
接続された変圧室392と、大気に連通した大気室39
4とに仕切られているのである。ダイヤフラム390
は、それの外周において大径部378に気密に装着され
る一方、それの内周において、プランジャ382のうち
小径部380から突出させられた突出部396に気密に
装着されている。変圧室392には、プランジャ382
およびダイヤフラム390を図示の初期位置に向かって
付勢するリターンスプリング398が配設されている。
【0091】プランジャ382の突出部396にそれの
先端から延びるガイド穴400が形成される一方、その
ガイド穴400に摺動可能に嵌合するガイド軸402が
ハウジング376に固定されることにより、プランジャ
382が軸方向にガイドされている。そのガイドのため
に大径部378内の空間が有効に利用されているのであ
り、その結果、バキュームポンプ374全体の軸方向寸
法ができる限り短くされている。
【0092】上記3方弁391は、第1ないし第3ポー
ト410,412,414を備えている。3方弁391
は、それのソレノイド416(図26参照)が励磁され
ない状態では、第1ポート410が第2ポート412に
連通する一方、第3ポート414から遮断される第1状
態にあり、励磁されると、第1ポート410が第3ポー
ト414に連通する一方、第2ポート412から遮断さ
れる第2状態に切り換わる。そして、3方弁391は、
第1ポート410において前記変圧室392、第2ポー
ト412において大気、第3ポート414において前記
吸気管(図において「I/MF」で表す。)にそれぞれ
接続されている。したがって、3方弁391の第1状態
においては、変圧室392に大気圧が導入され、その結
果、プランジャ382が後退方向(ポンプ室384の容
積が増加する方向)に付勢され、一方、第2状態におい
ては、変圧室392に吸気管から負圧が導入され、その
結果、プランジャ382が前進方向(ポンプ室384の
容積が減少する方向)に付勢される。そして、3方弁3
91は、後に詳述するように、効き特性制御時には、そ
れのソレノイド416がON状態とOFF状態とに交互
に切り換えられ、その結果、変圧室392に大気圧が導
入される状態と負圧が導入される状態とが交互に切り換
えられる。プランジャ382は、ダイヤフラム390の
前後における差圧に基づいて作動させられるため、ソレ
ノイド416の第1状態ではプランジャ382が後退さ
せられ、それにより、作動液がリザーバ58からポンプ
室384に吸入され、一方、第2状態では、プランジャ
382が前進させられ、それにより、作動液がポンプ室
384から後方加圧室50に吐出される。
【0093】以上のようにしてバキュームポンプ374
がポンピング作動をさせられるのであり、その結果、後
方加圧室50が間欠的に昇圧される。
【0094】すなわち、本実施形態においては、ハウジ
ング376とプランジャ382とポンプ室384とダイ
ヤフラム390と3方弁391と吐出弁386および吸
入弁388とによりバキュームポンプ374が構成され
ているのである。
【0095】このバキュームポンプ374においては、
プランジャ382の一端部は、入力部としてダイヤフラ
ム390が装着される一方、他端部は、出力部としてポ
ンプ室384に収容されている。このように、このバキ
ュームポンプ374においては、一部材であるプランジ
ャ382が入力と出力との双方に関与しているのであ
り、よって、互いに異なる部材が入力と出力とにそれぞ
れ関与する形式のバキュームポンプに比較して、構造簡
単化および小形化をより容易に実現し得る。
【0096】増圧装置370は、さらに、カット弁42
0を備えている。カット弁420は、後方加圧室50と
リザーバ58とにバキュームポンプ374をバイパスす
る状態で接続されている。カット弁420は、ソレノイ
ド422を有する常閉かつ電磁式の開閉弁である。
【0097】それらカット弁420および3方弁391
は、図26に示すように、ECU430により制御され
る。ECU430の基本的な構成は第1実施形態におけ
るECU200と共通する。
【0098】ECU430のコンピュータのROMに
は、効き特性制御ルーチンとアンチロック制御ルーチン
とが記憶されている。効き特性制御ルーチンは、第1実
施形態における効き特性制御ルーチンのS1およびS2
と共通するステップと、S3およびS4に相当するが共
通ではないステップとを含んでいる。本実施形態におけ
る効き特性制御ルーチンのうちS3に相当するステッ
プ、すなわち、増圧制御ルーチンは図27に、S4に相
当するステップ、すなわち、終了処理ルーチンは図28
にそれぞれフローチャートで表されている。また、アン
チロック制御ルーチンは、第1実施形態におけるアンチ
ロック制御ルーチンと共通とされている。
【0099】増圧制御ルーチンが実行されると、図27
に示すように、まず、S401において、カット弁42
0のソレノイド422にそれをONにする信号が出力さ
れる。それにより、カット弁420が開状態から閉状態
に切り換えられ、その結果、後方加圧室50が昇圧可能
とされる。次に、S402において、3方弁391のソ
レノイド416をON状態とOFF状態とに交互に切り
換えるON−OFF制御が行われる。これにより、バキ
ュームポンプ374のポンピング作動により後方加圧室
50が昇圧される。以上で本ルーチンの一回の実行が終
了する。
【0100】これに対して、終了処理ルーチンが実行さ
れると、図28に示すように、まず、S411におい
て、カット弁420のソレノイド422にそれをOFF
にする信号が出力され、それにより、カット弁420が
開状態に復帰させられる。その結果、後方加圧室50と
リザーバ58との間における作動液の双方向の流れが許
容される。次に、S412において、3方弁391のソ
レノイド416にそれをOFFにする信号が出力され、
それにより、3方弁391が第1状態で停止させられ
る。これにより、後方加圧室50の昇圧が終了させられ
る。以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0101】図29には、バキュームポンプ374によ
りブレーキシリンダ液圧PB が増圧される様子がグラフ
で示されている。本実施形態においては、ブレーキ操作
力Fが基準値FTHに到達して増圧開始条件が成立する
と、一定量ΔPでブレーキシリンダ液圧PB が増圧され
る。その結果、同じブレーキ操作力Fに対応するブレー
キシリンダ液圧PB が、増圧制御が開始されない場合よ
り高くなり、ひいては、車体減速度Gも高くなる。した
がって、ブレーキの効きが向上するとともに、ブースタ
12の助勢限界時の車体減速度Gが増加する結果、ブー
スタ12の倍力性能がみかけ上向上する。
【0102】図30には、上記ブレーキ装置を設計する
際に満たすべき仕様の一例がグラフで示されている。こ
のグラフには、ブレーキペダル10の操作ストロークS
P と車体減速度Gとの関係が示されている。その関係
は、増圧開始条件が成立した後には、操作ストロークS
P が15〔mm〕操作されることに応答して車体減速度
Gが0.3〔G〕増加することを示している。このグラ
フには、さらに、操作ストロークSP が15〔mm〕増
加することが後方加圧室50の容積Qが1〔cc〕増加
することに対応することと、車体減速度Gが0.3
〔G〕増加することがブレーキシリンダ液圧PB が3
〔MPa〕増圧されることに対応することも示されてい
る。
【0103】ここで、第1加圧ピストン32が後方加圧
室50の液圧を受ける面積の、マスタシリンダ14の各
加圧ピストン32,34が各加圧室36,38の液圧を
受ける面積に対する比率を0.6とすると、ブレーキシ
リンダ液圧PB の増圧量ΔPを3〔MPa〕とするため
には、後方加圧室50の液圧の加圧量ΔPを5〔MP
a〕とすることが必要となる。また、ここで、バキュー
ムポンプ374のプランジャ382の直径をφ7〔m
m〕、ダイヤフラム396の直径をφ70〔mm〕とす
ると、負圧源の負圧が400〔mmHg〕程度であると
き、後方加圧室50に5〔MPa〕の液圧を発生可能と
なる。また、このとき、ポンプ室384から後方加圧室
50から作動液を1〔cc〕吐出させるためには、プラ
ンジャ382を26〔mm〕ストロークさせることが必
要である。したがって、バキュームポンプ374は、全
体として直径がφ80〔mm〕程度、軸方向長さが70
〔mm〕程度となる。
【0104】ここで、ブースタ12のハウジングのうち
変圧室および定圧室を形成する円筒状部の直径は8〔i
nch〕、厚さは80〔mm〕であるとすると、本実施
形態によるブレーキ特性と、本実施形態から効き特性制
御装置を取り外した場合のブレーキ特性とを比較する
と、図31にグラフで示すようになる。そして、本実施
形態によるブレーキ特性を、増圧装置370を有せず、
ブースタ12のみによってブレーキ操作力Fを助勢する
従来のブレーキ装置により、本実施形態と同じ程度の助
勢限界を実現しようとすると、ブースタ12の上記円筒
状部の直径は10〔inch〕、厚さは80〔mm〕と
なる。ここで、本実施形態におけるブースタ12の容積
とバキュームポンプ374の容積との和と、従来のブレ
ーキ装置であって本実施形態と同じ助勢限界を実現する
もののブースタ12の容積とを比較すると、本実施形態
における方が従来のブレーキ装置におけるより小さい。
このことは、ブレーキ装置を車両に搭載する際に必要な
スペースを小さくし得ることを意味する。
【0105】したがって、本実施形態によれば、ブース
タ12の助勢限界の増加をそのブースタ12とは別の増
圧装置370により行うことにより、ブレーキ装置全体
のサイズが小形化されるという効果と、ブースタ12が
故障しても増圧装置370が故障しない限り、ブレーキ
操作力Fを助勢することが可能となって、ブレーキ操作
の信頼性が向上するという効果とが得られるのである。
【0106】なお付言すれば、本実施形態においては、
効き特性制御時には、ブレーキシリンダ液圧PB が一定
量ΔPで増圧されるようになっているが、第1実施形態
におけると同様に、可変の増圧量で増圧されるようにす
ることができる。そして、その増圧量を可変にする技術
としては例えば、3方弁391のソレノイド416をO
N状態とOFF状態とに交互に切り換える時間比率、す
なわち、デューティ比を変化させる技術や、効き特性制
御中にカット弁420のソレノイド422をON状態と
OFF状態とに交互に切り換えるとともに、そのソレノ
イド422のデューティ比を変化させる技術を採用する
ことが可能である。
【0107】さらに付言すれば、プランジャ382の一
回のストロークによってポンプ室384から後方加圧室
50に吐出される作動液によってその後方加圧室50が
加圧される量ΔPが予測可能であることに着目し、効き
特性制御時に、ブレーキシリンダ液圧PB の増圧量を、
プランジャ382のストローク回数に応じて変化させる
ようにすることも可能である。
【0108】以上、本発明の実施の形態のいくつかを図
面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、
本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解
決手段および発明の効果〕の項に記載された態様を始め
として、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施
した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるブレーキ装置の機
械的構成を示す系統図である。
【図2】図1における圧力制御弁を拡大して示す断面図
である。
【図3】図2の圧力制御弁におけるソレノイド電流値I
とソレノイド吸引力F1 との関係を示すグラフである。
【図4】前記ブレーキ装置の電気的構成を示すブロック
図である。
【図5】図4のECUのコンピュータにより実行される
効き特性制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図5におけるS3の詳細を増圧制御ルーチンと
して示すフローチャートである。
【図7】その増圧制御ルーチンにおけるブレーキ操作力
Fと目標加圧量ΔPとの関係を示すグラフである。
【図8】その増圧制御ルーチンにおける目標加圧量ΔP
とソレノイド吸引力F1 とソレノイド電流値Iとの関係
を示すグラフである。
【図9】図5におけるS4の詳細を終了処理ルーチンと
して示すフローチャートである。
【図10】前記ブレーキ装置の効き特性制御の効果を示
すグラフである。
【図11】本発明の第2実施形態であるブレーキ装置の
機械的構成を示す系統図である。
【図12】そのブレーキ装置の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図13】図12におけるECUのコンピュータにより
実行される増圧制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図14】図12におけるECUのコンピュータにより
実行される終了処理ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図15】本発明の第3実施形態であるブレーキ装置の
機械的構成を示す系統図である。
【図16】そのブレーキ装置の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図17】図16におけるECUのコンピュータにより
実行される増圧制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図18】図16におけるECUのコンピュータにより
実行される終了処理ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図19】本発明の第4実施形態であるブレーキ装置の
機械的構成を示す系統図である。
【図20】そのブレーキ装置の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図21】図20におけるECUのコンピュータにより
実行される増圧制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図22】図20におけるECUのコンピュータにより
実行される終了処理ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図23】本発明の第5実施形態であるブレーキ装置の
電気的構成を示すブロック図である。
【図24】図23におけるECUのコンピュータにより
実行される効き特性制御ルーチンを示すフローチャート
である。
【図25】本発明の第6実施形態であるブレーキ装置の
機械的構成を示す系統図である。
【図26】そのブレーキ装置の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図27】図26におけるECUのコンピュータにより
実行される増圧制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図28】図26におけるECUのコンピュータにより
実行される終了処理ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図29】そのブレーキ装置による増圧制御の内容を説
明するためのグラフである。
【図30】そのブレーキ装置を設計する際の一仕様を説
明するためのグラフである。
【図31】図30に示す一設計仕様を満たすように設計
されたブレーキ装置の作動を説明するためのグラフであ
る。
【符号の説明】
10 ブレーキペダル 12 バキュームブースタ 14,220 マスタシリンダ 20 ハウジング 32,34 第1および第2加圧ピストン 36,38 前方加圧室 50 後方加圧室 64,230,260,300,370 増圧装置 90 ブレーキ 92 ブレーキシリンダ 200,242,268,318,352,430 電
子制御ユニットECU 374 バキュームポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−303967(JP,A) 特開 昭52−4969(JP,A) 特開 平10−35477(JP,A) 特開 昭52−13073(JP,A) 特開 昭52−77986(JP,A) 特開 平10−152041(JP,A) 特開 昭51−144878(JP,A) 特開 昭62−225454(JP,A) 実開 平2−25359(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 13/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキ操作部材と、負圧源を駆動源とし、 そのブレーキ操作部材の操作力を
    倍力するブースタであって、その負圧源の負圧の高さの
    変動に伴って、助勢限界に到達したときの前記ブレーキ
    操作部材の操作力である助勢限界操作力の大きさが変動
    するバキュームブースタと、 そのバキュームブースタの作動力を背後に受けて前進さ
    せられる加圧ピストンがハウジングに実質的に液密かつ
    摺動可能に嵌合されることにより、加圧ピストンの前後
    にそれぞれ前方加圧室と後方加圧室とが形成され、加圧
    ピストンの前進によってその前方加圧室に液圧が発生さ
    せられるマスタシリンダと、 そのマスタシリンダにおける前方加圧室に液通路を経て
    接続されたブレーキシリンダを有して車輪の回転を抑制
    するブレーキと、前記ブレーキ操作部材の操作力が、前記負圧源の負圧の
    実際値がそれの変動予想範囲における下限値に等しいと
    仮定した場合に前記バキュームブースタが助勢限界に到
    達するときの前記助勢限界操作力に到達したときに 増圧
    開始条件が成立したとして、前記後方加圧室に圧力を発
    生させることにより、その増圧開始条件が成立しない場
    合における前記ブレーキシリンダの液圧より高い液圧を
    そのブレーキシリンダに発生させて、そのバキュームブ
    ースタが助勢限界に到達したことに起因してブレーキの
    効きが低下することを抑制する増圧装置とを含むブレー
    キ装置。
  2. 【請求項2】前記マスタシリンダが、前記ハウジング内
    に前記加圧ピストンが2個、互いに直列に配置され、そ
    れにより、前記前方加圧室が2個、互いに直列に形成さ
    れた請求項に記載のブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記増圧装置が、(a) 前記ブレーキ操作部
    材の操作力に関連するブレーキ操作力関連量を検出する
    ブレーキ操作力関連量センサと、(b) 電気的に作動させ
    られて前記後方加圧室に圧力を発生させるとともにその
    高さを制御する圧力発生・制御装置と、(c) 前記ブレー
    キ操作力関連量と前記後方加圧室に発生させるべき目標
    圧力との間において予め定められた関係に従い、前記ブ
    レーキ操作力関連量センサにより検出されたブレーキ操
    作力関連量に応じた目標圧力を決定し、決定した目標圧
    力が実現されるように前記圧力発生・制御装置を制御す
    るコントローラとを含む請求項1または2に記載のブレ
    ーキ装置。
  4. 【請求項4】前記増圧装置が、アキュムレータを用いる
    ことなく、吐出側において前記後方加圧室に接続された
    液圧ポンプを用いることにより、後方加圧室に圧力を発
    生させるものである請求項1ないし3のいずれかに記載
    のブレーキ装置。
  5. 【請求項5】前記前方加圧室と前記ブレーキシリンダと
    が、前記液圧ポンプの作動時に、それら前方加圧室とブ
    レーキシリンダとが互いに遮断し続けられない状態で接
    続される請求項に記載のブレーキ装置。
  6. 【請求項6】前記増圧装置が、前記負圧源を駆動源とし
    て前記後方加圧室に圧力を発生させるバキュームポンプ
    を含む請求項1ないし5のいずれかに記載のブレーキ装
    置。
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