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JP3500518B2 - 金合金極細線の製造方法 - Google Patents
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JP3500518B2 - 金合金極細線の製造方法 - Google Patents

金合金極細線の製造方法

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JP3500518B2
JP3500518B2 JP22902095A JP22902095A JP3500518B2 JP 3500518 B2 JP3500518 B2 JP 3500518B2 JP 22902095 A JP22902095 A JP 22902095A JP 22902095 A JP22902095 A JP 22902095A JP 3500518 B2 JP3500518 B2 JP 3500518B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICチップ電極と
外部リードとを接続するために使用される半導体装置用
金合金極細線の製造方法に関し、詳しくは、半導体装置
の金合金極細線のショート防止及び耐振動性に有用な半
導体装置用金合金極細線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ICチップ等の半導体チップの電極と外
部リードとを接続する方法として、一般には直径0.0
1〜0.1mmの金合金極細線(ボンディングワイヤ)
で接続するワイヤボンディング方法が用いられている。
前記ワイヤボンディング方法は、ICチップ等の半導体
チップの電極面に金合金細線の先端を第1ボンディング
し、該金合金極細線をループ状に配線した後、外部リー
ド上に第2ボンディングするものである。この種のワイ
ヤボンディング方法は簡単な装置によって量産出来る方
法であるが、ループ状に配線された時、金合金極細線が
配線方向に対して左右に曲がり隣同士の極細線が接触し
てショートを起こしたり、振動によって金合金極細線が
断線するという問題がある。これらの問題に対応する方
法として、従来から、高純度金に1〜100重量ppm
という微量の元素を含有させた金合金極細線として対応
する方法が用いられている。
【0003】一方、近年ICはより一層の高機能化、高
集積化が行われ、電極数が増加している。これに対応す
るため、前記ワイヤボンディング法のループ形成におい
て、長いループ(長ループ)で且つ配線密度が高くなっ
て来た。このため、前記金合金極細線(ループ)が配線
方向に対して左右に曲る許容量をさらに小さくして、上
記したショートの防止に対応する必要性が生じて来た
が、前記微量の元素を含有させるだけの手段ではこのよ
うな要求に十分に対応出来なくなって来た。
【0004】前記要求への対応方法として、特開平6−
61292号公報には、金合金線をパーフロロ3級アミ
ン等を含有した処理液に浸積して効率良く冷却すること
により、ループ異常等のトラブルの回避を図った冷却装
置が提案されている。該方法は、スプールに巻き取られ
た金合金極細線の巻きほどき性を良好にして、ループ異
常の発生を防止するために効果的であることが開示され
ている。しかし乍ら該方法では、金合金極細線材質に起
因する本質的なループ曲がりを小さくすることに未だ不
十分である。
【0005】また、上記した2番目の問題である振動に
よる金合金極細線の断線を防止するという点は、近年益
々その信頼性を求められている。前述の如く、従来にお
いては前記断線を防止する方法として、高純度金に1〜
100重量ppmという微量の元素を含有させた金合金
細線が用いられている。例えば特開平5−179375
号には、高純度金に微量のAlやCa等を含有させて振
動による断線を抑制することが提案されている。しかし
乍ら、振動による断線を防止することに対して、前記高
純度金に微量の元素を含有させるだけでは未だ不十分
で、これに加えて更なる信頼性の向上が求められてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ICチップ
等の半導体チップの電極と外部リードとを金合金極細線
で配線する際、長ループで且つ配線密度が高くなった場
合においても、金合金極細線が配線方向に対して左右方
向に曲がる量(ループ曲がり量)を小さくして隣同士の
金合金極細線が接触してショートを起こすことを効果的
に防止することが出来ると共に、振動によって金合金極
細線が断線する程度を低減して信頼性を向上することが
出来る半導体装置用金合金極細線の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討を
行った結果、金合金極細線の中心部と外周部が均質であ
るものが前記課題に対して効果的であることを見出し、
本発明に至った。その要旨とするところは次の通りであ
る。
【0008】すなわち本願第1発明は、金合金を溶解、
鋳造して鋳塊を得る工程と、前記鋳塊に粗加工を施した
後、ダイスを用いて伸線加工する工程と、次いで焼鈍処
理する工程を備える半導体装置用金合金極細線の製造方
法において、前記伸線加工用ダイスのアプローチ角度が
3〜7度又は8〜15度であることを特徴とする。また
本願第2発明は、上記鋳塊を得る工程が、溶解した金合
金の溶湯をルツボ内で下端から冷却して凝固させる工程
であることを特徴とする。さらに本願第3発明は、上記
焼鈍処理する工程後に得られた金合金極細線の中心部と
外周部の硬度比が、0.9〜1.0であることを特徴と
する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る半導体装置用
金合金極細線の製造方法について詳細に説明する。本発
明に用いる金合金は、半導体装置用金合金極細線として
通常用いられる金合金組成のものが適用出来る。本発明
方法の概要について述べれば、まず金合金を溶解、鋳造
してインゴット(鋳塊)を製造し、そのインゴットに溝
ロール圧延等の粗加工を施した後伸線加工を施して所定
の線径に加工し、さらに所定の伸び率になるように焼鈍
処理を施して金合金極細線を製造するものである。
【0010】本発明においては、金合金を溶解、鋳造し
て鋳塊を得る工程において、該鋳造時にチル層が生成す
ることを抑制したインゴットが好ましく用いられる。該
インゴットを出発材料とすることにより、焼鈍した後に
金合金極細線の中心部と外周部がより均質な金合金極細
線が得られ、本発明の課題である配線の曲がり(ループ
曲がり)及び振動による断線防止に極めて優れた効果を
有するようになるため好ましく用いられる。前記チル層
の生成を抑制したインゴットを得る方法の一例を、図2
(a)を用いて説明する。図中の符号11は金合金溶
湯、12はルツボ、13は高周波加熱コイルを示す。ま
ず、高周波加熱コイル13を用いて、ルツボ12内で金
合金を溶解しその溶湯11を得る。次いで、高周波加熱
コイル13を該ルツボ12の下端から所定の速度で上方
に移動して、前記ルツボ12内で溶湯11を凝固させる
ようにする。前記溶湯11を凝固させる際の凝固速度と
して80mm/分以下、さらに好ましくは50mm/分
以下にする。このようにして、金合金溶湯11をルツボ
12内で下端から冷却して凝固させることにより、イン
ゴット表面部にチル層が生成することを抑制出来るよう
になって好ましい。ここで、ルツボ12の内面形状は、
ルツボ12内で凝固させたインゴットが溝ロール圧延等
の粗加工に供し易い形状であれば良い。ルツボ12内面
が、断面径辺の2倍より長いインゴットが得られる形状
であることが好ましく、さらに好ましくは円筒形であ
る。またルツボ材質としては黒鉛が好ましく用いられ
る。
【0011】これに対して、通常用いられているインゴ
ットを得る方法である連続鋳造法を、図2(b)を用い
て説明する。図中の符号11は金合金溶湯、14はタン
ディッシュ、15は黒鉛鋳型、16は黒鉛鋳型冷却用水
冷パイプ、17は凝固したインゴット、矢印はインゴッ
ト引抜き方向である。まず、金合金溶湯11をタンディ
ッシュ14を用いて量を調整しつつ、黒鉛鋳型15に注
入する。黒鉛鋳型15は水冷パイプ16を接触させて冷
却されている。このため、金合金溶湯11は黒鉛鋳型1
5により強制冷却されて凝固し、矢印方向に引き抜かれ
る。従来、半導体装置用金合金極細線の製造においてイ
ンゴットを得る方法としては、生産性を考慮し、早い生
産速度が得られる図2(b)の連続鋳造法が一般的であ
る。該方法は鋳型材質として黒鉛や銅等を用い、300
mm/分以上の速度で溶湯11を凝固させている。この
ようにすると、溶湯11を鋳型15で強制冷却するため
に、インゴット17の表面部分にチル層が生成する。図
2(a)に示す如く溶湯11をルツボ12内で下端から
冷却して凝固させたインゴットを用いる方が、内面(中
心部)と外面(外周部)で差異の小さい均質な金合金極
細線を製造するために好ましいインゴットの組織になっ
ていると考えられる。
【0012】本発明になる金合金極細線の製造方法は、
鋳造工程で得られたインゴットを粗加工した後、直径
0.01〜0.1mmの極細線になるまで伸線加工が施
される。極細線の直径として最も一般的には0.02〜
0.05mmである。インゴットの粗加工としては、溝
ロール圧延方法が好ましく用いられる。
【0013】前記金合金極細線を伸線加工するに際し
て、従来から重要視されていることは、極細線であるが
ゆえに断線し易いため、この断線回数を少なくして生産
能率を上げることである。これの対応方法として従来に
おいては、ダイス引抜き力が極小になる様、伸線加工用
ダイスのアプローチ角度を7.5±0.2度に設定し
て、断線を抑制して生産能率の向上を図ってきた。ここ
で伸線加工用のダイスについて、その断面形状を図1を
用いて説明する。図中の符号1は伸線加工前の線、2は
伸線加工後の線、3は伸線加工用ダイス、4はダイスの
アプローチ部、5はダイスのベアリング部、αはアプロ
ーチ角度である。伸線加工される線はアプローチ部4で
減面され、ベアリング部5で線の形状を整えている。本
発明でいうアプローチ角度αは図1に示す通り、ダイス
軸線と平行な基準線Lに対する傾斜角度であり、実際の
ダイス3の傾斜角度の半角で表示している。
【0014】前記アプローチ角度αと金合金線の引抜き
力の関係を図5に示す。横軸はアプローチ角度α、縦軸
は引抜き力を示す。図5から明らかな様に、アプローチ
角度αが7.5度において引抜き力が極小になる。前記
状況に対して、本発明においては前記アプローチ角度α
を3.0〜7.0度又は8.0〜15.0度に設定する
ことが必要である。伸線加工ダイスのアプローチ角度α
を本発明になる前記角度とした場合、次の工程である焼
鈍工程を経た後の金合金極細線は、半導体装置の配線に
用いた場合、左右方向に曲がる量を小さく出来ると共
に、振動によって金合金極細線が断線する程度を低減出
来るという優れた効果を有するようになってくる。さら
に好ましいアプローチ角度αは4.0〜7.0度又は
8.0〜12.5度である。この角度の時、焼鈍工程を
経た後の金合金極細線は、前記本発明の課題に対してさ
らに優れた効果を有するようになってくる。
【0015】また前記アプローチ角度αが3.0度未満
及び15.0度を越える時、断線回数が著しく増えるた
め、本発明のアプローチ角度αの下限値を3.0度、上
限値を15.0度とした。またアプローチ角度αが、従
来用いていた7.5±0.2度を含む7.1〜7.9度
の時、焼鈍工程を経た後の金合金極細線は、配線時に左
右方向に曲がる量が大きく、且つ振動によって金合金極
細線が断線し易い。このためアプローチ角度αを前記範
囲に定めた。
【0016】さらに、鋳塊を得る工程がルツボ内で下端
から冷却して凝固させる工程であり、これにより得られ
たインゴットを用いると、伸線加工時の断線回数を少な
く出来ると共に、本発明の課題であるループ状に配線し
た金合金細線の左右方向の曲がりと振動による断線に対
して、一段と優れた効果を示す様になる。
【0017】上記のようにして伸線加工された金合金極
細線は、調質のために焼鈍が施される。通常は4%の伸
び率になる様に焼鈍が施される。焼鈍方法としては、炉
内に極細線の一端から順次通線して焼鈍する連続焼鈍方
式が好ましい。本発明の焼鈍温度としては350〜65
0℃が金合金の種類に応じて用いられる。また炉内滞留
時間としては0.4〜3.0秒が好ましく用いられる。
【0018】本発明の方法、すなわち上記アプローチ角
度αを3.0〜7.0度又は8.0〜15.0度に設定
した伸線加工用ダイスを用いて伸線加工することによ
り、またさらに好ましくはルツボ内で下端から冷却して
凝固させる工程で得られたインゴットを用いることによ
り、下記式で示す焼鈍後の金合金極細線の中心部と外周
部の硬度比が1.0に近い値となる。このような金合金
極細線の中心部と外周部の均質性が、本発明の課題に対
して優れた効果を示すようになると考えられる。該硬度
比は0.9〜1.0の範囲とすることが好ましい。
【0019】ここで本発明になる硬度比を、図3を用い
て説明する。図3は上記焼鈍を施された後の金合金極細
線の縦割り状態を示す。図中に○印で示す極細線の中心
部と、×印で示す極細線の外周部とを各5点づつ硬度測
定して、前記中心部と外周部の硬度の平均値を求め、さ
らに次式<数1>から硬度比を求める。
【数1】
【0020】而して、本発明の方法により得られた金合
金極細線が、本発明の課題に対して優れた効果を示す理
由は明らかではないが、前記金合金極細線の中心部と外
周部の均質性が向上するようになることが、半導体装置
に配線する際、複雑な歪みを内蔵することがないためル
ープ曲がりを小さくし、さらに振動を受ける環境に晒さ
れたとき金合金極細線の表面部に弱い箇所が生じにくく
なるため振動に対して強い金合金極細線が得られるよう
になったものと考えられる。
【0021】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明する。 (実施例1)5重量ppmのBeを含有し、残部が5N
(99.999 wt%)の高純度金である金合金を内径30m
m、長さ300mmの黒鉛ルツボ内で高周波加熱により
溶解した。次いで高周波加熱コイルを該ルツボの下端か
ら50mm/分の速度で上方に移動して、前記ルツボ内
で溶湯を冷却,凝固させてインゴットに鋳造した。該イ
ンゴットを溝ロールにて圧延した後、伸線加工を行い、
直径25μmの金合金極細線に仕上げた。伸線加工に用
いたダイスはアプローチ角度3度のものを用いた。該極
細線を伸び率4%となる様に焼鈍炉に通線して焼鈍し
た。この間、伸線加工時の単位重量当りの断線回数を計
測した。焼鈍後の極細線を用いて、硬度比、ループ曲り
量、破断迄の振動回数を測定した。前記した製造条件及
び測定結果を表1〜表2に示す。
【0022】測定方法は以下の通りとした。 (硬度比)前述の如く、図3中に○印で示す極細線の中
心部と、×印で示す極細線の外周部とを各5点づつ硬度
測定して、前記中心部と外周部の硬度の平均値を求め、
さらに上記式<数1>から硬度比を求める。極細線の長
さ方向10箇所で前記硬度比を求め、その平均値を測定
値とした。 (ループ曲がり量)ループ形成方法は新川社製の50型
ボンダーを用いて、ICチップ電極と外部端子間でワイ
ヤボンディングを行った。ICチップ電極上に最初のボ
ール接合を行った後、ループ形成と逆方向にキャピラリ
ーを一旦動かし、リバース変形を行い、その後、正規の
ループを形成した。ボンディング条件はループ高さ:2
00μm、チップ電極と外部端子間を5mmとした。こ
のようにしてループ形成を行い、チップ電極と外部端子
の接続点を結んだ直線から左右にループが最も離れた距
離を測定し、100個の平均値をループ曲がり量とし
た。 (破断迄の振動回数)試験方法の概要を図4に示す。銀
めっきしたリードフレーム(5mm×5mm)21上に
10cm長さの金合金極細線22をボールボンディング
して振動試験の材料とした。振動試験機械23を用い、
前記極細線22をクランプ24で保持し、軸25を中心
に左右両側へ振動させる振動試験を次の条件で行い、破
断に至る迄の振動回数を測定した。 スパン距離(L1 ):150μm 両側振幅 L2 :26μm 振動周波数:40Hz(1秒間に40回) 同様の試験を3回繰り返し、得られた平均値を破断迄の
振動回数として表示した。
【0023】(実施例2〜14/比較例1〜9)製造条
件として金合金の種類、鋳造工程における凝固方式と凝
固速度、伸線工程におけるダイスアプローチ角度を表1
中に記載の様にしたこと以外は実施例1と同様にして金
合金極細線を製造し、測定を行った。製造条件及び測定
結果を表1〜表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】以上の測定結果から、ダイスアプローチ角
度αが本発明の範囲である実施例1〜14と、従来の角
度(7.5±0.2度)である比較例3,6,8との対
比から、以下のことが判る。ルツボ内凝固方式で得られ
たインゴットを用いた時、硬度比は比較例が0.77〜
0.78であるのに対し実施例では0.96〜0.98
へ向上し、ループ曲がり量は比較例が36μmであるの
に対し実施例では15〜18μmへ向上し、振動回数は
比較例が9.7〜9.8×103 であるのに対し実施例
では13.0×103 以上へ向上している。連続鋳造方
式で得られたインゴットを用いた時、硬度比は比較例が
0.55であるのに対し実施例では0.90〜0.91
へ向上し、ループ曲がり量は比較例が55μmであるの
に対し実施例では23〜24μmへ向上し、振動回数は
比較例が7.9×103 であるのに対し実施例では1
1.9〜12.1×103 以上へ向上している。
【0027】また、ダイスアプローチ角度αが本発明の
範囲と従来の角度との間にある比較例2,4,7,9
は、硬度比、ループ曲り量、振動回数において従来より
向上しているものの本発明実施例よりは劣り、本発明の
課題を満足し得ないことが判る。
【0028】さらに比較例1,5と本発明実施例との対
比から、硬度比が0.9〜1.0の範囲内にあっても、
ダイスアプローチ角度αが本発明の下限値に満たない若
しくは上限値を越える場合は、伸線加工時の断線回数が
従来に比べて10倍以上であり、実用に供し得ないこと
が確認できた。
【0029】また、実施例1,3,4,9〜11と実施
例12〜14との対比から、ダイスアプローチ角度αが
同じであっても、鋳塊を得る工程が溶湯をルツボ内で下
端から冷却して凝固させるルツボ内凝固方式を採用する
場合、ループ曲がり量はさらに小さくなり、振動試験に
よる破断回数がさらに増加するという優れた効果が生じ
てくることが判る。
【0030】尚、伸線加工時の断線回数について対比し
た場合、従来のダイスアプローチ角度である比較例3,
6,8に対して本発明実施例は同等若しくはやや劣るも
のの、実用に供し得ないものではなく、上記の如くそれ
に余りある効果が得られることを確認できた。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の金合金極
細線の製造方法は、金合金を溶解、鋳造して得られた鋳
塊に粗加工を施した後、アプローチ角度が3〜7度又は
8〜15度であるダイスを用いて伸線加工を施し、次い
で所定の伸び率になるよう焼鈍処理を施す新規な方法と
したので、焼鈍後の極細線の中心部と外周部の均質性が
向上し、半導体装置に配線する際、複雑な歪みを内蔵す
ることがないためループ曲がりを小さくし、さらに振動
を受ける環境に晒されたとき極細線の表面部に弱い箇所
が生じにくくなるため振動に対して強い金合金極細線が
得られる。従って、チップ電極と外部リードを配線する
際、長ループで且つ配線密度が高くなっても、隣同士の
極細線が接触してショートを起こすことを効果的に防止
出来ると共に、振動によって極細線が断線する程度を低
減して信頼性を向上することが出来、半導体装置の高機
能化、高集積化に有用な金合金極細線を製造し得る。
【0032】また、上記鋳塊を得る工程が、溶解した金
合金の溶湯をルツボ内で下端から冷却して凝固させる工
程である場合は、インゴット表面部にチル層が生成する
ことが抑制され、均質な金合金極細線を製造するために
より好ましいインゴットの組織になって、焼鈍工程後に
得られた極細線のループ曲がり量はさらに小さくなり、
振動試験による破断回数がさらに増加して、前述の効果
をより実効あるものとし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】伸線加工用ダイスによる伸線加工の概要を示す
断面図。
【図2】鋳塊を得る工程を示す断面図で、(a)はルツ
ボ内凝固方式、(b)は連続鋳造方式を表す。
【図3】金合金極細線の硬度比を測定する方法の概要を
示す断面図。
【図4】破断迄の振動回数の試験方法の概要を示す断面
図。
【図5】ダイスアプローチ角度と金合金線の引抜き力の
関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1:伸線加工前の金合金線 2:伸線加工後の金合金線 3:伸線加工用ダイス 4:アプローチ部 5:ベアリング部 α:アプローチ角度 11:金合金溶湯 12:ルツボ 13:高周波加熱コイル 14:タンディッシュ 15:鋳型 16:水冷パイプ 17:インゴット 21:リードフレーム 22:金合金極細線 23:振動試験機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−34934(JP,A) 特開 平6−154840(JP,A) 特開 平6−328124(JP,A) 特開 昭48−34060(JP,A) 特開 平4−210814(JP,A) 特開 昭63−299810(JP,A) 特開 平6−226328(JP,A) 特開 平6−277745(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/60 301 B21C 3/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金合金を溶解、鋳造して鋳塊を得る工程
    と、前記鋳塊に粗加工を施した後、伸線加工する工程
    と、次いで焼鈍処理する工程を備える半導体装置用金合
    金極細線の製造方法において、前記伸線加工用ダイスの
    アプローチ角度が3〜7度又は8〜15度であることを
    特徴とする半導体装置用金合金極細線の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記鋳塊を得る工程が、溶解した金合金
    の溶湯をルツボ内で下端から冷却して凝固させる工程で
    あることを特徴とする請求項1記載の半導体装置用金合
    金極細線の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記焼鈍処理する工程後に得られた金合
    金極細線の中心部と外周部の硬度比が0.9〜1.0で
    あることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導
    体装置用金合金極細線の製造方法。
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