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JP3501290B2 - 歯科用糊剤、糊剤注入器及び糊剤充填検出装置 - Google Patents
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JP3501290B2 - 歯科用糊剤、糊剤注入器及び糊剤充填検出装置 - Google Patents

歯科用糊剤、糊剤注入器及び糊剤充填検出装置

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JP3501290B2 JP54029999A JP54029999A JP3501290B2 JP 3501290 B2 JP3501290 B2 JP 3501290B2 JP 54029999 A JP54029999 A JP 54029999A JP 54029999 A JP54029999 A JP 54029999A JP 3501290 B2 JP3501290 B2 JP 3501290B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、根管治療に使用する薬剤及び器具並びに装
置に関し、更に詳しくは、根管充填に用いる糊剤、その
ための糊剤注入器及び糊剤充填検出装置に関するもので
ある。
背景技術 歯科臨床治療においては、根管治療が多く行われる。
その中でも根管充填は、根管処置の仕上げに相当する操
作であり、患歯の予後を大きく左右するものである。こ
の際、根管狭窄部までの長さは患者によって個別に変動
するため、根管長を測定する必要が生じる。このための
方法としては、従来では、リーマー、ファイル、測定用
スケール等を測定針としてX撮影を行い歯の実長を測定
する方法の他、近年では妊婦等、X線被爆することが好
ましくない場合もあること、迅速かつ正確なこと等の理
由からインピーダンス測定を用いる根管長測定方法が広
く用いられている。
このインピーダンス測定による根管長測定では、通
常、ルートキャナルメータ等を用い、リーマーの先端が
歯根膜に接触した際の測定機器の条件に基づきインピー
ダンスを予め測定しておき、この値となった時に根管部
に挿入されているリーマーの長さから約1mm差し引いた
長さを作業長とするか、又は歯根膜に接触したことを示
す値よりも測定される電流又は抵抗値が一定の値だけ異
なった値となった時の長さを作業長とすることにより行
われる。
従来このような根管充填に用いられる根管充填材や根
管充填剤としては、各種シーラーを併用するガッタパー
チャポイント、シルバーポイントを用いるもの、及び持
続的消毒剤若しくは骨性瘢痕治癒促進剤等が配合された
ペースト状の根管充填剤である糊剤を用いるものを挙げ
ることができる。
特に、上述した根管部に糊剤を充填する術式として
は、手操作のリーマー等を逆回転させて充塞する方法、
レンツロ等の螺旋形糊剤根管充填器といった専用器具を
用いる方法、シリンジ等の注入器で注入する方法を挙げ
ることができる。しかしながら、リーマーを用いたりレ
ンツロを用いる方法では、根管長を予め測定しておく等
の作業が余分に必要とされること、専用の器具を用いな
ければならないこと、という不都合がある。
図9は、糊剤を注入器で根管に対して充填を行う従来
の術式を説明した図である。従来の注入器を用いた糊剤
の根管充填の施術は、図9(a)に示すように、糊剤M
が充填された充填用の注入器1を用いる。この糊剤注入
器1は、収納部2とこの収納部2に挿入される圧入部3
とから構成されている。収納部2の先端部には、充填部
4として用いられる充填剤注入用チューブが取り付けら
れており、この糊剤注入用チューブの先端部が、開拡さ
れた根管部に挿入されているのが示されている。
従来の根管充填の施術においては、図9(b)に示す
ように、患歯の根管部に充填剤注入用チューブを挿入し
ながら矢線Aで示された方向に圧入部3を押し込んで、
根管内に糊剤Mを充填する。充填が終了すると、充填剤
注入用チューブを根管から引き抜き、根管充填の施術を
終了する。
このように、充填用の注入器を用いて糊剤を根管に充
填するようにすれば、根管長を予め測定する作業は必要
とされず簡便かつ迅速に施術を行えるという利点がある
ものの、糊剤が根尖部にまで確実に充填されたか否かが
不明であり、また糊剤が根尖狭窄部を超えて充填されて
しまうと根尖歯周組織を刺激する結果となり、また短い
場合には、残髄や、根尖部に死腔の存在を許す結果とな
ること等の不都合があった。したがって、迅速かつ簡便
に、より確実な方法で根管充填を施術するための糊剤、
及び糊剤注入器並びに糊剤充填検出装置が必要とされて
いる。
発明の開示 本発明者は、このような課題に対して、鋭意研究を重
ねた結果、導電性材料を添加することにより導電性を付
与した糊剤を、導電部材を設けた注入器で根管に充填し
ていき、作業長を測定する際に用いるインピーダンス測
定と同様の方法を用いて糊剤が根管に適切に充填された
ことを確認できることを見出し、本発明を完成させるに
至った。
本発明の上記課題は、本発明の糊剤、糊剤注入器及び
根管充填検出装置を用いることにより解決される。
すなわち、本発明の第1の構成では、根管充填用糊剤
に導電性材料を添加したことを特徴とする歯科用糊剤が
提供される。
本発明の第1の構成では、導電性材料が粉体とされる
ことが好ましい。
本発明の第1の構成では、導電性材料が、金属粉体、
金属酸化物粉体、ドーピングされた金属酸化物粉体、無
機粒子に金属、金属酸化物、ドーピングされた金属酸化
物から選択される導電性材料をコーティングした導電性
粉体、炭素粉、カーボンウイスカー、金属を固着させた
ウイスカーからなる群より選択されることが好ましい。
本発明の第1の構成では、根管充填用糊剤が水酸化カ
ルシウム、ハイドロキシアッパタイト、トリカルシウム
ホスフェートから選択される化合物を含有することが好
ましい。
本発明の第1の構成では、根管充填用糊剤がヨードホ
ルム、硫酸バリウム、無水硫酸亜鉛、硫酸アルミニウ
ム、酸化亜鉛から選択される化合物を含有することが好
ましい。
本発明の第1の構成では、根管充填用糊剤が、シリコ
ーンオイル、グアヤコールホルムアルデヒド混合物、プ
ロピレングリコール、無水エタノール、ひまし油、流動
パラフィンから選択されるベヒクルを含有することが好
ましい。
本発明の第1の構成では、根管充填用糊剤が、ヨード
ホルム、硫酸バリウム、無水硫酸亜鉛、硫酸アルミニウ
ム、酸化亜鉛から選択される化合物及びシリコーンオイ
ル、グアヤコールホルムアルデヒド混合物、プロピレン
グリコール、無水エタノール、ひまし油、流動パラフィ
ンから選択されるベヒクルを含有することが好ましい。
本発明の第1の構成では、根管充填用糊剤がX線造影
剤を含有することが好ましい。
本発明の第1の構成では、根管充填用糊剤の固形分に
対して、5〜50重量%の導電性材料を添加することが好
ましい。
本発明の第1の構成では、根管充填用糊剤が、水酸化
カルシウム、ハイドロキシアッパタイト、トリカルシウ
ムホスフェートから選択される化合物を根管充填用糊剤
の固形分に対して30重量%以上含有することが好まし
い。
本発明の第2の構成では、導電性糊剤を収納する収納
部と、該収納部に挿入される圧入部と、導電性糊剤を狭
窄部に充填するための充填部と、上記導電性糊剤を外部
電極に接続するための導電部材と、を備えることを特徴
とする歯科治療用の糊剤注入器が提供される。
本発明の第2の構成では、上記導電部材は、上記糊剤
収納部に挿入された上記圧入部の端面に露出し上記導電
性糊剤に接触する端子と、上記圧入部に設けられ圧入部
外部に露出する端子と、上記各端子の間を連結するリー
ド線とから構成されていることが好ましい。
本発明の第2の構成では、上記導電部材は、上記圧入
部内に挿通されていることが好ましい。
本発明の第2の構成では、上記導電部材は、上記充填
部の内側通路に延ばされた端部と、上記糊剤注入器の外
部へと露出された端部と、上記各端部の間を連結するリ
ード線を備えていることが好ましい。
本発明の第3の構成では、導電性糊剤を内部に収容す
ると共に該導電性糊剤を外部電極に電気的に接続させる
ための導電部材を備える糊剤注入器と、狭窄部に充填さ
れた上記導電性糊剤を通して流れる電流を測定するため
の電流検出器と、上記導電性糊剤を通して流れる電流を
示す電流指示装置とを備える糊剤充填検出装置が提供さ
れる。
図面の簡単な説明 図1は、本発明の糊剤注入器を示した図である。
図2は、本発明の糊剤注入器の詳細部を示した図であ
る。
図3は、本発明の糊剤注入器の第2の実施例を示した
図である。
図4は、従来作業長を測定するために従来用いられて
いるインピーダンス測定のための装置構成を示した図で
ある。
図5は、リーマーを用いたインピーダンス測定による
根管長の測定方法を示した図である。
図6は、本発明の第1の実施例の糊剤注入器を用いて
患歯の根管に導電性糊剤Dを充填する際の構成を示した
図である。
図7は、本発明の第2の実施例の糊剤注入器を用いて
図6と同一の構成により導電性糊剤を根管に充填したと
ころを示した図である。
図8は、本発明の糊剤の試験に用いた電気回路構成を
示した図である。
図9は、従来のシリンジを用いた糊剤充填方法を示し
た図である。
発明を実施するための最良の形態 本発明は、導電性の歯科治療用の糊剤、すなわち導電
性糊剤、及びその充填のために用いられる糊剤注入器並
びに糊剤充填検出装置を提供するものである。以下、導
電性糊剤、糊剤注入器、糊剤充填検出装置について必要
に応じて図面を参照して詳細に説明を行う。
本発明の導電性糊剤としては、従来の水酸化カルシウ
ム糊剤、酸化亜鉛ユージノール糊剤、ヨードホルム糊
剤、パラホルム・ホルマリン糊剤を製造するための組成
に対し、適宜導電性材料を練合して製造することができ
る。これらの従来の糊剤組成としては、具体的には、市
販製品では、トリオジンクパスタといったパラホルムア
ルデヒド、無水硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸カリ
ウム、酸化亜鉛の粉末をクレゾール、フェノール、クレ
オソートに練合させたもの、KriIといったヨードホルム
粉末、パラクロロフェノールカンフル、メントール、ラ
ノリン、グリセンを練合させたもの、カルビタールとい
った、ヨードホルム、水酸化カルシウム、スルファチア
ゾール、グアノフラシンといった粉末をT−カイン、グ
アノフラシンといったベヒクルに練合させたもの、ビタ
ペックスといった水酸化カルシウム、ヨードホルムの粉
末をシリコーンオイルで練合したもの、FRといった水酸
化カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウムといった粉末を
グアヤコールホルムアルデヒド混合物、プロピレングリ
コール、無水エタノール、ひまし油、流動パラフィンと
いったベヒクルに練合させたもの、Sealapexといった重
合レジンと水酸化カルシウムとを含有するものを挙げる
ことができる。
これら以外にも、Endofillといった高分子材料を基材
として用いる糊剤や、ハイドロキシアッパタイト、トリ
カルシウムホスフェートを用いる糊剤も生体組織に親和
性を有し、硬組織の形成促進作用があり、しかも根尖孔
から溢出しても吸収性があるので用いることが可能であ
る。上述した水酸化カルシウム、ハイドロキシアッパタ
イト、トリカルシウムホスフェートの含有量は、導電性
糊剤に含まれる固形分の30重量%以上とされていること
が好ましく、さらには50重量%以上とされていることが
好ましい。
本発明で用いることができる導電性材料としては、上
述した組成の糊剤に対して充分練合することができるよ
うに導電性粉体を用いることが好ましい。このような導
電性粉体は、例えば粒径を体積平均粒径で200Å〜100μ
m程度、より好ましくは、0.01〜80μm、さらには、10
〜50μm程度とすることが良好な充填を行うためには好
ましい。また、導電性粉体の形状については、球状、針
状、鱗片状の種々の粉体を用いることができる。
これらの粉体としては、具体的には、金粉、銀粉、銅
粉、ニッケル粉といった金属粉体、Zno、SnO2、I2O3、I
TO、SnO2といった金属酸化物粉体に、これらの金属酸化
物粉体に必要に応じて導電性のアンチモンドープ等、種
々のドーピングを施したもの、BaSO4粉体に金属やSnO2
といった導電性材料をコーティングしたもの、TiO2微粒
子表面をAgでコーティングした粉体、TiO2をSnO2でコー
トした粉体、導電性カーボンブラック、チタン酸カリウ
ムウイスカーにAgやPdを固着させた粉体、ウイスカーに
導電性SnO2をコーティングした粉体、導電性カーボンウ
イスカー等の高アスペクト比の針状粉体等を挙げること
ができる。特に針状粉体を用いることにより低添加量で
も導電性糊剤の体積抵抗率を改善することができる。
上述した導電性糊剤の体積抵抗率は、10-2Ωcm〜106
Ωcmとすることが可能であり、根管部に充填された際に
導電性糊剤の抵抗値が歯根膜を通した抵抗値と同程度の
抵抗値を与えることができるようにされていることが好
ましい。後述するように、体積抵抗率があまり高すぎる
と抵抗測定による根管狭窄部までの充填の検出が、充分
な精度とならなくなる可能性があるためである。
上述した導電性粉体の本発明の導電性糊剤に対する添
加量は、必要な体積抵抗率を導電性糊剤に与えることが
できるようにして適宜設定できるが、上述した導電性粉
体を導電性糊剤に含まれる固形分に対して5重量%〜50
重量%の範囲で添加することが好ましく、さらには、導
電性糊剤の固形分に対して10重量%〜30重量%で添加す
ることが好ましい。
また、導電性糊剤に含有される上述したベヒクルの含
有量としては、導電性糊剤の10重量%〜70重量%、より
好ましくは30重量%から60重量%とすることができる。
以下に、水酸化カルシウムを主成分とする糊剤に導電
性金属粉末を添加した本発明の一実施態様について説明
する。
まず、水酸化カルシウムを用意する。水酸化カルシウ
ムは、日本薬局方のものを用いることができ、粒径が10
〜50μmのものを用いる。
この導電性糊剤には、ヨードホルムが添加されるとよ
い。ヨードホルムの添加によって、糊剤の抗菌性が極め
て強くなり、X線造影性も向上するためである。
さらに、水酸化カルシウムにシリコーンオイル等上述
したベヒクルを添加する。シリコーンイルの添加によっ
て、糊剤の耐腐食性を付与することができると共に適切
な流動性を付与することが可能となる。
水酸化カルシウムに対する他の添加物としては、各種
のものが使用されるが、例えば、次炭酸ビスマス、硫酸
ビスマス、ケイ酸ジルコニウム等のX線造影剤を加えれ
ば、X線造影性を向上させることができる。
また、各粉体を分散させる際には従来知られているい
かなる分散方法でも用いることができる。特に上述した
ような10μm〜50μmの粒径範囲の導電性粉体を用いる
場合には、粉体の凝集性もそれほど高くはないので、種
々の混合・分散方法を用いることが可能である。本発明
の導電性糊剤を調製するには、例えば予め水酸化カルシ
ウムにヨードホルムとシリコーンオイルとを加えて練合
してペースト化し、その後、導電性粉体を加えてもう一
度練合する等することによって導電性糊剤とし、このよ
うにして得られる導電性糊剤をシリンジ状の注入器内に
収容して、必要に応じて用いるようにすることができ
る。しかしながら、本発明の導電性糊剤が得られれば、
水酸化カルシウムといった非導電性粉末と、導電性粉末
とを、同時にシリコーンオイルといったベヒクルに練合
させることもできる。
本発明の上述した実施態様では、例えば、上述した粒
径範囲にある金、銀、銅、ニッケル粉末等の導電性粉体
を添加して上述の範囲の導電性を得ることができる。こ
のようにして糊剤に導電性が付与されるので、導電部材
を備えた注入器で糊剤を根管に充填していき、抵抗を測
定することにより糊剤が根管に適切に充填されたことを
確認できる。さらには、導電性粉体を糊剤に添加するこ
とにより、糊剤自体の熱伝導率が向上して知熱感・知電
感を良好に得ることができる。また、特に炭素粉を使用
した場合は、根管を処理する際に使用するホルムクレゾ
ールの主成分であるホルムアルデヒドを吸収する効果も
得られる。
以下に本発明の導電性糊剤を根管に充填し、抵抗測定
を同時に可能とする糊剤注入器の実施例を図面を参照し
つつ説明する。
図1は、本発明の第1の実施例の糊剤注入器1を示し
た分解斜視図である。この注入器1は、導電性糊剤の収
容部2と、この収納部2に挿入可能な圧入部3と、収納
部2の先端部に配置された先細りチューブ状に形成され
た充填部4と、圧入部3の収容部2に挿入される側に設
けられたシール部材5とを備えている。
上述した収納部2と圧入部3とは、ガラス、ポリプロ
ピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルといった合
成樹脂を用いて形成することができるが、破損といった
取り扱い性を考慮すれば、ポリプロピレン、ポリカーボ
ネート、ポリ塩化ビニル、といった合成樹脂材料から形
成されていることが好ましい。収納部2は、内部が中空
とされており、この中空部に導電性糊剤が充填される。
この収納部2には、充填部4に対向する側に、咢部2aが
設けられており、圧入の際に指をかけるようにすること
で圧入部3の圧入を容易にさせている。充填部4を形成
するための材料としては、充填部4の先細りチューブ形
状を根管内に挿入できるように細く、かつ柔軟に形成で
きる材料であれば、種々の材料から形成することが可能
である。
圧入部3は、収納部2に収納された導電性糊剤を押し
出すために用いられ、圧入部3の端部に配設されたシー
ル部材5が収納部2の内側面と圧入部3との間のシール
性を向上させている。このシール部材5を圧入部3に装
着するには、種々の方法を用いることができ、例えば、
パイプ状のシール部材5を圧入部3の小径となった部分
に装着する方法、圧入部3の周囲に合成樹脂製のシール
部材5を一体に成形する方法を挙げることができる。
圧入部3の収納部2に挿入される側とは反対側の端部
には、圧入部3の径を超えて突出する突出部3aが設けら
れていて、導電性糊剤の根管充填に際して指で力が加え
やすいようにされている。この突出部3aは、圧入部3と
別体に形成して圧入部に接着されていても良いし、圧入
部3と一体に成形することもできる。導電性糊剤の根管
充填に際しては、上述したような糊剤注入器1を片手に
保持して咢部2aと、突出部3aとを指の間に挟み込み、力
を加えることにより根管部内に導電性糊剤が圧入され
る。
図1に示されるように、本発明の第1の実施例の糊剤
注入器1の圧入部3には、導電部材が組み込まれてい
る。この導電部材は、端部6と、端子7と、端部8と、
端子9と、端部6と端部7との間に延びたリード線10と
から構成されている。これらの構成要素は、端部6がシ
ール部材5の導電性糊剤に接触する側に形成された端子
7に接続され、もう一方の端部8が圧入部3の突出部3a
に近接した位置から圧入部3の外部へと引き出された端
子9に接続されるように圧入部3内にリード線10が挿通
されて導電部材とされているのが示されている。このよ
うに圧入部3にリード線10を挿通させることにより、導
電性糊剤を圧入部3の外部と導通させるように構成され
ている。これらのリード線10や端子7,9は、圧入部3の
成形時にインサート成形する方法や、圧入部3の成形後
に組み込む方法により装着することができる。
図2は、本発明の第1の実施例の糊剤注入器1の端子
9の端子取付部の詳細を示した拡大図である。図2
(a)は、端子9を備える圧入部3を拡大して示した図
であり、図2(a)では、端子9が突出部3aに近接した
位置から圧入部3の外部へと突き出しているのが示さ
れ、この端子9には、電極部6がクリップを介して接続
されているのが示されている。また、図2(b)では、
端子9は、突出部3a内に配設されていて、突出部3aの側
部から圧入部3の外部へと突き出しているのが示されて
いる。図2(c)では、端子9は、針状の電極が挿入、
又は螺合できるように、圧入部3の外部に向かって開い
た開口11を備えているのが示されている。図2(d)で
は、端子9が、圧入部3の突出部3aに近接した位置にお
いて圧入部3の周方向に沿って突出して延ばされた構成
とされているのが示されている。図2に示した端子9の
構成は、根管充填施術を行う際の操作性、施術性を考慮
して適宜選択することができるし、図2(a)〜図2
(d)の構成を適宜組み合わせて用いることも可能であ
る。
図3は、本発明の糊剤注入器1の第2の実施例を示し
た図である。図3(a)は、本発明の第2の実施例の糊
剤注入器1の一部切り欠き側面であり、図1で示した糊
剤注入器1と同様に、収容部2と、この収納部2に挿入
可能な圧入部3と、収納部2の先端部に配置され先細り
チューブ状に形成された充填部4とを備えている。図3
(a)では、収容部2の一部を切り欠いて、導電性糊剤
Dが収容されているのが示されている。本発明の第2の
実施例の糊剤注入器1の充填部4は、その屈曲部付近か
らリード線10が糊剤注入器1の外側へと突出しており、
充填部4の先端部とリード線10の端部間の距離が実施例
1で示した糊剤注入器1に比較して短くされており、導
電性糊剤Dの抵抗による抵抗測定への影響が少なくされ
ている。
図3(b)には、図2(a)で示した糊剤注入器1の
注入部4の屈曲部付近を拡大して示した図が示されてい
る。図3(b)に示した本発明の第2の実施例の糊剤注
入器1は、端部6を導電性糊剤Dの注入が行われる先端
部に可能な限り隣接して配置できるように、必要に応じ
て充填部4のリード線導入部よりも先端部に隣接する方
向へと、リード線10を充填部4の内側通路4aに沿って延
ばすようにされていても良い。このようにすることでよ
り端部6と導電性糊剤Dを通して抵抗測定装置の図示し
ない他方の電極部104との距離を小さくすることで、導
電性糊剤Dの抵抗値が抵抗測定に与える影響をより小さ
くすることができる。図3に示した本発明の第2の実施
例の糊剤注入器1からリード線10を引き出す際には、端
子9として図2に示したものを用いることもできるし、
また、特に端子9を設けることなく、リード線10の両端
部を導電性を充分に得られるように露出させておき、一
方を内側通路4a内に配設し、他端を充分にヒートシー
ル、接着剤4b等の密閉手段を用いてシールが行われるよ
うにしながら充填部壁4cの外側に引き出すこともでき
る。また、充填部4の成形の際に一体として成形するこ
とも可能である。このように糊剤注入器1の階部へと引
き出されたリード線10は、口腔内にむき出しの端部が接
触しないように、糊剤注入器1の外側側部に沿って例え
ば収容部2の咢部2a付近にまで延長させ、そこから抵抗
測定装置の電極を接続するようにすることもできる。こ
のために用いられるリード線10は、いかなる太さのもの
でも用いることができるが、可能な限り操作性を付与
し、また、充填部4における充填性を損わないようにで
きるだけ充分細いリード線を用いることが好ましい。こ
のリード線10は、被覆されていても被覆されていなくと
も良い。
以下に本発明の導電性糊剤Dの糊剤充填検出装置につ
いて図4、図5、図6、図7を用いて説明する。図4
は、従来根管長を測定するために用いられている抵抗測
定のための装置構成を示した図である。抵抗測定により
根管長を測定する際には、患歯Tの根管部を開拡する施
術を行った後、開拡された根管21を過酸化水素水で清掃
し、僅かに過酸化水素水が残存した状態として、リーマ
ー20を根管21へと挿入して行く。
抵抗測定装置100は、電流検出器101と、電源102と、
リレー回路を備える制御回路103と、患歯Tと口唇部を
介して接続される電極部104と、電流表示装置又はアラ
ーム装置又はそれらの双方から構成される電流指示装置
105と、リーマー20の端部に接続される電極部106とを備
えている。この抵抗測定装置100は、電流検出器101によ
り検出された電流信号に基づきリレー回路を含む制御装
置103により電流指示装置105を動作させ、施術者に対し
て所定の抵抗値又は電流値が所定の値となったこと、リ
ーマー20の先端部が根管狭窄部P、又は根管狭窄部Pか
ら所定距離、すなわち約1mmの位置となったことを知ら
せるように構成されている。
通常、リーマー20が歯根膜に達した場合には、リーマ
ー20と、口唇部に接続した排唾管とを介して形成される
電気回路は、抵抗測定装置100の内部抵抗を含めて6.5k
Ωの抵抗を有することが知られている。これを概略的に
示したのが図5である。図5には、このリーマー20の抵
抗値ををR1として示している。図5に示されるように、
リーマー20と、歯根膜と、通常では口唇部に接続される
排唾管に接続された電極部104は、抵抗R1を有する電気
回路を構成する。通常、リーマー20が挿入される根管内
部は清浄化されてほぼ乾燥状態に近い状態で測定が行わ
れるので、歯根膜に接近するまでは、電流はほとんど流
れない。しかしながら、リーマー20の先端部が歯根膜へ
と近接するにつれて浸出液等の影響、又は残留している
洗浄時に用いたわずかな過酸化水素水の導電性のために
電流が流れ始め、リーマー20が歯根膜に到達した時点で
上述したように回路全体で6.5kΩの抵抗値となる。
本発明の糊剤充填検出装置は、リーマー20を根管長測
定のプローブ電極として用いる代わりに、導電性糊剤D
をプローブ電極とするものである。
図6は、本発明の第1の実施例の糊剤注入器1を用い
て患歯Tの根管21に導電性糊剤Dを充填する際の構成を
示した図である。図6に示されているように、端子9が
抵抗測定装置100の電極部106に接続され、抵抗測定装置
100の電極部104が排唾管に接続されている。図6に示し
た状態では、電流検出器101には上述したように全く電
流側が流れず、抵抗は高いままとなる。
図7は、本発明の第2の実施例の糊剤注入器1を用い
て図6と同一の構成により導電性糊剤Dを根管21に充填
したところを示した図である。図6に示されているよう
に、導電性糊剤Dの充填が進行し、根管狭窄部Pに接近
すると、導電性糊剤Dを通じて微弱な電流が流れ始め
る。最終的に歯根膜に導電性糊剤Dが接触すると、リー
マー20の抵抗R1は、充填部4内の導電性糊剤Dにリード
線10が接触した位置と歯根膜までの距離に応じて決定さ
れる導電性糊剤の抵抗R2に置き換えられる。したがって
根管狭窄部Pにまで導電性糊剤Dが充填されたことの検
出は、抵抗値が(6.5kΩ−R1+R2)となったことにより
決定することができる。またこれとは別に、導電性金
属、又は金属酸化物等を主体とする導電性粉体を用い
て、予めX線写真等で導電性糊剤Dの歯根膜からの距離
と抵抗値との関係を測定しておくことにより、(6.5kΩ
−R1+R2)よりも高い所定の抵抗値に達した場合に、歯
根膜からの距離を見積もることも可能である。上述した
ように、本発明では、根管に充填する糊剤を電流プロー
ブとして用いるので、上述のような抵抗値に達したこと
が確認できれば、直ちに根管の糊剤による充填が終了し
たことが判断できる。このようにすることで、従来では
インピーダンス測定による根管長の測定を行い、次い
で、根管部をさらに開拡してガッタパーチャポイントを
挿入して根管充填を行うという2重の作業が必要とされ
なくなることに加え、従来糊剤を用いて行われている根
管充填施術では困難とされていた根管内部に完全に糊剤
が充填されたか否かの検出が容易に行えることになり、
従来にまして迅速、かつ簡便でより確実性の高い糊剤充
填検出装置が提供できる。
用いる電源102は直流でも交流でも良く、上述したR2
の値、及び抵抗測定装置の内部抵抗等は、適宜設定する
ことができる。また、上述した測定方法等は、用いる電
源102の種類に合わせて抵抗測定又はインピーダンス測
定を用いることが可能である。また、所定の作業長に達
した場合に、アラームを発生させて、施術者に対し注意
を促すことも可能である。
以下実施例を持ってさらに本発明を説明する。下記の
実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発
明を制限するものではない。
〔実施例1〕 水酸化カルシウム(和光純薬工業)50重量%、ヨード
ホルム20重量%からなる固形分に対して、シリコーンオ
イル30重量%を練合してペースト状の糊剤とした。
このペースト状の糊剤に、更に上記固形分に対して銀
粉10重量%を混練した。得られた導電性糊剤には、電流
計により5ミリAの電流が流れるのが確認された。次い
で、市販の糊剤用シリンジの充填部に加熱した0.1mmの
リード線を挿入して図3に示す本発明の糊剤注入器であ
る糊剤注入用シリンジを作成した。上述のようにして製
造した導電性糊剤をこの糊剤注入用シリンジへと充填
し、先端部から導電性糊剤が吐出されることを確認し
た。
上述の導線性糊剤を、患者から抜歯した無髄歯を用い
て図8に示した回路を構成し、上述した糊剤注入用シリ
ンジを用いて根管21に注入して、根管充填を施術した。
この際、抵抗測定装置100の電極部104の先端部を、根管
狭窄部Pを根管21内へと僅かに超えた位置に配置した。
導電性糊剤を導入開始し、導入を続行したところ電流検
出器101により電流が流れたことが確認された。
この後、注意深く糊剤注入用シリンジの充填部を無髄
歯から抜き出し、X線撮影を行って導電性糊剤の充填状
況を観測したところ、導電性糊剤は根管狭窄部にまで達
していることが確認された。すなわち、導電性糊剤が根
管狭窄部にまで達し、導電性糊剤を介して回路が形成さ
れたことを検出することにより、根管充填施術を施すの
と同時に、根管狭窄部まで糊剤が充填されたことを検出
することができた。
〔実施例2〕 ハイドロキシアパタイト40重量%、硫酸バリウム10重
量%、シリコーンオイル50重量%を混練してペースト状
の糊剤とした。
上記のペースト状の糊剤に、更に金粉25重量%を練合し
た。得られた糊剤に3ミリAの電流が流れることが検流
計により確認された。
この導電性糊剤を用いて実施例1と同様にして試験を
行ったところ、患歯の根管狭窄部にまで導電性糊剤が充
填されていることが確認された。
産業上の利用の可能性 上述したように、本発明では、根管に充填する糊剤を
電流プローブとして用いるので、上述のような抵抗値に
達したことが確認できれば、直ちに根管の糊剤による充
填が終了したことを判断できる。このため従来のように
インピーダンス測定による作業長の測定を行い、次い
で、根管の開拡を行いガッタパーチャポイントを挿入し
て根管充填を行うという2重の作業が必要とされなくな
ることに加え、従来糊剤を用いて行われている根管充填
施術では困難であった。根管内部に完全に糊剤が充填さ
れたか否かの検出が容易に行えることになり、本発明の
導電性糊剤、糊剤注入器及び糊剤充填検出装置を用いれ
ば、従来にまして迅速、かつ簡便でより確実性の高い根
管充填検出装置が提供できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−30507(JP,A) 特開 昭61−246108(JP,A) 特開 平5−32516(JP,A) 特開 平9−140728(JP,A) 特開 昭63−5742(JP,A) 特開2000−143427(JP,A) 実開 昭49−21896(JP,U) 国際公開87/00029(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 6/04 A61C 5/04 A61C 19/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】根管充填用糊剤に導電性材料を添加したこ
    とを特徴とする歯科用糊剤であって、前記歯科用糊剤
    は、 (A)0.01μm〜50μmの粒子径であり、前記歯科用糊
    剤の固形分の33〜50質量%で前記歯科用糊剤中に添加さ
    れ、かつ金属粉体、金属酸化物粉体、ドーピングされた
    金属酸化物粉体からなる群、または前記歯科用糊剤の固
    形分の5〜50質量%で前記歯科用糊剤中に添加される金
    属、金属酸化物、ドーピングされた金属酸化物から選択
    される導電性材料を無機粒子にコーティングした導電性
    粉体からなる群、または前記歯科用糊剤の固形分の5〜
    50質量%で前記歯科用糊剤中に添加される炭素粉、カー
    ボンウイスカー、金属を固着させたウイスカーからなる
    高アスペクト比の針状粉体からなる群より選択される導
    電性材料と、 (B)水酸化カルシウム、ハイドロキシアッパタイト、
    トリカルシウムホスフェートから選択される化合物と、 (C)シリコーンオイル、グアヤコールホルムアルデヒ
    ド混合物、プロプレングリコール、無水エタノール、ひ
    まし油、流動パラフィンから選択されるベヒクルと、 を含有する歯科用糊剤。
  2. 【請求項2】根管充填用糊剤がX線造影剤としてヨード
    ホルム、硫酸バリウム、無水硫酸亜鉛、硫酸アルミニウ
    ム、酸化亜鉛から選択される化合物を含有する請求項1
    記載の歯科用糊剤。
  3. 【請求項3】根管充填糊用剤が、水酸化カルシウム、ハ
    イドロキシアッパタイト、トリカルシウムホスフェート
    から選択される化合物を根管充填用糊剤の固形分に対し
    て30重量%以上含有する、請求項1記載の歯科用糊剤。
  4. 【請求項4】導電性糊剤を収納する収納部と、該収納部
    に挿入される圧入部と、導電性糊剤を狭窄部に充填する
    ための充填部と、前記導電性糊剤を外部電極に接続する
    ための導電部材と、を備えることを特徴とする歯科治療
    用の糊剤注入器。
  5. 【請求項5】前記導電部材は、前記糊剤収納部に挿入さ
    れた前記圧入部の端面に露出し前記導電性糊剤に接触す
    る端子と、前記圧入部に設けられ圧入部外部に露出する
    端子と、前記各端子の間を連結するリード線とから構成
    されていることを特徴とする請求項4に記載の糊剤注入
    器。
  6. 【請求項6】前記導電部材は、前記圧入部内に挿通され
    ていることを特徴とする請求項5に記載の糊剤注入器。
  7. 【請求項7】前記導電部材は、前記充填部の内側通路に
    延ばされた端部と、前記糊剤注入器の外部へと露出され
    た端部と、前記各端部の間を連結するリード線を備えて
    いることを特徴とする請求項4に記載の糊剤注入器。
  8. 【請求項8】導電性糊剤を内部に収容すると共に該導電
    性糊剤を外部電極に電気的に接続させるための導電部材
    を備える糊剤注入器と、狭窄部に充填された前記導電性
    糊剤を通して流れる電流を測定するための電流検出器
    と、前記導電性糊剤を通して流れる電流を示す電流指示
    装置とを備える糊剤充填検出装置。
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