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JP3508167B2 - シリコンの精製方法およびシリコンの予備処理装置 - Google Patents
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JP3508167B2 - シリコンの精製方法およびシリコンの予備処理装置 - Google Patents

シリコンの精製方法およびシリコンの予備処理装置

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JP3508167B2 JP18518393A JP18518393A JP3508167B2 JP 3508167 B2 JP3508167 B2 JP 3508167B2 JP 18518393 A JP18518393 A JP 18518393A JP 18518393 A JP18518393 A JP 18518393A JP 3508167 B2 JP3508167 B2 JP 3508167B2
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浩二 西川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池等用の原料と
して使用することができる高純度シリコンとする処理を
行う前の、予備処理としてボロンの除去を主体として行
うシリコンの精製方法およびシリコンの予備処理装置
関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば太陽電池に使用されるシリコンで
は、比抵抗 0.1Ωcm以上のものが使用されるが、このよ
うなシリコンではシリコン中に含有される不純物は ppm
オーダまで除去されている必要がある。これに対して従
来種々の方法が検討されており、不純物としてはボロン
及び炭素が最も除去しにくい元素であることが知られて
いる。
【0003】特開平4-228414号公報では、シリカあるい
はシリカを主成分とする容器内に溶融シリコンを保持
し、これにプラズマジェットを噴射しシリコン中のボロ
ンと炭素を除去する方法が開示されている。また、特開
平4-193706号公報では、底部にガス吹込み羽口を有する
シリカを主体とする容器内でシリコンを溶解し、該羽口
からガスを吹き込み同様にシリコン中のボロンと炭素を
除去する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4-228414号公報に開示されている方法では、ボロンと炭
素の除去反応がシリコン浴のプラズマジェット照射部で
進行するために処理時間の短縮には限度がある。また、
特開平4-193706号公報に開示されている方法では、容器
の底に設置した羽口からガスを吹き込んでボロンと炭素
を除去するので、極く短時間で溶融シリコンからこれら
を除去しようとするとガスの吹込み量を増大する必要が
ある。この結果シリコン浴の攪拌が強化されて羽口が著
しく損傷して炉の寿命が短くなるので、羽口の損傷を抑
えながら処理するためには処理時間の短縮に限度があ
る。
【0005】本発明は上記の問題を解決するために、上
記の処理を行う前の予備処理として好適なボロンの除去
を主体としたシリコンの精製方法およびシリコンの予備
処理装置を提供することを目的とする。すなわち、本発
明で提供されるシリコンの予備処理装置を用い、シリコ
ンの精製方法を実施することにより上記処理の負担が軽
減され、最終的にボロンを除去する時間が短縮されるこ
とになる。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
シリコンの精製方法は、シリコンの精製を行う反応容器
内において、 Ar ガスを導入しつつ、原料シリコンを溶解
・保持用容器の中で溶解して溶融シリコンとし、所定量
の水蒸気を含む Ar ガスを導入して、前記溶解・保持用容
器の下方に1vol%以上 40vol %以下の水蒸気を含むAr
ガス雰囲気層を形成し、該雰囲気層中に前記溶解・保持
容器から溶融シリコンを滴下させ、滴下シリコンを受け
容器で受けると共に、滴下シリコン中のボロンと前記水
蒸気とが反応して生成された酸化ガスおよび使用後のガ
スのガス排出を行い、前記原料シリコンを精製すること
を特徴とするシリコンの精製方法である。あるいはさら
前記滴下シリコンに向けて水滴を照射することを特徴
とするシリコンの精製方法であり、さらに望ましくは、
前記滴下シリコンの液滴の平均直径が30mm以下であるシ
リコンの精製方法である。また、本発明に係るシリコン
の予備処理装置は、シリコンの精製を行う反応容器であ
る、チャンバ内の上部に、原料シリコンを溶解、保持す
る容器が設けられ、該溶解・保持用容器は、溶融シリコ
ンを滴下できるように構成されており、一方、前記チャ
ンバ内の下部に、滴下後シリコンを受ける受け容器が設
けられ、さらに前記チャンバには、その上部に前記 Ar
ス導入口が設置されていると共に、前記溶解・保持用容
器の直下に相当する高さ方向中間位置に H 2O Ar 混合ガ
ス導入口が設置され、その下部にガス排出口が設置され
ていることを特徴とするシリコンの予備処理装置であ
る。
【0007】
【作用】まず、本発明のシリコンの精製方法の実施態様
について説明する。以下に言う、不活性ガスとは、 Ar
スのことである。本発明に係るシリコンの精製方法は、
反応容器内において原料シリコンを、 Ar ガスを導入しつ
つ、チャンバ内の上部に設けた溶解・保持用容器中で溶
解し、保持する原料シリコンの溶解・保持過程と、所定
量の水蒸気を含む Ar ガスを導入して、溶解・保持用容器
の下方に形成した水蒸気を含む Ar ガス雰囲気層中に溶融
シリコンを滴下する溶融シリコンの滴下過程を経て精製
するようにしている。 (i)溶解し、保持する溶解・保持過程での作用) 原料となるシリコンを、シリカを主成分とする容器、あ
るいは黒鉛を主成分とする容器などの中で溶解、保持す
る。ここで、溶融シリコンの保持温度は特に限定されな
い。
【0008】(ii)溶融シリコンの滴下過程を含む以
降の過程での作用 溶融シリコンの滴下は、容器の底及び/又は横壁部に設
置されている排出口から、あるいは容器を傾動させるこ
とによって容器の上部から溶融シリコンを所定の速度で
流出させることによって行うことができる。溶融シリコ
ンを保持する容器の下方には、水蒸気を含む不活性ガス
の層が形成されており、滴下した溶融シリコンはこのガ
ス層を通過し、ガス層の下方に設置してある別の容器で
受けられる。その結果滴下し、容器内に入ったシリコン
に含有されるボロン濃度は滴下前の溶融シリコンに含有
されるボロン濃度よりも低減する。
【0009】シリコン中のボロンは気相中の水蒸気と反
応して酸化ガスとして除去されると考えられる。このた
め、効率よくボロンを除去するには滴下される溶融シリ
コンの界面積を大きくする必要がある。従って、滴下さ
れる溶融シリコンの液滴の平均直径はできるだけ小さい
方がよく、30mm以下が望ましい。これより大きく又は連
続した流れになると、滴下後のシリコンのボロン濃度は
滴下前の溶融シリコンのボロン濃度とほぼ等しくボロン
除去の効果がなくなる。
【0010】滴下する溶融シリコンが通過する不活性ガ
ス層中の水蒸気の濃度が1vol%未満ではボロンの除去に
ほとんど効果がないので、1vol%以上の水蒸気濃度が要
求される。不活性ガス層中の水蒸気の濃度が高すぎる
と、滴下するシリコンの酸化も著しくなり、シリコンの
歩留りが低下する。このため、水蒸気濃度は、40vol %
以下、さらに望ましくは20vol %以下である。
【0011】本発明では、滴下シリコンに向けて水滴を
照射することによって、ボロンの除去をより効率的にな
し得る。
【0012】
【実施例】図1は本発明を実施する際に用いる装置の縦
断面図の一例である。(i)溶解・保持過程で、 シリコン1はシリカ坩堝2内
で抵抗式ヒータ3によって加熱溶融され、保持される。
坩堝上方のチャンバ11に設置されたAr導入口4からシ
リコンの酸化を防ぐためにArが流されている。坩堝2の
底に設置されている滴下孔はストッパ5で塞がれてい
る。(ii)溶融シリコンの滴下過程を含む以降の過程で、
シリコンの滴下を始めるときはストッパ5を上方に持ち
上げ、滴下孔とストッパ5の先端との距離を適当に調整
し、滴下シリコン6の大きさを調整する。
【0013】この滴下シリコン6は、溶解・保持用容器
であるシリカ坩堝2の下方に設置した坩堝台7上のシリ
カ製の受け坩堝8で受けられ、蓄積される。シリカ坩堝
2の直下に相当するチャンバ11の高さ方向中間位置に
設置してあるガス導入口9からH2O −Ar混合ガスを流
す。ガス導入口4と9から導入されたガスは最終的に
ャンバ11の下部に設置してあるガス排出口10からチ
ャンバ11の外に排出される。また、水滴発生器12か
ら水滴13が照射され、ここを滴下シリコンが通過す
る。
【0014】 (比較例) 図1に概略を示した装置によって、 2kgのシリコンを、
内径 150mm、深さ 150mmのシリカ坩堝2内で抵抗式ヒー
タ3によって加熱溶融した。坩堝上部に設置されたAr導
入口4からシリコンの酸化を防ぐためにArを25l/min チ
ャンバ11内に流す。次にストッパ5を持ち上げて溶融
シリコンを滴下させ、受け坩堝8で回収した。このとき
の滴下中のシリコンの平均径は20mmであった。滴下前の
シリコンのボロン濃度と、滴下し回収したシリコンのボ
ロン濃度を表1に示す。
【0015】(実施例1) 比較例と全く同一の装置によって、 2kgのシリコンを加
熱溶融した。坩堝上部に設置されたAr導入口4からArを
10l/min チャンバ11内に流し、溶融用坩堝2の直下に
設置してあるガス導入口9から1vol%H2O −Ar混合ガス
を15l/min 流した。この状態でストッパ5を持ち上げて
溶融シリコンを滴下させ、受け坩堝8で回収した。この
ときの滴下中のシリコンの平均径は20mmであった。滴下
前のシリコンのボロン濃度と、滴下後に回収したシリコ
ンのボロン濃度を表1に示す。
【0016】(実施例2) 比較例と全く同一の装置によって、 2kgのシリコンを加
熱溶融した。坩堝上部に設置されたAr導入口4からArを
10l/min チャンバ11内に流し、溶解用坩堝2の直下に
設置してあるガス導入口9から5vol%H2O −Ar混合ガス
を15l/min 流した。この状態でストッパ5を持ち上げて
溶融シリコンを滴下させ、受け坩堝8で回収した。この
ときの滴下中のシリコンの平均径は15mmであった。滴下
前のシリコンのボロン濃度と、滴下後に回収したシリコ
ンのボロン濃度を表1に示す。
【0017】(実施例3) 比較例と全く同一の装置によって、 2kgのシリコンを加
熱溶解した。坩堝上部に設置されたAr導入口4からArを
10l/min チャンバ11内に流し、溶解用坩堝2の直下に
設置してあるガス導入口9から5vol%H2O −Ar混合ガス
を15l/min 流した。この状態でストッパ5を持ち上げて
溶融シリコンを滴下させ、受け坩堝8で回収した。この
とき水滴発生器12から約50μm の水滴13が照射さ
れ、ここを滴下するシリコンが通過した。このときの滴
下中のシリコンの平均径は10mmであった。滴下前のシリ
コンのボロン濃度と、滴下し回収したシリコンのボロン
濃度を表1に示す。
【0018】(実施例4) 比較例と全く同一の装置によって、 2kgのシリコンを加
熱溶解した。坩堝上部に設置されたAr導入口4からArを
10l/min チャンバ11内に流し、溶解用坩堝2の直下に
設置してあるガス導入口9から水蒸気濃度を 1〜60vol
%まで変化させたH2O −Ar混合ガスを15l/min 流した。
この状態でストッパ5を持ち上げて溶融シリコンを滴下
させ、受け坩堝8で回収した。このときの滴下中のシリ
コンの平均径は25mmであった。H2O −Ar混合ガス中の水
蒸気濃度と滴下前後のシリコン中のボロン濃度の比の関
係、ならびにH2O −Ar混合ガス中の水蒸気濃度と酸化物
を除去したシリコンの歩留りとの関係を図2に示す。
【0019】(実施例5) 比較例と全く同一の装置によって、 2kgのシリコンを加
熱溶解した。坩堝上部に設置されたAr導入口4からArを
10l/min チャンバ11内に流し、溶解用坩堝2の直下に
設置してあるガス導入口9から5vol%H2O −Ar混合ガス
を15l/min 流した。この状態でストッパ5を持ち上げて
溶融シリコンを滴下させ、受け坩堝8で回収した。この
とき、滴下孔とストッパ5の先端との距離を調整し、滴
下シリコン6の平均粒径を 5〜50mmまで変化させた。滴
下中のシリコンの大きさと滴下前後のシリコン中のボロ
ン濃度の比の関係を図3に示す。
【0020】本発明の実施例では、表1からわかるよう
に、シリコン中のボロンは必ずしも太陽電池用として十
分な量まで低減されないが、これに前記した従来技術を
併用することにより十分な結果を得ることができる。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明によってシリコンから除去しにく
いボロンを予め容易に低減しておくことができるので、
前記した特開平4-228414号公報や特開平4-193706号公報
などで開示されるボロン除去処理の負担が軽減され、最
終的にボロンを除去する時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する際に用いる装置の一例を示す
縦断面図。
【図2】H2O −Ar混合ガス中の水蒸気濃度と滴下前後の
シリコン中のボロン濃度の比の関係ならびにH2O −Ar混
合ガス中の水蒸気濃度と酸化物を除去したシリコンの歩
留りとの関係を示すグラフ。
【図3】滴下シリコンの大きさと滴下前後のシリコン中
のボロン濃度の比の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 シリコン 2 シリカ坩堝(溶解・保持用容器) 3 抵抗式ヒータ 4 Ar導入口 5 ストッパ 6 滴下シリコン6’滴下後シリコン 7 坩堝台 8 受け坩堝(受け容器) 9 H2O −Ar混合ガス導入口 10 ガス排出口 11 チャンバ(反応容器) 12 水滴発生器 13 水滴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 浩二 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究本部内 (72)発明者 寺嶋 久榮 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究本部内 (56)参考文献 英国特許897730(GB,B) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/037

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンの精製を行う反応容器内におい
    て、 Ar ガスを導入しつつ、原料シリコンを溶解・保持用
    容器の中で溶解して溶融シリコンとし、所定量の水蒸気
    を含む Ar ガスを導入して、前記溶解・保持用容器の下方
    1vol%以上 40vol %以下の水蒸気を含むArガス雰囲
    気層を形成し、該雰囲気層中に前記溶解・保持容器から
    溶融シリコンを滴下させ、滴下シリコンを受け容器で受
    けると共に、滴下シリコン中のボロンと前記水蒸気とが
    反応して生成された酸化ガスおよび使用後のガスのガス
    排出を行い、前記原料シリコンを精製することを特徴と
    するシリコンの精製方法。
  2. 【請求項2】 前記滴下シリコンに向けて水滴を照射す
    ることを特徴とする請求項1記載のシリコンの精製方
    法。
  3. 【請求項3】 前記滴下シリコンの液滴の平均直径が30
    mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のシ
    リコンの精製方法。
  4. 【請求項4】 シリコンの精製を行う反応容器である、
    チャンバ内の上部に、原料シリコンを溶解、保持する容
    器が設けられ、該溶解・保持用容器は、溶融シリコンを
    滴下できるように構成されており、一方、前記チャンバ
    内の下部に、滴下後シリコンを受ける受け容器が設けら
    れ、さらに前記チャンバには、その上部に前記 Ar ガス導
    入口が設置されていると共に、前記溶解・保持用容器の
    直下に相当する高さ方向中間位置に H 2O Ar 混合ガス導
    入口が設置され、その下部にガス排出口が設置されてい
    ることを特徴とするシリコンの予備処理装置。
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