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JP3508577B2 - ブロック共重合体及びその製造法 - Google Patents
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JP3508577B2 - ブロック共重合体及びその製造法 - Google Patents

ブロック共重合体及びその製造法

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JP3508577B2
JP3508577B2 JP30352398A JP30352398A JP3508577B2 JP 3508577 B2 JP3508577 B2 JP 3508577B2 JP 30352398 A JP30352398 A JP 30352398A JP 30352398 A JP30352398 A JP 30352398A JP 3508577 B2 JP3508577 B2 JP 3508577B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラクム及び/又
はアミノカルボン酸から得られる脂肪族ポリアミドを2
0〜100重量%含有するポリアミドとビニルポリマー
とからなるブロック共重合体及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、多種類のプラスチックが開発さ
れ、それぞれの特徴を生かした用途で使用されている。
近年、要求特性の多様化に伴い、新たな特徴を有するポ
リマー材料が要望されている。その一つとして、エンジ
ニヤリングプラスチックと汎用ポリマーの両者の特徴を
有するポリマー材料に対する要求がある。その中で、代
表的なエンジニヤリングプラスチックであるポリアミド
と代表的な汎用ポリマーであるビニルポリマーの両者の
特徴を有する共重合体に対する要求は強い。
【0003】従来、ポリアミドとビニルポリマーからな
る共重合体に関し、重合開始剤としてアゾ基含有ポリア
ミドを使用し、ビニルモノマーを重合すると得られるこ
とが、J.Polym.Sci.Polym Chem Ed, Vol.22,1611(19
84)、高分子論文集,Vol.33,131(1976)や大阪市工業研究
所報告,第84回(1989)などに報告されている。
【0004】これらの報告は、特開昭49−17895
号公報に記載の一般式(1)
【化3】 (式中、Xはハロゲン原子を、R1およびR2は水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基またはニトリル基を示
し、aは0または1〜6の整数を示す。)で表されるア
ゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物とヘキサメチレンジ
アミンなどのジアミンとを、一般式(2)
【化4】 (式中、Xはハロゲン原子を、R3は炭素数1〜20の
2価の脂肪族又は芳香族の炭化水素基を示す。)で表さ
れるジカルボン酸ハロゲン化物の不存在下又は存在下
に、反応させて得られるアゾ基含有ポリアミドを重合開
始剤として、スチレンを重合させて得られるナイロン6
6−ポリスチレン共重合体やナイロン610−ポリスチ
レン共重合体及びその製造法に関するものである。
【0005】又、アミド結合が部分的にニトロソ化され
たポリアミドを重合開始剤としてビニルモノマーを重合
する方法が、J.Polym.Sci.Polym Chem Ed, Vol.18,2
011(1980)やJ.Polym.Sci.Polym Chem Ed, Vol.20,19
35(1980)などに報告されている。この方法は、カプロラ
クタム及び/又は6−アミノカルボン酸から合成される
ポリアミドを酸化窒素などで処理して得られる一部のア
ミド基がニトロソ化されたポリアミドを重合開始剤とし
てビニルモノマーを重合するポリアミドとビニルポリマ
ーとからなる共重合体及びその製造法に関する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前者の方法でポリアミ
ドとビニルポリマーとからなる共重合体の製造に用いら
れる重合開始剤のアゾ基含有ポリアミドは、一般式
(2)で表されるジカルボン酸ハロゲン化物の不存在下
又は存在下に、アゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物と
ジアミンとを反応させる方法で製造される。ジカルボン
酸ハロゲン化物の不存在下に反応させた場合、アゾ基含
有ポリアミドはアゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物と
ジアミンとの縮合反応によって得られ、アゾ基とアミド
基が交互に繰り返す化学構造となる。従って、分子鎖中
に多数のアゾ基を含有しているため、重合開始剤として
の活性は高いが、アゾ基が全て分解するとポリアミドの
分子構造が消失するので、ポリアミドとビニルポリマー
との共重合体は得られない。又、アゾ基が部分的に残っ
た場合、得られるポリアミドは熱的に不安定なものとな
り、実用的でない。
【0007】一方、ジカルボン酸ハロゲン化物存在下に
反応させた場合、少なくとも三種類の反応、すなわち、
アゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物とジアミンとの反
応、ジカルボン酸ハロゲン化物とジアミンとの反応及び
ジカルボン酸ハロゲン化物とジアミンとから生成するポ
リアミドとアゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物との反
応が併行して起こり、それぞれの反応生成物の混合物が
得られる。この反応生成物の中で、目的のポリアミドと
ビニルポリマーとからなるブロック共重合体製造に使用
できる重合開始剤は、ジカルボン酸ハロゲン化物とジア
ミンとから生成するポリアミドとアゾ基含有ジカルボン
酸ハロゲン化物との反応で得られるアゾ基含有ポリアミ
ドである。しかし、幾つかの反応が併行して進行するた
め、このアゾ基含有ポリアミドの生成量やポリアミド部
分の数平均分子量を制御することは困難である。又、生
成混合物中からこのアゾ基含有ポリアミドを単離するこ
とは難しい。又、このポリアミド部分の化学構造はジア
ミンとジカルボン酸ハロゲン化物の構造に限定され、フ
ィルム特性や加工特性の良好なラクタム及び/又はアミ
ノカルボン酸から得られる脂肪族ポリアミドの構成単位
を含有するポリアミドとビニルポリマーからなるブロッ
ク共重合体を得ることは難しい。
【0008】後者の従来技術である部分ニトロソ化され
たポリアミドを重合開始剤としてポリアミドとビニルポ
リマーからなる共重合体を製造する方法では、ニトロソ
化反応がランダムな位置のアミド基で起るため、ニトロ
ソ化されたアミド基間のポリアミドの数平均分子量は制
御できない。従って、この方法で得られるポリアミドと
ビニルポリマーからなるブロック共重合体のポリアミド
部分の数平均分子量は制御されないため、得られるポリ
アミドとビニルポリマーからなる共重合体の化学構造の
再現性は悪く、安定した物性を有する共重合体を得るこ
とは難しい。又、部分ニトロソ化されたポリアミドの重
合開始剤活性はそれほど高いものでは無い。
【0009】本発明の目的は、ラクタム及び/又はアミ
ノカルボン酸から得られる脂肪族ポリアミドを20〜1
00重量%含有するポリアミドとビニルポリマーからな
るブロック共重合体及びその製造法の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
検討した結果、予め、ラクタム及び/又はアミノカルボ
ン酸を主原料として、二つのアミノ基と特定の数平均分
子量を有するポリアミドを合成し、この合成したポリア
ミドとアゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物との反応か
ら得られるアゾ基含有ポリアミドを重合開始剤としてビ
ニルモノマーを重合させることにより、本発明課題のブ
ロック共重合体が再現性良く得られることを見出し、本
発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明の第一の発明は、ラク
ム及び/又はアミノカルボン酸から得られる脂肪族ポリ
アミドを20〜100重量%含有し、かつ、二つのアミ
ノ基を有するポリアミドと一般式(1)
【化5】 (式中、Xはハロゲン原子を、R 1 およびR 2 は水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基またはニトリル基を示
し、aは0または1〜6の整数を示す。)で表されるア
ゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物との反応で得られる
アゾ基含有ポリアミドを重合開始剤として、ビニルモノ
マーを重合させて得られるポリアミドとビニルポリマー
とからなるブロック共重合体である。
【0012】又、本発明の第二の発明は、ラクム及び
/又はアミノカルボン酸から得られる脂肪族ポリアミド
を20〜100重量%含有し、かつ、二つのアミノ基を
有するポリアミドと一般式(1)
【化6】 (式中、Xはハロゲン原子を、R1およびR2は水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基またはニトリル基を示
し、aは0または1〜6の整数を示す。)で表されるア
ゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物との反応で得られる
アゾ基含有ポリアミドを重合開始剤として、ビニルモノ
マーを重合させることを特徴とするポリアミドとビニル
ポリマーからなるブロック共重合体の製造法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、詳細に本発明を説明する。
本発明で重合開始剤に用いられるアゾ基含有ポリアミド
は、予め、ラクム及び/又はアミノカルボン酸から得
られる脂肪族ポリアミド(以降、「脂肪族ポリアミド」
と記載)を20〜100重量%含有し、かつ、二つのア
ミノ基を有するポリアミドを合成し、このポリアミドと
一般式(1)で表されるアゾ基含有ジカルボン酸ハロゲ
ン化物との反応で得られる化合物である。予め合成され
たポリアミドを使用するため、特定の数平均分子量のポ
リアミドを含有するアゾ基含有ポリアミドを再現良く、
得ることができる。脂肪族ポリアミドを20〜100重
量%含有し、かつ、二つのアミノ基を有するポリアミド
の数平均分子量は500〜40,000、好ましくは
1,000〜30,000、さらに好ましくは2,00
0〜25,000である。このポリアミドの数平均分子
量が40,000より大きい場合、このポリアミドとア
ゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物との反応速度が低下
し、アゾ基含有ポリアミドの製造時間が長くなる。一
方、500より小さいと、ポリアミド本来の性質を有す
るポリアミドとビニルポリマーからなるブロック共重合
体を得ることが難しくなる。本発明では、予め合成した
特定の数平均分子量を有するポリアミドとアゾ基含有ジ
カルボン酸ハロゲン化物との反応でアゾ基含有ポリアミ
ドを得るため、目的とするポリアミドブロックを含有す
るアゾ基含有ポリアミドを再現性良く、製造でき、精製
することなく、そのままでビニルモノマーの重合開始剤
として利用できる。
【0014】脂肪族ポリアミドを20〜100重量%含
有し、かつ、二つのアミノ基を有するポリアミドはアミ
ノカルボン酸の縮重合やラクタムの開環重合により得ら
れる脂肪族ポリアミド20〜100重量%、好ましく5
0〜100重量%とジアミンとジカルボン酸又はこれら
の塩の縮重合により得られるポリアミド0〜80重量
%、好ましくは0〜50重量%とからなる。この脂肪族
ポリアミドが20重量%より少い場合、得られるポリア
ミドとビニルポリマーとの共重合体が脆くなるなど特性
が低下することがある。
【0015】本発明で使用されるラクタムの具体例に
は、ピロリドン、メチルピロリドン、カプロラクタム、
エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカラクタ
ムなどを挙げることができ、アミノカルボン酸の具体例
には、5−アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、7−
アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノ
ノナン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウン
デカン酸、12−アミノドデカン酸などを挙げることが
できる。これらのラクタム、アミノカルボン酸は単独で
使用しても良く、又、2種類以上を適宜組合せて使用し
ても良い。
【0016】本発明で使用できるジアミンとしては、通
常、炭素数2〜24のジアミンが使用され、具体例とし
ては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テト
ラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメ
チレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレン
ジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレン
ジアミン、トリデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチ
レンジアミン、オクタデカメチレンジアミン、2,2,
4(又は2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジア
ミンのような脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミ
ン、メチルシクロヘキサンジアミン、ビスー(4,4’
−アミノシクロヘキシル)メタンのような脂環式ジアミ
ン、キシリレンジアミンのような芳香族ジアミン等が挙
げられる。これらのジアミンは単独で使用しても良く、
また、2種以上を適宜組合せて使用しても良い。
【0017】ジカルボン酸としては、通常、炭素数2〜
24のジカルボン酸が使用され、具体例としては、マロ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカ
ンジオン酸、ドデカンジオン酸、トリデカジオン酸、テ
トラデカジオン酸、ヘキサデカジオン酸、ヘキサデセン
ジオン酸、オクタデカジオン酸、オクタデセンジオン
酸、エイコサンジオン酸、エイコセンジオン酸、エイコ
サジエンジオン酸、ドコサンジオン酸、2,2,4−ト
リメチルアジピン酸のような脂肪族ジカルボン酸、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカル
ボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、キシ
リレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸等が挙
げられる。これらのジカルボン酸は単独で使用しても良
く、また、2種以上を適宜組合せて使用しても良い。上
記のジアミンとジカルボン酸はほぼ等モルの配合割合で
組合せるか、又は、これらのナイロン塩として使用され
る。
【0018】脂肪族ポリアミドを20〜100重量%含
有し、かつ、二つのアミノ基を有するポリアミドは、前
記のモノマー類に特定量のジアミンを添加し、溶融重
合、溶液重合など公知のポリアミドの合成法により製造
される。例えば、ラクタムに特定量のジアミンと少量の
水を加えて開環重合する方法、アミノカルボン酸に特定
量のジアミンと必要ならば少量の水を加えて重縮合する
方法、又、ラクタム及び/又はアミノカルボン酸に必要
量のジアミンとジカルボン酸又はこれらのナイロン塩、
特定量のジアミン及び必要に応じて少量の水を加えて重
合させることにより製造される。通常、製造時の重合温
度は200−330℃である。
【0019】2つのアミノ基を有するポリアミドは、ポ
リアミド合成の際に特定量のジアミンを添加することに
より得られる。添加されるジアミンは、炭素数2〜24
のジアミンが使用され、具体例としては、エチレンジア
ミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウ
ンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ト
リデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミ
ン、オクタデカメチレンジアミン、2,2,4(又は
2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジアミンのよ
うな脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、メチル
シクロヘキサンジアミン、ビスー(4,4’−アミノシ
クロヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリ
レンジアミンのような芳香族ジアミン等が挙げられる。
これらのジアミンは単独で使用しても良く、また、2種
以上を適宜組合せて使用しても良い。このジアミンの添
加量は、ラクタム及び/又はアミノカルボン酸1モルに
対して、0.0001〜0.2モル、好ましくは、0.
001〜0.1モルである。この上限より多い場合、ポ
リアミドの数平均分子量が小さくなり過ぎることがあ
る。一方、下限より少ない場合、ポリアミドの数平均分
子量が大きくなり過ぎたり、二つのアミノ基を有するポ
リアミドが生成しなくなることがある。
【0020】一般式(1)で表されるアゾ基含有ジカル
ボン酸ハロゲン化物は一般式(3)
【化7】 (式中、R4およびR5は水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基またはニトリル基を示し、bは0または1〜6の
整数を示す。)で表されるアゾ基含有ジカルボン酸の塩
化物、臭化物あるいは沃化物であり、アゾ基含有ジカル
ボン酸とホスゲン、塩化チオニル、三塩化りん、五塩化
りんなどの塩素系化合物あるいはこれらに対応する臭素
系化合物あるいは沃素系化合物との反応により得られ
る。アゾ基含有ジカルボン酸の具体例としては、4,4
'−アゾビス−シアノバレリアン酸、6,6'−アゾビス
−6−シアノヘプタン酸、2,2'−アゾビス−2−メ
チルプロピオン酸、5,5'−アゾビス−5−メチルカ
プロン酸、7,7'−アゾビスカプリル酸、4,4'−ア
ゾビス−4−メチルカプロン酸、4,4'−アゾビス−
4−プロピルヘプタン酸、3,3'−アゾビスプロピオ
ン酸などが挙げられる。
【0021】脂肪族ポリアミドを20〜100重量%含
有し、かつ、二つのアミノ基を有するポリアミドと一般
式(1)で表されるアゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化
物との反応は、ポリアミドのアミノ基1モル当量に対し
てアゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物の酸ハロゲン基
が0.5〜10モル当量、好ましくは 0.7〜8モル
当量となる割合で行われる。酸ハロゲン基の量がアミノ
基1モル当量に対して0.5モル当量より少ない場合、
アゾ基を含有していない未反応のポリアミドが多く残
る。又、酸ハロゲン基の割合がアミノ基1モル当量に対
して10モル当量より多い場合は、ポリアミドと結合し
ていない未反応のアゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物
が多く残る。
【0022】本発明のアゾ基含有ポリアミドの合成は、
アゾ基の熱安定性を考慮するとできるだけアゾ基を分解
させない条件で実施する必要があり、反応温度の制御は
重要で、溶液反応で行うことが好ましい。この溶液反応
に使用できる溶媒としては、ポリアミドを溶解し、か
つ、酸ハロゲン基やアミノ基との反応性が無いか、又
は、反応性が非常に低いものが選ばれる。このような溶
媒の具体例としては、フェノール、クレゾールなどのフ
ェノール系溶媒およびこれらと炭化水素系溶媒との混合
溶媒、塩化リチウム、塩化カルシウムなどのハロゲン化
無機物を溶解したN−メチル−2−ピロリドン、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリノンのようなアミド系
溶媒などを挙げることができる。
【0023】反応温度はアゾ基の分解温度を考慮して6
0℃以下、好ましくは0〜50℃の温度範囲であり、反
応時間は反応温度により異なるが、通常、0.1時間以
上が必要である。反応温度が60℃より高くなるとアゾ
基が短時間で分解し、目的のアゾ基含有ポリアミドを得
ることが難しくなる。一方、反応温度が過度に低い場合
は、反応速度が極端に遅くなる。
【0024】脂肪族ポリアミドを20〜100重量%含
有し、かつ、二つのアミノ基を有するポリアミドと一般
式(1)であらわされるアゾ基含有ジカルボン酸ハロゲ
ン化物との反応をすみやかに進行させるため、トリエチ
ルアミン、ピリジン、キノリン、イソキノリンなどの第
3級アミンなどの塩基性触媒を添加しても良い。
【0025】アゾ基含有ポリアミドの合成反応終了後、
アゾ基含有ポリアミドを含む反応溶液はそのままで重合
開始剤として使用できる。又、アゾ基含有ポリアミドを
単体として得る場合、反応溶液を多量の貧溶媒に注ぎ込
むか、又は逆に、貧溶媒を反応溶液に添加することによ
り、合成したアゾ基含有ポリアミドを析出させ、濾別し
た後、乾燥することにより得ることができる。
【0026】上記の方法で得られたアゾ基含有ポリアミ
ドはビニルモノマーの重合開始剤として有効な化合物で
ある。本発明において使用されるビニルモノマーとして
は、ラジカル反応により重合するモノマーであれぱ特に
限定なく使用することができる。このようなモノマーと
しては、例えぱエチレン、プロピレン、ブテン、イソブ
テン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、スチレ
ン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、シアン化
ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミドや、ア
クリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のア
クリル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル
酸−2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類、
無水マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエ
チル等のマレイン酸エステル類、フマル酸ジメチル、フ
マル酸ジエチル等のフマル酸エステル類、マレイミド、
N一メチルマレイミド、N一シクロヘキシルマレイミド、
N一フェニルマレイミド等のN−置換マレイミド類、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のカル
ボン酸ビニルエステル類、メチルビニルエーテル、フェ
ニルビニルエーテル等のビニルエーテル類や、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニル
ピリジン、N一ビニルピロリドン等を挙げることがで
き、これらは単独で使用しても良く、又、2種類以上を
適宜組合せて使用しても良い。
【0027】本発明のアゾ基含有ポリアミドを重合開始
剤に使用し、上記のビニルモノマーを重合させる場合、
取扱いが容易で、安定した状態で重合させるため、溶液
法で行われることが好ましい。使用される溶媒は、アゾ
基含有ポリアミドを室温で溶解するものであれば特に限
定されない。具体例としては、フェノール、クレゾール
などのフェノール系溶剤及びこれらと炭化水素系溶剤と
の混合溶媒、塩化リチウム、塩化カルシウムなどのハロ
ゲン化無機物を溶解したN−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンな
どのアミド系溶剤、フェノール系溶剤とメタノール、エ
タノールなどのアルコール系溶剤との混合溶液、トリフ
ルオロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノールな
どのフッ素系アルコール、蟻酸などの有機酸などが挙げ
られる。
【0028】ビニルモノマーの重合は、ビニルモノマー
1モルに対してアゾ基含有ポリアミドのアゾ基のモル数
が0.0001〜1モルとなる割合で使用される。アゾ
基含有ポリアミドの使用量が上記下限より少ない場合、
ビニルモノマーの重合速度が非常に遅くなるので好まし
くない。又、上限より多い場合は、合成されるビニルポ
リマーの数平均分子量がそれほど大きくならず、ビニル
ポリマーの特性を有する共重合体を得ることが難しくな
る。
【0029】ビニルモノマーの重合反応は、アゾ基含有
ポリアミドとビニルモノマーを溶媒に溶解した後、加熱
したり、光や電子線を照射するなど公知の方法でラジカ
ルを発生させることにより開始する。重合温度は30℃
以上、好ましくは35〜150℃の範囲である。重合温
度が30℃より低いと、重合時間が極端に長くなる。1
50℃より高くなるとアゾ基の分解速度が速くなりす
ぎ、安定した状態で重合させることが難しくなる。 重
合時間は重合温度により異なるが、通常、0.5時間以
上である。 重合反応の際、公知のラジカル開始剤や光
増感剤などを併用しても良い。
【0030】重合反応終了後、合成されたポリアミドと
ビニルポリマーからなるブロック共重合体は反応溶剤を
蒸発など公知の方法で除去した後、乾燥させる方法や、
反応溶液を多量の貧溶媒に注ぎ込むか、又は逆に、貧溶
媒を反応溶液に添加することにより、合成されたポリア
ミドとビニルポリマーからなるブロック共重合体を析出
させ、濾別した後、乾燥する方法により得ることができ
る。又、ビニルポリマーのホモポリマー等が副生した場
合、必要に応じて抽出や再沈等の精製法によりビニルポ
リマーを除去することができる。
【0031】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明する。なお、実施例に記載した特性評価は次の方
法で行った。
【0032】1)ポリアミドの溶液粘度の測定 0.5g/100mlの濃度でm−クレゾールを溶媒と
して、25℃でウベローデ粘度計を用いて測定し、次式
により溶液粘度ηsp/c(単位;ml/g)を求め
た。 ηsp/c={(t−t0)/t0}/c ここで、t;溶液の流出時間(秒)、t0;溶媒のみの
流出時間(秒)、c;溶液濃度(g/ml)
【0033】2)アミノ基濃度の測定 フェノール/メタノール(4/1;体積比)混合溶媒4
0mlに試料を溶解し、チモールブルーを指示薬として
数滴加えた後、1/20N塩酸を用いて室温で滴定し
た。アミノ基濃度[NH2](単位;モル/g)は次式
で計算した。 [NH2]=(L1−L2)×f×10-4/(2×S) ここで、L1;試料溶液の滴定量(ml)、L2;溶媒の
みの滴定量(ml)、f;1/20N塩酸のファクタ
ー、S;試料量(g)
【0034】3)ポリアミドの数平均分子量(以降、
「Mn」で示す) Mnは、上記2)の方法で測定したアミノ基濃度[NH
2]を用いて、次式より計算した。 Mn=1/[NH2
【0035】4)アゾ基含有ポリアミドおよびポリアミ
ドとビニルポリマーからなるブロック共重合体の1H−
NMRの測定 日本電子(株)のJEOL EX−270を用い、重硫
酸を溶媒として、以下の条件で測定した。 測定条件 測定周波数;300MHz、測定温度;室温、試料濃
度;5重量%、標準物質;トリメチルシラン
【0036】5)ポリアミドとポリスチレンからなるブ
ロック共重合体の赤外吸収スペクトル(IR)の測定 パーキン−エルマー社製のフーリエ変換赤外分光分析装
置1750型を用い、KBr法によって測定した。
【0037】6)圧縮成形フィルムの評価 50℃で48時間減圧乾燥したポリアミドとビニルポリ
マーとからなるブロック共重合体1gをフェロー板の間
に挟み、圧縮成形機(神藤金属工業製、F−37)を使
用し、235℃でガス抜き操作を行った後、温度235
℃、圧力20kg/cm2・G、圧縮時間3分間の条件で
圧縮成形を行った。その後、フェロ板を取出し、空気中
で冷却してからフィルムを取出し、評価した。
【0038】合成例1 アゾ基含有ポリアミド(PA
−1)の合成 カプロラクタム13重量部、等モルのテレフタル酸とヘ
キサメチレンジアミンから得られたナイロン塩2.2重
量部とヘキサメチレンジアミン0.15重量部をオート
クレーブに仕込み、窒素置換後、240℃、圧力2気圧
で、4時間重合した。温度を250℃に昇温後、その温
度に保持したまま圧力を大気圧まで降圧した。窒素気流
下、さらに、4時間重合した。その後、重合物を取出
し、粉砕、メタノールでソックスレー抽出してから、乾
燥し、二つのアミノ末端基を有するナイロン6と6T
(Tはテレフタル酸単位を示す。)の共重合体(以降、
「ナイロン6/6T」と記載)を得た。得られたナイロ
ン6/6Tの溶液粘度は0.87であり、アミノ基濃度
から計算した数平均分子量Mnは9,300であった。
得られたナイロン6/6Tを10重量部とトリエチルア
ミン1.5重量部とをベンゼン25重量部とフェノール
75重量部からなる混合溶媒200重量部に溶解した。
氷冷しながら、4,4'−アゾビス−シアノバレリアン
酸ジクロリド(ACPC)0.35重量部を溶解したテ
トラヒドロフラン(THF)15重量部を滴下した。滴
下後、20℃で2時間撹拌しながら、反応させた。反応
溶液を多量のメタノール中に注ぎ入れ、反応物を析出さ
せた後、濾別、減圧乾燥しアゾ基含有ポリアミド(以
降、「PA−1」と記載)を得た。PA−1の溶液粘度
は1.40であり、滴定でアミノ基は測定されなかっ
た。また、紫外線吸収測定では、348nmにアゾ基の
吸収が観察された。
【0039】合成例2 アゾ基含有ポリアミド(PA
−2)の合成 カプロラクタムの代りに6−アミノカプロン酸を使用し
た以外は合成例1と同様の方法で実施し、二つのアミノ
末端基を有するナイロン6/6Tを得た。得られたナイ
ロン6/6Tの溶液粘度は0.85であり、アミノ基濃
度から計算した数平均分子量Mnは9,000であっ
た。このポリアミドを使用して、合成例1と同様の方法
で、アゾ基含有ポリアミド(以降、「PA−2」と記
載)を得た。PA−2の溶液粘度は1.38であり、滴
定でアミノ基は測定されなかった。また、紫外線吸収測
定では、348nmにアゾ基の吸収が観察された。 合成例3 アゾ基含有ポリアミド(PA−3)の合成 カプロラクタム11.3重量部、水0.5重量部とヘキ
サメチレンジアミン0.27重量部をオートクレーブに
仕込み、窒素置換後、240℃、圧力2気圧で、4時間
重合した。温度を250℃に昇温後、その温度に保持し
たまま圧力を大気圧まで降圧した後、窒素気流下、さら
に、4時間重合した。その後、重合物を取出し、粉砕、
メタノールでソックスレー抽出してから、乾燥し、二つ
のアミノ末端基を有するナイロン6を得た。このナイロ
ン6の溶液粘度は0.26であり、アミノ基濃度から計
算した数平均分子量Mnは5000であった。得られた
ナイロン6を10重量部と4,4'−アゾビス−シアノ
バレリアン酸ジクロリド(ACPC)0.63重量部を
用いた以外は合成例1と同様の方法で実施し、アゾ基含
有ポリアミド(以降、「PA−3」と記載)を得た。P
A−3の溶液粘度は1.32であり、滴定でアミノ基は
測定されなかった。また、紫外線吸収測定では、348
nmにアゾ基の吸収が観察された。
【0040】合成例4 アゾ基含有ポリアミド(PA−
4)の合成 カプロラクタム2重量部、等モルのヘキサメチレンジア
ミンとアジピン酸から得られたナイロン塩13.2重量
部とヘキサメチレンジアミン0.15重量部を使用した
以外は合成例と同一の方法で実施し、二つのアミノ末端
基を有するナイロン6/66共重合体を得た。得られた
ナイロン6/66の溶液粘度は0.88であり、アミノ
基濃度から計算した数平均分子量Mnは9,600であ
った。このポリアミドを使用して、合成例1と同様の方
法で実施し、アゾ基含有ポリアミド(以降、「PA−
4」と記載)を得た。PA−4の溶液粘度は1.40で
あり、滴定でアミノ基は測定されなかった。また、紫外
線吸収測定では、348nmにアゾ基の吸収が観察され
た。
【0041】実施例1 PA−1の1重量部を、フェノール−メタノール混合溶
媒(フェノール:メタノール=4:1、体積比)200
重量部に室温で溶解し、その溶液にメタクリル酸メチル
4重量部を加えた。次いで、窒素雰囲気下、60℃、攪
拌下に、24時間、重合させた。その後、反応溶液をメ
タノール中に注ぎ入れ、重合物を析出させ、濾過、減圧
乾燥した。重合収率は80%であった。得られた重合物
1H−NMRの測定により、ナイロン6/6Tのシグ
ナルとポリ(メタクリル酸メチル)のシグナルが観察さ
れ、ポリアミドとポリ(メタクリル酸メチル)とのブロ
ック共重合体であることが確認された。圧縮成形により
このブロック共重合体から柔軟なフィルムが得られた。
【0042】比較例1 PA−1の代りにPA−4を使用した以外は実施例1と
同様に実施した。得られた重合物は1H−NMRの測定
により、ナイロン6/66のシグナルとポリ(メタクリ
ル酸メチル)のシグナルが観察され、ポリアミドとポリ
(メタクリル酸メチル)とのブロック共重合体であるこ
とが確認された。圧縮成形によりこのブロック共重合体
からフィルム作成したが、曲げると直ぐに折れる脆いも
のであった。
【0043】実施例2 PA−2を2.5重量部、メタクリル酸メチルを10重
量部用いた以外は、実施例1と同様の方法でメタクリル
酸メチルを重合させ、重合物を得た。この重合物は1
−NMRの測定により、ナイロン6/6Tのシグナルと
ポリ(メタクリル酸メチル)のシグナルが観察され、ポ
リアミドとポリ(メタクリル酸メチル)とのブロック共
重合体であることが確認された。
【0044】実施例3 PA−3を2.0重量部とスチレンを5.5重量部用い
た以外は、実施例1と同様の方法でスチレンを重合さ
せ、重合物を得た。この重合物はIRの測定から、ナイ
ロン6およびポリスチレンの吸収が観察され、ナイロン
6とポリスチレンとのブロック共重合体であることが確
認された。
【0045】
【発明の効果】本発明はラクム及び/又はω−アミノ
カルボン酸から得られる脂肪族ポリアミドを20〜10
0重量%含有するポリアミドとビニルポリマーとからな
るブロック共重合体に関し、このブロック共重合体はラ
クラム及び/又はアミノカルボン酸から得られる脂肪族
ポリアミドを20〜100重量%含有し、かつ、二つの
アミノ基を有するポリアミドと一般式(1)
【化8】 (式中、Xはハロゲン原子を、R1およびR2は水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基またはニトリル基を示
し、aは0または1〜6の整数を示す。)で表されるア
ゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物との反応で得られる
アゾ基含有ポリアミドを重合開始剤として、ビニルモノ
マーを重合させることにより再現性良く得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/50 C08F 4/00 - 4/58 C08F 4/72 - 4/82 C08F 251/00 - 283/00 510 C08F 283/02 - 289/00 C08F 291/00 - 297/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラクム及び/又はアミノカルボン酸から
    得られる脂肪族ポリアミドを20〜100重量%含有
    し、かつ、二つのアミノ基を有するポリアミドと一般式
    (1) 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を、R 1 およびR 2 は水素原
    子、炭素数1〜6のアルキル基またはニトリル基を示
    し、aは0または1〜6の整数を示す。)で表されるア
    ゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物との反応で得られる
    アゾ基含有ポリアミドを重合開始剤として、ビニルモノ
    マーを重合させて得られるポリアミドとビニルポリマー
    とからなることを特徴とするブロック共重合体。
  2. 【請求項2】ラクム及び/又はアミノカルボン酸から
    得られる脂肪族ポリアミドを20〜100重量%含有
    し、かつ、二つのアミノ基を有するポリアミドと一般式
    (1) 【化2】 (式中、Xはハロゲン原子を、R1およびR2は水素原
    子、炭素数1〜6のアルキル基またはニトリル基を示
    し、aは0または1〜6の整数を示す。)で表されるア
    ゾ基含有ジカルボン酸ハロゲン化物との反応で得られる
    アゾ基含有ポリアミドを重合開始剤として、ビニルモノ
    マーを重合させることを特徴とする請求項1記載のポリ
    アミドとビニルポリマーとからなるブロック共重合体の
    製造法。
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