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JP3517766B2 - Rf電力増幅回路および移動体通信端末装置 - Google Patents
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JP3517766B2 - Rf電力増幅回路および移動体通信端末装置 - Google Patents

Rf電力増幅回路および移動体通信端末装置

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JP3517766B2
JP3517766B2 JP03590397A JP3590397A JP3517766B2 JP 3517766 B2 JP3517766 B2 JP 3517766B2 JP 03590397 A JP03590397 A JP 03590397A JP 3590397 A JP3590397 A JP 3590397A JP 3517766 B2 JP3517766 B2 JP 3517766B2
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英一 長谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線通信用のRF
電力増幅回路、さらにはGaAs・FET(電界効果ト
ランジスタ)を使用するRF電力増幅回路に適用して有
効な技術に関するものであって、たとえばCDMA(符
号分割多次元接続)技術を使ったデジタル方式の携帯電
話端末に利用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯電話端末などの移動体通信端末装置
では、1GHz以上のマイクロ波領域の無線信号を送信
するために、従来のシリコン・バイポーラ・トランジス
タよりも動作速度の速いデプレッション型GaAs・F
ETを採用したRF増幅電力増幅回路が使用される。
【0003】また、通信方式としては、周波数利用効率
を高めるために、従来の周波数分割多元接続方式や時分
割多元接続方式に代わって、スペクトル拡散を行う符号
分割多元接続方式いわゆるCDMA技術が注目されてい
る。
【0004】この種の移動体通信端末装置では、まず、
携帯性を高めるために、小型軽量であるとともに、電力
消費が少なくて電池寿命の長いことが要求される。これ
とともに、生産適性および動作の安定性を高めるため
に、無調整であることも要求される。
【0005】また、セルラー方式の携帯電話システム、
とくにCDMA方式のシステムでは、送信電力を必要最
小限に抑えることが、周波数利用効率を高める上で非常
に有効となる。つまり、端末局が基地局のすぐ近くにあ
るときは送信電力を小さくし、離れているときは大きく
することで、CDMA復調の妨げとなる雑音レベルを抑
えることができる。
【0006】このためには、送信電力をきめ細かく制御
できるようにすればよい。送信電力の制御は、RF電力
増幅回路の入力レベルを制御するとともに、たとえば
0.02mW〜200mWといった非常に広い出力範囲
にわたって良好な直線性を呈する線形のRF電力増幅回
路を使用すればよい。CDMA方式の移動体通信端末装
置では、最大出力時にも線形動作するようにバイアス設
定された線型動作のRF電力増幅回路が使用される。
【0007】なお、移動体通信端末装置については、た
とえば日経BP社刊行「日経エレクトロニクス 199
7年1月13日号(no.680)」65〜90ページ
(特集:携帯電話)などに、その概要が記載されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た技術には、次のような問題のあることが本発明者らに
よってあきらかとされた。
【0009】すなわち、線型増幅回路のバイアス電流は
出力に関係なく一定となる。したがって、最大出力時に
線形動作するようにバイアス設定された線型RF電力増
幅回路は、送信電力がその最大出力を大きく下回ってい
る場合でも、つまり小電力出力時でも、常に、最大出力
時のバイアス電流を流し続ける。これは消費電力の上で
無駄である。そこで、送信電力が小さい場合はバイアス
電流も小さくすることが検討されている。
【0010】しかし、RF電力増幅回路を構成するFE
Tの特性は必ずしも一定ではなく、製造プロセスあるい
は実装等の諸条件によるバラツキがある。このため、バ
イアス電流の設定に際しては、製品ごとに精密なバイア
ス設定を行うか、あるいは送信電力に対して十分なバラ
ツキ余裕を持たせたバイアス設定を行う必要があった。
【0011】ところが、前者の場合は、製品ごとに面倒
な調整が必要となるため、生産適性が著しく低下してし
まうという問題が生じる。後者の場合は、送信出力に対
して十分な余裕を持つべく、大きなバイアス電流を流す
ようにしなければならないため、消費電力を増大させて
電池寿命を短くしてしまうという問題が生じる。
【0012】なお、バイアス電圧を無調整で供給する技
術としては、たとえばIEEE Trans. Cir
cuit Theory,vol.CT−12,pp.
586−590,Dec.1965に記載されているよ
うに、シリコン・バイポーラ・トランジスタのコレクタ
電圧/電流特性を利用したバイアス回路が知られてい
る。しかし、そこで開示されているバイアス回路は、シ
リコン・バイポーラ・トランジスタ固有の特性(コレク
タ電圧/電流特性やベース・エミッタ間電圧など)を利
用したものであって、FETには適用できないことが本
発明者らによってあきらかにされた。
【0013】本発明の目的は、たとえば1GHz以上の
マイクロ波領域での無線信号を用いる移動体通信端末装
置の小型軽量化と電池での長時間動作化に有効であると
ともに、生産適性を著しく低下させる個別の調整を必要
することなく、単一電源の使用条件下でも安定かつ効率
的なRF電力増幅を可能にする、という技術を提供する
ことにある。
【0014】本発明の前記ならびにそのほかの目的と特
徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかにな
るであろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0016】すなわち、ソース接地およびデプレッショ
ン動作によりRF電力増幅回路を形成する第1のFET
とともに、この第1のFETに対して同種のFETであ
って、チャネル長が等しく、かつチャネル幅が小さく形
成された第2のFETと、正電源電圧から負電圧を発生
して第1のFETと第2のFETの各ゲートに負バイア
ス電圧を分配する可変電圧発生回路と、第2のFETの
ドレイン電流が所定の設定値となるように上記可変電圧
発生回路を制御する負帰還回路を設け、この負帰還回路
の動作によってRF電力増幅回路のバイアス設定を行わ
せる、というものである。
【0017】上述した手段によれば、RF電力増幅回路
を構成するFETの特性に製造プロセスあるいは実装等
の諸条件によるバラツキがあったとしても、そのFET
に所定の増幅動作を高効率で行わせるのに必要なバイア
ス電圧を、無調整でもって自己整合的に再現性良く設定
することができる。
【0018】これにより、たとえば1GHz以上のマイ
クロ波領域での無線信号を用いる移動体通信端末装置の
小型軽量化と電池での長時間動作化に有効であるととも
に、生産適性を著しく低下させる個別の調整を必要する
ことなく、単一電源の使用条件下でも安定かつ効率的な
RF電力増幅を可能にする、という目的が達成される。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、ソース接地されデプレッション動作によりRF電力
増幅を行なう第1のFET(J1,J2)と、第1の
FET(J1,J2)と同種のFETであってチャネル
長が等しくかつチャネル幅が小さく形成された第2のF
ET(Jx)と、該第2のFETのドレイン電圧と基準
電圧との差分を増幅して出力する電圧比較回路(16)
と、該電圧比較回路の出力に基づき、正電源電圧から負
電圧を発生して上記第1のFET(J1,J2)および
第2のFET(Jx)の各ゲートに負バイアス電圧(V
o)を分配する可変電圧発生回路(17)と、上記第1
のFETのゲートと上記可変電圧発生回路の出力側との
間に直列に接続された第1の抵抗(R1,R2)と、上
記第2のFETのゲートと上記可変電圧発生回路の出力
側との間に直列に接続された第2の抵抗(Rx)と、上
記可変電圧発生回路の出力電圧を上記第2のFETのゲ
ートに上記第2の抵抗を直列に介してバイアス電圧とし
て与え、上記ドレイン電圧が上記基準電圧と等しくなる
ような帰還制御を、上記第1のFETのゲートと上記第
2のFETのゲートとの間が互いに交流的に遮断された
状態で行なうことにより、上記第2のFET(Jx)の
ドレイン電流(Ix)が所定の設定値となるように上記
可変電圧発生回路(17)を制御する負帰還回路(1
8)とを具備してなり、上記負帰還回路を形成する上記
可変電圧発生回路の出力電圧が上記第1のFETのゲー
トに上記第1の抵抗を直列に介してバイアス電圧として
与えられるように構成されたものであり、これにより、
携帯電話端末などの移動体通信端末装置の小型軽量化と
電池での長時間動作化に有効であるとともに、生産適性
を著しく低下させる個別の調整を必要することなく、単
一電源の使用条件下でも安定かつ効率的なRF電力増幅
を可能にするという作用が得られる。
【0020】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のものに加えて、第1のFET(J1,J2)は線型増
幅回路を形成することを特徴としたものであり、これに
より、たとえばCDMA方式の通信に適した電力増幅特
性を確保することができるという作用が得られる。
【0021】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載のものに加えて、第1のFET(J1,J2)
と第2のFET(Jx)を同一半導体チップ上に熱的な
結合状態で形成したものであり、これにより、第1のF
ET(J1,J2)と第2のFET(Jx)の互いの相
似関係が一層緊密となって、バイアス設定の精度がさら
に高められるという作用が得られる。
【0022】請求項4に記載の発明は、請求項1から3
に記載のものに加えて、負帰還回路(18)によって制
御される第2のFET(Jx)のドレイン電流(Ix)
値を外部(60)からの信号に応じて設定する可変設定
回路を備えたものであり、これにより、RF電力増幅回
路のバイアス条件を外部(60)からきめ細かく設定す
ることができるという作用が得られる。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】請求項5に記載の発明は、ソース接地され
デプレッション動作によりRF電力増幅を行なう第1の
FET(J1,J2)と、第1のFET(J1,J
2)と同種のFETであってチャネル長が等しくかつチ
ャネル幅が小さく形成された第2のFET(Jx)と、
該第2のFETのドレイン電圧と基準電圧との差分を増
幅して出力する電圧比較回路(16)と、該電圧比較回
路の出力に基づき、正電源電圧から負電圧を発生して
第1のFET(J1,J2)および第2のFET(J
x)の各ゲートに負バイアス電圧(Vo)を分配する可
変電圧発生回路(17)と、上記第1のFETのゲート
と上記可変電圧発生回路の出力側との間に直列に接続さ
れた第1の抵抗(R1,R2)と、上記第2のFETの
ゲートと上記可変電圧発生回路の出力側との間に直列に
接続された第2の抵抗(Rx)と、上記可変電圧発生回
路の出力電圧を上記第2のFETのゲートに上記第2の
抵抗を直列に介してバイアス電圧として与え、上記ドレ
イン電圧が上記基準電圧と等しくなるような帰還制御
を、上記第1のFETのゲートと上記第2のFETのゲ
ートとの間が互いに交流的に遮断された状態で行なうこ
とにより、上記第2のFET(Jx)のドレイン電流
(Ix)が所定の設定値となるように上記可変電圧発生
回路(17)を制御する負帰還回路(18)とを有する
とともに、上記負帰還回路を形成する上記可変電圧発生
回路の出力電圧が上記第1のFETのゲートに上記第1
の抵抗を直列に介してバイアス電圧として与えられるよ
うに構成され、送信出力に応じて上記設定値を可変制御
する制御手段(50,60)を具備するようにしたもの
であり、これにより、携帯電話端末などの移動体通信端
末装置の小型軽量化と電池での長時間動作化を達成でき
るとともに、個別の調整を不要にしてその生産適性を向
上させることができるという作用が得られる。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】以下、本発明の好適な実施態様を図面を参
照しながら説明する。
【0041】なお、図において、同一符号は同一あるい
は相当部分を示すものとする。
【0042】図1は本発明の技術が適用された移動体通
信端末装置の概略構成を示す。
【0043】同図に示す移動体通信端末装置はCDMA
方式による携帯電話端末として構成され、RF電力増幅
回路10、出力整合回路13、RF受信プリアンプ2
0、分波器(またはアンテナ切換器)31、無線送受信
アンテナ32、送信側周波数変換回路(アップバータ)
41、受信側周波数変換回路(ダウンバータ)42、周
波数変換用のローカル信号を発生する周波数合成回路4
3、送受信IF部および各種制御信号の送受信機能を含
むベースバンドユニット50、論理制御ユニット60、
操作部および表示部を含む操作パネル61、送話器と受
話器からなるヘッドセット62、および装置全体の動作
電源(Vdd)を賄う内蔵電池70などを有する。
【0044】ここで、装置全体は内蔵電池70から供給
される正電圧電源(Vdd)によって動作するように構
成されている。
【0045】RF電力増幅回路10は、前段12と終段
11の多段構成であり、各増幅段11,12はそれぞ
れ、デプレッション動作する接合型のGaAs・FET
J1,J2を用いて構成されている。
【0046】各増幅段11,12のFETJ1,J2は
それぞれ、ソース接地型の線型増幅回路を形成し、共通
のバイアス発生回路14から分配されるゲートバイアス
電圧(Vo)で線型増幅動作するようにバイアスされな
らがら、周波数変換回路41にて所定の送信周波数に変
換された無線信号Rinを一定利得で電力増幅する。
【0047】各FETJx,J1,J2のゲートバイア
ス電圧供給路にはそれぞれ抵抗Rx,R1,R2が直列
に介在させられているとともに、各抵抗Rx,R1,R
2と可変電圧発生回路17の間に容量素子Cpが並列に
挿入さている。これにより、各FETJx,J1,J2
のゲート間が互いに交流(高周波)的に遮断(デカップ
リング)され、FETでの回り込み干渉が防止されるよ
うになっている。
【0048】FETの種類によっては、各FETJx,
J1,J2にゲートリークがあって、そのゲートリーク
による抵抗Rx,R1,R2での電圧降下が無視できな
いような場合もある。このような場合は、R1とRxの
抵抗値比がFETJ1とJxのチャネル幅比の逆数とな
るように設定し、同様に、R2とRxの抵抗値比がFE
TJ2とJxのチャネル幅比の逆数となるように設定す
ることにより、上記ゲートリークによる影響を相殺させ
ることができる。
【0049】バイアス発生回路14は、FETJx、可
変設定回路15、電圧比較回路16、可変電圧発生回路
17、容量素子C1、抵抗R3などにより構成されてい
る。
【0050】FETJxはバイアス発生のためのダミー
FETである。このダミーFETJxは、RF電力増幅
を行うFETJ1,J2に対して、同一半導体チップ上
に熱的な結合状態で形成された同種のFETであって、
チャネル長が等しく、かつチャネル幅が小さく形成され
ている。
【0051】抵抗R3は、ダミーFETJxのドレイン
と電源電位Vddの間に接続されてドレイン負荷をな
す。この抵抗R3の両端には、ダミーFETJxのドレ
イン電流Ixに応じた電圧Vx(=R3×Ix)が現れ
る。つまり、抵抗R3は、ダミーFETJxのドレイン
電流Ixを電圧変換する。
【0052】可変設定回路15は、外部からの信号によ
り出力電圧Vrが電気的に可変設定される可変電圧源1
51を用いて構成されている。この可変電圧源151の
出力電圧Vrは、論理制御ユニット60が送信電力に応
じて生成するデジタル制御信号によって可変設定され
る。
【0053】電圧比較回路16は、十分に大きな増幅利
得を有する演算増幅器を用いて構成され、ダミーFET
Jxのドレイン電圧Vxと可変電圧源151の出力電圧
Vrを比較してその差分を増幅・出力する。この電圧
較回路16の出力は可変電圧発生回路17に制御信号と
して与えられる。
【0054】可変電圧発生回路17は、正電源電圧(V
dd)から負電圧(Vo)を発生する回路であって、比
較回路16の出力によって出力電圧Voが可変制御され
るように構成されている。容量素子C1はバイアス発生
回路17の出力電圧Voを平滑(直流化)する。
【0055】上記出力電圧Voは、抵抗Rxを直列に介
して上記ダミーFETJxのゲートにバイアス電圧とし
て与えられる。これにより、上記ドレイン電流Ixが上
記可変電圧源151によって与えられる設定値(Vr)
と等しくなるような直流負帰還制御が行われるようにな
っている。すなわち、FETJx、可変設定回路15、
電圧比較回路16、可変電圧発生回路17、容量素子C
1、抵抗R3は、ダミーFETJxのドレイン電流Ix
が所定の設定値(Vdd−R3×Ix=Vr)となるよ
うに上記バイアス電圧(Vo)を可変制御する負帰還回
路18を形成する。
【0056】ベースバンドユニット50は、詳細な図示
は省略するが、CDMA方式の無線送信信号の発生およ
び受信・復調の機能に加えて、無線受信信号の電界強度
レベルを検出する検出手段、および/または無線通信相
手局からフィードバックされてくる自局送信電波の電界
強度情報を取得する受信手段を内蔵している。
【0057】論理制御ユニット60は、これも詳細な図
示は省略するが、携帯電話端末として通常必要となるシ
ステム制御機能に加えて、上記検出手段が検出した受信
電界強度レベル、または上記受信手段が受信した受信電
界強度情報に基づいて、送信電力が必要最小限となるよ
うな最適化設定を行う制御手段と、この制御手段の設定
に連動して、FETJ1,J2のドレインバイアス電流
が線型増幅動作の維持に最低必要な大きさとなるように
FETJxのドレイン電流を設定する制御手段を備えて
いる。
【0058】上記制御手段からの制御情報は、デジタル
信号の形でRF電力増幅回路10の可変設定回路15に
外部制御信号として与えられる。
【0059】なお、上記の制御手段は、マイクロ回路化
された汎用制御手段いわゆるMPUあるいはCPUを用
いてソフトウェア的に構成することができる。
【0060】次に、動作について説明する。
【0061】上述したように、ダミーFETJxのゲー
トバイアス電圧(Vo)は、そのFETJxに流れるド
レイン電流Ixが所定の大きさとなるように可変制御さ
れる。このダミーFETJxは、RF増幅段をなすFE
TJ1,J2に対して、同種のFETであって、チャネ
ル長が等しく、かつチャネル幅が小さく形成されてい
る。
【0062】したがって、ダミーFETJxに与えられ
るゲートバイアス電圧(Vo)を上記FETJ1,J2
のゲートバイアス電圧(Vo)として与えることによ
り、上記FETJ1,J2には、ダミーFETJxに流
れるドレイン電流Ixに対して常に一定の比例関係を持
つドレイン電流がバイアス電流として流れるようにな
る。これにより、FETJ1,J2のゲートバイアス電
圧(Vo)も、ダミーFETJxの場合と同様、そのF
ETJ1,J2に流れるドレインバイアス電流が所定の
大きさとなるように可変制御される。このドレインバイ
アス電流の制御値は上記可変設定回路15により設定さ
れる。
【0063】このように、上述したRF電力増幅回路1
0では、増幅段11,12を構成するFETJ1,J2
にゲートバイアス電圧(Vo)を与えるに際し、目的と
するドレインバイアス電流を最初に設定することで、こ
の設定したドレインバイアス電流が流れるようなゲート
バイアス電圧が負帰還制御動作によって自己整合的に可
変設定される。そして、そのドレインバイアス電流の設
定は、上記可変設定回路15にて任意に行うことができ
る。
【0064】これにより、RF電力増幅回路10の増幅
段11,12を構成するFETJ1,J2の特性に製造
プロセスあるいは実装等の諸条件によるバラツキがあっ
たとしても、そのFETJ1,J2に所定の増幅動作を
行わせるのに最適なバイアス電圧(Vo)を、無調整で
もって自己整合的に再現性良く設定することができる。
【0065】したがって、たとえば1GHz以上のマイ
クロ波領域での無線信号を用いる移動体通信端末装置の
小型軽量化と電池での長時間動作化に有効であるととも
に、生産適性を著しく低下させる個別の調整を必要する
ことなく、単一電源の使用条件下でも安定かつ効率的な
RF電力増幅を行わせることができる。
【0066】また、上述したRF電力増幅回路10を用
いてCDMA方式の移動体通信端末装置を構成した場
合、送信電力を最適化のために大幅に可変設定しても、
それによって設定された送信電力に応じて常に最適化さ
れたバイアス条件を自動的に与えるようにすることがで
きる。
【0067】さらに、FETJ1,J2,Jxを同一半
導体チップ上に熱的な結合状態で形成することにより、
J1,J2とJxの互いの相似関係が一層緊密となり、
これによりバイアス設定の精度をさらに高めることが可
能となる。
【0068】図2は、図1に示したRF電力増幅回路1
0の動作特性を示す。
【0069】同図(A)(B)において、IdはFET
J1(J2)のドレイン電流、VgはそのFETJ1
(J2)のゲートバイアス電圧を示す。
【0070】同図(A)は最大出力が得られるようにド
レインバイアス電流Ioを設定した場合を示す。この場
合、ドレインバイアス電流Ioは、ドレイン電流の線形
変化領域のほぼ中心に設定される。ゲートバイアス電圧
(Vo)は、上述したバイアス発生回路14にて行われ
る負帰還動作により、所定のドレインバイアス電流Io
が流れるように可変制御される。FETJ1(J2)
は、そのドレインバイアス電流Ioが流れる中で入力信
号を線型増幅する。
【0071】同図(B)はドレインバイアス電流Ioを
小さく設定した場合を示す。この場合、ドレインバイア
ス電流Ioは、ドレイン電流の線形変化領域の中心をか
なり下回ったところに設定される。これにより、線型増
幅が行われるドレイン電流の振幅範囲は狭くなるが、低
出力動作時においては、ドレインバイアス電流Ioが小
さいことによる消費電力の削減が可能となる。この場合
も、ゲートバイアス電圧(Vo)は、上述したバイアス
発生回路14にて行われる負帰還動作により、小さく設
定されたドレインバイアス電流Ioが流れるように可変
制御される。
【0072】ここで注目すべきことは、まずドレインバ
イアス電流Ioを設定することで、その設定したドレイ
ンバイアス電流Ioが流れるようなゲートバイアス電圧
(Vo)が自動的に設定されることである。つまり、通
常はゲートバイアスの結果として現れるドレインバイア
ス電流Ioを、ここではそのゲートバイアスを意識する
ことなく、いきなり設定することができる。これによ
り、線型増幅動作を行わせるのに必要最小限のドレイン
バイアス電流Ioをきめ細かく設定して、必要以上のバ
イアス電流を流し続ける無駄を回避することが可能とな
る。
【0073】図3は、図1のバイアス発生回路14付近
に着目したRF電力増幅回路10の詳細回路図を示す。
【0074】同図において、可変電圧発生回路17は、
発振回路171、可変利得回路(VCA)172、チャ
ージポンプ回路173により構成される。チャージポン
プ回路173は、受動素子である容量素子C1,C2と
ダイオードD1,D2により構成される。発振回路17
1の発振出力は可変利得回路172を介してチャージポ
ンプ回路173に与えられる。
【0075】チャージポンプ回路173では、発振回路
171から可変利得回路172を介して出力されるパル
ス電流を、ダイオードD1,D2で電流方向別にスイッ
チングしてC1,C2に流すことにより、容量素子C1
に負電圧をチャージさせる。このC1にチャージされた
負電圧がゲートバイアス電圧(Vo)として出力され、
FETJx,J1,J2の各ゲートに分配される。
【0076】C2にチャージされる負電圧(Vo)の大
きさは、可変利得回路172の伝達利得によって変化す
る。可変利得回路172の伝達利得は、ダミーFETJ
1のドレイン電流Ixを所定の設定値(Vr)と比較す
る比較回路16の出力によって可変制御される。これに
より、上記ゲートバイアス電圧(Vo)は、FETJ
x,J1,J2にそれぞれ所定のドレイン電流が流れる
ような大きさに負帰還制御される。可変利得回路172
は、たとえばMOSトランジスタによる可変抵抗減衰回
路を使うことができる。
【0077】抵抗R4は、容量素子C1に並列に接続し
てC1の放電回路を形成することにより、上記ゲートバ
イアス電圧(Vo)の立ち下がり応答を速くする。
【0078】この場合、能動回路である発振回路171
と可変利得回路172は共に正電源電圧(Vdd)で動
作する回路で構成されている。これにより、負電圧の可
変制御を正電圧系のシステムおよび回路によって簡単か
つ円滑に行わせることができる。
【0079】上記ゲートバイアス電圧(Vo)は、可変
設定回路15によって設定されるドレイン電流が流れる
ように負帰還制御される。したがって、受信信号の電界
強度あるいは無線通信相手局からフィードバックされて
くる自局送信電波の電界強度情報に応じて送信電力の最
適化制御を行うに際し、その制御に連動して上記可変設
定回路15の設定値も最適化制御すれば、どのような送
信電力でも常に、最小限の消費電力でもって線型動作に
よる電力増幅を行わせることができる。
【0080】図4は、本発明で使用するFETJx,J
1,J2のレイアウトパターンを模式的に示す。
【0081】同図において、GはFETのゲート電極パ
ターン、Lはそのチャネル長、Wはそのチャネル幅をそ
れぞれ示す。同図に示すように、バイアス発生回路14
のダミーFETJxは、RF電力増幅段11,12のF
ETJ1,J2に対して、同一半導体チップ上に熱的な
結合状態で形成されるとともに、チャネル長Lが等し
く、かつチャネル幅が小さく形成されている。
【0082】このように、FETJ1,J2,Jxを同
一半導体チップ上に熱的な結合状態で形成することによ
り、J1,J2とJxの互いの相似関係が一層緊密とな
り、これによりバイアス設定の精度をさらに高めること
ができる。
【0083】図5は、可変設定回路15に用いられる可
変電圧源151の構成例を示す。
【0084】同図に示す可変電圧源151は、固定抵抗
R5と可変抵抗回路R6による分圧回路によって構成さ
れている。可変抵抗回路R6は、複数の抵抗素子r1〜
r4をそれぞれスイッチ回路S1〜S4を介して選択的
に並列接続させるようにしたもので、各スイッチS1〜
S4はそれぞれ、外部(論理制御ユニット60)から与
えられるデジタル制御信号によって個別にオン/オフ設
定されるようになっている。これにより、複数の抵抗素
子r1〜r4の任意の組合わせによる合成抵抗を電気的
に可変設定することができる。
【0085】図6は、バイアス発生回路14の別の構成
例を示す。
【0086】同図に示すバイアス発生回路14は、ダミ
ーFETJxのドレインに電流を供給するドレイン負荷
抵抗R3と、この抵抗R3から供給される電流Ixの一
部を上記ドレインの外へ分流させる分流抵抗R9を有す
るとともに、この分流抵抗R9を電気的に可変設定可能
な抵抗を用いて形成してある。
【0087】上記ダミーFETJxのドレイン電圧Vx
は、比較回路16にて所定の設定電圧Vrと比較され、
この比較出力で可変電圧制御回路14を制御する。これ
により、上記ダミーFETJxのドレイン電圧Vxが所
定の設定電圧Vrとなるような負帰還制御が行われる。
【0088】この場合、比較回路16の基準電圧Vrに
は、電源電圧(Vdd)を抵抗R7,R8で分割して得
られる一定電圧が使用される。Jxのドレイン電流Vx
は分流抵抗R9を流れる電流Ix2の大きさによって設
定される。
【0089】分流抵抗R9は、複数の抵抗素子r1〜r
4をそれぞれスイッチ回路S1〜S4を介して選択的に
並列接続させる可変抵抗回路で構成されている。この可
変抵抗回路の各スイッチS1〜S4を外部(論理制御ユ
ニット60)から与えられるデジタル制御信号によって
個別にオン/オフ設定することにより、ダミーFETJ
xのドレイン電流Ix1を可変設定することができる。
このようにしてダミーFETJxに所定のドレイン電流
Ix1を流すように負帰還制御されるバイアス電圧(V
o)により、増幅段11,12のFETJ1,J2を所
定のドレインバイアス電流下で精度良く線型動作させる
ことができる。
【0090】以上、本発明者によってなされた発明を実
施態様にもとづき具体的に説明したが、本発明は上記実
施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0091】たとえば、ドレインバイアス電流Ioを可
変設定する手段は、ダミーFETJxのチャネル幅を可
変設定する切換手段を備えることによっても実現でき
る。すなわち、Jxのチャネル幅を切換可変すること
で、JxとJ1のドレイン電流比、およびJxとJ2間
のドレイン電流比を任意に可変設定することができるよ
うになる。
【0092】また、ドレイン電流検出手段として用いる
ダミーFETはその直流動作点に影響が発生しない範囲
で小信号増幅回路としても兼用させることができる。
【0093】以上の説明では主として、本発明者によっ
てなされた発明をその背景となった利用分野である携帯
電話端末に適用した場合について説明したが、それに限
定されるものではなく、たとえば太陽電池などで電源バ
ックアップされるPHS基地局、あるいは無線ビーコン
発信装置などにも適用できる。
【0094】
【発明の効果】 本願において開示される発明のうち、
代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれ
ば、下記のとおりである。
【0095】すなわち、たとえば1GHz以上のマイク
ロ波領域での無線信号を用いる移動体通信端末装置の小
型軽量化と電池での長時間動作化に有効であるととも
に、生産適性を著しく低下させる個別の調整を必要する
ことなく、単一電源の使用条件下でも安定かつ効率的な
RF電力増幅が可能になる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の技術が適用された移動体通信端末装置
の概要を示す回路図
【図2】本発明の技術が適用されたRF電力増幅回路の
動作特性を示す図
【図3】本発明によるRF電力増幅回路の詳細回路例を
示す図
【図4】本発明で使用するFETのレイアウトパターン
を模式的に示す図
【図5】バイアス設定を行う可変電圧源の構成例を示す
【図6】バイアス発生回路の別の構成例を示す図
【符号の説明】
10 RF電力増幅回路 J1,J2 第1のFET 11 多段RF電力増幅回路の終段 12 多段RF電力増幅回路の前段 13 出力整合回路 14 バイアス発生回路 Jx 第2のFET(ダミーFET) 15 可変設定回路 151 可変電圧源 16 比較回路 17 可変電圧発生回路 171 発振回路 172 可変利得回路 173 チャージポンプ回路 18 負帰還回路 Rx,R1〜R9 抵抗 Cp,C1,C2 容量素子 D1,D2 ダイオード 20 RF受信プリアンプ 31 分波器(またはアンテナ切換器) 32 無線送受信アンテナ 41 送信側周波数変換回路(アップバータ) 42 受信側周波数変換回路(ダウンバータ) 43 周波数合成回路 50 ベースバンドユニット 60 論理制御ユニット 61 操作パネル 62 ヘッドセット 70 内蔵電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−90707(JP,A) 特開 平5−152978(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03F 1/00 - 3/72 H04B 1/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソース接地されデプレッション動作によ
    りRF電力増幅を行なう第1のFETと、 第1のFETと同種のFETであってチャネル長が等
    しくかつチャネル幅が小さく形成された第2のFET
    と、該第2のFETのドレイン電圧と基準電圧との差分を増
    幅して出力する電圧比較回路と、 該電圧比較回路の出力に基づき 、正電源電圧から負電圧
    を発生して上記第1のFETおよび第2のFETの各ゲ
    ートに負バイアス電圧を分配する可変電圧発生回路と、上記第1のFETのゲートと上記可変電圧発生回路の出
    力側との間に直列に接続された第1の抵抗と、 上記第2のFETのゲートと上記可変電圧発生回路の出
    力側との間に直列に接続された第2の抵抗と、 上記可変電圧発生回路の出力電圧を上記第2のFETの
    ゲートに上記第2の抵抗を直列に介してバイアス電圧と
    して与え、上記ドレイン電圧が上記基準電圧と等しくな
    るような帰還制御を、上記第1のFETのゲートと上記
    第2のFETのゲートとの間が互いに交流的に遮断され
    た状態で行なうことにより、上記 第2のFETのドレイ
    ン電流が所定の設定値となるように上記可変電圧発生回
    路を制御する負帰還回路とを具備してなり、 上記負帰還回路を形成する上記可変電圧発生回路の出力
    電圧が上記第1のFETのゲートに上記第1の抵抗を直
    列に介してバイアス電圧として与えられるように構成さ
    れている ことを特徴とするRF電力増幅回路。
  2. 【請求項2】 上記第1のFETは線型増幅回路を形成
    することを特徴とする請求項1に記載のRF電力増幅回
    路。
  3. 【請求項3】 上記第1のFETと上記第2のFET
    同一半導体チップ上に熱的な結合状態で形成されてい
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の
    RF電力増幅回路。
  4. 【請求項4】 上記負帰還回路によって制御される上記
    第2のFETのドレイン電流値を外部からの信号に応じ
    て設定する可変設定回路を具備することを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載のRF電力増幅回路。
  5. 【請求項5】 ソース接地されデプレッション動作によ
    りRF電力増幅を行なう第1のFETと、 第1のFETと同種のFETであってチャネル長が等
    しくかつチャネル幅が小さく形成された第2のFET
    と、該第2のFETのドレイン電圧と基準電圧との差分を増
    幅して出力する電圧比較回路と、 該電圧比較回路の出力に基づき 、正電源電圧から負電圧
    を発生して上記第1のFETおよび第2のFETの各ゲ
    ートに負バイアス電圧を分配する可変電圧発生回路と、上記第1のFETのゲートと上記可変電圧発生回路の出
    力側との間に直列に接続された第1の抵抗と、 上記第2のFETのゲートと上記可変電圧発生回路の出
    力側との間に直列に接続された第2の抵抗と、 上記可変電圧発生回路の出力電圧を上記第2のFETの
    ゲートに上記第2の抵抗を直列に介してバイアス電圧と
    して与え、上記ドレイン電圧が上記基準電圧と等しくな
    るような帰還制御を、上記第1のFETのゲートと上記
    第2のFETのゲートとの間が互いに交流的に遮断され
    た状態で行なうことにより、上記 第2のFETのドレイ
    ン電流が所定の設定値となるように上記可変電圧発生回
    路を制御する負帰還回路とを有するとともに、上記負帰還回路を形成する上記可変電圧発生回路の出力
    電圧が上記第1のFETのゲートに上記第1の抵抗を直
    列に介してバイアス電圧として与えられるように構成さ
    、 送信出力に応じて上記設定値を可変制御する制御手段を
    具備することを特徴とする移動体通信端末装置。
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