JP3521150B2 - 1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタンの製造方法 - Google Patents
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタンの製造方法Info
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Description
−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)
ブタン(以下、AO−30と称することがある)の製造
方法に関し、詳しくは、芳香族炭化水素溶媒を不純物と
して含有するAO−30を特定の沸点を有する飽和炭化
水素系溶媒で処理することにより、不純物の低減された
AO−30を製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】AO−
30は、ポリオレフィン、ABS樹脂、スチレン−ブタ
ジエン共重合体等の合成高分子材料の酸化防止剤として
広く用いられている化合物であり、例えば、特公昭39
−4469号公報に記載されているように、2−第三ブ
チル−5−メチルフェノールとクロトンアルデヒドとを
反応させることによって製造されることが知られてい
る。 【0003】上記、特公昭39−4469号公報には、
2−第三ブチル−5−メチルフェノールとクロトンアル
デヒドとをメタノール中、濃塩酸を触媒として反応させ
た後トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒から再
結晶することにより製造できることが記載されている。
しかしながら、このような方法で製造されたAO−30
にはかなりの量の溶媒が含有されており、臭気および衛
生上好ましくないばかりでなく、酸化防止剤として合成
高分子材料に配合した場合には発泡の原因ともなるた
め、その使用には大きな制約を受けていた。このような
不利益を回避するためには、低沸点の不純物の含有量を
2%以下に減少させることが必要とされていた。 【0004】この溶媒を除去するためには、高温で長時
間加熱する必要があるが、工程上煩雑であるばかりでな
く製品に着色を与える欠点もあった。 【0005】このため、特開昭56−40629号公報
には、反応終了後の粗生成物を含水メタノールで洗浄
し、次いで、水洗を行なうことにより、AO−30を三
水和物として得る方法が提案されている。この方法によ
れば、有機溶媒を含有することはなく、臭気あるいは衛
生上の問題は解決できるものの、原料あるいは副生成物
等の不純物の除去が十分には行なえないばかりでなく、
結晶水として結合した水分が製品の約9重量%と極めて
多量なため、この水分が発泡原因となり、合成高分子材
料に配合した場合の発泡性を改善することはできなかっ
た。 【0006】また、米国特許第4467119号明細書
には、反応終了後の粗生成物をトルエン等の芳香族炭化
水素溶媒で再結晶し、次いで含水アルコールで処理する
ことにより芳香族炭化水素溶媒の含有量の低減されたA
O−30の製造方法が提案されている。しかしながら、
この方法では芳香族炭化水素溶媒の除去が不十分である
ばかりでなく、用いた含水アルコールがAO−30中に
抱き込まれてしまうため、低沸点不純物を低減させる目
的には適していなかった。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の現
状に鑑み、低沸点不純物の含有量の低減された1,1,
3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブ
チルフェニル)ブタンを製造する方法を見出すべく鋭意
検討を重ねた結果、特定の沸点を有する飽和炭化水素系
溶媒で処理することにより、低沸点不純物の含有量が著
しく低減された1,1,3−トリス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタンが得られ
ることを見出し本発明に到達した。 【0008】即ち、本発明は、芳香族炭化水素溶媒を不
純物として含有する1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタンを沸
点120〜200℃の飽和炭化水素系溶媒で処理するこ
とを特徴とする、不純物の低減された1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェ
ニル)ブタンの製造方法を提供するものである。 【0009】以下、上記要旨をもってなる本発明の製造
方法についてさらに詳細に説明する。 【0010】本発明の方法で処理される1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフ
ェニル)ブタンは、2−第三ブチル−5−メチルフェノ
ールとクロトンアルデヒドとを反応させることによって
製造されるものであり、本発明においては、この反応が
終了した反応混合物から反応溶媒を除去した粗生成物を
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒から再結晶
した、芳香族炭化水素溶媒を不純物として含有するもの
である。 【0011】本発明の方法において処理に用いられる飽
和炭化水素系溶媒は、沸点が120〜200℃の範囲の
ものである。沸点が120℃未満のものは、引火性が大
きく使用上危険であるばかりでなく、処理温度が低いた
め不純物を十分除去できないので好ましくない。また、
沸点が200℃を超えるものは処理後の乾燥工程に長時
間を要することとなり、製品の着色原因となるので好ま
しくない。 【0012】また、本発明で用いられる飽和炭化水素溶
媒としては、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、
n−ウンデカン、n−ドデカン等の直鎖飽和炭化水素あ
るいは2−メチルオクタン、3−メチルオクタン、4−
メチルオクタン、2−エチルヘプタン、2,2−ジメチ
ルヘプタン、2,3−ジメチルヘプタン、2,4−ジメ
チルヘプタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、2,
2,4−トリメチルヘキサン、2,2,5−トリメチル
ヘキサン、2−メチルノナン、3−メチルノナン、2,
2−ジメチルオクタン、2,2,6−トリメチルヘプタ
ン、2,2−ジメチル−4−エチルヘキサン等の分岐飽
和炭化水素を主成分とするパラフィン系炭化水素溶媒あ
るいはエチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサ
ン、メチルエチルシクロヘプタン、トリメチルシクロペ
ンタン等のナフテン系炭化水素溶媒があげられ、また、
これらは単一の飽和炭化水素化合物からなるものであっ
ても、または、多数の飽和炭化水素化合物の混合物であ
ってもよく、通常市販されている飽和炭化水素系溶媒を
用いることができる。 【0013】また、この飽和炭化水素系溶媒は、上記沸
点範囲に包含されることを条件に、少量の芳香族炭化水
素溶媒を含有するものであってもよいが、芳香族炭化水
素溶媒の含有量は、30重量%以下、より好ましくは2
0重量%以下でなければならない。芳香族炭化水素溶媒
の含有量が30重量%より多い場合には含有量に伴って
AO−30の溶解量が増加し、収率が低下するばかりで
なく用いた溶媒がAO−30中に含まれることもあり好
ましくない。 【0014】飽和炭化水素系溶媒はAO−30をほとん
ど溶解せず、含有される不純物の芳香族炭化水素のみを
除去するので、処理による収率の低下はほとんど認めら
れない。また、飽和炭化水素系溶媒のAO−30に対す
る使用量は特に限定されないが、通常は処理時の撹拌を
容易にするためにAO−30の0.5〜10倍量が用い
られる。溶媒の使用量が0.5倍未満のときは撹拌が困
難となるおそれがあり、また、10倍を超えて使用する
とバッチ当たりの処理量を低下させることとなる。 【0015】また、処理は室温〜溶媒の沸点までの任意
の温度で行なうことができるが、短時間で処理を行なわ
せるためには加熱下に処理することが好ましく、通常は
60〜180℃の範囲で処理することが好ましい。 【0016】本発明の方法で製造されたAO−30は、
芳香族炭化水素不純物が著しく低減されており、また、
処理に使用した飽和炭化水素溶媒もほとんど残存しない
ので使用時に臭気が発生することもなく、また、酸化防
止剤として合成高分子材料に用いたときにも発泡等の悪
影響を及ぼすことがないという特徴を有するものであ
る。 【0017】 【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。 【0018】(AO−30の製造例)2−第三ブチル−
5−メチルフェノール492g、メタノール350gお
よび濃塩酸175gをとり、撹拌しながら加熱し、メタ
ノールが還流を開始した時点でクロトンアルデヒド70
gをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間さらに撹拌を
続けた。 【0019】炭酸ナトリウム26gを300gの水に溶
解した溶液を加え、塩酸を中和した後、メタノールを留
去し、トルエン1500gをゆっくり加え、反応生成物
を溶解させた。有機層をとり、水洗を2回行なった後、
撹拌しながら室温までゆっくりと冷却した。析出した生
成物(1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−第三ブチルフェニル)ブタン)をろ別し、乾燥
した。 【0020】得られた生成物の分析の結果、目的物(A
O−30):84.4%、水:1.2%、メタノール:
2.7%、トルエン:11.0%、その他:0.7%を
含有していた。 【0021】(実施例1)製造例で得られた生成物5
0.0gおよび沸点156〜175℃のイソパラフィン
系炭化水素溶媒(アイソパーG:エクソン化学製)10
0gをとり、120℃で30分間撹拌した。冷却後ろ過
し、30〜10mmHgの減圧下に95℃で2時間乾燥
し、白色粉末の処理物42.4gを得た。処理物の分析
結果、AO−30:98.7%、水:0.1%、メタノ
ール:0.1%、トルエン0.2%、その他0.9%で
あり、AO−30の回収率は99.1%であった。ま
た、示差熱分析の結果、185℃までの重量減少は1.
1%であった。 【0022】(実施例2)溶媒の使用量を200gとす
る以外は実施例1と同様の操作によって処理を行ない、
処理物42.1gを得た。処理物の分析結果、AO−3
0:99.1%、水:0.1%、メタノール:不検出、
トルエン0.1%、その他0.7%であり、AO−30
の回収率は98.8%であった。また、示差熱分析の結
果、185℃までの重量減少は0.8%であった。 【0023】(実施例3)炭化水素溶媒として、ナフテ
ン系炭化水素26.4%、パラフィン系炭化水素58.
0%および芳香族炭化水素15.6%の組成を有する沸
点範囲154〜197℃の混合溶媒(エクソンナフサ
No.5:エクソン化学製)100gを用いる他は実施
例1と同様の操作によって処理を行ない、処理物41.
6gを得た。処理物の分析結果、AO−30:98.2
%、水:0.2%、メタノール:0.1%、トルエン
0.6%、その他0.9%であり、AO−30の回収率
は96.8%であった。また、示差熱分析の結果、18
5℃までの重量減少は1.6%であった。 【0024】(比較例1)製造例で得られた製造物を処
理することなく30〜10mmHgの減圧下に95℃で
2時間乾燥した。乾燥物の分析結果、AO−30:9
5.1%、水:0.4%、メタノール:0.6%、トル
エン:3.4%、その他:0.5%を含有していた。ま
た、示差熱分析の結果、185℃までの重量減少は4.
5%であった。 【0025】(比較例2)製造例で得られた生成物5
0.0gおよび沸点180〜215℃の芳香族炭化水素
溶媒(IP150:出光石油化学製)200gをとり、
120℃で30分間撹拌したところ完全に溶解した。冷
却後析出した粉末をろ過し、30〜10mmHgの減圧
下に95℃で2時間乾燥し、白色粉末の処理物42.1
gを得た。処理物の分析結果、AO−30:89.2
%、水:0.2%、メタノール:不検出、トルエン0.
2%、その他10.4%であり、AO−30の回収率は
89.0%であった。また、示差熱分析の結果、185
℃までの重量減少は5.0%であった。 【0026】(比較例3)製造例で得られた生成物5
0.0gおよび25%含水メタノール200gをとり、
還流下に30分間撹拌した。冷却後ろ過し、30〜10
mmHgの減圧下に95℃で2時間乾燥し、白色粉末の
処理物42.5gを得た。処理物の分析結果、AO−3
0:95.2%、水:0.8%、メタノール:2.1
%、トルエン1.3%、その他0.6%であり、AO−
30の回収率は96.0%であった。また、示差熱分析
の結果、185℃までの重量減少は4.4%であった。 【0027】(比較例4)製造例で得られた生成物5
0.0gおよび石油エーテル(沸点30〜70℃)20
0gをとり、還流下に30分間撹拌した。冷却後ろ過
し、30〜10mmHgの減圧下に95℃で2時間乾燥
し、白色粉末の処理物43.1gを得た。処理物の分析
結果、AO−30:95.9%、水:0.4%、メタノ
ール:0.1%、トルエン3.1%、その他0.5%で
あり、AO−30の回収率は97.9%であった。ま
た、示差熱分析の結果、185℃までの重量減少は3.
7%であった。 【0028】各実施例に示したように、特定の沸点範囲
の飽和炭化水素系溶媒を用いて処理することにより、目
的物である1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタンの収率をほと
んど低下させずに低沸点の不純物の含有量を著しく減少
できることが明らかである。 【0029】これに対し、処理を行なわずに乾燥しただ
けでは低沸点の不純物の量を大幅に減少させることはで
きない。また、溶媒を用いて処理した場合にも、芳香族
炭化水素を用いた場合にはトルエンの含有量は減少させ
ることができるが、逆に用いた芳香族炭化水素が残存
し、不純物の量を大幅に減少させることができないばか
りか、目的物が溶解してしまうために収率が低下してし
まい、目的物を溶解させない含水アルコールを用いた場
合には収率はあまり低下させずにトルエンの含有量を減
少させることができるが、水およびアルコールの含有量
が増加してしまい低沸点の不純物を十分に減少させるこ
とはできず、また、低沸点の脂肪族炭化水素を用いた場
合には収率は低下させないが、不純物の除去が不十分で
ある。 【0030】 【発明の効果】1,1,3−トリス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタンを特定の
沸点を有する飽和炭化水素溶媒で処理することによっ
て、収率を低下させることなく、低沸点の不純物を除去
することができる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 芳香族炭化水素溶媒を不純物として含有
する1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ
−5−第三ブチルフェニル)ブタンを、沸点120〜2
00℃の飽和炭化水素系溶媒で処理することを特徴とす
る、不純物の低減された1,1,3−トリス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26286693A JP3521150B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26286693A JP3521150B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタンの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0789889A JPH0789889A (ja) | 1995-04-04 |
| JP3521150B2 true JP3521150B2 (ja) | 2004-04-19 |
Family
ID=17381721
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26286693A Expired - Lifetime JP3521150B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタンの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3521150B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN114516783B (zh) * | 2022-03-10 | 2023-03-03 | 江苏极易新材料有限公司 | 一种抗氧剂的合成方法 |
-
1993
- 1993-09-27 JP JP26286693A patent/JP3521150B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0789889A (ja) | 1995-04-04 |
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