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JP3522669B2 - 汚染土壌浄化方法 - Google Patents
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JP3522669B2 - 汚染土壌浄化方法 - Google Patents

汚染土壌浄化方法

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JP3522669B2
JP3522669B2 JP2000256263A JP2000256263A JP3522669B2 JP 3522669 B2 JP3522669 B2 JP 3522669B2 JP 2000256263 A JP2000256263 A JP 2000256263A JP 2000256263 A JP2000256263 A JP 2000256263A JP 3522669 B2 JP3522669 B2 JP 3522669B2
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fungus
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境汚染物質を含
有する汚染土壌に対して木材腐朽菌が産生する酵素を作
用させ、該環境汚染物質を分解する汚染土壌浄化方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】我々人類は、産業革命以来、種々の科学
技術を開発し産業化を進めてきた。しかし、豊かで快適
な社会生活を営めるようになった一方で、地球規模での
環境破壊が進行し、深刻な社会問題となっている。現在
の地球上には、産業活動の副産物として生み出された多
くの環境汚染物質が存在しており、これらを除去し、元
の環境に修復することが極めて重要な課題となってきて
いる。
【0003】環境汚染物質の除去に用いられる方法に
は、大きく分けて化学的方法、物理的方法、生物的方法
がある。これらのうち、最も省エネルギーかつ省資源の
プロセスが生物的方法、すなわち、微生物の浄化機能を
利用するバイオレメディエーションである。この技術
は、生物の代謝機能を巧みに利用して、環境汚染物質を
分解したり、無害化して最終的には二酸化炭素、メタ
ン、水、無機塩、バイオマスなどに変換してしまう技術
である。
【0004】バイオレメディエーションによる汚染土壌
の浄化は、土壌を掘削する必要がないため建造物下の浄
化が可能であること、分解活性の高い微生物を利用する
ことにより低濃度の有機化合物などを短時間で浄化でき
ること、低コストで環境負荷が少ないことなどの特長を
有し、環境汚染物質の分解・除去技術として、最近、注
目されている。
【0005】バイオレメディエーションによる浄化方式
は、以下の3つに大別できる。すなわち、汚染物質の
分解能を有する微生物を固定化して利用するバイオリア
クター方式、汚染された土壌や地下水中に元来生息す
る微生物に各種栄養物質を供給し、その分解活性を増強
させるバイオスティミュレーション方式、汚染物質の
分解能を有する微生物を汚染現場に直接散布するバイオ
オーグメンテーション方式である。現在、実用化されて
いるバイオレメディエーション技術は、主に汚染現場に
生息している分解菌の分解活性を高める条件を付与する
上記の方式である。しかし、汚染現場に存在する微生
物だけでは汚染物質を分解できない場合には、外来の分
解菌を汚染環境に導入して浄化する上記の方式を適用
する必要がある。
【0006】ところで、環境汚染物質の中で最も注目を
浴びているものの一つにダイオキシン類がある。これら
は自然環境中で非常に安定であり、ある種のものは、毒
性・変異原性が強いことが知られている。現在ではダイ
オキシン類を含み得る薬剤の散布は厳しく規制されてい
るが、ゴミの焼却に伴い多量のダイオキシン類が自然界
に放出されることが明らかになり、深刻な社会問題に発
展している。ダイオキシン汚染は低濃度で広範囲に広が
っているため、バイオレメディエーションによる浄化方
式が最も適しているが、ダイオキシン類を分解できる微
生物が一般土壌に分布している可能性は低い。木材腐朽
菌に属する白色腐朽菌がダイオキシン類を分解する報告
が何例かあり、現在、これらを用いるバイオオーグメン
テーションの検討がなされている。
【0007】木材腐朽菌は、様々な環境汚染物質に対す
る分解能を有する微生物として注目されている。木材腐
朽菌は、天然の難分解性化合物であるリグニンを分解す
る能力の有無により白色腐朽菌及び褐色腐朽菌とに分類
される。白色腐朽菌は、フェノール酸化酵素を菌体外に
産生するため、リグニンを分解することができる。褐色
腐朽菌は、フェノール酸化酵素を産生しないためにリグ
ニン分解能を有していないが、種々のフェノール化合物
を無機化することが知られており、芳香族化合物に対す
る分解能を有することが示唆されている。
【0008】特に、白色腐朽菌に関しては、ダイオキシ
ン以外にも、殺虫剤であるDDT(1,1,1-トリクロロ-
2,2-ビス(4-クロロフェニル)エタン)、除草剤である
2,4-D(2,4-ジクロロフェノキシ酢酸)、ポリ塩化ビフェ
ニル、ポリ塩素化フェノール類及び多環式芳香族炭化水
素等の各種環境汚染物質を分解することが知られてい
る。したがって、白色腐朽菌は、外来の分解菌として汚
染土壌に導入して使用する、バイオオーグメンテーショ
ンに適した菌であると言える。
【0009】しかしながら、白色腐朽菌等の木材腐朽菌
を汚染土壌に導入して浄化する場合、木材腐朽菌の増殖
及び定着が困難である。すなわち、木材腐朽菌は、汚染
土壌における増殖力が低いため、長期間に亘って汚染土
壌に定着することができない。また、木材腐朽菌を汚染
土壌に導入しても、環境汚染物質の分解に関わる酵素の
生産及び活性の維持が共に低レベルであるといった問題
もある。したがって、木材腐朽菌を用いた汚染土壌の改
良は、実用化に至っていないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
述したような実状に鑑みてなされたものであり、汚染土
壌に木材腐朽菌を定着させることを可能とし、汚染土壌
を効率よく浄化できる汚染土壌改良方法を提供すること
を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明者が鋭意検討した結果、汚染土壌に芝草
を生育させることによって木材腐朽菌の定着性を向上さ
せることができ、環境汚染物質の分解に寄与する酵素の
産生能を向上できるといった知見を得て、本発明を完成
するに至った。
【0012】すなわち、本発明に係る汚染土壌浄化方法
は、木材腐朽菌の産生する酵素を用いて、環境汚染物質
を含有する汚染土壌を浄化するに際して、上記汚染土壌
に芝草を植え付けた状態で上記汚染土壌に上記木材腐朽
菌を投与することを特徴とする。また、本発明に係る汚
染土壌浄化方法は、芝草が生育した後、当該芝草を刈り
込むことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の汚染土壌浄化方法は、環境汚染物質を含有する
汚染土壌を浄化する際に適用されるものである。
【0014】環境汚染物質としては、例えば、ダイオキ
シン、PCB、トリクロロエチレン、テトラクロロエチ
レン、ペンタクロロフェノール(PCP)及びDDT等
の有機塩素化合物や、ナフタレン、アントラセン及びフ
ェナントレン等の多環式芳香族炭化水素、ベンゼン、エ
チルベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水
素、ジニトロトルエン、トリニトロトルエン(TNT)
及びニトログリセリン等のニトロ化合物、クリスタルバ
イオレット、クレゾールレッド及びブロモフェノールブ
ルー等のトリフェニルメタン系染料等を挙げることがで
きる。
【0015】汚染土壌としては、本発明の方法において
特に限定されず、いかなる土壌であってもよいが、例え
ば、農地、焼却場周辺、工場跡地、原油流出事故現場の
土壌等を挙げることができる。本方法は、先ず、改良対
象の汚染土壌に芝草を生育させる。続いて、芝草が生育
した汚染土壌に、木材腐朽菌を導入して酵素を産生させ
る。芝草を生育する際には、先ず、種子及び/又は芝草
自体を汚染土壌表面に吹き付け、芝草を汚染土壌に植え
付ける。その後、所定の期間経過させることによって、
汚染土壌に芝草を生育させることができる。
【0016】ここで、木材腐朽菌としては、ファネロキ
エーテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysospor
ium)、ファネロキエーテ・ソルディダ(Phanerochaete
sordida)、プレウロタス・オストレアタス(Pleurotu
s ostreatus)(ヒラタケ)、コリオラス・ベルシカラ
ー(Coriolus versicolor)(カワラタケ)等の白色腐
朽菌挙げることができる。また、タイロマイセス・パル
ストリス(Tyromycespalustris)(オオウズラタケ)及
びグロエオフィルラム・トラビューム(Gloeophyllum t
rabeum)等の褐色腐朽菌を挙げることもできる。これら
の木材腐朽菌は、単独で使用してもよいが、2種以上を
組み合わせて使用してもよい。
【0017】芝草としては、例えば、ノシバ、コウライ
シバ及び洋芝等を挙げることができる。特に、汚染土壌
が温暖地域である場合には、ノシバ及びコウライシバを
生育させることが好ましい。また、汚染土壌が寒冷地域
である場合、洋芝を生育させることが好ましい。
【0018】また、洋芝は、ノシバ及びコウライシバと
比較すると生育速度が速く、栄養要求性及び水分要求性
が高いため、炭素源及び窒素源等の栄養分を多く含み且
つ水分を保持しやすい特徴を有する汚染土壌に適してい
る。栄養分が高く水分保持能力が高い土壌は、木材腐朽
菌の生育には適しているが、栄養過剰になると木材腐朽
菌における酵素産生能を活性化できない虞がある。した
がって、栄養分が高く水分保持能力が高い土壌に対して
は、予め酵素を産生している木材腐朽菌を汚染土壌に投
与して、該土壌中での増殖及び定着を促進することが好
ましい。このため、栄養分が高く水分保持能力が高い汚
染土壌に対しては、洋芝を生育させて短期的に汚染土壌
を浄化することができる。
【0019】一方、ノシバ及びコウライシバは、洋芝に
比べると生育速度が速くなく、栄養要求性及び水分要求
性が低いため、比較的栄養分が少なく水分を保持しにく
い汚染土壌に適している。栄養分が少なく水分を保持し
にくい汚染土壌は、木材腐朽菌の生育には適さないが、
上記酵素の産生には適している。したがって、栄養分が
少なく水分を保持しにくい汚染土壌に対しては、木材腐
朽菌を汚染土壌に投与して、一定の期間をかけて土壌中
での増殖及び定着を促進させることが好ましい。このた
め、栄養分が少なく水分を保持しにくい汚染土壌に対し
ては、ノシバやコウライシバを生育させて上記酵素を産
生させることによって、長期的な浄化に用いることがで
きる。
【0020】具体的に、芝草を汚染土壌に生育する際に
は以下に示す手法を用いることが好ましい。すなわち、
汚染土壌の状態を調査した後、汚染土壌の表面を含む部
分を、スライシングマシン等によって振動して土壌の固
結を解消するとともに散水を行う。特に、三相分布
(固、液、気=50、25、25)になるまで振動、散
水を繰り返して土壌環境を整える。その後、芝草の吹き
付けを実施し、2〜3週間生育させる。なお、芝草を汚
染土壌に生育する手法としては、上述したものに限定さ
れず、通常の手法、すなわち緑地を造成する際に適用さ
れるような手法を適宜使用することができる。
【0021】また、以下に示す手法によって、木材腐朽
菌を汚染土壌に投与することができる。先ず、例えば、
木材腐朽菌の生育に必要な栄養分を含む砂又は土を培養
床として、恒温室内又は汚染土壌現場で木材腐朽菌を養
生する。恒温室内で養生する場合には、図1に示すよう
に、500mL〜5L程度の三角フラスコ1に、200
g〜2kg程度の砂2を入れ、その上にコンポスト3を
2.5%(wt/wt)添加する。さらに、グルコース
・ペプトンの5%(wt/vol)溶液を25〜250
mL添加した後、滅菌(121℃、60分)して培養床
を多数調製する。その後、コンポスト3上に木材腐朽菌
4を植菌して25℃の恒温室内、暗黒下で2〜3週間培
養する。これにより、図2に示すように、コンポスト3
上及び砂2内に木材腐朽菌4を繁殖させることができ
る。
【0022】しかしながら、このように、恒温室内の一
定条件下で養生した木材腐朽菌を、栄養、通気及び保湿
性などの条件が一定でない汚染土壌にそのまま投入する
と、芝草を生育させて汚染土壌を改良した後でも、木材
腐朽菌の生育が困難になる虞がある。このような場合
は、以下に説明するように、汚染土壌現場で木材腐朽菌
を養生することが好ましい。汚染土壌現場で養生するこ
とによって、木材腐朽菌を環境に順化させることができ
る。
【0023】汚染土壌現場で木材腐朽菌を養生する場合
には、先ず、図3に示すように、土壌中の各種菌とのコ
ンタミネーションを防止するために、汚染土壌現場に滅
菌した敷鉄板10を設置する。次に、図4に示すような
焼砂機11を用いて滅菌した砂を調製する。焼砂機11
は、滅菌前の砂を搬入する搬入部12と、搬入した砂を
所定の温度で焼いて滅菌する炉13と、炉13で滅菌さ
れた砂を搬出する搬出部14とから構成されている。
【0024】次に、焼砂機11で滅菌された砂に、グル
コース・ペプトンの5%(wt/vol)溶液を塩素
0.001%次亜塩素酸ナトリウム溶液又は二酸化塩素
溶液で滅菌した後、200L/mとなるように散布す
る。その後、図5に示すように、砂を敷鉄板10上に盛
り、上述の方法で培養した木材腐朽菌を0.05〜0.
5%(vol/vol)となるように接種した後にブル
ーシート14で覆い、滅菌した重機類で1週間に1回ず
つ撹拌しながら2〜3週間養生する(以下、養生して得
られたものを「木材腐朽菌含有培養床15」という)。
【0025】敷鉄板10および重機類は塩素0.001
%次亜塩素酸ナトリウム溶液又は二酸化塩素溶液で滅菌
する。ここで、塩素0.001%次亜塩素酸ナトリウム
溶液又は二酸化塩素溶液は、木材腐朽菌を死滅させない
が他の細菌等を死滅させることができる。
【0026】一方、本方法において、芝草を生育した汚
染土壌に木材腐朽菌を投与する手法としては、特に限定
されないが、例えば、先ず図6に示すように、上述した
ように芝草19を生育した汚染土壌20から深さ5〜1
0cm、直径16mm程度の筒状コア21を抜き取り複
数の孔22を形成する。その後、図7に示すように、孔
22内を含む汚染土壌20上に、上述した方法で準備し
た木材腐朽菌含有培養床15を3〜10mm厚で散布
し、すり込みを行う。その後、適宜散水を実施すること
によって、木材腐朽菌を汚染土壌20に生育・定着させ
ることができる。そして、汚染土壌20において、芝草
19の生育面積が拡張するのに伴い、木材腐朽菌の拡散
及び定着を広範にわたらせることができる。
【0027】汚染土壌20に投与された木材腐朽菌は、
芝草19の根が生育するのに伴って汚染土壌20中に拡
散するように繁殖することができる。一般に、汚染土壌
20において、環境汚染物質は、表面から約10cm程
度の深さまで分布している。また、芝草19の根は、表
面から10cm程度の深さまでは十分に伸びることが知
られている。このため、木材腐朽菌は、芝草19の根が
生育するのに伴って、環境汚染物質が分布する深さまで
十分に繁殖することができる。
【0028】また、芝草19の生育に伴って汚染土壌2
0中の炭素源及び窒素源が欠乏した状態になると、環境
汚染物質を分解する酵素は、炭素源及び窒素源が欠乏下
で発現する二次代謝の一環として活性化される。このよ
うに、汚染土壌20に芝草19を生育するこによって、
木材腐朽菌の繁殖と酵素の活性化を同時に達成すること
ができる。
【0029】言い換えれば、芝草19の生育により汚染
土壌20中の炭素源及び窒素源の量を制御することによ
って、芝草19の生育を早めて木材腐朽菌の繁殖を促進
したり、環境汚染物質の分解に寄与する酵素の産生を促
進するとともに該酵素の活性化を図ることができる。
【0030】特に、生育した芝草19を刈り込むことに
よって、芝草19による汚染土壌20からの炭素源及び
窒素源のより一層の収奪を図ることができる。これによ
り、汚染土壌20においては、環境汚染物質の分解に寄
与する酵素の産生及び活性化を更に促進させることがで
きる。また、この方法によれば、汚染土壌20の浄化終
了後には、芝草19を生育させ続けて該汚染土壌20を
緑地化することができる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明を実施例を示して具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例 以下の例では、芝草として、洋芝の一種であるベントグ
ラスを用い、ベントグラス生育土壌中の白色腐朽菌の生
育挙動と酵素活性評価とを行った。なお、ベントグラス
は、生育速度が速く、栄養要求性及び水分要求性が高い
ことを特徴としている。
【0032】(1)白色腐朽菌含有培養床の調製 白色腐朽菌[ファネロキエーテ・クリソスポリウム(Ph
anerochaete chrysosporium)BKMF-1767, ATCC42725]
を2%ポテトデキストロース(PDA)寒天培地(プレー
ト)に植菌し、24℃で7日間培養した。500mL三角
フラスコに、川砂100g、タテヤマユーキ5g 、グ
ルコース・ペプトンの5%(wt/vol)溶液を25
mL注入して滅菌し、培養床を作製した。プレート上に
広がった菌体の2cm×2cmを培養床に植菌し、25
℃の暗黒下で2週間培養して白色腐朽菌含有培養床を調
製した。
【0033】(2)ベントグラス生育土壌の調製 鉢に入れた改良土壌(川砂100g、タテヤマユーキ5
g 、グルコース・ペプトンの5%(wt/vol)溶
液を25mL)の表層に、ベントグラスを吹き付け、適
宜散水して2週間養生し、ベントグラス生育土壌を調製
した。
【0034】(3)白色腐朽菌含有培養床のベントグラ
ス生育土壌への散布 上述したベントグラス生育土壌から直径2cm、深さ5
cmの筒状コアを抜き取り、上述した白色腐朽菌含有培
養床を5mm厚で散布し、すり込みを行った。適宜散水
しながら養生し、ベントグラス生育土壌中の白色腐朽菌
の生育挙動と酵素活性評価を行った。
【0035】比較例1 比較例1では、実施例における(2)でベントグラスを
吹き付けず、白色腐朽菌含有培養床を改良土壌に直接散
布してすり込みを行った以外は、実施例と同様にして白
色腐朽菌の生育挙動と酵素活性評価を行った。
【0036】比較例2 比較例2では、白色腐朽菌の代わりに糸状菌リゾクトニ
ア・ソラニ(Rhizoctonia solani)を使用した以外は、
実施例と同様にして白色腐朽菌の生育挙動と酵素活性評
価を行った。比較例3 比較例3では、コントロールとして白色腐朽菌含有培養
床を散布しない以外は、実施例と同様にして白色腐朽菌
の生育挙動と酵素活性評価を行った。
【0037】白色腐朽菌の生育挙動と酵素活性評価 実施例及び比較例1における白色腐朽菌の生育挙動を、
以下のように評価した。すなわち、実施例及び比較例1
の土壌を1週間に一度の間隔で掘り起こし、白色腐朽菌
の菌糸の生育状況を目視により観察し、白色腐朽菌の生
育挙動を評価した。また、実施例及び比較例1の土壌を
それぞれサンプリングし、顕微鏡観察を実施することに
よっても白色腐朽菌の生育挙動を評価した。
【0038】その結果、白色腐朽菌の生育挙動は、実施
例≫比較例1となっていることが判った。この結果か
ら、芝草を生育させることによって、白色腐朽菌の生育
挙動を促進する環境を整備することが可能であることを
確認した。また、酵素活性は、以下に記す色素評価法に
よって評価した。色素評価法に際しては、色素溶液及び
色度表を準備した。
【0039】<色素溶液の調製>1L当たり、10gグ
ルコース、0.5gMgSO、2gKHPO、1
00mgCaCl、微量元素溶液10mL、緩衝剤と
して20mM酢酸ナトリウム(pH4.5)を含む溶液
に1mLフェノールレッド溶液(2g/100mL溶
液)を添加して色素溶液を調製した。なお、ここで微量
元素溶液とは、溶液1Lあたり、MgSOを3g、M
nSOを0.5g、NaClを1.0g、FeSO
・7HOを0.1g、CoClを0.1g、ZnS
・7HOを0.1g、CuSOを0.1g、A
lK(SO・12HOを10mg、HBO
を10mg、NaMoO・2HOを10mg及び
ニトリロ三酢酸塩を1.5gの割合で含む溶液である。
【0040】<色度表の作製>色素の色の変化を評価す
るに際して、黄色から深紅まで14色を配列し、1から
14までの数値と対応した色度表を作製した。カラーモ
ードRGBを用い、レッドを100及びブルーを20に
固定し、グリーンを0〜100に10ずつ変化させて色
度表におけるNo.1〜11の色を作製し、また、グリ
ーンを0及びブルーを20に固定し、レッドを90、8
0、70に変化させて色度表におけるNo.12〜14
の色を作製した。
【0041】(4) 色素溶液を用いた土壌サンプルの
評価 15mL遠心チューブに3mLの色素溶液を移し、実施
例及び比較例1乃至3から採取した土壌を添加した後、
30秒間振とうすることによって混合した。前記色度表
を用いて色素溶液の色変化を観察したところ、実施例の
土壌は、色度表におけるNo.9.5の色を示してい
た。これに対して、比較例1の土壌は色度表におけるN
o.5を示し、比較例2の土壌は色度表におけるNo.
4を示し、比較例3の土壌は色度表におけるNo.2.
5を示していた。
【0042】この結果より、土壌中に含まれる酵素の活
性は、実施例≫比較例1>比較例2>比較例3となって
いることが判った。この結果から、芝草を生育させるこ
とによって、酵素産生及び活性化を促進する環境を整備
することが可能であることを確認した。また、実施例で
は白色腐朽菌がベントグラスの生育に何ら影響を与えな
かったが、比較例2では糸状菌がベントグラスの生育を
阻害することが判った。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る汚染土壌改良方法は、汚染土壌に芝草を生育するた
め、木材腐朽菌の繁殖を促進することができるとともに
環境汚染物質の分解に寄与する酵素の産生及び活性化を
促進することができる。したがって、本発明によれば、
環境汚染物質の浄化効率に優れた汚染土壌改良方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】恒温室内で木材腐朽菌を培養するための培地を
示す概略図である。
【図2】図1に示した培地に木材腐朽菌を培養した状態
を示す概略図である。
【図3】汚染土壌において木材腐朽菌を養生する際に使
用する敷鉄板を示す要部斜視図である。
【図4】焼砂機の概略構成図である。
【図5】木材腐朽菌含有培養床をのせた敷鉄板の要部斜
視図である。
【図6】汚染土壌に筒状コアを形成した状態を示す汚染
土壌の要部斜視図である。
【図7】汚染土壌に筒状コアを形成した後に木材腐朽菌
含有培養床を散布した状態を示す汚染土壌の要部斜視図
である。
【符号の説明】
1 三角フラスコ、2 砂、3 コンポスト、4 木材
腐朽菌、10 敷鉄板、11 焼砂機、15 木材腐朽
菌含有培養床、19 芝草、20 汚染土壌、21 筒
状コア、22 孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 9/00 B09B 3/00 ZABE (56)参考文献 特開 平11−319786(JP,A) 特開2001−252646(JP,A) 特開2001−276806(JP,A) 特表 平11−512970(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09C 1/00 - 1/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材腐朽菌の産生する酵素を用いて、環
    境汚染物質を含有する汚染土壌を浄化するに際して、 上記汚染土壌に芝生を植え付ける工程と、 上記芝草が植え付けられた汚染土壌に上記木材腐朽菌を
    投与する工程とを含む汚染土壌浄化方法。
  2. 【請求項2】 芝草が生育した後に当該芝草を刈り込む
    工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の汚
    染土壌浄化方法。
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