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JP3526436B2 - 緊張材の定着装置、定着構造及び定着方法 - Google Patents
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JP3526436B2 - 緊張材の定着装置、定着構造及び定着方法 - Google Patents

緊張材の定着装置、定着構造及び定着方法

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JP3526436B2
JP3526436B2 JP2000230848A JP2000230848A JP3526436B2 JP 3526436 B2 JP3526436 B2 JP 3526436B2 JP 2000230848 A JP2000230848 A JP 2000230848A JP 2000230848 A JP2000230848 A JP 2000230848A JP 3526436 B2 JP3526436 B2 JP 3526436B2
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tension member
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concrete member
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圭一 青木
博志 益子
収志 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、コンクリート部
材にプレストレスを導入するための緊張材を、該コンク
リート部材に定着するための装置、構造及び方法に係
り、特に、コンクリート部材外に配置された緊張材を定
着する装置、構造及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート部材にプレストレスを導入
するには、鋼より線、鋼棒等の緊張材を張力が導入され
た状態で該コンクリート部材に定着する。これにより、
コンクリートには、緊張材からの反力が作用し、圧縮応
力を発生させることができる。これにより、コンクリー
トの引張強度が小さいという欠陥が補われ、長支間の梁
や橋桁をコンクリートで構築することが可能となる。
【0003】従来のプレストレスコンクリート橋等にお
いて、コンクリートにプレストレスを導入する緊張材の
多くは、コンクリート部材内に配置されている。つま
り、コンクリート部材内にシースと称される筒状の部材
を埋め込んでおき、これに緊張材を挿通して張力を導入
する。そして、その端部をコンクリートに定着すること
によってプレストレスを導入している。
【0004】しかし、大型の橋桁の架設等においては、
コンクリート部材外に緊張材を配置する場合が増加して
いる。例えば、多径間ラーメン構造の橋梁を片持ち架設
工法で施行する場合や、アーチ橋を両側から片持ち架設
する場合では、架設中の構造と完成時の構造とが異なる
ことになり、部材に生じる曲げモーメントの分布も大き
く相違する。このため、架設中にのみ張力を導入してお
き、完成時には張力を解放する、いわゆる仮設緊張材
(ケーブル)を用いることがある。
【0005】このような仮設緊張材は、完成時には不要
となり、撤去して再利用するのが望ましいが、コンクリ
ート部材内に緊張材が配置されていると撤去が難しく、
コンクリート部材の表面に沿って部材外に配置するのが
望ましい。また、緊張材をコンクリート部材外に配置す
ることによって、鉄筋の配置が容易となる。
【0006】このように、コンクリート部材の表面に沿
って部材外に配置される緊張材の定着には、例えば図7
に示されるような構造が、従来より採用されている。
【0007】図7(a)に示す定着構造は、緊張材10
3を定着するためのコンクリートの突状部102がプレ
ストレスを導入するコンクリート部材101と一体とな
るように形成されており、この突状部102に緊張材1
03を挿通する貫通孔104が設けられている。そし
て、コンクリート部材101の表面に沿って配置された
緊張材103を上記貫通孔104に挿通し、突状部10
2の一方の端面にプレート105等を介して緊張材10
3を定着するものである。
【0008】また、図7(b)に示す定着構造は、コン
クリート部材111の表面に鋼製の定着用ブロック11
2を固着し、この定着用ブロック112に張力が導入さ
れた緊張材113を定着するものである。上記定着用ブ
ロック112は、コンクリート部材111を貫通するよ
うに設けられた鋼棒114等によって固着されるもので
あり、定着用ブロック112とコンクリート部材111
との間の摩擦力で固着する構造及び鋼棒114等のせん
断抵抗力によって固着する構造が考えられる。
【0009】つまり、摩擦力で固着する構造は、鋼棒1
14の張力によって定着用ブロック112をコンクリー
ト部材111の表面に強く押し付け、双方の間に作用す
る摩擦力で、コンクリート部材111の表面と平行な緊
張材113の張力に抵抗するものである。また、鋼棒等
のせん断抵抗力によって固着する構造は、定着用ブロッ
ク112とコンクリート部材111とにわたって貫通さ
れた鋼棒114等が、これとほぼ直角方向に作用する力
に抵抗するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら用いられている上記定着構造では、次のような問題点
がある。図7(a)に示す構造では、コンクリートの突
状部102はプレストレスが導入されるコンクリート部
材101と一体に形成されており、構造物が完成した
後、緊張材103の張力を解放して緊張材を撤去して
も、突状部102はそのまま残ることになる。このた
め、橋桁の外表面や特に橋面では、コンクリートの突状
部102を破砕して撤去しなければならない。
【0011】また、図7(b)に示す構造では、鋼棒1
14等の緊張力を解放することによって鋼製の定着用ブ
ロック112を撤去することはできるが、この定着用ブ
ロック112を固定するためにあらかじめ鋼棒114を
挿通する貫通孔を設けておき、各々の鋼棒114に緊張
力を付与して定着する作業が必要となる。このため工数
が多くなり、費用が増大する。さらに、定着用ブロック
112とコンクリート部材111との間の摩擦力で固着
する構造では、双方の部材の密着性を確保するために、
これらの部材間にモルタル等を充填する必要が生じるこ
ともある。また、コンクリート部材11の厚さが小さい
場合には鋼棒114等に緊張を導入しても、その伸び量
が小さく、所定の張力を導入するための管理が難しくな
る。一方、鋼棒114等のせん断力で固着する構造で
も、複数の鋼棒等に均等にせん断力を作用させるには、
鋼棒等の周囲にグラウト等を確実に充填しておく必要が
あり、施工中に多くの作業を要することになる。
【0012】本願に係る発明は上記のような問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、コンクリート部
材外に配置される緊張材を確実かつ簡易にコンクリート
部材に定着し、プレストレスを導入することができる定
着装置、定着構造又は定着方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に係る発明は、 コンクリート部材の表
面に沿って、該コンクリート部材外に配置される緊張材
を、該コンクリート部材に定着する定着装置であって、
張力が導入された前記緊張材の端部が係止される緊張
材係止部と、 前記コンクリート部材に装着される前
に、予め前記緊張材係止部と一体に連続するように設け
られ、前記緊張材の軸線より張り出した位置で、前記コ
ンクリート部材の前記軸線とほぼ直角な面に押圧される
支圧部と、 前記支圧部が設けられた位置より前記緊張
材に沿って延伸された部分に設けられ、前記コンクリー
ト部材の前記緊張材に沿った表面に当接される側面当接
部とを有する緊張材の定着装置を提供する。
【0014】この定着装置では、緊張材が係止されるこ
とによって、その張力が伝達され、支圧部を介してコン
クリート部材の、緊張材の軸線とほぼ直角な面に支圧力
として伝達される。このとき、支圧力の作用する位置が
緊張材の軸線より側方に張り出した位置となっており、
コンクリート部材から作用する反力と緊張材の張力に対
する反力とで偶力が生じる。しかし、側面当接部に作用
する力及び上記支圧部とコンクリート部材側の支圧面と
の間の摩擦力又はその他の拘束力とによって、定着装置
の回転は拘束され、この定着装置は緊張材の張力でコン
クリート部材にしっかりと固定された状態となる。した
がって、緊張材の張力は確実にコンクリートに伝達さ
れ、有効にプレストレスが導入される。また、緊張材に
張力を導入する際に、定着装置をコンクリート部材の所
定位置に配置し、これに緊張材を係止するだけで張力を
導入する作業を行うことができ、作業の効率は良好なも
のとなる。さらに、緊張材の張力の解放及び緊張材・定
着装置の撤去を容易に行なうことができる。なお、上記
支圧部は、コンクリート部材の面に直接に当接されるも
のであってもよいし、支圧板等を介して当接されるもの
であってもよい。また、コンクリート部材の、緊張材の
軸線とほぼ直角な面は、コンクリート部材の端面であっ
てもよいし、請求項9に記載のように、緊張材定着用に
設けられた凹部であってもよい。
【0015】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
定着装置において、 前記緊張材の軸線方向に長い形状
で、一端付近から側方への張り出し部を有する鋼板材
が、間隔をあけて2枚ほぼ平行に連結され、 該鋼板材
の連結体の、張り出し部を有する側の端部に、前記緊張
材係止部が形成され、 前記張り出し部の先端付近に前
記支圧部が設けられ、 前記鋼板材の他方の端部付近に
前記側面当接部が形成されているものとする。
【0016】この定着装置は、主要部が2枚の鋼板材を
連結することによって構成されており、簡易かつ廉価で
製作することができる。また、緊張材は2枚の鋼板材の
間に挿通して、双方の鋼板材に簡単に係止することがで
きる。
【0017】請求項3に係る発明は、 コンクリート部
材の表面に沿って、該コンクリート部材外に配置される
緊張材を、該コンクリート部材に定着する定着構造であ
って、 前記コンクリート部材の前記緊張材に沿った
表面及び前記緊張材の軸線とほぼ直角な面に、該コンク
リート部材に装着する前に予め一体に連続した定着装置
が直接又は他の部材を介して当接され、 該定着装置に
緊張力が導入された前記緊張材が係止され、緊張力が該
定着装置を介して、前記緊張材の軸線とほぼ直角な面に
支圧力として伝達される緊張材の定着構造を提供するも
のである。
【0018】この定着構造では、定着装置をコンクリー
ト部材の二つの面に当接させることによって簡単に配置
することができ、これに緊張材を係止して張力の導入
し、この力をコンクリートに伝達することができる。そ
して、このように張力が導入された状態で定着を簡易に
行うことができる。したがって、作業効率が向上すると
ともに、緊張材の張力が不要となったときには、容易に
緊張材及び定着装置を撤去することができる。
【0019】請求項4に係る発明は、 コンクリート部
材の表面に沿って、該コンクリート部材外に配置される
緊張材を、該コンクリート部材に定着する定着構造であ
って、 前記緊張材の軸線方向に長い形状の本体部を有
する定着装置が、該コンクリート部材外に配置され、
該定着装置をコンクリート部材に装着する前に予め該定
着装置の本体部と一体に連続し、その長軸方向に対して
側方に張り出すように設けられた支圧部が、前記コンク
リート部材の、前記緊張材の軸線とほぼ直角な面に当接
され、 該定着装置の本体部の一端付近に、張力が導
入された前記緊張材が係止され、 前記コンクリート部
材の前記緊張材に沿った表面に、前記定着装置の本体部
の他端付近が当接されていることを特徴とする緊張材の
定着構造を提供するものである。
【0020】この定着構造では、定着装置に係止された
緊張材の張力は、本体部及び支圧部を介してコンクリー
トに伝達され、緊張材は張力が導入された状態で定着さ
れる。そして、定着装置には、コンクリート部材外に配
置された緊張材から作用する力とコンクリート部材側か
ら支圧部に作用する反力とによって偶力が発生するが、
この定着装置は軸線方向に長い形状を有し、両端付近が
コンクリート部材に拘束されるので、安定した状態でこ
の定着装置が固定される。なお、上記支圧部は、コンク
リート部材の面に直接に当接されるものであってもよい
し、支圧板等を介して当接されるものであってもよい。
【0021】請求項5に係る発明は、請求項4に記載の
定着構造において、 前記コンクリート部材の、前記緊
張材の軸線とほぼ直角な面には、前記支圧部と当接され
る支圧板が固定されているものとする。
【0022】この定着構造では、コンクリート部材の支
圧面に支圧板が固定されており、緊張材の張力は定着装
置から上記支圧板を介してコンクリート部材に伝達され
る。これにより、支圧応力は支圧板によって分散され、
均等化されてコンクリートに作用する。したがって、コ
ンクリート部材の支圧面の破損が防止される。
【0023】請求項6に係る発明は、請求項5に記載の
定着構造において、 前記支圧板には棒状のアンカーが
結合され、 該アンカーは、前記コンクリート部材中
に、前記緊張材の軸線とほぼ平行に埋め込まれているも
のとする。
【0024】この定着構造では、緊張材から定着装置に
伝達された力は、支圧部から支圧板に作用し、支圧板に
結合されたアンカーに伝えられる。そして、コンクリー
ト部材中に埋め込まれたアンカーから力がコンクリート
部材に作用するので、コンクリートの支圧面付近に応力
が集中するのが回避される。このため、コンクリートの
隅角部が大きなせん断力で駆け落ちたりするような局部
的な損傷が防止され、力が確実にコンクリートに伝達さ
れる。
【0025】請求項7に係る発明は、請求項5に記載の
定着構造において、 前記支圧板は、前記定着装置の前
記支圧部が前記緊張材の軸線と直角な方向に移動するの
を拘束する係止部を有するものとする。
【0026】定着装置からコンクリート部材への支圧力
が、緊張材の軸線から離れた位置に作用することによっ
て、定着装置には偶力が生じる。これにより、コンクリ
ート部材の支圧面に面とほぼ平行な力が作用する。これ
に対し、定着装置の支圧部とコンクリート部材の支圧面
又は支圧板等の支圧面との間には摩擦力が作用し、一般
には定着装置の位置は拘束され、上記の力によって定着
装置の支圧部の位置がずれるようなことはない。しか
し、支圧面が平滑で作用する摩擦力が小さい場合や、定
着装置の固定に高い信頼性が求められる場合には、上記
係止部によって、定着装置の支圧部の位置を確実に拘束
することができる。
【0027】請求項8に係る発明は、請求項5に記載の
定着構造において、 前記支圧板の支圧面は凹状又は凸
状に形成され、 前記定着装置の支圧部は、前記支圧板
の支圧面の形状と対応して嵌め合わされる形状を有する
ものとする。
【0028】この定着構造では、支圧板と定着装置の支
圧部とが凹凸の曲面を嵌め合わせるものとなっているの
で、双方の接触面は安定し、広い範囲で接触する。この
ため、応力が局部的に集中することが少なく、定着構造
の信頼性が向上する。また、凹部と凸部が嵌め合わされ
ることにより、支圧面に対して横方向の相対変位を拘束
することができる。したがって、請求項7に係る構造と
同様に定着装置の位置がずれるおそれを解消することが
できる。なお、上記凹状又は凸状となった支圧面を球曲
面とすることにより、これらの角度を多少変更しても支
圧力が偏って作用することがなく、確実に力を伝達する
ことができる。したがって、緊張材の配置方向とコンク
リート部材の支圧面とが誤差によって直角ではなかった
場合、橋桁の軸線が曲線であって緊張材の方向と直角に
支圧面を設定することが難しい場合に等においても、緊
張材に局部的な曲げや支圧力の偏りを生じることなく、
緊張材を定着することができる。
【0029】請求項9に係る発明は、請求項3又は請求
項4に記載の定着構造において、前記コンクリート部材
の、前記緊張材の軸線とほぼ直角な面は、該コンクリー
ト部材の該緊張材に沿った表面に形成された凹状の穴の
側面であるものとする。
【0030】このような定着構造では、コンクリート部
材の緊張材に沿った表面には、定着装置の一部を突き入
れることができる凹状の穴が形成されていれば、この位
置に定着装置を配置して緊張材を定着することができ
る。このため、コンクリート部材を形成するときに必要
な、緊張材を定着するための作業はわずかとなる。ま
た、緊張材の張力を解放し、定着装置とともに撤去した
後は、この凹部にコンクリート又はモルタル等を充填す
ることによって、コンクリート部材の表面は平坦に体裁
よく仕上げることができる。
【0031】請求項10に係る発明は、 コンクリート
部材の表面に沿って、該コンクリート部材外に配置され
る緊張材を、該コンクリート部材に定着する方法であっ
て、 前記緊張材の軸線方向に長い形状を有する定着
装置の一端付近に、前記コンクリート部材に装着する前
に予め該定着装置の本体部から一体に連続するように
けられた張り出し部を、該コンクリート部材の、前記緊
張材の軸線方向とほぼ直角な面に係止し、 前記定着装
置の他端付近を前記コンクリート部材の前記表面に当接
し、 該定着装置に前記緊張材を係止し、緊張力を導入
して定着する緊張材の定着方法を提供するものである。
【0032】この定着方法では、コンクリート部材外に
配置した定着装置を介して緊張材を簡易に定着すること
ができ、緊張材の張力の解放及び撤去も容易に行うこと
ができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は、本願発明の一実施
形態である緊張材の定着構造を示す斜視図である。ま
た、図2は、同じ定着構造の平面図及び側面(一部断
面)図であり、図3は、正面図及び背面図、図4は、断
面図である。なお、この定着構造で用いられる定着装置
は、請求項1又は請求項2に係る発明の一実施形態であ
る。
【0034】この定着構造は、コンクリート部材1にプ
レストレストを導入するために、このコンクリート部材
外に配置された緊張材2を、張力が導入された状態でこ
のコンクリート部材1に定着するものであり、緊張材2
を定着装置3に係止し、この定着装置3を介して力をコ
ンクリート部材1に作用させるものである。
【0035】上記定着装置3は、構造用の鋼厚板(厚さ
36mm)を2枚間隔をあけて接合した本体部11と、
緊張材2がナット4又はくさび等によって係止される緊
張材定着板12と、この定着装置3を安定した状態で仮
支持するための支持翼13と、コンクリート部材1に支
圧力として力を伝える支圧部14と、コンクリート部材
1の緊張材2に沿った表面に当接される側面当接板15
とで主要部が構成されている。
【0036】上記本体部11の鋼厚板は、緊張材2の軸
線方向に長い形状を有するとともに、その一端付近に、
緊張材2の軸線に対して横方向へ張り出した部分11a
を有するものであり、同じ形状の2枚の鋼厚板を、緊張
材2が挿通される間隔をあけて、連結板16により接合
されている。そして、上記張り出し部分11aが、設け
られた側の端部に、上記鋼厚板と垂直に緊張材定着板1
2が溶接によって取り付けられている。
【0037】他方の端部すなわち後方端付近に設けられ
た側面当接板15は、コンクリート部材1の緊張材2に
沿った表面と平行に取り付けられた板材であり、この定
着装置3に偶力が作用して後方端がコンクリート部材1
の表面に押し付けられるときに、安定した状態で定着装
置3を支持するようになっている。
【0038】また、本体部11の中央部よりやや前方に
設けられた支持翼13は、本体部11より両側に張り出
し、コンクリート部材1の表面との間に小ブロック10
等を介挿して本体部11を安定した状態で支持すること
ができるようになっている。
【0039】一方、コンクリート部材1に力を伝える支
圧部14は、張り出し部分11aの後方側に設けられて
おり、凸状の球曲面を有する鋼部材が本体部11の鋼厚
板に溶接で接合されている。この球曲面は、コンクリー
ト部材1の緊張材2と垂直な面に取り付けられた支圧板
6の凹部に嵌め合わされ、広い範囲で接触して安定した
状態で支圧力が作用するようになっている。
【0040】上記のような定着装置3によって定着され
る緊張材2は、上記鋼厚板の後方の端部側から2枚の鋼
厚板の間に挿通され、上記緊張材定着板12に設けられ
た貫通孔を通して該緊張材定着板12の前面で、張力の
導入及び定着が行われるようになっている。なお、緊張
材2は、本実施形態ではPC鋼棒が用いられナット4を
用いて上記緊張材定着板12に係止されているが、鋼よ
り線、鋼線をくさびを用いて係止することもできる。ま
た、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の非金属繊
維を束ねてロッド状に固めた緊張材を用いることもでき
る。
【0041】一方、上記定着装置3及び緊張材2によっ
てプレストレスが導入されるコンクリート部材1は、緊
張材2に沿った表面に、図1から図4までに示されるよ
うに、直方体状の凹部5が形成されており、その後方側
の側面、つまり緊張材2が延伸されている側の、上記表
面と垂直な面に支圧板6が取り付けられている。この支
圧板6は、4本のアンカー7が垂直に結合され、これら
のアンカー7をコンクリートに埋め込むことによって固
着されている。そして、この支圧板6の開放された面に
は、凹状の球曲面が形成されており、上記定着装置3の
支圧部14に設けられた凸部が嵌め合わされる。
【0042】また、コンクリート部材1内には、上記ア
ンカーのコンクリート部材の表面側を囲むように補強鉄
筋8が配置されており、支圧板6付近のコンクリートが
欠け落ちないように補強されている。なお、支圧板6に
は、定着装置3に固着された位置決めキー17が嵌合さ
れる凹部が設けられており、これらを嵌め合わせること
によって、定着装置3をほぼ所定の位置に配置すること
ができるようになっている。
【0043】次に、上記定着構造における緊張材2の緊
張及び定着作業について説明する。なお、この作業手順
は請求項10に記載の発明の一実勢形態である。まず、
定着装置3をコンクリート部材1の所定の位置に配置
し、支圧部14がコンクリート部材1に固定された支圧
板6に当接するように据え付ける。そして、緊張材2
を、定着装置3の後方から2枚の鋼厚板の間隙及び緊張
材定着板12の貫通孔に挿通し、ナット4を螺合する。
【0044】上記緊張材2の端部には、図5に示すよう
に、センターホールジャッキ9を装置し、定着装置3に
反力を負担させて、緊張材2に張力を導入する。そし
て、張力を導入した状態でナット4を回転させると、セ
ンターホールジャッキ9の作動を解放したときにナット
4が緊張材定着板12に係止され、緊張材2の張力が維
持された状態で定着される。
【0045】上記のように緊張材2から定着装置3に張
力F1 が作用することにより、支圧部14にはコンクリ
ート部材1から支圧板6を介して反力F2 が作用する。
これらの力の作用方向は、平行で反対方向となっている
が、その作用線は偏心しており、定着装置3には偶力が
作用する。この偶力は、定着装置3を回転させようとす
るものであるが、側面当接板15を介して緊張材2の軸
線方向とほぼ直角に作用する反力F3 によって拘束さ
れ、定着装置3は安定した状態で維持される。
【0046】また、反力F3 の作用にともなって、定着
装置3の支圧部14には支圧面と平行な方向に力F4
作用する。この力F4 と支圧面と垂直な力F2 とは、コ
ンクリート部材1に対しては逆方向の力として作用し、
コンクリート部材1の隅角部には剪断破壊を生じさせよ
うとする応力が作用する。しかし、支圧板6に結合され
たアンカー7、及びこれらアンカー7を囲むように配置
された補強鉄筋8とによって、上記剪断破壊に抵抗する
ものとなっている。
【0047】なお、上記実施形態では、定着装置3の支
圧部14とコンクリート部材1に固着された支圧板6と
は、凸面と凹面とを嵌め合わせることによって上記力F
2 による定着装置の位置ずれを拘束する構造となってい
るが、図6に示すように支圧板26又は定着装置23に
固着された突起27によって位置ずれを拘束する構成と
することもできる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る緊
張材の定着装置、定着構造又は定着方法では、コンクリ
ート部材外に配置される緊張材をコンクリート部材に簡
易に定着することができ、緊張材を定着するために必要
な作業を大幅に低減することができる。また、コンクリ
ート構造物の架設中にのみ必要な緊張材は、構造物の完
成時又はプレストレスが不要となったときに容易に解放
し、撤去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態である緊張材の定着装置
及び定着構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示す緊張材の定着装置及び定着構造の平
面図及び側面図である。
【図3】図1に示す緊張材の定着装置及び定着構造の正
面図及び背面図である。
【図4】図1に示す緊張材の定着装置及び定着構造の断
面図である。
【図5】図1に示す緊張材の定着構造において、緊張材
に張力を導入したときの状態を示す概略図である。
【図6】本願発明の他の実施形態である緊張材の定着構
造を示す側面図である。
【図7】コンクリート部材外に配置された緊張材の、従
来の定着構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 コンクリート部材 2 緊張材 3 定着装置 4 ナット 5 コンクリート部材に設けられた凹部 6 支圧板 7 アンカー 8 補強鉄筋 9 センターホールジャッキ 10 小ブロック 11 本体部 12 緊張材定着板 13 支持翼 14 支圧部 15 側面当接板 16 連結板 17 位置決めキー 21 コンクリート部材 22 緊張材 23 定着装置 26 支圧板 27 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 収志 東京都新宿区荒木町13番地の4 住友建 設株式会社内 (72)発明者 迎 邦博 東京都新宿区荒木町13番地の4 住友建 設株式会社内 (72)発明者 落合 博幸 東京都新宿区荒木町13番地の4 住友建 設株式会社内 (56)参考文献 特開2001−262843(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04C 5/12 E04G 21/12 104 E01D 1/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート部材の表面に沿って、該
    コンクリート部材外に配置される緊張材を、該コンクリ
    ート部材に定着する定着装置であって、 張力が導入された前記緊張材の端部が係止される緊張材
    係止部と、前記コンクリート部材に装着される前に、予め前記 緊張
    材係止部と一体に連続するように設けられ、前記緊張材
    の軸線より張り出した位置で、前記コンクリート部材の
    前記軸線とほぼ直角な面に押圧される支圧部と、 前記支圧部が設けられた位置より前記緊張材に沿って延
    伸された部分に設けられ、前記コンクリート部材の前記
    緊張材に沿った表面に当接される側面当接部とを有する
    ことを特徴とする緊張材の定着装置。
  2. 【請求項2】 前記緊張材の軸線方向に長い形状で、
    一端付近から側方への張り出し部を有する鋼板材が、間
    隔をあけて2枚ほぼ平行に連結され、 該鋼板材の連結体の、張り出し部を有する側の端部に、
    前記緊張材係止部が形成され、 前記張り出し部の先端付近に前記支圧部が設けられ、 前記鋼板材の他方の端部付近に前記側面当接部が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の緊張材の定
    着装置。
  3. 【請求項3】 コンクリート部材の表面に沿って、該
    コンクリート部材外に配置される緊張材を、該コンクリ
    ート部材に定着する定着構造であって、 前記コンクリート部材の前記緊張材に沿った表面及び前
    記緊張材の軸線とほぼ直角な面に、該コンクリート部材
    に装着する前に予め一体に連続した定着装置が直接又は
    他の部材を介して当接され、 該定着装置に緊張力が導入された前記緊張材が係止さ
    れ、緊張力が該定着装置を介して、前記緊張材の軸線と
    ほぼ直角な面に支圧力として伝達されることを特徴とす
    る緊張材の定着構造。
  4. 【請求項4】 コンクリート部材の表面に沿って、該
    コンクリート部材外に配置される緊張材を、該コンクリ
    ート部材に定着する定着構造であって、 前記緊張材の軸線方向に長い形状の本体部を有する定着
    装置が、該コンクリート部材外に配置され、該定着装置をコンクリート部材に装着する前に予め該定
    着装置の本体部と一体に連続し、 その長軸方向に対して
    側方に張り出すように設けられた支圧部が、前記コンク
    リート部材の、前記緊張材の軸線とほぼ直角な面に当接
    され、 該定着装置の本体部の一端付近に、張力が導入された前
    記緊張材が係止され、 前記コンクリート部材の前記緊張材に沿った表面に、前
    記定着装置の本体部の他端付近が当接されていることを
    特徴とする緊張材の定着構造。
  5. 【請求項5】 前記コンクリート部材の、前記緊張材
    の軸線とほぼ直角な面には、前記支圧部と当接される支
    圧板が固定されていることを特徴とする請求項4に記載
    の緊張材の定着構造。
  6. 【請求項6】 前記支圧板には棒状のアンカーが結合
    され、 該アンカーは、前記コンクリート部材中に、前記緊張材
    の軸線とほぼ平行に埋め込まれていることを特徴とする
    請求項5に記載の緊張材の定着構造。
  7. 【請求項7】 前記支圧板は、前記定着装置の前記支
    圧部が前記緊張材の軸線と直角な方向に移動するのを拘
    束する係止部を有することを特徴とする請求項5に記載
    の緊張材の定着構造。
  8. 【請求項8】 前記支圧板の支圧面は凹状又は凸状に
    形成され、 前記定着装置の支圧部は、前記支圧板の支圧面の形状と
    対応して嵌め合わされる形状を有することを特徴とする
    請求項5に記載の緊張材の定着構造。
  9. 【請求項9】 前記コンクリート部材の、前記緊張材
    の軸線とほぼ直角な面は、該コンクリート部材の該緊張
    材に沿った表面に形成された凹状の穴の側面であること
    を特徴とする請求項3又は請求項4に記載の緊張材の定
    着構造。
  10. 【請求項10】 コンクリート部材の表面に沿って、
    該コンクリート部材外に配置される緊張材を、該コンク
    リート部材に定着する方法であって、 前記緊張材の軸線方向に長い形状を有する定着装置の一
    端付近に、前記コンクリート部材に装着する前に予め該
    定着装置の本体部から一体に連続するように設けられた
    張り出し部を、該コンクリート部材の、前記緊張材の軸
    線方向とほぼ直角な面に係止し、 前記定着装置の他端付近を前記コンクリート部材の前記
    表面に当接し、 該定着装置に前記緊張材を係止し、緊張力を導入して定
    着することを特徴とする緊張材の定着方法。
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