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JP3527764B2 - 車両用制動制御装置 - Google Patents
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JP3527764B2 - 車両用制動制御装置 - Google Patents

車両用制動制御装置

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JP3527764B2
JP3527764B2 JP27551293A JP27551293A JP3527764B2 JP 3527764 B2 JP3527764 B2 JP 3527764B2 JP 27551293 A JP27551293 A JP 27551293A JP 27551293 A JP27551293 A JP 27551293A JP 3527764 B2 JP3527764 B2 JP 3527764B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピン、ドリフトアウ
トなどの車両の挙動異常時に、各輪に車両の運動状態に
応じた制動力を付与して車両の挙動を立て直すようにし
た車両用制動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えば特開平4
−257756号公報に示されているように、ホイール
シリンダに対するブレーキ油の給排をブレーキペダルの
操作とは独立して制御する油圧制御装置を備えた車両用
制動制御装置に適用されて、車両の運動状態に応じて車
両の挙動を立て直すための車輪の目標スリップ率を決定
するとともに、前記決定目標スリップ率に応じて油圧制
御装置を制御して車輪のスリップ率を同目標スリップ率
に一致させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置にあっては、車両の運動状態のみに基づいて目標スリ
ップ率を決定していて、運転者のアクセルペダル操作に
よる車両の駆動状態が考慮されていないために、運転者
の意志が全く反映されないという問題がある。また、ア
クセルペダル操作により車輪を駆動している状態で、目
標スリップ率を車両の運動状態のみによって決定する
と、制御開始時における前記決定した目標スリップ率と
車輪の実スリップ率との偏差が大き過ぎて、発生ブレー
キ力が急激に変化してしまうとともに車輪の実スリップ
率が大きくなり過ぎて車輪がロック気味になってしまう
場合もある(図9参照)。
【0004】本発明は上記問題に対処するためになされ
たもので、その目的は、駆動輪に伝達される駆動力を考
慮して目標スリップ率を補正することにより、制動力を
滑らかに変化させるとともに運転者の意志を反映した車
両用制動制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、車両の各車輪に制動力を付与するホイー
ルシリンダに対するブレーキ油の給排を制御するブレー
キ油圧制御装置と,前記各車輪の実スリップ率を検出す
る実スリップ率検出手段と,車両の運転状態と挙動状態
に応じて前記各車輪の目標スリップ率を算出する目標ス
リップ率演算手段と,前記実スリップ率検出手段によっ
て検出される実スリップ率が前記目標スリップ率に設定
されるように前記ブレーキ油圧制御装置を制御する制御
手段とを備えた車両用制動制御装置であって,当該車両
の駆動輪に伝達される駆動力を検出する駆動力検出手段
と,トルクコンバータの入力回転数と変速機の出力回転
数に基づいてトルクコンバータのスリップ率を検出する
スリップ率検出手段と、前記トルクコンバータのスリッ
プ率と前記検出された駆動輪に伝達される駆動力の関係
を表すデータに基づいて前記駆動輪の駆動力を推定する
手段を駆動力推定手段と、該駆動力推定手段によって推
定された前記駆動輪の駆動力に応じて同駆動輪の前記目
標スリップ率を補正する目標スリップ率補正手段とを備
えたことを特徴とする車両用制動制御装置を提供するも
のである。
【0006】
【発明の作用・効果】上記のように構成した本発明にお
いては、前記駆動力推定手段によって推定された駆動輪
の駆動力に応じて同駆動輪の目標スリップ率を補正し、
前記制御手段及び油圧制御装置により車輪のスリップ
率が前記補正された目標スリップ率に一致するように制
御される。したがって、目標スリップ率に車両の駆動状
態が考慮されるとともに、車輪に付与される制動力にも
車両の駆動状態が考慮されることになる。その結果、本
発明によれば、車輪の制動制御に運転者の意志が反映さ
れた車輪の制動制御が可能になるとともに、目標スリッ
プ率と車輪の実スリップ率の偏差に伴う急激な制動力の
付与を回避でき、制御開始時における制動力の不連続性
や加速感の減退を抑制することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
ると、図1は同実施例に係る車両用制動装置を概略的に
示すとともに同装置を制御する電気制御装置をブロック
図により示している。
【0008】車両用制動装置は、ブレーキペダル11の
踏み込み操作に応答して、ブレーキ油を第1及び第2ポ
ートから圧送するマスタシリンダ12を備えている。マ
スタシリンダ12の第1ポートは、電磁バルブ31,4
1が図示状態にあるとき、両バルブ31,41を介して
左右前輪用のホイールシリンダ32,42にそれぞれ連
通する。また、マスタシリンダ12の第2ポートは、電
磁バルブ51,61が図示状態にあるとき、プロポーシ
ョナルバルブ13及び電磁バルブ51,61を介して左
右後輪用のホイールシリンダ52,62にそれぞれ連通
する。
【0009】また、この車両用制動装置は油圧ポンプ1
4を備え、同ポンプ14はリザーバ15から汲み上げた
油を高圧油路L1に供給する。高圧油路L1には高圧油を蓄
えるアキュムレータ16が接続されている。この高圧油
路L1とリザーバ15に接続した低圧油路L2との間には、
左右前輪及び左右後輪用の各ブレーキ油圧制御装置3
0,40,50,60が接続されている。左前輪用のブ
レーキ油圧制御装置30は、前述した電磁バルブ31及
びホイールシリンダ32の他に、増圧用の電磁バルブ3
3及び減圧用の電磁バルブ34を備えている。電磁バル
ブ33は、電磁バルブ31が図示状態から切り換えられ
ているとき、図示状態にて高圧油路L1をホイールシリン
ダ32に連通させ、かつ図示状態から切り換えられた状
態にて前記連通を遮断する。電磁バルブ34は、電磁バ
ルブ31が図示状態から切り換えられているとき、図示
状態から切り換えられた状態にてホイールシリンダ32
を低圧油路L2に連通させ、かつ図示状態にて前記連通を
遮断する。
【0010】右前輪用のブレーキ油圧制御装置40も、
前述した電磁バルブ41及びホイールシリンダ42の他
に、左前輪用のブレーキ油圧制御装置30の場合と同様
に機能する電磁バルブ43,44を備えている。左後輪
用のブレーキ油圧制御装置50も、前述した電磁バルブ
51及びホイールシリンダ52の他に、左前輪用のブレ
ーキ油圧制御装置30の場合と同様に機能する電磁バル
ブ53,54を備えている。右後輪用のブレーキ油圧制
御装置60も、前述した電磁バルブ61及びホイールシ
リンダ62の他に、左前輪用のブレーキ油圧制御装置3
0の場合と同様に機能する電磁バルブ63,64を備え
ている。なお、前述した各電磁バルブは非通電時にそれ
ぞれ図示状態に保たれ、通電により図示状態から切り換
えられる。
【0011】次に、これらの電磁バルブを制御する電気
制御装置について説明する。電気制御装置は、ハンドル
操舵角θh、前後速度Ux、横速度Uy、前後加速度Gx、
横加速度Gy、ヨーレートYr、左右前輪及び左右後輪の
各回転角速度ωfl,ωfr,ωrl,ωrr、スロットル開度θ
s、エンジン回転数Ne、変速機の出力軸の回転数Nt、
変速機のシフトポジションshift、ブレーキペダル操作
の有無Brなどをそれぞれ検出する複数のセンサからな
るセンサ群71を備えている。センサ群71には状態量
演算部72が接続されており、同演算部72は前記各セ
ンサにより検出された車両の運動状態量及び運転状態量
を表す信号を必要に応じてそのまま出力するとともに、
これらの状態量に基づいて左右前輪の実舵角Stafl,S
tafr、車両進行方向速度Us、左右前輪及び左右後輪の
各車輪速Usfl,Usfr,Usrl,Usrr、左右前輪及び左右
後輪のスリップ角βfl,βfr,βrl,βrr、重心点スリッ
プ角βg、路面摩擦係数μなどの必要な車両の運動状態
量及び路面状態量を推定して同推定した状態量を表す信
号を出力する。また、この状態量演算部72は前記検出
した変速機のシフト状態shiftに基づいて、同シフト状
態に対応した変速機のギヤ比ratioを表す信号も出力す
る。
【0012】状態量演算部72には、目標スリップ率演
算部73、挙動異常検知部74及び実スリップ率演算部
75が接続されている。目標スリップ率演算部73は、
状態量演算部72から出力されるハンドル操舵角θh、
前後加速度Gx、横加速度Gy、スロットル開度θs 、ブ
レーキペダル操作の有無Br、左右前輪及び左右後輪の
スリップ角βfl,βfr,βrl,βrr、重心点スリップ角βg
などに基づいて、車両の挙動異常を是正して車両走行を
安定させる左右前輪及び左右後輪のための目標スリップ
率Sfl*,Sfr*,Srl*,Srr* をそれぞれ決定する。な
お、これらの目標スリップ率Sfl*,Sfr*,Srl*,Srr*
の詳しい計算方法は本発明に直接関係しないので詳しく
述べないが、必要に応じて前記従来技術の項で説明した
特開平4−257756号公報の内容を参照することが
できる。挙動異常検知部74は状態量演算部72からの
各検出信号に基づいて車両の挙動(車両の総合的な運動
状態)を推定し、同挙動に異常が発生したとき同異常を
表す信号を出力する。実スリップ率演算部75は、状態
量演算部72からの左右前輪及び左右後輪の各回転角速
度ωfl,ωfr,ωrl,ωrr、左右前輪及び左右後輪の各車
輪速Usfl,Usfr,Usrl,Usrr及び各輪の荷重半径R
(固定値)に基づいて、下記数1の演算の実行により、
各輪の実スリップ率Sfl,Sfr,Srl,Srrを計算する。
【0013】
【数1】Sfl=(Usfl−R・ωfl)/Usfl Sfr=(Usfr−R・ωfr)/Usfr Srl=(Usrl−R・ωrl)/Usrl Srr=(Usrr−R・ωrr)/Usrr 目標スリップ率Sfl*,Sfr*,Srl*,Srr* を表す信号は
目標スリップ率補正部76に出力されるとともに、車両
の挙動異常を表す信号及び実スリップ率Sfl,Sfr,Sr
l,Srr を表す信号はスリップ率制御部77に出力され
る。
【0014】目標スリップ率補正部76は車両の駆動状
態に応じて駆動輪である後輪の目標スリップ率Srl*,S
rr* を補正してスリップ率制御部77に出力するととも
に、非駆動輪である前輪の目標スリップ率Sfl*,Sfr*
をそのままスリップ率制御部77に出力する。スリップ
率制御部77は、前記挙動異常を表す信号を入力したと
き、目標スリップ率Sfl*,Sfr*及び補正された目標ス
リップ率Srl**,Srr**及び実スリップ率Sfl,Sfr,Sr
l,Srr に基づいて各輪用のブレーキ油圧制御装置3
0,40,50,60内の各電磁バルブを制御して、各
輪の実スリップ率Sfl,Sfr,Srl,Srrが目標スリップ
率Sfl*,Sfr*及び補正された目標スリップ率Srl**,S
rr** に等しくなるようにする。図2に駆動輪である左
後輪のための目標スリップ率補正部76及びスリップ率
制御部77の詳細を示す。
【0015】目標スリップ率補正部76はトルクコンバ
ータのスリップ率を計算するための回転数換算回路10
1及びスリップ率演算器102を備えている。回転数換
算回路101はエンジン回転数Neとギヤ比ratioを乗算
して、トルクコンバータの入力回転数を変速機の出力回
転数に換算して入力回転数Nin(=ratio・Ne) として
出力する。スリップ率演算器102は、前記入力回転数
Nin及び変速機の出力軸の回転数Nt に基づいて、下記
数2の演算の実行によってトルクコンバータのスリップ
率ΔNを計算して駆動力変換テーブル回路103に出力
する。
【0016】
【数2】ΔN=(Nin−Nt)/Nin 駆動力変換テーブル回路103は前記スリップ率ΔNと
駆動輪に伝達される駆動力の関係(図3参照)を表すデ
ータを記憶したテーブルと補間器とを備えており、前記
スリップ率ΔNを入力して駆動輪(後輪)に伝達される
駆動力τをテーブルから読み出すとともに、同読み出し
た駆動力τを補間演算して分配回路104に出力する。
分配回路104は両後輪の回転角速度ωrl,ωrr の比に
応じて前記駆動力τを左後輪用の駆動力τl及び右後輪
用の駆動力τrに分配して、左後輪用の駆動力τl を乗
算器105に出力する。なお、右後輪用の駆動力τr は
右後輪用の目標スリップ率補正部及びスリップ率制御部
(図示略)に供給される。乗算器105は左後輪用の駆
動力τl に係数Kを乗算して減算器106に供給する。
減算器106は係数Kを乗算した駆動力τl から損失分
演算器107にて計算される車輪回転モーメントによる
損失分Δτを減算することにより実際の左後輪の駆動力
Ftrc*を計算する。損失分演算器107は左後輪の回転
角速度ωrlを入力して、同回転角速度ωrlと予め決めら
れた定数としてのタイヤ回転慣性モーメントI及びタイ
ヤの動荷重半径Rとを用いた下記数3の演算の実行によ
り損失分Δτを計算して、同損失分Δτを表す信号を減
算器106に出力する。
【0017】
【数3】Δτ=(I/R)・dωrl/dt 減算器106からの左後輪の駆動力Ftrc*を表す信号は
加算器108に供給されており、同加算器108には制
動目標値演算器109が接続されている。制動目標値演
算器109は、目標スリップ率S* 、路面摩擦係数μ、
左後輪のスリップ角βrl及びタイヤ接地荷重Fz (本件
では定数として扱っている)をそれぞれ表す信号を入力
して、左後輪用の目標スリップ率S*を得るための制動
力目標Fbrk* を決定するもので、演算器及び4次元マ
ップの形で図4に示すような各変数S*,μ・Fz,βr
l,Fbrk* の関係を表すテーブルを備えている。この制
動目標値演算器109は路面摩擦係数μとタイヤ接地荷
重Fz の乗算値μ・Fzを計算し、同計算した乗算値μ・
Fz、目標スリップ率S* 及びスリップ角βrlに基づい
てテーブルを参照することにより制動力目標Fbrk*を導
出するとともに、この導出制動力目標Fbrk*を補間演算
して最終的な制動力目標Fbrk*を決定する。なお、本件
実施例ではテーブルを用いて制動力目標Fbrk*を決定す
るようにしたが、各変数S*,μ・Fzμ,βrl を入力す
るニューラルネットワーク演算によって制動力目標Fbr
k*を決定するようにしてもよい。
【0018】加算器108は前記左後輪用の駆動力Ftr
c*と制動力目標Fbrk*とを加算して、同加算結果Ftrc*
+Fbrk*を左後輪用の補正制動力Fx*として目標スリッ
プ率演算器110に出力する。この目標スリップ演算器
110も演算器及び4次元マップの形で図4に示すよう
な各変数S**,μ・Fz,βrl,Fx*の関係を表すテーブ
ルからなり、路面摩擦係数μとタイヤ接地荷重Fzの乗
算値μ・Fz を計算し、同計算した乗算値μ・Fz、補正
制動力Fx*及びスリップ角βrlに基づいてテーブルを参
照することにより補正目標スリップ率S**を導出すると
ともに、この補正目標スリップ率S**を補間演算して最
終的な補正目標スリップ率S**を決定する。なお、この
場合も、各変数Fx*,μ・Fzμ,βrlを入力するニュー
ラルネットワーク演算によって補正目標スリップ率S**
を決定するようにしてもよい。
【0019】スリップ率制御部77は、補正目標スリッ
プS**と実スリップ率Sとの偏差S**−Sを計算する減
算器121を備えている。減算器121の出力はそれぞ
れ並列に接続された微分制御項演算器122、比例制御
項演算器123及び積分制御項演算器124に接続され
ている。これらの各演算器122,123,124は公
知のPID(比例、微分、積分)フィードバック制御を
実現するもので、それぞれ下記数4の演算を実行して演
算結果CALd,CALp,CALiを表す信号を出力する。
【0020】
【数4】CALd=Kd・d(S**−S)/dt CALp=Kp・(S**−S) CALi=Ki・∫(S**−S)dt なお、前記数4中の係数Kd,Kp,Kiは予め決められた
定数である。
【0021】前記各演算器122,123,124の演
算結果CALd,CALp,CALiを表す信号は加算器125に供給
され、同加算器125はこれらの演算結果CALd,CALp,CA
Liを加算して同加算結果をフィードバック制御信号Cfb
としてインターバル時間変換器126に出力する。イン
ターバル時間変換器126は図5に示すような特性のテ
ーブルを有しており、フィードバック制御信号Cfbをパ
ルス周期(時間間隔)を表すインターバル信号Tfbに変
換してパルス発生器127に出力する。パルス発生器1
27はカウンタ、比較器、ワンショット回路などを含ん
でおり、インターバル信号Tfbにより表された時間間隔
毎に一定パルス幅の制御パルス信号Pを出力する。この
パルス発生器127についてさらに説明しておくと、図
6に示すように、インターバル信号Tfbが正であれば、
同信号Tfbにより表された時間をカウンタが計測したと
き、比較器及びワンショット回路により一定幅の正の制
御パルス信号が出力される。また、インターバル信号T
fbが負であれば、同信号Tfbの絶対値|Tfb|により表
された時間をカウンタが計測したとき、比較器及びワン
ショット回路により一定幅の負のパルス信号が出力され
る。したがって、スリップ率制御部77は、補正目標ス
リップ率S**と実スリップ率Sとの偏差S**−Sの絶対
値|S**−S|に反比例した間隔を有し、かつ偏差S**
−Sの正負の符号に対応した正負の一定幅のフィードバ
ック用の制御パルス信号Pを駆動回路128に出力する
ことになる。
【0022】駆動回路128は、挙動異常検知部74か
ら車両の挙動異常を表す信号の到来時に動作して電磁バ
ルブ51に通電し、この通電状態にて、制御パルス信号
Pに応じて電磁バルブ53,54の通電及び非通電を制
御する。この電磁バルブ51の通電状態で、制御パルス
信号Pが到来しなければ、電磁バルブ53を通電して同
バルブ53を図示状態から切り換え、かつ電磁バルブ5
4の通電を解除して同バルブ54を図示状態に保つ。正
の制御パルス信号Pが到来したときには、両電磁バルブ
53,54の通電を解除して両バルブ53,54を図示
状態に保つ。負の制御パルス信号Pが到来したときに
は、両電磁バルブ53,54に通電して両バルブ53,
54を図示状態から切り換える。なお、挙動異常を表す
信号が到来しなければ、全電磁バルブ51,53,54
の通電を解除して全バルブ51,53,54を図示状態
に保つ。
【0023】なお、駆動輪である右後輪用の目標スリッ
プ率補正部及びスリップ率制御部も前述の回転数換算回
路101〜分配回路104を除く目標スリップ率補正部
76及びスリップ率制御部77と同一に構成されるとと
もに、非駆動輪である左右前輪用の目標スリップ率補正
部は目標スリップ率演算部73で決定した目標スリップ
率S*をそのままスリップ率制御部77に出力する。
【0024】次に、上記のように構成した実施例の動作
を説明する。ドライバが車両走行中にブレーキペダル1
1を踏み込み操作すると、マスタシリンダ12の第1及
び第2ポートからブレーキ油が吐出される。車両の挙動
が正常であって挙動異常を表す信号が出力されていなけ
れば、全ての電磁バルブは図示状態にある。したがっ
て、この場合には、第1ポートからのブレーキ油は電磁
バルブ31,41を介してホイールシリンダ32,42
に供給されるとともに、第2ポートからのブレーキ油は
プロポーショナルバルブ14及び電磁バルブ51,62
を介してホイールシリンダ52,62に供給される。こ
れにより、この場合には、ブレーキペダル11の踏み込
み操作に応じた制動力が各輪に付与されて、車両は制動
される。
【0025】一方、車両に挙動異常が発生すると、挙動
異常検知部74が同異常を検知してスリップ率制御部7
7に挙動異常を表す信号を出力する。スリップ率制御部
77においては、駆動回路128がこの挙動異常を表す
信号に応答して電磁バルブ31,41,51,61に通
電する。これにより、電磁バルブ31,41,51,6
1が図示状態から切り換えられるので、マスタシリンダ
12からホイールシリンダ32,42,52,62への
ブレーキ油の供給路は閉ざされて、同シリンダ32,4
2,52,62に対するブレーキ油の給排は電磁バルブ
33,34,43,44,53,54,63,64の制
御下におかれる。
【0026】一方、目標スリップ率演算部73は車両の
運動状態に応じて目標スリップ率S*を計算して同目標
スリップ率S*を表す信号を目標スリップ率補正部76
に供給する。目標スリップ率補正部76においては、こ
の目標スリップ率S* が制動目標値演算器109により
制動力目標Fbrk*に変換される。これと同時に、回転数
換算回路101、スリップ率演算器102、駆動力変換
テーブル回路103、分配回路104などが左後輪の駆
動力Ftrc*を計算し、加算器108の加算動作により、
目標スリップ率S* に対応した制動力目標Fbrk*が左後
輪の駆動力Ftrc*に応じて補正される。そして、この補
正された制動力Fx*が目標スリップ率演算器110にて
補正目標スリップ率S**に変換される。その結果、目標
スリップ率S*がアクセルペダル操作に起因した左後輪
の駆動力Ftrc* に応じて補正されて、補正目標スリッ
プ率S**として出力される。
【0027】スリップ率制御部77においては、減算器
121がこの補正目標スリップ率S**と実スリップ率演
算部75からの実スリップ率Sとの偏差S**−Sを計算
し、微分制御項演算器122、比例制御項演算器123
及び積分制御項演算器124、加算器125、インター
バル時間変換器126及びパルス発生器128が前記偏
差S**−Sに応じた制御パルス信号Pを駆動回路128
に出力する。この場合、偏差S**−Sが正であれば、制
御パルス信号Pは一定幅の複数の正のパルスからなる信
号になり、そのパルスのインタンーバル時間(周期)は
偏差S**−Sの絶対値|S**−S| が大きくなるにし
たがって短くなる。駆動回路128は、前記正のパルス
からなる制御パルス信号Pの発生時に電磁バルブ53,
54を図示状態に設定し、同正のパルスの非発生時には
電磁バルブ53を図示状態から切り換えるとともに電磁
バルブ54を図示状態に設定するので、ホイールシリン
ダ52内のブレーキ油圧は前記絶対値|S**−S|に比
例した速度で上昇する。一方、前記偏差S**−Sが負で
あれば、制御パルス信号Pは一定幅の複数の負のパルス
からなる信号になり、そのパルスのインタンーバル時間
(周期)は偏差S**− Sの絶対値|S**−S| が大き
くなるにしたがって短くなる。駆動回路128は、前記
負のパルスからなる制御パルス信号Pの発生時に電磁バ
ルブ53,54を共に図示状態から切り換え、同負のパ
ルスの非発生時には電磁バルブ53を図示状態から切り
換えるとともに電磁バルブ54を図示状態に設定するの
で、ホイールシリンダ52内のブレーキ油圧は前記絶対
値|S**−S|に比例した速度で下降する。したがっ
て、左前輪のスリップ率は補正目標スリップ率S**に向
かって制御されて同スリップ率S**に収束する。
【0028】なお、右後輪についても前記説明のように
動作して、右後輪のスリップ率も補正目標スリップ率S
**に向かって制御されて同スリップ率S**に収束する。
また、左右前輪に関しては、目標スリップ率S*が駆動
力に応じて補正されないので、左右前輪のスリップ率は
補正されない目標スリップ率S*に向かって制御されて
同スリップ率S*に収束する。
【0029】上記作動説明からも理解できるとおり、上
記実施例によれば、車両の運動状態に応じて決定された
駆動輪に関する目標スリップ率S* がアクセルペダルの
踏み込み操作に関連した駆動量に応じて補正され、同駆
動輪が補正目標スリップ率**に一致するように制御され
るので、運転者の意志が反映された車輪の制動制御が可
能になる。また、補正目標スリップ率S**には車輪の駆
動状態が考慮された結果、制動制御の開始時における実
スリップ率Sの変化が滑らかになり、制動力の不連続性
や加速感の減退を抑制することができる(図8参照)。
【0030】次に、上記実施例の目標スリップ率補正部
76の変形例について図7を用いて説明する。この変形
例においては、上記実施例の加算器108、制動目標値
演算器109及び目標スリップ率演算器110に代え
て、補正分演算器131及び加算器132を備えてい
る。
【0031】補正分演算器131は、上記実施例の目標
スリップ率演算器110と同様に、演算器及び4次元マ
ップの形で図4に示すような駆動力Ftrc*に対応したス
リップ率補正分ΔS*、路面摩擦係数μとタイヤ接地荷
重Fzの乗算値μ・Fzμ、スリップ角βrl及び駆動力Ft
rc*の関係を表すテーブルからなり、路面摩擦係数μと
タイヤ接地荷重Fzの乗算値μ・Fz を計算し、同計算し
た乗算値μ・Fz、駆動力Ftrc*及びスリップ角βrlに基
づいてテーブルを参照することによりスリップ率補正分
ΔS*を導出するとともに、このスリップ率補正分ΔS*
を補間演算して出力する。なお、この場合も、各変数F
trc*,μ・Fz,βrlを入力するニューラルネットワーク
演算によってスリップ率補正分ΔS*を決定するように
してもよい。この補正分演算器131により計算された
スリップ率補正分ΔS* は加算器132にて目標スリッ
プ率S* に加算されて、同加算結果S*+ΔS*が補正目
標スリップ率S**として上記実施例と同様なスリップ率
制御部77に出力される。
【0032】このように構成した変形例においても、車
両の運動状態に応じて決定された駆動輪に関する目標ス
リップ率S* がアクセルペダルの踏み込み操作に関連し
た駆動量に応じて補正され、同駆動輪が補正目標スリッ
プ率S**に一致するように制御されるので、上記実施例
と同等な効果が期待される(図8参照)。
【0033】なお、上記実施例及び変形例においては、
前輪を非駆動輪としかつ後輪を駆動輪とした車両につい
て説明したが、前輪を駆動輪としかつ後輪を非駆動輪と
したり、全車輪を駆動輪とした車両にも本発明は適用で
きる。この場合、駆動輪がいずれの車輪であろうとも、
運転状態に応じて決定された駆動輪の目標スリップ率S
* を駆動輪に対する駆動量Ftrc*に応じて補正するよう
にすればよい。
【0034】また、上記実施例及び変形例においては、
状態量演算部72、目標スリップ率演算部73、挙動異
常検知部74、実スリップ率演算部75、目標スリップ
率補正部76及びスリップ率制御部77の各回路をハー
ド回路で構成するようにしたが、これらの各回路は適宜
マイクロコンピュータなどのソフト処理によっても同一
機能を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る車両用制動装置と同装
置のための電気制御装置を概略的に示す図である。
【図2】 図1の目標スリップ率補正部とスリップ率制
御部を詳細に示すブロック図である。
【図3】 トルクコンバータにおけるスリップ率と駆動
輪に伝達される駆動力との関係を示すグラフである。
【図4】 路面摩擦係数μと接地荷重Fzとの積μ・F
z、スリップ率S(又は補正スリップ率S**、スリップ
率補正分ΔS*)、スリップ角βrl及び制動力目標Fbrk
*(又は制動力Fx*、駆動力Ftrc*)との関係を示すグ
ラフである。
【図5】 フィードバック制御信号Cfbとインターバル
時間Tfbとの関係を示すグラフである。
【図6】 図2のパルス変換器の作動を説明するための
タイムチャートである。
【図7】 上記実施例の変形例に係る目標スリップ率補
正部とスリップ率制御部を詳細に示すブロック図であ
る。
【図8】 本発明による実スリップ率、補正目標スリッ
プ率などの変化を示すタイムチャートである。
【図9】 従来の装置による実スリップ率、目標スリッ
プなどの変化を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
11…ブレーキペダル、12…マスタシリンダ、14…
油圧ポンプ、30,40,50,60…各輪用のブレー
キ油圧制御装置(油圧制御装置)、32,42,52,
62…ホイールシリンダ、71…センサ群(目標スリッ
プ率決定手段、駆動力検出手段)、72…状態量演算部
(目標スリップ率決定手段、駆動力検出手段)、73…
目標スリップ率演算部(目標スリップ率決定手段)、7
4…挙動異常検知部、75…実スリップ率演算部、76
…目標スリップ率補正部、77…スリップ率制御部(制
御手段)、101…回転数換算器(駆動力検出手段)、
102…スリップ率演算器(駆動力検出手段)、103
…駆動力変換テーブル回路(駆動力検出手段)、108
…加算器(補正手段)、109…制動目標値演算器(補
正手段)、110…目標スリップ率演算器(補正手
段)、121…減算器、131…補正分演算器(補正手
段)、132…加算器(補正手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 憲明 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (72)発明者 十津 憲司 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (72)発明者 三原 純 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (72)発明者 伊藤 孝之 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (72)発明者 杉浦 慎吾 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (72)発明者 山崎 憲雄 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−227763(JP,A) 特開 平2−237827(JP,A) 特開 平3−186465(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/66 B60T 8/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の各車輪に制動力を付与するホイー
    ルシリンダに対するブレーキ油の給排を制御するブレー
    キ油圧制御装置と, 前記各車輪の実スリップ率を検出する実スリップ率検出
    手段と, 車両の運転状態と挙動状態に応じて前記各車輪の目標ス
    リップ率を算出する目標スリップ率演算手段と, 記実スリップ率検出手段によって検出される実スリッ
    プ率が前記目標スリップ率に設定されるように前記ブレ
    ーキ油圧制御装置を制御する制御手段とを備えた車両用
    制動制御装置であって, 当該車両の駆動輪に伝達される駆動力を検出する駆動力
    検出手段と, トルクコンバータの入力回転数と変速機の出力回転数に
    基づいてトルクコンバータのスリップ率を検出するスリ
    ップ率検出手段と、 前記トルクコンバータのスリップ率と前記検出された駆
    動輪に伝達される駆動力の関係を表すデータに基づいて
    前記駆動輪の駆動力を推定する駆動力推定手段と、 該駆動力推定手段によって推定された前記駆動輪の駆動
    力に応じて同駆動輪の前記目標スリップ率を補正する目
    標スリップ率補正手段とを備えたことを特徴とする 車両
    用制動制御装置。
  2. 【請求項2】前記駆動力推定手段が、 前記トルクコンバータのスリップ率と前記検出された駆
    動輪に伝達される駆動力の関係を表すデータを記憶した
    テーブルと補間器を備えた駆動力変換テーブル回路と、 前記テーブルから読み出して前記補間器により補間演算
    された駆動力を左右の駆動輪の回転角速度の比に応じて
    各駆動輪に分配して出力する分配回路と、 該分配回路から付与される前記駆動輪のいずれか一方に
    分配された前記駆動力に所定の係数を乗算する乗算器
    と、 前記駆動輪のいずれか一方の回転角速度を入力してタイ
    ヤ回転慣性モーメントと同タイヤの動荷重半径に基づい
    て車輪回転モーメントによる損出分を算出する損出分演
    算器と、 前記乗算器のより算出された駆動力から前記損出分演算
    器にて算出された損出分を減算する減算器とを備えて、 前記駆動輪のいずれか一方の実際の駆動力を前記減算器
    の算出値により推定するようにした請求項1に記載の車
    両用制動制御装置。
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