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JP3528043B2 - 補強板を用いた橋梁の補強方法 - Google Patents
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JP3528043B2 - 補強板を用いた橋梁の補強方法 - Google Patents

補強板を用いた橋梁の補強方法

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JP3528043B2
JP3528043B2 JP2000020675A JP2000020675A JP3528043B2 JP 3528043 B2 JP3528043 B2 JP 3528043B2 JP 2000020675 A JP2000020675 A JP 2000020675A JP 2000020675 A JP2000020675 A JP 2000020675A JP 3528043 B2 JP3528043 B2 JP 3528043B2
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俊行 北田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁の構成部材に
プレストレスを導入してポストテンション補強する工法
を用いた橋梁の補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、交通量の増大や通過車両の重量増
加などにより、厳しい安全・耐久基準が橋梁に求められ
ており、新たな安全・耐久基準を満たさない古い橋梁な
どにも補強を施す必要が生じている。
【0003】従来から橋梁にプレストレスを導入して補
強を施す手段として、ポストテンション工法が広く用い
られている。図10に示すように、上部フランジ50
a、下部フランジ50bおよびウェブ50cを有する橋
桁50に死荷重や活荷重が加わると、橋桁50は弓なり
に変形し、その上部フランジ50aには圧縮応力51が
作用し、下部フランジ50bには引張応力52が作用す
る。ポストテンション工法は、引張応力が作用する部材
の耐荷力を向上させるために、下部フランジ50bに桁
行方向の圧縮応力(プレストレス)を導入し前記引張応
力を緩和する工法である。
【0004】従来のポストテンション補強工法として
は、例えば、図11の概略断面図に示すように、橋桁6
0の下部フランジ60bの桁下において定着装置61,
62を用い、取付具63,64で緊張状態にした外ケー
ブル65を張設して、下部フランジ60bにプレストレ
スを導入するというエクスターナルポストテンション補
強工法が主流であった。この種の工法の有効性は、例え
ば、「既設鋼鈑桁橋のプレストレス導入による補強」
(橋梁と基礎,Vol30,No.3,平成8年3月
号;株式会社建設図書発行)において報告されている。
尚、「プレストレス」と「ポストテンション」とは同じ
現象を被補強桁もしくは補強材の側から見た表現による
差で本質的な違いはないので、この種の補強工法を「ポ
ストテンション補強工法」と表現する。
【0005】また、ケ−ブルストランドを用いたエクス
ターナルポストテンション補強工法はトラス桁の引張部
材にも適用されており、本発明者(並木宏徳)により
「老朽化したピントラスのポストテンション方式による
補強」(橋梁と基礎,Vol28,No.4,平成6年
4月号;株式会社建設図書発行)において報告されてい
る。この文献記載の工法は、ストランドを橋梁中心より
引張荷重を受ける下弦材および斜材に沿って、トラス全
体に直線または屈曲した扇形に設置し、油圧ジャッキを
用いてストランドに引張力を導入して、当該下弦材など
をポストテンション補強するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
エクスターナルポストテンション補強工法では、以下の
(1),(2)の問題点があった。(1)上記の補強材
としてはケ−ブルやPC鋼棒が用いられるが、これら補
強材は一般的に引張強度は高いが剛性は低いので橋桁の
剛性増加に寄与することが少ないため、橋桁の疲労強度
があまり改善されず、(2)また、橋梁には配管などが
添架されることが多いが、上記補強材を用いた工法で
は、ケーブルや定着装置などを取り付けるためにその添
架スペースが犠牲になったり、或いは補強材が橋梁の下
部に取り付けられて桁下空間が狭くなるという問題があ
る。
【0007】本発明がこれら問題に鑑みて解決しようと
するところは、従来のポストテンション工法とは異なる
方法により橋梁の構成部材にプレストレスを導入し、橋
梁の剛性を増して疲労強度を改善すると同時に、添架ス
ペースや桁下空間を犠牲にすることのない橋梁の補強方
法を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者らは、補強板の熱膨張特性に着目した。従
来、鋼材が熱膨張した後に冷却して収縮する特性を利用
した工法に「焼き嵌め」と呼ばれるものがある。この工
法は、例えば、電車の車軸を車輪の嵌合孔に挿入して両
者を結合する際、予め加熱膨張して拡径された嵌合孔に
車軸を挿入した後、常温まで冷却して嵌合孔を縮径さ
せ、車軸と車輪とを強固に結合する場合に用いられる。
本発明者らは、同様の原理を橋梁の補強方法に適用し鋭
意研究を押し進めた結果、本発明に到達するに至った。
【0009】すなわち、本発明の橋梁の補強方法は、橋
梁の被補強桁の表面上にポストテンション補強板を配設
し、加熱あるいは冷却操作により被補強桁とポストテン
ション補強板との間に温度差を設け、該ポストテンショ
ン補強板を被補強桁に対し桁行方向に相対的に伸長せし
めた状態で、ポストテンション補強板を前記被補強桁に
固定した後、前記被補強桁およびポストテンション補強
板が供用温度に達する過程でポストテンション補強板が
桁行方向に収縮することにより、被補強桁をポストテン
ション補強することを特徴とするものである。これによ
り、被補強桁に対して相対的に所定量伸長したポストテ
ンション補強板を被補強桁に固定した後、供用温度に達
する過程で前記ポストテンション補強板には引張応力が
働くと同時に被補強桁には圧縮の残留応力が作用するた
め、当該被補強桁はポストテンションを付与され且つ補
剛されることとなる。
【0010】ポストテンション補強板を桁行方向に相対
的に伸長することは、ポストテンション補強板と当該被
補強桁の熱膨張率が同一で正の場合はポストテンション
補強板を被補強桁より相対的に高温にすることにより達
成され、これは両者に鋼材を用いた場合に代表される方
法である。他方、両者の熱膨張率が同一で負の場合はポ
ストテンション補強板を被補強桁より相対的に低温にす
ることにより達成されることになる。尚、鋼やコンクリ
−ト製の被補強桁を繊維材料や繊維強化樹脂材料など
の、被補強桁と熱膨張率が異なる材料からなるポストテ
ンション補強板で補強する場合は操作が若干異なること
がある。すなわち、ポストテンション補強板を被補強桁
に対し相対的に伸長することを容易にするには、ポスト
テンション補強板の熱膨張率より当該被補強桁のそれが
小である場合は、両者を供用温度より高い温度とする
か、もしくはポストテンション補強板を当該被補強桁よ
り高い温度とするのが効果的であり、逆の場合は、両者
を供用温度より低い温度とするか、もしくはポストテン
ション補強板を当該被補強桁より低い温度とするのが効
果的である。
【0011】また、被補強桁に対するポストテンション
補強板の相対変位量を正確に制御し易いという観点から
は、先ず、前記ポストテンション補強板の一端部を被補
強桁に固定し、且つその他端部を桁行方向に伸縮自在に
して取り付けた後に、前記ポストテンション補強板を当
該被補強桁よりも高温状態に加熱して膨張させ、次いで
前記ポストテンション補強板の他端部を当該被補強桁に
固定した後、前記ポストテンション補強板を冷却するの
が好ましい。
【0012】また、一般の鋼桁の場合、ポストテンショ
ン補強により前記ポストテンション補強板および被補強
桁に導入される応力をそれぞれσpおよびσfとし、当該
補強区間の長さをL、被補強桁に対するポストテンショ
ン補強板の桁行方向相対変位量をΔL、被補強桁および
ポストテンション補強板の弾性係数をそれぞれEfおよ
びEpとするとき、ΔL=L(σp/Ep−σf/Ef)の
関係式を満たすように前記ポストテンション補強板を加
熱することが好ましい。
【0013】また、前記加熱範囲は、ポストテンション
補強板と被補強桁との固定部を除いた範囲に設定される
ことが望ましい。これは、ポストテンション補強板の固
定部を加熱膨張した状態で被補強桁に固定すると、冷却
後の当該固定部に板幅方向の残留応力が発生するので、
それを防ぐためである。
【0014】また、ポストテンション補強板の加熱後、
冷却過程における被補強桁への固定は、ポストテンショ
ン補強板の端部から行い、徐々に中央寄りに実行するの
が望ましい。ポストテンション荷重はポストテンション
補強板の冷却とともに導入されるから、ポストテンショ
ン補強板の端から、ポストテンション荷重の増加にテン
ポを合わせて徐々に中央寄りに固定していくと継手内の
荷重分担が一定になるので効果的である。
【0015】そして、前記被補強桁が曲線桁からなる場
合は、該曲線桁の下部表面を桁行方向に複数領域に分割
し、該領域毎に曲線桁にポストテンションを導入するこ
とが望ましい。全領域におけるポストテンション補強板
を一斉に加熱してポストテンションを導入する場合、ポ
ストテンション補強板の桁行直角方向の熱膨張変位を制
御するのが非常に難しくなるが、当該補強領域を区画し
複数領域に分割することでその制御が容易になる。
【0016】また、上記の如くポストテンション導入
後、上記ポストテンション補強板と被補強桁とを接着し
て一体となすことが望ましい。これにより、上記したポ
ストテンション補強板の固定部のみでなく補強板の全長
に亘りポストテンション補強板から被補強桁へせん断力
が確実に伝達し、当該補強区間で活荷重に対して両者一
体となって応答するという補強効果を確保することがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の種々の実施形態を
説明する。図1は、本発明に係る橋梁の補強方法を説明
するための被補強桁の概略側面図、図2は、図1に示し
た被補強桁の底面図、図3は、その被補強桁の断面図で
ある。これら各図において、符号1はI形断面形状を有
する被補強桁(H形鋼)、1aは被補強桁1の上部フラ
ンジ、1bは下部フランジ、1cはウェブ(腹板)、2
はポストテンション補強板を示している。ここで、下部
フランジ1bが引張力が作用する被補強フランジに相当
する。
【0018】本実施形態の基本工程は次の通りである。
先ず、ポストテンション補強板2を被補強桁たるH形鋼
1の下部フランジ1bの下表面上に配設し、このポスト
テンション補強板2の一端部2aを下部フランジ1bに
固定し、且つその他端部2bを桁行方向に伸縮自在の状
態で下部フランジ1bに取り付ける。その後、ポストテ
ンション補強板2の下表面(加熱範囲S)を加熱して補
強板2を膨張させ、下部フランジ1bに対して桁行方向
に所定量伸長させる。次にこの状態で、前記補強板2の
他端部2bを下部フランジ1bに固定する。そして、前
記ポストテンション補強板2を冷却して桁行方向に収縮
させ、下部フランジ1bに圧縮応力を付与する。尚、本
実施形態では、ポストテンション補強板2を下部フラン
ジ1bに取り付けた後に加熱膨張しているが、本発明で
はこれに限らず、予め加熱膨張したポストテンション補
強板を下部フランジに取り付けても構わない。
【0019】以上の工程をより具体的に以下に詳説す
る。
【0020】図1および図2に示すように、ポストテン
ション補強板2を被補強桁1の下部フランジ1bの底面
上に桁行方向に沿って配設し、このポストテンション補
強板2の一端部2aを、高力ボルト3A,3A,…およ
びナット3B,3B,…で下部フランジ1bに接合す
る。ポストテンション補強板2の他端部2bは、ボルト
接合されずに、桁行方向に伸縮自在となるように仮受具
4,4,4,4を用いて下部フランジ1bに取り付けら
れる。具体的には、図4に示すように、仮受具4は、下
部フランジ1bの上表面を押圧する締付部4aと、補強
板2の下表面を支持するローラ4bとを備えたものであ
る。尚、仮受具は前記の位置に限らず、補強板2が垂下
して相対変位量の計測に誤差が出ないように適当な間隔
で配置される。また、本実施形態では、補強板2の一端
部2aを下部フランジ1bに固定する手段として高力ボ
ルトとナットを用いたが、この代わりにアーク溶接接合
やエポキシ樹脂などの接着剤を用いて接合してもよい。
【0021】尚、前記ポストテンション補強板2として
は、被補強桁の形状や所望のポストテンション荷重に相
応した断面形状や剛性、熱膨張・収縮特性を有するもの
が適宜選択されて使用される。具体的には、入手のし易
さという点では鋼材が好ましく、中でも鉄や炭素を含む
合金、例えば引張強度が約490N/mm2以上の高張
力鋼、引張強度が約588N/mm2以上の調質鋼もし
くは溶接性が低いために橋梁に使用することが少ない更
に高い引張強度を有する鋼材、銅やクロムなどの金属元
素を添架した耐候性鋼材などが好適である。また前記鋼
材と熱膨張率が異なる材料として、高強度の炭素繊維、
アラミド繊維などを樹脂で担持したシ−ト状あるいは板
状の成形材料を用いることも有効である。
【0022】次に、ダイアルゲージ5を下部フランジ1
bに固定し、そのダイアルゲージ5の測定子5aの先端
を、前記補強板2の他端部2bの下面に接合した当接部
材6の端面6aに当接し、下部フランジ1bに対するポ
ストテンション補強板2の桁行方向の相対変位量を常時
観察できるようにする。相対変位量の測定点は、厳密に
は補強範囲の端に設定されるのが望ましいが、前記補強
範囲の端の近傍であればその測定値に大きな誤差は生じ
ない。
【0023】そして、図1および図2に示すように、補
強板2の下面の範囲Sを加熱し、ポストテンション補強
板2と下部フランジ1bとの間に温度差を生じさせ、ダ
イアルゲージ5の値を観察しつつ下部フランジ1bに対
する補強板2の桁行方向の相対変位量が所定の計画値に
達するまで加熱を続ける。このとき、前記加熱範囲S
は、ポストテンション補強板2の両端部2a,2bの固
定部(ボルト接合する部位)に伝熱し難い範囲に設定さ
れるのが望ましい。これは、ポストテンション補強板2
の固定部を加熱膨張した状態で下部フランジ1bに固定
すると、冷却時に桁行直角(板幅)方向の残留応力が発
生するからである。また、加熱範囲Sの端に冷却水を入
れた容器を配置したり、冷却水を含ませたスポンジを配
置したりして当該固定部への伝熱を防ぐのも効果的であ
る。
【0024】ポストテンション補強板2の加熱手段とし
ては、ガス燃焼炎を直接あるいは間接に鋼板に当てる方
法が簡便であるが、他の加熱手段として、電熱ヒータ
ー、テルミットなどを利用した化学反応熱、熱輻射器、
高周波加熱器などが利用できる。
【0025】次に、図2に示すように、所定の相対変位
をしたポストテンション補強板2の他端部2bのボルト
孔2c,…,2cに高力ボルトを挿入し、当該他端部2
bを下部フランジ1bにボルト接合する。その後、ポス
トテンション補強板2は冷却する過程で収縮し、下部フ
ランジ1bとの温度差が無くなると、所定の圧縮応力が
下部フランジ1bの当該補強範囲に加わり、ポストテン
ション導入が完了する。
【0026】上記ポストテンション補強板の加熱温度と
導入予定のポストテンション荷重との関係は以下の通り
である。
【0027】今、補強板の断面積をAp、補強板に導入
されたポストテンション荷重をNpとするとき、導入時
の補強板の応力度σpは次式(1)の形で表現される。
【0028】 σp=Np/Ap (1)
【0029】上式(1)中、Ap:補強板の断面積であ
る。また、被補強桁の被補強フランジ最外縁に作用する
応力度σfは、ポストテンション荷重Npによる圧縮応力
σcと、荷重Npが橋桁に偏心して作用するため発生する
偏心曲げモ−メントMpによる曲げ応力σbcとの和、す
なわち次式(2)で表現される。
【0030】 σf=σcbc=−Np/As−Mpf/Is (2)
【0031】上式(2)中、As:被補強桁の断面積、
p:被補強桁に作用する曲げモーメント、Is:被補強
桁の断面二次モーメント、yf:被補強桁の中立軸から
被補強フランジ最外縁までの距離、である。
【0032】また、被補強桁に作用する曲げモーメント
pは、次式(3)で表現される。
【0033】 Mp=Np(yf+tp/2) (3)
【0034】上式(3)中、tp:補強板の板厚であ
る。
【0035】被補強フランジ最外縁に対する補強板の相
対歪み量εは、補強板および被補強桁の弾性係数をそれ
ぞれEpおよびEfとするとき、次式(4−1)で表現さ
れる。
【0036】 ε=(σp/Ep―σf/Ef) (4−1)
【0037】本実施形態では補強板と被補強桁はともに
鋼からなるので、補強板と被補強桁の弾性係数Eは略等
しくなり、上式(4−1)は次のように変形される。
【0038】 ε=(σp―σf )/E=Δσ/E (4−2)
【0039】これだけの相対歪み量εを発生させるため
に必要な相対温度差ΔTは、補強板の温度が一定となる
ように加熱し、その間被補強桁の温度は不変という条件
下で、次式(5)で表現される。
【0040】 ΔT=εL/α (α:補強板の線膨張係数) (5)
【0041】他方、必要な相対変位量ΔLは、次式
(6)で表現できる。
【0042】ΔL=εL (6)
【0043】よって、補強板を被補強フランジよりも上
式(5)で示されるΔTだけ高い温度まで加熱し、或い
は上式(6)で示される相対変位量がΔLに達するまで
加熱した後、被補強フランジに取り付けて固定すれば、
補強板と被補強桁との温度差が無くなった時点で上記し
たポストテンション荷重が導入されることになる。実
際、補強板のみをΔTだけ高い温度にまで加熱するより
も、熱膨張による相対変位量をΔLになるように加熱す
るのが実用的である。尚、厳密には、線膨張係数αは温
度の関数であるから上式は近似式であるが、誤差は僅か
であるので実用上問題は無い。
【0044】今、H形鋼(H400×200×8×1
3)を被補強桁とし、このH形鋼を長さL(=186c
m)の補強板(208×13)を用いてポストテンショ
ン補強した場合の相対変位量ΔLおよび相対加熱温度Δ
Tと導入される応力度とを計算した結果を以下の表1に
示す。
【0045】
【表1】
【0046】尚、表中の値は、上式(1)〜(6)を用
いて、補強板の断面積Ap=27.04cm2;被補強桁の断面積A
s= 83.37 cm2;被補強桁の断面二次モーメントIs =23,5
00cm4;被補強桁の中立軸から被補強フランジ最外縁ま
での距離yf =20 cm;鋼の弾性係数E= 2,100,000×9.80
6 N/cm2;鋼材の線膨張係数α=11.6×10-6/℃、として
計算された。
【0047】通常、被補強フランジに導入されるポスト
テンション応力は−100N/mm 2以下であると考え
られるから、本計算例の桁の場合、上に掲げた表1から
補強板を100℃程度に加熱することで所望のポストテ
ンション応力が容易に得られることが判る。実際には、
補強板全体を均一に加熱するのは難しく、部分的な加熱
となる上、伝熱により被補強桁がいくらか加熱されるの
で被補強桁は上記の温度より高い温度にまで加熱する必
要はある。それでも一般的に鋼材が材質変化する変態点
や再結晶温度まで加熱することなくポストテンション導
入が可能であることが上に掲げた表から推定でき、本発
明に係るポストテンション補強工法が実用的な方法であ
ることが理解される。
【0048】ところで、上記ポストテンション補強板2
を被補強桁1に固定するのに用いた高力ボルトには、摩
擦接合するのに適した高力六角ボルトやトルシア形高力
ボルトなどを用いるのが一般的である。ねじの呼び寸法
は、M16、M20、M22、M24のものが好適で、
その等級は、高力六角ボルトの場合、F8T、F10T
のもの、トルシア形高力ボルトの場合、S10Tのもの
が好適である。尚、ボルトの締付には、トルクレンチ、
電動式もしくは油圧式の締付け機を用いたり、1次締付
け用に電動式のインパクトレンチを用いたりすればよ
い。
【0049】また、被補強桁1にポストテンション荷重
を導入した後、上記被補強桁1とポストテンション補強
板2とをエポキシ樹脂などの接着剤を用いて接着固定し
てもよい。すなわち、ポストテンション補強後に、ポス
トテンション補強板2と下部フランジ1bとの境界面に
接着剤を注入する。補強板2と下部フランジ1bとの間
の固定度が不足すると考えられるときはバネクリップな
どを用いて両者を圧着し固定することもできる。また橋
桁にキャンバがあり、補強板と被補強フランジとの隙間
が大きい時は鋼材などで製作したパッキングを挿入した
り、モルタルなどの安価な材料を注入したりしてせん断
力の伝達を計っても良いが、両者一体とする場合は補強
板と被補強フランジ間のせん断強度を確保できる材料を
用いなければならない。こうした接着固定によりポスト
テンション補強板2から下部フランジ1bへせん断力が
確実に伝達し、活荷重に対する補強効果を確保できる。
【0050】通常、補強範囲は、補強が必要な範囲より
広くとるので、補強板の固定部の端部まで同じ大きさの
ポストテンション荷重が導入されなくても問題無いが、
この固定部の継手が長くなると、継手を構成するボルト
の受ける荷重に大きな差が生ずることとなる。各ボルト
が受ける荷重の差を緩和すべく、補強板が冷却してポス
トテンション荷重が大きくなるのに合わせて継手を固定
していくのが好ましく、具体的には、ポストテンション
補強板の端に近い部位から固定していき、冷却とともに
導入されるポストテンション荷重の大きさに合わせて徐
々に中央寄りの部位を固定するのが好ましい。これによ
り継手における負荷の偏りを抑えることが可能となる。
また、このことは、加熱前に被補強桁に固定されるポス
トテンション補強板一端部の固定部継手についても同様
であり、予め固定するのは最端部のみとし、補強板が冷
却されてポストテンションが導入される過程で徐々に中
央方向に固定していくと、均一なポストテンションが導
入された固定部を形成することができる。尚、高力ボル
トの摩擦接合による固定の場合は、継手が僅かに滑って
負荷が均等になることが予想されるので、固定部継手に
おける荷重不均等が問題にあることはあまり無いと考え
られるが、溶接固定の場合は両端における継手内の負荷
が一定になるように固定していくのが望ましいと考えら
れる。
【0051】また、補強板を被補強桁に固定するのに要
する時間は、被補強桁の大きさや補強範囲などにより異
なり、特に橋梁のような大型構造物の場合には、相当の
時間を要する。所定のポストテンション荷重を正確に導
入するには、ポストテンション補強板2の相対変位を一
定に保持したままポストテンション補強板2を下部フラ
ンジ1bに固定することが必要である。ポストテンショ
ン補強板2の相対変位は、相対熱変位量、ひいては補強
板および被補強桁の温度分布により決定される。本実施
形態では、補強板2を加熱すると被補強桁にも伝熱す
る。そこで、予め補強板2の加熱プロセスを変えてその
伝熱による影響を測り、前記相対変位を一定に保持し得
る加熱パターンを見出して用意するのが望ましい。
【0052】また、ポストテンション補強板2を加熱し
て被補強桁に固定する際、両者間の滑りが生じないよう
に高力ボルトで拘束すると、ポストテンション補強板2
が冷却し収縮するとともにポストテンション補強板には
引張応力が導入され、被補強桁には圧縮の残留応力が導
入される。この残留応力は、高力ボルトで固定した固定
点間における補強板の膨張、収縮によって導入されるも
のであるから、橋軸直角方向に複数のボルトを設置する
場合は、固定部を加熱すると橋軸直角方向にも残留応力
が導入されることとなり、固定部の高力ボルトなどが伝
達しなければならない荷重が増加して不利である。
【0053】このような橋軸直角方向の残留応力の発生
を抑制するため、加熱範囲をポストテンション補強板に
おける当該補強板と被補強桁との固定部を除く範囲内に
設定するのが望ましい。
【0054】当該固定部を加熱すると補強板および被補
強フランジは2軸応力を受けることになる。2軸応力を
受ける板の強度評価は単軸応力の場合よりも複雑であ
り、局部的に強度が落ちる部位も生ずる。一般的に2軸
応力を受ける鋼材の強度は等価応力を用いることにより
単軸応力の時と同様に評価することができる。代表的な
等価応力としてミ−ゼスの等価応力を用いて被補強フラ
ンジに加わる応力について検討する。ここで、ミーゼス
(von Mises)の等価応力(equivalent stress)σ
kは、次式(7)で表現される。
【0055】
【数1】
【0056】上式(7)中、σ1は、被補強フランジが
ポストテンション補強された後に受ける桁行方向最大応
力、σ2は、桁行直角方向応力であり、通常、σ1>0で
ある。桁行直角方向応力が無い時、等価応力は(7)式
でσ2=0とおいて σk=σ 1となる。桁行直角方向応
力σ2<0であるから、桁行直角方向応力が有る時は、
−σ1σ2>0となるので、(7)式で必ずσk>σ1とな
り、被補強フランジの強度は桁行直角方向応力が無い時
より低下し補強効果が減殺されることになる。このこと
からも桁行直角方向の残留応力が発生することを防ぐ対
策を講じる必要があることが分かる。
【0057】以上の実施形態では直線桁をポストテンシ
ョン補強する例を示したが、本発明に係る橋梁の補強方
法を曲線桁に適用することも可能である。図5および図
6に被補強桁たる曲線箱桁10を例示する。図5は、ポ
ストテンション補強された曲線箱桁10の概略断面図で
あり、図6は、その曲線箱桁10の底面図である。尚、
各図において、符号10aは曲線箱桁10の上部フラン
ジ、10bはその下部フランジ、10cはウェブ(腹
板)、11は下部フランジ10bの底面に添接したポス
トテンション補強板、12Aはボルト、12Bはナッ
ト、を示している。
【0058】図示した曲線箱桁10を、曲線状のポスト
テンション補強板11を用いて補強する手順は、上記し
た直線桁の補強手順と略同様である。曲線箱桁10の下
部フランジ10bは、桁行方向に亘り所定の曲率をもつ
曲線に沿って湾曲している。本実施形態では、先ず曲線
箱桁10の曲率を規定する曲線を桁行方向に沿った折れ
線13a,13b,13cで近似し、これら折れ線の折
曲げ部を、補強板11を曲線箱桁10に接合する固定部
として、各固定部で区画される領域にポストテンション
を導入する。補強板11の下表面を加熱する範囲は、補
強板11をボルト12A,…とナット12B,…とで下
部フランジ10bに接合する固定部に伝熱し難い加熱範
囲S1,S2,S3の内に設定される。
【0059】また、図7に示すように、加熱範囲Sは大
きな曲率半径をもつ扇形状を有しているため、当該加熱
範囲Sを加熱膨張する際には、内周に近い領域(図の下
方)よりも外周に近い領域(図の上方)の方を大きく相
対変位させる必要がある。すなわち、図7に示した加熱
範囲Sの外周の横幅をL1、内周の横幅をL2、内周と外
周の変位量をそれぞれΔL1,ΔL2とするとき、ΔL1
/L1=ΔL2/L2=一定を満たすように、加熱範囲S
を加熱膨張させると桁行直角方向に亘り略均一な補強効
果を得ることが可能となる。実際には、このように加熱
範囲を加熱膨張させるべく予め加熱分布に対する変位分
布を計算し、加熱方法を事前に求めておくのが望まし
い。特に、幅広の長大橋梁の場合などでは、曲線橋をポ
ストテンション補強する際に発生する橋軸直角方向の力
を考慮する必要があるから、主桁の力学的解析を行い、
最適な補強パターンに対応した熱変形を発生させること
が可能な加熱パターンを事前に求めておくことが重要と
なる。
【0060】また、被補強桁の当該補強範囲を桁行直角
方向に亘り複数の補強領域に分割し、補強領域毎にポス
トテンション補強してもよい。この補強方法は、箱桁な
どの幅広な被補強桁を補強する際に効果的である。すな
わち、各補強領域が小さくなるため、各補強領域の加熱
温度の調節が容易になり、また、複数枚のポストテンシ
ョン補強板を用いるから、1枚当たりの補強板の重量が
小さく済むため施工が極めて簡易になる。更には、各補
強領域におけるポストテンション荷重を調整することに
より被補強桁に加わる偏心荷重を容易に低減させること
ができる。
【0061】具体的には、図8(a)に例示するよう
に、被補強フランジ20の下部表面を桁行直角方向に亘
って2領域21A,21Bに分割し、各領域にそれぞれ
ポストテンション補強板22A,22Bを添接し、上記
補強方法により被補強フランジ20にポストテンション
を付与するのである。もしくは、同図(b)に例示する
ように、被補強フランジ24の下部表面は、桁行直角方
向に亘り複数の帯状の領域25A,25B,…,25F
に分割され、各領域にそれぞれポストテンション補強板
26A,…,26Fを添接して上記補強方法を適用する
こともできる。
【0062】次に、上記した本発明に係る橋梁の補強方
法の実験例について詳説する。
【0063】(実験方法)図9に示すように、被補強桁
として橋桁の主桁30を用意した。図9(a)は、ポス
トテンション補強板34により補強された主桁30の側
面図、同図(b)は、主桁30のA−A断面図である。
同図(b)の断面位置に歪みゲージが貼付される。ま
た、主桁30は、全長3mのH形鋼(H400×200
×8×13)であり、桁行方向両端部下面を単純支持さ
れている。尚、上記の表1で挙げた計算例の条件はこの
実験例のものと同じである。
【0064】ポストテンション補強板34は、長さ1.
3mの帯板(幅208mm×厚さ13mm)であり、そ
の軸方向両端部を、それぞれ4本のボルト35A,35
A,…とナット35B,35B,…とで下部フランジ3
0bの下面中央部に固定される。
【0065】実験は、ポストテンション補強板34の一
端部34aをボルトで固定した状態で加熱範囲S4をガ
スバーナーで加熱し、補強板34が熱膨張して所定の相
対変位に達した時に、他端部34bも主桁30にボルト
締めし、次いで、自然冷却し、この間補強板34や主桁
30の応力および温度を測定して実行された。
【0066】ポストテンション補強板34の応力(補強
板応力)および被補強フランジの応力(被補強フランジ
内面応力)は電気抵抗線歪みゲージを貼り付けて測定さ
れた。測定位置は、図9(a)に示すように端部の影響
を避け加熱範囲から離れた位置として、補強板34の両
端の固定点間の四等分点付近(A−A断面位置)とし
た。また、ポストテンション補強板34の応力は、図9
(b)に示すようにその補強板端からウェブ側に40m
m入った2個所に貼付した歪みゲージ36A,36Bに
よる平均値、被補強フランジの応力は下部フランジ端か
らウェブ側に40mm入った2個所に貼付した歪みゲー
ジ37A,37Bによる平均値で代表した。
【0067】補強板34の温度は、上記歪みゲージ36
A,36Bの貼付位置よりそれぞれ3mm以内の場所に
熱電対測温センサーの先端を耐熱テープで貼り付けて測
定された。尚、熱で歪みゲ−ジが損傷するのを防ぐため
に加熱範囲の端を湿らせたマットで覆って実験を行った
ので実験中の温度変化は5℃以内に抑えられた。
【0068】(実験結果)本実験例では、補強板の加熱
範囲S4を略均等にガスバーナで加熱し、ポストテンシ
ョン補強板の端部に取り付けたダイヤルゲ−ジ(図示せ
ず)の値を観察し、熱膨張による相対変位量(ΔL)を
0.5mmに保持した状態でボルトを本締め固定した。
補強板の冷却過程において応力を測定した実験結果を表
2に示す。尚、ボルト締め作業開始からボルト締め作業
完了時すなわち測定開始時間0秒まで約30秒を要し、
この間緩やかに加熱して相対変位量を一定に保持した。
また、応力測定値には、自己温度補償11×10-6/℃
の歪みゲージを用い、完全解放時の値をゼロとして計測
器のドリフト分を零点補正した値を示す。
【0069】
【表2】
【0070】測定中、室温が2℃低下したため部材も若
干縮小したが、応力測定には自己温度補償11×10-6
/℃の歪みゲージを用いたので室温変化は関係しないと
考えられる。
【0071】(考 察)上記した表1の計算値と、実際
に導入されたポストテンション応力の大きさとの比較結
果を以下の表3に示す。
【0072】
【表3】
【0073】ここで、H形鋼の中立軸から被補強フラン
ジの歪みゲージ張り付け位置までの距離はy=200m
m−13mm=187mmより、被補強フランジの歪み
ゲ−ジ張り付け位置の計算応力σHは次式(7)を用い
て計算された。
【0074】 σH=σf y/yf (7)
【0075】表3から、測定値と計算値との誤差は実用
上許容できる範囲内であると考えられ、本発明に係るポ
ストテンション補強工法の有効性が確認された。
【0076】
【発明の効果】以上の如く、本発明に係る橋梁の補強方
法によれば、橋梁の被補強桁の表面上にポストテンショ
ン補強板を配設し、加熱あるいは冷却操作により被補強
桁とポストテンション補強板との間に温度差を設け、該
ポストテンション補強板を被補強桁に対し桁行方向に相
対的に伸長せしめた状態で、ポストテンション補強板を
前記被補強桁に固定した後、前記被補強桁およびポスト
テンション補強板が供用温度に達する過程でポストテン
ション補強板が桁行方向に収縮することにより、被補強
桁をポストテンション補強するので、従来とは全く異な
る方法により橋梁をポストテンション補強し且つ橋梁の
剛性を増して疲労強度を改善することが可能となる。ま
たこの補強方法により、配管などの添架スペースや桁下
空間が犠牲にされることが無いという利点が得られる。
【0077】また、被補強桁に対するポストテンション
補強板の桁行方向の相対変位量をΔLとするとき、ΔL
=L(σp/Ep−σf/Ef)の関係式を満たすように前
記ポストテンション補強板を加熱することにより、ポス
トテンション荷重を高精度で且つ効率良く付与すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る橋梁の補強方法を説明するための
被補強桁の概略側面図である。
【図2】図1に示した被補強桁の底面図である。
【図3】図1に示した被補強桁の断面図である。
【図4】仮受具により下部フランジにポストテンション
補強板を取り付けた状態を示す概略図である。
【図5】ポストテンション補強された曲線箱桁の概略側
面図である。
【図6】図5に示した曲線箱桁の底面図である。
【図7】曲線桁の扇形状の加熱範囲Sを示す概略図であ
る。
【図8】(a)は、被補強フランジの下部表面を2領域
に分割し、各領域をポストテンション補強した状態を示
す概略図であり、(b)は、被補強フランジの下部表面
を6領域に分割し、各領域をポストテンション補強した
状態を示す概略図である。
【図9】(a)は、上部フランジにポストテンション補
強板を固定された主桁を示す概略側面図であり、(b)
は、前記主桁の歪みゲージ貼付位置におけるA−A断面
を示す概略図である。
【図10】荷重により弓なりに変形した橋桁を示す概略
側面図である。
【図11】従来のエクスターナルポストテンション工法
によりポストテンション補強された橋梁を示す概略側面
図である。
【符号の説明】
1 被補強桁(H形鋼) 1a 上部フランジ 1b 下部フランジ 1c ウェブ(腹板) 2 ポストテンション補強板 2a ポストテンション補強板の一端部 2b ポストテンション補強板の他端部 2c ボルト孔 3A 高力ボルト 3B ナット 4 仮受具 4a 締付部 4b ローラ 5 ダイアルゲージ 5a ダイアルゲージの測定子 6 当接部材 6a 当接部材の端面 10 曲線桁 10a 上部フランジ 10b 下部フランジ 10c ウェブ(腹板) 11 ポストテンション補強板 12A ボルト 12B ナット 13a,13b,13c 折れ線 20 被補強フランジ 21A,21B 分割領域 22A,22B ポストテンション補強板 23,27 ボルト 24 被補強フランジ 25A〜25F 分割領域 26A〜26F ポストテンション補強板 30 主桁 30a 上部フランジ 30b 下部フランジ 30c ウェブ 34 ポストテンション補強板 34a ポストテンション補強板の一端部 34b ポストテンション補強板の他端部 35A ボルト 35B ナット 36A,36B,37A,37B 電気抵抗線歪みゲー
ジ 50 橋桁 50a 上部フランジ 50b 下部フランジ 50c ウェブ(腹板) 51 圧縮応力 52 引張応力 60 橋桁 60a 上部フランジ 60b 下部フランジ 60c ウェブ(腹板) 61,62 定着装置 63,64 取付具 65 外ケーブル

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋梁の被補強桁の表面上にポストテンシ
    ョン補強板を配設し、 加熱操作により被補強桁とポストテンション補強板との
    間に温度差を設け、該ポストテンション補強板を被補強
    桁に対し桁行方向に相対的に伸長せしめた状態で、冷却
    過程においてポストテンション補強板の端部から徐々に
    中央寄りに、該ポストテンション補強板を前記被補強桁
    に固定した後、 前記被補強桁およびポストテンション補強板が供用温度
    に達する過程でポストテンション補強板が桁行方向に収
    縮することにより、 被補強桁をポストテンション補強することを特徴とする
    橋梁の補強方法。
  2. 【請求項2】 ポストテンション導入後、前記ポストテ
    ンション補強板と被補強桁とを接着して一体となす請求
    項1に記載の橋梁の補強方法。
  3. 【請求項3】 前記ポストテンション補強板の一端部を
    被補強桁に固定し、且つその他端部を桁行方向に伸縮自
    在にして取り付けた後に、前記ポストテンション補強板
    を当該被補強桁よりも高温状態に加熱して膨張させ、前
    記ポストテンション補強板の他端部を当該被補強桁に固
    定した後、前記ポストテンション補強板を冷却してなる
    請求項1または2記載の橋梁の補強方法。
  4. 【請求項4】 ポストテンション補強により前記ポスト
    テンション補強板および被補強桁に導入される応力をそ
    れぞれσpおよびσfとし、当該補強区間の長さをL、被
    補強桁に対するポストテンション補強板の桁行方向相対
    変位量をΔL、被補強桁およびポストテンション補強板
    の弾性係数をそれぞれEfおよびEpとするとき、ΔL=
    L(σp/Ep−σf/Ef)の関係式を満たすように前記
    ポストテンション補強板を加熱してなる請求項1〜3の
    何れか1項に記載の橋梁の補強方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱範囲をポストテンション補強
    板と被補強桁との固定部を除いた範囲内に設定してなる
    請求項1〜4の何れか1項に記載の橋梁の補強方法。
  6. 【請求項6】 前記被補強桁が曲線桁からなり、該曲線
    桁の下部表面を桁行方向に複数領域に分割し、該領域毎
    に曲線桁にポストテンションを導入してなる請求項1〜
    5の何れか1項に記載の橋梁の補強方法。
  7. 【請求項7】 前記ポストテンション補強板への加熱操
    作は、ガス燃焼炎を直接あるいは間接に鋼板に当てる、
    若しくは電熱ヒーター、テルミットを利用した化学反応
    熱、熱輻射器、高周波加熱器を利用して加熱してなる請
    求項1〜6の何れか1項に記載の橋梁の補強方法。
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