JP3532945B2 - 抗ヒトチロシナーゼモノクローナル抗体 - Google Patents
抗ヒトチロシナーゼモノクローナル抗体Info
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Description
に有用な抗ヒトチロシナーゼモノクローナル抗体及びそ
の製造法に関する。 【0002】 【従来の技術】チロシナーゼは生体内でメラニン色素を
生合成する上で最も重要な酵素であり、チロシナーゼの
生合成が阻害されると、重大な皮膚障害が起こることが
知られている。例えば、チロシナーゼは粗面小胞体のリ
ボソームで生成され、次いでゴルジ器官関連小胞体で濃
縮、活生化され、ゴルジ器官より生成されるプレメラノ
ソームへ選択的に転送されると考えられている。 【0003】チロシナーゼの生合成が阻害されると、重
大な皮膚障害が起こることが知られている。例えば、色
素異常症は、チロシナーゼ自身の構造の変異やその生合
成過程での異常により起こることが知られており、チロ
シナーゼのプレメラノソームへの選択的転送の異常が関
与している可能生もある。 【0004】このような疾病の診断あるいは原因の究明
には、生体或は細胞に於けるチロシナーゼの挙動を知る
ことがたいへん有益であると考えられ、かかる観点か
ら、従来よりチロシナーゼの挙動を知るための努力がな
されてきた。特に抗原・抗体反応を用いた方法は、感度
も高いことから種々の検討がなされてきており、チロシ
ナーゼに対するポリクローナル抗体の作製が古くからな
されてきた。 【0005】しかしながらポリクローナル抗体は、その
都度動物を免疫してその血中より取り出して作るため、
ロットごとの抗体価のバラツキが大きく、再現性に乏し
いと言う大きな欠点があるため、実用的ではなく製品化
には至っていない。そのため、チロシナーゼを抗原とし
て動物を免疫した後、この動物のリンパ球とミエローマ
等の培養細胞を融合させてハイブリドーマを作製し、こ
れに抗チロシナーゼモノクローナル抗体を作らせる試み
がなされてきた。(Margherita Cuo-mo et.al.,J. Inve
st. Dermato. ,96(4),446-451 (1991); Yasushi Tomita
et. al., J. Invest. Dermato.,85(5),426-430 (198
5)) 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の報告で
抗チロシナーゼモノクローナル抗体とされたものは、チ
ロシナーゼ関連蛋白に対するモノクローナル抗体であっ
たことが、その後明らかにされた(Yasushi Tomita et.
al., J. Invest. Dermato., 96(4), 500-504, 199
1)。これは、生体に於いて、アミノ酸配列及び分子量
がチロシナーゼと極めて類似したチロシナーゼ関連蛋白
(以下、「TRP」という)と呼ばれている蛋白が存在
しているため、チロシナーゼをTRPから完全に分離す
ることが極めて困難であり、細胞あるいは組織より精製
したチロシナーゼを抗原として動物を免疫するという従
来技術では、混入しているTRPが抗原となり、抗チロ
シナーゼ関連蛋白抗体が生成してしまうためである。 【0007】したがって、チロシナーゼを抗原として特
異的に認識するモノクローナル抗体は、未だ得られてい
ないのが現状である。本発明はこのような観点からなさ
れたものであり、TRPを抗原として認識せず、ヒトチ
ロシナーゼを抗原として特異的に認識するモノクローナ
ル抗体を提供することを課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、ヒトチロシナー
ゼのアミノ酸配列のうちTRPの配列と相同性が低い配
列を有するペプチドを抗原に用いることにより、TRP
に結合せず、ヒトチロシナーゼに特異的に結合するモノ
クローナル抗体が得られることを見いだし、本発明を完
成させた。 【0009】すなわち、本発明は、ヒトチロシナーゼの
アミノ酸配列のうち、チロシナーゼ関連蛋白のアミノ酸
配列と相同性の低い領域を抗原として認識する抗ヒトチ
ロシナーゼモノクローナル抗体、及びヒトチロシナーゼ
のアミノ酸配列のうち、チロシナーゼ関連蛋白のアミノ
酸配列と相同性の低い領域のアミノ酸配列の少なくとも
一部を有するペプチドと担体との結合物を用いて哺乳動
物を免疫した後、その動物の脾細胞を取り出し、培養細
胞と融合してハイブリドーマを作製し、このハイブリド
ーマを培養してその培養物から抗体蛋白を採取すること
を特徴とするヒトチロシナーゼに特異的なモノクローナ
ル抗体の製造法である。 【0010】なお、本明細書において、「ヒトチロシナ
ーゼに特異的に結合する」とは、ヒトチロシナーゼを抗
原として特異的に認識することをいい、特にTRPには
結合しないことをいう。 【0011】以下、本発明を詳細に説明する。ヒトチロ
シナーゼのcDNA配列は既に知られており(Hiroaki
Yamamoto et.al., Jpn. J. Genet, 64, 121-135(198
9))、ヒトTRPのcDNA配列も既に知られている
(Sigeki Shibahara et. al., Tohoku J. exp. Med., 1
56, 403-414(1988))。本発明者らはこれらのcDNA
配列をアミノ酸配列に翻訳し、比較した(図1)。図1
において、上のレーンはヒトチロシナーゼのアミノ酸配
列を、下のレーンはTRPのアミノ酸配列を1文字記号
で示したものである。レーンとレーンの間に示してある
(:)は、アミノ酸が完全に一致している部分であり、
(.)は同種のアミノ酸(疎水性、親水性、塩基性等)
として一致している部分である。その結果、ヒトチロシ
ナーゼのアミノ酸配列のうち、配列番号1に示したアミ
ノ酸配列を有する部分(図1中アンダライン部)が、T
RPと相同性が低い部分の1つであることを見出した。 【0012】本発明者らは、この点に注目し、上記配列
を有する合成ペプチド(以下、「ヒトチロシナーゼに特
異的なペプチド」ともいう)を合成した((株)ペプチ
ド研究所に合成を依頼)。入手したペプチドを用いて哺
乳動物を免疫した後、脾細胞を取り出し、これを培養細
胞と融合することによりハイブリドーマを作製し、この
ハイブリドーマにチロシナーゼに特異的なモノクローナ
ル抗体を生産させることに成功した。以下に、ヒトチロ
シナーゼに特異的なモノクローナル抗体及びその製造法
を製造手順に沿って説明する。 【0013】<1>抗原 哺乳動物を免疫する際に用いるヒトチロシナーゼに特異
的なペプチドは、そのアミノ酸配列として配列番号1に
示す配列が挙げられるが、ヒトチロシナーゼのアミノ酸
配列のうち、チロシナーゼ関連蛋白のアミノ酸配列と相
同性の低い領域のアミノ酸配列の少なくとも一部を有し
ていれば、本発明に使用することができる。このような
ペプチドは、例えばチロシナーゼの酵素分解物から単離
することにより、部分的に得ることができるが、常法に
より化学合成することが好ましい。例えば、市販されて
いるペプチドシンセサイザーを用いて、上記配列を入力
すれば上記ペプチドを得ることができる。また、ペプチ
ドの受託合成サービスを行っている会社に依託して入手
してもよい。 【0014】かくして得られるペプチド(以下、「合成
ペプチド」ともいう)は、そのまま抗原としても用いる
ことができるし、キーホールリンペットヘモシアニン
(KLH:Keyhole Limpet Hemocyanin)、ウシ血清アル
ブミン(BSA:Bovine SerumAlbumin)、卵白アルブ
ミン(OVA:Ovalbumin)等の担体と結合させて用い
ることもできる。このような担体を用いると、ペプチド
のみでは抗原性が低い場合、あるいは抗原性がない場合
でも抗原性を上げることができる。尚、この場合は担体
に対する抗体もできるが、それらはハイブリドーマを選
択する段階で取り除くことができる。 【0015】<2>哺乳動物の免疫 上記抗原で免疫する哺乳動物は、免疫実験に通常用いら
れている哺乳動物であれば特に制限がなく、マウス、ラ
ット、ウサギ等が例示できる。また、免疫する方法は、
通常の免疫の手法に則って行えば良く、例えば、合成ペ
プチド或いは担体に結合させた合成ペプチドを、0.5
mg/kg〜50mg/kgの用量で、フロイントの完
全アジュバントまたは不完全アジュバントとともに1〜
2週間毎に数回投与を繰り返し、最終投与の2週間以上
後に、合成ペプチドのみを投与して最終免疫を行う方法
が挙げられる。 【0016】このときの合成ペプチドあるいは担体に結
合させた合成ペプチドの投与量は、1回当たり0.5m
g/kg〜50mg/kg程度が適当である。投与量が
0.5mg/kg未満では抗体を十分に生成しないこと
がある。また、50mg/kgを越えても更なる免疫効
果は期待できず、さらに、生体内で免疫抑制が生じ、目
的とする抗体が得られない恐れがある。 【0017】<3>ハイブリドーマの作製 上記のようにして免疫した動物を、最終免疫後3〜4日
後に屠殺し、脾臓を摘出し、脾細胞を取り出す。この細
胞と、融合相手である培養細胞とを融合促進剤の存在下
で融合し、得られた融合細胞を選別することにより脾細
胞−培養細胞ハイブリドーマを得ることができる。 【0018】融合相手の培養細胞としては、脾細胞と融
合するものであれば特に制限はないが、一般には、ミエ
ローマ細胞(骨髄腫細胞)が適当である。また、細胞融
合の後に未融合細胞と融合細胞とを区別できるようにす
るために、特定の選別用の薬物マーカーを有するものが
好ましい。 【0019】例えば、ヒポキサンチン・グアニン・ホス
ホリボシルトランスフェラーゼ欠損したものが挙げられ
る。このような細胞は、ヒポキサンチン・アミノプテリ
ン及びチミジンを添加した培地(HAT培地)中で生育
できないが、この細胞と正常細胞との融合細胞はHAT
培地中でも生育できるようになり、未融合細胞と区別で
きる。具体的には、P3X63Ag8.653株、P3/NSI/1-AG4-1
株、FO株、SP2/0-Ag14株等のミエローマ細胞の市販株が
挙げられるが、これらには限定されない。 【0020】細胞融合は通常RPMI1640、MEM
等の培地中で、抗体産生細胞(脾細胞)とミエローマ細
胞とを10:1〜2:1の混合比で、融合促進剤ととも
に混合することにより行われる。融合促進剤としては、
細胞融合実験で通常用いられている融合剤であれば特に
制限はなく、具体的には、センダイウイルスや平均分子
量500〜7000のポリエチレングリコールが例示で
きる。また電気パルスによって融合させてもよい。細胞
融合を終えた細胞は、例えばRPMI1640あるいは
MEM培地などで希釈し、遠心分離により洗浄した細胞
をHAT培地等の選択培地に浮遊させ、マルチプレート
等に分注して培養を行い、ハイブリドーマのみを生育さ
せる 【0021】<4>ハイブリドーマの選別 上記のようにして得られるハイブリドーマは、抗原に用
いたペプチドのうち異なる抗原決定部位に対するモノク
ローナル抗体や担体に用いた蛋白に対するモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマを株の混合体であるの
で、これらの中から前記合成ペプチド、すまわちヒトチ
ロシナーゼに特異的なペプチドに特異的に結合するモノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマを選別する。 【0022】この選別の方法としては、抗原に用いた合
成ペプチドを使用した酵素免疫測定法(ELISA法)
が好ましい。例えば、合成ペプチドをプラスチックプレ
ート等に固相化しておきこれにハイブリドーマ培養上
清、さらに酵素、蛍光物質或は発光物質の結合量から合
成ペプチドに結合する抗体量を知ることができる。或
は、ハイブリドーマが産生する抗体を固相化し、これに
合成ペプチド、酵素等で標識 第2抗体と順次インキュベートしてもよい。 【0023】このようにして得られたハイブリドーマの
1株は、工業技術院生命工学工業技術研究所に、FER
M P−13937として寄託されている。 【0024】<5>ヒトチロシナーゼに特異的に結合す
るモノクローナル抗体の調製及びその利用法 上記のようにして得られたハイブリドーマからヒトチロ
シナーゼに特異的に結合するモノクローナル抗体を得る
には、例えば、抗体産生ハイブリドーマを常法に従って
硫安分画、ゲルろ過、アフィニティークロマトグラフィ
ー等で精製すれば、ヒトチロシナーゼに特異的なモノク
ローナル抗体が得られる。 【0025】本発明のヒトチロシナーゼに特異的に結合
するモノクローナル抗体は、ヒトチロシナーゼと特異的
に反応するので、ヒト由来の培養細胞、皮膚組織等の免
疫染色における染色体用抗体、さらにはウェスタンブロ
ットあるいはミクロオートラジオグラフィーにおける染
色用抗体として使用可能であり、ヒトチロシナーゼの定
性あるいは定量のための検知用試薬として利用すること
ができる。 【0026】 【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。 <1>ハイブリドーマの作製 ペプチドの合成および担体(KLH)への結合は、株式
会社ペプチド研究所に依頼した。 【0027】上記の担体結合合成ペプチド100μgを
生理食塩水100μlに溶かし、完全フロイントアジュ
バント(SIGMA製)100μlと混合乳化したもの
を、8週令のBALB/cマウス(日本クレア)の腹腔内に投
与した。その後1週間目と2週間目に、上記担体結合合
成ペプチド−不完全フロイントアジュバント等量混合乳
化液200μlを腹腔内投与した。更に、3回目の投与
から2週間後に、50μgの合成ペプチドを溶解した生
理食塩水100μlを静脈注射した。 【0028】3日後、上記マウスから脾臓を摘出し、脾
細胞をRPMI1640培地に懸濁し、洗浄を行った。
一方、マウスミエローマ細胞株P3X63Ag8.653(大日本製
薬よから購入)を、細胞融合に合わせて対数増殖期にな
るように培養し、遠心分離により集めた。 【0029】108個の脾細胞に対し、2×107個のミ
エローマを上記培地中で混合し、遠心分離により細胞を
ペレットにした。上清を除いた後、37℃に保温した5
0%PEG4000(SIGMA製)を含むRPMI1
640培地1mlを1分間で徐々に滴下し、1分間穏や
かに撹拌した。更に、37℃のRPMI1640培地2
mlを2分間で、更に8mlを3分間で撹拌しながら滴
下する。 【0030】滴下終了後、遠心分離により上清を除いた
後、細胞ペレットをGIT培地(和光純薬製)40ml
に懸濁し、これを4枚の96ウェルプレート(住友ベー
クライト製)に、1ウェルにつき100μlずつ分注し
た。翌日25μlのHAT培地を添加し、更に4日後2
5μlのHAT培地を添加した。1週間培養した後、培
養上清を半分除き、100μlのGIT培地を添加し
た。 【0031】細胞融合から約2週間後、ミエローマと脾
細胞が融合したハイブリドーマのみがコロニーを形成し
たが、さらに、コロニーの直径が約1mmになるまで培
養を続けた。この時点で培養上清に分泌された抗体を、
上記の合成ペプチドと市販の二次抗体(西洋ワサビペル
オキシダーゼ(HRP)標識ヤギ抗マウスIg’s(γ
+L)抗体:TAGO社製)を用いたサンドウィッチE
LISA法により検定した。このうち、抗体価の高かっ
たウェル中のハイブリドーマを限界希釈法によるクロー
ニングを行い、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ
株を得た。この株は、工業技術院生命工学工業技術研究
所に、FERM P−13937として寄託されてい
る。 【0032】<2>ヒトチロシナーゼに特異的に結合す
るモノクローナル抗体の調製 上記で得られたハイブリドーマ細胞株を培養し、ヒトチ
ロシナーゼに特異的に結合するモノクローナル抗体の採
取を行った。 【0033】上記ハイブリドーマをGIT培地で培養
し、細胞濃度が約5×106個/mlになったところで
培養上清を遠心分離により回収し、これをポアーサイズ
0.22μmのフィルターでろ過し、ろ液をプロテイン
Aカラムキット(アマシャム・ジャパン製)により精製
し抗ヒトチロシナーゼモノクローナル抗体を得た。 【0034】<3>抗ヒトチロシナーゼモノクローナル
抗体の評価 (1)抗ヒトチロシナーゼモノクローナル抗体のヒトチ
ロシナーゼとの反応性 上記で得られたモノクローナル抗体について、MeWo
細胞(ヒト悪性黒色腫由来培養細胞)およびHeLa細
胞(ヒト子宮頚ガン由来培養細胞)の抽出物を用いて、
特異性の評価をエンザイムイムノブロット法により行っ
た。 【0035】培養フラスコで培養したMeWoおよびH
eLa細胞の培養上清を除き、PBSで数回洗浄した
後、細胞をラバーポリスマンを使用して回収した。回収
した細胞を、再びPBSで数回洗浄し、細胞溶解緩衝液
(Triton X−100を0.5%含んだ0.1M
リン酸ナトリウム緩衝液,pH6.9)に懸濁した。 【0036】この細胞を、超音波細胞破砕装置(東湘電
機製)で30秒処理して破砕し、16,000×Gで1
0分間遠心分離を行った。得られた上清に含まれるタン
パク濃度を測定し、細胞抽出液とした。これを、5〜2
0%の密度勾配ポリアクリルアミドゲル(パジェル:A
TTO製)を用いた電気泳動に供した。アプライ量は、
1レーン当りタンパク量として10μg/レーンであ
る。なお、電気泳動は常法に従って行った。電気泳動終
了後、ゲルを取り出し1レーンを切り取り、チロシナー
ゼの活性染色(DOPA染色)を行いゲル上のチロシナ
ーゼの位置を検出した。 【0037】一方、ゲルの残りのレーンをトランスファ
ーバッファー(100mM,Tris;192mM,g
lycin)に浸漬した後、ブロッティング装置(セミ
ドライブロッティング装置:ATTO製)を用い、泳動
物をゲルから、予めトランスファーバッファーに浸漬し
たメンブレン(Immobilon;ミリポア社製)へ
転写した。 【0038】泳動物を転写したメンブレンを、TBSバ
ッファー(20mM,Tris;500mM,NaCl
pH7.5)に15分間浸漬した後、ブロッキングバ
ッファー(5%スキムミルクあるいは1%BSA及び
0.1%Tween20を含むTBSバッファー)に浸
し、25℃で1時間緩やかに振とうした。 【0039】その後、メンブレンを0.1%Tween
20を含むTBSバッファー(TTBSバッファー)を
用いて洗浄(15分1回,5分2回)し、前記<2>で
得られたモノクローナル抗体溶液(10倍希釈駅を約2
ml)に浸漬し、約1時間25℃で緩やかに振盪した。
メンブレンを洗浄した後、さらに市販の二次抗体溶液
(西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識ヤギ抗マ
ウスIg’s(γ+L)抗体:TAGO社製、10,0
00倍希釈液を約2ml)に浸漬し、25℃で約1時間
緩やかに振盪した。 【0040】メンブレンをTTBSバッファーにより洗
浄(15分1回,5分4回)した後、、市販のHRP検
出キット(アマシャム製ECLキット)を使用して、抗
ヒトチロシナーゼモノクローナル抗体が結合した泳動物
のバンドを検出した。尚、HRPが結合したバンドは、
4−クロロ−1−ナフトールを基質として使用しても検
出する事ができる。 【0041】前記活性染色の結果及びエンザイムイムノ
ブロット法の結果を図2に示す。この結果から明らかな
ように、上記で得られたモノクローナル抗体は、ヒトチ
ロシナーゼ活性を有する蛋白のバンド、すなわちヒトチ
ロシナーゼに結合する。さらにこのモノクローナル抗体
は、HeLa細胞の抽出物には結合しない。 【0042】(2)抗ヒトチロシナーゼモノクローナル
抗体に結合する抗原の解析 上記で得られたモノクローナル抗体について、MeWo
抽出物を用いて、特異性の評価を免疫沈降法により行っ
た。 【0043】培養フラスコで培養したMeWo細胞の培
養上清を除き、PBSで数回洗浄した後、細胞をラバー
ポリスマンを使用して回収した。回収した細胞を、再
び、PBSで数回洗浄し、細胞溶解緩衝液に懸濁した。 【0044】この細胞を、超音波細胞破砕装置(東湘電
機製)で30秒処理して破砕し、16,000×Gで1
0分間遠心分離を行った。得られた上清に含まれるタン
パク濃度を測定し、細胞抽出液とした。 【0045】プロテインA−セファロース(Protein A-
sepharose:シグマ社製)20μlをマイクロチューブに
とり、結合緩衝液(binding buffer:1.5Mグリシ
ン,3MNaCl、pH8.9)を使用して洗浄した。 【0046】この洗浄したプロテインA−セファロース
に、上記で得られたモノクローナル抗体の溶液と結合緩
衝液の等量混合液を添加し、4℃で1時間緩やかに転倒
混和することでモノクローナル抗体をプロテインA−セ
ファロースに結合させた。これを細胞溶解緩衝液で3回
洗浄し、上記の細胞抽出液(約25μg タンパク)を添
加した後、4℃で2時間以上緩やかに混和した。混和終
了後、10,000×gで1分間遠心分離し上清(これ
により得られた上清を、以後、抗体処理MeWo抽出液
という。)のチロシナーゼ活性を測定した。 【0047】なお、チロシナーゼ活性は、MBTH(3
−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン)法によ
り調べた。方法を以下に示す。上記の抗体処理MeWo
抽出液およびMeWo抽出液30μlを37℃で10分
間加温した後、あらかじめ37℃に加温しておいたDO
PA液(12mM,MBTH;4%,dimethyl
formamide;2mM,L−DOPA)30μl
をそれぞれに添加することで反応を開始した。反応は3
7℃で行い、30分後、氷上に移すことにより反応を止
めた。反応が進めば反応液の505nmにおける吸光度
が増大するので、この値を測定することによりチロシナ
ーゼ活性を調べた。この結果を表1に示す。 【0048】 【表1】 【0049】この表からわかるように、上記で得られた
モノクローナル抗体は細胞抽出液中のチロシナーゼ活性
を約半分に減少させている。すなわち、上記で得られた
モノクローナル抗体はヒトチロシナーゼに結合すること
が明らかである。 【0050】一方、上記で得られたモノクローナル抗体
とTRPとの反応性を調べるために、上記の抗体処理M
eWo抽出液および無処理MeWo抽出液を抗原とし、
従来技術の抗チロシナーゼモノクローナル抗体(抗TR
Pモノクローナル抗体)および実施例<1>記載の市販
の二次抗体を用いたサンドウイッチELISA法を行っ
た。この結果を表2に示した。 【0051】 【表2】【0052】表より、抗体処理MeWo抽出液および無
処理MeWo抽出液を抗原としたELISAでの値に違
いがないことから、上記で得られたモノクローナル抗体
に結合する抗原は、従来技術の抗チロシナーゼモノクロ
ーナル抗体(抗TRPモノクローナル抗体)とは結合し
ないことがわかった。 【0053】すなわち、上記で得られたモノクローナル
抗体は、従来技術の抗チロシナーゼモノクローナル抗体
とは全く異なった抗体であり、TRPと結合しないこと
が明らかとなった。 【0054】 【発明の効果】本モノクローナル抗体は、ヒトチロシナ
ーゼに特異的に結合する。このモノクローナル抗体は、
本発明の方法により得られる。 【0055】 【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Glu Lys Glu Asp Tyr His Ser Leu Tyr Gln Ser His Leu 1 5 10 【0056】
のホモロジーを示す図。 【0058】 【図2】 チロシナーゼの活性染色及びエンザイムイム
ノブロットにより電気泳動の結果を表した写真。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 配列番号1に示すアミノ酸配列からなる
ペプチドを抗原として認識する抗ヒトチロシナーゼモノ
クローナル抗体。
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- 1993-11-16 JP JP28686093A patent/JP3532945B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|
| J.Biol.Chem.,Vol.264[6](1989)p.3397−3403 |
| J.Biol.Chem.,Vol.266[2](1991)p.1147−1156 |
| Jpn.J.Genet.,Vol.64(1989)p.121−135 |
| Tohoku J. Exp. Med.,Vol.156(1988)p.403−414 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07138300A (ja) | 1995-05-30 |
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