JP3533440B2 - O‐グリコシド分子集合体の製造方法 - Google Patents
O‐グリコシド分子集合体の製造方法Info
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- JP3533440B2 JP3533440B2 JP2000070880A JP2000070880A JP3533440B2 JP 3533440 B2 JP3533440 B2 JP 3533440B2 JP 2000070880 A JP2000070880 A JP 2000070880A JP 2000070880 A JP2000070880 A JP 2000070880A JP 3533440 B2 JP3533440 B2 JP 3533440B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の形態的特徴
を有し、ファインケミカル、医薬品、化粧品、食品、繊
維などの分野で利用可能な、新規なO‐グリコシド分子
集合体の製造方法に関するものである。
を有し、ファインケミカル、医薬品、化粧品、食品、繊
維などの分野で利用可能な、新規なO‐グリコシド分子
集合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ある種の脂質は、自己集積して安定な分
子集合体を形成し、ファインケミカルをはじめとする各
種分野において機能性材料として利用されている。この
ような脂質、例えば天然由来のリン脂質からなる球状の
分子集合体、いわゆるリポソームは、薄膜法、熱分散
法、溶液注入法、コール酸法、逆相蒸発法などにより製
造されているが、これらの方法は、いずれも複雑でしか
も熟練を要する技術を用いなければならないため、実用
化が困難であった。しかも、これらの方法により得られ
る分子集合体は、いずれも単一膜ベシクル又は球状の多
重膜ベシクルであって、繊維状の分子集合体や液晶性の
分子集合体は得られないため、その利用分野が制限され
るのを免れなかった。
子集合体を形成し、ファインケミカルをはじめとする各
種分野において機能性材料として利用されている。この
ような脂質、例えば天然由来のリン脂質からなる球状の
分子集合体、いわゆるリポソームは、薄膜法、熱分散
法、溶液注入法、コール酸法、逆相蒸発法などにより製
造されているが、これらの方法は、いずれも複雑でしか
も熟練を要する技術を用いなければならないため、実用
化が困難であった。しかも、これらの方法により得られ
る分子集合体は、いずれも単一膜ベシクル又は球状の多
重膜ベシクルであって、繊維状の分子集合体や液晶性の
分子集合体は得られないため、その利用分野が制限され
るのを免れなかった。
【0003】一方、合成両親媒性化合物を水中に分散さ
せることにより、螺旋繊維状又はロッド状の分子集合体
が形成されることが知られている[「ジャーナル・オブ
・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.
Chem.Soc.)」,第107巻,第509〜51
0ページ(1985)]。しかしながら、このようにし
て得られる分子集合体は、水中でのみ安定であって、水
分が除去されると、その構造が崩壊し、特定の形態を保
持することができないため、分子集合体としては、ほと
んど利用できないという欠点がある。
せることにより、螺旋繊維状又はロッド状の分子集合体
が形成されることが知られている[「ジャーナル・オブ
・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.
Chem.Soc.)」,第107巻,第509〜51
0ページ(1985)]。しかしながら、このようにし
て得られる分子集合体は、水中でのみ安定であって、水
分が除去されると、その構造が崩壊し、特定の形態を保
持することができないため、分子集合体としては、ほと
んど利用できないという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、入手容易な
原料から簡単な方法で製造しうる、再生可能で、しかも
広い利用範囲をもつ新規な分子集合体を提供することを
目的としてなされたものである。
原料から簡単な方法で製造しうる、再生可能で、しかも
広い利用範囲をもつ新規な分子集合体を提供することを
目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、入手容易
な原料から、広い利用範囲を有する機能性材料を簡単に
製造する方法について鋭意研究を重ねた結果、カシュー
ナッツの殻油から分離される長鎖アルキルフェノール又
はその誘導体をアグリコンとするO‐グリコシド型糖脂
質を種々の方法で分子集合させると、繊維状、球状の形
態の分子集合体や液晶性の分子集合体が得られることを
見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
な原料から、広い利用範囲を有する機能性材料を簡単に
製造する方法について鋭意研究を重ねた結果、カシュー
ナッツの殻油から分離される長鎖アルキルフェノール又
はその誘導体をアグリコンとするO‐グリコシド型糖脂
質を種々の方法で分子集合させると、繊維状、球状の形
態の分子集合体や液晶性の分子集合体が得られることを
見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0006】すなわち、本発明は、アルドース残基をグ
リコシル基とし、一般式
リコシル基とし、一般式
【化4】
(式中のRは炭素数12〜18の脂肪族飽和又は不飽和
直鎖状炭化水素基である)で表わされる基をアグリコン
とするO‐グリコシドを、高めた温度の水に飽和濃度ま
で溶解させたのち、この水溶液を徐冷して分子集合を起
させて繊維状O‐グリコシド分子集合体を製造する方
法、さらにこの繊維状分子集合体を加温して球状化させ
て球状O‐グリコシド分子集合体を製造する方法、及び
アルドース残基をグリコシル基とし、一般式
直鎖状炭化水素基である)で表わされる基をアグリコン
とするO‐グリコシドを、高めた温度の水に飽和濃度ま
で溶解させたのち、この水溶液を徐冷して分子集合を起
させて繊維状O‐グリコシド分子集合体を製造する方
法、さらにこの繊維状分子集合体を加温して球状化させ
て球状O‐グリコシド分子集合体を製造する方法、及び
アルドース残基をグリコシル基とし、一般式
【化5】
(式中のRは炭素数12〜18の脂肪族飽和又は不飽和
直鎖状炭化水素基である)で表わされる基をアグリコン
とするO‐グリコシドを、溶媒非存在下で加温し、液晶
性の分子集合を起させることにより液晶型O‐グリコシ
ド分子集合体を製造する方法を提供するものである。
直鎖状炭化水素基である)で表わされる基をアグリコン
とするO‐グリコシドを、溶媒非存在下で加温し、液晶
性の分子集合を起させることにより液晶型O‐グリコシ
ド分子集合体を製造する方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の分子集合体は、グリコシ
ル基としてアルドース残基を、またアグリコンとして前
記一般式(I)で表わされる長鎖アルキルフェノール残
基を含有するO‐グリコシド型糖脂質、すなわち一般式
ル基としてアルドース残基を、またアグリコンとして前
記一般式(I)で表わされる長鎖アルキルフェノール残
基を含有するO‐グリコシド型糖脂質、すなわち一般式
【化6】
(式中のRは前記と同じ意味をもち、Gは還元末端の炭
素原子がO‐グリコシド結合に関与しているアルドフラ
ノース又はアルドピラノース残基である)で表わされる
O‐グリコシド型糖脂質を原料として用い、製造され
る。
素原子がO‐グリコシド結合に関与しているアルドフラ
ノース又はアルドピラノース残基である)で表わされる
O‐グリコシド型糖脂質を原料として用い、製造され
る。
【0008】前記一般式(II)中のG、すなわちグリ
コシル基としては、例えばグルコピラノース、ガラクト
ピラノース、マンノピラノース、アロピラノース、アル
トロピラノース、グロピラノース、イドピラノース、タ
ロピラノースのようなアルドピラノース及び対応するア
ルドフラノースの還元末端の水酸基から水素原子を除い
た残基を挙げることができる。
コシル基としては、例えばグルコピラノース、ガラクト
ピラノース、マンノピラノース、アロピラノース、アル
トロピラノース、グロピラノース、イドピラノース、タ
ロピラノースのようなアルドピラノース及び対応するア
ルドフラノースの還元末端の水酸基から水素原子を除い
た残基を挙げることができる。
【0009】次に前記一般式(II)中のRは炭素数1
2〜18、好ましくは15の脂肪族直鎖状炭化水素基で
あって、この炭化水素基は飽和でも不飽和でもよい。不
飽和の場合は、1〜3個の二重結合を含むものが好まし
い。このような脂肪族飽和直鎖状炭化水素基としては、
例えばドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペ
ンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オク
タデシル基などを挙げることができるが、原料の入手が
容易であるという点でペンタデシル基が好ましい。ま
た、脂肪族不飽和直鎖状炭化水素基としては、上記の脂
肪族飽和直鎖状炭化水素に相当するもののトリエン、ジ
エン又はモノエンの残基を挙げることができるが、原料
の入手が容易であるという点で、8‐ペンタデセニル
基、8,10‐ペンタデカジエニル基、8,10,12
‐ペンタデカトリエニル基が好ましい。
2〜18、好ましくは15の脂肪族直鎖状炭化水素基で
あって、この炭化水素基は飽和でも不飽和でもよい。不
飽和の場合は、1〜3個の二重結合を含むものが好まし
い。このような脂肪族飽和直鎖状炭化水素基としては、
例えばドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペ
ンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オク
タデシル基などを挙げることができるが、原料の入手が
容易であるという点でペンタデシル基が好ましい。ま
た、脂肪族不飽和直鎖状炭化水素基としては、上記の脂
肪族飽和直鎖状炭化水素に相当するもののトリエン、ジ
エン又はモノエンの残基を挙げることができるが、原料
の入手が容易であるという点で、8‐ペンタデセニル
基、8,10‐ペンタデカジエニル基、8,10,12
‐ペンタデカトリエニル基が好ましい。
【0010】前記一般式(II)で表わされるO‐グリ
コシド型糖脂質は、いずれも文献未載の新規化合物であ
る。このようなO‐グルコシド型糖脂質は、例えば一般
式
コシド型糖脂質は、いずれも文献未載の新規化合物であ
る。このようなO‐グルコシド型糖脂質は、例えば一般
式
【化7】
(式中のRは前記と同じ意味をもつ)で表わされる長鎖
アルキルフェノールに、還元末端水酸基以外の水酸基が
すべて保護されたアルドピラノース又はアルドフラノー
ス(以下単に保護されたアルドースという)の還元末端
水酸基の反応性官能的誘導体を反応させて、O‐グルコ
シド結合を形成させたのち、保護基を脱離させることに
よって製造することができる。この保護基としては、例
えばアセチル基、1,2‐メチレン基、1,2‐イソプ
ロピリデン基などが用いられる。また、還元末端水酸基
の反応性官能的誘導体としては、例えば対応するアルド
ースのトリクロロアセトイミデート、臭素化物(ブロム
糖)、フッ素化物(フッ素糖)、チオグリコシド、O‐
アシレートなどを挙げることができる。この中でフッ素
化物やトリクロロアセトイミデートは高収率で反応する
ので好ましい。
アルキルフェノールに、還元末端水酸基以外の水酸基が
すべて保護されたアルドピラノース又はアルドフラノー
ス(以下単に保護されたアルドースという)の還元末端
水酸基の反応性官能的誘導体を反応させて、O‐グルコ
シド結合を形成させたのち、保護基を脱離させることに
よって製造することができる。この保護基としては、例
えばアセチル基、1,2‐メチレン基、1,2‐イソプ
ロピリデン基などが用いられる。また、還元末端水酸基
の反応性官能的誘導体としては、例えば対応するアルド
ースのトリクロロアセトイミデート、臭素化物(ブロム
糖)、フッ素化物(フッ素糖)、チオグリコシド、O‐
アシレートなどを挙げることができる。この中でフッ素
化物やトリクロロアセトイミデートは高収率で反応する
ので好ましい。
【0011】前記一般式(III)で表わされる長鎖ア
ルキルフェノールのうち、炭素数15の飽和又は不飽和
アルキル基をもつものは、カシューナッツを原料として
容易に得ることができる。すなわち、現在、カシューワ
ニスや機械用、自動車用のブレーキパッド、ライニング
の原料として汎用されているカシューナッツ殻油を真空
蒸留して、沸点220〜235℃範囲の留分を捕集す
る。この際の真空度としては、250〜700Paの範
囲が適当である。このカシューナッツ殻油はカシューナ
ッツオイルとも称され、ウルシ科のカシューナッツツリ
ー(Anacardium occidentale)
の実の殻を溶媒抽出又は加熱分留して得られる油状の液
体である。そして、溶媒抽出した場合は、アナカルド酸
とカルドールを主成分とする混合物として、また加熱分
留した場合は、カルダノールとカルドールを主成分とす
る混合物として得られる。
ルキルフェノールのうち、炭素数15の飽和又は不飽和
アルキル基をもつものは、カシューナッツを原料として
容易に得ることができる。すなわち、現在、カシューワ
ニスや機械用、自動車用のブレーキパッド、ライニング
の原料として汎用されているカシューナッツ殻油を真空
蒸留して、沸点220〜235℃範囲の留分を捕集す
る。この際の真空度としては、250〜700Paの範
囲が適当である。このカシューナッツ殻油はカシューナ
ッツオイルとも称され、ウルシ科のカシューナッツツリ
ー(Anacardium occidentale)
の実の殻を溶媒抽出又は加熱分留して得られる油状の液
体である。そして、溶媒抽出した場合は、アナカルド酸
とカルドールを主成分とする混合物として、また加熱分
留した場合は、カルダノールとカルドールを主成分とす
る混合物として得られる。
【0012】本発明方法の原料として用いるには、この
カシューナッツ殻油を、さらにn‐ヘキサンのような溶
媒を用いて抽出操作し、得られるカルダノール、カルド
ール、アナカルド酸を溶媒に溶解させ、所望に応じ常法
に従って水素化することにより、脂肪族飽和炭化水素基
をもつ長鎖アルキルフェノールとする。通常、この水素
化反応における反応溶媒としては、メチルアルコール、
エチルアルコールのようなアルコール類が、また水素添
加用触媒としては、白金/炭素系触媒、パラジウム/炭
素系触媒などが用いられる。
カシューナッツ殻油を、さらにn‐ヘキサンのような溶
媒を用いて抽出操作し、得られるカルダノール、カルド
ール、アナカルド酸を溶媒に溶解させ、所望に応じ常法
に従って水素化することにより、脂肪族飽和炭化水素基
をもつ長鎖アルキルフェノールとする。通常、この水素
化反応における反応溶媒としては、メチルアルコール、
エチルアルコールのようなアルコール類が、また水素添
加用触媒としては、白金/炭素系触媒、パラジウム/炭
素系触媒などが用いられる。
【0013】一方、この長鎖アルキルフェノールと反応
させる保護されたアルドースの反応性官能的誘導体は、
例えば次のようにして製造することができる。すなわ
ち、アルドースの還元末端水酸基の臭素化物又はフッ素
化物のようなハロゲン化物、いわゆるブロム糖又はフッ
素糖は、アルドースをピリジン中でアセチル化したの
ち、酢酸中で臭化水素又はフッ化水素を作用させること
によって得られる。
させる保護されたアルドースの反応性官能的誘導体は、
例えば次のようにして製造することができる。すなわ
ち、アルドースの還元末端水酸基の臭素化物又はフッ素
化物のようなハロゲン化物、いわゆるブロム糖又はフッ
素糖は、アルドースをピリジン中でアセチル化したの
ち、酢酸中で臭化水素又はフッ化水素を作用させること
によって得られる。
【0014】また、対応するトリクロロアセトイミデー
トは、前記と同様にしてアルドースをアセチル化したの
ち、ジメチルホルムアミド中でヒドラジン酢酸塩を作用
させて還元末端のみ選択的に脱アセチル化した糖鎖成分
を形成させ、次いで塩基触媒の存在下、トリクロロアセ
トニトリルを反応させることによって得られる。このと
きの反応溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルムな
どのハロゲン化合物が、また塩基触媒としては、水素化
ナトリウム、炭酸セシウムなどが好ましい。
トは、前記と同様にしてアルドースをアセチル化したの
ち、ジメチルホルムアミド中でヒドラジン酢酸塩を作用
させて還元末端のみ選択的に脱アセチル化した糖鎖成分
を形成させ、次いで塩基触媒の存在下、トリクロロアセ
トニトリルを反応させることによって得られる。このと
きの反応溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルムな
どのハロゲン化合物が、また塩基触媒としては、水素化
ナトリウム、炭酸セシウムなどが好ましい。
【0015】アルドースのハロゲン化物を得る反応にお
いては、α体が選択的に得られるし、トリクロロアセト
イミデートを得る反応においては、室温で2時間以上反
応させると、選択的にα体が得られる。このことは、こ
れらの化合物の1H−NMRスペクトル(重クロロホル
ム中、25℃)が、δ値で6.4〜6.6ppmに二重
線のシグナル(スピン−スピンカップリング定数3.4
〜4.0Hz)を示すことから確認できる。
いては、α体が選択的に得られるし、トリクロロアセト
イミデートを得る反応においては、室温で2時間以上反
応させると、選択的にα体が得られる。このことは、こ
れらの化合物の1H−NMRスペクトル(重クロロホル
ム中、25℃)が、δ値で6.4〜6.6ppmに二重
線のシグナル(スピン−スピンカップリング定数3.4
〜4.0Hz)を示すことから確認できる。
【0016】次に、前記一般式(III)で表わされる
長鎖アルキルフェノールと、保護されたアルドースの反
応性官能的誘導体とから、O‐グリコシド結合を形成さ
せる反応は、以下のようにして行うことができる。例え
ば、保護されたアルドースの反応性官能的誘導体が臭素
化物である場合には、トリフルオロメタンスルホン酸ス
ズを触媒として、塩基性物質の存在下で反応させる。こ
の際の反応溶媒としては、クロロホルム、トルエンなど
が用いられるが、溶解性の点からクロロホルム/トルエ
ン混合溶媒系が好ましい。また塩基性物質としては、
2,4,6‐トリメチルピリジンや1,1,3,3‐テ
トラメチル尿素が用いられる。この際の反応温度として
は室温から40℃、10〜20時間が適当である。この
反応は、モレキュラーシーブ4Aを共存させると、さら
によい結果が得られる。
長鎖アルキルフェノールと、保護されたアルドースの反
応性官能的誘導体とから、O‐グリコシド結合を形成さ
せる反応は、以下のようにして行うことができる。例え
ば、保護されたアルドースの反応性官能的誘導体が臭素
化物である場合には、トリフルオロメタンスルホン酸ス
ズを触媒として、塩基性物質の存在下で反応させる。こ
の際の反応溶媒としては、クロロホルム、トルエンなど
が用いられるが、溶解性の点からクロロホルム/トルエ
ン混合溶媒系が好ましい。また塩基性物質としては、
2,4,6‐トリメチルピリジンや1,1,3,3‐テ
トラメチル尿素が用いられる。この際の反応温度として
は室温から40℃、10〜20時間が適当である。この
反応は、モレキュラーシーブ4Aを共存させると、さら
によい結果が得られる。
【0017】次に、保護されたアルドースの反応性官能
的誘導体がトリクロロアセトイミデートである場合は、
ルイス酸触媒の存在下で行われる。この際の反応溶媒と
しては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2‐ジクロ
ロエタンなどのハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ニト
ロメタンなどが用いられ、特に塩化メチレンが好まし
い。この反応のルイス酸触媒としては、トリフルオロメ
タンスルホン酸トリメチルシリルや三フッ化ホウ素・エ
ーテル錯体が用いられる。ルイス酸触媒の使用量として
は、トリクロロアセトイミデートに対し、2〜3当量が
好適である。この際の反応温度としては、−5〜0℃が
適当である。反応時間は、ルイス酸触媒の種類、反応温
度によって左右されるが、通常は2〜3時間である。こ
の反応は、モレキュラーシーブの存在下、かきまぜなが
ら行うのがよい。アルドースとしてグルコースを用い、
三フッ化ホウ素・エーテル錯体を用いると、グルコース
を前もってトリクロロアセトイミデートに変換せずに、
還元末端水酸基を含むすべての水酸基をアセチル化した
アルドースに直接反応させても収率よくO‐グリコシド
を得ることができる。特にグルコースを用いる際は、こ
の方法によると高収率で反応するので好都合である。臭
素化物又はトリクロロアセトイミデートを用いた場合
は、β体のO‐グリコシドが選択的に得られる。このこ
とは、これらの化合物の1H−NMRスペクトル(重ジ
メチルスルホキシド中、25℃)が、δ値で4.4〜
4.9ppmに二重線のシグナル(スピン−スピンカッ
プリング定数7.8〜8.0Hz)を示すことから確認
できる。
的誘導体がトリクロロアセトイミデートである場合は、
ルイス酸触媒の存在下で行われる。この際の反応溶媒と
しては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2‐ジクロ
ロエタンなどのハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ニト
ロメタンなどが用いられ、特に塩化メチレンが好まし
い。この反応のルイス酸触媒としては、トリフルオロメ
タンスルホン酸トリメチルシリルや三フッ化ホウ素・エ
ーテル錯体が用いられる。ルイス酸触媒の使用量として
は、トリクロロアセトイミデートに対し、2〜3当量が
好適である。この際の反応温度としては、−5〜0℃が
適当である。反応時間は、ルイス酸触媒の種類、反応温
度によって左右されるが、通常は2〜3時間である。こ
の反応は、モレキュラーシーブの存在下、かきまぜなが
ら行うのがよい。アルドースとしてグルコースを用い、
三フッ化ホウ素・エーテル錯体を用いると、グルコース
を前もってトリクロロアセトイミデートに変換せずに、
還元末端水酸基を含むすべての水酸基をアセチル化した
アルドースに直接反応させても収率よくO‐グリコシド
を得ることができる。特にグルコースを用いる際は、こ
の方法によると高収率で反応するので好都合である。臭
素化物又はトリクロロアセトイミデートを用いた場合
は、β体のO‐グリコシドが選択的に得られる。このこ
とは、これらの化合物の1H−NMRスペクトル(重ジ
メチルスルホキシド中、25℃)が、δ値で4.4〜
4.9ppmに二重線のシグナル(スピン−スピンカッ
プリング定数7.8〜8.0Hz)を示すことから確認
できる。
【0018】このようにして、保護された糖鎖をもつO
‐グリコシドが得られるが、最後に保護基を脱離させる
ことが必要である。そして、この保護基、例えばアセチ
ル基の脱離反応は、保護された糖鎖をもつO‐グリコシ
ドをナトリウムメトキシド又はカリウムメトキシドのよ
うなアルカリ金属アルコラートで処理したのち、強酸性
カチオン交換樹脂で中和することにより行うことができ
る。また、トリメチルアミンのようなトリアルキルアミ
ンの水溶液を数倍容量の反応溶媒と混合し、前記の保護
された糖鎖をもつO‐グリコシドと反応させることによ
って、より簡単に行うことができる。この際のトリアル
キルアミン水溶液の濃度は30〜50重量%が好まし
い。この際の反応溶媒としては、メチルアルコール、エ
チルアルコールなどのアルコール系溶媒やジエチルエー
テル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒とアル
コール系溶媒との混合溶媒が適当である。この際、反応
溶液のpHを8.0〜8.5に保持することが、エステ
ル加水分解反応などの副反応を避ける点で望ましい。反
応時間は反応条件により左右されるが、通常は12〜2
4時間が適当である。反応が完了したのち、溶媒を留去
すれば、前記一般式(I)で表わされる長鎖アルキルフ
ェノール残基をアグリコンとするO‐グリコシド型糖脂
質が白色粉末として得られる。このようにして得られた
粗生成物はシリカゲルカラムによる分離精製操作によっ
て高純度のものとすることができる。
‐グリコシドが得られるが、最後に保護基を脱離させる
ことが必要である。そして、この保護基、例えばアセチ
ル基の脱離反応は、保護された糖鎖をもつO‐グリコシ
ドをナトリウムメトキシド又はカリウムメトキシドのよ
うなアルカリ金属アルコラートで処理したのち、強酸性
カチオン交換樹脂で中和することにより行うことができ
る。また、トリメチルアミンのようなトリアルキルアミ
ンの水溶液を数倍容量の反応溶媒と混合し、前記の保護
された糖鎖をもつO‐グリコシドと反応させることによ
って、より簡単に行うことができる。この際のトリアル
キルアミン水溶液の濃度は30〜50重量%が好まし
い。この際の反応溶媒としては、メチルアルコール、エ
チルアルコールなどのアルコール系溶媒やジエチルエー
テル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒とアル
コール系溶媒との混合溶媒が適当である。この際、反応
溶液のpHを8.0〜8.5に保持することが、エステ
ル加水分解反応などの副反応を避ける点で望ましい。反
応時間は反応条件により左右されるが、通常は12〜2
4時間が適当である。反応が完了したのち、溶媒を留去
すれば、前記一般式(I)で表わされる長鎖アルキルフ
ェノール残基をアグリコンとするO‐グリコシド型糖脂
質が白色粉末として得られる。このようにして得られた
粗生成物はシリカゲルカラムによる分離精製操作によっ
て高純度のものとすることができる。
【0019】このようにして得られるO‐グリコシド型
糖脂質は、実測の元素分析値が誤差範囲内で計算値と一
致する。さらにアセチル基で糖鎖が保護された化合物
は、1H−NMR(重クロロホルム中、25℃)におい
て、δ値が2.03〜2.08ppmにアセチル基のメ
チル基の水素に帰属できる特徴的なシグナルが存在する
ことから容易に同定できる。一方、アセチル基を除去し
た化合物は、1H−NMR(重ジメチルスルホキシド
中、25℃)においては、δ値が0.88ppm(長鎖
アルキル基のメチル基の水素)、1.26ppm(長鎖
アルキル基のメチレン基の水素)、1.58ppm(長
鎖アルキル基のうち、芳香族部分から数えて第2番目の
メチレン基の水素)、2.56ppm(芳香族に直接連
結したメチレン基の水素)、3.13〜3.69ppm
(糖鎖のC2、C3、C4、C5、C6炭素に連結した
水素)、4.82ppm(糖鎖のC1炭素に連結したア
ノマー水素)、5.34〜5.42ppm(ビニル基に
連結した水素)、6.79、6.80〜6.89pp
m、7.19〜7.20ppm(芳香族環に連結した水
素)などから生成物を同定確認することができる。
糖脂質は、実測の元素分析値が誤差範囲内で計算値と一
致する。さらにアセチル基で糖鎖が保護された化合物
は、1H−NMR(重クロロホルム中、25℃)におい
て、δ値が2.03〜2.08ppmにアセチル基のメ
チル基の水素に帰属できる特徴的なシグナルが存在する
ことから容易に同定できる。一方、アセチル基を除去し
た化合物は、1H−NMR(重ジメチルスルホキシド
中、25℃)においては、δ値が0.88ppm(長鎖
アルキル基のメチル基の水素)、1.26ppm(長鎖
アルキル基のメチレン基の水素)、1.58ppm(長
鎖アルキル基のうち、芳香族部分から数えて第2番目の
メチレン基の水素)、2.56ppm(芳香族に直接連
結したメチレン基の水素)、3.13〜3.69ppm
(糖鎖のC2、C3、C4、C5、C6炭素に連結した
水素)、4.82ppm(糖鎖のC1炭素に連結したア
ノマー水素)、5.34〜5.42ppm(ビニル基に
連結した水素)、6.79、6.80〜6.89pp
m、7.19〜7.20ppm(芳香族環に連結した水
素)などから生成物を同定確認することができる。
【0020】本発明方法においては、先ず原料のO‐グ
リコシドに対し水を加え加熱することにより、飽和水溶
液を調製する。この際、水の量が少なすぎると不溶部分
が残るし、また水の量が多すぎると飽和濃度に達しなく
なるので、加える水の量はO‐グリコシドの20〜10
00重量倍の範囲内で選ばれる。この際の加熱温度はで
きるだけO‐グリコシドの溶解量を多くするために沸騰
温度まで上げるのが好ましいが、所望ならばそれよりも
低い温度を用いることも可能である。
リコシドに対し水を加え加熱することにより、飽和水溶
液を調製する。この際、水の量が少なすぎると不溶部分
が残るし、また水の量が多すぎると飽和濃度に達しなく
なるので、加える水の量はO‐グリコシドの20〜10
00重量倍の範囲内で選ばれる。この際の加熱温度はで
きるだけO‐グリコシドの溶解量を多くするために沸騰
温度まで上げるのが好ましいが、所望ならばそれよりも
低い温度を用いることも可能である。
【0021】次いで、このようにして調製したO‐グリ
コシドの水溶液を徐冷して分子集合体を生成させるが、
この際の冷却速度が大きいと長繊維を生じにくく、短繊
維の集合体になるので、冷却速度としては0.5℃/分
以下、特に0.2℃/分以下の範囲で選ぶのが好まし
い。水溶液を調製する際の溶媒としては、通常、水が単
独で用いられるが、所望ならば水とアルコールとの混合
溶媒を用いることができる。この際のアルコールとして
は、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロ
ピルアルコールなどの水混和性アルコールが用いられ
る。このようにして水溶液中から繊維状物質が析出して
くるので、これを捕集し、風乾又は真空乾燥することに
より、空気中で安定な、部分的にねじれ構造をもつ数μ
mから数mmのオーダーの長さと、数10nmから数μ
mのオーダーの繊維幅をもつ繊維状O‐グリコシド分子
集合体が得られる。得られた分子集合体の構造は、偏光
光学顕微鏡や位相差光学顕微鏡を用いて観察することに
より容易に確認することができる。
コシドの水溶液を徐冷して分子集合体を生成させるが、
この際の冷却速度が大きいと長繊維を生じにくく、短繊
維の集合体になるので、冷却速度としては0.5℃/分
以下、特に0.2℃/分以下の範囲で選ぶのが好まし
い。水溶液を調製する際の溶媒としては、通常、水が単
独で用いられるが、所望ならば水とアルコールとの混合
溶媒を用いることができる。この際のアルコールとして
は、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロ
ピルアルコールなどの水混和性アルコールが用いられ
る。このようにして水溶液中から繊維状物質が析出して
くるので、これを捕集し、風乾又は真空乾燥することに
より、空気中で安定な、部分的にねじれ構造をもつ数μ
mから数mmのオーダーの長さと、数10nmから数μ
mのオーダーの繊維幅をもつ繊維状O‐グリコシド分子
集合体が得られる。得られた分子集合体の構造は、偏光
光学顕微鏡や位相差光学顕微鏡を用いて観察することに
より容易に確認することができる。
【0022】本発明方法の他の実施態様によると、前記
のようにして得た繊維状O‐グリコシド分子集合体を再
び溶解して水溶液とし、これをゆっくり加温することに
より、球状化させ、小胞体(ベシクル)を形成させるこ
とができる。この際の昇温速度としては1〜20℃/
分、特に10℃/分以下が好ましい。また、加温すべき
温度は、O‐グリコシド中に存在する長鎖炭化水素基の
ゲル−液晶相転移温度以上にする必要がある。この温度
は示差走査熱分析により正確に知ることができる。そし
て、昇温中の分子集合体の構造を光学顕微鏡により経時
的に観察すると、所定の温度に達すると繊維状分子集合
体が急に縮小して球状の小胞体に変化し、球状の小胞体
の生成が認められる。また、肉眼で観察した場合も、綿
状の繊維状物質を含む水溶液が不均一状態から、均一状
態の希薄不透明溶液に変化することで確認することがで
きる。この温度は、通常70〜80℃の範囲である。こ
のようにして生成する球状O‐グリコシド分子集合体
は、空気中に単離することはできないが、水溶液中にお
いてはゲル−液晶相転移温度以上で安定である。
のようにして得た繊維状O‐グリコシド分子集合体を再
び溶解して水溶液とし、これをゆっくり加温することに
より、球状化させ、小胞体(ベシクル)を形成させるこ
とができる。この際の昇温速度としては1〜20℃/
分、特に10℃/分以下が好ましい。また、加温すべき
温度は、O‐グリコシド中に存在する長鎖炭化水素基の
ゲル−液晶相転移温度以上にする必要がある。この温度
は示差走査熱分析により正確に知ることができる。そし
て、昇温中の分子集合体の構造を光学顕微鏡により経時
的に観察すると、所定の温度に達すると繊維状分子集合
体が急に縮小して球状の小胞体に変化し、球状の小胞体
の生成が認められる。また、肉眼で観察した場合も、綿
状の繊維状物質を含む水溶液が不均一状態から、均一状
態の希薄不透明溶液に変化することで確認することがで
きる。この温度は、通常70〜80℃の範囲である。こ
のようにして生成する球状O‐グリコシド分子集合体
は、空気中に単離することはできないが、水溶液中にお
いてはゲル−液晶相転移温度以上で安定である。
【0023】本発明方法のさらに別の実施態様による
と、原料のO‐グリコシドを溶媒非存在下、例えば固体
粉末のままで加温し、液晶性の分子集合を行わせること
により、液晶型O‐グリコシド分子集合体を製造するこ
とができる。この際の昇温速度としては、0.5〜10
℃/分の範囲が適当である。また、加温温度は120〜
140℃の範囲である。この際の液晶の生成は、光学顕
微鏡を用いて簡単に確認することができる。
と、原料のO‐グリコシドを溶媒非存在下、例えば固体
粉末のままで加温し、液晶性の分子集合を行わせること
により、液晶型O‐グリコシド分子集合体を製造するこ
とができる。この際の昇温速度としては、0.5〜10
℃/分の範囲が適当である。また、加温温度は120〜
140℃の範囲である。この際の液晶の生成は、光学顕
微鏡を用いて簡単に確認することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明方法により得られるO‐グリコシ
ド分子集合体は、例えば、ファインケミカル工業分野、
医薬、化粧品分野などにおけるリポソーム膜形成材料、
超薄膜や極微小構造体として、電子・情報分野などにお
けるマイクロ電子部品と、あるいは食品工業、農林業、
繊維工業などにおける乳化剤、安定剤、分散剤、湿潤剤
などとして有用であり、工業的利用価値が高い。
ド分子集合体は、例えば、ファインケミカル工業分野、
医薬、化粧品分野などにおけるリポソーム膜形成材料、
超薄膜や極微小構造体として、電子・情報分野などにお
けるマイクロ電子部品と、あるいは食品工業、農林業、
繊維工業などにおける乳化剤、安定剤、分散剤、湿潤剤
などとして有用であり、工業的利用価値が高い。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、薄層クロマトグラフィーのR
f値としては、ヘキサン/酢酸エチル(容積比6/4)
混合溶媒を展開溶媒としたときの値をRf1とした。
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、薄層クロマトグラフィーのR
f値としては、ヘキサン/酢酸エチル(容積比6/4)
混合溶媒を展開溶媒としたときの値をRf1とした。
【0026】参考例1
カシューナッツオイルを約400Paで2回真空蒸留
し、220℃から235℃の沸点をもつ成分を集めてカ
ルダノールを得た。そのカルダノール1.52g(5ミ
リモル)を無水塩化メチレン(10ml)に溶解させ、
2gのモレキュラーシーブ4Aの存在下、β‐D‐グル
コースペンタアセテート3.9g(5ミリモル)と三フ
ッ化ホウ素ジエチルエーテル0.62ml(5ミリモ
ル)を加えた。反応混合物は室温で24時間かきまぜた
のち、5%−炭酸水素ナトリウム水溶液中に注加した。
有機相を分別し、炭酸水素ナトリウム水溶液、続いて水
で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。
有機溶媒を減圧下で完全に留去し、得られた粗生成物を
エタノールから再結晶させた。得られた生成固体をヘキ
サン/酢酸エチル(容積比7/3)混合溶媒を溶出液と
してカラムクロマトグラフィーを行い、白色固体の1‐
(O‐β‐D‐グルコピラノシドテトラアセテート)カ
ルダノール2.36g(収率75%)を得た。このもの
の物理的性質は次のとおりである。 薄層クロマトグラフィーのRf値:Rf1=0.47 融点:60℃
し、220℃から235℃の沸点をもつ成分を集めてカ
ルダノールを得た。そのカルダノール1.52g(5ミ
リモル)を無水塩化メチレン(10ml)に溶解させ、
2gのモレキュラーシーブ4Aの存在下、β‐D‐グル
コースペンタアセテート3.9g(5ミリモル)と三フ
ッ化ホウ素ジエチルエーテル0.62ml(5ミリモ
ル)を加えた。反応混合物は室温で24時間かきまぜた
のち、5%−炭酸水素ナトリウム水溶液中に注加した。
有機相を分別し、炭酸水素ナトリウム水溶液、続いて水
で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。
有機溶媒を減圧下で完全に留去し、得られた粗生成物を
エタノールから再結晶させた。得られた生成固体をヘキ
サン/酢酸エチル(容積比7/3)混合溶媒を溶出液と
してカラムクロマトグラフィーを行い、白色固体の1‐
(O‐β‐D‐グルコピラノシドテトラアセテート)カ
ルダノール2.36g(収率75%)を得た。このもの
の物理的性質は次のとおりである。 薄層クロマトグラフィーのRf値:Rf1=0.47 融点:60℃
【0027】次に、45重量%のトリメチルアミン水溶
液を4倍容量のメタノールと混合させ、得られた1‐
(O‐β‐D‐グルコピラノシドテトラアセテート)カ
ルダノール(1.26g、2ミリモル)と24時間反応
させた。溶媒を減圧下、留去したのち、得られたシロッ
プ状残さをメタノール/アセトニトリル(容積比1/
2)混合溶媒から結晶化させ、さらに同一溶媒から再結
晶することにより、目的とする脱アセチル化した1‐
(O‐β‐D‐グルコピラノシド)カルダノールをほぼ
定量的に白色固体0.88g(収率95%)として得
た。このものの物理的性質は次のとおりである。 融点:135.2℃
液を4倍容量のメタノールと混合させ、得られた1‐
(O‐β‐D‐グルコピラノシドテトラアセテート)カ
ルダノール(1.26g、2ミリモル)と24時間反応
させた。溶媒を減圧下、留去したのち、得られたシロッ
プ状残さをメタノール/アセトニトリル(容積比1/
2)混合溶媒から結晶化させ、さらに同一溶媒から再結
晶することにより、目的とする脱アセチル化した1‐
(O‐β‐D‐グルコピラノシド)カルダノールをほぼ
定量的に白色固体0.88g(収率95%)として得
た。このものの物理的性質は次のとおりである。 融点:135.2℃
【0028】参考例2
参考例1におけるカルダノールの代わりに、3′‐n‐
ペンタデシルフェノールを用いること以外は、参考例1
と同様な操作によって、次に示す化合物を得た。 3′‐n‐ペンタデシルフェニル‐2,3,4,6‐O
‐アセチル‐β‐D‐グルコピラノシド(白色固体) 薄層クロマトグラフィーのRf値:Rf1=0.55 融点:101℃ 3′‐n‐ペンタデシルフェニル‐β‐D‐グルコピラ
ノシド(白色固体) 融点:143.5℃
ペンタデシルフェノールを用いること以外は、参考例1
と同様な操作によって、次に示す化合物を得た。 3′‐n‐ペンタデシルフェニル‐2,3,4,6‐O
‐アセチル‐β‐D‐グルコピラノシド(白色固体) 薄層クロマトグラフィーのRf値:Rf1=0.55 融点:101℃ 3′‐n‐ペンタデシルフェニル‐β‐D‐グルコピラ
ノシド(白色固体) 融点:143.5℃
【0029】実施例1
参考例1において得られた1‐(O‐β‐D‐グルコピ
ラノシド)カルダノール100mgをフラスコに秤取
し、これに水5mlを加え、マントルヒータを用いて加
熱し、沸騰させて溶解させた。マントルヒータの加熱温
度をゆっくりと調節し、0.2℃/分の冷却速度で降温
させながら、2日間放置した。生成した繊維状物質を水
溶液のまま、光学顕微鏡観察を行うとピッチが約100
nm、幅が約200nm、長さが数10μm〜数100
μmのコイル状繊維からなる分子集合体であることが分
った。この分子集合体の光学顕微鏡写真の模写図を図1
に示す。
ラノシド)カルダノール100mgをフラスコに秤取
し、これに水5mlを加え、マントルヒータを用いて加
熱し、沸騰させて溶解させた。マントルヒータの加熱温
度をゆっくりと調節し、0.2℃/分の冷却速度で降温
させながら、2日間放置した。生成した繊維状物質を水
溶液のまま、光学顕微鏡観察を行うとピッチが約100
nm、幅が約200nm、長さが数10μm〜数100
μmのコイル状繊維からなる分子集合体であることが分
った。この分子集合体の光学顕微鏡写真の模写図を図1
に示す。
【0030】実施例2
実施例1において沸騰水を用いる代わりに、水/エタノ
ール混合溶媒(10:1、容積比)を用い、約70℃で
加熱溶解すること以外は、実施例1と同様な条件で操作
することにより繊維状の分子集合体を得た。この分子集
合体を水溶液のまま、光学顕微鏡観察した結果、ピッチ
が約100nm、幅が約200nm、長さが数10μm
〜数100μmのコイル状繊維からなる分子集合体であ
った。
ール混合溶媒(10:1、容積比)を用い、約70℃で
加熱溶解すること以外は、実施例1と同様な条件で操作
することにより繊維状の分子集合体を得た。この分子集
合体を水溶液のまま、光学顕微鏡観察した結果、ピッチ
が約100nm、幅が約200nm、長さが数10μm
〜数100μmのコイル状繊維からなる分子集合体であ
った。
【0031】実施例3
実施例1において沸騰水を用いる代わりに、水/アセト
ン混合溶媒(10:1、容積比)を用い、約70℃で加
熱溶解すること以外は、実施例1と同様な条件で操作す
ることにより繊維状分子集合体を得た。この分子集合体
を水溶液のまま、光学顕微鏡観察した結果、ピッチが約
100nm、幅が約200nm、長さが数10μm〜数
100μmのコイル状繊維からなる分子集合体であるこ
とが分った。
ン混合溶媒(10:1、容積比)を用い、約70℃で加
熱溶解すること以外は、実施例1と同様な条件で操作す
ることにより繊維状分子集合体を得た。この分子集合体
を水溶液のまま、光学顕微鏡観察した結果、ピッチが約
100nm、幅が約200nm、長さが数10μm〜数
100μmのコイル状繊維からなる分子集合体であるこ
とが分った。
【0032】実施例4
実施例1において1‐(O‐β‐D‐グルコピラノシ
ド)カルダノールを用いる代わりに、参考例2で得た
3′‐n‐ペンタデシルフェニル‐β‐D‐グルコピラ
ノシドを用いて、実施例1と同様な条件で操作すること
により繊維状分子集合体を得た。この分子集合体を水溶
液のまま、光学顕微鏡観察を行った結果、ピッチが約1
00nm、幅が約200nm、長さが数10μm〜数1
00μmのねじれた繊維状の分子集合体であることが分
った。
ド)カルダノールを用いる代わりに、参考例2で得た
3′‐n‐ペンタデシルフェニル‐β‐D‐グルコピラ
ノシドを用いて、実施例1と同様な条件で操作すること
により繊維状分子集合体を得た。この分子集合体を水溶
液のまま、光学顕微鏡観察を行った結果、ピッチが約1
00nm、幅が約200nm、長さが数10μm〜数1
00μmのねじれた繊維状の分子集合体であることが分
った。
【0033】実施例5
実施例1で得られた繊維状分子集合体を含む水溶液を昇
温速度8℃/分で約78℃まで加温することにより、繊
維状分子集合体は球状の分子集合体へと形態変化を起こ
し、直径が約1〜3μmのベシクルを得た。球状の形態
は光学顕微鏡により容易に確認された。このものの光学
顕微鏡写真の模写図を図2に示す。
温速度8℃/分で約78℃まで加温することにより、繊
維状分子集合体は球状の分子集合体へと形態変化を起こ
し、直径が約1〜3μmのベシクルを得た。球状の形態
は光学顕微鏡により容易に確認された。このものの光学
顕微鏡写真の模写図を図2に示す。
【0034】実施例6
参考例1において得られた1‐(O‐β‐D‐グルコピ
ラノシド)カルダノールを固体粉末のまま昇温速度2℃
/分で125℃まで加温することにより、スメチクチッ
ク型のサーモトロピック液晶が得られた。液晶の同定確
認は偏光光学顕微鏡により特徴的な光学組織として確認
することにより行った。
ラノシド)カルダノールを固体粉末のまま昇温速度2℃
/分で125℃まで加温することにより、スメチクチッ
ク型のサーモトロピック液晶が得られた。液晶の同定確
認は偏光光学顕微鏡により特徴的な光学組織として確認
することにより行った。
【0035】実施例7
参考例2において得られた3′‐n‐ペンタデシルフェ
ニル‐β‐D‐グルコピラノシドを固体粉末のまま昇温
速度5℃/分で129〜130℃まで加温することによ
り、スメチクチック型のサーモトロピック液晶が得られ
た。液晶の同定確認は偏光光学顕微鏡を用いた観察によ
り行った。
ニル‐β‐D‐グルコピラノシドを固体粉末のまま昇温
速度5℃/分で129〜130℃まで加温することによ
り、スメチクチック型のサーモトロピック液晶が得られ
た。液晶の同定確認は偏光光学顕微鏡を用いた観察によ
り行った。
【図1】 実施例1で得た繊維状の分子集合体の光学顕
微鏡写真の模写図。
微鏡写真の模写図。
【図2】 実施例5で得た球状の分子集合体の光学顕微
鏡写真の模写図。
鏡写真の模写図。
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C07H 15/203
CA(STN)
REGISTRY(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】 アルドース残基をグリコシル基とし、一
般式 【化1】 (式中のRは炭素数12〜18の脂肪族飽和又は不飽和
直鎖状炭化水素基である)で表わされる基をアグリコン
とするO‐グリコシドを、高めた温度の水に飽和濃度ま
で溶解させたのち、この水溶液を徐冷して分子集合を起
させることを特徴とする繊維状O‐グリコシド分子集合
体の製造方法。 - 【請求項2】 アルドース残基をグリコシル基とし、一
般式 【化2】 (式中のRは炭素数12〜18の脂肪族飽和又は不飽和
直鎖状炭化水素基である)で表わされる基をアグリコン
とするO‐グリコシドを、高めた温度の水に飽和濃度ま
で溶解させたのち、この水溶液を徐冷して繊維状分子集
合体を形成させ、次いでこれを加温して球状化させるこ
とを特徴とする球状O‐グリコシド分子集合体の製造方
法。 - 【請求項3】 アルドース残基をグリコシル基とし、一
般式 【化3】 (式中のRは炭素数12〜18の脂肪族飽和又は不飽和
直鎖状炭化水素基である)で表わされる基をアグリコン
とするO‐グリコシドを、溶媒非存在下で加温し、液晶
性の分子集合を起させることを特徴とする液晶型O‐グ
リコシド分子集合体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000070880A JP3533440B2 (ja) | 2000-03-14 | 2000-03-14 | O‐グリコシド分子集合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000070880A JP3533440B2 (ja) | 2000-03-14 | 2000-03-14 | O‐グリコシド分子集合体の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001261692A JP2001261692A (ja) | 2001-09-26 |
| JP3533440B2 true JP3533440B2 (ja) | 2004-05-31 |
Family
ID=18589545
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000070880A Expired - Lifetime JP3533440B2 (ja) | 2000-03-14 | 2000-03-14 | O‐グリコシド分子集合体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3533440B2 (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4174702B2 (ja) * | 2001-04-26 | 2008-11-05 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 非対称双頭型脂質から成るチューブ状凝集体 |
| JP4048289B2 (ja) * | 2002-02-26 | 2008-02-20 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 微細自己集合体 |
| JP2003252893A (ja) | 2002-02-26 | 2003-09-10 | Japan Science & Technology Corp | 繊維状ナノ自己集合体 |
| JP2006143723A (ja) * | 2005-11-16 | 2006-06-08 | Japan Science & Technology Agency | 微細自己集合体 |
-
2000
- 2000-03-14 JP JP2000070880A patent/JP3533440B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
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