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JP3540255B2 - 液晶表示装置の導通不良修正方法 - Google Patents
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JP3540255B2 - 液晶表示装置の導通不良修正方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置の導通不良修正方法に関するものであり、特に液晶パネルの基板間に設けられた導通部における導通不良を修正する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
単純マトリクス方式の液晶表示装置(単純マトリクス型液晶表示装置)は、表面にITOなどの透明電極からなる電極パターンが形成され、さらにこの電極パターンを覆うようにしてポリイミドなどからなる配向膜が形成された一対の基板を有している。この一対の基板は、電極パターンが形成された表面同士が対向し、スペーサによって所定の間隔が保たれた状態で、その周囲をエポキシ系樹脂などからなるシール材で固定されている。そして、一対の基板の間であり、周囲をシール材によって囲まれた空間には、液晶材料が注入されている。
【0003】
このような構成である単純マトリクス型液晶表示装置は、各基板に形成された電極パターン間に電圧が印加されることにより、各電極パターンが互いに対向する位置(セル)における液晶材料に電界が印加され、液晶材料の偏光特性がコントロールされることにより、画像を表示するものである。
【0004】
上記単純マトリクス型液晶表示装置は、各電極パターン間に電圧を印加するドライバを接続するために、電極パターンの端部が基板の端部に引き出されることにより端子部が形成されている。ここで、上記単純マトリクス型液晶表示装置の中には、各端子を一括してドライバに接続するために、端子部を一方の基板にのみ設置しているものがある。このような単純マトリクス型液晶表示装置では、端子部が設置されていない基板上の電極パターンと端子部とを接続するために、各基板間にカーボンペーストや銀ペーストからなる導通材を挟持させることにより導通部が形成されている。
【0005】
従来における導通部の構造を、図8に基づいて説明する。図8(a)は、導通部を有する従来の単純マトリクス型液晶表示装置における導通部の構造を示す平面図であり、図8(b)は、図8(a)におけるA−A線矢視断面図である。
【0006】
この単純マトリクス型液晶表示装置は、導通材106により、下基板102に形成された走査電極端子104と、上基板108に形成された走査電極110とが電気的に導通するような構成となっている。また、多数本の走査電極110により、上基板108の電極パターンが形成されている。ここで、導通材106は、印刷法などによりパターニングされて形成されており、走査電極端子104と走査電極110とを1対1に対応させて導通している。
【0007】
また、シール材112は、上基板108の外周付近において、走査電極110により形成される電極パターンを取り囲むように配置されている。そして、上基板108、下基板102およびシール材112により囲まれた領域に液晶材料(図示せず)が封入されている。なお、図8では、配向膜や、下基板102に形されるデータ電極、データ電極に接続されるデータ電極端子などは省略し、図示していない。
【0008】
このような構造の導通部では、走査電極端子104と走査電極110との間における導通不良や断線などが問題となることは稀であった。
【0009】
しかし、上記のように印刷法などによって導通部を形成する構造では、液晶表示装置の表示容量拡大、およびそれに伴う電極パターンのファインピッチ化に対応することが困難であった。
【0010】
そこで、シール材内部に微細な導通部材を分散させることによって導通部を形成する構造が採用された。この構造について図9に基づいて説明する。図9(a)は、導通部を有する従来の単純マトリクス型液晶表示装置における別の導通部の構造を示す平面図であり、図9(b)は、図9(a)におけるB−B線矢視断面図である。なお、図8に基づいて説明した構成要素と同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0011】
この構造では、図8における導通材106の代わりに導通部材114が用いられている。そして、この導通部材114がシール材112の内部に配置されることにより、導通部が構成されている。
【0012】
この導通部は、導通部材114となる導電性を有する微粒子を、シール材112の内部に分散させておき、このシール材112により上基板108と下基板102とを貼り合わせることにより形成される。ここで、上基板108と下基板102とを貼り合わせる際には、これらを適度に加圧する。これにより、導通部材114と走査電極端子104および走査電極110との間に介在するシール材112の材料が絞り出されるようにして除去されることになり、導通部材114と走査電極端子104および走査電極110とが直接接触して導通が得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図9に示した導通部を上記の方法により形成する場合では、多数の導通部のうちの一部において、導通部材114と走査電極端子104および走査電極110との間に介在するシール材112の材料(以下、介在シール材と称す)を充分に除去することができず、充分な導通が得られない状態となる場合があった。
【0014】
ここで、導通部は、走査電極端子104および走査電極110間に形成されているため、走査電極端子104に電圧を印加した場合において、導通が充分でない導通部、すなわち電気抵抗が高い導通部(以下、不良導通部と称す)では、電圧降下を招来することになる。したがって、不良導通部に接続された走査電極110による液晶表示部分では、表示画像が薄くなったり、表示不能となるなどの現象が起こるため、表示画像全体としては、ムラや欠陥部分が生じるなど、表示品位の劣化を招来することになる。
【0015】
上記不良導通部は、上・下基板108・102(以下、単に基板と称す)の平滑性やフレキシビリティ、基板を貼り合わせる際における加圧バラツキなどの影響によって形成される。
【0016】
また、特に、基板として、プラスチックや樹脂などの高分子材料を用いる場合には、上記問題が顕著になる。一般に、高分子材料は、ガラスなどに比べて表面硬さ(表面硬度)が小さく、また、平滑性も劣る。
【0017】
ここで、基板としてガラスを用いる場合では、基板の貼り合わせの際の加圧により、基板における導通部材114と対向する部分の変形量は小さい。したがって、介在シール材に充分に圧力が加わることになるため、介在シール材を完全に除去することができる。
【0018】
一方、基板としてプラスチックを用いる場合では、基板の貼り合わせの際の加圧により、基板における導通部材114と対向する部分が大きく変形することになり、介在シール材に充分に圧力を加えることができず、介在シール材を完全に除去することが困難となる。したがって、導通部材114が、介在シール材により被覆された状態となり、接触抵抗(接続抵抗)が大きくなる。
【0019】
これに対し、部分的な加圧を施すなどの機械的加工(物理的加工)により導通部の接触状態を修正することも考えられる。しかし、導通部材114の直径が10μm程度と小さいこと、介在シール材の厚みが導通部材114の直径の1/10(1μm)程度であることから、上記機械的加工による修正は困難である。さらに、上記機械的加工を施す場合は、基板の破壊(ワレ、欠けなど)といった新たな問題を招来することにもなる。
【0020】
一方、上記機械的加工とは異なり、基板上に形成された電極の不良部分に対して電気的な加工を施す方法が、例えば、特開平2−301722号公報や特開平3−245125号公報などに開示されている。
【0021】
しかし、特開平2−301722号公報に開示されている方法は、基板上の電極において、本来絶縁されているべき電極間が短絡されている短絡欠陥を修正するものであり、電極を溶かす程度の高電流を流す方法である。そのため、この方法は、上記問題に対処するための方法としては適していない。さらに、本公報には、電極に流す電流に関して直流・交流・パルス波形などが例示されているものの、実際に実施するにあたって適切な条件については言及されておらず、実用的ではない。
【0022】
また、特開平3−245125号公報に開示されている方法は、電極に高電圧を印加することにより、経時変化によって断線するおそれのある欠陥箇所を予め断線させることによって、不良品を選別するものである。そのため、この方法も、上記問題に対処するための方法としては適していない。さらに、この方法では、5kV程度の電圧を瞬間的に印加するため、液晶材料が電気分解するおそれがある。
【0023】
本発明は、基板間の導通をとるための導通部を有する液晶表示装置に対して、機械的加工などによる基板破損の危険性を回避しつつ、導通部に発生する導通不良を修正し、液晶表示装置の表示品位の向上を図るとともに、製造歩留りの向上を図ることを可能とする液晶表示装置の導通不良修正方法を提供することを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置の導通不良修正方法は、上記の課題を解決するために、液晶材料を挟持する一対の基板と、該各基板の互いに対向する面にそれぞれ形成された導電配線と、前記各導電配線間に導電性を有する導通部材が挟持されてなる導通部と、前記一対の基板を貼り合わせるために前記導通部の周囲に設けられたシール部材とを備えた液晶表示装置に対して、前記各導電配線から前記導通部に交流電圧を印加し、前記各基板には、それぞれ前記液晶材料を介して対向する第1電極および第2電極が形成されており、前記基板の一方に形成された導電配線が前記第1電極であり、前記基板の他方に形成された導電配線が前記第1電極へ電位を付与するための第1端子であって、前記第1端子と、前記第2電極へ電位を付与するための第2端子との間に前記交流電圧を印加し、前記印加する交流電圧の最大電圧値が前記液晶材料の駆動電圧より高く、500Vより低いことを特徴としている。
【0025】
上記の方法によれば、各基板に形成された導電配線の間に導電性の導通部材を挟持しつつ、周囲をシール部材により囲まれてなる導通部に対して、各導電配線から交流電圧を印加する。
【0026】
上記の導通部は、各導電配線と導通部材とが接触することにより電気的導通が形成されるものである。ところが、導通部の周囲にはシール部材が設けられているため、特にシール部材の形成工程などにおいて、各導電配線と導通部材との間にシール部材が介在してしまい、電気的導通が阻害されることがある。
【0027】
これに対して上記の方法では、各導電配線から交流電圧を印加することにより、導通不良を生じている導通部において、介在するシール部材で誘電損失に起因する熱が発生することになる。この発熱によってシール部材が軟化することで、各導電配線と導通部材との間に介在していたシール部材が排除されることがある。あるいは、各導電配線から交流電圧を印加することにより、導通不良を生じている導通部において、介在するシール部材の薄膜が絶縁破壊されることがある。交流電圧を印加することによるこれらの現象により、各導電配線と導通部材との間の接触状態が改善され、導通不良を修正することが可能になる。
【0028】
その結果、液晶表示装置において、導通部の導通不良に起因する表示画質の劣化などを回避することができる。また、液晶表示装置の製造工程において導通不良による歩留り低下を抑制することができる。
【0029】
また、上記の方法によれば、例えば単純マトリクス型液晶表示装置のように、液晶材料を介して対向する第1電極および第2電極と、これらにそれぞれ電位を付与するための第1端子および第2端子とを有し、第1電極と第1端子との間に導通部が形成されている液晶表示装置に対して、第1端子と第2端子との間に上記交流電圧を印加する。
【0030】
上記の方法では、第1端子と第2端子との間に交流電圧を印加することで、第2電極から液晶材料を介して第1電極と第1端子との間、すなわち導通部に交流電圧を印加することができる。また、第1端子および第2端子として、本液晶表示装置を駆動する駆動回路 を接続するための端子を用いることができる。
【0031】
したがって、例えば本液晶表示装置の製造工程において点灯表示検査など、第1端子および第2端子間に電圧を印加する工程に用いる検査装置とほぼ同様の装置で、かつ、連続する工程にて上記方法を実施することができる。
【0032】
その結果、工数の削減や作業の簡素化を図るとともに、検査装置・治具などを共通化することにより設備の簡素化を図りつつ、上記導通不良の修正を行うことが可能になる。
【0033】
また、印加する交流電圧の最大電圧値が液晶材料の駆動電圧以下の場合は、電圧が低いために導通不良の修正効果が充分でない場合がある。一方、印加する交流電圧の最大電圧値が500V以上となる場合は、交流電圧を印加する際に介する液晶材料の電気分解を促すことがあり、液晶材料の劣化を招来することがある。
【0034】
そこで、印加する交流電圧の最大電圧値を上記の範囲に設定することにより、液晶材料の劣化を回避しつつ、導通不良の修正効果を向上させることが可能となる。
【0035】
本発明の液晶表示装置の導通不良修正方法は、上記の課題を解決するために、液晶材料を挟持する一対の基板と、該各基板の互いに対向する面にそれぞれ形成された導電配線と、前記各導電配線間に導電性を有する導通部材が挟持されてなる導通部と、前記一対の基板を貼り合わせるために前記導通部の周囲に設けられたシール部材とを備えた液晶表示装置に対して、前記各導電配線から前記導通部に交流電圧を印加し、前記各基板には、それぞれ前記液晶材料を介して対向する第1電極および第2電極が形成されており、前記基板の一方に形成された導電配線が前記第1電極であり、前記基板の他方に形成された導電配線が前記第1電極へ電位を付与するための第1端子であって、前記第1端子と、前記第2電極へ電位を付与するための第2端子との間に前記交流電圧を印加し、前記印加する交流電圧の周波数が10Hzより高く、10kHzより低いことを特徴としている。
【0036】
上記の方法によれば、各基板に形成された導電配線の間に導電性の導通部材を挟持しつつ、周囲をシール部材により囲まれてなる導通部に対して、各導電配線から交流電圧を印加する。
【0037】
上記の導通部は、各導電配線と導通部材とが接触することにより電気的導通が形成されるものである。ところが、導通部の周囲にはシール部材が設けられているため、特にシール部材の形成工程などにおいて、各導電配線と導通部材との間にシール部材が介在してしまい、電気的導通が阻害されることがある。
【0038】
これに対して上記の方法では、各導電配線から交流電圧を印加することにより、導通不良を生じている導通部において、介在するシール部材で誘電損失に起因する熱が発生することになる。この発熱によってシール部材が軟化することで、各導電配線と導通部材との間に介在していたシール部材が排除されることがある。あるいは、各導電配線から交流電圧を印加することにより、導通不良を生じている導通部において、介在するシール部材の薄膜が絶縁破壊されることがある。交流電圧を印加することによるこれらの現象により、各導電配線と導通部材との間の接触状態が改善され、導通不良を修正することが可能になる。
【0039】
その結果、液晶表示装置において、導通部の導通不良に起因する表示画質の劣化などを回避することができる。また、液晶表示装置の製造工程において導通不良による歩留り低下を抑制することができる。
【0040】
また、上記の方法によれば、例えば単純マトリクス型液晶表示装置のように、液晶材料を介して対向する第1電極および第2電極と、これらにそれぞれ電位を付与するための第1端子および第2端子とを有し、第1電極と第1端子との間に導通部が形成されている液晶表示装置に対して、第1端子と第2端子との間に上記交流電圧を印加する。
【0041】
上記の方法では、第1端子と第2端子との間に交流電圧を印加することで、第2電極から液晶材料を介して第1電極と第1端子との間、すなわち導通部に交流電圧を印加することができる。また、第1端子および第2端子として、本液晶表示装置を駆動する駆動回路を接続するための端子を用いることができる。
【0042】
したがって、例えば本液晶表示装置の製造工程において点灯表示検査など、第1端子および第2端子間に電圧を印加する工程に用いる検査装置とほぼ同様の装置で、かつ、連続する工程にて上記方法を実施することができる。
【0043】
その結果、工数の削減や作業の簡素化を図るとともに、検査装置・治具などを共通化することにより設備の簡素化を図りつつ、上記導通不良の修正を行うことが可能になる。
【0044】
また、液晶材料は、交流電圧が印加された場合より直流電圧が印加された場合の方が電気分解されやすい。ここで、印加する交流電圧の周波数が10Hz以下の場合は、交流電圧の直流成分が多くなるため、液晶材料の電気分解を促すことがある。
【0045】
一方、印加する交流電圧の周波数が10kHz以上となると、例えば上記導電性弾性部材などの交流電圧を印加するための経路におけるインピーダンスが増大する。そのため、導通部に所定の電圧を印加することが困難となる場合があり、導通不良の修正効果が低減することがある。
【0046】
そこで、印加する交流電圧の周波数を上記範囲に設定することにより、液晶材料の劣化を回避しつつ、導通不良の修正効果を向上させることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1から図7、および図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。まず、図2および図3に基づいて、本実施の形態に係る液晶パネルの一例について説明する。図2(a)は、本実施の形態に係る液晶パネル2の平面図であり、図2(b)は、図2(a)のC−C線矢視断面図、図2(c)は、図2(a)のD−D線矢視断面図(拡大図)である。また、図3(a)は、液晶パネル2における下基板(基板)4bの平面図であり、図3(b)は、上基板(基板)4aの平面図である。なお、図3(a)および図3(b)は、図2(a)と同じ方向から見た場合の平面図である。
【0048】
本液晶パネル2は、液晶パネル2の表示面側の基板である上基板4aと、背面側の基板である下基板4bとが、互いの間に液晶材料16を挟持した状態で、周囲においてシール部材14にて一体化されることにより構成されている。シール部材14は、その一部に液晶材料16を注入するための開口部14aを有しており、この開口部14aは、液晶材料16注入後に封止される。なお、図2(a)においては、シール部材14が形成されている部分を斜線にて表す。
【0049】
上基板4aおよび下基板4bは、それぞれ互いに対向する面に、複数のライン状の電極がストライプ状に配置されてなる走査電極(上電極、導電配線、第1電極)6aおよびデータ電極(下電極、第2電極)6bを有している。図2(a)並びに図3(a)および図3(b)では、図を簡略化するために走査電極6aを破線で、データ電極6bを実線で表している。
【0050】
走査電極6aおよびデータ電極6bは、液晶パネル2の表示部2aにおいて、互いにその方向が直交するように配置されている。そして、走査電極6aおよびデータ電極6bが液晶材料16を介して重なる部分において、画像表示の最小単位であるセル2bが形成されている。図2(a)並びに図3(a)および図3(b)では、セル2bを実線の四角形で表している。なお、上基板4aおよび下基板4bにおいて、液晶材料16と接する部分(走査電極6a上およびデータ電極6b上も含む)は、配向膜18で覆われている。
【0051】
この液晶パネル2において実際に液晶表示を行う際には、走査電極6aおよびデータ電極6bそれぞれに電位が付与されることにより、容量(コンデンサ)を形成するセル2bに電界が発生する。そして、発生した電界により、液晶材料16の光学特性(偏光特性)が変化され、液晶パネル2を透過する光の強弱がコントロールされることにより、表示部2a全体で表示画像が形成される。
【0052】
走査電極6aおよびデータ電極6bへの電位は、液晶パネル2の端部に形成された端子8に接続される駆動回路(図示せず)から付与される。端子8としては、走査電極6aへの電位を付与する走査電極端子(導電配線、第1端子)8aと、データ電極6bへの電位を付与するデータ電極端子(第2端子)8bとが必要である。ここで、走査電極6aは上基板4aに、データ電極6bは下基板4bにそれぞれ形成されているため、走査電極端子8aおよびデータ電極端子8bをそれぞれ上基板4aおよび下基板4bに形成することが考えられる。
【0053】
ところが、この場合、走査電極端子8aおよびデータ電極端子8bがそれぞれ別々の基板上に形成されることから、各端子8に駆動回路などを別々に接続することが必要になり、構成の簡素化や、小型化が阻害されることになる。
【0054】
そこで、本液晶パネル2では、上基板4aと下基板4bとの間に導通部(COM転移とも称す、詳細は後述する)10を設けることにより、走査電極端子8aおよびデータ電極端子8bを、いずれか一方の基板(ここでは、下基板4b)に形成する構造がとられている。したがって、データ電極端子8bは、データ電極6bが単に延長されることにより形成されるが、走査電極端子8aは、走査電極6aとの間に導通部10を介して接続されている。なお、図2(a)並びに図3(a)および図3(b)では、導通部10を実線の丸印で表している。
【0055】
ここで、導通部10の構造について、特に図2(c)に基づいて説明する。導通部10は、シール部材14の内部に配置された導通部材12により形成されている。ここで、導通部材12は、上基板4aと下基板4bとのギャップに相当する直径を有し、かつ、導電性を有する球状の部材である。そして、導通部材12は、走査電極6aおよび走査電極端子8aのそれぞれに接触することにより、走査電極6aと走査電極端子8aとの間の電気的導通を形成している。
【0056】
次に、導通部10の形成方法について、図4に基づいて説明する。図4(a)から図4(c)は、導通部10の形成工程を順に表した断面図である。なお、ここでは上基板4aおよび下基板4bとしてガラス基板を用いた場合について説明する。
【0057】
導通部10を形成するためには、まず、シール部材14を形成するためのシール材に、導通部材12を分散させる。
【0058】
ここで、シール材としては、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂などを用いることができる。また、導通部材12としては、プラスチック等の基材表面に金、ニッケルなどの導通性の高い材料をコートしたものを用いることができる。そして、導通部材12をシール材中に凝集なく適度に分散させる。導通部材12の分散が不十分で導通部材12が凝集していると、隣接する走査電極端子8a間に導通部材12が連なってまたがり、走査電極端子8a間が短絡されることがある。
【0059】
上記で得たシール材を、例えば下基板4bにおけるシール部材14を形成すべき領域(図2(a)斜線部)に塗布する。そして、上基板4aを下基板4bに位置合わせしつつ対向させる(図4(a)に示す状態)。この上基板4aおよび下基板4bを徐々に接近させることにより、導通部材12と走査電極6aおよび走査電極端子8aとの間に介在していたシール材が徐々に絞り出されるようにして排除され、やがて導通部材12が走査電極6aおよび走査電極端子8aの両方に接する(図4(b)に示す状態)。さらに、上基板4aおよび下基板4bを加圧することにより、導通部材12と走査電極6aおよび走査電極端子8aとの接触面積が増加し、この部分の導通が確実になる(図4(c)に示す状態)。
【0060】
なお、シール材を塗布した後に、シール材の所定の部分(導通部10)にのみ導通部材12を分散させてシール部材14を形成してもよい。これにより、必要となる導通部材12の量を最小限に抑えることができる。
【0061】
上記により、導通が確実になった状態で、シール材を硬化させることにより、上基板4aおよび下基板4bが一体化されるとともに、導通部10が形成される。なお、上記の説明は、正常な導通部10が形成された場合に関するものである。
【0062】
このようにして形成された導通部10では、導通部材12をシール材中に適切な密度で分散させているため、導通部材12が横方向(上基板4aおよび下基板4bの面方向)に連なることを防ぐことができる。したがって、導通部材12による導通は、上下方向(上基板4aおよび下基板4bの面方向に対して垂直方向)のみに限られ、隣接する走査電極6a同士や走査電極端子8a同士は絶縁された状態を保つことができる。
【0063】
一方、導通部10を形成する際には、導通不良を生じる場合がある。これについて図5に基づいて説明する。図5(a)から図5(c)は、導通不良となる場合における導通部10の形成工程を順に表した断面図である。
【0064】
なお、ここで説明する導通不良は、上基板4aおよび下基板4bとして、プラスチックや樹脂などの高分子材料からなる基板を用いた場合に特に生じやすく、正常な導通部10と混在することになる。この高分子材料は一般にガラスより軽量であるため、高分子材料からなる基板を用いた場合には、液晶表示装置の軽量化を図ることができる。
【0065】
また、上基板4aおよび下基板4bとしてガラス基板を用いた場合においても、樹脂を用いた場合と比較して発生する割合は少ないものの、この導通不良は発生し得る現象である。
【0066】
この場合、シール材を塗布し、上基板4aおよび下基板4bを位置合わせしつつ対向させる(図5(a)に示す状態)段階では上記の場合と同様である。
【0067】
ところが、上基板4aおよび下基板4bを徐々に接近させる際に、シール材が十分排除されずに導通部材12を被覆した状態が保たれ、導通部材12と走査電極6aおよび走査電極端子8aとの接触が妨害される(図5(b)に示す状態)。これは、上基板4aおよび下基板4bが、表面硬度(表面硬さ)の小さい樹脂からなるため、上基板4aおよび下基板4bの表面が変形し、シール材に十分な圧力が加わらないためである。そして、さらに、上基板4aおよび下基板4bを加圧した際にも、上基板4aおよび下基板4bの変形量が大きくなり、導通部材12と走査電極6aおよび走査電極端子8aとは接触することがない(図5(c)に示す状態)。
【0068】
上記導通部10における導通不良を生じている部分は、液晶パネル2を駆動するための交流電圧(駆動電圧)を印加した際に、容量(コンデンサ)を形成することになり、この容量部分において、駆動電圧が電圧降下することになる。したがって、その導通部10に接続されている走査電極6aが形成するセル2bでは、正常な導通部10に接続されている走査電極6aが形成するセル2bと比較して、発生する電圧(すなわち、電界強度)が小さくなり、輝度が小さくなるなどの表示不良を招来することになる。
【0069】
本実施の形態では、上記導通部10における不良を修正するために、導通部10形成後に、図1に基づいて以下で説明する処置を液晶パネル2に施す。図1(a)は、本実施の形態に係る導通不良修正方法を実施する際の構成を示す平面図であり、図1(b)は、上記構成の側面図である。
【0070】
なお、図1(a)および図1(b)における液晶パネル2では、液晶パネル2の表示部2aの構成や上基板4aと下基板4bとの間の構成などについては図示を省略しているが、図2(a)および図2(b)、並びに図3(a)および図3(b)に基づいて説明した構成であるものとする。
【0071】
また、図1(a)および図1(b)には、走査電極端子8a群が2つの部分に分かれており、データ電極端子8b群が1つの部分からなる例を示しているが、これは、走査電極端子8aおよびデータ電極端子8bのレイアウトによって適宜変更可能である。また、後述する第1接続部材34aおよび第2接続部材34b(接続部材34、導電性弾性部材)、第1ケーブル32aおよび第2ケーブル32b(ケーブル32)、第1出力端子31aおよび第2出力端子31b(出力端子31)などは、走査電極端子8aおよびデータ電極端子8bのレイアウトに対応して設けるものとする。
【0072】
本実施の形態で用いる電圧印加装置30は、出力端子31を有している。そして、この電圧印加装置30を作動させることによって、第1出力端子31aと第2出力端子31bとの間に交流電圧が発生する。電圧印加装置30から発生する交流電圧の波形、電圧および周波数は、後述する条件に設定することができるものである。
【0073】
電圧印加装置30の出力端子31と、液晶パネル2における走査電極端子8a群およびデータ電極端子8b群との接続には、ケーブル32および接続部材34を用いる。ここで、第1ケーブル32aおよび第2ケーブル32bの一方の端部を、それぞれ第1出力端子31aおよび第2出力端子31bに接続し、他方の端部を、それぞれ第1接続部材34aおよび第2接続部材34bに接続する。そして、第1接続部材34aおよび第2接続部材34bを、それぞれ走査電極端子8a群およびデータ電極端子8b群上に設置する。
【0074】
ここで、接続部材34は、端子8(走査電極端子8aおよびデータ電極端子8b)上に設置することにより端子8と接触し、接続部材34と端子8との間の電気的接続が得られるものである。また、接続部材34は、ケーブル32の接続部分と、端子8の接触部分との間で電気的に導通しているものである。したがって、接続部材34としては、導電性および弾性を有するものが好ましく、例えば導電性ゴムなどが好適である。この導電性ゴムを用いた場合では、下基板4bや端子8などを傷付けるなどして破損する可能性も低いという利点もある。
【0075】
また、上記接続部材34の代わりに、多数の金属ピン(ピン)35などからなるプローバーを用いることもできる。この場合の構成を図6に示す。図6(a)は、本実施の形態に係る導通不良修正方法を実施する際の別の構成を示す平面図であり、図6(b)は、上記構成の側面図である。なお、図1に基づいて説明した構成要素と同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0076】
金属ピン35を用いた場合では、端子8のパターンごとに電気的接続を形成することができるため、より確実な接続が可能となる。また、端子8のパターンに応じて交流電圧を印加することができるため、特定の導通部10に対してのみ交流電圧を印加することも可能となる。そのため、部分的に導通不良の修正を行うこともでき、より柔軟な処理が可能となる。
【0077】
なお、上記構成を実現する装置としては、液晶表示装置の製造工程における点灯表示検査などの、走査電極端子8aとデータ電極端子8bとの間に電圧を印加する工程で用いる装置を共用することも可能である。この場合、装置や治具の共通化により、設備の簡素化や工程の簡略化を図ることができる。
【0078】
上記の構成(図1または図6に示す構成)により走査電極端子8a群とデータ電極端子8b群との間に交流電圧を印加すると、上記複数の導通部10(図2(c)参照)に対して並列的に交流電圧を印加することになる。したがって、各導通部10に対して等しい値の交流電圧が一括して印加されることになる。これにより、後述する導通不良修正の作用により、各導通部10での接触抵抗を均一化し、表示画像におけるムラなどを抑制することができる。
【0079】
なお、交流電圧の印加は、上基板4aと下基板4bとの間に液晶材料16を注入した後に行うことが好ましい。これにより、上基板4aと下基板4bとのギャップを安定させることができ、走査電極6aとデータ電極6bとが接触することによるショートを防ぐことができる。この場合、データ電極端子8bから付与された電位は、液晶材料16を介して走査電極6aに付与される(図2参照)。
【0080】
次に、導通部10への交流電圧印加による、導通不良の修正作用について、図5を用いて説明する。
【0081】
導通部10が導通不良状態にある場合は、上記したように、その部分で容量が形成される。この容量に対して交流電圧が印加されると、上基板4aおよび下基板4bと導通部材12との間に介在することにより容量を形成しているシール材(以下、介在シール材と称す)において、誘電損失によりエネルギーが消費される。この消費エネルギー量は、印加する交流電圧の実効値に応じて決定される。具体的には、導通部10に印加する交流電圧の実効値が大きくなると、導通部10において消費されるエネルギーが増大する。
【0082】
導通部10において消費されたエネルギーは、熱となって導通部10の温度を上昇させることになる。ここで、導通部10におけるシール部材14を形成するシール材として、温度上昇により軟化する物質を用いていると、交流電圧印加による温度上昇によってシール材が軟化する場合がある。
【0083】
また、導通不良状態にある導通部10では、図5(c)に示したように、上基板4aおよび下基板4bが一部変形しており、このため、この部分に応力が生じている。したがって、上記のように交流電圧の印加により介在シール材が軟化すると、上記応力が開放されて上基板4aおよび下基板4bの変形が修復され、介在シール材が上基板4aおよび下基板4bと導通部材12との間から排除されることになる。その結果、上基板4aおよび下基板4bと導通部材12との電気的導通が形成され、導通不良が修正される。
【0084】
あるいは、導通不良状態にある導通部10に対して交流電圧が印加されると、上基板4aおよび下基板4bと導通部材12との間の絶縁を保っている介在シール材が絶縁破壊される場合がある。このように、介在シール材が絶縁破壊されると、上基板4aおよび下基板4bと導通部材12との電気的導通が形成され、導通不良が修正される。
【0085】
このように、導通不良が修正される様子を図10に模式的に示す。図10(a)および図10(b)は、導通部10の導通不良が修正される様子を、模式的な回路により示した模式図であり、図10(a)は修正前の状態を、図10(b)は修正後の状態を示している。なお、図10では、回路上の要素のうち、前述した部材に相当するものに対して、対応する部材と同一の符号を付している。図10(a)の状態では、介在シール材により導通部10が絶縁されている。この状態に対して、上記のように交流電圧を印加すると、図10(b)の状態になり、導通部10の絶縁が解かれて正常な状態になる。
【0086】
次に、上記の構成によって液晶パネル2の導通不良修正を行う際の条件について、主に図1および図2に基づいて説明する。まず、電圧印加装置30により印加する交流電圧の振幅(最大電圧値)(以下、印加電圧と称す)は、上基板4aおよび下基板4bに挟持される液晶材料16の駆動電圧より大きく、500Vより小さい範囲内にあることが好ましい。
【0087】
ここで、印加電圧が液晶材料16の駆動電圧以下の場合は、導通部10に投入されるエネルギーが、上記した導通部10の導通不良修正効果(以下、単に導通不良修正効果と称す)を得ることが可能なレベルに対して不足する場合があり、導通不良修正効果の向上を図ることが困難な場合がある。なお、液晶材料16の具体的な駆動電圧は、液晶表示装置や液晶材料16によって異なるが、一般的には、1.5〜3V程度である。
【0088】
したがって、印加電圧を、1.5Vより大きい値に設定することが好ましく、さらには3Vより大きい値に設定することが好ましい。
【0089】
一方、印加電圧が高くなると、上記導通不良修正効果は大きくなるが、この印加電圧は液晶材料16にも印加されるため、液晶材料16の電気分解を促すことにもなる。特に、液晶パネル2内の液晶材料16に500Vより大きい電圧が印加されると、液晶材料16の分解が顕著になり、液晶材料16の劣化を招来する可能性がある。
【0090】
このことから、印加電圧を、液晶材料16の駆動電圧より大きく、500Vより小さい範囲内に設定することで、液晶材料16の劣化を回避しつつ導通不良修正効果の向上を図ることができる。
【0091】
次に、電圧印加装置30により印加する交流電圧の周波数(以下、単に周波数と称す)について述べる。この周波数は、10Hzより大きく、10kHzより小さい範囲内にあることが好ましい。周波数が10Hz以下となる場合は、印加する交流電圧の直流成分が大きくなる。一般に、液晶材料16は、交流電圧より直流電圧が印加された場合の方が、劣化されやすい。したがって、周波数を下げることは、液晶材料16の劣化を促進することになり、特に周波数が10Hz以下の場合では、劣化が顕著になる場合がある。
【0092】
一方、周波数が高くなると、接続部材34、走査電極6a、データ電極6bなど、導通部10以外の部分におけるインピーダンスが増大する。導通部10以外の部分のインピーダンスの増大は、導通部10へのエネルギー投入を困難にする、つまり、導通部10へのエネルギー投入効率を低下させることになる。特に、周波数が10kHz以上となる場合では、導通部10へのエネルギー投入効率の低下が顕著になり、導通不良修正効果が低下することがある。
【0093】
このことから、周波数を、10Hzより大きく、10kHzより小さい範囲内に設定することで、液晶材料16の劣化を回避しつつ導通不良修正効果の向上を図ることができる。
【0094】
次に、電圧印加装置30により印加する交流電圧の波形(以下、単に波形と称す)について述べる。ここで、液晶材料16の劣化は、液晶材料16に印加される電圧により発生する電界の影響に起因するものであり、最大電圧値が高いと、上記電界の強度が高くなる。一方、導通不良修正効果は、導通部10に投入されるエネルギーによって奏される効果であり、投入されるエネルギーを増大するためには、印加する交流電圧の実効値を増大する必要が生じる。
【0095】
このことから、波形としては、最大電圧値が等しい場合において、電圧の実効値がより高いものが好ましい。ここで、波形としては、sin 波、矩形波、ノコギリ波などが考えられる。これらの波形の一例を図7に示す。図7(a)はsin 波の波形、図7(b)は矩形波の波形、図7(c)はノコギリ波の波形を表す説明図である。
【0096】
ここで、sin 波、矩形波およびノコギリ波における最大電圧値に対する実効値の比は、それぞれ(1/2)1/2 、1、(2/3)1/2 である。したがって、最大電圧値が等しい場合では、実効値は、矩形波が最も高く、次いでノコギリ波、sin 波の順となる。
【0097】
このことから、印加波形としては、矩形波が最も好ましく、これを用いることにより、液晶材料16の劣化を抑制しつつ、導通不良修正効果を向上させることができる。
【0098】
また、交流電圧の印加時間としては、実効電圧が印加される時間、すなわち印加する交流電圧の1波形分(1周期分)に相当する時間以上であれば、導通不良修正効果は得られるものであるが、導通不良修正効果の向上を図るためには印加時間を1秒以上とすることが好ましい。一方、交流電圧を長時間印加した場合は、導通不良修正効果が飽和する傾向にあるため、作業性を考慮すると数秒(例えば、10秒以下)間印加すればよい。
【0099】
なお、以上では、単純マトリクス型液晶表示装置を対象として本発明に係る導通不良修正方法について説明したが、本発明に係る方法は、これに限られるものではなく、基板間などにおいてシール材などに埋設された導電性の部材を介して、別々に形成された電極などを電気的に導通させる構造に対して有効である。
【0100】
そして、本発明に係る導通不良修正方法により、電極間を接続する導電性の部材を有する液晶パネル2において、電極パターンの配線、例えば駆動回路を接続する端子に高電圧の交流電圧を印加することにより、電極間を接続する導通部10に生じた異常な接触抵抗を示す箇所と、その他の正常な接触抵抗を示す箇所との接触抵抗を均一化することができる。
【0101】
その結果、電極間の導通部10における接触抵抗バラツキに起因して、表示不能な部分や表示が薄くなる部分が発生するなどの表示不良を修正することができる。また、表示不良の修正により、液晶表示装置の歩留りを向上させることができる。特に、プラスチックなど表面硬度が小さい基板を用いる場合において、上記方法は著しい効果を奏する。
【0102】
また、以上に説明した構成を、以下のように表現することもできる。
【0103】
すなわち、上述の液晶表示装置の導通不良修正方法を、液晶材料を挟持する一対の基板 と、該各基板の互いに対向する面にそれぞれ形成された導電配線と、前記各導電配線間に導電性を有する導通部材が挟持されてなる導通部と、前記一対の基板を貼り合わせるために前記導通部の周囲に設けられたシール部材とを備えた液晶表示装置に対して、前記各導電配線から前記導通部に交流電圧を印加する方法である、と表現することもできる。
【0104】
上記の方法によれば、各基板に形成された導電配線の間に導電性の導通部材を挟持しつつ、周囲をシール部材により囲まれてなる導通部に対して、各導電配線から交流電圧を印加する。
【0105】
上記の導通部は、各導電配線と導通部材とが接触することにより電気的導通が形成されるものである。ところが、導通部の周囲にはシール部材が設けられているため、特にシール部材の形成工程などにおいて、各導電配線と導通部材との間にシール部材が介在してしまい、電気的導通が阻害されることがある。
【0106】
これに対して上記の方法では、各導電配線から交流電圧を印加することにより、導通不良を生じている導通部において、介在するシール部材で誘電損失に起因する熱が発生することになる。この発熱によってシール部材が軟化することで、各導電配線と導通部材との間に介在していたシール部材が排除されることがある。あるいは、各導電配線から交流電圧を印加することにより、導通不良を生じている導通部において、介在するシール部材の薄膜が絶縁破壊されることがある。交流電圧を印加することによるこれらの現象により、各導電配線と導通部材との間の接触状態が改善され、導通不良を修正することが可能になる。
【0107】
その結果、液晶表示装置において、導通部の導通不良に起因する表示画質の劣化などを回避することができる。また、液晶表示装置の製造工程において導通不良による歩留り低下を抑制することができる。
【0108】
また、上述の液晶表示装置の導通不良修正方法を、上記の方法において、さらに、前記導通部が複数存在し、該複数の導通部に対して前記交流電圧を並列的に印加する方法である、と表現することもできる。
【0109】
上記の方法によれば、導通部が複数存在する場合において、その導通部に対して並列的に交流電圧を印加する。これにより、各導通部に等しい電圧を印加することができ、各導通部に対して一括して上記導通不良の修正を行うことができるため、各導通部における接触抵抗を均一化して表示画像のムラなどを抑制することができる。
【0110】
また、並列的に交流電圧を印加するためには、各基板ごとの電極配線に対してそれぞれ一括して電圧を印加すればよいため、交流電圧を印加するための構成を簡素にすることができる。
【0111】
その結果、簡素な構成を用いることにより液晶表示装置の表示品位を向上させることが可能になる。
【0112】
また、上述の液晶表示装置の導通不良修正方法を、上記の方法において、さらに、前記各基板には、それぞれ前記液晶材料を介して対向する第1電極および第2電極が形成されており、前記基板の一方に形成された導電配線が前記第1電極であり、前記基板の他方に形成された導電配線が前記第1電極へ電位を付与するための第1端子であって、前記第1端子と、前記第2電極へ電位を付与するための第2端子との間に前記交流電圧を印加する方法である、と表現することもできる。
【0113】
上記の方法によれば、例えば単純マトリクス型液晶表示装置のように、液晶材料を介して対向する第1電極および第2電極と、これらにそれぞれ電位を付与するための第1端子および第2端子とを有し、第1電極と第1端子との間に導通部が形成されている液晶表示装置に対して、第1端子と第2端子との間に上記交流電圧を印加する。
【0114】
上記の方法では、第1端子と第2端子との間に交流電圧を印加することで、第2電極から液晶材料を介して第1電極と第1端子との間、すなわち導通部に交流電圧を印加することができる。また、第1端子および第2端子として、本液晶表示装置を駆動する駆動回路を接続するための端子を用いることができる。
【0115】
したがって、例えば本液晶表示装置の製造工程において点灯表示検査など、第1端子および第2端子間に電圧を印加する工程に用いる検査装置とほぼ同様の装置で、かつ、連続する工程にて上記方法を実施することができる。
【0116】
その結果、工数の削減や作業の簡素化を図るとともに、検査装置・治具などを共通化することにより設備の簡素化を図りつつ、上記導通不良の修正を行うことが可能になる。
【0117】
また、上述の液晶表示装置の導通不良修正方法を、上記の第1端子と第2端子との間に交流電圧を印加する方法において、さらに、前記第1端子および前記第2端子にそれぞれ当接された導電性弾性部材を介して前記交流電圧を印加する方法である、と表現することもできる。
【0118】
上記の方法によれば、第1端子および第2端子に交流電圧を印加するために、例えば導電性ゴムなどの導電性弾性部材を当接させることにより電気的接続を形成する。したがって、基板や第1端子、第2端子などに傷や割れなどの損傷を与えることを回避することができる。
【0119】
または、上述の液晶表示装置の導通不良修正方法を、上記の第1端子と第2端子との間に交流電圧を印加する方法において、さらに、前記第1端子および前記第2端子にそれぞれ当接された導電性のピンを介して前記交流電圧を印加する方法である、と表現することもできる。
【0120】
上記の方法によれば、第1端子および第2端子に交流電圧を印加するために、例えば金属製のピンなどを当接させることにより電気的接続を形成する。
【0121】
上記の方法では、第1端子および第2端子のパターンごとに導電性のピンにより電気的接続を形成することができるため、より確実な接続が可能となる。また、第1端子および第2端子のパターンに応じて交流電圧を印加することができるため、導通部が複数ある場合において、特定の導通部に対してのみ交流電圧を印加することも可能となる。そのため、部分的に導通不良の修正を行うことができ、より柔軟な処理が可能となる。
【0122】
または、上述の液晶表示装置の導通不良修正方法を、上記の第1端子と第2端子との間に交流電圧を印加する方法において、さらに、前記印加する交流電圧の最大電圧値が前記液晶材料の駆動電圧より高く、500Vより低い方法である、と表現することもできる。
【0123】
印加する交流電圧の最大電圧値が液晶材料の駆動電圧以下の場合は、電圧が低いために導通不良の修正効果が充分でない場合がある。一方、印加する交流電圧の最大電圧値が500V以上となる場合は、交流電圧を印加する際に介する液晶材料の電気分解を促すことがあり、液晶材料の劣化を招来することがある。
【0124】
そこで、印加する交流電圧の最大電圧値を上記の範囲に設定することにより、液晶材料の劣化を回避しつつ、導通不良の修正効果を向上させることが可能となる。
【0125】
または、上述の液晶表示装置の導通不良修正方法を、上記の第1端子と第2端子との間に交流電圧を印加する方法において、さらに、前記印加する交流電圧の周波数が10Hzより高く、10kHzより方法である、と表現することもできる。
【0126】
液晶材料は、交流電圧が印加された場合より直流電圧が印加された場合の方が電気分解されやすい。ここで、印加する交流電圧の周波数が10Hz以下の場合は、交流電圧の直流成分が多くなるため、液晶材料の電気分解を促すことがある。
【0127】
一方、印加する交流電圧の周波数が10kHz以上となると、例えば上記導電性弾性部材などの交流電圧を印加するための経路におけるインピーダンスが増大する。そのため、導通部に所定の電圧を印加することが困難となる場合があり、導通不良の修正効果が低減することがある。
【0128】
そこで、印加する交流電圧の周波数を上記範囲に設定することにより、液晶材料の劣化を回避しつつ、導通不良の修正効果を向上させることができる。
【0129】
または、上述の液晶表示装置の導通不良修正方法を、上記の第1端子と第2端子との間に交流電圧を印加する方法において、さらに、前記印加する交流電圧の波形が矩形波である方法である、と表現することもできる。
【0130】
液晶材料の劣化は、液晶材料に印加する電圧の最大電圧値に依存する。一方、上記導通不良の修正効果は、印加する電圧の実効値に依存する。上記の方法では、波形が矩形波である交流電圧を用いることによって、同じ最大電圧値において実効値をより大きくすることができる。したがって、矩形波の波形を有する交流電圧を用いることにより、液晶材料の劣化を回避しつつ、さらに、導通不良の修正効果を向上させることができる。
【0131】
または、上述の液晶表示装置の製造方法を、液晶材料を挟持する一対の基板における互いに対向するそれぞれの面に形成された導電配線が、前記一対の基板を貼り合わせるシール部材に内包された電気導電性を有する導通部材を介して電気的に接続されてなる液晶表示装置の製造方法において、前記シール部材の前記導通部材を含む部分を、前記各導電配線間に介在させて前記一対の基板を貼り合わせた後、前記各導電配線間に交流電圧を印加する方法である、と表現することもできる。
【0132】
上記の方法では、導通部材が分散されたシール部材を、各導電配線間に介在させて基板を貼り合わせることにより、導通部材が各導電配線に接触することで、各導電配線間を電気的に導通させることが可能である。ところが、導通部材は、もともとシール部材中に分散されているため、各導電配線との接触部においてシール部材が介在し、導通不良が生じることがある。
【0133】
これに対して、上記の方法では、各導電配線間に交流電圧を印加することにより、各導電配線間に介在してこれらの間を絶縁しているシール部材に誘電損失による熱を発生させてシール部材を軟化させる、あるいは、上記シール部材を絶縁破壊することにより接触状態を改善し、導通不良を修正することができる。
【0134】
その結果、液晶表示装置の製造工程において、接触状態を改善するために部分的な加圧を行うなどの機械的加工を行うことによる基板の破損などを回避しつつ、導通不良を修正することが可能になる。また、これにより、液晶表示装置の歩留りを向上させることもで きる。
【0135】
または、上述の液晶表示装置の製造方法を、上記の方法において、さらに、前記基板として、高分子材料からなる基板を用いる方法である、と表現することもできる。
【0136】
ガラスなどと比較して軽いプラスチックや樹脂などの高分子材料を基板として用いると、液晶表示装置の軽量化を図ることができる。ところが、高分子材料は、ガラスより表面硬度が小さいため、高分子材料を基板として用いる場合は、導通部材と各導電配線とが接触すべき部分において、シール部材を介在して基板が変形し、導通不良が生じることが多い。
【0137】
これに対して上記の方法では、基板を貼り合わせた後で各導電配線間に交流電圧を印加することにより、上記のようにして導通不良を修正することができる。したがって、上記の方法では、軽量の液晶表示装置を、導通不良の発生を抑制して高い歩留りで製造する方法を提供することができる。
【0138】
【発明の効果】
本発明の液晶表示装置の導通不良修正方法は、以上のように、液晶材料を挟持する一対の基板と、該各基板の互いに対向する面にそれぞれ形成された導電配線と、前記各導電配線間に導電性を有する導通部材が挟持されてなる導通部と、前記一対の基板を貼り合わせるために前記導通部の周囲に設けられたシール部材とを備えた液晶表示装置に対して、前記各導電配線から前記導通部に交流電圧を印加し、前記各基板には、それぞれ前記液晶材料を介して対向する第1電極および第2電極が形成されており、前記基板の一方に形成された導電配線が前記第1電極であり、前記基板の他方に形成された導電配線が前記第1電極へ電位を付与するための第1端子であって、前記第1端子と、前記第2電極へ電位を付与するための第2端子との間に前記交流電圧を印加し、前記印加する交流電圧の最大電圧値が前記液晶材料の駆動電圧より高く、500Vより低い構成である。
【0139】
上記の方法では、高電圧による液晶材料の劣化を回避しつつ、導通不良の修正効果を向上させることができる。
【0140】
本発明の液晶表示装置の導通不良修正方法は、以上のように、液晶材料を挟持する一対の基板と、該各基板の互いに対向する面にそれぞれ形成された導電配線と、前記各導電配線間に導電性を有する導通部材が挟持されてなる導通部と、前記一対の基板を貼り合わせるために前記導通部の周囲に設けられたシール部材とを備えた液晶表示装置に対して、前記各導電配線から前記導通部に交流電圧を印加し、前記各基板には、それぞれ前記液晶材料を介して対向する第1電極および第2電極が形成されており、前記基板の一方に形成された導電配線が前記第1電極であり、前記基板の他方に形成された導電配線が前記第1電極へ電位を付与するための第1端子であって、前記第1端子と、前記第2電極へ電位を付与するための第2端子との間に前記交流電圧を印加し、前記印加する交流電圧の周波数が10Hzより高く、10kHzより低い構成である。
【0141】
上記の方法では、印加電圧の直流成分による液晶材料の劣化を回避しつつ、導通不良の修正効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の一形態に係る導通不良修正方法を実施する際の構成を示す平面図であり、(b)は、上記構成の側面図である。
【図2】(a)は、本実施の形態に係る液晶パネルの平面図であり、(b)は、(a)のC−C線矢視断面図、(c)は、(a)のD−D線矢視断面図(拡大図)である。
【図3】(a)は、液晶パネルにおける下基板の平面図であり、(b)は、上基板の平面図である。
【図4】(a)から(c)は、導通部の形成工程を順に表した断面図である。
【図5】(a)から(c)は、導通不良となる場合における導通部の形成工程を順に表した断面図である。
【図6】(a)は、本発明の実施の一形態に係る導通不良修正方法を実施する際の別の構成を示す平面図であり、(b)は、上記構成の側面図である。
【図7】(a)はsin 波の波形、(b)は矩形波の波形、(c)はノコギリ波の波形を表す説明図である。
【図8】(a)は、導通部を有する従来の単純マトリクス型液晶表示装置における導通部の構造を示す平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A線矢視断面図である。
【図9】(a)は、導通部を有する従来の単純マトリクス型液晶表示装置における別の導通部の構造を示す平面図であり、(b)は、(a)におけるB−B線矢視断面図である。
【図10】導通部の導通不良が修正される様子を模式的な回路により示した模式図であり、(a)は修正前の状態を、(b)は修正後の状態を示している。
【符号の説明】
2 液晶パネル
2a 表示部
2b セル
4a 上基板(基板)
4b 下基板(基板)
6a 走査電極(上電極、導電配線、第1電極)
6b データ電極(下電極、第2電極)
8 端子
8a 走査電極端子(導電配線、第1端子)
8b データ電極端子(第2端子)
10 導通部
12 導通部材
14 シール部材
16 液晶材料
30 電圧印加装置
34 接続部材(導電性弾性部材)
35 金属ピン(ピン)

Claims (2)

  1. 液晶材料を挟持する一対の基板と、該各基板の互いに対向する面にそれぞれ形成された導電配線と、前記各導電配線間に導電性を有する導通部材が挟持されてなる導通部と、前記一対の基板を貼り合わせるために前記導通部の周囲に設けられたシール部材とを備えた液晶表示装置に対して、前記各導電配線から前記導通部に交流電圧を印加し、
    前記各基板には、それぞれ前記液晶材料を介して対向する第1電極および第2電極が形成されており、前記基板の一方に形成された導電配線が前記第1電極であり、前記基板の他方に形成された導電配線が前記第1電極へ電位を付与するための第1端子であって、
    前記第1端子と、前記第2電極へ電位を付与するための第2端子との間に前記交流電圧を印加し、
    前記印加する交流電圧の最大電圧値が前記液晶材料の駆動電圧より高く、500Vより低いことを特徴とする液晶表示装置の導通不良修正方法。
  2. 液晶材料を挟持する一対の基板と、該各基板の互いに対向する面にそれぞれ形成された導電配線と、前記各導電配線間に導電性を有する導通部材が挟持されてなる導通部と、前記一対の基板を貼り合わせるために前記導通部の周囲に設けられたシール部材とを備えた液晶表示装置に対して、前記各導電配線から前記導通部に交流電圧を印加し、
    前記各基板には、それぞれ前記液晶材料を介して対向する第1電極および第2電極が形成されており、前記基板の一方に形成された導電配線が前記第1電極であり、前記基板の他方に形成された導電配線が前記第1電極へ電位を付与するための第1端子であって、
    前記第1端子と、前記第2電極へ電位を付与するための第2端子との間に前記交流電圧を印加し、
    前記印加する交流電圧の周波数が10Hzより高く、10kHzより低いことを特徴とする液晶表示装置の導通不良修正方法。
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