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JP3540368B2 - 抄紙機のプレスパート - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は抄紙機のプレスパートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4及び図5にダブルフェルトプレスを含む従来のプレス配置の例を示し、図6にそのダブルフェルトニップ部の詳細とそのニップ圧プロファイルを示す。図4及び図5は夫々通称トライベントプレス、トライニッププレスと呼ばれ、印刷用用紙プレスとして広く一般に適用されている。そしてこれらのプレス配置においては、通常第1プレスは脱水負荷が高いこと、また紙品質の対称性を得る為に、2枚のフェルトで湿紙を挟んだ状態でニップ圧力により脱水を行うダブルフェルトプレス機構が用いられている。このダブルニッププレス機構においては、次段プレスに湿紙を移送して行く側にサクションロールを、それとニップを形成する相手ロールにはフェルトの水を逃がす為の溝を有するグルーブドロールが用いられる。以下従来のプレス配置に関し、図4,図5,図6を基に説明する。
【0003】
図4において前工程(ワイヤパート)で紙層形成された湿紙(点線で示す)2は、サクションピックアップロール3によってワイヤ1から剥ぎ取られ、ピックアップフェルト4と伴走して、No.1プレス部5−2に進入する。
No.1プレス部では、図6に示す様にピックアップフェルト4及びNo.1プレスボトムフェルト6に挟まれた湿紙2は、サクションプレスロール7,7″とNo.1プレスボトムグルーブドロール8′によって加圧される。この時通常のサクションロール硬度はJIS95°(ゴム巻ロールの場合)、No.1グルーブドロール8′の硬度はJIS99°と高い為、グルーブドロール側のゴム層の変形は少なく、ニップ巾は余り広くない。
従って図6に示す様なニップ圧プロファイルで、短時間t′に高い脱水圧力P′が作用し、ピックアップフェルト4とNo.1プレスボトムフェルト6を介して両側に脱水される。その後、湿紙2はサクションプレスロール7,7″に付与された真空力によってピックアップフェルト4側に吸引、保持されてサクションロール回りを移送され、No.2プレス部11、No.3プレス部13を経て更に脱水され、センタロール15から剥されてペーパロール16を経て次工程へ送られる。なお、No.1プレス後で湿紙2のピックアップフェルト4側への移行を確実にする為に、No.1プレスボトムフェルト6をニップ後でサクションロール7側へ僅かの間(通常θ=5〜8°)抱かせる様にフェルトロール9′が配置されている。
【0004】
No.1プレス部5−2と、No.2プレス部11の間には、湿紙2の加湿と水分プロファイルの矯正を目的として、スチームボックス10がサクションロール7に対向して配置されるのが普通である。更にセンタロール15の下部には湿紙剥ぎ取り用ドクタ17が設けられている。
次に図5のトライニッププレス配置の場合について説明すると、No.1プレス部5−3を通過するまでの構成、作用は図4のトライベントプレスと同じである。しかしトライニッププレスにおいては、No.2プレスニップ11′がサクションロール7″とセンタロール15′で形成される為、No.1ボトムフェルト6、サクションロール7″、センタロール15′で形成される空間がトライベントプレスに比べて狭く、スチームボックス10、ドクタ17の配置のスペースが余りない。従ってサクションロール7″及びセンタロール15′をトライベントプレスの場合より大きくしたり、No.1プレス部5−3出側のフェルトロール9″の位置を下げたりしてスペースを確保しているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のNo.1プレス部5−2,5−3においては、No.1グルーブドロール8″のゴム硬度が高い為、ニップ巾が狭く、急激な脱水作用により湿紙外層の圧密度が高くなり、後続のプレスにおける脱水効率が悪かった。
最近標準のトライベントプレスでは、真空室をHi(−500mmHg)、Low(−250mmHg)の2室から、Mid(−380mmHg)の1室に変更しているが、湿紙のない通紙時は真空度が低い為、湿紙の確実な移行を得る為に、No.1ボトムフェルト6をサクションロールに抱かせる必要がある。しかし運転中はそのボトムフェルト水分が真空力によって湿紙に戻り、再湿(リウェット)するという不具合があった。
またトライニッププレスでは、スチームボックス10、センタロールのドクタ17を配置するスペースを得る為、サクションロールやセンタロール径を大きくする必要があり、従ってコスト高になるという問題があった。
本発明は緩やかで脱水時間の長い脱水形態が得られ、プレス脱水効率が増し、運転中の再湿を防止でき、かつコストダウンを図ることができる抄紙機のプレスパートを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、第1プレス及び前記第1プレスよりも下流側に配置される第2プレスを有する抄紙機のプレスパートにおいて、前記第1プレスは1対のサクションロールと溝付ロールとで形成されるプレスニップにより2枚のフェルトを介して湿紙から脱水を行うダブルフェルトサクションプレスロールを有するプレスであり前記溝付ロールがゴム被覆ロールであって、そのゴム硬度が前記サクションロール硬度より十分低いゴム層で形成されてなるものであり、また、第1プレス及び前記第1プレスよりも下流側に配置される第2プレスを有する抄紙機のプレスパートにおいて、前記第1プレスは1対のサクションロールと溝付ロールとで形成されるプレスニップにより2枚のフェルトを介して湿紙から脱水を行うダブルフェルトサクションプレスロールを有するプレスであり、前記溝付ロールがゴム被覆ロールであって、そのゴム硬度がJIS 88°以下のゴム層で形成されてなるものであり、さらに、前記溝付ロールの前記ゴム層が前記湿紙の圧密化を防ぎ前記第1プレスの下流側に位置する前記第2プレスでの脱水抵抗を小さくできるものであり、さらに前記プレスニップの出側にあって、前記溝付ロール側の前記フェルトを案内するフェルトロールがその位置を可変に支持し、更に前記溝付ロール側の前記フェルトが前記プレスニップ出側で前記溝付ロールに巻き掛けられるように走行してなるもので、これらを課題解決のための手段とするものである。
【0007】
【作用】
本発明では、No.1グルーブドロール(溝付ロール)のゴム硬度を相手サクションロールより十分低くすることによって、ニップ巾が広くなる(l>l′)と共に、ニップ圧のピーク値が低くなり(P<P′)、緩やかな脱水形態を得ることが出来る。この様に低いユニット圧力で時間をかけた脱水は、水分の多い所では脱水増になると共に、急激な圧力勾配による紙層の圧密化を防ぎ、後段のプレスにおける脱水効率を増加させる。
【0008】
また真空室が1室のトライベントプレスにおいては、No.1プレスニップ出側のフェルトロール位置を可変にし、通紙時にはNo.1ボトムフェルトをサクションロールに抱かせるように、上昇位置にセットすることにより、真空度の低い時でも湿紙を確実にピックアップフェルト側に移行させることが出来、また運転中は下降位置にセットすることにより、ニップ直後でNo.1ボトムフェルトは湿紙から離れる為、真空力が作用してもNo.1ボトムフェルトの水分が湿紙に戻ることによる再湿の虞れはない。
【0009】
更に真空室がHi−Low2室のトライベントプレスや、Hi−Low−Hiのトライニッププレスにおいては、通紙時湿紙の移行に必要な真空度が得られる為、ニップ出側でボトムフェルトをサクションロールに抱かせなくても、湿紙はピックアップフェルト側へ移行する。従ってフェルトロールを削除することが可能で、前記と同様に運転中の再湿を防止出来る。なお、トライニッププレスにおいては、ドクタ、スチームボックス設置用の空間が広くとれ、サクションロール、センタロール径をトライベントと同じにしても問題なくコストダウンが図れる。
【0010】
【実施例】
以下本発明を図面の実施例について説明すると、図1〜図3は本発明の実施例を示し、図1及び図2はプレス機構配置を採用したトライベント型及びトライニップ型のプレスパートの正面図、図3はNo.1プレスニップ部の詳細図を示す。図1及び図2において、前工程であるワイヤパートで紙層形成された湿紙2は、ピックアップロール3によってワイヤ1から剥ぎとられ、ピックアップフェルト4と一緒にNo.1プレスニップ部5又は5−1(図3)に進入する。
ここで湿紙2は、ピックアップフェルト4とNo.1ボトムフェルト6に挟まれた状態で、サクションプレスロール7又は7′とNo.1グルーブドロール(溝付ロール)8で形成されるプレスニップによって脱水される。この時No.1グルーブドロール8の表面は、硬度の低い(JIS88°以下が好ましい)ゴム層で形成されている為変形し易く、ニップ巾(l)も拡がり、同じ加圧力でもピーク圧Pの低い緩やかな脱水になり、脱水時間tも長くなる。
【0011】
またNo.1プレスニップでは湿紙2中の水分が多い為、脱水にそれ程高い圧力は必要とせず、脱水時間が長くなるため、脱水増が図られる。一方脱水圧力勾配も小さい為、外層の圧密化を防ぐことができ、後段のプレス時における脱水抵抗が小さくなり、脱水効率が増す。なお、ゴム硬度を低くすることによる発熱によって、ゴム層の剥離問題(特願平5−44366号)はロール径を大きくすることによって十分実用に供することが判明した。また脱水された水をフェルトを介して排出する為の溝の閉塞は、変形を見込んで広くしておくことで対処できる。
【0012】
次にNo.1プレスニップ出側における本発明の実施例について作用を説明すると、ダブルフェルト型のプレスにおいては、湿紙を次段プレスへ移行させる為にサクションロールを使用しているが、最近サクションボックス構造の簡素化、高脱水化を目的として、従来の脱水ゾーンを高真空(Hi)、湿紙保持ゾーンを低真空(Lo)とするHi−Lo2室タイプ(トライベントプレス)、Hi−Lo−Hi3室タイプ(トライニッププレス)から前半のHi−Lo2室を中真空(Mid)1室としたタイプを標準としている。この様なサクションロール形式の場合には、通紙時の湿紙のサクションロール側への確実な移行を達成する必要がある。
【0013】
本発明では図1に示す様に、No.1プレスニップ出側のフェルトロール9をその位置が可変なる様に支持し、通紙時フェルトロール9を上昇位置(一点鎖線で示す)にセットすることにより、No.1ボトムフェルト6をサクションロール7に抱かせることが出来、ニップ出側で湿紙2は確実にNo.2プレスニップ11へ移行され、運転時にはフェルトロール9を下降位置にセットし、ボトムフェルト6をニップ直後で湿紙2から離すことにより、再湿(リウェット)を防止することが出来る様配慮している。
更に従来型のサクションロール形式を持つトライニップの場合には、図2に示す様にNo.1プレスニップ5−1出側のフェエルトロールを削除することにより、ボトムフェルト6はボトムロール8に沿って走る為、ニップ出側のスペースが広くなる。従ってサクションロール7′、センタロール15をトライベントプレスの場合と同じ径にしても、スチームボックス10やドクタ17の設置上何らの問題もなく、コストダウンを図ることができる。
【0014】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如く本発明によると、ダブルフェルトプレスにおけるグルーブドロールのゴム巻硬度を低くすることにより、緩やかで脱水時間の長い脱水形態が得られ、プレス脱水効率の増大を図ることができる。
またダブルフェルトニップ出側のフェルトロールをその位置が可変となるように支持することにより、運転中の再湿を防止できる。更に前記フェルトロールを削除することにより、トライニッププレスでのサクションロール、センタロール径を小さくすることが出来、コストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る抄紙機のプレスパートにおけるプレス配置の正面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る抄紙機プレスパートにおけるプレス配置の正面図である。
【図3】図1及び図2の第1及び第2実施例に係るNo.1プレスニップ部の詳細断面図である。
【図4】従来のトライベントプレスの1例を示す正面図である。
【図5】従来のトライニッププレスの1例を示す正面図である。
【図6】従来の図4及び図5におけるプレスニップ部を示す詳細断面図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ
2 湿紙
3 ピックアップロール
4 ピックアップフェルト
5,5−1 No.1プレスニップ部
6 No.1ボトムフェルト
7,7′サクションプレスロール
8 No.1グルーブドロール(溝付ロール)
9 フェルトロール
10 スチームボックス
11 No.2プレスニップ
15 センタロール
17 ドクタ

Claims (5)

  1. 第1プレス及び前記第1プレスよりも下流側に配置される第2プレスを有する抄紙機のプレスパートにおいて、前記第1プレスは1対のサクションロールと溝付ロールとで形成されるプレスニップにより2枚のフェルトを介して湿紙から脱水を行うダブルフェルトサクションプレスロールを有するプレスであり前記溝付ロールがゴム被覆ロールであって、そのゴム硬度が前記サクションロール硬度より十分低いゴム層で形成されていることを特徴とする抄紙機のプレスパート。
  2. 第1プレス及び前記第1プレスよりも下流側に配置される第2プレスを有する抄紙機のプレスパートにおいて、前記第1プレスは1対のサクションロールと溝付ロールとで形成されるプレスニップにより2枚のフェルトを介して湿紙から脱水を行うダブルフェルトサクションプレスロールを有するプレスであり、前記溝付ロールがゴム被覆ロールであって、そのゴム硬度がJIS 88°以下のゴム層で形成されていることを特徴とする抄紙機のプレスパート。
  3. 前記溝付ロールの前記ゴム層が前記湿紙の圧密化を防ぎ前記第1プレスの下流側に位置する前記第2プレスでの脱水抵抗を小さくできることを特徴とする請求項1又は2記載の抄紙機のプレスパート。
  4. 前記プレスニップの出側にあって、前記溝付ロール側の前記フェルトを案内するフェルトロールがその位置を可変に支持されていることを特徴とする請求項1又は2記載の抄紙機のプレスパート。
  5. 前記溝付ロール側の前記フェルトが前記プレスニップ出側で前記溝付ロールに巻き掛けられるように走行していることを特徴とする請求項1又は2記載の抄紙機のプレスパート。
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