JP3540766B2 - 走行布帛の吸引脱液装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、樹脂加工液や洗浄液を含み拡布状態で走行する湿潤布帛を吸引により脱液するための装置に関し、幅方向に長い吸引ノズルの端部側において布帛と接触しない開口部分を布帛幅の変動に応じて自動的に塞ぐものである。
【0002】
【従来の技術】
布帛を拡布状態で走行させながら布帛に洗浄液を噴射し、これを強制的に貫流させて洗浄するため、また単なる洗浄後の脱液や樹脂加工液に浸漬後の脱液等を目的として、拡布状態で走行する湿潤布帛を、該布帛の幅方向に長い固定式の吸引ノズルに接触させ、吸引により脱液するようにしたものが知られている。
【0003】
このような脱液装置では、吸引ノズルが布帛の幅方向に長く作られるため、布帛のロットによっては、吸引ノズルの両端側が布帛の幅方向外側に大きくはみだし、吸引ノズルのスリットの中央部のみが布帛で塞がれ、端部側は布帛に塞がれることなく開口状態となり、そのため余分の空気が吸引されてエネルギのロスが大きくなっていた。そこで、上記のスリットが布帛の外側にはみ出した部分を手動で塞ぐためのシャッターが開発されたが、この手動シャッターは、走行中に布帛が蛇行したり、布帛幅が変動したりするのに対して追従できないため、吸引エネルギのロスを防ぐには不十分であった。
【0004】
また、上記吸引ノズルの布帛幅方向外側のスリットを塞ぐように該スリットに沿って柔軟なゴムまたは合成樹脂からなるチューブを這わせ、該チューブの一端を吸引ノズルの外側端部に固定し、他端を布帛の幅方向内側上方から引張りコイルスプリング等で引き上げ、布帛の耳が内側に移動してスリットが開くと、チューブが吸引力で下がってスリットを塞ぎ、布帛の耳が外側に移動すると、チューブが上記スプリングの弾力で上昇してスリットから離れ、スリットが布帛で塞がれるようにしたものが開発されたが、この場合はチューブを用い、その内方端部をスプリングで引張るので、吸引ノズルからの吸引力でスリットを塞ぐためには、大きい吸引力が必要になり、そのため布帛幅が吸引ノズルの全幅(布帛幅方向の寸法)に対して著しく狭くなった場合および吸引初期においてシール性が不十分となり、吸引力を大きくすると、布帛の耳が外側へ移動する際に耳折れが生じ易い等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の課題は、拡布状態で走行する布帛の吸引脱液装置において、幅方向に長い吸引ノズルのスリットが布帛と接触せずに開口する部分を布帛の蛇行や布帛幅の変動に応じて自動的に、かつ円滑に塞ぎ、しかも布帛幅が吸引ノズルの全幅に対して著しく狭くなった場合および吸引初期においても比較的低い吸引力で良好にシールし、吸引エネルギを節約することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る走行布帛の吸引脱液装置は、任意の処理液を含浸した布帛を拡布状態で走行させ、その片面を幅方向に長い吸引ノズルの先端に接触させて脱液するようにした走行布帛の吸引脱液装置において、上記吸引ノズルの先端に対向してゴム状弾性を有する方形のシャッター膜を、その幅方向の一部が吸引ノズル先端との間に走行布帛を挟んで走行布帛に重なり、残りの部分が走行布帛の幅方向外側に延びるように上記の走行布帛と平行に、かつ布帛走行方向に対して前後の縁を固定する形に張設してなり、上記のシャッター膜に布帛走行方向に対して傾斜する多数本の直線状切込みが幅方向に等間隔に、かつその傾斜方向が布帛中心線に対し左側の切込みおよび右側の切込みの間隔を布帛走行方向に向かって広げる方向に並設され、上記布帛の走行時に上記シャッター膜が走行布帛と重なる部分では吸引ノズル先端から走行布帛によって分離され、走行布帛の幅方向外側に延びる部分では吸引ノズル先端に吸引力で吸着されて該先端を塞ぐようにしたことを特徴とする。
【0007】
上記の装置において、吸引ノズルの先端と該先端を覆うシャッター膜との間に拡布状態の布帛を通し、この布帛を所定の速度で走行させ、吸引ノズルに吸引力を作用させると、シャッター膜が布帛に重なる部分では、布帛が吸引ノズル先端に接し、布帛に吸引力が作用して布帛の脱液が行われる。そして、シャッター膜には吸引ノズルの吸引力が作用しないため、シャッター膜は、その弾性によって収縮し、布帛から離れる。
【0008】
一方、シャッター膜が布帛の幅方向外側へ延びる部分は、シャッター膜に吸引ノズルの吸引力が直接作用するため、シャッター膜が吸引ノズル側に引っ張られ、吸引ノズル先端に吸着されて該先端を塞ぐ。このとき、シャッター膜はゴム状弾性を備えるため、シール性が良好である。そして、布帛の蛇行や布帛幅の変動により、布帛の耳部が吸引ノズル先端上を左右に移動すると、この移動に応じて自動的にシャッター膜の吸引ノズル先端に接する部分が幅方向に伸縮する。したがって、布帛の耳よりも幅方向外側の吸引ノズル先端は、常にシャッター膜の良好なシール性で塞がれ、そのためエネルギが節約される。
【0009】
上記のシャッター膜は、方形に形成されて布帛と平行に配置され、布帛の走行方向に対して前後の縁を固定する形に張設されるが、吸引ノズルに対し全ロットの布帛が常に接する部分、すなわち吸引ノズルの幅方向中央には設ける必要がない。脱液されるべき布帛の最小幅よりも若干狭い部分を残し、その左右両側にシャッター膜を設けることで足りる。また、シャッター膜の厚さや弾性は、吸引ノズル先端のスリットに作用する吸引力および吸引ノズル先端からシャッター膜までの距離等に応じ、スリットを円滑に開閉できる程度に設定される。なお、吸引ノズル先端の吸引力は、布帛の種類にもよるが、通常の場合、−20〜−40kpa が好ましく、−20kpa 未満の場合は脱液不十分となり、反対に−40kpa を超えると脱液効果が飽和に達して不経済である。
【0010】
上記のシャッター膜には、多数本の直線状切込みを布帛走行方向に対して傾斜させ、かつ幅方向に等間隔に並設することができる。すなわち、幅が狭く、布帛走行方向に長い、好ましくは幅が5〜15mm、長さが50〜100mmのテープ状シャッター膜を多数本、互いに重ならないように、かつ隙間なく幅方向に並列し、前後の両端を固定して設けることができる。この場合は、シャッター膜が上記の切込みで形成される狭い幅のテープ状部分を単位として動き、布帛の耳がテープ状シャッター膜の縁と点接触するので、吸引力が弱くても布帛耳部の移動に対するシャッター膜の開閉動作が円滑になり、シール性が向上する。なお、切込みの傾斜角度は、5〜30度が好ましく、5度未満では布帛の耳が外向きに移動するとき引っ掛かり易く、30度を超えるとシール性が低下する。
【0011】
切込みの傾斜方向は、布帛中心線に対し左側の切込みおよび右側の切込みの距離が布帛走行方向に向かって広がる方向に設定することが特に好ましい。換言すれば、布帛中心線の左右に並ぶ多数本のテープ状シャッター膜を、布帛走行方向に向かって布帛中心線から離れる向きに傾斜させる。この場合は、前記同様にシャッター膜が狭い幅のテープ状部分を単位として動くので、シャッター膜の開閉動作が円滑になり、しかもシャッター膜の切込みが外向きに傾斜しているので、布帛幅が広がったり、布帛が蛇行したりして耳部が外向きに移動するとき、その移動が一層円滑になり、布帛の耳折れが防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は吸引脱液装置10の正面図、図2はその平面図である。この吸引脱液装置10は、一方向に細長く作られ、布帛Fの走行通路(この実施形態では上から下向きに設定される)を横断するように水平に設置される。なお、図1では、吸引脱液装置10の右半部が示される。この吸引脱液装置10は、角筒状の本体フレーム11とその前面に開口する長孔11a(図4、図5参照)を挟んで固定された上下1組のノズルプレート12とで構成され、本体フレーム11の背面側両端に位置する足板11bを介して支持フレーム14に固定される。そして、本体フレーム11の端板11cに固定された円形パイプ13(図3参照)を介してブロア(図示されていない)が接続される。
【0013】
上記のノズルプレート12は、本体フレーム11の前面に突出する吸引ノズルを構成し、前記の布帛Fはこの吸引ノズル12の先端に接するように適当なガイドローラ等を介して拡布状に案内される。なお、上記のノズルプレート12は、山形鋼で形成され、その2枚によって先端に形成されるスリット12aの幅dは、2〜5mmの範囲で調節自在に形成され、また上記のスリット12aに作用する吸引力は、前記のブロアによって−20〜−40kpa に設定される。
【0014】
上記本体フレーム11の前方に間隔を空けてシャッター枠15(図1および図2参照)が設けられる。このシャッター枠15は、本体フレーム11のほぼ全域にまたがる平板の中央および左右の3箇所に横長の窓孔15aを開けたものであり、その四隅に突設した脚部15bを介して上記本体フレーム11に固定され、この本体フレーム11に固定されている前記吸引ノズル12の先端とシャッター枠15との間に空隙が形成される。
【0015】
このシャッター枠15の左右2箇所にそれぞれシャッター膜16が張設される。このシャッター膜16は、方形のゴムシートからなり、図1において、幅(横寸法)が窓孔15aよりも小さく、長さ(縦寸法)がシャッター枠15よりも大きく形成され、その中央部に中心線Nに対して若干傾斜する多数本の切込み16aを互いに平行に、かつ幅方向に等間隔に並設したものである。なお、上記の切込み16aにおいて、その傾斜角度θは中心線Nに対して5〜30度に設定され、その間隔は5〜15mmに設定される。
【0016】
そして、上記のシャッター膜16は、シャッター枠15の背面(本体フレーム11側)に重ねられ(図4および図5参照)、上下の縁部をシャッター枠15の縁に沿って手前に折り返し、シャッター枠15の前面の縁に重ね、更にその上に押えバー17を重ねて複数本のボルト18で固定される。
【0017】
上記の構造において(図1および図2参照)、布帛Fを拡布状態で走行させながら洗浄液を含浸させ、しかるのち上記吸引脱液装置10の幅方向中央の吸引ノズル12とシャッター膜16との間に(図5参照)上から下向きに導入し、吸引脱液装置10に接続されているブロアを駆動し、吸引ノズル12のスリット12aに吸引力を作用させると、布帛Fは吸引ノズル12の先端に接しながら走行し、スリット12aに働く吸引力によって脱液される。そして、この布帛Fに面するシャッター膜16は、吸引されることなくその弾性で収縮し、布帛Fから離れて静止し、布帛Fとほぼ平行な状態を維持する。
【0018】
他方、布帛Fの耳よりも幅方向外側のシャッター膜16は、図4に示すように、吸引ノズル12の吸引力を受けて吸引ノズル12側に引っ張られ、吸引ノズル12の先端に吸着されてスリット12aを塞ぐ。そして、布帛Fの幅の変動または蛇行により、布帛Fの耳が吸引ノズル12の先端に沿って左右に移動すると、この移動に追随して上記シャッター膜16のスリット12aを塞ぐ位置が自動的に変化し、布帛Fの耳よりも外側のスリット12aは常に塞がれる結果になり、そのシール性も良好である。
【0019】
そして、この実施形態では、シャッター膜16の切込み16aが布帛Fの走行方向に向かって中心線Nから離れる方向に傾斜しているため、シャッター膜16によるスリット12aの開閉が極めて円滑に行われ、布帛Fの耳が幅方向外向きに移動する場合にも耳折れが生じない。
【0020】
【発明の効果】
上記のとおり、この発明に係る走行布帛の吸引脱液装置は、布帛の耳よりも幅方向外側にあって布帛と接触せずに開口する吸引ノズルのスリットを布帛の蛇行や布帛幅の変動に応じて自動的に塞ぐことができ、そのシール性も良好であり、また吸引ノズルに働く吸引力を利用し、他の動力を利用しないので、大幅な省力が可能になり、構造も簡略化される。そして、吸引ノズルのシャッターとしてゴム状弾性を有する膜を用い、これを吸引ノズルの先端に対向して張設するので、吸引ノズルの先端に沿ってチューブを這わせたものに比べ、比較的低い吸引力でシール動作を開始することができ、始動直後におけるブロアの回転上昇を少なくでき、かつ布帛の幅が吸引ノズルの全幅に対して著しく狭い場合も良好なシール性が得られる。
【0021】
そして、吸引力が弱くても布帛耳部の移動に対するシャッター膜の開閉動作が円滑になり、シール性が一層向上し、かつ布帛の耳部が外向きに移動する際の布帛の耳折れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の正面図である。
【図2】図1の要部の平面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図1のB−B線断面図である。
【図5】図1のC−C線断面図である。
【符号の説明】
10:吸引脱液装置
11:角筒状の本体フレーム、11a:長孔
12:ノズルプレート(吸引ノズル)、12a:スリット
13:円形パイプ
14:支持フレーム
15:シャッター枠、15a:窓孔、15b:脚部
16:シャッター膜、16a:切込み
17:押えバー
F:布帛
N:中心線
θ:傾斜角度
【発明の属する技術分野】
この発明は、樹脂加工液や洗浄液を含み拡布状態で走行する湿潤布帛を吸引により脱液するための装置に関し、幅方向に長い吸引ノズルの端部側において布帛と接触しない開口部分を布帛幅の変動に応じて自動的に塞ぐものである。
【0002】
【従来の技術】
布帛を拡布状態で走行させながら布帛に洗浄液を噴射し、これを強制的に貫流させて洗浄するため、また単なる洗浄後の脱液や樹脂加工液に浸漬後の脱液等を目的として、拡布状態で走行する湿潤布帛を、該布帛の幅方向に長い固定式の吸引ノズルに接触させ、吸引により脱液するようにしたものが知られている。
【0003】
このような脱液装置では、吸引ノズルが布帛の幅方向に長く作られるため、布帛のロットによっては、吸引ノズルの両端側が布帛の幅方向外側に大きくはみだし、吸引ノズルのスリットの中央部のみが布帛で塞がれ、端部側は布帛に塞がれることなく開口状態となり、そのため余分の空気が吸引されてエネルギのロスが大きくなっていた。そこで、上記のスリットが布帛の外側にはみ出した部分を手動で塞ぐためのシャッターが開発されたが、この手動シャッターは、走行中に布帛が蛇行したり、布帛幅が変動したりするのに対して追従できないため、吸引エネルギのロスを防ぐには不十分であった。
【0004】
また、上記吸引ノズルの布帛幅方向外側のスリットを塞ぐように該スリットに沿って柔軟なゴムまたは合成樹脂からなるチューブを這わせ、該チューブの一端を吸引ノズルの外側端部に固定し、他端を布帛の幅方向内側上方から引張りコイルスプリング等で引き上げ、布帛の耳が内側に移動してスリットが開くと、チューブが吸引力で下がってスリットを塞ぎ、布帛の耳が外側に移動すると、チューブが上記スプリングの弾力で上昇してスリットから離れ、スリットが布帛で塞がれるようにしたものが開発されたが、この場合はチューブを用い、その内方端部をスプリングで引張るので、吸引ノズルからの吸引力でスリットを塞ぐためには、大きい吸引力が必要になり、そのため布帛幅が吸引ノズルの全幅(布帛幅方向の寸法)に対して著しく狭くなった場合および吸引初期においてシール性が不十分となり、吸引力を大きくすると、布帛の耳が外側へ移動する際に耳折れが生じ易い等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の課題は、拡布状態で走行する布帛の吸引脱液装置において、幅方向に長い吸引ノズルのスリットが布帛と接触せずに開口する部分を布帛の蛇行や布帛幅の変動に応じて自動的に、かつ円滑に塞ぎ、しかも布帛幅が吸引ノズルの全幅に対して著しく狭くなった場合および吸引初期においても比較的低い吸引力で良好にシールし、吸引エネルギを節約することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る走行布帛の吸引脱液装置は、任意の処理液を含浸した布帛を拡布状態で走行させ、その片面を幅方向に長い吸引ノズルの先端に接触させて脱液するようにした走行布帛の吸引脱液装置において、上記吸引ノズルの先端に対向してゴム状弾性を有する方形のシャッター膜を、その幅方向の一部が吸引ノズル先端との間に走行布帛を挟んで走行布帛に重なり、残りの部分が走行布帛の幅方向外側に延びるように上記の走行布帛と平行に、かつ布帛走行方向に対して前後の縁を固定する形に張設してなり、上記のシャッター膜に布帛走行方向に対して傾斜する多数本の直線状切込みが幅方向に等間隔に、かつその傾斜方向が布帛中心線に対し左側の切込みおよび右側の切込みの間隔を布帛走行方向に向かって広げる方向に並設され、上記布帛の走行時に上記シャッター膜が走行布帛と重なる部分では吸引ノズル先端から走行布帛によって分離され、走行布帛の幅方向外側に延びる部分では吸引ノズル先端に吸引力で吸着されて該先端を塞ぐようにしたことを特徴とする。
【0007】
上記の装置において、吸引ノズルの先端と該先端を覆うシャッター膜との間に拡布状態の布帛を通し、この布帛を所定の速度で走行させ、吸引ノズルに吸引力を作用させると、シャッター膜が布帛に重なる部分では、布帛が吸引ノズル先端に接し、布帛に吸引力が作用して布帛の脱液が行われる。そして、シャッター膜には吸引ノズルの吸引力が作用しないため、シャッター膜は、その弾性によって収縮し、布帛から離れる。
【0008】
一方、シャッター膜が布帛の幅方向外側へ延びる部分は、シャッター膜に吸引ノズルの吸引力が直接作用するため、シャッター膜が吸引ノズル側に引っ張られ、吸引ノズル先端に吸着されて該先端を塞ぐ。このとき、シャッター膜はゴム状弾性を備えるため、シール性が良好である。そして、布帛の蛇行や布帛幅の変動により、布帛の耳部が吸引ノズル先端上を左右に移動すると、この移動に応じて自動的にシャッター膜の吸引ノズル先端に接する部分が幅方向に伸縮する。したがって、布帛の耳よりも幅方向外側の吸引ノズル先端は、常にシャッター膜の良好なシール性で塞がれ、そのためエネルギが節約される。
【0009】
上記のシャッター膜は、方形に形成されて布帛と平行に配置され、布帛の走行方向に対して前後の縁を固定する形に張設されるが、吸引ノズルに対し全ロットの布帛が常に接する部分、すなわち吸引ノズルの幅方向中央には設ける必要がない。脱液されるべき布帛の最小幅よりも若干狭い部分を残し、その左右両側にシャッター膜を設けることで足りる。また、シャッター膜の厚さや弾性は、吸引ノズル先端のスリットに作用する吸引力および吸引ノズル先端からシャッター膜までの距離等に応じ、スリットを円滑に開閉できる程度に設定される。なお、吸引ノズル先端の吸引力は、布帛の種類にもよるが、通常の場合、−20〜−40kpa が好ましく、−20kpa 未満の場合は脱液不十分となり、反対に−40kpa を超えると脱液効果が飽和に達して不経済である。
【0010】
上記のシャッター膜には、多数本の直線状切込みを布帛走行方向に対して傾斜させ、かつ幅方向に等間隔に並設することができる。すなわち、幅が狭く、布帛走行方向に長い、好ましくは幅が5〜15mm、長さが50〜100mmのテープ状シャッター膜を多数本、互いに重ならないように、かつ隙間なく幅方向に並列し、前後の両端を固定して設けることができる。この場合は、シャッター膜が上記の切込みで形成される狭い幅のテープ状部分を単位として動き、布帛の耳がテープ状シャッター膜の縁と点接触するので、吸引力が弱くても布帛耳部の移動に対するシャッター膜の開閉動作が円滑になり、シール性が向上する。なお、切込みの傾斜角度は、5〜30度が好ましく、5度未満では布帛の耳が外向きに移動するとき引っ掛かり易く、30度を超えるとシール性が低下する。
【0011】
切込みの傾斜方向は、布帛中心線に対し左側の切込みおよび右側の切込みの距離が布帛走行方向に向かって広がる方向に設定することが特に好ましい。換言すれば、布帛中心線の左右に並ぶ多数本のテープ状シャッター膜を、布帛走行方向に向かって布帛中心線から離れる向きに傾斜させる。この場合は、前記同様にシャッター膜が狭い幅のテープ状部分を単位として動くので、シャッター膜の開閉動作が円滑になり、しかもシャッター膜の切込みが外向きに傾斜しているので、布帛幅が広がったり、布帛が蛇行したりして耳部が外向きに移動するとき、その移動が一層円滑になり、布帛の耳折れが防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は吸引脱液装置10の正面図、図2はその平面図である。この吸引脱液装置10は、一方向に細長く作られ、布帛Fの走行通路(この実施形態では上から下向きに設定される)を横断するように水平に設置される。なお、図1では、吸引脱液装置10の右半部が示される。この吸引脱液装置10は、角筒状の本体フレーム11とその前面に開口する長孔11a(図4、図5参照)を挟んで固定された上下1組のノズルプレート12とで構成され、本体フレーム11の背面側両端に位置する足板11bを介して支持フレーム14に固定される。そして、本体フレーム11の端板11cに固定された円形パイプ13(図3参照)を介してブロア(図示されていない)が接続される。
【0013】
上記のノズルプレート12は、本体フレーム11の前面に突出する吸引ノズルを構成し、前記の布帛Fはこの吸引ノズル12の先端に接するように適当なガイドローラ等を介して拡布状に案内される。なお、上記のノズルプレート12は、山形鋼で形成され、その2枚によって先端に形成されるスリット12aの幅dは、2〜5mmの範囲で調節自在に形成され、また上記のスリット12aに作用する吸引力は、前記のブロアによって−20〜−40kpa に設定される。
【0014】
上記本体フレーム11の前方に間隔を空けてシャッター枠15(図1および図2参照)が設けられる。このシャッター枠15は、本体フレーム11のほぼ全域にまたがる平板の中央および左右の3箇所に横長の窓孔15aを開けたものであり、その四隅に突設した脚部15bを介して上記本体フレーム11に固定され、この本体フレーム11に固定されている前記吸引ノズル12の先端とシャッター枠15との間に空隙が形成される。
【0015】
このシャッター枠15の左右2箇所にそれぞれシャッター膜16が張設される。このシャッター膜16は、方形のゴムシートからなり、図1において、幅(横寸法)が窓孔15aよりも小さく、長さ(縦寸法)がシャッター枠15よりも大きく形成され、その中央部に中心線Nに対して若干傾斜する多数本の切込み16aを互いに平行に、かつ幅方向に等間隔に並設したものである。なお、上記の切込み16aにおいて、その傾斜角度θは中心線Nに対して5〜30度に設定され、その間隔は5〜15mmに設定される。
【0016】
そして、上記のシャッター膜16は、シャッター枠15の背面(本体フレーム11側)に重ねられ(図4および図5参照)、上下の縁部をシャッター枠15の縁に沿って手前に折り返し、シャッター枠15の前面の縁に重ね、更にその上に押えバー17を重ねて複数本のボルト18で固定される。
【0017】
上記の構造において(図1および図2参照)、布帛Fを拡布状態で走行させながら洗浄液を含浸させ、しかるのち上記吸引脱液装置10の幅方向中央の吸引ノズル12とシャッター膜16との間に(図5参照)上から下向きに導入し、吸引脱液装置10に接続されているブロアを駆動し、吸引ノズル12のスリット12aに吸引力を作用させると、布帛Fは吸引ノズル12の先端に接しながら走行し、スリット12aに働く吸引力によって脱液される。そして、この布帛Fに面するシャッター膜16は、吸引されることなくその弾性で収縮し、布帛Fから離れて静止し、布帛Fとほぼ平行な状態を維持する。
【0018】
他方、布帛Fの耳よりも幅方向外側のシャッター膜16は、図4に示すように、吸引ノズル12の吸引力を受けて吸引ノズル12側に引っ張られ、吸引ノズル12の先端に吸着されてスリット12aを塞ぐ。そして、布帛Fの幅の変動または蛇行により、布帛Fの耳が吸引ノズル12の先端に沿って左右に移動すると、この移動に追随して上記シャッター膜16のスリット12aを塞ぐ位置が自動的に変化し、布帛Fの耳よりも外側のスリット12aは常に塞がれる結果になり、そのシール性も良好である。
【0019】
そして、この実施形態では、シャッター膜16の切込み16aが布帛Fの走行方向に向かって中心線Nから離れる方向に傾斜しているため、シャッター膜16によるスリット12aの開閉が極めて円滑に行われ、布帛Fの耳が幅方向外向きに移動する場合にも耳折れが生じない。
【0020】
【発明の効果】
上記のとおり、この発明に係る走行布帛の吸引脱液装置は、布帛の耳よりも幅方向外側にあって布帛と接触せずに開口する吸引ノズルのスリットを布帛の蛇行や布帛幅の変動に応じて自動的に塞ぐことができ、そのシール性も良好であり、また吸引ノズルに働く吸引力を利用し、他の動力を利用しないので、大幅な省力が可能になり、構造も簡略化される。そして、吸引ノズルのシャッターとしてゴム状弾性を有する膜を用い、これを吸引ノズルの先端に対向して張設するので、吸引ノズルの先端に沿ってチューブを這わせたものに比べ、比較的低い吸引力でシール動作を開始することができ、始動直後におけるブロアの回転上昇を少なくでき、かつ布帛の幅が吸引ノズルの全幅に対して著しく狭い場合も良好なシール性が得られる。
【0021】
そして、吸引力が弱くても布帛耳部の移動に対するシャッター膜の開閉動作が円滑になり、シール性が一層向上し、かつ布帛の耳部が外向きに移動する際の布帛の耳折れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の正面図である。
【図2】図1の要部の平面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図1のB−B線断面図である。
【図5】図1のC−C線断面図である。
【符号の説明】
10:吸引脱液装置
11:角筒状の本体フレーム、11a:長孔
12:ノズルプレート(吸引ノズル)、12a:スリット
13:円形パイプ
14:支持フレーム
15:シャッター枠、15a:窓孔、15b:脚部
16:シャッター膜、16a:切込み
17:押えバー
F:布帛
N:中心線
θ:傾斜角度
Claims (1)
- 任意の処理液を含浸した布帛を拡布状態で走行させ、その片面を幅方向に長い吸引ノズルの先端に接触させて脱液するようにした走行布帛の吸引脱液装置において、上記吸引ノズルの先端に対向してゴム状弾性を有する方形のシャッター膜を、その幅方向の一部が吸引ノズル先端との間に走行布帛を挟んで走行布帛に重なり、残りの部分が走行布帛の幅方向外側に延びるように上記の走行布帛と平行に、かつ布帛走行方向に対して前後の縁を固定する形に張設してなり、上記のシャッター膜に布帛走行方向に対して傾斜する多数本の直線状切込みが幅方向に等間隔に、かつその傾斜方向が布帛中心線に対し左側の切込みおよび右側の切込みの間隔を布帛走行方向に向かって広げる方向に並設され、上記布帛の走行時に上記シャッター膜が走行布帛と重なる部分では吸引ノズル先端から走行布帛によって分離され、走行布帛の幅方向外側に延びる部分では吸引ノズル先端に吸引力で吸着されて該先端を塞ぐようにしたことを特徴とする走行布帛の吸引脱液装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2001130641A JP3540766B2 (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 走行布帛の吸引脱液装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP2001130641A JP3540766B2 (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 走行布帛の吸引脱液装置 |
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|---|---|
| JP2002327367A JP2002327367A (ja) | 2002-11-15 |
| JP3540766B2 true JP3540766B2 (ja) | 2004-07-07 |
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Family Applications (1)
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-
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| JP2002327367A (ja) | 2002-11-15 |
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