JP3545136B2 - 内燃機関の電子制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車に利用する。本発明は、アクセルペダルの踏込み量に応じて内燃機関に供給する燃料流量を電子回路により制御する制御装置の改良に関する。特に、内燃機関の低速回転時の燃料流量制御に関する。本発明は、内燃機関の低速回転における燃料供給量を増大させるアイソクロナス制御の応用に関する。本発明はターボ過給手段(TI)を備えた内燃機関に利用するに適する。本発明は、坂道発進補助装置との合理的な併用技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
排気量が小さい小型の内燃機関で大きい出力を得ることができるように内燃機関が進歩した。このためにターボ過給手段(TI)を設けることが行われているが、ターボ過給手段を有する内燃機関は低速回転時にはターボ機構が有効に作用しないので、低速回転速度における出力トルクが小さくなる。特に、貨物用のディーゼル機関では、積載重量が大きいときの坂道発進などの場合に、クラッチをミートさせた瞬間に内燃機関の回転速度が下がり、発進に必要なトルクが十分に得られないことがある。
【0003】
図7はディーゼル機関について回転速度が極めて低い場合の出力トルクの特性を示す図である。一般型の内燃機関(NA)では回転速度がある程度低下しても一定の出力トルクが得られるが、ターボ過給手段(TI)を有する内燃機関では、極低速回転速度(例えば700rpm以下)では出力トルクが急激に小さくなる特性がある。
【0004】
このために内燃機関の燃料流量を制御する電子制御装置において、内燃機関に負荷がかかり機関回転速度がある値以下に低下したときには、通常のアクセル開度制御特性パターン制御に対し、燃料供給量を急速に増大させ目標回転を維持するように制御する技術が開発された。これはアイソクロナス制御といわれるものである。自動車の発進時における内燃機関のアイソクロナス制御については、例えば、特開昭61−196831号公報、特開平5−263687号公報に開示がある。
【0005】
図8は、従来例アイソクロナス制御の制御パターンを説明する図である。この図は機関回転速度に対する燃料流量の制御パターンであり、通常の制御モードでは実線で示す曲線の制御を行うが、車速が零またはほとんど零の状態で機関回転速度がxまで低下すると、図に太線で示すような線上の噴射量を採る。これがアイソクロナス制御である。アイソクロナス制御が設定されると、回転速度が瞬間的に落込んだ時に充分な燃料供給が行われて、内燃機関の出力トルクが増大して、いわゆるエンストを回避することができるのは公知の技術である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明者らは、このアイソクロナス制御を実用車両に適用するために多数の試験を行った。最大積載量に相当する積荷を積載し、内燃機関制御装置にアイソクロナス制御を設定したうえで、さまざまな路面状況での発進走行試験を行った。アイソクロナス制御の条件もさまざまに変更して試験を行った。
【0007】
その結果、アイソクロナス制御を使用すると、上り勾配の発進特性はたしかに向上するものの、いくつかの不都合な場合があることがわかった。その一つは、上り勾配で発進した直後に下り勾配があるような路面状況である。これは例えば鉄道の踏切を越える路面で発生する。踏切の直前でいったん停車し、上り勾配による坂道発進により車両を発進させると、すぐに踏切を越えて路面が下り勾配になるような場面である。このような路面状況は実際の道路に多く存在する。このような路面状況では、発進時にアイソクロナス制御が作動して、機関の回転速度が低速になっても燃料が急速に供給され円滑な発進が行われる。しかしその発進の直後に下り坂路面となり、運転者にとっては、ブレーキがききにくくなるという反応になる。この様な状況は実路運転下でひんぱんに起こり得る状況であることがわかった。
【0008】
また、従来のアイソクロナス制御では上記図8に説明するように、制御特性は一定の曲線で表されるように一定であり、これではさまざまな状況に応じて不十分であることがわかった。すなわち、路面勾配の大きさに応じて、さらに高い機関回転速度まで、あるいはさらに低い回転速度まで、アイソクロナス制御を有効に利用することができない。これを路面勾配の程度に応じて設定するなら、さらに合理的に内燃機関を制御することができることがわかった。
【0009】
さらに、発明者らはこのアイソクロナス制御を坂道発進補助装置に併用するときに、車両の発進がきわめて円滑になることを経験し、坂道発進補助装置の特性を通常の路上走行で有効に利用することができることがわかった。
【0010】
この坂道発進補助装置との併用については、路面は必ずしも乾燥路だけではないので、路面状態が変化した場合にどのような影響を受けるかを詳しく知るためにさらに実験を重ねた。その結果、凍結路においてはアイソクロナス制御モードが設定された状態にあると、車輪の回転速度が低下したときに、目標回転を維持しようとして回転速度が上昇し、路面を磨いてかえって滑りやすくしてしまうことがわかった。
【0011】
これは滑りやすい路面では車輪の回転速度を抑えなければならないことに反するものであり、このような状況下ではアイソクロナス制御モードを禁止することも考えられる。この禁止動作を自動的に行うためには、車輪のスリップを検出した後にその出力によって解除することになり、路面を滑りやすくしておいて回転速度を下げても本来の坂道発進補助動作の目的は達せられない。
【0012】
また、荷積み荷おろし用のプラットフォームにトラックをフラットに接近させるために、通路が掘り下げられあるいは盛り上げられて形成されていることがある。そのような通路では、車両の傾斜によりアイソクロナス制御モードが自動的に設定されることは不都合であることが指摘された。すなわち、このような通路が急な坂道となっている構造のプラットフォームの近傍では、荷積み、荷下ろしなどのために前進1速および後退によって車両をこまかく移動する場合に、勾配センサ出力にしたがったアイソクロナス制御モードにより、運転者の意に反して自動的に車輪の回転速度が上昇し違和感を与えるとともに、クラッチコントロールを難しくする場合があることが指摘された。
【0013】
本発明はこのような背景に行われたものであって、低速回転時における出力トルクが小さい内燃機関を合理的に制御する制御装置を提供することを目的とする。本発明は、アイソクロナス制御モードを必要な場合だけ設定させる制御装置を提供することを目的とする。本発明は、アイソクロナス制御モードを路面勾配の程度に応じて必要な程度で設定させる制御装置を提供することを目的とする。本発明は、運転者の意に反して車両が加速されるようなことがない制御装置を提供することを目的とする。本発明は運転の安全性向上を目的とする。本発明は従来のアイソクロナス制御を改良することを目的とする。さらに本発明は坂道発進補助装置を有効に利用することができる制御装置を提供することを目的とする。本発明は、凍結路などの滑りやすい路面では手動操作により勾配センサ出力にかかわらずアイソクロナス制御モード特性を選択し走行安定性を維持することができる制御装置を提供することを目的とする。本発明は、低速による車両移動時には勾配センサ出力にかかわらず最適なアイソクロナス制御モード特性を自動的に設定し運転操作に違和感を与えない制御装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
ターボ過給手段(TI)が備えられた内燃機関は、極低速回転速度では出力が急激に小さくなるために、内燃機関に負荷がかかり機関回転速度が一定値以下の値を示したときには、通常の制御特性パターンにしたがう通常制御モードから燃料供給量を急速に増大させるアイソクロナス制御モードに切換えられる。本発明は、このアイソクロナス制御モードへの切換えにあたって、車両の進行方向に対する路面勾配を検知し、その検知出力が所定値(α)を越える上り勾配を示すことを条件として行われることを特徴とする。
【0015】
また、本発明では、勾配センサが示す上り勾配の大きさに応じてアイソクロナス制御モードを設定する内燃機関の目標回転速度を段階的に変更することができる。これは、例えば、勾配に応じそれぞれの勾配に最適な内燃機関の回転速度になるようにアイソクロナス制御特性曲線を設定し、これを制御マップとしてそのときの路面の勾配に応じた燃料供給制御が行われる(図3参照)。このように複数の制御曲線を設けることによって低い回転速度から高い回転速度までの広い範囲にわたってアイソクロナス制御を有効に利用することができ、内燃機関を合理的に制御することが可能となる。
【0016】
平坦な路面から上り勾配がある場合の雪道や乾燥路における最適なアイソクロナス制御を行うことで、坂道発進補助装置との併用がさらに便利になる。
【0017】
すなわち、信号待ちの一時停止あるいは渋滞道路などでの運転で、前記所定値を零勾配に設定しておくとアクセル・ペダルの操作をほとんど行わなくとも、停止および発進を円滑に行うことができるようになる。実際の運転試験の結果、坂道発進補助装置は本発明を併用することによりきわめて便利にかつ使い易くなったことがわかった。
【0018】
乾燥路においては前述のように、路面勾配の程度に応じて必要な程度でアイソクロナス制御モードが設定され、安定した走行を行うことができるが、スリップを起しやすい凍結路では、アイソクロナス制御モードが設定された状態にあると車輪が空転することがある。このような場合にはアイソクロナス制御モードを解除することが望ましいがこの解除動作を制御系により自動的に行おうとすると、車輪の空転を検出してから解除することになり、車両の発進条件としては好ましくない。これに対処するために操作スイッチを設け、運転者の判断でこの操作スイッチを操作することによりあらかじめ定められた特性のアイソクロナス制御モードを設定する。これにより凍結路での走行時に、クラッチコントロールを容易に行えるようにすることができるとともに、走行安全性を高めることができる。
【0019】
また、車両の運転操作の中にはプラットホーム着けのように停車寸前の速度で移動させることがある。このときのギヤ位置は前進1速および後退の位置で行われる。このような運転操作の場合もアイソクロナス制御モード特定の特性を選択設定することが望ましい。本発明ではギヤ位置センサを設け、このギヤ位置センサの出力が1速または後退の位置を示したときに、アイソクロナス制御モード特性を選択設定する。これにより、運転者が行うクラッチコントロールを容易にすることができるとともに、回転速度の上昇による違和感をなくすことができる。
【0020】
勾配センサが所定値より小さい一定値以下の勾配(勾配零および下り勾配を含む)を示したときには、アイソクロナス制御モードの条件が成立しなくなったので、アイソクロナス制御モードを強制的に解除し通常の制御モードに移行する。これにより、車両が不要に加速されるようなことがなくなる。
【0021】
本発明装置は坂道発進補助装置と併用することができる。この坂道発進補助装置の動作には、クラッチペダルが第一の所定ストロークS1 以上の踏込み状態にあり、変速機が発進ギヤまたは後退ギヤに投入された後に、クラッチペダルが第二の所定ストロークS2 (S2 <S1 )まで戻されたときに自動的にブレーキを解放する動作が含まれている。したがって本発明を併用することにより坂道発進補助動作とともに勾配が上り坂になるときにアイソクロナス制御が実行されるから、発進時に燃料供給の増加が自動的に行われ、坂道発進補助装置の特性を有効に利用することができる。
【0022】
さらに、後退が2速設けられた車両では、後退1速位置のみでアイソクロナス制御モードの特性が選択設定されることが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
【0024】
【実施例】
次に、本発明実施例を図面に基づいて説明する。
【0025】
(第一実施例)
図1は本発明第一実施例の要部の構成を示すブロック図である。
【0026】
本発明第一実施例は、内燃機関1の回転速度を検出する回転速度センサ2と、車速を検出する車速センサ3と、アクセルペダル21の踏込み量を検出するアクセルペダル・センサ4と、変速機25がニュートラル位置にあることを検出するニュートラル位置センサ5と、車両の進行方向に対する路面勾配を検出する勾配センサ6と、クラッチペダル23の踏込みストロークを検出するクラッチストローク・センサ7と、ブレーキペダル22の操作を検出するブレーキ・スイッチ8と、クラッチペダル23が踏まれたか否かを検出するクラッチ油圧スイッチ9と、前記各センサおよび各スイッチの出力を取込みアクセルペダル・センサ4の出力に応じて内燃機関1に供給する燃料流量を制御する制御回路10とが備えられる。
【0027】
ここで制御回路10は必ずしも独立の回路であることは必要でなく、コンピュータ回路の中に実質的に以下の制御を行う回路を設けることにより実現できる。
【0028】
さらに、制御回路10には、車速が一定値以下であり内燃機関1の回転速度が低下したときに燃料供給を増大させるアイソクロナス制御モードを設定する手段と、勾配センサ6の出力が所定値を越える上り勾配を示すことを条件にアイソクロナス制御モードを設定する手段と、勾配センサ6の出力が示す上り勾配の大きさに応じてアイソクロナス制御モードを設定する内燃機関1の目標回転速度を変更する手段と、勾配センサ6が前記所定値より小さい一定値以下の勾配(下り勾配を含む)を示すときにアイソクロナス制御モードを強制的に解除する手段とが含まれる。
【0029】
ここで、本発明第一実施例の動作について説明する。図2は本発明第一実施例における制御動作の流れを示すフローチャートである。
【0030】
制御回路10はアイソクロナス制御モードの作用を制御し、車速センサ3からの出力を取込み、現在の車速vが設定値v0 以下であるか否かを判定する。車速vが設定値v0 以下であれば勾配センサ6からの出力を取込み、変速機25がニュートラルの位置になければ勾配値を保持する。
【0031】
続いて、勾配値を保持した状態でクラッチストローク・センサ7からの出力を取込み、クラッチの位置状態を判定する。クラッチの位置が運転者が設定したミート直前位置を示すP2にあり、勾配値が上り坂の場合アイソクロナス制御モードを設定し、図3の太い実線で示すアイソクロナス制御曲線にしたがって制御を実行する。この制御は、クラッチミート時の内燃機関1の回転速度低下を防止すべく燃料供給を増大させるために、勾配センサ6の出力が示す上り勾配の大きさ、例えば、3%、6%、10%、…に応じて決定される特性曲線にしたがって行われる。
【0032】
この上り勾配の大きさに応じたアイソクロナス制御曲線が選択されると、再度車速センサ3からの出力を取込み車速を確認する。車速が示されていれば、ラック位置またはエンジン制御回路噴射量指示値より、燃料噴射量を読込みあらかじめ設定された噴射量以上であるか否かを判定する。同値の噴射量以上であれば加速状態を示しているので、ブレーキ・スイッチ8からの出力を取込み、ブレーキペダル22が踏まれているか否かを判定する。ブレーキペダルが踏まれていなければ、クラッチ油圧スイッチ9からの出力を取込み、クラッチ24がミート状態の位置P3にあるか否かを判定する。クラッチがミート状態の位置P3にあれば、アイソクロナス制御モードを継続しつつ、アクセルペダル・センサ4からの出力が取込まれるドライバーの加速意志による噴射量指示値とアイソクロナス制御による噴射量指示値を比較し、大きい値を最終噴射量としてエンジンに指示する。以下同様の動作を繰り返す。
【0033】
燃料噴射がアイドリング噴射量以上であることが示されず、ブレーキペダル22が踏まれるか、またはクラッチ24がミート状態の位置P3にない等、あらかじめ発進が完了した条件値が満たされれば、アイソクロナス制御による走行は不必要なので、その制御モードを解除し、勾配値をリセットして制御をもとに戻す。
【0034】
アイソクロナス制御モードが解除されると、自動的に通常制御モードが設定され、図3の細い実線で示した複数の制御曲線のいずれかにしたがって通常走行制御が行われる。例えば、車両が3%の上り勾配にあって同図に示すアイソクロナス制御曲線上の点Aの燃料流量が与えられていたとすると、発進完了条件が成立し、アイソクロナス制御モードが解除されたときには通常制御モードに移行するので、通常制御曲線上の点Bの燃料流量が与えられる。これにより、平坦な状態もしくはマイナス勾配になったときに加速が継続することが回避され、安定した走行を行うことができる。
【0035】
(第二実施例)
図4は本発明第二実施例の要部の構成を示すブロック図である。
【0036】
本発明第二実施例は、第一実施例の構成に変速機25のギヤ位置を検出するギヤ位置センサ15が設けられ、坂道発進補助装置30が備えられる。この坂道発進補助装置30は、特開平7−40816号公報、特開平7−101322号公報に開示されているようにすでに本願出願人によって実用化されたものである。この装置は、フロントタンク31、リヤタンク32およびリザーブタンク33と、フロントタンク31およびリヤタンク32に蓄積された空気圧をブレーキペダル22の操作により供給するフロントブレーキバルブ34およびリヤブレーキバルブ35と、このフロントブレーキバルブ34およびリヤブレーキバルブ35から空気圧が供給されたときにストップランプを点灯させるストップランプスイッチ36と、制御回路10からの制御信号にしたがって開閉動作を行いフロントブレーキブースタ37およびリヤブレーキブースタ38に空気圧を供給する電磁弁39とが備えられる。また、制御回路10には、ブレーキ・スイッチ8の出力が制動状態を示し車速が零であるときに電磁弁39に対してブレーキ圧力を保持させる制御信号を送出する手段と、ブレーキ圧力が保持された状態で前進発進位置もしくは後退位置を示しクラッチストローク・センサ7が所定のストロークを検出したときにブレーキ圧力を解除する制御信号を送出する手段とが含まれる。
【0037】
すなわち、ブレーキ圧力が印加されている状態で、クラッチペダル23が第一の所定ストローク(S1 )以上に深く踏み込まれ、ギヤが前進発進位置または後退位置に投入された後に、クラッチペダル23が第二のストロークS2 (S2 <S1 )まで抜かれて、所定ストロークに達したときに、自動的にブレーキ圧力が解放される。
【0038】
次に、坂道発進補助装置30が併用された本発明第二実施例の動作について説明する。図5は本発明第二実施例における制御動作の流れを示すフローチャートである。
【0039】
制御回路10は、坂道発進補助装置30による動作が実行されているか否かを確認し、実行されていれば第一実施例同様の動作を行い、勾配センサ6の出力が上り勾配であることを示していれば、アイソクロナス制御モードを設定する。このアイソクロナス制御モードが設定された状態で、坂道発進補助動作が継続されているか否かを判定し、継続状態にあれば解除された後、解除される条件成立までアイソクロナス制御モードにしたがって制御を行う。また、勾配センサ6の出力が下り坂にあることを示していれば、そのまま通常制御モードを継続し勾配値をリセットして制御をもとに戻す。これにより坂道発進補助動作のみが効果的に行われる。
【0040】
坂道発進補助装置30は、ブレーキ圧力が一定値を越えて車速が零になったときに、車両の走行方向に勾配があることが検出されると、運転者がブレーキペダル22から足を離しても自動的にブレーキ圧力を保持する。また、運転者が変速機25を発進位置に設定し、クラッチ24をつなぎ、アクセルペダル21を踏込んだときには、最も適切なタイミングで自動的にブレーキ圧力を解放し、制動状態を解除する。したがって運転者はパーキングブレーキの操作を伴うことなく容易に坂道発進操作を行うことができる。
【0041】
このような坂道発進補助装置と併用した場合には、上り坂での走行では勾配センサが上り勾配を検出しているためにアイソクロナス制御が自動的に実行されて燃料供給量を増大させるが、発進が完了条件を満たした場合はただちに通常制御モードに切換えられて燃料供給量を制限するので、加速を必要としない路面で機関回転速度を上昇させブレーキをききにくくしてしまうようなことが回避される。
【0042】
(第三実施例)
図6は本発明第三実施例の要部の構成を示すブロック図である。
【0043】
本発明第三実施例は、第二実施例の構成に加えて、勾配センサ6と制御回路10との間に操作により開閉する操作スイッチ16が設けられ、制御回路10にこの操作スイッチ16が操作(オン)されたとき勾配センサ6の出力にかかわらずあらかじめ定められた特性のアイソクロナス制御モードを設定する手段が備えられる。一例として図3に示す勾配3%の特性が固定的に選択される。操作スイッチ16は運転席に設けられた操作パネルに配置される。
【0044】
凍結路における発進および走行では車輪の回転速度を極力おさえる必要がある。このような状況下ではアイソクロナス制御モードが設定された状態にあると、低速になったときに車輪の回転速度を上昇させる動作が行われるので好ましくない。車輪のスリップを検出し、この出力によって制御回路10がアイソクロナス制御モードを解除することはできるが、車輪がスリップした後に解除しても効果はなく、かえって運転者のクラッチコントロールを難しくする。
【0045】
本第三実施例は、車輪がスリップするか否かを運転者の判断にまかせ、路面が凍結しているような場合には、操作スイッチ16を操作し、制御回路10がその出力を受けても勾配センサ6の出力にかかわらずあらかじめ定められた特性(この場合は図3の勾配3%の特性)のアイソクロナス制御モードを設定する。これにより、凍結路の走行条件を悪化させないアイソクロナス制御を安全な状態のもとに行うことができる。その他の動作は第二実施例と同様に行われる。
【0046】
(第四実施例)
本発明第四実施例は図4に示す第二実施例同様に構成され、制御回路10にギヤ位置センサ15の出力が前進1速または後退を示したときに勾配センサ6の出力にかかわらず定められた特性のアイソクロナス制御モードを自動的に設定する手段が備えられる。
【0047】
車両の運行操作の中には荷物の積み下しのためのプラットホームへの横着けのように停車寸前の速度で急な坂道の前進および後退が行われる。このときの前進ギヤ位置は1速に設定される。このようなときにアイソクロナス制御モードが固定的な特性にしたがって設定されていると、車輪の回転速度を増加させる制御が行われ、クラッチコントロールが困難となる。
【0048】
本第四実施例は、上記第三実施例の操作スイッチに代えて、制御回路10がギヤ位置センサ15の出力に前進1速または後退が示されたときに、アイソクロナス制御モードが最も適合した特性曲線にしたがって行われるように自動的に設定され、クラッチコントロールなどの操作性の低下を回避することができるようにしたものである。その他の動作は第二実施例同様に行われる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、アイソクロナス制御モードを必要な場合だけ設定することができるので、低速回転時における出力トルクが小さい内燃機関を合理的に制御することができる。また、アイソクロナス制御モードが路面勾配の程度に応じた必要な程度で設定されるので、運転者の意に反して車両が加速されるようなことを回避することができ、運転の安全性をより向上させることができる。さらに、坂道発進補助装置と合理的に併用することができるので、坂道発進補助動作を有効に利用することができる。
【0050】
本発明では、アイソクロナス制御モードの特性の設定は、運転者の手動操作によって行うことも可能であり、凍結路上での走行を運転者の判断にゆだねることによって発進条件を悪化させることを回避することができる。また、1速による前進および後退を繰り返すような車両操作を行うときには自動的にアソクロナス制御モード特性が設定されるので、クラッチコントロールを含む操作性の低下を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の要部の構成を示すブロック図。
【図2】本発明第一実施例における制御動作の流れを示すフローチャート。
【図3】本発明第一実施例におけるアイソクロナス制御曲線および通常制御曲線を示す図。
【図4】本発明第二実施例の要部の構成を示すブロック図。
【図5】本発明第二実施例における制御動作の流れを示すフローチャート。
【図6】本発明第三実施例の要部の構成を示すブロック図。
【図7】ディーゼル機関について回転速度が極めて低い場合の出力トルクの特性を示す図。
【図8】従来例アイソクロナス制御の制御パターンを説明する図。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 回転速度センサ
3 車速センサ
4 アクセルペダル・センサ
5 ニュートラル位置センサ
6 勾配センサ
7 クラッチストローク・センサ
8 ブレーキ・スイッチ
9 クラッチ油圧スイッチ
10 制御回路
11 電子ガバナ制御回路
15 ギヤ位置センサ
16 操作スイッチ
21 アクセルペダル
22 ブレーキペダル
23 クラッチペダル
24 クラッチ
25 変速機
30 坂道発進補助装置
31 フロントタンク
32 リヤタンク
33 リザーブタンク
34 フロントブレーキバルブ
35 リヤブレーキバルブ
36 ストップランプスイッチ
37 フロントブレーキブースタ
38 リヤブレーキブースタ
39 電磁弁
Claims (4)
- ターボ過給手段を備えた内燃機関であって、内燃機関の回転速度センサと、車速センサと、アクセルペダル・センサと、前記各センサ出力を取込み前記アクセルペダル・センサの出力に応じて前記内燃機関に供給する燃料流量を制御する制御回路とを備え、この制御回路は、車速が一定値以下であり内燃機関の回転速度が低下したときに燃料供給を増大させるアイソクロナス制御モードを設定する手段を備えた内燃機関の電子制御装置において、
車両の進行方向に対する路面勾配を検知する勾配センサを備え、
前記制御回路は、この勾配センサ出力が所定値を越える上り勾配を示すときに、前記勾配センサの出力が示す上り勾配の大きさに応じて決定されるアイソクロナス制御特性曲線を選択して当該アイソクロナス制御特性曲線にしたがって燃料噴射量を変更する手段を備える
ことを特徴とする内燃機関の電子制御装置。 - 路面の状態によって運転者によって操作される操作スイッチを設け、この操作スイッチの操作により前記勾配センサ出力にかかわらずあらかじめ定められた勾配のアイソクロナス制御特性曲線にしたがって制御を行う手段を備えた請求項1記載の内燃機関の電子制御装置。
- ギヤ位置センサを設け、このギヤ位置センサの出力が前進1速を示すときに前記勾配センサ出力にかかわらずあらかじめ定められたアイソクロナス制御特性曲線にしたがって制御を行う手段を備えた請求項1記載の内燃機関の電子制御装置。
- ギヤ位置センサを設け、このギヤ位置センサの出力が後退を示すときに前記勾配センサ出力にかかわらずあらかじめ定められたアイソクロナス制御特性曲線にしたがって制御を行う手段を備えた請求項1記載の内燃機関の電子制御装置。
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1996
- 1996-08-28 JP JP22697496A patent/JP3545136B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH09170468A (ja) | 1997-06-30 |
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